JP5749143B2 - ポリアセタール樹脂組成物 - Google Patents
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ポリアセタール樹脂(I)100質量部に対して、
脂肪族一価アルコール(II)0.15〜1質量部、
脂肪族一価アルコールと脂肪族一価のカルボン酸とからなるエステル(III)3〜10質量部、
無機フィラー(IV)0.5〜50質量部を含有してなり、
脂肪族一価アルコールと脂肪族一価のカルボン酸とからなるエステル(III)と脂肪族一価アルコール(II)との質量比率((III)/(II))が5〜20であることを特徴とするポリアセタール樹脂組成物。
さらに、ホルムアルデヒド反応性窒素含有化合物(V)0.01〜1質量部を含有してなることを特徴とする前記〈1〉に記載のポリアセタール樹脂組成物。
ホルムアルデヒド反応性窒素含有化合物(V)がメラミンであることを特徴とする前記〈1〉又は〈2〉に記載のポリアセタール樹脂組成物。
脂肪族一価アルコール(II)の炭素数が14〜30であることを特徴とする前記〈1〉〜〈3〉いずれかに記載のポリアセタール樹脂組成物。
脂肪族一価アルコールと脂肪族一価のカルボン酸とからなるエステル(III)の炭素数が28〜50であることを特徴とする前記〈1〉〜〈4〉いずれかに記載のポリアセタール樹脂組成物。
無機フィラー(IV)が粒子であり、
無機フィラー(IV)のアスペクト比(平均長径L/平均短径D)が1以上5以下であることを特徴とする前記〈1〉〜〈5〉いずれかに記載のポリアセタール樹脂組成物。
無機フィラー(IV)が粒子であり、
無機フィラー(IV)の平均粒径が50nm以上500nm以下であることを特徴とする前記〈1〉〜〈6〉いずれかに記載のポリアセタール樹脂組成物。
無機フィラー(IV)が炭酸カルシウムであることを特徴とする前記〈1〉〜〈7〉いずれかに記載のポリアセタール樹脂組成物。
炭酸カルシウムが表面処理されていないことを特徴とする前記〈8〉に記載のポリアセタール樹脂組成物。
炭酸カルシウムが軽質炭酸カルシウムであることを特徴とする前記〈8〉又は〈9〉に記載のポリアセタール樹脂組成物。
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物は、ポリアセタール樹脂(I)100質量部に対して、脂肪族一価アルコール(II)0.15〜1質量部、脂肪族一価アルコールと脂肪族一価のカルボン酸とからなるエステル(III)3〜10質量部、無機フィラー(IV)0.5〜50質量部を含有してなり、脂肪族一価アルコールと脂肪族一価のカルボン酸とからなるエステル(III)と脂肪族一価アルコール(II)との質量比率((III)/(II))が5〜20である。
本実施形態で用いるポリアセタール樹脂(I)としては、ホルムアルデヒド単量体又はその3量体(トリオキサン)や4量体(テトラオキサン)等のホルムアルデヒドの環状オリゴマーを単独重合して得られる実質上オキシメチレン単位だけから成るポリアセタールホモポリマーや、ホルムアルデヒド単量体又はその3量体(トリオキサン)や4量体(テトラオキサン)等のホルムアルデヒドの環状オリゴマーとエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、エピクロルヒドリン、1,3−ジオキソランや1,4−ブタンジオールホルマールなどのグリコールやジグリコールの環状ホルマール等の環状エーテル、環状ホルマールとを共重合させて得られたポリアセタールコポリマーを代表例として挙げることができる。また、ポリアセタール樹脂(I)として、単官能グリシジルエーテルを共重合させて得られる分岐を有するポリアセタールコポリマーや、多官能グリシジルエーテルを共重合させて得られる架橋構造を有するポリアセタールコポリマーも用いることができる。さらに、ポリアセタール樹脂(I)として、両末端又は片末端に水酸基などの官能基を有する化合物、例えばポリアルキレングリコールの存在下、ホルムアルデヒド単量体又はホルムアルデヒドの環状オリゴマーを重合して得られるブロック成分を有するポリアセタールホモポリマーや、同じく両末端又は片末端に水酸基などの官能基を有する化合物、例えば水素添加ポリブタジエングリコールの存在下、ホルムアルデヒド単量体又はその3量体(トリオキサン)や4量体(テトラオキサン)等のホルムアルデヒドの環状オリゴマーと環状エーテルや環状ホルマールとを共重合させて得られるブロック成分を有するポリアセタールコポリマーも用いることができる。以上のように、本実施形態においては、ポリアセタール樹脂(I)として、ポリアセタールホモポリマー、ポリアセタールコポリマーいずれも用いることが可能であるが、好ましくはポリアセタールコポリマーである。
(式(1)中、R1、R2、R3及びR4は、各々独立して、炭素数1〜30の非置換アルキル基又は置換アルキル基;炭素数6〜20のアリール基;炭素数1〜30の非置換アルキル基又は置換アルキル基が少なくとも1個の炭素数6〜20のアリール基で置換されたアラルキル基;又は炭素数6〜20のアリール基が少なくとも1個の炭素数1〜30の非置換アルキル基又は置換アルキル基で置換されたアルキルアリール基を表わし、非置換アルキル基又は置換アルキル基は直鎖状、分岐状、又は環状である。上記置換アルキル基の置換基はハロゲン、水酸基、アルデヒド基、カルボキシル基、アミノ基、又はアミド基である。また、上記アリール基、アラルキル基、アルキルアリール基は水素原子がハロゲンで置換されていてもよい。nは1〜3の整数を表わす。Xは水酸基、又は炭素数1〜20のカルボン酸、ハロゲン化水素以外の水素酸、オキソ酸、無機チオ酸もしくは炭素数1〜20の有機チオ酸の酸残基を表わす。)
本実施形態に用いる第4級アンモニウム化合物は、上記一般式(1)で表わされるものであれば特に制限はないが、一般式(1)におけるR1、R2 、R3、及びR4が、各々独立して、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基であることが好ましく、この内更に、R1、R2、R3、及びR4の少なくとも1つが、ヒドロキシエチル基であるものが特に好ましい。具体的には、テトラメチルアンモニウム、テトエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラ−n−ブチルアンモニウム、セチルトリメチルアンモニウム、テトラデシルトリメチルアンモニウム、1,6−ヘキサメチレンビス(トリメチルアンモニウム)、デカメチレン−ビス−(トリメチルアンモニウム)、トリメチル−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルアンモニウム、トリメチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、トリエチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、トリプロピル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、トリ−n−ブチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、トリメチルベンジルアンモニウム、トリエチルベンジルアンモニウム、トリプロピルベンジルアンモニウム、トリ−n−ブチルベンジルアンモニウム、トリメチルフェニルアンモニウム、トリエチルフェニルアンモニウム、トリメチル−2−オキシエチルアンモニウム、モノメチルトリヒドロキシエチルアンモニウム、モノエチルトリヒドロキシエチルアンモニウム、オクタデシルトリ(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、テトラキス(ヒドロキシエチル)アンモニウム等の水酸化物;塩酸、臭酸、フッ酸等の水素酸塩;硫酸、硝酸、燐酸、炭酸、ホウ酸、塩素酸、よう素酸、珪酸、過塩素酸、亜塩素酸、次亜塩素酸、クロロ硫酸、アミド硫酸、二硫酸、トリポリ燐酸等のオキソ酸塩;チオ硫酸等のチオ酸塩;蟻酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、イソ酪酸、ペンタン酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、安息香酸、シュウ酸等のカルボン酸塩等が挙げられる。中でも、水酸化物(OH-)、硫酸(HSO4 -、SO4 2-)、炭酸(HCO3 -、CO3 2-)、ホウ酸(B(OH)4 -)、カルボン酸の塩が好ましい。カルボン酸の内、蟻酸、酢酸、プロピオン酸が特に好ましい。これら第4級アンモニウム化合物は、単独で用いてもよいし、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、上記第4級アンモニウム化合物に加えて、公知の不安定末端部の分解促進剤であるアンモニアやトリエチルアミン等のアミン類等を併用しても何ら差し支えない。
(式(2)中、Pは第4級アンモニウム化合物のポリアセタールコポリマーに対する濃度(質量ppm)を表わし、14は窒素の原子量であり、Qは第4級アンモニウム化合物の分子量を表わす。)
第4級アンモニウム化合物の添加量が前記範囲内であると不安定末端部の分解除去速度が向上し、不安定末端部分解除去後のポリアセタールコポリマーの色調が良好となる。
本実施形態に用いられる脂肪族一価アルコール(II)は、分岐又は直鎖構造の脂肪族一価のアルコールであり、飽和していても不飽和でも構わない。具体的には、ブチルアルコール、ペンチルアルコール、ネオペンチルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、ノニルアルコール、カプリルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、ペンタデシルアルコール、パルミチルアルコール(セチルアルコール)、パルミトレイルアルコール、マルガリルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、バクセルアルコール、リノールアルコール、リノレルアルコール、エレオステアリルアルコール、ツベルクロステアリルアルコール、アラキジルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、リグノセリルアルコール、ネルボルアルコール、セロチニルアルコール、モンタニルアルコール、メリシニルアルコール等が挙げられる。この中でも好ましいのは直鎖構造のアルコールであり、さらに好ましいのは直鎖飽和アルコールである。また、脂肪族一価アルコール(II)の炭素数は14〜30が好ましい。該炭素数の下限値に関してさらに好ましくは16であり、さらにより好ましくは18である。また、該炭素数の上限値に関してさらに好ましくは28であり、さらにより好ましくは26である。炭素数が前記範囲内の脂肪族一価アルコール(II)を含有することにより、ポリアセタール樹脂組成物は、引張強度及び引張伸度等の機械的特性、並びに長時間連続成形時の熱変色性により優れる傾向にある。
本実施形態に用いられる脂肪族一価アルコールと脂肪族一価のカルボン酸からなるエステル(III)は、分岐又は直鎖構造の脂肪族一価のアルコールと分岐又は直鎖構造の脂肪族一価のカルボン酸とからなるモノエステルであり、エステルを構成する脂肪族一価アルコールと脂肪族一価カルボン酸とは各々飽和していても不飽和でも構わない。エステルを構成する脂肪族一価アルコールとしては、例えば、上記(II)成分の説明の部分に記載したアルコールが挙げられる。一方、脂肪族一価カルボン酸としては、例えば、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、へプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、ツベルクロステアリン酸、アラキジン酸、アラキドン酸、ベヘン酸(ベヘニン酸)、リグノセリン酸、ネルボン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸等が挙げられる。この中でも、脂肪族直鎖飽和一価アルコールと脂肪族直鎖飽和一価カルボン酸とからなるエステルが好ましい。
本実施形態に用いられる無機フィラー(IV)は、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、シリコーン繊維、シリカ・アルミナ繊維、ジルコニア繊維、硼素繊維、チタン酸カリウム繊維、ステンレス、アルミニウム、チタン、銅、真鍮等の金属繊維等の無機質繊維、繊維長の短いチタン酸カリウムウイスカー、酸化亜鉛ウイスカー、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、黒鉛、シリカ、石英粉末、ガラスビーズ、ガラス粉、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、カオリン、クレー、珪藻土、ウォラストナイト、酸化鉄、酸化チタン、アルミナ、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、金属粉末、マイカ、ガラスフレーク、金属箔、ガラスバルーン、シリカバルーン、シラスバルーン、金属バルーン等から選択される1種又は2種以上である。これらの無機フィラー(IV)は表面処理されたもの及び未表面処理のもののいずれであってもよい。
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物は、ホルムアルデヒド反応性窒素含有化合物(V)をさらに含有することができる。ホルムアルデヒド反応性窒素含有化合物(V)の具体例としては、ナイロン4−6、ナイロン6、ナイロン6−6、ナイロン6−10、ナイロン6−12、ナイロン12等のポリアミド樹脂、及びこれらの重合体、例えば、ナイロン6/6−6/6−10、ナイロン6/6−12等を挙げることができる。また他に、アクリルアミド及びその誘導体、アクリルアミド及びその誘導体と他のビニルモノマーとの共重合体が挙げられ、例えばアクリルアミド及びその誘導体と他のビニルモノマーとを金属アルコラートの存在下で重合して得られたポリ−β−アラニン共重合体を挙げることができる。その他にアミド化合物、アミノ置換トリアジン化合物、アミノ置換トリアジン化合物とホルムアルデヒドとの付加物、アミノ置換トリアジン化合物とホルムアルデヒドとの縮合物、尿素、尿素誘導体、ヒドラジン誘導体、イミダゾール化合物、イミド化合物を挙げることができる。
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物には、さらに必要に応じて、酸化防止剤、ギ酸捕捉剤、耐候(光)安定剤、離型剤を、本発明の目的達成を損なわない範囲で、好ましくは、ポリアセタール樹脂(I)100質量部に対して各々0.01〜1質量部の範囲で添加されてもよい。
耐候(光)安定剤は、ベンゾトリアゾール系及び蓚酸アニリド系紫外線吸収剤並びにヒンダードアミン系光安定剤の中から選ばれる1種以上であると好ましい。
次に本実施形態のポリアセタール樹脂組成物の好適な製造方法について説明する。なお、ここでは説明の簡略化のために、ポリアセタール樹脂(I)、脂肪族一価アルコール(II)、脂肪族一価アルコールと脂肪族一価のカルボン酸とからなるエステル(III)及び無機フィラー(IV)を、それぞれ、単に成分(I)、成分(II)、成分(III)及び成分(IV)と表記する場合がある。
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物を成形して成形品を得ることができる。
東芝機械(株)製EC75NII射出成形機を用いて、シリンダー温度205℃、金型温度を90℃に設定し、射出圧70MPa、射出時間35秒、冷却15秒の射出条件で、ポリアセタール樹脂組成物から評価用ISOダンベルを作成した。作成した評価用ISOダンベルを用いて、ISO527に準じて引張強度及び引張伸度を測定した。また同じISOダンベルを用いて、ISO179/1eAに基づきシャルピー衝撃強度を測定した。
東芝機械(株)製EC5P射出成形機を用いて、シリンダー温度215℃、金型温度90℃に設定し、射出圧45MPa、射出時間10秒、冷却時間30秒の射出条件で、ポリアセタール樹脂組成物から90mm×8mm×3mmの短冊片を得た。この短冊片の色調を色彩色差計(コニカミノルタ(株)製CR−200)用いてLab表色系にて測定した。このとき、1ショット目の短冊片(同成形機での通常成形によって得られる短冊片)の色彩色差計の測定値をL,a,bとし、nショット目の短冊片の色彩色差計の測定値をL*,a*,b*として下記式(3)により色差ΔEを算出し、このΔEが2以上となったショット数を求めた。このΔEが2以上となったショット数が大きいほど、連続成形時の変色性に優れる。
上記引張試験に用いた評価用ISOダンベルを用いて、往復動摩擦摩耗試験機(東洋精密(株)製、商品名「AFT−15MS型」)により荷重2kg、線速度30mm/sec、往復距離10mmの条件下、環境温度60℃で10000回の往復試験を行い、10000回目の摩擦係数及びISOダンベルの磨耗量を測定した。相手材料としては、SUS球(SUS304、R=2.5mm)を用いた。
ポリアセタール樹脂組成物を、2軸押出機(東芝機械(株)製、商品名「TEM−26SS押出機」、L/D=48、ベント付き)を用いて製造した。この押出機の概略図を図1に示す。図1中、1〜12は押出機のバレルゾーン(個々に独立している)、13はダイヘッド、14は押出機モーター、15は定量フィーダー(トップ1)、16は定量フィーター(トップ2)、17は脱気ベントをそれぞれ示す。
熱媒を通すことができるジャッケット付きの2軸セルフクリーニングタイプの重合機(L/D=8)を80℃に調整した。該重合機に、トリオキサンを4kg/時間、コモノマーとして1,3−ジオキソランを42.8g/時間(トリオキサン100mol%に対して、1.3mol%)、連鎖移動剤としてメチラールを、重合後のポリアセタール樹脂のJIS K7210に基づく190℃でのメルトフローレート(以下同様。)が13g/10分となるような量、それぞれ添加した。さらに重合触媒として三フッ化硼素ジ−n−ブチルエーテラートをトリオキサン1molに対して1.5×10-5molとなる量で、連続的に重合機に添加し重合を行った。重合機より排出されたポリアセタールコポリマーをトリエチルアミン0.1質量%水溶液中に投入し重合触媒の失活を行った。重合触媒の失活したポリアセタールコポリマーを遠心分離機でろ過した後、ポリアセタールコポリマー100質量部に対して、第4級アンモニウム化合物として水酸化コリン蟻酸塩(トリエチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウムフォルメート)を含有した水溶液1質量部を添加して、均一に混合した後、該混合物を120℃で乾燥してポリアセタールコポリマーを得た。水酸化コリン蟻酸塩の添加量は、添加する水酸化コリン蟻酸塩を含有した水溶液中の水酸化コリン蟻酸塩の濃度を調整することにより行い、上記式(2)で表される窒素量に換算して20質量ppmとした。乾燥後のポリアセタールコポリマーをベント付き2軸スクリュー式押出機に供給し、押出機中の溶融しているポリアセタールコポリマー100質量部に対して水を0.5質量部添加し、押出機設定温度200℃、押出機における滞留時間7分間の条件で、ポリアセタールコポリマーの不安定末端部分の分解除去処理を行った。不安定末端部分の分解されたポリアセタールコポリマーは、ベント真空度20Torrの条件下で脱揮され、押出機のダイス部よりストランドとして押し出され、ペレット化された。ペレット化したポリアセタールコポリマー(ポリアセタール樹脂)100質量部に対し、酸化防止剤としてトリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]0.35質量部を添加し、ベント付2軸押出機で溶融混練することによりポリアセタール樹脂ペレットを得た。このようにして得られたポリアセタール樹脂の融点は169.5℃であった。
(II−i)ラウリルアルコール(花王(株)製、炭素数12)。
(II−ii)ミリスチルアルコール(花王(株)製、炭素数14)。
(II−iii)セチルアルコール(司生堂製薬(株)製、炭素数16)。
(II−iv)ステアリルアルコール(花王(株)製、炭素数18)。
(II−v)ベヘニルアルコール(日油(株)製、炭素数22)。
(II−vi)ポリエチレングリコール(日油(株)製、数平均分子量6000)。
(III−i)ミリスチン酸セチル(北広ケミカル(株)製、炭素数30)。
(III−ii)ステアリン酸ステアリル(花王(株)製、炭素数36)。
(III−iii)ベヘニン酸ベヘニル(日油(株)製、炭素数44)。
(III−iv)ステアリン酸メチル(日油(株)製、炭素数19)。
(III−v)アジピン酸ジラウリル(北広ケミカル(株)製、炭素数30)。
(IV−i)軽質炭酸カルシウム(白石工業(株)製、アスペクト比1、平均粒径150nm、表面処理なし)。
(IV−ii)軽質炭酸カルシウム白石工業(株)製、アスペクト比1、平均粒径150nm、表面脂肪酸処理)。
(IV−iii)軽質炭酸カルシウム(白石工業(株)製、アスペクト比3、平均粒径1.2μm、表面処理なし)。
(IV−iv)重質炭酸カルシウム(白石工業(株)製、アスペクト比3、平均粒径1.25μm、表面処理なし)。
(IV−v)タルク(日本タルク(株)製、アスペクト比15、平均粒径600nm、表面処理なし)。
(IV−vi)ウォラストナイト(NYCO Minerals製、平均長径600μm、アスペクト比15、表面処理なし)。
微粉メラミン(日産化学工業(株)製)。
表1〜3に示す量の割合で各成分を配合し、上述の押出法によりポリアセタール樹脂組成物のペレットを製造し、該ポリアセタール樹脂組成物のペレットの物性評価を上述の方法により行った。評価結果を表1〜3に示す。
表4及び5に示す量の割合で各成分を配合し、上述の押出法によりポリアセタール樹脂組成物のペレットを製造し、該ポリアセタール樹脂組成物のペレットの物性評価を上述の方法により行った。評価結果を表4及び5に示す。
13:ダイヘッド
14:押出機モーター
15:定量フィーダー(トップ1)
16:定量フィーター(トップ2)
17:脱気ベント
Claims (9)
- ポリアセタール樹脂(I)100質量部に対して、
炭素数が12〜30である脂肪族一価アルコール(II)0.15〜1質量部、
脂肪族一価アルコールと脂肪族一価のカルボン酸とからなる炭素数が19〜50であるエステル(III)3〜10質量部、
炭酸カルシウム、タルク及び、ウォラストナイトからなる群より選ばれる少なくとも1種の無機フィラー(IV)0.5〜50質量部を含有してなり、
当該脂肪族一価アルコールと脂肪族一価のカルボン酸とからなる炭素数が19〜50であるエステル(III)と当該炭素数が12〜30である脂肪族一価アルコール(II)との質量比率((III)/(II))が5〜20であることを特徴とするポリアセタール樹脂組成物。 - 前記脂肪族一価アルコール(II)の炭素数が12〜22であり、前記脂肪族一価アルコールと脂肪族一価のカルボン酸とからなるエステル(III)の炭素数が19〜44であることを特徴とする、請求項1に記載のポリアセタール樹脂組成物。
- さらに、ホルムアルデヒド反応性窒素含有化合物(V)0.01〜1質量部を含有してなることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリアセタール樹脂組成物。
- ホルムアルデヒド反応性窒素含有化合物(V)がメラミンであることを特徴とする請求項1〜3いずれか一項に記載のポリアセタール樹脂組成物。
- 炭酸カルシウム、タルク及び、ウォラストナイトからなる群より選ばれる少なくとも1種の無機フィラー(IV)が粒子であり、
当該無機フィラー(IV)のアスペクト比(平均長径L/平均短径D)が1以上5以下であることを特徴とする請求項1〜4いずれか一項に記載のポリアセタール樹脂組成物。 - 炭酸カルシウム、タルク及び、ウォラストナイトからなる群より選ばれる少なくとも1種の無機フィラー(IV)が粒子であり、
当該無機フィラー(IV)の平均粒径が50nm以上500nm以下であることを特徴とする請求項1〜5いずれか一項に記載のポリアセタール樹脂組成物。 - 無機フィラー(IV)が炭酸カルシウムであることを特徴とする請求項1〜6いずれか一項に記載のポリアセタール樹脂組成物。
- 炭酸カルシウムが表面処理されていないことを特徴とする請求項7に記載のポリアセタール樹脂組成物。
- 炭酸カルシウムが軽質炭酸カルシウムであることを特徴とする請求項7又は8に記載のポリアセタール樹脂組成物。
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