JP2011064304A - 波動歯車減速装置 - Google Patents

波動歯車減速装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2011064304A
JP2011064304A JP2009217254A JP2009217254A JP2011064304A JP 2011064304 A JP2011064304 A JP 2011064304A JP 2009217254 A JP2009217254 A JP 2009217254A JP 2009217254 A JP2009217254 A JP 2009217254A JP 2011064304 A JP2011064304 A JP 2011064304A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil
oil tank
gear
wave
discharge port
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009217254A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5391960B2 (ja
Inventor
Yuji Suyama
裕次 須山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Wave Inc
Original Assignee
Denso Wave Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Wave Inc filed Critical Denso Wave Inc
Priority to JP2009217254A priority Critical patent/JP5391960B2/ja
Publication of JP2011064304A publication Critical patent/JP2011064304A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5391960B2 publication Critical patent/JP5391960B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Retarders (AREA)
  • General Details Of Gearings (AREA)

Abstract

【課題】オイル潤滑でき、しかも、密閉ケーシングの組み立て手順に余り制約を与えず、且つ、オイルをこぼしたりすることがなく、作業工数の管理を容易に行うことができる波動歯車減速装置を提供する。
【解決手段】円環状のオイルタンク51の外周壁に吐出口55、内周壁に空気吸込口56を形成し、それらの口55,56をゼリー状のグリス57によって閉塞する。このオイルタンク51を波動歯車減速装置10の可撓性外歯歯車12の内側に一体的に回転するように配設する。波動歯車減速装置10の最初の運転時に、摩擦熱などを受けてグリス57が流動性を帯びるようになる。そして、可撓性外歯歯車12と共に回転するオイルタンク51内のオイルが遠心力で吐出口55から密閉ケーシング23内に吐出し、これにより波動歯車減速装置10がオイル潤滑される。
【選択図】図1

Description

本発明は、液状のオイルによって潤滑するようにした波動歯車減速装置に関する。
例えばロボットでは、モータの回転を減速してアームに伝達する減速装置として、波動歯車減速装置(ハーモニックドライブ(登録商標))が良く用いられている。この波動歯車減速装置は、通常、密閉ケーシング内に収納して使用されるが、内歯歯車と外歯歯車との噛み合い部分やウエーブベアリングなどに対する潤滑は、一般にはグリス潤滑が行われている。特許文献1には、波動歯車減速装置ではないが、密閉ケーシング内に収容された歯車減速装置の潤滑をグリスにて行うことが記載されている。
周知のように、グリスは常温では半固体、または半流動性を有したゼリー状のものであるが、減速装置が作動し始めると、当該減速装置が発生する摩擦熱などにより暖められて流動性を帯びるようになる。しかしながら、暖められて流動性を帯びるようになるとはいっても、グリスは、粘性が比較的高いため、内歯歯車と外歯歯車との噛み合い部分はまだしも、ウエーブベアリングがグリス中に浸漬されていたりすると、ウエーブベアリングがそのグリスから比較的大きな回転抵抗を受け、アームへの回転伝達に悪影響を及ぼす。また、常にはグリス中に浸されていないまでも、自在に動くアームの動作によって、多量のグリスがウエーブベアリングに向かって一気に流動し、ウエーブベアリングがグリス中に埋没した状態になることがある。すると、ウエーブベアリングのグリスから受ける回転抵抗が急に増加したりし、アームの円滑なる回転伝達に悪影響を及ぼす。
このような不具合の発生を防止するために、グリス潤滑に替えて例えば特許文献2に見られるようなオイル潤滑とすることが考えられる。
特開平5−49214号公報 実開平5−45293号公報
上に述べたようにグリスは、常温ではゼリー状で、流動性がほとんどないため、密閉ケーシングの組み立て途中のどの段階でもケーシング内への収容が可能である。しかしながら、オイルは液状であるため、ケーシング内への注入時期を誤ると、ケーシングから漏れ出たりする。このため、ケーシング内へオイルを注入する時期は、ケーシング内への注入が容易で、且つ漏れ出ないような適正時期に定める必要があり、組み立ての手順が制約される。しかも、オイルの収容時期を適性時期に定めても、注入時にオイルをケーシング外にこぼしたりすると、こぼれたオイルを除去する作業が必要になって作業工数の管理を行うことが難しくなったりする。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的は、オイル潤滑でき、しかも、密閉ケーシングの組み立ての手順に余り制約を与えず、且つ、オイルをこぼしたりすることがなく、作業工数の管理を容易に行うことができる波動歯車減速装置を提供するところにある。
請求項1では、オイルタンクの外周壁に形成された吐出口がグリスによって閉鎖されているので、オイルがオイルタンクから不用意に漏れ出ることはない。このため、密閉ケーシングを組み立てながら当該密閉ケーシング内に波動歯車減速装置およびオイルタンクを組み込んでゆく際に、オイルタンクを収納する工程が全体の組み立て手順に余り制約を及ぼすことがなく、また、こぼしたオイルを除去するといった予期せぬ作業の必要がないので、作業工数の管理を容易に行うことができる。そして、波動歯車減速装置が実際に運転されると、内歯歯車と外歯歯車との噛み合い部分やウエーブベアリングなどで発生する熱などによりグリスが流動性を帯びて移動し吐出口を開放するので、オイルタンク内に貯溜されたオイルが遠心力によって吐出口から密閉ケーシング内に吐出され、波動歯車減速装置がオイル潤滑される。
請求項2では、オイルタンクが円環状であるから、可撓性外歯歯車の内側の余剰空間を利用して配置することができ、波動歯車減速装置の大型化を回避できる。しかも、オイルがオイルタンクの外周壁の吐出口から吐出される際、内周壁に形成された空気吸込口からオイルタンク内に空気が吸い込まれるので、吐出口からのオイルの吐出が円滑に行われる。この場合、空気吸込口が、オイルタンクの回転中心軸線と直交する直線であって外周壁の吐出口を通る直線上に位置されているので、遠心力が作用したとき、オイルタンク内のオイル面が放物線状になることを考慮すると、オイルタンク内のオイルが空気吸込口からの空気吸込の邪魔になることを極力防止できる。
本発明の一実施形態を示す要部の縦断側面図 波動歯車減速装置の横断面図 オイルタンクの断面図 オイルタンクの斜視図 オイルタンクを取り付ける押え板の斜視図 産業用ロボットの斜視図
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図6には、産業用ロボット1が示されている。この産業用ロボット1は、例えば6軸の垂直多関節型ロボットからなるもので、ベース2と、このベース2に水平方向に旋回可能に支持されたショルダ部3と、このショルダ部3に上下方向に旋回可能に支持された下アーム4と、この下アーム4に上下方向に旋回可能に支持された第1の上アーム5と、この第1の上アーム5の先端部に捻り回転可能に支持された第2の上アーム6と、この第2の上アーム6に上下方向に回転可能に支持された手首7と、この手首7に回転(捻り動作)可能に支持されたフランジ8とから構成されている。
ベース2、ショルダ部3、下アーム4、第1の上アーム5、第2の上アーム6、手首7、フランジ8は、ロボットにおけるアームとして機能し、ベース2を除く各アーム3〜8は、下段のアームに対し関節、例えば回転関節によって順次回転可能に連結されている。なお、アーム先端であるフランジ8には、ワークを把持するハンドや、視覚検査のために用いるカメラなどのエンドエフェクタ(図示せず)が取り付けられるようになっている。
アームとアームとを連結する回転関節部分には、モータおよびこのモータの回転を減速装置により減速して次段のアームを駆動する駆動機構が設けられている。
上記駆動機構の一例を、ベース2とショルダ部3との回転関節部分に設けられた駆動機構に適用して説明する。図1はベース2とショルダ部3との回転関節部分に設けられた駆動機構9を示すもので、この図1に示されているように、駆動機構9の減速装置には、波動歯車減速装置10が用いられている。
波動歯車減速装置10は、内周面に内歯11aが形成された円環状の剛性内歯歯車11を備えている。上記剛性内歯歯車11の内側には、同心状に筒状の可撓性外歯歯車12が配置されている。この可撓性外歯歯車12は、ばね鋼製により円筒状に形成された可撓性ある外歯歯車主部13と、この外歯歯車主部13の一端部に内側に向かって直角に延びるように一体に形成された環状の取付部14からなる。外歯歯車主部13の他端は開口されており、この外歯歯車主部13の開口された他端部外周面に、剛性内歯歯車11の内歯11aに噛み合う外歯13aが形成されている。この外歯13aの枚数は、内歯11aの枚数よりも例えば2枚少なく設定されている。
可撓性外歯歯車12の取付部14の中央部は、円形孔15を形成した厚肉な座部14aとされており、この座部14aには、円形の押え板16が重ねられる。押え板16は、一端面に取付部14の円形孔15に嵌合される円形のボス部16aを突設していると共に、図5にも示すように、外周面に、軸方向に延びる一対の係合溝16bを180度の角度間隔をもって形成している。
上記外歯歯車主部13の他端部、つまり外歯13aの形成部分の内側にはウエーブベアリング17が配設されている。このウエーブベアリング17は、可撓性外輪18と、可撓性内輪19と、上記可撓性外輪18と可撓性内輪19との間に配列された複数個のボール20とから構成されている。そして、可撓性外輪18が外歯歯車主部13の他端部内周に嵌め込まれている。
ウエーブベアリング17の可撓性内輪19の内周には、楕円形の剛性カム21が嵌合されている。この剛性カム21には、キー溝22a付きの嵌合孔22が形成されている。この剛性カム21を可撓性内輪19に嵌合することにより、ウエーブベアリング17の可撓性内輪19および可撓性外輪18が楕円形に撓められる。更に、楕円形に撓む可撓性外輪18によって、外歯歯車主部13の外歯13aの形成部分が楕円形に撓められる。この結果、図2に示すように、外歯歯車主部13の楕円形撓み部分の長径方向両端部の2箇所において外歯13aが部分的に剛性内歯歯車11の内歯11aに噛み合うようになる。なお、可撓性内輪19は剛性カム21が嵌合可能な楕円形に形成されていれば、必ずしも可撓性が要求されるものではない。
以上のような波動歯車減速装置10において、剛性カム21が回転されると、外歯歯車主部13の楕円形に撓んだ部分の長径部分が円周方向に移動する。このため、外歯13aの内歯11aに対する噛み合い部分が円周方向に移動する。このとき、外歯13aが内歯11aよりも2枚少なく設定されているので、噛み合い位置の移動に伴って、剛性内歯歯車11と可撓性外歯歯車12との間で相対的な回転が発生する。このため、剛性内歯歯車11を固定しておくことにより、可撓性外歯歯車12が出力部となって当該可撓性外歯歯車12から減速回転を取り出すことができる。
波動歯車減速装置10は、密閉ケーシング23内に収容されている。密閉ケーシング23は、前記ベース2の上端部の円筒状周壁部24を主体にして構成されている。即ち、円筒状周壁部24の下部段面部24aには、波動歯車減速装置10の剛性内歯歯車11が宛がわれ、ボルト25によって円筒状周壁部24に固定されている。更に、この剛性内歯歯車11の下側に環状板26が嵌め合わされ、ボルト27によって円筒状周壁部24に固定されている。
ベース2内には、モータ28が配設されており、このモータ28のモータケース29の一端面に突設された環状突部29aが環状板26の内側に嵌合されている。このモータ28の回転軸30はモータケース29の一端面から密閉ケーシング23内に突出している。そして、円筒状周壁部24と環状板26との間、環状板26とモータケース29の環状突部29aとの間は、それぞれOリング31,32により密封されている。以上の環状板26、モータケース29の一端面によって密閉ケーシング23の底壁部が構成されている。なお、モータ28において、モータケース29と回転軸30との間は図示しないシール部材によって密封されている。
一方、円筒状周壁部24の上端部には、クロスローラベアリング33が配設されている。クロスローラベアリング33は外輪34と内輪35とローラ36から構成されている。そのうち外輪34は、2個の環状部材34a,34bをボルト37で結合して構成されており、この外輪34と内輪35との間に前記ローラ36が互いに直交するように交互に向きを違えて複数個配設されている。なお、外輪34を構成する2個の環状部材34a,34bの間には、密閉のためのOリング38が設けられている。
クロスローラベアリング33において、その外輪34は、ボルト39によって円筒状周壁部24に固定されている。また、内輪35上には、前記ショルダ部3の下端中央の連結部40がクロスローラベアリング33の全体を覆おうようにして載せられ、ボルト41によって内輪35に固定されている。そして、円筒状周壁部24と外輪34との間、内輪35とショルダ部3の連結部40との間がそれぞれOリング42,43によって密封されていると共に、外輪34と内輪35との間がシール部材44によって密封されている。以上のクロスローラベアリング33の外輪34、内輪35、ショルダ部3の連結部40によって密閉ケーシング23の上壁部が構成されている。
このような密閉ケーシング23内において、波動歯車減速装置10の剛性カム21は、嵌合孔22をモータ28の回転軸30に嵌合させている。この嵌合状態で、剛性カム21の軸方向(上下方向)の自由な移動を防止するために、回転軸30に連結板46がボルト47によって固定され、この連結板46に剛性カム21がボルト48によって固定されている。そして、剛性カム21の嵌合孔22のキー溝22aと回転軸30に形成されたキー溝30aとに跨ってキー49が挿入されており、このキー49によって回転軸30の回転が剛性カム21に伝達されるようになっている。従って、剛性カム21が波動歯車減速装置10の入力部となる。
一方、可撓性外歯歯車12は、取付部14が上、外歯歯車主部13の外歯13aの形成端側が下となるように密閉ケーシング23内に配置されており、取付部14の座部14aがクロスローラベアリング33の内輪35の下面に宛がわれ、外歯歯車主部13の外歯13a形成部分が剛性内歯歯車11とウエーブベアリング17の可撓性外輪18との間に差し込まれている。そして、押え板16は、外歯歯車主部13の内側に配置されてボス部16aを取付部14の円形孔15および内輪35の内周面に嵌合するようにして取付部14の座部14aに重ねられ、ボルト50によって内輪35に固定されている。これにより出力側である可撓性外歯歯車12の取付部14の座部14aが押え板16によって内輪35に締め付け固定される。
駆動機構9は以上のように構成されており、モータ28の回転軸30が回転すると、その回転が波動歯車減速装置10により減速されてショルダ部3の連結部40に伝達され、ショルダ部3がベース2上で旋回動作するようになる。
さて、密閉ケーシング23内に収容された波動歯車減速装置10は、オイルによって潤滑される。この潤滑用のオイルを密閉ケーシング23内に供給するためのオイルタンク51が密閉ケーシング23内に配設されている。オイルタンク51は、アルミ製で円環状(ドーナツ状)に形成され、その大きさは、外歯歯車主部13の内側に収納できる程度の大きさに定められている。
オイルタンク51は外歯歯車主部13の内側に配設され、押え板16に取り付けられるようになっている。そのために、オイルタンク51の内側には、円板部52が形成され、この円板部52の中心部に、押え板16の中心部に形成された凹部16cに嵌合される凸部52aが形成されている。また、オイルタンク51の内周壁51aの内周面(円板部52側の面)には、図4に示すように、押え板16の係合溝16bに係合する突条部53が一体に突出形成されている。そして、オイルタンク51は、突条部53を係合溝16bに係合させ、且つ、凸部52aを凹部16cに嵌合させた状態で、凸部52aがボルト54によって押え板16に固定されている。これにより、オイルタンク51が可撓性外歯歯車12の回転に伴って回転するようになる。
オイルタンク51の外周壁51bには、その上端および下端に偏らせて2個の吐出口55が形成されていると共に、内周壁51aには、その上端および下端に偏らせて2個の空気吸込口56が形成されている。この場合、上下の各空気吸込口56の形成位置は、図3に示すように、吐出口55を通ってオイルタンク51の中心軸線Cと直交する直線L1、L2上となるような位置、つまり上下の各吐出口55と同じ高さ位置となるように形成されている。
また、上記吐出口55および空気吸込口56の大きさは、オイルタンク51内にオイルを充填した状態でこれら吐出口55および空気吸込口56に半固形のゼリー状のグリス57を詰め込んだとき、抜け出さずに当該吐出口55および空気吸込口56を閉塞し得る程度の大きさ、例えば直径3mm程度に設定されている。
上記構成のオイルタンク51を密閉ケーシング23内に収納する際には、空気吸込口56に半固形のゼリー状のグリス57を詰め込んで当該空気吸込口56を閉塞し、この状態で吐出口55からオイルタンク51内に液状オイルを充填する。オイルの充填後、吐出口55に半固形のゼリー状のグリス57を詰め込んで当該吐出口55を閉塞する。これにより、オイルタンク51をどのような姿勢にしても、吐出口55および空気吸込口56からオイルが漏れ出ることが防止される。
オイルを充填したオイルタンク51を押え板16に固定して密閉ケーシング23内に収納する組み立て手順は複数通りある。例えば、剛性内歯歯車11を円筒状周壁部24に固定し、密閉ケーシング23の底部を、環状板26およびモータ28により密閉した後、クロスローラベアリング33を円筒状周壁部24に取り付ける前に、内輪35に押え板16を介して可撓性外歯歯車12を固定し、オイルタンク51を押え板16に固定する。その後、クロスロールベアリング33の外輪34を円筒状周壁部24に固定することでオイルタンク51を密閉ケーシング23内に収容できる(第1手順)。
また、モータ28をベース2内に配設する前であって剛性内歯歯車11および環状板26を円筒状周壁部24に固定する前に、クロスローラベアリング33の外輪34を円筒状周壁部24に固定し、そして、円筒状周壁部24を上下逆にした状態で、内輪35に押え板16を介して可撓性外歯歯車12を固定した後、オイルタンク51を押え板16に固定する。その後、円筒状周壁部24に剛性内歯歯車11および環状板26を固定し、更にモータ28をベース2内に配設することでオイルタンク51を密閉ケーシング23内に収容できる(第2手順)。
更に、上記第2手順に類似するが、クロスローラベアリング33の外輪34を円筒状周壁部24に固定する前に、先に、内輪35に可撓性外歯歯車12を固定し、この可撓性外歯歯車12を固定した押え板16にオイルタンク51を固定しておき、その後、クロスローラベアリング33の外輪34を円筒状周壁部24に固定して円筒状周壁部24を上下逆にし、そして、円筒状周壁部24に剛性内歯歯車11および環状板26を固定し、更にモータ28をベース2内に配設することでオイルタンク51を密閉ケーシング23内に収容できる(第3手順)。
このようにして密閉ケーシング23内にオイルタンク51を収容しておくことにより、産業用ロボット1を最初に運転する際に、オイルタンク51から密閉ケーシング23内に供給され、波動歯車減速装置10がオイル潤滑されるようになる。即ち、産業用ロボット1の最初の運転時において、モータ28が起動して回転軸30の回転が波動歯車減速装置10により減速されてショルダ部3に伝達されるようになると、ウエーブベアリング17の可撓性外輪18および可撓性内輪19とボール20との間で生ずる回転摩擦、或は内歯11aと外歯13aとの摺動摩擦などによって熱が発生する。産業用ロボット1では、モータ28は、2000〜3000rpmという比較的高い回転速度で回転するので、その回転を減速する波動歯車減速装置10の発生する熱量も比較的多く、この熱によって吐出口55および空気吸込口56を閉塞しているグリス57が暖められて軟化し流動性を帯びるようになる。
すると、グリス57が吐出口55および空気吸込口56から流れ出て(移動して)、或は可撓性外歯歯車12の回転に伴ってオイルタンク51が回転することによる遠心力で吐出口55から抜け出て当該吐出口55および空気吸込口56を開放する。そして、オイルタンク51の回転により、当該オイルタンク51内のオイルが遠心力で吐出口55から密閉ケーシング23内に飛び出るようになる。勿論、未だ吐出口55からグリス57が流れ出る前であれば、オイルタンク51内のオイルが軟化したグリス57を吐出口55から押し出すようにして密閉ケーシング23内に吐出する。
このとき、吐出口55は本来比較的小さい、つまり、吐出口55は、ゼリー状のグリス57によって閉鎖状態に保持し得る程度の大きさでなければならないから、余り大きなものではなく、比較的小径である。このため、吐出口55が開放されたとき、オイルタンク51内のオイルが遠心力によって吐出口55から一気に多量に飛び出る恐れがなく、少しずつ吐出口55から吐出されるようになる。従って、多量のオイルがウエーブベアリング17に一気に掛かるといった恐れもなく、ウエーブベアリング17に対する負荷変動のない、或は負荷変動をなくすことができないまでも、極力少なくすることができる。
そして、オイルタンク51から密閉ケーシング23内に吐出したオイルは、密閉ケーシング23内に溜まり、内歯11a、外歯13aおよびウエーブベアリング17はオイル中に浸されるようになって以後はそのオイルによって潤滑されるようになる。オイルタンク51内のオイルが密閉ケーシング23内に供給されるまではオイル潤滑がなされないので、その間の摩耗(初期摩耗)が心配であれば、組み立て時に、内歯11a、外歯13aおよびウエーブベアリング17にグリスを薄く塗布しておくことで、そのような初期摩耗を防止することができる。
このように本実施形態によれば、波動歯車減速装置10を低粘性のオイルによって潤滑することができるので、多量のグリスを内歯11a、外歯13aおよびウエーブベアリング17に塗布するグリス潤滑のように、波動歯車減速装置10がグリスから大きな粘性抵抗を受けるものとは異なり、オイルから受ける抵抗が小さく、高効率の運転が可能となる。
また、オイルを充填し、吐出口55および空気吸込口56がグリス57で閉塞されたオイルタンク51を密閉ケーシング23内に収容することでオイル潤滑が可能となるので、オイルを密閉ケーシング23内に注入する場合とは異なり、オイルをこぼしたりすることがなく、従って、こぼしたオイルを除去するといった予定外の作業が必要となる恐れもないので、作業工数の管理が容易となる。
しかも、密閉ケーシング23を組み立てつつ波動歯車減速装置10を密閉ケーシング23内に組み付けてゆく際、オイルを直接密閉ケーシング23内に注入する場合には、オイルが密閉ケーシング23内から漏れ出ないようにしなければならないので、円筒状周壁部24の底部を環状板26およびモータ28により密閉した後、クロスローラベアリング33の外輪34を円筒状周壁部24に固定する前など、円筒状周壁部24の底面部または上面部が密閉された後でしかオイル注入を行えず、組み立ての手順に大きな制約を及ぼしていた。しかしながら、本実施形態では、オイルを充填したオイルタンク51を密閉ケーシング23内に収容すれば良いので、そのオイルタンク51を密閉ケーシング23内に収容する手順は前述したように複数あり、組立工程の手順に余り大きな制約を及ぼすことがない。
また、オイルタンク51の内周壁51bに空気吸込口56を形成したので、最初の運転時、その空気吸込口56にはオイルの遠心力が作用せず、このため、オイルが吐出口55から吐出してゆくに伴って、空気吸込口56から空気がオイルタンク51内に吸い込まれるようになり、吐出口55からのオイルの吐出が円滑に行われるようになる。この場合、空気吸込口56は吐出口55と同じ高さ位置に存在するので、オイルタンク51内のオイルが遠心力を受けてすり鉢状(放物線状)になることを考慮すると、オイルタンク51内にオイルが満杯に溜められていたとしても、回転時に内周壁51bの空気吸込口56に作用するオイルの圧力が吐出口55に比べて低くなり、空気吸い込みがより早く行われるようになってオイルの吐出口55からの吐出を早期に終了させることができる。
更に、オイルタンク51は円環状であるから、押え板16と連結板46との間の隙間が狭くても、それらの外側に存する可撓性外歯歯車12の内側の余剰空間を利用してオイルタンク51を配置でき、波動歯車減速装置10の大型化を回避できる。これに対し、オイルタンク51が円形であった場合には、仮に偏平であったとしても、押え板16と連結板46との間の隙間を広げねばならず、これは外歯歯車主部13の軸方向長さの長大化を招き波動歯車減速装置10が大型化するが、本実施形態では、このような大型化を回避できるものである。
なお、本発明は上記し且つ図面に示す実施形態に限定されるものではなく、以下のような拡張或は変更が可能である。
ウエーブベアリング17の可撓性内輪19を省略し、この可撓性内輪19の機能を剛性カム21が果たすように構成しても良い。
オイルタンク51は円形(内周壁のない)で、外周に可撓性外歯歯車12の取付部14に連結するためのフランジを設ける構成のものであっても良い。また、オイルタンク51は特に円形である必要はない。
吐出口55は1個であっても良い。空気吸込口56も1個であっても良い。また、空気吸込口56はなくても良い。空気吸込口56がない場合には、吐出口55からオイルが吐出されることに伴って当該吐出口55から空気がオイルタンク51内に吸い込まれてゆくようになる。
ショルダ部3を駆動する駆動機構9の波動歯車減速装置10に限られず、他の関節、例えば下アーム4、第1の上アーム5、第2の上アーム6、手首7、フランジ8などを駆動する駆動機構の波動歯車減速装置に適用しても良い。他の駆動機構の波動歯車減速装置にオイルタンク51を設ける場合、図1におけるオイルタンク51の上下が他の駆動機構では必ずしも上下になるとは限らないので、吐出口55をオイルタンク51の両端面に寄せて2個形成することは、アームの姿勢に関係なく、オイルの吐出を良好に行うことができるようになるといった効果をもたらす。
更に、本発明は、ロボットの駆動機構の波動歯車減速装置に限られず、減速装置として用いられる波動歯車減速装置に広く適用することができる。
図面中、2はベース、3はショルダ部、10は波動歯車減速装置、11は剛性内歯歯車、12は可撓性外歯歯車、13は外歯歯車主部、14は取付部、16は押え板、17はウエーブベアリング、18は可撓性外輪、19は可撓性内輪、20はボール、21は剛性カム、23は密閉ケーシング、24は円筒状周壁部、26は環状板、28はモータ、29はモータケース、30は回転軸、33はクロスローラベアリング、34は外輪、35は内輪、46は連結板、51はオイルタンク、55は吐出口、56は空気吸込口、57はグリスを示す。

Claims (2)

  1. 密閉ケーシング内に配設される波動歯車減速装置であって、
    内周面に内歯が形成された環状の剛性内歯歯車と、
    前記剛性内歯歯車の内側に配置され、可撓性を有する外歯歯車主部の外周面に前記内歯に噛み合い可能な外歯が形成された筒状の可撓性外歯歯車と、
    前記可撓性外歯歯車の内側に設けられ、少なくとも、前記可撓性外歯歯車の内周に嵌め込まれた可撓性外輪および前記可撓性外輪の内側に配設された複数個のボールを有したウエーブベアリングと、
    前記ウエーブベアリングの内側に嵌め込まれ、前記可撓性外歯歯車を前記ウエーブベアリングを介して半径方向に撓ませることにより前記外歯を部分的に前記内歯に噛み合わせると共に、これらの噛み合わせ位置を円周方向に移動させる剛性カムと、
    を備えた波動歯車減速装置において、
    前記可撓性外歯歯車の内側に、当該可撓性外歯歯車と共に回転するように配置されるオイルタンクを備え、
    前記オイルタンクは、外周壁に、内部に貯留したオイルを回転に伴う遠心力によって吐出する吐出口を有し、当該吐出口がゼリー状のグリスにより閉鎖された状態で前記可撓性外歯歯車の内側に収納され、前記グリスが温められて流動性を帯びることにより前記吐出口から移動して前記吐出口を開放するように構成したことを特徴とする波動歯車減速装置。
  2. 前記オイルタンクは円環状で、前記オイルタンクの内周壁に、グリスによって閉鎖される空気吸込口が、前記オイルタンクの回転中心と直交する直線であって前記外周壁の前記吐出口を通る直線上に位置するように形成されていることを特徴とする請求項1記載の波動歯車減速装置。
JP2009217254A 2009-09-18 2009-09-18 波動歯車減速装置 Expired - Fee Related JP5391960B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009217254A JP5391960B2 (ja) 2009-09-18 2009-09-18 波動歯車減速装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009217254A JP5391960B2 (ja) 2009-09-18 2009-09-18 波動歯車減速装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011064304A true JP2011064304A (ja) 2011-03-31
JP5391960B2 JP5391960B2 (ja) 2014-01-15

Family

ID=43950765

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009217254A Expired - Fee Related JP5391960B2 (ja) 2009-09-18 2009-09-18 波動歯車減速装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5391960B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102364166A (zh) * 2011-08-22 2012-02-29 栾清杨 一种燃气轮机多级传动减速机用润滑装置
CN102840313A (zh) * 2011-06-24 2012-12-26 株式会社捷太格特 减速机构以及具备该减速机构的马达旋转力传递装置
JP2013068306A (ja) * 2011-09-26 2013-04-18 Denso Wave Inc ロボット
US9140350B2 (en) 2013-01-09 2015-09-22 Harmonic Drive Systems Inc. Wave gear device
KR20170098311A (ko) 2015-01-13 2017-08-29 가부시키가이샤 하모닉 드라이브 시스템즈 파동기어장치
US10718419B2 (en) 2014-11-28 2020-07-21 Harmonic Drive Systems Inc. Method for lubricating strain wave gearing

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3424273A (en) * 1965-11-19 1969-01-28 United Shoe Machinery Corp Grease cartridge
JPS55120855U (ja) * 1979-02-19 1980-08-27
JPS6091098A (ja) * 1983-10-24 1985-05-22 Matsushita Electric Ind Co Ltd 潤滑装置
JPH01168054U (ja) * 1988-05-18 1989-11-27
JPH01168055U (ja) * 1988-05-18 1989-11-27
JPH08326765A (ja) * 1995-03-31 1996-12-10 Ntn Corp 密封軸受装置及びその製造方法
JPH09250611A (ja) * 1996-03-18 1997-09-22 Harmonic Drive Syst Ind Co Ltd 撓み噛み合い式歯車装置の潤滑機構
JP2008223800A (ja) * 2007-03-08 2008-09-25 Harmonic Drive Syst Ind Co Ltd 波動歯車減速機の潤滑方法および回転テーブル装置

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3424273A (en) * 1965-11-19 1969-01-28 United Shoe Machinery Corp Grease cartridge
JPS55120855U (ja) * 1979-02-19 1980-08-27
JPS6091098A (ja) * 1983-10-24 1985-05-22 Matsushita Electric Ind Co Ltd 潤滑装置
JPH01168054U (ja) * 1988-05-18 1989-11-27
JPH01168055U (ja) * 1988-05-18 1989-11-27
JPH08326765A (ja) * 1995-03-31 1996-12-10 Ntn Corp 密封軸受装置及びその製造方法
JPH09250611A (ja) * 1996-03-18 1997-09-22 Harmonic Drive Syst Ind Co Ltd 撓み噛み合い式歯車装置の潤滑機構
JP2008223800A (ja) * 2007-03-08 2008-09-25 Harmonic Drive Syst Ind Co Ltd 波動歯車減速機の潤滑方法および回転テーブル装置

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102840313A (zh) * 2011-06-24 2012-12-26 株式会社捷太格特 减速机构以及具备该减速机构的马达旋转力传递装置
EP2538113A3 (en) * 2011-06-24 2013-03-27 Jtekt Corporation Speed reduction mechanism and motor torque transmission device including the speed reduction mechanism
US8840510B2 (en) 2011-06-24 2014-09-23 Jtekt Corporation Speed reduction mechanism and motor torque transmission device including the speed reduction mechanism
CN102364166A (zh) * 2011-08-22 2012-02-29 栾清杨 一种燃气轮机多级传动减速机用润滑装置
JP2013068306A (ja) * 2011-09-26 2013-04-18 Denso Wave Inc ロボット
US9140350B2 (en) 2013-01-09 2015-09-22 Harmonic Drive Systems Inc. Wave gear device
US10718419B2 (en) 2014-11-28 2020-07-21 Harmonic Drive Systems Inc. Method for lubricating strain wave gearing
KR20170098311A (ko) 2015-01-13 2017-08-29 가부시키가이샤 하모닉 드라이브 시스템즈 파동기어장치
US10655721B2 (en) 2015-01-13 2020-05-19 Harmonic Drive Systems Inc. Strain wave gearing

Also Published As

Publication number Publication date
JP5391960B2 (ja) 2014-01-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5391960B2 (ja) 波動歯車減速装置
US8171822B2 (en) Reducer and method of use thereof
JP5360387B2 (ja) ロータ駆動機構及びそれを備えるポンプ装置
US7390277B2 (en) Reducer with internally meshing planetary gear mechanism and device incorporating the reducer
JP5310342B2 (ja) ロボットの手首装置
JP6610780B2 (ja) アクチュエータ
CN102549305A (zh) 动力传递装置
CN101828050A (zh) 齿轮机构和叶片驱动装置
WO2006009318A1 (ja) 空気抜き孔付き減速機
CN107676432B (zh) 一种内摆线行星减速器
JP2009047061A (ja) ロータ駆動機構及びポンプ装置
CN102947594A (zh) 车用内齿轮式油泵
CN101323113B (zh) 机器人的关节驱动装置
CN114688230A (zh) 关节、机械臂、机器人及其谐波减速器装置
JP2003181788A (ja) ロボットの関節部構造
KR20220029682A (ko) 윤활제 저장소를 갖는 로봇 관절
JP6764042B2 (ja) 中空型ハイポサイクロイド遊星減速機
TWI818083B (zh) 諧波齒輪裝置的潤滑方法
CN211175284U (zh) 一种改进型减速机
JP2009018925A (ja) モータ内蔵ローラ
JPH09504352A (ja) 液圧調整弁
JP6982529B2 (ja) 差動装置
JP5143718B2 (ja) 回転装置
JP4250713B2 (ja) 一軸偏心ねじポンプ及びその取扱方法
JP2011064144A (ja) パラレル型油圧ポンプ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120712

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130410

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130416

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130917

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130930

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5391960

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees