JP2009018925A - モータ内蔵ローラ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】モータ内蔵ローラ1は、従来技術と同様にローラ本体2にモータ3と減速機5が内蔵されたものであり、減速機5の第一段目の遊星歯車列中にグリス収納部60が設けられている。グリス収納部60は、連動歯車(腕部材)22に設けられており、第1遊星歯車21同士の間に位置している。グリス収納部60内にはグリス87と共に慣性部材88が収納されており、連動歯車(腕部材)22が回転すると、グリス収納部60abcdの内部の慣性部材88が揺り動かされ、各小孔69からグリス87が漏出する。
【選択図】 図4
Description
モータ内蔵ローラは、モータと減速機がローラ本体内に内蔵されているのでこれらの設置場所を必要とせず、省スペースの効果があるばかりでなく、コンベア等の構成も極めて単純なものとなり、コンベア等の組み立て上も好ましいものである。
そこでモータ内蔵ローラでは、内部の減速機をグリスによって潤滑している。
すなわち従来技術のモータ内蔵ローラは、減速機の歯車等に予めグリスを塗布しておき、そのグリスのみによって歯車等の摩擦を逓減させるものであった。
一方、グリス切れを恐れてモータ内蔵ローラ内に大量にグリスを入れると、グリスの粘性が回転負荷となり、消費電力が増大したり、回転が不安定になってしまうという問題点があった。
またモータ内蔵ローラ内に大量にグリスを入れたとしても、歯車が回転したり、公転する際にグリスが飛散し、肝心の歯面の油膜が消失してしまい、歯車等を傷つけてしまう懸念があった。
また本発明のモータ内蔵ローラでは、グリスが充填されたグリス収納部があり、グリス収納部はローラ本体内で公転または回転する。そのため本発明のモータ内蔵ローラでは、公転または回転の遠心力や振動によってグリス収納部に設けられた孔からグリスが徐々に漏出し、歯車等のグリス切れを防止する。
図1は、本発明の具体的実施形態のモータ内蔵ローラの断面図である。図2は、図1のモータ内蔵ローラの機構図である。
ここでローラ本体2は両端が開口した金属製の筒体である。そしてローラ本体2の両端には閉塞部材6,7が取り付けられており、ローラ本体2の両端は閉塞部材6,7によって塞がれている。
そして内筒部材8の内部には、図2の様にモータ3と減速機5が内蔵されている。
一方回転子14は、内筒部材8の中心にあり、その一端は、軸受け16を介して図面左側の固定軸10に回転可能に支持されている。
また連動歯車22に後記するグリス収納部60が設けられている。
第一太陽歯車20は、モータ3の回転子14(モータ3の出力軸59)に連結されており、第一及び第二軌道用内歯車61,62は、内筒部材8の内側に内挿されて固定されている。
すなわち出力部材24が連結部材32に接続される。連結部材32はピン50を介してローラ本体2に取り付けられており、出力部材24の回転は、連結部材32及びピン50を経由してローラ本体2に伝わる。
図3は、図1のモータ内蔵ローラで採用する減速機の一部とモータの一部を示す斜視図である。図4は、図3と同様に減速機の一部とモータの一部を示す斜視図であり、減速機の内部構造を図示するものである。図5は、減速機の一部の分解斜視図である。図6は、減速機の第一段目部分の断面図である。
また連動歯車22の板状部材(腕部材)70にグリス収納部60が設けられており、グリス収納部60は各第1遊星歯車21同士の間に位置している。
第1遊星歯車21は、本実施形態では、4個の歯車21abcdによって構成されている。各歯車には、いずれも中心孔が設けられている。
連動歯車22のグリス収納部60abcdと軸部71abcdは、いずれも板状部材70の同一の面にあり、グリス収納部60abcdと軸部71abcdは、互い違いであって且つ等間隔に配されている。
グリス収納部60の4面の周壁82,83,84,85の内、中心側に面する周壁84は、円弧面である。またこれに対向する周壁82についても円弧状をしている。周壁82の曲率半径は、先の周壁84のそれよりも大きい。他の壁面83,85は円弧状の周壁82,84同士を接続するものであり円弧状である。
グリス収納部60の空洞部87にはグリス86が充填されている。またグリス収納部60の空洞部87内には慣性部材88が移動可能に装入されている。慣性部材88は錘であり、具体的には鋼球である。
すなわちグリス収納部60は、第一太陽歯車20と、二つの遊星歯車21と、第一軌道用内歯車61とによって囲まれた空間にある。そしてグリス収納部60は、前記した様に4面の周壁82,83,84,85はそれぞれ各歯車20,21,61に面している。すなわち中心側に面した小径の円弧状壁面84は、第一太陽歯車20に面している。大径の円弧状壁面82は、第一軌道用内歯車61に面している。円弧状の壁面83,85は、それぞれ遊星歯車21に面している。
その結果、グリス収納部60abcdの内部のグリス86が揺り動かされ、各小孔69から漏出する。又、遠心力によりグリスが漏出する。
ここで小孔69は、グリス収納部60abcdの周面82,83,84,85に設けられており、これら周面82,83,84,85は、それぞれ歯車20,21,61に面しているから、各小孔69から漏出するグリス86は、各歯車20,21,61に供給され、グリスの不足を補う。
前記した実施例に沿って説明すると、出力部材(腕部材)24にグリス収納部73を設け、グリス収納部73を第二軌道用内歯車62の間に配置して第二軌道用内歯車62と共に第二太陽歯車75の回りを公転させる。
軌道用内歯車61にグリス収納部を設ける構成は、特に軌道用内歯車61からローラ本体2に動力を伝達する機構を採用する場合に推奨される。
すなわち先に説明した実施形態では、ローラ本体2の中に内筒部材8があり、内筒部材8に減速機が内蔵されている。そして内筒部材8の外に設けられた連結部材32とローラ本体2とを接続して減速機の出力をローラ本体2に伝導している
そのため先に説明した実施形態では、軌道用内歯車61は回転しない。
これに対して軌道用内歯車をローラ本体に結合してローラ本体を回転させる構造も可能である。軌道用内歯車からローラ本体に動力を伝達する機構を採用する場合には、軌道用内歯車はローラ本体と共に回転する。
図11は、本発明の第二の実施形態のモータ内蔵ローラで採用する減速機の一部とモータの一部を示す斜視図である。図12は、図11の減速機の第一段目部分の断面図である。
そして本実施形態では、第一軌道用内歯車92と第二軌道用内歯車62との間にグリス収納部93が設けられている。
連動歯車22は、円板状の板状部材70の一面に4個の軸部71abcd及び4個のグリス収納部60abcdが設けられ、他面側に第二太陽歯車75が一体的に形成されている。
第一軌道用内歯車92は、外径形状が円筒形であり、一方の開口端近傍の内面に歯車77が形成されている。第一軌道用内歯車92に隣接してグリス収納部93が設けられている。
グリス収納部93は、図13に示すようなドーナツ状であり、円筒状であって中央に大きな開口94が設けられている。またグリス収納部93は内部に空洞部95が形成されている。
すなわちグリス収納部93は、円形の外周面96と内周面97及び正面壁98と裏面壁99とによって囲まれた形状をしており、内部は環状の空洞部95となっている。
さらにグリス収納部93の内周面97には複数の小孔102が設けられている。
またグリス収納部93は、先の実施形態の円筒面部78に相当する位置にあり、連動歯車22の、板状部材70を囲む位置にある。すなわちグリス収納部93の内周面97内に連動歯車22の、板状部材70がある。本実施形態では、連動歯車22の板状部材70は、遊星歯車21を回転可能に支持すると共に遊星歯車21同士を連結して公転させる腕部材として機能するので、グリス収納部93は腕部材の周囲を環状に取り巻いている。
その結果、グリス収納部93の内部のグリス100が揺り動かされ、各小孔102からグリス100が漏出する。
小孔102は、減速機の中心側に向かって開口しており各歯車等のグリスの不足を補う。
2 ローラ本体
3 モータ
5,90 減速機
20 第一太陽歯車
21 遊星歯車(第1遊星歯車)
60,73,93 グリス収納部
61,92 第一軌道用内歯車
65,66,91 遊星歯車列
69,102 小孔
70 板状部材(腕部材)
86,100 グリス
87,95 空洞部
88,101 慣性部材
Claims (6)
- 筒状のローラ本体にモータと減速機とが内蔵され、前記減速機は遊星歯車列を備え、遊星歯車列は、太陽歯車と遊星歯車と軌道用内歯車とを有し、軌道用内歯車は太陽歯車の外側に位置し、遊星歯車は太陽歯車及び軌道用内歯車の双方と係合して太陽歯車の回りを公転するモータ内蔵ローラにおいて、前記減速機内にグリス収納部があり、グリス収納部はローラ本体内で公転または回転し、グリス収納部内にはグリスが充填され、グリス収納部の一部に孔が設けられていて当該孔から内部のグリスが排出されることを特徴とするモータ内蔵ローラ。
- 筒状のローラ本体にモータと減速機とが内蔵され、前記減速機は遊星歯車列を備え、遊星歯車列は、太陽歯車と遊星歯車と軌道用内歯車とを有し、軌道用内歯車は太陽歯車の外側に位置し、遊星歯車は太陽歯車及び軌道用内歯車の双方と係合して太陽歯車の回りを公転するモータ内蔵ローラにおいて、前記減速機内にグリス収納部があり、グリス収納部は遊星歯車又は軌道用内歯車と共に公転または回転し、グリス収納部内にはグリスが充填され、グリス収納部の一部に孔が設けられていて内部のグリスが排出されることを特徴とするモータ内蔵ローラ。
- グリス収納部内には慣性部材が内蔵され、慣性力によって慣性部材がグリス収納部内で動くことを特徴とする請求項1又は2に記載のモータ内蔵ローラ。
- グリス収容部は、遊星歯車同士の間に配され、遊星歯車と共に太陽歯車の回りを公転することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のモータ内蔵ローラ。
- 遊星歯車を回転可能に支持すると共に遊星歯車同士を連結して公転させる腕部材を有し、グリス収納部は腕部材の周囲を環状に取り巻いていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のモータ内蔵ローラ。
- グリス収容部は軌道用内歯車に取り付けられ、軌道用内歯車と共に回転することを特徴とする請求項1,2,3,5のいずれかに記載のモータ内蔵ローラ。
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