JP2011063379A - クレーンの状態表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】オペレータが遠隔操作器の表示部に表示させるための操作をその都度行うことなく、表示部にクレーンの各種の状態を表示させつつも、一回あたりに送信されるデータ量を少なくし得るクレーンの状態表示装置を提供する。
【解決手段】このクレーンの状態表示装置は、遠隔操作器およびクレーン本体側のコントローラを備え、コントローラから遠隔操作器に送信すべきデータを、クレーン作業に必要な表示項目に応じた複数の表示データ((a)〜(c))に分割し、その分割した各表示データ((a)〜(c))を順次に且つ遠隔操作器からの操作データと交互に授受するとともに、一回の送信毎に対応する表示部の表示を更新する。
【選択図】図6

Description

本発明は、クレーンの各種の状態を表示する状態表示装置に関する。
従来のクレーンの一例として車両搭載型クレーンを例に説明する。この種のクレーンは、トラックのキャブと荷台との間、又は荷台の後部に架装され、水平方向に自在に回転する旋回体上にコラムを取付け、このコラムに、起伏および伸縮自在にブームを設けている。コラムには、ウインチが装備されており、このウインチから繰り出しおよび繰り込み可能にワイヤロープを導いてフックに掛け回し、このフックをブーム先端から吊り下げている。
この種のクレーンの動作としては、コラムの左右旋回、ブームの起伏、フックの巻き上げおよび巻き下げ並びにブームの伸縮、の4つの動作が基本になっており、これらの操作を遠隔操作器またはクレーン本体に設置されている手動操作レバーによって、単独または複数の操作を同時に行うことによってクレーンの荷役作業を行うようになっている。
ここで、クレーンの遠隔操作器は、例えば特許文献1に開示されるように、クレーンの各種の状態を遠隔操作器の表示部に表示するものがある。同文献記載の技術は、その表示レスポンスとクレーン操作の応答性を良くするためのものであり、遠隔操作器に表示選択手段を設け、この表示選択手段でオペレータが選択した表示内容のデータのみをクレーン本体側のコントローラから受け取ることで、表示部に表示するためのクレーン本体側からのデータ量を少なくしている。
特許第4242942号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、表示部に表示するためのクレーン本体側からのデータ量を少なくするために、表示選択手段で選択したデータを遠隔操作器の表示部に表示させる。そのため、オペレータが欲しい情報を得るには、その都度、表示選択手段を操作しなければならず、クレーン操作、操縦作業と相まって、表示選択手段の操作が非常に煩わしいものであった。
そこで、本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、オペレータが遠隔操作器の表示部に表示させるための操作をその都度行うことなく、表示部にクレーンの各種の状態を表示させつつも、一回あたりに送信されるデータ量を少なくし得るクレーンの状態表示装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明は、クレーン本体側のコントローラと、該コントローラとの間でクレーンの操作データおよびクレーン作業に必要な表示に係る表示データを無線通信で授受するとともに、クレーンの各種の状態を表示する表示部を有する遠隔操作器とを備えるクレーンの状態表示装置であって、前記コントローラは、前記遠隔操作器に送信すべき表示データを、クレーン作業に必要な表示項目に応じた複数の表示データに分割して、その分割された各表示データを所定の送信パターンによって且つ遠隔操作器から受信する操作データとは交互に送信するとともに、前記遠隔操作器は、前記コントローラからの分割された表示データを受信する毎に対応する表示部の表示を更新することを特徴とする。
本発明に係るクレーンの状態表示装置によれば、コントローラから遠隔操作器に送信すべき表示データを、クレーン作業に必要な表示項目に応じた複数の表示データに分割し、その分割した各表示データを所定の送信パターンによって且つ遠隔操作器からの操作データと交互に送信するとともに、遠隔操作器は、一回の送信毎に対応する表示部の表示を更新するので、オペレータが遠隔操作器の表示部に表示させるための操作をその都度行うことなく、送信一回あたりのデータ量を少なくしつつも、表示部にクレーンの各種の状態を一回毎に更新して表示させることができる。
なお、前記クレーン作業に必要な表示に係る表示データが、実荷重値、定格荷重値、作業半径、ブーム高さ、ブーム長さおよびブーム角度であれば、遠隔操作器の表示部に表示すべき表示データとして好適である。
ここで、前記コントローラが、前記複数の表示データの分割内容の異なる送信パターンを複数有するとともに、前記遠隔操作器の操作データに基づいて、前記複数の送信パターンからいずれかの送信パターンを選択するように構成すれば、オペレータの操作に基づく、より実作業で要求されるデータ更新を多く行うことが可能となる。そのため、例えばクレーン作業に支障がないように配慮して分割した各表示データを送信する構成として好適である。
上述のように、本発明に係るクレーンの状態表示装置によれば、オペレータが遠隔操作器の表示部に表示させるための操作をその都度行うことなく、表示部にクレーンの各種の状態を表示させつつも、一回あたりに送信されるデータ量を少なくすることができる。
本発明に係るクレーンの一実施形態としての車両搭載型クレーンを説明する構成図である。 本発明に係るクレーンの遠隔操作器の説明図であり、同図(a)はその正面図、(b)は側面図である。 本発明に係るクレーンの遠隔操作器およびクレーン側コントローラのブロック図である。 コントローラで実行される双方向通信処理のフローチャートである。 コントローラ側の送信部から送信される表示データを説明する図である。 双方向通信処理に係る双方向通信のデータ内容を示す図である。 遠隔操作器で実行される双方向通信処理のフローチャートである。 コントローラで実行される双方向通信処理の他の例のフローチャートである。 クレーンの旋回領域を示す図である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を適宜参照しつつ説明する。
図1に示すように、この車両搭載型クレーン(以下、単に「クレーン」ともいう)1は、アウトリガ2を備えたベース4上にコラム6が旋回自在に設けられ、このコラム6の上端部に伸縮するブーム7が起伏自在に枢支されている。コラム6にはウインチ11が設けられており、このウインチ11からワイヤロープ12をブーム7の先端部7sに導いて、ブーム7の先端部7sの滑車(図示略)を介して吊荷用のフック13に掛回すことにより、フック13をブーム7の先端部7sから吊下している。
また、このクレーン1には、コラム6の旋回、ブーム7の起伏と伸縮、及びウインチ11の巻上巻下の作動を行うための複数のアクチュエータとして、旋回用油圧モータ5、ブーム起伏用油圧シリンダ9、ブーム伸縮用油圧シリンダ8、およびウインチ用油圧モータ10を備えている。
さらに、ベース4上の本体部内には、コントローラ30が設けられており、このコントローラ30は、図2に示す遠隔操作器20から送信される上記アクチュエータの選択と操作量等の操作データに基づいて、クレーン作業に必要な処理を実行するとともに、遠隔操作器20の表示部77(図2参照)に表示させるべき表示データを送信する双方向通信処理を実行するようになっている。
詳しくは、遠隔操作器20は、図2に示すように、クレーン1の各アクチュエータを動作させるための、ブーム起伏選択スイッチ71、フック巻上巻下選択スイッチ72、ブーム伸縮選択スイッチ73、および左右旋回選択スイッチ74の4つの選択スイッチと、それらの操作量を求めるための速度レバー75を有している。速度レバー75は、その引き量を変化させて上述した各アクチュエータの動作速度を決定するようになっている。なお、4つの選択スイッチのうち複数を選択すると複数のアクチュエータが連動して作動するようになる。さらに、各選択スイッチの上方には、クレーンの各種の状態を表示する表示部77が設けられている。この表示部77には液晶パネルを使用しており、同図に示すように、クレーン作業に必要な表示項目として、「実荷重値」、「定格荷重値」、「作業半径」、「ブーム高さ」、「ブーム長さ」および「ブーム角度」の6つの表示が、後述する表示データに基づいて表示されるようになっている。
ここで、上記クレーン1は、図3に示す(図1では不図示)ように、上記ブーム7の長さを検出するブーム長検出器61、ブーム7の起伏角度を検出するブーム角度検出器62、コラム6の旋回角度を検出する旋回角度検出器63、並びに、荷吊による荷重を検出する荷重検出器65を備えるとともに、上述した各アクチュエータに必要な圧油を給排するコントロールバルブ19を備えている。そして、各検出器からの信号はコントローラ30に読み込まれる。
さらに、このコントローラ30は、図3に示すように、遠隔操作器20の表示部77に表示させるべき表示データを生成する信号処理部31を有している。この信号処理部31は、上記各検出器61,62,63,65からの信号に基づき、「実荷重値」、「定格荷重値」、「作業半径」、「ブーム高さ」、「ブーム長さ」および「ブーム角度」を演算し、これらの数値を所定の送信パターンに従って整列させて、所定の送信パターンによる送信順序に対応させた表示データを生成する。そして、この信号処理部31からの表示データは、所定の送信順序に従って、送信部33から遠隔操作器20の受信部22に送信される。
一方、遠隔操作器20からは、オペレータによる選択スイッチ操作および速度レバー操作により、クレーン1の各アクチュエータを作動させる実行指令となる所定の操作データが、後述する双方向通信処理に基づいて送信部23からコントローラ30に送信される。また、遠隔操作器20には、図2に示したように、コントローラ30側の送信部33から送信された表示データを受信部22で受信し、その受信した表示データ(コントローラ30の送信部33から送信された表示データ)を信号処理部21で処理して表示部77に表示するようになっている。
次に、上記コントローラ30および遠隔操作器20間で実行される双方向通信処理について図4〜図6を適宜参照しつつ説明する。
コントローラ30は、双方向通信処理が実行されると、図4に示すように、まず、ステップS11に移行して、遠隔操作器20からの操作データを受信する。続くステップS12では、遠隔操作器20によるアクチュエータの選択と操作量等に基づいて、上述した各アクチュエータのコントロールバルブ19を制御する。続くステップS13では、上記各検出器61,62,63,65の値を読み込んでステップS14に移行し、ステップS14では、クレーン作業に必要な表示項目に応じた表示データを信号処理部31で演算し、続くステップS21では、表示データを送信部33から所定の送信パターンによって送信し、ステップS11に処理を戻す。
なお、この信号処理部31で生成される表示データは、図5に示すように、そのヘッダ部分には16bitのIDコードが付加されるとともに、数値識別コード(6bit)および、表示部77に表示させるべき数値データ(数値1および2(各10bit))が含まれている。数値識別コードは、数値データが何の数値なのかを判定するための識別コードであり、後述する表示データに対応したコードが予め決められている。
ここで、ステップS21において、本実施形態の例は、以下の表1に示す送信パターンのうち、送信パターンAよって複数の表示データ((a)〜(c))に分割しており、その分割した各表示データ((a)〜(c))を、遠隔操作器20からの操作データの授受と交互に且つ順次に送信する例である。
Figure 2011063379
詳しくは、クレーン作業に必要な表示項目に応じた複数の表示データは、「実荷重値」、「定格荷重値」、「作業半径」、「ブーム高さ」、「ブーム長さ」、「ブーム角度」である。そこで、この送信パターンAにおいては、図6に示すように、一回目(図6の符号(a))のクレーン本体のコントローラ30から遠隔操作器20への表示データは、「実荷重値」と「定格荷重値」を送信する。次に、遠隔操作器20からの操作データの授受後、二回目(図6の符号(b))の表示データは、「作業半径」と「ブーム高さ」を送信する。次に、遠隔操作器20からの操作データの授受後、三回目(図6の符号(c))の表示データは、「ブーム長さ」と「ブーム角度」を送信する。そして、四回目には一回目に戻る(「実荷重値」と「定格荷重値」を送信する)。
なお、このクレーン1の遠隔操作器20とコントローラ30は、双方向に送受信させるため、図6に示すように、一回目(a)にコントローラ30から遠隔操作器20への表示データを送った後、次に、遠隔操作器20からコントローラ30に操作データを送り、二回目(b)にコントローラ30から遠隔操作器20への表示データを送る、といったデータのキャッチボールを繰り返すようになっている。
一方、遠隔操作器20では、双方向通信処理が実行されると、分割された表示データのうち、今回受信した表示データに応じて、表示部77の対応する表示を更新させていく。
詳しくは、遠隔操作器20は、双方向通信処理が実行されると、図7に示すように、ステップS31に移行して操作データを送信し、続くステップS32では上記分割された表示データを受信してステップS33に移行する。
ステップS33では、受信データ(表示データ)を判定する。つまり、今回受信した表示データが「実荷重値」に対応する実荷重表示データか否かを判定し、実荷重表示データであれば(Yes)ステップS34に移行し、そうでなければ(No)ステップS35に移行する。ステップS34では、表示部77に表示されている実荷重表示データに対応する「実荷重値」の表示を更新する。
ステップS35では、今回受信した表示データが「定格荷重値」に対応する定格荷重表示データか否かを判定し、定格荷重表示データであれば(Yes)ステップS36に移行し、そうでなければ(No)ステップS37に移行する。ステップS36では、表示部77に表示されている定格荷重表示データに対応する「定格荷重値」の表示を更新する。
ステップS37では、今回受信した表示データが「作業半径」に対応する作業半径表示データか否かを判定し、作業半径表示データであれば(Yes)ステップS38に移行し、そうでなければ(No)ステップS39に移行する。ステップS38では、表示部77に表示されている作業半径表示データに対応する「作業半径」の表示を更新する。
ステップS39では、今回受信した表示データが「ブーム高さ」に対応するブーム高さ表示データか否かを判定し、ブーム高さ表示データであれば(Yes)ステップS40に移行し、そうでなければ(No)ステップS41に移行する。ステップS40では、表示部77に表示されているブーム高さ表示データに対応する「ブーム高さ」の表示を更新する。
ステップS41では、今回受信した表示データが「ブーム長さ」に対応するブーム長さ表示データか否かを判定し、ブーム長さ表示データであれば(Yes)ステップS42に移行し、そうでなければ(No)ステップS43に移行する。ステップS42では、表示部77に表示されているブーム長さ表示データに対応する「ブーム長さ」の表示を更新する。
ステップS43では、今回受信した表示データが「ブーム角度」に対応するブーム角度表示データか否かを判定し、ブーム角度表示データであれば(Yes)ステップS44に移行し、そうでなければ(No)ステップS31に処理を戻す。ステップS44では、表示部77に表示されているブーム角度表示データに対応する「ブーム角度」の表示を更新してから処理をステップS31に戻す。
次に、上記第一実施形態のクレーンの状態表示装置(コントローラ30および遠隔操作器20)の作用効果について説明する。
このクレーン1の状態表示装置によれば、コントローラ30から遠隔操作器20に送信すべき表示データを、クレーン作業に必要な表示項目に応じた複数の表示データ((a)〜(c))に分割しており、その分割した各表示データ((a)〜(c))を遠隔操作器20からの操作データの授受と交互に且つ順次に授受するとともに、一回毎に対応する表示部77の表示を更新するので、オペレータが遠隔操作器19の表示部77に表示させるための操作をその都度行うことなく、送信一回あたりのデータ量を少なくしつつも、表示部77にクレーン1の各種の状態を一回毎に更新して表示させることができる。
なお、本発明に係るクレーンの状態表示装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しなければ種々の変形が可能である。
例えば、図3に示すコントローラ30の信号処理部31内では、オペレータの操作に基づくデータフォーマットを選択するための、パターンマトリックスの保存と読み出しが必要であるが、より実作業で要求されるデータ更新を多く行うことで、クレーン作業に支障がないように配慮した構成とすることができる。そこで、このような構成例とした、本発明の第二実施形態について以下説明する。
この第二実施形態では、コントローラ30から遠隔操作器20に表示データを送るときに、オペレータが実際に操作している操作信号に基づいて、優先順位の高い表示データに重みを置いて送信する例である。なお、その他の構成については上述した第一実施形態同様であるので、その説明は適宜省略する。
詳しくは、この第二実施形態のコントローラ30で双方向通信処理が実行されると、図8に示すように、まず、ステップS11に移行して、遠隔操作器20からの操作データを受信する。続くステップS12では、遠隔操作器20によるアクチュエータの選択と操作量等に基づいて、上述した各アクチュエータのコントロールバルブ19を制御する。続くステップS13では、上記各検出器61,62,63,65の値を読み込んでステップS14に移行し、ステップS14では、クレーン作業に必要な表示項目に応じた表示データを演算してステップS15に移行する。
ステップS15では、操作データが巻上巻下操作のみであるか否かが判定され、操作データが巻上巻下操作のみであれば(Yes)ステップS22に移行し、そうでなければ(No)ステップS16に移行する。ステップS16では、操作データが旋回左右操作のみであるか否かが判定され、操作データが旋回左右操作のみであれば(Yes)ステップS23に移行し、そうでなければ(No)ステップS21に移行する。
そして、ステップS21では、上記第一実施形態同様に、送信パターンAにより表示データを順次に送信し、処理をステップS11に戻す。これに対し、ステップS22では、上記表1に示す送信パターンBにより表示データを順次に送信し、処理をステップS11に戻す。さらに、ステップS23では、上記表1に示す送信パターンCにより表示データを順次に送信し、処理をステップS11に戻す。
次に、この第二実施形態のクレーンの状態表示装置(コントローラ30および遠隔操作器20)の動作、および作用効果について説明する。
まず、この第二実施形態では、例えばオペレータが遠隔操作器20で操作を行っていない(遠隔操作器20上の各選択スイッチが未操作)のときは、上記第一実施形態同様に、送信パターンAにより表示データを順次に送信する(ステップS21)。
これに対し、今、作業者が、例えばクレーン1のウインチ11を巻上げまたは巻下げの、どちらかを行いたいときは、遠隔操作器20のフック巻上巻下選択スイッチ72が操作される。これにより、巻上げまたは巻下げ操作の操作データが、遠隔操作器20からクレーン本体に送られる。そのため、これを受信したクレーン本体のコントローラ30では、この巻上げまたは巻下げ操作の操作データに基づき(ステップS15での「Yes」)、送信パターンBを選択する(ステップS22)。
そして、この送信パターンBにおいては、上記表1に示すように、実際の作業がウインチ巻上げのとき、遠隔操作器20からコントローラ30に巻上操作データが送信され、一回目のコントローラ30から遠隔操作器20への表示データは、「実荷重値」と「定格荷重値」が送信される。次いで、遠隔操作器20からコントローラ30に巻上操作データが送信され、二回目の表示データでは、「実荷重値」と「作業半径」が送信される。次いで、遠隔操作器20からコントローラ30に巻上操作データが送信され、三回目の表示データは、「実荷重値」と「ブーム高さ」が送信される。次いで、遠隔操作器20からコントローラ30に巻上操作データが送信され、四回目の表示データは、「実荷重値」と「ブーム長さ」が送信される。次いで、遠隔操作器20からコントローラ30に巻上操作データが送信され、五回目の表示データは、「実荷重値」と「ブーム角度」が送信される。次いで、遠隔操作器20からコントローラ30に巻上操作データが送信され、六回目には、一回目の表示データに戻り(「実荷重値」と「定格荷重値」)これが送信され、以下同様に繰り返される。なお、ウインチと旋回操作以外の操作や、複数の操作を複合した連動操作を行った場合についても同様に、オペレータの操作に対応して重み付けを行った送信データのパターンを設定可能であることは勿論である。
このように、この第二実施形態のクレーンの状態表示装置においては、オペレータの操作によって変化する可能性が高い表示データを、優先的に双方向通信のデータに載せるようにしている。
つまり、実際のクレーン作業では、ウインチ巻上げ時は、地上に置いた吊荷をウインチで巻上げて吊下させるので、「実荷重値」が0(kg)から実荷重(kg)に急激に変化する。また、ウインチ巻下げ時は、吊下された吊荷をウインチで巻下げて地上に置くので「実荷重値」が実荷重(kg)から0(kg)に急激に変化する。
したがって、実際のクレーン作業がウインチ巻上げまたは巻下げによるケースでは、「実荷重値」が優先度の高い表示データに相当する。また、オペレータも実際に吊上げている荷重値を随時に把握できるため、「実荷重値」(実荷重表示データ)が最も知りたい表示データである。このとき、クレーンの他のアクチュエータは未作動であるため、送信される他の表示データには変化が無いことから、「実荷重値」に重みを置いて表示データを形成することは重要である。
また、この第二実施形態の構成によれば、クレーンの旋回操作を行う場合も同様に、「定格荷重値」に重みを置いた送信パターンC(表1参照)にシフトされ(ステップS23)、この送信パターンCに基づく表示データを遠隔操作器20に送ることができる。
つまり、車両搭載型のクレーン1では、図9に示すように、トラック等の車両100に対するブーム7の向きが前方領域FAに位置すると、後方領域RAでの定格荷重値に対して25%の定格荷重値に設定される。そのため、旋回作動中は「定格荷重値」が急激に変化する場合がある。
したがって、実際のクレーン作動が旋回作動によるときは、「定格荷重値」が優先度の高い表示データに相当する。また、オペレータも定格荷重値を随時に把握できるため、「定格荷重値」(定格荷重表示データ)が最も知りたい表示データである。このとき、クレーン1の他のアクチュエータは未作動であるため、送信される他の表示データには変化がないことから、「定格荷重値」に重みを置いて表示データを形成することは重要である。
なお、この第二実施形態で説明を省略した、ウインチと旋回操作以外の操作や、複数の操作を複合した連動操作を行ったときも、上記パターンマトリックスを増やすことで、容易に対応が可能である。これに対し、上述の第一実施形態は、パターンマトリックスの記憶量を簡単にして、安価に対応したものである。
1 車両搭載型クレーン(クレーン)
2 アウトリガ
4 ベース
5 旋回用油圧モータ(アクチュエータ)
6 コラム
7 ブーム
8 ブーム伸縮用油圧シリンダ(アクチュエータ)
9 ブーム起伏用油圧シリンダ(アクチュエータ)
10 ウインチ用油圧モータ(アクチュエータ)
11 ウインチ
12 ワイヤロープ
13 フック
18 操作レバー
19 コントロールバルブ
20 遠隔操作器(状態表示装置)
21 信号処理部
22 受信部
23 送信部
30 コントローラ(状態表示装置)
31 信号処理部
32 受信部
33 送信部
61 ブーム長検出器
62 ブーム角度検出器
63 旋回角度検出器
65 荷重検出器
71 ブーム起伏選択スイッチ
72 フック巻上巻下選択スイッチ
73 ブーム伸縮選択スイッチ
74 左右旋回選択スイッチ
75 速度レバー
77 表示部
100 車両

Claims (2)

  1. クレーン本体側のコントローラと、該コントローラとの間でクレーンの操作データおよびクレーン作業に必要な表示に係る表示データを無線通信で授受するとともに、クレーンの各種の状態を表示する表示部を有する遠隔操作器とを備えるクレーンの状態表示装置であって、
    前記コントローラは、前記遠隔操作器に送信すべき表示データを、クレーン作業に必要な表示項目に応じた複数の表示データに分割して、その分割された各表示データを所定の送信パターンによって且つ遠隔操作器から受信する操作データとは交互に送信するとともに、前記遠隔操作器は、前記コントローラからの分割された表示データを受信する毎に対応する表示部の表示を更新することを特徴とするクレーンの状態表示装置。
  2. 前記コントローラは、前記複数の表示データの分割内容の異なる送信パターンを複数有するとともに、前記遠隔操作器の操作データに基づいて、前記複数の送信パターンからいずれかの送信パターンを選択することを特徴とする請求項1に記載のクレーンの状態表示装置。
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