JP4828055B2 - 油圧アクチュエータの遠隔制御装置 - Google Patents

油圧アクチュエータの遠隔制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の油圧アクチュエータを連動制御することのできる油圧アクチュエータの遠隔制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、油圧駆動の機械設備では、油圧アクチュエータの制御を行う場合、油圧アクチュエータの切換制御弁のメインスプールを、このメインスプールにリンクを介して接続された操作レバーを用いて手動で作動させる機側操作、若しくは、遠隔操作器を用いて作動させる遠隔操作によって制御している。
【0003】
このような油圧駆動の機械設備には、複数の油圧アクチュエータを備え、これらの油圧アクチュエータを連動制御しなければならないものがある。
例えば、図7に示すような車両搭載型のクレーン1は、アウトリガ2を備えたベース4上にコラム6が旋回自在に設けられ、このコラム6の上端部に伸縮するブーム7が起伏自在に枢支されている。
【0004】
コラム6にはウインチ11が設けられており、このウインチからワイヤロープ12をブーム7の先端部に導いて、ブーム7の先端部の滑車(図示略)を介して吊荷用のフック13に掛回すことにより、フック13をブーム7の先端部から吊下している。
このクレーン1では、コラム6の旋回、ブーム7の起伏と伸縮、及びウインチ11の巻上巻下の作動を行うための油圧アクチュエータとして、旋回用油圧モータ5、ブーム起伏用油圧シリンダ9、ブーム伸縮用油圧シリンダ8、及びウインチ用油圧モータ10を備えており、これらを作業の内容に応じて連動するよう制御する必要がある。
【0005】
旋回用油圧モータ5、ブーム起伏用油圧シリンダ9、ブーム伸縮用油圧シリンダ8、及びウインチ用油圧モータ10は、車両のエンジンで駆動される油圧ポンプ(図示略)から切換制御弁装置3を介して圧油を供給することにより作動する。油圧ポンプからの圧油の吐出量は、エンジンの回転速度を上げるほど多くなる。切換制御弁装置3は、各アクチュエータをそれぞれ制御する複数の切換制御弁を連結して構成した多連結弁装置であり、機側操作及び遠隔操作が可能となっている。
【0006】
クレーン1を機側操作する場合には、切換制御弁装置3を操作レバー18で切換操作する。複数の油圧アクチュエータを連動制御するときには、対象となる各油圧アクチュエータを制御する切換制御弁のスプールがそれぞれ接続されている各レバーを操作するが、このとき切換制御弁装置3を通って各油圧アクチュエータに供給される圧油の量も、オペレータのレバー毎の細かな操作によって微細に調整することが可能である。
【0007】
よって、油圧アクチュエータの微細な動作も自在に調整が可能であり、連動制御も比較的容易である。エンジンの回転速度によって油圧ポンプからの圧油の吐出量が変化しても自在に調整できる。
これに対し、クレーン1を遠隔操作する場合には、通常、切換制御弁装置3を図8及び図9に示すような遠隔操作器70で切換操作する。
【0008】
遠隔操作器70には、ブーム7の起伏作動を選択するためのブーム起伏用選択スイッチ71、ウインチ11の巻上巻下作動を選択するためのウインチ巻上下用選択スイッチ72、ブーム7の伸縮作動を選択するためのブーム伸縮用選択スイッチ73、ブーム7の左右への旋回作動を選択するための旋回用選択スイッチ74、クレーン1の各作動の速度を制御する速度レバー75が設けられており、各選択スイッチ71、72、73、74と速度レバー75の操作による油圧アクチュエータの選択信号と速度レバーの引き代信号は、遠隔操作器70から切換制御弁装置3に向けて無線送信される。
【0009】
複数の油圧アクチュエータを連動制御するときには、対象となる各アクチュエータを制御する選択スイッチを選択すると共に、速度レバー75を引いてエンジン回転速度を制御し、油圧アクチュエータの作動速度を調整する。
しかし、遠隔操作器70には、4個の選択スイッチ71、72、73、74に対して、速度レバー75は1本だけしか設けられておらず、複数の選択スイッチが選択されたときでも、速度レバー75は共用するように構成している。
【0010】
従って、単独の選択スイッチが選択されたときには、単独のアクチュエータの作動を微細に調整することができるが、複数の選択スイッチが選択されたときには、各アクチュエータの作動を個別に微細調整することはできなかった。
このように、複数の油圧アクチュエータを備えた油圧駆動の機械設備で、複数の油圧アクチュエータを機側操作する場合には、各油圧アクチュエータの操作レバーをそれぞれ細かく操作することにより、油圧源から各油圧アクチュエータへの圧油の供給量を微細に調整することができる。
【0011】
しかし、複数の油圧アクチュエータを遠隔操作する場合には、遠隔操作器の選択スイッチを選択することにより、各油圧アクチュエータを作動させることはできるが、油圧源から各油圧アクチュエータへの圧油の供給量を微細に調整することができず、複数の油圧アクチュエータを適切に連動させることができない。
そこで、複数の油圧アクチュエータをそれぞれ制御するための複数のパイロット操作可能な切換制御弁と、油圧アクチュエータの選択操作を行う遠隔操作器と、複数の油圧アクチュエータを連動させるときの油圧アクチュエータの組み合わせパターンと各組み合わせパターンにおける各切換制御弁のメインスプールの所要変位量のデータを記憶し、遠隔操作器からの油圧アクチュエータの選択信号に基づいて、選択された組み合わせパターンに対応する各切換制御弁へのパイロット操作信号を出力する演算装置とを備えた油圧アクチュエータの制御装置が提案されている(特願2001−135297号参照)。
【0012】
この油圧アクチュエータの制御装置によれば、遠隔操作器で複数の油圧アクチュエータの連動操作を行う場合に、速度レバーが一本でも、それぞれの組み合わせパターンに応じて複数の油圧アクチュエータを適切に連動するよう制御することができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、複数の油圧アクチュエータの組み合わせパターンにおける各切換制御弁のメインスプールの所要変位量のデータは、各組み合わせパターンにおいて最適となるような値を与える関数式等によって、演算装置に予め記憶されているので、ある特定の油圧アクチュエータの作動速度を変更する必要が生じたとしても、オペレータが意図的に特定の油圧アクチュエータの作動速度を変更することはできない。
【0014】
本発明は、複数の油圧アクチュエータの遠隔制御における上記問題を解決するものであって、遠隔操作器で複数の油圧アクチュエータの連動操作を行う場合に、速度レバーが一本でも複数の油圧アクチュエータが適切に連動するよう制御することができ、且つ必要に応じてオペレータが意図的に特定の油圧アクチュエータの作動速度を変更することのできる油圧アクチュエータの遠隔制御装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の油圧アクチュエータの遠隔制御装置は、複数の油圧アクチュエータをそれぞれ制御するための複数の遠隔操作可能な切換制御弁と、油圧アクチュエータの作動の選択操作を行う遠隔操作器と、複数の油圧アクチュエータを連動させるときの油圧アクチュエータの組み合わせパターンと各組み合わせパターンにおける各切換制御弁のメインスプールの所要変位量のデータを記憶し、遠隔操作器からの油圧アクチュエータの選択信号に基づいて、選択された組み合わせパターンに対応する各切換制御弁への基準操作信号を出力すると共に、遠隔操作器の特定油圧アクチュエータの選択スイッチのクリック操作により特定油圧アクチュエータの切換制御弁への変速操作信号を出力する演算部とを備えることにより、上記課題を解決している。
【0016】
この油圧アクチュエータの遠隔制御装置では、複数の油圧アクチュエータを連動制御する場合には、遠隔操作器で油圧アクチュエータの選択操作を行う。すると、演算部が遠隔操作器からの油圧アクチュエータの選択信号に基づいて、選択された油圧アクチュエータの組み合わせパターンに対応する各切換制御弁への基準操作信号を出力するため、各切換制御弁のメインスプールが所要変位量だけ変位して、各油圧アクチュエータにはそれぞれ適正量の圧油が供給される。従って、複数の油圧アクチュエータは適切に連動する。
【0017】
複数の油圧アクチュエータの連動状態で、特定油圧アクチュエータの作動速度のみを変更する必要が生じた場合には、遠隔操作器で特定油圧アクチュエータの選択スイッチのクリック操作を行う。すると、演算部がこのクリック操作信号により特定油圧アクチュエータの切換制御弁への変速操作信号を出力するため、特定油圧アクチュエータの切換制御弁のメインスプールが変位して、特定油圧アクチュエータへの圧油の供給量が変化する。従って、必要に応じてオペレータが意図的に特定の油圧アクチュエータの作動速度を変更することができる。
【0018】
特定油圧アクチュエータのメインスプールの変位量が全開またはほぼ全開であるとき、遠隔操作器の特定油圧アクチュエータの選択スイッチのクリック操作により、演算部が、特定油圧アクチュエータの切換制御弁への増速操作信号に代えて、選択されている他の油圧アクチュエータの切換制御弁への減速操作信号を出力するように構成すると、特定油圧アクチュエータの増速余地がない状態では、選択スイッチのクリック操作によって、特定油圧アクチュエータが増速される代わりに、他の油圧アクチュエータが減速される。従って、複数油圧アクチュエータ間の作動バランスにおいて、相対的に特定油圧アクチュエータが増速したのと同様な効果が得られる。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施の一形態を示すクレーン用の油圧アクチュエータの制御装置の構成図、図2はブーム伸縮用油圧シリンダとウインチ用油圧モータを連動させる場合の作動の説明図、図3〜図6は連動制御のための関数式を示す図である。
【0020】
クレーンの構成は、従来のものと同様であるので図7を参照し、同一の部分には同一の符号を付して説明する。
クレーン1は、アウトリガ2を備えたベース4上にコラム6が旋回自在に設けられ、このコラム6の上端部に伸縮するブーム7が起伏自在に枢支されている。コラム6にはウインチ11が設けられており、このウインチからワイヤロープ12をブーム7の先端部に導いて、ブーム7の先端部の滑車(図示略)を介して吊荷用のフック13に掛回すことにより、フック13をブーム7の先端部から吊下している。
【0021】
クレーン1には、コラム6の旋回、ブーム7の起伏と伸縮、及びウインチ11の巻上巻下の作動を行うための油圧アクチュエータとして、旋回用油圧モータ5、ブーム起伏用油圧シリンダ9、ブーム伸縮用油圧シリンダ8、及びウインチ用油圧モータ10を備えている。
旋回用油圧モータ5、ブーム起伏用油圧シリンダ9、ブーム伸縮用油圧シリンダ8、及びウインチ用油圧モータ10は、何れも車両のエンジンで駆動される油圧ポンプ(図示略)から切換制御弁装置3を介して圧油を供給することにより作動する。油圧ポンプからの圧油の吐出量は、エンジンの回転速度を上げるほど多くなる。
【0022】
切換制御弁装置3は、旋回用油圧モータ5、ブーム起伏用油圧シリンダ9、ブーム伸縮用油圧シリンダ8、及びウインチ用油圧モータ10の各アクチュエータをそれぞれ制御するための旋回用油圧モータ切換弁80、ブーム起伏用油圧シリンダ切換弁90、ブーム伸縮用油圧シリンダ切換弁20、及びウインチ用油圧モータ切換弁50を連結して構成した多連結弁装置であり、操作レバー18による機側操作及び遠隔操作器70による遠隔操作が可能となっている。
【0023】
遠隔操作器70は図8及び図9に示すものと同様であり、ブーム7の起伏作動を選択するためのブーム起伏用選択スイッチ71、ウインチ11の巻上巻下作動を選択するためのウインチ巻上下用選択スイッチ72、ブーム7の伸縮作動を選択するためのブーム伸縮用選択スイッチ73、ブーム7の左右への旋回作動を選択するための旋回用選択スイッチ74、クレーン1の各作動の速度を制御する速度レバー75が設けられており、各選択スイッチ71、72、73、74と速度レバー75の操作による油圧アクチュエータの選択信号と速度レバーの引き代信号は、遠隔操作器70から切換制御弁装置3側の送受信機77に向けて無線送信される。
【0024】
ブーム伸縮用油圧シリンダ切換弁20には、メインスプール21が内蔵されており、このメインスプール21は、左右のスプリング30で通常は中立位置に保持されている。メインスプール21の一端はリンクを介して操作レバー18と連結されている。他端にはメインスプール21を切換えるピストン22が設けられている。
【0025】
また、ブーム伸縮用油圧シリンダ切換弁20は、ピストン22の制御を行う電磁弁24、25と、ピストン22の変位を検出する位置検出器23とを備えている。電磁弁24、25のソレノイド24S、25Sには、それぞれ演算部40からデジタル・アナログコンバータ26、36を介して操作信号が送られる。位置検出器23からは、アナログ・デジタルコンバータ29を介して検出信号が演算部40に送られる。
【0026】
電磁弁24、25は、油圧ポンプからパイロット圧油が供給されるポートEが常時閉、タンクへ作動油を戻すポートFが常時開となっており、ソレノイド24S、又はソレノイド25Sに制御電流が入力されると左右のスプール24R、又はスプール25Rが摺動し、入力電流値によってEポートの開口量が制御できる。従って、ピストン22の左右の油室31、32へのパイロット圧油の供給が制御される。
【0027】
油室31、32の何れか一方にパイロット圧油が供給されると、メインスプール21が右又は左に移動して、サービスポートB、又はサービスポートAとポンプポートPとを連通させるので、ブーム伸縮用油圧シリンダ切換弁20は、伸油路14又は縮油路15に圧油を供給して、ブーム伸縮用油圧シリンダ8を伸縮作動させる。
【0028】
ウインチ用油圧モータ切換弁50には、メインスプール51が内蔵されており、このメインスプール51は、左右のスプリング30で通常は中立位置に保持されている。メインスプール51の一端はリンクを介して操作レバー18と連結されている。他端にはピストン52が設けられている。
また、ウインチ用油圧モータ切換弁50は、ピストン52の制御を行う電磁弁54、55と、ピストン52の変位を検出する位置検出器53を備えており、電磁弁54、55のソレノイド54S、55Sには、それぞれ演算部40からデジタル・アナログコンバータ56、66を介して操作信号が送られる。位置検出器53からは、アナログ・デジタルコンバータ59を介して検出信号が演算部40に送られる。
【0029】
電磁弁54、55も、油圧ポンプからパイロット圧油が供給されるポートEが常時閉、タンクへ作動油を戻すポートFが常時開となっており、ソレノイド54S、又はソレノイド55Sに制御電流が入力されると左右のスプール54R、又はスプール55Rが摺動し、入力電流値によってEポートの開口量が制御できる。従って、ピストン52の左右の油室61、62へのパイロット圧油の供給が制御される。
【0030】
油室61、62の何れか一方にパイロット圧油が供給されると、メインスプール51が右又は左に移動して、サービスポートB、又はサービスポートAとポンプポートPとを連通させるので、ウインチ用油圧モータ切換弁50は、巻下油路16又は巻上油路17に圧油を供給して、ウインチ用油圧モータ10を巻下巻上作動させる。
【0031】
ブーム起伏用油圧シリンダ切換弁90、旋回用油圧モータ切換弁80も、ブーム伸縮用油圧シリンダ切換弁20及びウインチ用油圧モータ切換弁50と同様の構成であるので詳細の説明は省略する。
旋回用油圧モータ5、ブーム起伏用油圧シリンダ9、ブーム伸縮用油圧シリンダ8、及びウインチ用油圧モータ10の各アクチュエータは、クレーン1の作業の内容に応じて連動するよう制御する必要がある。
【0032】
例えば、ブーム7の先端とフック13との間の距離Lを常に一定に保ちながらブーム7を伸長させる場合には、ブーム7の伸長作動に伴ってウインチ11の巻下作動も必要なので、ブーム伸縮用油圧シリンダ8と、ウインチ用油圧モータ10とを連動させなければならない。
このような2つの油圧アクチュエータの組み合わせパターンには、表1に示すような場合がある。
【0033】
【表1】
Figure 0004828055
【0034】
また、3つの油圧アクチュエータの組み合わせパターンには表2、4つの油圧アクチュエータの組み合わせパターンには表3に示すような場合がある。
【0035】
【表2】
Figure 0004828055
【0036】
【表3】
Figure 0004828055
【0037】
複数のアクチュエータを連動させる場合、旋回用油圧モータ5、ブーム起伏用油圧シリンダ9、ブーム伸縮用油圧シリンダ8、及びウインチ用油圧モータ10の各アクチュエータは、それぞれ用途、容量、必要作業スピードが異なるため、必要とする圧油量が異なる。
よって、複数のアクチュエータを適切に連動させるには、連動するアクチュエータがそれぞれ必要とする作業速度を得られるよう、各切換制御弁のサービスポートA、Bの開口量を制御し、各アクチュエータに適正量の圧油を供給することが必要となる。
【0038】
遠隔操作で複数の油圧アクチュエータを連動制御する場合には、遠隔操作器70の選択スイッチ71、72、73、74で必要な油圧アクチュエータを選択し、速度レバー75を引く。この選択信号と速度レバーの引き代信号は遠隔操作器70から送受信機77を経て演算部40に送られる。
演算部40には、表1、表2、表3に示すようなアクチュエータの組み合わせパターンと、実際のクレーン連動作業によって得られた各組み合わせパターンにおける各切換弁90、50、80、20のメインスプールの所要変位量のデータが、各組み合わせパターン毎に関数式として記憶されている。
【0039】
操作を開始すると、演算部40は、初期化された状態で遠隔操作器70からの油圧アクチュエータの選択信号と速度レバー75の引き代信号を読込み、その信号に基づいて単独操作か連動操作かを判断し、連動操作であれば選択された油圧アクチュエータの組み合わせパターンに対応する関数式を割り出して演算し、各切換弁へ基準操作信号を出力する。同時に、車両のエンジンの回転速度を制御するためのアクセル制御アクチュエータ95にもアクセル開度制御信号を送る。なお、単独操作の場合は関数式による演算は行わない。
【0040】
ブーム7の先端とフック13との間の距離Lを常に一定に保ちながらブーム7を伸長させる場合であれば、遠隔操作器70でブーム伸縮用選択スイッチ73を選択して伸長側に入れ、ウインチ巻上下用選択スイッチ72を選択して巻下側に入れ、速度レバー75を引く。
この選択信号と速度レバー75の引き代信号は遠隔操作器70から送受信機77を経て演算部40に送られる。演算部40は、選択信号からブーム伸縮用油圧シリンダ8とウインチ用油圧モータ10の組み合わせパターンに対して、図3に示すようなブーム伸縮用油圧シリンダの伸長用関数式Fcとウインチ用油圧モータの巻下用関数式Fwを割り出して引き代信号を代入し、最適なメインスプール21、51の変位量を演算して、ブーム伸縮用油圧シリンダ切換弁20の電磁弁24とウインチ用油圧モータ切換弁50の電磁弁54とへ基準操作信号を出力する。
【0041】
この基準操作信号によって、図2に示すように電磁弁24が切換えられ、ピストン22が所要変位量だけ移動し、メインスプール21の変位で適正量の圧油がブーム伸縮用油圧シリンダ8の伸油路14に供給され、ブーム伸縮用油圧シリンダ8が伸長するので、ブーム7が伸長する。
同時に電磁弁54が切換えられ、ピストン52が所要変位量だけ移動し、メインスプール51の変位で適正量の圧油がウインチ用油圧モータ10の巻下油路16に供給され、ウインチ用油圧モータ10が巻下側に回転してワイヤロープ12を繰出すので、フック13の吊下長さLが一定に保持される。
【0042】
演算部40は位置検出器23、53で検出されて、フィードバックされた位置検出値と操作信号の出力値とを比較して、ブーム伸長量に対するウインチ巻下量が不足する状態であれば、ウインチ用油圧モータ切換弁50の電磁弁54へ補正信号を送りウインチ巻下量を増加させる。ブーム伸長量に対するウインチ巻下量が過大な状態であれば、ウインチ用油圧モータ切換弁50の電磁弁54へ補正信号を送りウインチ巻下量を減少させる。従って、フック13の吊下長さLを一定に保持しながらブーム7を伸長させることができる。
【0043】
このブーム伸縮用油圧シリンダ8とウインチ用油圧モータ10との連動作動中に、若干ウインチ11の巻下速度のみを増速させたいとき、オペレータは、遠隔操作器70で巻下側に入れているウインチ巻上下用選択スイッチ72を瞬時に中立に戻し再度巻下側に入れる所謂クリック操作を行う。
このクリック操作によって、演算部40は、ウインチ用油圧モータ切換弁50の電磁弁54に増速操作信号を送り、メインスプール51の変位量を大きくしてウインチ用油圧モータ10の巻下油路16に供給される圧油の量を増加させ、ウインチ用油圧モータ10の巻下側への回転速度を上げてワイヤロープ12の繰出しを大きくする。
【0044】
このとき、変速の大きさはクリック操作の回数で設定することができ、図4に示すように、ウインチ用油圧モータ10の基準操作信号における巻下関数式Fwが、1クリックで関数式Fwl に移行し、2クリックすると関数式Fw2 に移行する。
若干ウインチ11の巻下速度のみを減速させたいときは、オペレータは、遠隔操作器70で巻下側に倒しているウインチ巻上下用選択スイッチ72を巻上側にクリック操作する。すると、演算部40は、ウインチ用油圧モータ切換弁50の電磁弁54に減速操作信号を送り、メインスプール51の変位量を小さくしてウインチ用油圧モータ10の巻下油路16に供給される圧油の量を減少させ、ウインチ用油圧モータ10の巻下側への回転速度を下げてワイヤロープ12の繰出しを少なくする。このとき巻下関数式Fwは関数式Fw3 に移行する。
【0045】
ブーム伸縮用油圧シリンダ8とウインチ用油圧モータ10との連動作動中に、ウインチ用油圧モータ切換弁50のメインスプール51の巻下側への変位量が最大又は最大に近い全開またはほぼ全開の状態で、ウインチ巻上下用選択スイッチ72を巻下側にクリック操作すると、演算部40は、ウインチ用油圧モータ切換弁50への増速操作信号に代えて、ブーム伸縮用油圧シリンダ切換弁20への減速操作信号を出力する。
【0046】
これにより、メインスプール21の変位量を小さくしてブーム伸縮用油圧シリンダ8の伸長油路14に供給される圧油の量を減少させ、ブーム伸縮用油圧シリンダ8の伸長速度を下げる。このときは、基準操作信号における伸長用関数式Fcが、図5に示すように関数式Fcl に移行する。
従って、ブーム伸縮用油圧シリンダ8とウインチ用油圧モータ10との間の作動バランスにおいて、相対的にウインチ用油圧モータ10が増速したのと同様な効果が得られる。即ちクレーン1は、ブーム7の伸長時にフック吊下長さLが徐々に長くなるよう作動することになる。
【0047】
なお、ウインチ用油圧モータ切換弁50のメインスプール51の巻下側への変位量が最大又は最大に近い全開またはほぼ全開の状態でない場合に、オペレータが遠隔操作器70で伸長側に入れているブーム伸縮用選択スイッチ73を縮小側にクリック操作しても同様な効果を得ることができる。このときは、伸長用関数式Fcが、図6に示すように関数式Fcl に移行する。
【0048】
このように、ウインチ巻上下用選択スイッチ72やブーム伸縮用選択スイッチ73のクリック操作で作動速度の変更ができるので、遠隔操作器70に、別途変速用の専用スイッチ等を設ける必要はない。
基準操作信号による連動状態からクリック操作により変速を行ったとき、一旦作業を中断すると、所定時間経過後、演算部40は初期状態にリセットされるので、作業を再開するときには、改めて必要な操作を行う。
【0049】
以上、ブーム伸縮用油圧シリンダ8の伸長時のウインチ用油圧モータ10との連動制御に付いて説明したが、ブーム伸縮用油圧シリンダ8の縮小時やその他の表1に示される2つの油圧アクチュエータの組み合わせパターン、表2、表3に示される3つの油圧アクチュエータや4つの油圧アクチュエータの組み合わせパターンでも、同様に必要に応じてオペレータが意図的に特定の油圧アクチュエータの作動速度を変更することができる。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明の油圧アクチュエータの遠隔制御装置は、遠隔操作器で複数の油圧アクチュエータの連動操作を行う場合に、複数の油圧アクチュエータが適切に連動するよう制御することができ、且つ必要に応じてオペレータが意図的に特定の油圧アクチュエータの作動速度を変更することができるので、操作性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示すクレーン用の油圧アクチュエータの制御装置の構成図である。
【図2】ブーム伸縮用油圧シリンダとウインチ用油圧モータを連動させる場合の作動の説明図である。
【図3】連動制御のための関数式の一例を示す図である。
【図4】連動制御のための関数式の一例を示す図である。
【図5】連動制御のための関数式の一例を示す図である。
【図6】連動制御のための関数式の一例を示す図である。
【図7】クレーンの構成図である。
【図8】遠隔操作器の正面図である。
【図9】遠隔操作器の側面図である。
【符号の説明】
1 クレーン
3 切換制御弁装置
5 旋回用油圧モータ
7 ブーム
8 ブーム伸縮用油圧シリンダ
9 ブーム起伏用油圧シリンダ
10 ウインチ用油圧モータ
11 ウインチ
12 ワイヤロープ
13 フック
20 ブーム伸縮用油圧シリンダ切換弁
21 メインスプール
22 ピストン
23 位置検出器
24、25 電磁弁
24S、25S ソレノイド
24R、25R スプール
40 演算部
50 ウインチ用油圧モータ切換弁
51 メインスプール
52 ピストン
53 位置検出器
54、55 電磁弁
54S、55S ソレノイド
54R、55R スプール
70 遠隔操作器
71 ブーム起伏用選択スイッチ
72 ウインチ巻上下用選択スイッチ
73 ブーム伸縮用選択スイッチ
74 旋回用選択スイッチ
75 速度レバー
77 送受信機
80 旋回用油圧モータ切換弁
90 ブーム起伏用油圧シリンダ切換弁

Claims (2)

  1. 複数の油圧アクチュエータをそれぞれ制御するための複数の遠隔操作可能な切換制御弁と、油圧アクチュエータの作動の選択操作を行う遠隔操作器と、複数の油圧アクチュエータを連動させるときの油圧アクチュエータの組み合わせパターンと各組み合わせパターンにおける各切換制御弁のメインスプールの所要変位量のデータを記憶し、遠隔操作器からの油圧アクチュエータの選択信号に基づいて、選択された組み合わせパターンに対応する各切換制御弁への基準操作信号を出力すると共に、遠隔操作器の特定油圧アクチュエータの選択スイッチのクリック操作により特定油圧アクチュエータの切換制御弁への変速操作信号を出力する演算部とを備えたことを特徴とする油圧アクチュエータの遠隔制御装置。
  2. 特定油圧アクチュエータのメインスプールの変位量が全開またはほぼ全開であるとき、遠隔操作器の特定油圧アクチュエータの選択スイッチのクリック操作により、演算部が、特定油圧アクチュエータの切換制御弁への増速操作信号に代えて、選択されている他の油圧アクチュエータの切換制御弁への減速操作信号を出力することを特徴とする請求項1記載の油圧アクチュエータの遠隔制御装置。
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