JP2011061890A5 - - Google Patents
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Description
本発明は、マグネットとコイルを有するステッピングモータ等の電磁駆動装置に関する。
上記のような電磁駆動装置としては、特許文献1〜3にて開示されているものがある。
特許文献1の電磁駆動装置(ステッピングモータ)は、第1および第2のステータと、第1および第2のコイルと、マグネットと、それぞれ円柱部と軸部を有する第1のロータ軸および第2のロータ軸と、第1および第2の軸受けを備えている。
そして、第1のロータ軸と第2のロータ軸をそれぞれ軟磁性材料により形成してマグネットの内周面に直接固定することにより、マグネットの内周面と各ロータ軸の外周面との間に空隙を設ける必要をなくしている。これにより、第1および第2のコイルへの通電により発生した磁束を効果的にマグネットに作用させることができる。
しかも、第1の軸受けと第2の軸受けが軟磁性材料により形成されているため、第1のコイルで発生した磁束が第1の軸受け、第1のロータ軸および第1のステータの間を流れやすくなる。また、第2のコイルへの通電により発生した磁束が、第2の軸受け、第2ロータ軸および第2のステータの間を流れやすくなる。この結果、ステッピングモータの出力を増加させることが可能となる。
さらに、第1のロータ軸と第2のロータ軸との間には軸方向の隙間が設けられている。このため、第1のコイルへの通電により発生する磁束が第2のロータ軸に影響を及ぼしたり、第2のコイルへの通電により発生する磁束が第1のロータ軸に影響を及ぼしたりすることはほとんどない。すなわち、磁気干渉が非常に少ない。
特許文献2のステッピングモータは、第1および第2のステータと、第1および第2のコイルと、マグネットと、回転軸と、第1および第2の軸受けを備えている。回転軸は、第1および第2の内側磁極部と、第1および第2の軸部と、内側磁極部の外径>溝部の内径の関係を持つ溝部とを有する。このステッピングモータでも、特許文献3のステッピングモータと同様に、軟磁性材料により形成された第1および第2の内側磁極部をマグネットの内周面に直接固定している。これにより、マグネットの内周面と第1および第2の内側磁極部の外周面との間に空隙を設ける必要をなくし、磁束が効果的にマグネットに作用するようにしている。さらに、溝部により2つのコイルのそれぞれが発生する磁束の磁気干渉を低減する。
特許文献3のステッピングモータは、マグネットと、第1および第2のヨークと、第1および第2の軸受けと、回転軸と、コアと、第1および第2のコイルとを備えている。互いに別部品である回転軸とコアとによりロータユニットを構成し、該モータの組立時に、回転軸をコアに形成された中心穴に圧入する。
このステッピングモータでも、特許文献3,4のステッピングモータと同様に、コアを軟磁性材料により形成してマグネットの内周面に直接固定している。これにより、マグネットの内周面とコアの外周面との間に空隙を設ける必要をなくし、磁束が効果的にマグネットに作用するようにしている。
しかも、第1および第2の軸受けを軟磁性材料により形成しているため、第1のコイルで発生した磁束が、第1の軸受け、コアおよび第1のヨークの間を流れやすくなる。また、第2のコイルで発生した磁束が第2の軸受け、コアおよび第2のヨークの間を流れやすくなる。この結果、ステッピングモータの出力を増加させることが可能となる。
しかしながら、特許文献1のステッピングモータでは、マグネットの内側に固定されるロータ軸が第1のロータ軸と第2のロータ軸の2つで構成されているため、2つのロータ軸の同軸度を高めるのが難しい。また、マグネットは接着等によって第1および第2のロータ軸に固定されるため、マグネットと第1のロータ軸又は第2のロータ軸との同軸度を高めるのも難しい。したがって、マグネットを含むロータの回転むらが発生しやすい。この回転むらは、ステッピングモータの回転精度を低下させたり、高速回転の支障となったり、駆動音を大きくしたりするおそれがある。
しかも、第1および第2のロータ軸は軟磁性材料で形成されるため、モータを小径化すると各ロータ軸の強度が低くなりすぎて、軸部にピニオンギア等の出力ギアを圧入固定しようとすると、軸部が曲がってしまう。
また、特許文献2のステッピングモータでは、第1の内側磁極部と第2の内側磁極部と溝部とが同一部材として形成されているため、磁気干渉の影響がある程度残る。さらに、特許文献2には、マグネットの回転軸への固定方法について説明されておらず、接着により固定してマグネットと回転軸との同軸度を高めるのは難しい。
また、特許文献3のステッピングモータでは、第1のコイルへの通電により発生する磁束が、軟磁性材料により形成されたコアを介して第2のヨークに影響を及ぼす。また、第2のコイルへの通電により発生した磁束がコアを介して第1のヨークに影響を及ぼす。このため、モータの回転が不安定になる。
しかも、軟磁性材料からなるコアの重量が大きいため、ロータユニットの慣性モーメントが大きくなり、高速回転の支障となるおそれがある。
本発明は、回転精度と高速回転における安定性とが高い電磁駆動装置を提供する。
本発明の一側面としての電磁駆動装置は、軸部材と、それぞれ軟磁性材料により形成され、軸部材の軸方向において互いに離間し、かつ軸部材と一体回転するように該軸部材に固定された第1のコアおよび第2のコアと、軸方向における第1のコアと第2のコアとの間および第1のコアと第2のコアの外周に設けられ、周方向に互い異なる磁極が交互に形成されたマグネットと、軸方向におけるマグネットの両側にそれぞれ配置された第1のコイルおよび第2のコイルと、マグネットの外周面に対向し、第1のコイルへの通電により励磁される磁極部を有する第1のステータと、マグネットの外周面に対向し、第2のコイルへの通電により励磁される磁極部を有する第2のステータとを有することを特徴とする。
なお、上記電磁駆動装置と、軸部材からの回転出力により駆動される被駆動部材とを有する機器も本発明の他の一側面を構成する。
本発明によれば、コアを二体化することで、2つのコイルのそれぞれが発生する磁束の磁気干渉を低減させることができ、回転精度を向上させることができる。また、コアが一体である場合に比べてロータの重量が軽くなるため、ロータの慣性モーメントが低減され、安定した高速回転が可能となる。
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
図1には、本発明の実施例である電磁駆動装置としてのステッピングモータを分解して示している。また、図2には、上記ステッピングモータの断面を示している。以下の説明において、ロータ軸(軸部材)7の軸方向(長手方向)を、単に「軸方向」という。また、該軸方向に直交する方向を「径方向」という。
これらの図において、1は軟磁性材料により形成された第1のステータである。該第1のステータ1は、中央に穴部1gが形成された端面1fと、該端面1fの外周から軸方向に延びる外筒とを有する。外筒には、端面1f側から軸方向に延出する櫛歯形状の外側磁極部(磁極歯)1a,1b,1c,1d,1eが形成されている。後述するマグネット10の着磁分割数をNとすると(本実施例ではN=10)、外側磁極部1a〜1eは周方向に360/(N/2)度、すなわち72度の間隔で所定の歯幅を有するように形成されている。
2は軟磁性材料により形成された第2のステータであり、該第2のステータ2は、中央に穴部2gが形成された端面2fと、該端面2fの外周から軸方向に延びる外筒とを有する。外筒には、図3に示すように、端面2f側から軸方向に延出する櫛歯形状の外側磁極部(磁極歯)2a,2b,2c,2d,2eが周方向に360/(N/2)度、すなわち72度の間隔で所定の歯幅を有するように形成されている。なお、図3は、ステッピングモータの軸方向に直交する断面を示している。
3は円筒形状の第1のコイルである。該第1のコイル3は、第1のボビン4に巻き付けられている。第1のコイル3は、マグネット10の外径とほぼ同じ外径を有する。5は円筒形状の第2のコイルである。該第2のコイル5は、第2のボビン6に巻き付けられている。第2のコイル4は、マグネット10の外径とほぼ同じ外径を有する。また、第1のボビン4と第2のボビン6は、マグネット10の外周を、該マグネット10の外周面との間に所定の隙間をあけて覆うカバー部を有し、さらにそれぞれ第1および第2のコイル3,5の端部が接続される樹脂端子部とを有する。第1のコイル3と第2のコイル5は、軸方向におけるマグネット10の両側に配置されている。
7は前述したロータ軸であり、8は第1のコア、9は第2のコアである。第1のコア8と第2のコア9はそれぞれ、中央に穴部を有した円筒形状に形成されている。第1のコア8と第2のコア9の穴部にはロータ軸7が圧入され、これにより、第1のコア8と第2のコア9とロータ軸7とが一体回転するように互いに固定される。
ロータ軸7に固定された第1のコア8と第2のコア9は、図2に示すように、軸方向に所定の隙間Sが形成されるように互いに離間している。また、第1のコア8と第2のコア9はそれぞれ軟磁性材料により形成されている。第1のコア8と第2のコア9の透磁率は互いに同一であり、かつロータ軸7の透磁率よりも高い透磁率を有する。
第1のコア8と第2のコア9は、例えば、鉄の粉末を焼結させる粉末焼結製法により形成されている。また、ロータ軸7は、マルテンサイト系ステンレスの棒材により形成するのが好ましい。ロータ軸7の先端は、出力軸として機能する。すなわち、ロータ軸7の先端にギアやレバー、スクリュウねじ等を固定することで回転出力が得られ、該回転出力を図2に示した被駆動部材20に伝達することで該被駆動部材20を駆動することができる。
被駆動部材20としては、カメラや交換レンズのような光学機器に用いられる可動レンズや絞り、光ディスクや磁気ディスクを記憶媒体として用いるコンピュータ機器や周辺機器におけるディスクドライブ部材等、様々な部材を含む。
10は円筒形状のマグネットである。図3に示すように、該マグネット10の外周面と内周面にはそれぞれ、周方向にN個(本実施例ではN=10)の着磁部が形成されている。N個の着磁部には、互いに異なる磁極であるS極とN極とが周方向に交互に着磁されている。マグネット10は、インジェクション成型によって第1のコア8と第2のコア9の間の隙間Sと第1のコア8と第2のコア9の外周を囲むように形成されている。マグネット10の内周面は、第1のコア8と第2のコア9の外周面に接している。
軸方向において、マグネット10は、第1のコア8の軸方向外側の端面よりも第2のコア9とは反対側に延びるように形成され、第2のコア9の軸方向外側の端面よりも第1のコア8とは反対側に延びるように形成されている。マグネット10のインジェクション成型時のゲートは、マグネットの外周面のうち軸方向における第1および第2のコア8,9の間に相当する領域に設けられる。
ロータ軸7、第1のコア8、第2のコア9およびマグネット10により、ロータが構成される。
ロータの製作方向としては、第1のコア8と第2のコア9の穴部に圧入固定されたロータ軸7をインジェクション型内にセットし、マグネット10をインジェクション成型するインサート成型法が好ましい。これにより、ロータ軸7とマグネット10との同軸度を高めることができる。また、マグネット10の単品をインジェクション成型し、ロータ軸7を、第1のコア8の穴部、マグネット10の穴部および第2のコア9の穴部にこの順で圧入する方法でもよい。
11は軟磁性材料により形成され、ロータ軸7の一端を回転可能に支持する第1の軸受けである。該第1の軸受け11は、第1の円筒部11aと該第1の円筒部11aよりも大きな外径を有する第2の円筒部11bとを有する。第1の軸受け11は、第1のステータ1の穴部1gに第1の円筒部11aが挿入された状態で該第1のステータ1に固定されている。
第1のコイル3と第1のボビン4の一部は、第1のステータ1の内側に配置される。この状態で、第1の軸受け11の第1の円筒部11aは、第1のボビン4の内径部に嵌り、第1の軸受け11の第2の円筒部11bは、第1のボビン4の第1のステータ1からの軸方向の抜け止めとして機能する。すなわち、第1のコイル3の内径部には、軟磁性材料により形成された第1の軸受け11の第1の円筒部11aと、同じく軟磁性材料により形成されたロータ軸7とが挿入された状態となる。
12は軟磁性材料により形成され、ロータ軸7の他端を回転可能に支持する第2の軸受けである。該第2の軸受け12は、第1の円筒部12aと該第1の円筒部12aよりも大きな外径を有する第2の円筒部12bとを有する。第2の軸受け12は、第2のステータ2の穴部2gに第1の円筒部12aが挿入された状態で該第2のステータ2に固定されている。
第2のコイル5と第2のボビン6の一部は、第2のステータ2の内側に配置される。この状態で、第2の軸受け12の第1の円筒部12aは、第2のボビン4の内径部に嵌り、第2の軸受け12の第2の円筒部12bは、第2のボビン6の第2のステータ2からの軸方向の抜け止めとして機能する。すなわち、第2のコイル5の内径部には、軟磁性材料により形成された第2の軸受け12の第1の円筒部12aと、同じく軟磁性材料により形成されたロータ軸7とが挿入された状態となる。
そして、第1の軸受け11の第2の円筒部11bの一端が第1のコア8の一端を受け、第2の軸受け12の第1の円筒部12aの一端が第2のコア9の一端を受ける形で、ロータの軸方向の移動が所定量に制限される。
第1の軸受け11の第2の円筒部11bの一部はマグネット10の内側に配置され、また第2の軸受け12の第2の円筒部12bの一部もマグネット10の内側に配置される。第1のコイル3と第2のコイル5は、マグネット10を軸方向両端から挟む位置に所定の隙間を持って配置される。
第1のステータ1は、第1の軸受け11を介して第1のボビン4に固定される。また、第2のステータ2は、第2の軸受け12を介して第2のボビン6に固定される。第1のボビン4と第2のボビン6をそれぞれ第1の軸受け11と第2の軸受け12に接着やレーザ溶着によって固定することで、第1のステータ1と第2のステータ2を所定の位置および所定の位相で固定することができる。
第1のステータ1と第2のステータ2は互いに同一形状を有し、第1のステータ1の外側磁極部1a〜1eと第2のステータ2の外側磁極部2a〜2eとがマグネット10の外周面に沿って延びるように配置される。図3に示すように、マグネット10の着磁部と第1のステータ1の外側磁極部1a〜1eとの位相関係は、マグネット10の着磁部と第2のステータ2の外側磁極部2a〜2eとの位相関係に対して、180/N度、すなわち18度ずれている。
第1のステータ1の外側磁極部1a〜1eと第2のステータ2の外側磁極部2a〜2eは、マグネット10の外周面に対して所定の隙間をあけて対向している。第1のステータ1の外側磁極部1a〜1eは第1のコイル3への通電によって励磁され、第2のステータ2は第2のコイル5への通電によって励磁される。
径方向において、第1のステータ1の外側磁極部1a〜1eと第1のコア8との間にマグネット10が配置される。第1のコイル3の内側において、ロータ軸7、第1の軸受け11および第1のコア8は、第1のコイル3への通電によって第1のステータ1の外側磁極部1a〜1eとは反対の極となるように励磁され、第1の内側磁極部として機能する。
また、径方向において、第2のステータ2の外側磁極部2a〜2eと第2のコア9との間にマグネット10が配置される。第2のコイル5の内側において、ロータ軸7、第2の軸受け12および第2のコア9は、第2のコイル5への通電によって第2のステータ2の外側磁極部2a〜2eとは反対の極となるように励磁され、第2の内側磁極部として機能する。
第1のステータ1の外側磁極部1a〜1eの軸方向の長さは、第1のコア8の軸方向内側の端面の位置を超えない長さに設定されている。また、第2のステータ2の外側磁極部2a〜2eの軸方向の長さは、第2のコア9の軸方向内側の端面の位置を超えない長さに設定されている。
第1のコイル3への通電により発生する磁束は、マグネット10の外周面に対向する第1のステータ1の外側磁極部1a〜1eとマグネット10の内側にて第1の内側磁極部を構成する第1のコア8との間を通過する。さらに、該磁束は、第1のステータ1の外側磁極部1a〜1eと第1の軸受け11の第2の円筒部11bとの間も通過する。このため、該磁束が効果的にマグネット10に作用する。同様に、第2のコイル5への通電により発生する磁束は、マグネット10の外周面に対向する第2のステータ2の外側磁極部2a〜2eとマグネット10の内側にて第2の内側磁極部を構成する第2のコア9との間を通過する。さらに、該磁束は、第2のステータ2の外側磁極部2a〜2eと第2の軸受け12の第2の円筒部12bとの間も通過する。このため、該磁束は、効果的にマグネット10に作用する。これにより、磁気抵抗を減少させ、ステッピングモータの出力を高めることができる。
また、第1の軸受け11を軟磁性材料により形成することで、ロータ軸7と第1のコア8とがともに第1の内側磁極部として機能し、第2の軸受け12を軟磁性材料により形成することで、ロータ軸7と第2のコア9とがともに第2の内側磁極部として機能する。これにより、第1のコイル3と第2のコイル5への通電により発生する磁束がより流れやすくなり、一層ステッピングモータの出力を高めることが可能となる。
第1の軸受け11とマグネット10が固定されたロータ軸7との間、および第2の軸受け12とマグネット10が固定されたロータ軸7との間には吸着力が発生するため、摩擦力によるトルク損失が生じたり、摺動面の耐久性が低下したりする可能性がある。しかし、マグネット10を薄く小径の円筒形状に形成することで、発生する吸着力をごく小さく抑えることができ、磁気回路の磁気抵抗が減少することによる効率向上の方がより有効に働き、発生するトルク自体は大きくなる。
第1および第2の軸受け11,12の内面やロータ軸7の表面に、潤滑材を塗布してもよい。また、第1および第2の軸受け11,12の内面やロータ軸7の表面に、潤滑塗装(フッ素系潤滑塗装、グラファイト系潤滑塗装、二流化モリブデン系潤滑塗装等)を施してもよい。さらに、第1および第2の軸受け11,12の内面やロータ軸7の表面に、潤滑メッキ(例えばPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)粒子を含有した無電解ニッケルメッキやPTFE潤滑無電解ニッケルメッキ)を施してもよい。これらにより、摺動面の摩擦によるトルク損失を抑制したり、摺動面の耐久性が低下することを防いだりすることができ、出力トルクを増加させることも可能である。
第1のコア8と第2のコア9とは互いに向かい合って配置されているが、それらの間にマグネット10が配置されており、第1のコア8と第2のコア9とは互いに直接接触していない。また、第1のコア8と第2のコア9とはロータ軸7を介して固定されているが、ロータ軸7は、第1および第2のコア8,9の透磁率よりも低い透磁率を有する材料により形成されている。マグネット10は軟磁性材料により形成されていないため、これらにより、第1のコイル3への通電により第1のコア8を励磁したとしても、それによって第2のコア9が励磁されることはほとんどない。同様に、第2のコイル5への通電により第2のコア9を励磁したとしても、それによって第1のコア8が励磁されることほとんどはない。すなわち、第1のコア8と第2のコア9との間での磁束の行き来が非常に少なくなるように構成されており、これによって回転精度が大幅に向上する。
特許文献2のステッピングモータでは、回転軸に軸部と2つの内側磁極部とが一体で形成されているため、磁気干渉の影響が残る。また、特許文献3のステッピングモータでは、コアが一体のものとして形成されているため、磁気干渉の影響が大きく、回転精度が悪い。
また、本実施例のステッピングモータでは、ロータ軸7に2つのコア8,9を軸方向の隙間Sをあけて固定し、該隙間Sにマグネット10が配置される。軟磁性材料からなるコアの方がインジェクションマグネットよりも密度が高いため、コアが一体である特許文献3のステッピングモータに比べてロータの重量を軽くでき、これにより慣性モーメントが低減されて高速回転が可能になる。
特許文献1のステッピングモータでは、ロータ軸が2つの部材によって構成され、マグネットは接着により2つのロータ軸に固定される。このため、2つのロータ軸の同軸度を高めることや、2つのロータ軸とマグネットとの同軸度を高めることがきわめて困難である。また、特許文献2のステッピングモータでは、マグネットと回転軸の固定方法の記載はなく、接着により固定した場合、回転軸とマグネット外径との同軸度を高めるのは難しい。これに対し、本実施例のステッピングモータでは、1つのロータ軸7に2つのコア8,9を固定し、その外周にマグネット10をインジェクション成型する構成としているので、ロータ軸7に対するマグネット10の同軸度が向上し、回転精度が向上する。これにより、高速回転性能が向上するとともに、駆動音が低減する。
特許文献1のステッピングモータでは、2つのロータ軸はともに細長い軸部を有する形状であるため、コストが安い粉末焼結製法では製造できない。また、特許文献2のステッピングモータでは、回転軸に軸部と内側磁極部とが一体で形成され、中央に溝のある形状を有するため、コストが安い粉末焼結製法では製造できない。これらに対し、本実施例のステッピングモータでは、2つのコア8,9に対してロータ軸7が圧入固定される構成であり、2つのコア8,9は単純な円筒(円板)形状であるので、粉末焼結製法での製造が可能となる。しかも、ロータ軸7も単純な棒材であるため、コストが安い。
本実施例では、前述したように、マグネット10がインジェクション成型により形成され、インジェクション成型のためのゲートが第1のコア8と第2のコア9との間の隙間Sの外周に配置されている。このため、第1のステータ1の外側磁極部1a〜1eにおけるマグネット10の外周面に対向する面と、第2のステータ2の外側磁極部2a〜2eにおけるマグネット10の外周面に対向する面とがゲートに重ならない。したがって、ゲート跡が各外側磁極部に接触することはなく、ゲート跡の処理を容易に行えるともに、マグネット10を薄型化してもゲートの厚みに影響がないため、マグネットの薄型化が可能となる。これに対し、特許文献3のステッピングモータでは、マグネットを薄型化しようとすると、ゲートの配置が困難となる。
次に、図3、図4、図5および図6を用いて、本実施例のステッピングモータの駆動方法について説明する。各図において、(a)は図2におけるA−A線での断面を示し、(b)は図2におけるB−B線での断面を示している。これら(a)の断面と(b)の断面は、互いに同じ方向から見た断面である。
図3は、第1のコイル3に対して正方向通電を行うことにより、第1のステータ1の外側磁極部1a〜1eがN極となり、第1のコア8がS極となっている状態を示す。また、図3の状態では、第2のコイル5に対して逆方向通電を行うことにより、第2のステータ2の外側磁極部2a〜2eがS極となり、第2のコア9がN極となっている。
この状態では、マグネット10に、その外周面におけるS極に着磁された着磁部が第1のステータ1の各外側磁極部の周方向中心に向かう方向(図3(a)における時計回り方向)の回転力が発生する。さらに、マグネット10に、その外周面におけるN極に着磁された着磁部が第2のステータ2の各外側磁極部の周方向中心に向かう方向(図3(b)における反時計回り方向)の回転力が発生する。そして、これらの回転力が互いにバランスし、マグネット10は静止する。
図3の状態から、第1のコイル3への正方向通電を維持しながら、第2のコイル5への通電を逆方向通電から正方向通電に切り替えると、第2のステータ2の外側磁極部2a〜2eはN極に励磁され、第2のコア9はS極に励磁される。これにより、マグネット10には、その外周面におけるS極に着磁された各着磁部が第2のステータ2の各外側磁極部の周方向中心に向かう方向の回転力が発生し、マグネット10は、図3における時計回り方向に回転を始める。そして、図4に示すように、図3の状態からマグネット10が時計回り方向に18.0度回転した状態で静止する。
図4の状態から、第2のコイル5への正方向通電を維持しながら、第1のコイル3への通電を逆方向通電に切り替えると、第1のステータ1の外側磁極部1a〜1eはS極に励磁され、第1のコア8はN極に励磁される。これにより、マグネット10には、その外周面におけるN極に着磁された各着磁部が第1のステータ1の各外側磁極部の周方向中心に向かう方向の回転力が発生し、マグネット10は、図4における時計回り方向に回転を始める。そして、図5に示すように、図4の状態からマグネット10が時計回り方向に18.0度回転した状態で静止する。
図5の状態から、第1のコイル3への逆方向通電を維持しながら、第2のコイル5への通電を逆方向通電に切り替えると、第2のステータ2の外側磁極部2a〜2eはS極に励磁され、第2のコア9はN極に励磁される。これにより、マグネット10には、その外周面におけるN極に着磁された各着磁部が第2のステータ2の各外側磁極部の周方向中心に向かう方向の回転力が発生し、マグネット10は、図5における時計回り方向に回転を始める。そして、図6に示すように、図5の状態からマグネット10が時計回り方向に18.0度回転した状態で静止する。
このように、第1のコイル3と第2のコイル5への通電方向を順次切り替えていくことにより、ロータを構成するマグネット10は通電位相に応じた位置へと順次回転する。
なお、マグネットの外周面を第1のステータに対向する外周面と第2のステータに対向する外周面の2つに分け、それぞれの外周面の着磁部の位相を互いに180/N度ずらし、第1のステータと第2のステータの外側磁極部の位相を一致させるようにしてもよい。
以上説明した実施例によれば、コア8,9を2体化することによって、2つのコイル3,5のそれぞれが発生する磁束の磁気干渉を大幅に減少させることできる。このため、回転精度を向上させることができる。また、コアが一体のものに比べてロータの重量を軽くすることができるため、慣性モーメントを低減して安定した高速回転を可能とすることができる。
さらに、マグネット10をインジェクション成型することで、ロータ軸7とマグネット10との同軸度を向上させることができ、さらなる回転精度の向上を図ることができる。また、2つのコア8,9が単純な円筒形状であるので、粉末焼結製法での製造が可能となり、コスト低減につながる。
以上説明した実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、実施例に対して種々の変形や変更が可能である。
例えば、上記実施例ではステッピングモータについて説明したが、ステッピングモータ以外の電磁駆動装置にも本発明を適用することができる。
また、上記実施例では、コアを粉末焼結製法により製造する場合について説明したが、必ずしもコアを粉末焼結製法によって製造する必要はなく、またコアに加えて第1および第2の軸受けを粉末焼結製法によって製造するようにしてもよい。
回転精度と高速回転における安定性とが高いステッピングモータ等の電磁駆動装置を実現できる。
1 第1のステータ
2 第2のステータ
3 第1のコイル
5 第2のコイル
7 ロータ軸
8 第1のコア
9 第2のコア
10 マグネット
11 第1の軸受け
12 第2の軸受け
2 第2のステータ
3 第1のコイル
5 第2のコイル
7 ロータ軸
8 第1のコア
9 第2のコア
10 マグネット
11 第1の軸受け
12 第2の軸受け
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