JP2008092629A - 駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】安定した回転性能とトルクの向上、動作音の静穏化、コストの低減などを可能とした駆動装置を提供する。
【解決手段】ステッピングモータは、マグネット1、第1のステータ2、第2のステータ3、第1の軸受4、回転軸5、コア6、第1のコイル7、スペーサ8、第2のコイル9、第1のボビン10、第2のボビン11、第2の軸受12を備える。コア6と第1の軸受4及び第2の軸受12との軸方向における互いの対向部分を、コア側が凹形状で第1及び第2の軸受側が凸形状である一組の略同一角度の斜度を有する円錐面に形成する。コア6の円錐面6aと第1の軸受4の円錐面4d及び第2の軸受12の円錐面12dとを、規定の間隔をもって対向させる。また、コア6を粉末焼結製法により製造する。
【選択図】図1

Description

本発明は、回転軸にコア及びマグネットを固定すると共にマグネットの外周側にステータを対向配置した構造を有する駆動装置に関する。
従来、ステッピングモータに関する各種技術が提案されている。本出願人は、回転軸を中心とする直径を小さくし且つ出力を高めたステッピングモータを提案している(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1記載のステッピングモータは、コイルに通電することで発生した磁束が外側磁極から対向する内側磁極に、或いは内側磁極から対向する外側磁極に流れ、外側磁極と内側磁極の間に位置するマグネットに効率的に作用する。また、外側磁極と内側磁極との距離を円筒形状のマグネットの厚さ程度とすることができるため、外側磁極と内側磁極とから構成される磁気回路の抵抗を小さくすることができる。磁気回路の抵抗が小さいほど少ない電流で多くの磁束を発生させることができるため、出力が向上する。
また、本出願人は、上記ステッピングモータを更に改良したものを提案している(例えば、特許文献2参照)。
特許文献2記載のステッピングモータは、内側磁極を円筒形状に構成し、内側磁極の内径部に挿入されている出力軸を軟磁性材料により形成する。更に、ステータに取り付けられ出力軸を回転可能に保持する軸受を非磁性材料により形成したものである。このモータによれば、出力軸も磁気回路として利用できるため、構成部品点数を削減できると共にモータの効率も向上する。
しかしながら、特許文献2記載のステッピングモータは、第1のコイルへの通電により発生する磁束が、軟磁性材料の出力軸を介して第2のコイル、第2の外側磁極、第2の内側磁極に影響を及ぼす。また、第2のコイルへの通電により発生する磁束が、軟磁性材料の出力軸を介して第1のコイル、第1の外側磁極、第1の内側磁極に影響を及ぼす。そのため、回転を不安定なものにしてしまう。
また、特許文献1、特許文献2記載のステッピングモータは、両者共にマグネットの内径とそれに対向する内側磁極との間には所定の間隔が必要であり、それを製造時に管理することはコストの上昇を招く。また、ステータは円筒形状の内側磁極部と外側磁極部を有する形状とすることが必要であり、両磁極部を一体的に構成するのは部品製造上難しい。また、両磁極部を別体で製造し後で一体的に組み立てる場合は、部品点数が増加すると共にコストの上昇を招く。
また、本出願人は、上記ステッピングモータを更に改良したものを提案している(例えば、特許文献3参照)。
図5は、従来例(特許文献3)に係るステッピングモータの構成を示す断面図である。
図5において、ステッピングモータは、コイル201、ヨーク202、軸受203、回転軸204、マグネット205を備えている。回転軸204を軟磁性材料により形成しマグネット205の内周面に直接固定しているため、上記従来例に比べて、マグネット205の内周面との間に空隙を設ける必要がない。そのため、磁束が効果的にマグネット205に作用する。
更に、軸受203を軟磁性材料により形成しているため、コイル201で発生した磁束がそれぞれ軟磁性材料からなる軸受203、回転軸204、ヨーク202の間を流れやすくなる。そのため、前記部品間に介在するマグネット205との間に発生するトルクが向上し、出力をより一層高めることが可能となる。
図6は、別の従来例に係るステッピングモータの構成を示す断面図である。
図6において、ステッピングモータは、マグネット301、第1のステータ302、第2のステータ303、第1の軸受304、回転軸305、コア306を備える。更に、ステッピングモータは、第1のコイル307、スペーサ308、第2のコイル309、第1のボビン310、第2のボビン311、第2の軸受312を備えている。
特開平9−331666号公報 特開平10−229670号公報 特開2004−357378号公報
上記特許文献3記載のステッピングモータにおいて、コイル201の、上記図5の図面上で軸の上半分の断面を中心に左回りの磁束が発生した場合を例に挙げ説明する。該モータには2つの磁気回路がある。1つは、磁束がヨーク202から軸受203を経てから回転軸204の内部を通過し、マグネット205の裏面(いわゆるマグネットのコア部分)に伝達される磁気回路である。もう1つは、磁束が軸受203の内部を通過し、軸受203の右端部からマグネット205の裏面に伝達される磁気回路である。
しかしながら、上記特許文献3記載のステッピングモータには次の問題がある。まず、回転軸204の内部に磁束を通過させる磁気回路では、磁束が回転軸204の最も直径の小さい部分、つまり断面積の小さい付け根部分を通過しなければ、マグネット205に達することができない。そのため、回転軸204の最も直径の小さい部分で磁気飽和が発生し易く、磁束の量が制限される。
一方、回転軸204及びマグネット205からなるロータユニットの円滑な回転のためには、回転軸204のスラスト方向ガタが必須なので、軸受203の右端部は回転軸204より直径が大きく断面積も広く構成されている。
しかし、軸受203の右端部はロータのコア部分と垂直に向き合っているので、上記スラスト方向ガタに起因する隙間がモータ回転中に断続的に発生する。そのため、隙間を通過する磁束の量がその都度変化し、特に相対的に低回転時のモータのトルクが低下する恐れがある。また、同時にロータと軸受203の間の軸方向力による吸着力も変化するので、回転中のロータのガタ量が増大し、結果としてやはり特に低回転時の回転音が大きくなる恐れがある。
また、上述した軸受とコア部分との間の磁束の伝達に関しては、上記図6に示したような磁束伝達構造を有するステッピングモータがある。
上記図6のステッピングモータは、第1の軸受304の一方の端部(ここでは右端部)をコア306に形成した凹部306aに入り込ませる構造としている。更に、ロータユニットを回転軸305とコア306の別部品から構成し、組立時にコア306をその中心穴を介して回転軸305に圧入する構造としている。しかしながら、コア306の内径側を落とし込んで凹部306aを形成した場合、落とし込んだ部分の外周部分306bが薄肉形状になりやすい。
また、上記ステッピングモータの部品に使用される金属の軟磁性材料、例えば鉄製の部品の一般的な製造方法としては、切削加工、研削加工、粉末焼結製法などがある。中でも粉末焼結製法は、コストが安い製法として知られており、軸受やコアの製法としては最適な製法である。
しかしながら、粉末焼結製法は、部品が単純な円筒形状であれば問題ないが、部分的に薄肉になるなど極端な肉厚の変化を有する形状では、肉厚の変化部分で紛体を圧縮する圧力がかかりにくくなる。その結果、薄肉部分がもろくなり製造できない。従って、上記図6に示したように単にコアと軸受をいわゆる入れ子構造にしてしまうと、どちらか一方、大抵はコアの外周面と入れ子の凹み部分の肉厚が薄くなりやすい。そのため、軸受やコア等の部品は加工コストが割高になりやすい切削加工等で製造せざるを得ない、という問題があった。
本発明の目的は、安定した回転性能とトルクの向上、動作音の静穏化、コストの低減などを可能とした駆動装置を提供することにある。
上述の目的を達成するために、本発明の駆動装置は、軟磁性材料から形成され、軸方向に貫通する穴部を有するコアと、前記コアの前記穴部に固定される回転軸と、前記コアの外周部に固定され、周方向に異なる極が交互に着磁された円筒形状のマグネットと、前記マグネットの外周部に対向して配置され、それぞれ磁極歯を有する第1のステータ及び第2のステータと、前記マグネットの軸方向両側にそれぞれ配置され、前記第1及び第2のステータをそれぞれ励磁する第1のコイル及び第2のコイルと、前記コアの軸方向両側にそれぞれ配置されると共に前記第1及び第2のステータにそれぞれ固定され、前記回転軸を回転可能に支持する第1の軸受及び第2の軸受とを備え、前記第1及び第2の軸受と前記コアとの軸方向における互いの対向部分を、前記第1及び第2の軸受側が凸形状に且つ前記コア側が凹形状に形成すると共に、前記第1及び第2の軸受の前記コア側との対向面と前記コアの前記第1及び第2の軸受側との対向面とを、規定の間隔をおいて対向させたことを特徴とする。
本発明によれば、第1及び第2の軸受側を凸形状、コア側を凹形状に形成しているため、対向面が平坦面の場合等と比較し磁気抵抗を小さくでき、駆動装置の安定した回転性能とトルクの向上が可能となる。また、コアを単純に円筒形状とした場合のように薄肉部分が発生しないため、粉末焼結製法の採用が可能となり、低コストでコアの製造が可能となる。また、コアと第1及び第2の軸受の各対向面を規定間隔で対向させるため、通過する磁束量の変化を小さくでき、駆動装置の静穏化が可能となる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る駆動装置としてのステッピングモータの構成部品を示す分解斜視図である。図2は、図1に示すステッピングモータの組立完成状態の構成を示す断面図である。図3は、図2に示すステッピングモータのマグネットとステータの位相関係を動作段階毎に示す図であり、(a)〜(d)は、矢視A−A線に沿う断面図、(e)〜(h)は、矢視B−B線に沿う断面図である。
図1乃至図3において、ステッピングモータは、マグネット1、第1のステータ2、第2のステータ3、第1の軸受4、回転軸5、コア6、第1のコイル7、スペーサ8、第2のコイル9、第1のボビン10、第2のボビン11、第2の軸受12を備えている。マグネット1、回転軸5、コア6によりロータユニットを構成している。
マグネット1は、円筒形状に構成されており、その外周面を円周方向にN分割(本実施の形態ではN=4)してS極とN極が交互に着磁された着磁部1a、1b、1c、1d(図3参照)を備えている。
第1のステータ2は、軟磁性材料により形成されており、磁極歯2a、2bを有する外筒部と、中央に穴部2dが形成された天板2cとから構成されている。第1のステータ2の磁極歯2a、2bは、軸方向に延出された櫛歯形状に形成されている。第1のステータ2の磁極歯2a、2bは、円周方向に360/(N/2)(本実施の形態では180)度の間隔をおいて所定の歯幅を有して形成されている。
第2のステータ3は、第1のステータ2と同一部品で構成されている。即ち、第2のステータ3は、軟磁性材料により形成されており、磁極歯3a、3bを有する外筒部と、中央に穴部3dが形成された天板3cとから構成されている。第2のステータ3の磁極歯3a、3bは、軸方向に延出された櫛歯形状に形成されている。第2のステータ3の磁極歯3a、3bは、円周方向に360/(N/2)(本実施の形態では180)度の間隔をおいて所定の歯幅を有して形成されている。
第1の軸受4は、軟磁性材料により形成されており、摺動部4a、外筒部4b、鍔部4c、円錐面4d、先端部4eを備えている。第1の軸受4は、摺動部4aによりロータユニットの回転軸5を保持することでロータユニットを円滑に回転させる。第1の軸受4は、鍔部4cにより第1のボビン10を第1のステータ2との間に挟み込んで保持する。また、第1の軸受4の外筒部4bは、第1のステータ2の穴部2dに圧入される。これにより、第1の軸受4、第1のボビン10、第1のステータ2は、一体的に固定されてユニットとなる。また、これにより、第1の軸受4と第1のステータ2とは磁気的に接続される。
一方、第1の軸受4の円錐面4dは、鍔部4cから先端部4eまで形成されている。第1の軸受4の先端部4eの直径は、コア6の底面部6bの直径よりわずかに小さく形成されている。また、第1の軸受4の円錐面4dとコア6の円錐面6a(後述)とは、略同一角度の斜度を有する。且つ、第1の軸受4の先端部4eとコア6の底面部6bとの間には、スペーサ8が配置されている。これにより、第1の軸受4の円錐面4dとコア6の円錐面6aとの隙間、即ち空気間隔を所定の量に保ちながら、ロータユニットを円滑に回転させることが可能となる。また、第1の軸受4及びコア6間にスペーサ8を挟むことで、第1の軸受4とコア6との間の吸着及び摺動ロスを低減することが可能となる。
また、第1の軸受4は、摺動部4aにおいて回転軸5と嵌合することにより回転軸5を回転可能に保持する。これと同時に、第1の軸受4と回転軸5が磁気的に接続されている。以上のことにより、第1の軸受4を介して第1のステータ2と回転軸5とが磁気的に接続され、第1のコイル6により発生する磁束が流れることで、第1のステータ2の磁極歯2a、2bが励磁される。
回転軸5は、コア6に圧入されると共に、第1の軸受4及び第2の軸受12により回転可能に支持される。上述したように、回転軸5、コア6、マグネット1によりロータユニットが構成されている。回転軸5は、本ステッピングモータの出力軸として機能する。即ち、回転軸5の先端に所定の部品(ギア、レバー、スクリュねじ等)を固定することで、回転出力を得ることができる。
コア6は、円筒形状に構成されると共に軟磁性材料により形成されている。本実施の形態では、粉末焼結製法により純鉄紛を高圧プレスした後に高温焼結することでコア6を製造している。コア6は、回転軸5が嵌合可能な内径を有する中心穴(貫通穴)、円錐面6a、底面部6b、平坦な端面6cを備えている。コア6は、第1の軸受4及び第2の軸受12との軸方向における対向部分が底面部6bに向かって徐々に肉厚となる凹形状に形成されている。コア6は、中心穴に回転軸5が圧入固定されると共に、外周部にマグネット1が接着固定される。
第1のコイル7は、第1のボビン10に巻回されると共に、第1のステータ2の内径側に配置される。第1のコイル7は、第1のステータ2を励磁する。
スペーサ8は、非磁性材料により形成されると共に軸方向の両端面が摺動性の良好な円環状部材であり、2個設けられている。2個のスペーサ8は、それぞれ回転軸5に挿通され、第1の軸受4の先端部4eとコア6の底面部6bとの間、及び第2の軸受12の先端部12eとコア6の底面部6bとの間に配置される。スペーサ8は、ロータユニットのスラスト方向ガタ(軸方向ガタ)及び軸方向の吸引力による金属同士の摺動を更に円滑にする役割を有する。
第2のコイル9は、第2のボビン11に巻回されると共に、第2のステータ3の内径側に配置される。第2のコイル9は、第2のステータ3を励磁する。
第1のボビン10は、液晶ポリマー等の耐熱性を有する材料により形成されており、内周部10a、巻線部10b、穴部10cを備えている。第1のボビン10の巻線部10bは、第1のボビン10の軸方向一方の側に配設され、第1のコイル7が巻回される。第1のボビン10の内周部10aは、第1のボビン10の軸方向他方の側に配設され、第2のボビン11の外周部11aと嵌合する。また、第1のボビン10の穴部10cには、第1のステータ2が第1のボビン10と組み合わされる際に、第1のステータ2の磁極歯2a、2bが貫通される。
第2のボビン11は、液晶ポリマー等の耐熱性を有する材料により形成されており、外周部11a、巻線部11b、穴部11cを備えている。第2のボビン11の巻線部11bは、第2のボビン11の軸方向一方の側に配設され、第2のコイル9が巻回される。第2のボビン11の外周部11aは、第2のボビン11の軸方向他方の側に配設され、第1のボビン10の内周部10aと嵌合する。また、第2のボビン11の穴部11cには、第2のステータ3が第2のボビン11と組み合わされる際に、第2のステータ3の磁極歯3a、3bが貫通される。
第2の軸受12は、第1の軸受4と同一部品で構成されている。即ち、第2の軸受12は、軟磁性材料により形成されており、摺動部12a、外筒部12b、鍔部12c、円錐面12d、先端部12eを備えている。第2の軸受12は、摺動部12aによりロータユニットの回転軸5を保持することでロータユニットを円滑に回転させる。第2の軸受12は、鍔部12cにより第2のボビン11を第2のステータ3との間に挟み込んで保持する。また、第2の軸受12の外筒部12bは、第2のステータ3の穴部3dに圧入される。これにより、第2の軸受12、第2のボビン11、第2のステータ3は、一体的に固定されてユニットとなる。また、これにより、第2の軸受12と第2のステータ3とは磁気的に接続される。
一方、第2の軸受12の円錐面12dは、鍔部12cから先端部12eまで形成されている。第2の軸受12の先端部12eの直径は、コア6の底面部6bの直径よりわずかに小さく形成されている。第2の軸受12の円錐面12dとコア6の円錐面6aは、略同一角度の斜度を有する。且つ、第2の軸受12の先端部12eとコア6の底面部6bとの間には、スペーサ8が配置されている。これにより、第2の軸受12の円錐面12dとコア6の円錐面6aとの隙間、即ち空気間隔を所定の量に保ちながら、ロータユニットを円滑に回転させることが可能となる。また、第2の軸受12及びコア6間にスペーサ8を挟むことで、第2の軸受12とコア6との間の吸着及び摺動ロスを低減することが可能となる。
また、第2の軸受12は、摺動部12aにおいて回転軸5と嵌合することにより回転軸5を回転可能に保持する。これと同時に、第2の軸受12と回転軸5が磁気的に接続されている。以上のことにより、第2の軸受12を介して第2のステータ3と回転軸5とが磁気的に接続され、第2のコイル9により発生する磁束が流れて第2のステータ3の磁極歯3a、3bが励磁される。
次に、上記構成を有する本実施の形態の2相ステッピングモータの組立工程について説明する。
まず、回転軸5をコア6の中心穴に対して圧入し軸方向の所定の位置で固定する。次に、マグネット1をコア6の外周面に接着固定し、マグネット1と回転軸5とコア6によりロータユニットを構成する。次に、第1のボビン10の穴部10cに第1のステータ2の磁極歯2a、2bを貫通させる。次に、第1の軸受4の外筒部4bを第1のボビン10の中心穴を貫通させた後、第1のステータ2の中心穴に圧入する。
即ち、第1の軸受4により第1のボビン10と第1のステータ2を固定する。これにより、第1の相のコイルのユニット(第1のユニット)を構成する。このとき、第1のボビン10は、第1の軸受4の鍔部4cにより第1のステータ2に固定されている。同様に、第2の軸受12により第2のボビン11と第2のステータ3を固定する。これにより、第2の相のコイルのユニット(第2のユニット)を構成する。このとき、第2のボビン11は、第2の軸受12の鍔部12cにより第2のステータ3に固定されている。
最後に、ロータユニットの回転軸5の前後から、上記第1のユニットを構成する第1の軸受4の内径と、上記第2のユニットを構成する第2の軸受12の内径をそれぞれ回転軸5に嵌合させる。また、第1のボビン10の内周部10aと第2のボビン11の外周部11aを嵌合させる。これにより、2相ステッピングモータの仮組みが完成する。
その後、仮組みされたステッピングモータの第1のユニットと第2のユニットは、接着工程或いはレーザ樹脂溶着工程などにより樹脂部分が完全に接合されることで固定される。これにより、2相ステッピングモータが完成する。
次に、上記組立工程により完成した2相ステッピングモータの磁気回路について図2を参照しながら詳細に説明する。
図2に示した2相ステッピングモータの左半分の第1の相と右半分の第2の相は同じ機能を有するので、左半分の第1の相についてのみ説明する。また、図2においては説明の便宜上、マグネット1と回転軸5とコア6からなるロータユニットをそのスラスト方向ガタ分だけ左方向にずらした状態を示してある。
第1のコイル7に通電した場合、図2において第1のコイル7の断面を中心に例えば左回りの磁束が発生する。一方、第1のコイル7の近傍にある全て軟磁性材料からなる要素である第1のヨーク2と第1の軸受4、回転軸5とコア6は、互いに圧入されている。そのため、これらの構成要素は一体となって磁気回路を構成する。即ち、図2に白抜き矢印で示すように、第1のコイル7で発生した磁束はこれらの構成要素(金属部品)の内部を通過する。
第1のヨーク2、第1の軸受4、回転軸5、コア6、マグネット1、第1のヨーク2の磁極歯2aが、磁束が流れる磁気回路である。第1の軸受4の円錐面4dから第1のヨーク2の磁極歯2aに伝わる磁束により発生するNまたはSの磁界の中に、永久磁石のマグネット1のN極またはS極が存在する。これにより、マグネット1及びロータユニットに対し回転力が発生する。
上記磁気回路において、一体化した金属部品に比べて大きな磁気抵抗となる空気間隔は次の通りである。即ち、マグネット1の外周面とこれに対向する第1のステータ2の磁極歯2a、2bとの間の間隔、及び、回転するコア6の円錐面6aと第1の軸受4の円錐面4dとの間の規定の間隔gである。これらの間隔は、できるだけ接近させ且つその断面積(表面積)を大きく取ることが望ましい。これにより、上記空気間隔の部分における磁気抵抗が減少し磁気飽和が防止されることで、ステッピングモータのトルク向上が可能となる。
従来は、ステッピングモータの組立上或いは部品精度上、部品同士が互いに干渉しない適切な所定の間隔に設定していた。ステッピングモータの円滑な回転に必要な所定量のスラスト方向ガタにより、ステッピングモータの回転中であってもロータユニットはスラスト方向に移動する。図2においてはスラスト方向ガタが最大に偏った状態であり、軸方向左側のスペーサ8の厚さ分まで第1の軸受4とコア6は近接しているとする。
本実施の形態では、回転するコア6と第1の軸受4との間における軸方向の対向面の形状を、円錐面6aと円錐面4dに形成している。そのため、コア6と第1の軸受4の間の部分の磁束の伝達に関し、コア6の円錐面6aと第1の軸受4の円錐面4dとの間隔gは、ロータユニットのスラスト方向ガタに影響されにくく且つその断面積も広い。その結果、間隔gにおける磁気抵抗が少なく磁気飽和が発生しにくい。
即ち、コア6と第1の軸受4との間の磁束の伝達部分は、図2の断面図において斜面で表されるので、ロータユニットのスラスト方向ガタhの変化量に比べて間隔gの変化量は少ない。従って、間隔gを通過する磁束の変化量も小さい。また、コア6の円錐面6a及び第1の軸受4の円錐面4dは、斜面であるため回転軸に直交する面よりも長さが長く断面積(表面積)が広いことになる。従って、磁気飽和が発生しにくい。
また、第2の軸受12の先端部12eの直径は、対向するコア6の底面部6bの直径より小さく形成されている。且つ、第2の軸受12の円錐面12dとコア6の円錐面6aは、斜面の長さが略同一に形成されている。そのため、ロータユニット全体が左に最大量偏っても、第2の軸受12の円錐面12dはコア6の円錐面6aに接触することが無い。従って、磁束の流れによる吸着力が過大になることもない。これにより、軸方向の両端面が滑らかな摺動面として形成されたスペーサ8によりロータユニットの円滑な回転が保障される。
一方、ロータユニットの軸方向反対側における、第2の軸受12の先端部12eとコア6の底面部6bとが対向する部分の間隔は、本ステッピングモータで最大である。この場合であっても、スラスト方向ガタ量に対し、図2の断面図において斜面で表される部分の空気間隔は小さく設定できている。
即ち、ロータユニットが回転中において、ロータユニットのスラスト方向ガタ分だけ軸方向に移動しようとしても、第1の軸受4とコア6との間を通過する磁束の量の変化が小さい。そのため、ロータユニットのスラスト方向ガタによるステッピングモータの振動及び動作音(特に低回転時の動作音)が少なくなる。
このように、第1の軸受4とコア6の対向面を略同一の斜度を有する円錐面で構成している。そのため、部品干渉の懸念がなく、この部分の空気間隔を極力近接させて第1の軸受4とコア6を配置することができる。また、コア6を、凹部の壁面を円錐面6aに形成することで底面部6bに向かって徐々に肉厚となる概略円錐形状に構成している。そのため、コアを単純に円筒形状で凹部を形成する場合のように薄肉部分が発生しないので、薄肉部分の製造に適しない粉末焼結製法を採用することが可能となり、切削加工等に比べて低コストでコアを製造することができる。
尚、2相ステッピングモータの右半分の第2の相も上述した左半分の第1の相と同様の構成であるので説明を省略する。
次に、2相ステッピングモータの駆動方法について図3を参照しながら説明する。
図3(a)と(e)とが同時点の断面図であり、図3(b)と(f)とが同時点の断面図であり、図3(c)と(g)とが同時点の断面図であり、図3(d)と(h)とが同時点の断面図である。
図3(a)と(e)の状態から第1のコイル7及び第2のコイル9に通電して、第1のステータ2の磁極歯2a、2bをN極に励磁し、第2のステータ3の磁極歯3a、3bをS極に励磁する。これに伴い、マグネット1は反時計方向に45度回転し、図3(b)と(f)に示す状態になる。
次に、第1のコイル7への通電を反転させ、第1のステータ2の磁極歯2a、2bをS極に励磁し、第2のステータ3の磁極歯3a、3bをS極に励磁する。これに伴い、マグネット1は更に反時計方向に45度回転し、図3(c)と(g)に示す状態になる。
次に、第2のコイル9への通電を反転させ、第1のステータ2の磁極歯2a、2bをS極に励磁し、第2のステータ3の磁極歯3a、3bをN極に励磁する。これに伴い、マグネット1は更に反時計方向に45度回転し、図3(d)と(h)に示す状態になる。
以後、上記のように第1のコイル7及び第2のコイル9への通電方向を順次切り換えていくことにより、マグネット1は通電位相に応じた位置へと順に回転する。
ここで、上述した形状を有する第1の軸受4、第2の軸受12、コア6を備えるステッピングモータの構成が、損失が少なく、トルクが向上し、回転音が小さく、低コストでの製造が可能となる理由は、以下の第1乃至第3に示す通りである。
第1に、回転軸5、第1の軸受4、第2の軸受12が軟磁性材料からなり、マグネット1を通過する磁束を利用したステッピングモータであること。
第2に、軟磁性材料からなる第1の軸受4及び第2の軸受12とコア6との対向する面の形状が、互いに略同一の斜面を有する円錐面であること。
第3に、軟磁性材料からなるコア6を薄肉部分の長い形状ではなく底面部6bに向かって徐々に肉厚となる形状に構成しているため、コア6を粉末焼結製法で製造できること。
上記により、2相のステッピングモータとして回転動作し、ロータユニットのスラスト方向ガタによる第1の軸受4及び第2の軸受12とコア6との間の空気間隔の変化を小さくすることができる。且つ、第1の軸受4及び第2の軸受12からコア6へ飽和することなく磁束を伝達することができる。これにより、ステッピングモータのトルクが向上し、ロータユニットのスラスト変動が小さくなることで低回転時の動作音を静穏化することが可能となる。また、ステッピングモータを製造しやすい形状の部品から構成することで、コストの低減を図ることが可能となる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、第1の軸受4及び第2の軸受12とコア6との対向面を略同一の斜度を有する円錐面で構成している。そのため、対向面が平坦面の場合やコアを軸方向に座ぐる場合に比べて磁束が通過する断面積が大きく、磁気抵抗が小さい。これにより、ステッピングモータの安定した回転性能とトルクの向上が可能となる。
また、磁束の通過に伴い第1の軸受4及び第2の軸受12とコア6との対向面に吸引力が発生するが、ステッピングモータの回転性能に対し損失となる前記吸引力の軸方向の力が、対向面を座ぐらない場合やコアを軸方向に座ぐる場合に比べて小さい。これにより、ステッピングモータの軸方向の摺動面で発生するトルク損失を小さく抑えることが可能となる。
また、第1の軸受4及び第2の軸受12とコア6との間の軸方向の吸引力の低下、変動、減少により、回転軸5のスラストの方向の遊びにより発生する回転軸5のスラスト移動の量、力、及び速度が減少する。これにより、ステッピングモータの特に低回転時の動作音を静穏化することが可能となる。
また、コア6を、凹部の壁面を円錐面6aに形成することで底面部6bに向かって徐々に肉厚となる概略円錐形状に構成している。そのため、コアを単純に円筒形状とし凹部を形成する場合のように薄肉部分が発生しないので、薄肉部分の製造に適しない粉末焼結製法を採用することが可能となる。これにより、切削加工等に比べて低コストでコアを製造することが可能となる。
[第2の実施の形態]
図4は、本発明の第2の実施の形態に係る駆動装置としてのステッピングモータの組立完成状態の構成を示す断面図である。
図4において、ステッピングモータは、マグネット101、第1のステータ102、第2のステータ103、第1の軸受104、回転軸105、コア106を備えている。ステッピングモータは、更に、第1のコイル107、スペーサ108、第2のコイル109、第1のボビン110、第2のボビン111、第2の軸受112を備えている。マグネット101、回転軸105、コア106によりロータユニットを構成している。
本実施の形態は、上述した第1の実施の形態に対して、第1の軸受104及び第2の軸受112とコア106との対向面の形状のみ相違する。本実施の形態のその他の要素は、上述した第1の実施の形態(図2)の対応するものと同一なので、説明を省略する。
第1の軸受104は、軟磁性材料により形成されており、摺動部104a、外筒部104b、鍔部104c、曲面104d、先端部104eを備えている。第1の軸受104は、摺動部104aによりロータユニットの回転軸105を保持することでロータユニットを円滑に回転させる。第1の軸受104は、鍔部104cにより第1のボビン110を第1のステータ102との間に挟み込んで保持する。また、第1の軸受104の外筒部104bは、第1のステータ102の穴部102dに圧入される。これにより、第1の軸受104、第1のボビン110、第1のステータ102は、一体的に固定されてユニットとなる。また、これにより、第1の軸受104と第1のステータ102とは磁気的に接続される。
一方、第1の軸受104の曲面104dは、鍔部104cから先端部104eまで形成されている。第1の軸受104の先端部104eの直径は、コア106の底面部106bの直径よりわずかに小さく形成されている。第1の軸受104の曲面104dとコア106の曲面106aは、略同一の曲率の曲面に形成されている。且つ、第1の軸受104の先端部104eとコア106の底面106bとの間には、スペーサ108が配置されている。これにより、第1の軸受104の曲面104dとコア106の曲面106aとの隙間、即ち空気間隔を所定の量に保ちながら、ロータユニットを円滑に回転させることが可能となる。また、第1の軸受104及びコア106間にスペーサ108を挟むことで、第1の軸受104とコア106との間の吸着及び摺動ロスを低減することが可能となる。
また、第1の軸受104は、摺動部104aにおいて回転軸105と嵌合することにより回転軸105を回転可能に保持する。これと同時に、第1の軸受104と回転軸105が磁気的に接続されている。以上のことにより、第1の軸受104を介して第1のステータ102と回転軸105とが磁気的に接続され、第1のコイル107により発生する磁束が流れることで、第1のステータ102の磁極歯102a、102bが励磁される。
コア106は、円筒形状に構成されると共に軟磁性材料により形成されている。本実施の形態では、粉末焼結製法により純鉄紛を高圧プレスした後に高温焼結することでコア106を製造している。コア106は、回転軸105が嵌合可能な内径を有する中心穴(貫通穴)、円錐面106a、底面部106b、平坦な端面106cを備えている。コア106は、第1の軸受104及び第2の軸受112との軸方向における対向部分が底面部106bに向かって徐々に肉厚となる凹形状に形成されている。コア106は、中心穴に回転軸105が圧入固定されると共に、外周部にマグネット101が接着固定される。
第2の軸受112は、第1の軸受104と同一部品で構成されている。即ち、第2の軸受112は、軟磁性材料により形成されており、摺動部112a、外筒部112b、鍔部112c、曲面112d、先端部112eを備えている。第2の軸受112は、摺動部112aによりロータユニットの回転軸105を保持することでロータユニットを円滑に回転させる。第2の軸受112は、鍔部112cにより第2のボビン11を第2のステータ103との間に挟み込んで保持する。また、第2の軸受112の外筒部112bは、第2のステータ103の穴部103dに圧入される。これにより、第2の軸受112、第2のボビン11、第2のステータ103は、一体的に固定されてユニットとなる。また、これにより、第2の軸受112と第2のステータ103とは磁気的に接続される。
一方、第2の軸受112の曲面112dは、鍔部112cから先端部112eまで形成されている。第2の軸受112の先端部112eの直径は、コア106の底面部106bの直径よりわずかに小さく形成されている。第2の軸受112の曲面112dとコア106の曲面106aは、略同一の曲率の曲面に形成されている。且つ、第2の軸受112の先端部112eとコア106の底面部106bとの間には、スペーサ108が配置されている。これにより、第2の軸受112の曲面112dとコア106の曲面106aとの隙間、即ち空気間隔を所定の量に保ちながら、ロータユニットを円滑に回転させることが可能となる。また、第2の軸受112及びコア106間にスペーサ8を挟むことで、第2の軸受112とコア106との間の吸着及び摺動ロスを低減することが可能となる。
また、第2の軸受112は、摺動部112aにおいて回転軸105と嵌合することにより回転軸105を回転可能に保持する。これと同時に、第2の軸受112と回転軸105が磁気的に接続されている。以上のことにより、第2の軸受112を介して第2のステータ103と回転軸105とが磁気的に接続され、第2のコイル109により発生する磁束が流れることで、第2のステータ103の磁極歯103a、103bが励磁される。
上記構成を有する本実施の形態の2相ステッピングモータの組立工程は上述した第1の実施の形態と同一なので説明を省略する。
次に、2相ステッピングモータの磁気回路について図4を参照しながら詳細に説明する。
図4に示した2相ステッピングモータの左半分の第1の相と右半分の第2の相は同じ機能を有するので、左半分の第1の相についてのみ説明する。また、図4においては説明の便宜上、マグネット101と回転軸105とコア106からなるロータユニットをそのスラスト方向ガタ分だけ左方向にずらした状態を示してある。
第1のコイル107に通電した場合、図4において第1のコイル107の断面を中心に例えば左回りの磁束が発生する。一方、第1のコイル107の近傍にある全ての軟磁性材料からなる要素である第1のヨーク102と第1の軸受104、回転軸105とコア106は、互いに圧入されている。そのため、これらの構成要素は一体となって磁気回路を構成する。即ち、図4に白抜き矢印で示すように、第1のコイル107で発生した磁束はこれらの構成要素(金属部品)の内部を通過する。
第1のヨーク102、第1の軸受104、回転軸105、コア106、マグネット101、第1のヨーク102の磁極歯102aが、磁束が流れる磁気回路である。第1の軸受104の曲面104dから第1のヨーク102の磁極歯102aに伝わる磁束により発生するNまたはSの磁界の中に、永久磁石のマグネット101のN極またはS極が存在する。これにより、マグネット101及びロータユニットに対し回転力が発生する。
上記磁気回路において、一体化した金属部品に比べて大きな磁気抵抗となる空気間隔は次の通りである。即ち、マグネット101の外周面とこれに対向する磁極歯102a、102bとの間の間隔、及び、回転するコア106の曲面106aと第1の軸受104の曲面104d(互いに略同一の曲率を有する)との間の規定の間隔gである。これらの間隔は、できるだけ接近させ且つその断面積を大きく取ることが望ましい。これにより、上記空気間隔の部分における磁気抵抗が減少し磁気飽和が防止されることで、ステッピングモータのトルク向上が可能となる。
従来は、ステッピングモータの組立上或いは部品精度上、部品同士が互いに干渉しない適切な所定の間隔に設定していた。ステッピングモータの円滑な回転に必要な所定量のスラスト方向ガタにより、ステッピングモータの回転中であってもロータユニットはスラスト方向に移動する。図4においてはスラスト方向ガタが最大に偏った状態であり、軸方向左側のスペーサ108の厚さ分まで第1の軸受104とコア106は近接しているとする。
本実施の形態では、回転するコア106と第1の軸受104の間における軸方向の対向面の形状を、互いに略同一の曲率を有する曲面104dと曲面106aに形成している。そのため、コア106と第1の軸受104との間の対向面は、上記第1の実施の形態に対し、更に断面積(対向する部分の表面積)が大きくなる。且つ、コア106の端面106cの部分は、肉薄部が長い範囲となることのない形状である。そのため、コア106と第1の軸受104の間の部分の磁束の伝達に関し、コア106の曲面106aと第1の軸受104の曲面104dとの間隔gは、ロータユニットのスラスト方向ガタに影響されにくく且つその断面積(表面積)も広い。その結果、間隔gにおける磁気抵抗が少なく磁気飽和が発生しにくい。
即ち、コア106と第1の軸受104との間の磁束の伝達部分は、図4の断面図において曲面で表されるので、ロータユニットのスラスト方向ガタhの変化量に比べて間隔gの変化量は少ない。従って、間隔gを通過する磁束の変化量も小さい。また、コア106の曲面106a及び第1の軸受104の曲面104dは、長さ(円弧の長さ)が長いために断面積(表面積)が広いことになり、磁気飽和が発生しにくい。
また、第2の軸受112の先端部112eの直径は、対向するコア106の底面部106bの直径より小さく形成されている。且つ、第2の軸受112の曲面112dとコア106の曲面106aは、曲面の曲率が略同一に形成されている。そのため、ロータユニット全体が左に最大量偏っても、第2の軸受112の曲面112dはコア106の曲面106aに接触することが無い。従って、磁束の流れによる吸着力が過大になることもない。これにより、軸方向の両端面が滑らかな摺動面として形成されたスペーサ108によりロータユニットの円滑な回転が保障される。
一方、ロータユニットの軸方向反対側における、第2の軸受112の先端部112eとコア106の底面部106bとが対向する部分の間隔は、本ステッピングモータで最大である。この場合であっても、軸方向のスラスト方向ガタ量に対し、図4の断面図において第2の軸受112の曲面112dとコア106の曲面106aとの空気間隔は小さく設定できている。
即ち、ロータユニットが回転中において、ロータユニットのスラスト方向ガタ分だけ軸方向に移動しようとしても、第1の軸受104とコア106との間を通過する磁束の量の変化が小さい。そのため、ロータユニットのスラスト方向ガタによるステッピングモータの振動及び動作音(特に低回転時の動作音)が少なくなる。
ここで、上述した形状を有する第1の軸受104、第2の軸受112、コア106を備えるステッピングモータの構成が、損失が少なく、トルクが向上し、回転音が小さく、低コストでの製造が可能となる理由は、以下の第1乃至第3に示す通りである。
第1に、回転軸105、第1の軸受104、第2の軸受112が軟磁性材料からなり、マグネット101を通過する磁束を利用したステッピングモータであること。
第2に、軟磁性材料からなる第1の軸受104及び第2の軸受112とコア106との対向する面の形状が、略同一の曲率を有する曲面であること。
第3に、軟磁性材料からなるコア106を薄肉部分の長い形状ではなく底面部106bに向かって徐々に肉厚となる形状に構成しているため、コア106を粉末焼結製法で製造できること。
上記により、2相のステッピングモータとして回転動作し、ロータユニットのスラスト方向ガタによる第1の軸受104及び第2の軸受112とコア106との間の空気間隔の変化を小さくすることができる。且つ、第1の軸受104及び第2の軸受112からコア106へ飽和することなく磁束を伝達することができる。これにより、ステッピングモータのトルクが向上し、ロータユニットのスラスト変動が小さくなることで低回転時の動作音を静穏化することが可能となる。また、ステッピングモータを製造しやすい形状の部品から構成することで、コストの低減を図ることが可能となる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、上記第1の実施の形態と同様に、安定した回転性能及びトルクの向上、動作音の静穏化、コストの低減を図ることが可能となる。
[他の実施の形態]
上記各実施の形態では、図1乃至図4に示す構成を有するステッピングモータを例に挙げたが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明の特許請求の範囲で示した機能が達成できる構成であれば、上記各実施の形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲でどのようなものであっても良いことは言うまでもない。
上記各実施の形態では、コアを粉末焼結製法により製造した場合を例に挙げたが、本発明は、これに限定されるものではない。コアのほかに第1の軸受及び第2の軸受を粉末焼結製法により製造するようにしてもよい。
上記各実施の形態では、コアと回転軸を別構成(別体)とした例を挙げたが、本発明は、これに限定されるものではない。コアと回転軸はそれぞれ単純な形状であるため、それぞれ独立して安価に製造することが可能であるが、コアと回転軸を一体化して製造した場合でも各実施の形態に示した形状を採用することで同様の効果がある。
本発明の第1の実施の形態に係る駆動装置としてのステッピングモータの構成部品を示す分解斜視図である。 図1に示すステッピングモータの組立完成状態の構成を示す断面図である。 図2に示すステッピングモータのマグネットとステータの位相関係を動作段階毎に示す図であり、(a)〜(d)は、矢視A−A線に沿う断面図、(e)〜(h)は、矢視B−B線に沿う断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る駆動装置としてのステッピングモータの組立完成状態の構成を示す断面図である。 従来例に係るステッピングモータの構成を示す断面図である。 別の従来例に係るステッピングモータの構成を示す断面図である。
符号の説明
1、101 マグネット
2、102 第1のステータ
2a、2b、102a、102b 磁極歯
3、103 第2のステータ
3a、3b、103a、103b 磁極歯
4、104 第1の軸受
5、105 回転軸
6、106 コア
7、107 第1のコイル
8、108 スペーサ
9、109 第2のコイル
10、110 第1のボビン
11、111 第2のボビン
12、112 第2の軸受

Claims (7)

  1. 軟磁性材料から形成され、軸方向に貫通する穴部を有するコアと、
    前記コアの前記穴部に固定される回転軸と、
    前記コアの外周部に固定され、周方向に異なる極が交互に着磁された円筒形状のマグネットと、
    前記マグネットの外周部に対向して配置され、それぞれ磁極歯を有する第1のステータ及び第2のステータと、
    前記マグネットの軸方向両側にそれぞれ配置され、前記第1及び第2のステータをそれぞれ励磁する第1のコイル及び第2のコイルと、
    前記コアの軸方向両側にそれぞれ配置されると共に前記第1及び第2のステータにそれぞれ固定され、前記回転軸を回転可能に支持する第1の軸受及び第2の軸受とを備え、
    前記第1及び第2の軸受と前記コアとの軸方向における互いの対向部分を、前記第1及び第2の軸受側が凸形状に且つ前記コア側が凹形状に形成すると共に、前記第1及び第2の軸受の前記コア側との対向面と前記コアの前記第1及び第2の軸受側との対向面とを、規定の間隔をおいて対向させたことを特徴とする駆動装置。
  2. 前記第1及び第2の軸受と前記コアとの軸方向における互いの対向部分を、前記第1及び第2の軸受側が凸形状に且つ前記コア側が凹形状に形成すると共に、前記第1及び第2の軸受と前記コアとのそれぞれの対向面を、略同一角度の斜度を有する円錐面に形成し、前記第1及び第2の軸受の前記円錐面と前記コアの前記円錐面とを、規定の間隔をおいて対向させたことを特徴とする請求項1記載の駆動装置。
  3. 前記第1及び第2の軸受と前記コアとの軸方向における互いの対向部分を、前記第1及び第2の軸受側が凸形状に且つ前記コア側が凹形状に形成すると共に、前記第1及び第2の軸受と前記コアとのそれぞれの対向面を、略同一の曲率を有する曲面に形成し、前記第1及び第2の軸受の前記曲面と前記コアの前記曲面とを、規定の間隔をおいて対向させたことを特徴とする請求項1記載の駆動装置。
  4. 前記コアは、紛末焼結製法により製造されることを特徴とする請求項1記載の駆動装置。
  5. 前記コアと前記第1及び第2の軸受は、紛末焼結製法により製造されることを特徴とする請求項1記載の駆動装置。
  6. 前記コアと前記回転軸とは、それぞれ独立して製造されることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の駆動装置。
  7. 前記コアと前記回転軸とは、一体化して製造されることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の駆動装置。
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