JP2004064943A - ステッピングモータ - Google Patents
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Abstract
【課題】モータ駆動時の騒音の低減と回転角度精度の向上を図ったステッピングモータを提供する。
【解決手段】円筒形状のマグネット2をシャフト1に固定しロータを構成する。ロータの軸線方向両側にコイル6A、6Bを巻回したA相、B相の一対のボビン4A、4Bを配置し、ボビンの両端にマグネット2の外周面に対向させて極歯となるヨーク8A、8B、10A、10Bを固定する。マグネット2の位置に軸線方向の片寄りが生じた状態で、軸線方向における片相のヨークとマグネット間のクリアランスと逆相のヨークとマグネット間のクリアランスに差を持たせクリアランスの小さい側のヨークとマグネット間に軸線方向の磁気的吸引力を生じさせる。また、マグネット2の中央部分に周方向の切欠き11を設け、ロータの軸線方向のぶれに対してマグネット2と極歯との対向面積が常に一定となるようにする。
【選択図】 図3
【解決手段】円筒形状のマグネット2をシャフト1に固定しロータを構成する。ロータの軸線方向両側にコイル6A、6Bを巻回したA相、B相の一対のボビン4A、4Bを配置し、ボビンの両端にマグネット2の外周面に対向させて極歯となるヨーク8A、8B、10A、10Bを固定する。マグネット2の位置に軸線方向の片寄りが生じた状態で、軸線方向における片相のヨークとマグネット間のクリアランスと逆相のヨークとマグネット間のクリアランスに差を持たせクリアランスの小さい側のヨークとマグネット間に軸線方向の磁気的吸引力を生じさせる。また、マグネット2の中央部分に周方向の切欠き11を設け、ロータの軸線方向のぶれに対してマグネット2と極歯との対向面積が常に一定となるようにする。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、時計、カメラ、医療機器等に用いて好適な小形・小径のステッピングモータに関し、特に、駆動時の騒音低減と回転角度精度の向上を図ったステッピングモータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
上記したような小径のステッピングモータとして、図5、図6に示す構造のものが知られている。
図5、図6に示すように、このステッピングモータは、4極着磁された円筒形状のマグネット2をシャフト1に同軸に固定してロータを構成し、このマグネット2の軸線方向両側にそれぞれコイル6Aとコイル6Bを巻回したA相、B相の一対のボビンを配置した2相モータであって、各ボビンの両端にそれぞれコ字状ヨーク8A、8B、10A、10Bが、その側板部をマグネット2の外周に対向させた状態で固定されて極歯を構成し、これらが図示しない筒形ケースで包囲・固定されている。
【0003】
ここで、ヨーク(即ち、極歯)8A(8B)とヨーク(即ち、極歯)10A(10B)は互いにマグネット2の周方向に90゜位相がずらされており、且つ、A相側のヨーク8A(10A)とB相側のヨーク8B(10B)同士は互いに45゜位相がずらされている。
また、A相側の極歯とB相側の極歯はマグネット2の中央部分にて所定のクリアランスd1を保って相対向するように固定され、外周方向に対しては、極歯との間に所定のクリアランスd2を保ち、また、軸線方向に対しては、ヨーク10A(ヨーク10B)との間に所定のクリアランスd3を保ちつつ、ロータはヨーク8A、8B、10A、10Bによって囲まれた空間内にシャフト1を介してケース両側の軸受け等に回転自在、且つ、軸線方向に移動可能に支持されている。尚、マグネット2とヨーク10A(ヨーク10B)との間には、マグネット2の軸線方向の位置に片寄りが生じて両者が接触した場合にマグネット2の回転方向の滑りを良くする非磁性のワッシャー5A(5B)が介在されている。これらのワッシャー5A、5Bは、マグネット2と略同径の円板状である。
【0004】
上記構成のステッピングモータでは、各相のコイル6A、6Bを交互に切り換え通電し、各ヨーク8A、8B、10A、10Bの極歯の磁極をマグネット2の磁極に対して順次間欠的に変化させてゆくことにより、マグネット2(即ち、ロータ)が一対のヨークの極歯数で決まる所定の回転角度にて間欠駆動する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような構造のステッピングモータを回転駆動すると、従来は以下のような問題が生じていた。
【0006】
即ち、(1)相励磁の切換毎(A相励磁→B相励磁→A相励磁→・・・)にロータが左右軸線方向に移動し、その繰り返しが振動となって騒音を発生するという問題と、(2)図7に示すように、マグネット2がA相側に片寄った状態で回転すると、A相側の極歯がマグネット2と対向する面積(A相側対向距離=L)とB相側の極歯がマグネット2と対向する面積(B相側対向距離=L’)で差異(L>L’)が生じ、このため、A相、B相の磁気力にアンバランスが生じてロータの回転角度精度が低下するという問題である。また、マグネット2がB相側に片寄った状態では、L<L’となる。
この回転角度精度の低下は、特に2相励磁駆動の際に顕著に発生する。
【0007】
本発明は、上記した従来の問題点に鑑みて成されたもので、モータ駆動時における騒音の低減と回転角度精度の向上を図ったステッピングモータを提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち、請求項1に記載の本発明は、所定の極数に着磁された円筒形状のマグネットをシャフトに固定してロータを構成し、当該ロータの軸線方向両側にそれぞれコイルを巻回したA相、B相の一対のボビンを配置すると共に、これらボビンの両端に前記マグネットの外周面に対向させて極歯を構成するヨークを固定したステッピングモータにおいて、前記マグネットの軸線方向の位置に片寄りが生じた状態で、軸線方向における片相のヨークとマグネット間のクリアランスと逆相のヨークとマグネット間のクリアランスに差を持たせ、クリアランスの小さい側のヨークとマグネット間に軸線方向の磁気的吸引力を生じさせる構成とした。
上記構成では、クリアランスの小さい側の相のマグネット−ヨーク間に、逆相側への励磁切換で生じる磁気的吸引力にうち勝つ十分な磁気吸引力が生じ、これによって励磁切換時のロータの軸線方向の振動(横ぶれ)が抑制されるため、モータ駆動時の騒音が低減できる。
【0009】
また、請求項2に記載の本発明は、所定の極数に着磁された円筒形状のマグネットをシャフトに固定してロータを構成し、当該ロータの軸線方向両側にそれぞれコイルを巻回したA相、B相の一対のボビンを配置すると共に、これらボビンの両端に前記マグネットの外周面に対向させて極歯を構成するヨークを固定したステッピングモータにおいて、前記マグネットの中央部分に周方向の切欠きを設け、前記ロータが軸線方向に移動した場合も当該マグネットと前記極歯との対向面積を常に一定にする構成とした。
上記構成では、ロータの横ぶれに対してA相とB相の磁気バランスを常に安定に維持できるため、ロータの回転角度精度が向上する。
【0010】
また、請求項3に記載の本発明は、所定の極数に着磁された円筒形状のマグネットをシャフトに固定してロータを構成し、当該ロータの軸線方向両側にそれぞれコイルを巻回したA相、B相の一対のボビンを配置すると共に、これらボビンの両端に前記マグネットの外周面に対向させて極歯を構成するヨークを固定したステッピングモータにおいて、前記マグネットの軸線方向の位置に片寄りが生じた状態で、軸線方向における片相のヨークとマグネット間のクリアランスと逆相のヨークとマグネット間のクリアランスに差を持たせ、クリアランスの小さい側のヨークとマグネット間に軸線方向の磁気的吸引力を生じさせると共に、前記マグネットの中央部分に周方向の切欠きを設け、前記ロータが軸線方向に移動した場合も当該マグネットと前記極歯との対向面積を常に一定にする構成とした。
上記構成では、モータ駆動時の騒音を抑制しつつ、角度精度の高いロータ回転動作を得ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図4に基づいて本発明の実施形態を説明する。
ここで、図1は本発明に係るステッピングモータの第1実施形態を示す縦断面図、図2は本発明に係るステッピングモータの第2実施形態を示す縦断面図、図3は本発明に係るステッピングモータの第3実施形態を示す縦断面図、図4は本発明に係るロータの構造を示す断面図である。
尚、説明を簡略化するため、以下の説明において従来と共通する部分については同一の符号を用いた。
【0012】
図1に示すように、第1実施形態のステッピングモータは、円筒形状のマグネット2をシャフト1に固定してロータを構成し、このロータの軸線方向両側にそれぞれコイル6A、6Bを巻回したA相、B相の一対のボビン4A、4Bを配置すると共に、これらボビン4A、4Bの両端に、マグネット2の外周面に対向させて極歯を構成するヨーク8A、8B、10A、10Bを固定したものであって、その構成は、図3、図4に示した従来型と略同様であるが、従来型と本実施形態とはマグネット2の形状が相違している。
【0013】
即ち、本実施形態では、ヨーク10A(10B)とマグネット間に介在した非磁性のワッシャー5A(5B)の径を小さくし、マグネット2の両端にこのワッシャー5A(5B)が収まる凹部10を設けている。そして、この凹部10の深さを前記ワッシャー10の厚みより僅かに浅くした。本構成では、マグネット2に軸線方向の片寄りが生じてマグネット2の端部とワッシャー5A(5B)とが接触した場合、片寄り側のヨークとマグネット間のクリアランスは極めて小さくなり、一方、逆相側のヨークとマグネット間のクリアランスは従来型に比べて極めて大きくなる。
【0014】
従って、モータ駆動時、マグネット2の位置に軸線方向の片寄りが生じていても、クリアランスの小さい側の相のマグネット−ヨーク間には、励磁切換で生じる逆相側への磁気的吸引力にうち勝つ十分な軸線方向の磁気吸引力が生じ得、この吸引力によりマグネット2は片相側に固定されて励磁切換時のロータの軸線方向の振動が抑制されるため、モータの騒音は低減される。
尚、ヨーク−マグネット間のクリアランスについては、マグネット2の磁力や質量等によってそれぞれ最適値が異なるため、その都度、シュミレーションや実験で確認して設定するのが好ましい。
【0015】
次に、図2に基づいて本発明の第2実施形態を説明する。本第2実施形態も既述した第1実施形態と同様に、各構成は従来型と略同様であるが、従来型と本実施形態とはマグネット2の形状が相違している。
【0016】
即ち、本実施形態では、マグネット2の中央部分に周方向の切欠き11を設けている。その切欠き幅は、マグネット2が軸線方向に移動した場合に、A相側の極歯がクリアランスd2を持ってマグネット2と対向する面積(A相側対向距離=L)とB相側の極歯がクリアランスd2を持ってマグネット2と対向する面積(B相側対向距離=L’)が常に一定(L=L’)になるような寸法とした。
上記構成では、ロータの軸線方向の片寄りに対してA相とB相の磁気バランスを常に安定に維持できるため、ロータの回転角度精度を向上することができる。
【0017】
また、上記したマグネット2の切欠き11の形状は、図2の凹溝に限定されるものではなく、例えば、図4(a)に示すようなV溝としても良く、或いは、切欠きを設けるのではなく、図4(b)に示すように、2つのマグネットを非磁性材料で形成したブッシュ12を介し、所定の距離を空けて接合した構造としても構わない。何れも、図2の形状と同様の作用効果を奏するものである。
【0018】
次に、図3に基づいて本発明の第3実施形態を説明する。本第3実施形態は既述した第1実施形態および第2実施形態の構成を有するものである。
【0019】
即ち、本実施形態では、マグネット2の両端に凹部10を設けると共に、マグネット2の中央部分に周方向の切欠き11を設けた構成をとる。上記構成では、モータ駆動時の騒音を抑制しつつ、角度精度の高いロータ回転動作を得ることができる。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、マグネットの軸線方向の位置に片寄りが生じた状態で、軸線方向における片相のヨークとマグネット間のクリアランスと逆相のヨークとマグネット間のクリアランスに差を持たせ、クリアランスの小さい側のヨークとマグネット間に軸線方向の磁気的吸引力を生じさせる構成としたので、クリアランスの小さい相のマグネット−ヨーク間に十分な磁気吸引力が生じ、これによって励磁切換時のロータの軸線方向の振動が抑制されるため、モータ駆動時の騒音が低減できる。
【0021】
また、マグネットの中央部分に周方向の切欠きを設け、ロータが軸線方向に移動した場合もマグネットと極歯との対向面積を常に一定にするように構成したので、ロータの横ぶれに対してA相とB相の磁気バランスを常に安定に維持できるため、ロータの回転角度精度が向上する。
【0022】
これらの構成により、モータ駆動時における騒音を低減し、且つ、回転角度精度を向上して高性能のステッピングモータが実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るステッピングモータの第1実施形態を示す縦断面図。
【図2】本発明に係るステッピングモータの第2実施形態を示す縦断面図。
【図3】本発明に係るステッピングモータの第3実施形態を示す縦断面図。
【図4】ロータの形状で、図3とは別の例を示す図。
【図5】従来のステッピングモータを示す斜視図。
【図6】図5のステッピングモータの縦断面図。
【図7】マグネットがA相側に片寄った状態の従来のステッピングモータの縦断面図。
【符号の説明】
1 シャフト
2 マグネット
4A、4B ボビン
6A、6B コイル
8A、8B、10A、10B ヨーク
11 切欠き
【発明の属する技術分野】
本発明は、時計、カメラ、医療機器等に用いて好適な小形・小径のステッピングモータに関し、特に、駆動時の騒音低減と回転角度精度の向上を図ったステッピングモータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
上記したような小径のステッピングモータとして、図5、図6に示す構造のものが知られている。
図5、図6に示すように、このステッピングモータは、4極着磁された円筒形状のマグネット2をシャフト1に同軸に固定してロータを構成し、このマグネット2の軸線方向両側にそれぞれコイル6Aとコイル6Bを巻回したA相、B相の一対のボビンを配置した2相モータであって、各ボビンの両端にそれぞれコ字状ヨーク8A、8B、10A、10Bが、その側板部をマグネット2の外周に対向させた状態で固定されて極歯を構成し、これらが図示しない筒形ケースで包囲・固定されている。
【0003】
ここで、ヨーク(即ち、極歯)8A(8B)とヨーク(即ち、極歯)10A(10B)は互いにマグネット2の周方向に90゜位相がずらされており、且つ、A相側のヨーク8A(10A)とB相側のヨーク8B(10B)同士は互いに45゜位相がずらされている。
また、A相側の極歯とB相側の極歯はマグネット2の中央部分にて所定のクリアランスd1を保って相対向するように固定され、外周方向に対しては、極歯との間に所定のクリアランスd2を保ち、また、軸線方向に対しては、ヨーク10A(ヨーク10B)との間に所定のクリアランスd3を保ちつつ、ロータはヨーク8A、8B、10A、10Bによって囲まれた空間内にシャフト1を介してケース両側の軸受け等に回転自在、且つ、軸線方向に移動可能に支持されている。尚、マグネット2とヨーク10A(ヨーク10B)との間には、マグネット2の軸線方向の位置に片寄りが生じて両者が接触した場合にマグネット2の回転方向の滑りを良くする非磁性のワッシャー5A(5B)が介在されている。これらのワッシャー5A、5Bは、マグネット2と略同径の円板状である。
【0004】
上記構成のステッピングモータでは、各相のコイル6A、6Bを交互に切り換え通電し、各ヨーク8A、8B、10A、10Bの極歯の磁極をマグネット2の磁極に対して順次間欠的に変化させてゆくことにより、マグネット2(即ち、ロータ)が一対のヨークの極歯数で決まる所定の回転角度にて間欠駆動する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような構造のステッピングモータを回転駆動すると、従来は以下のような問題が生じていた。
【0006】
即ち、(1)相励磁の切換毎(A相励磁→B相励磁→A相励磁→・・・)にロータが左右軸線方向に移動し、その繰り返しが振動となって騒音を発生するという問題と、(2)図7に示すように、マグネット2がA相側に片寄った状態で回転すると、A相側の極歯がマグネット2と対向する面積(A相側対向距離=L)とB相側の極歯がマグネット2と対向する面積(B相側対向距離=L’)で差異(L>L’)が生じ、このため、A相、B相の磁気力にアンバランスが生じてロータの回転角度精度が低下するという問題である。また、マグネット2がB相側に片寄った状態では、L<L’となる。
この回転角度精度の低下は、特に2相励磁駆動の際に顕著に発生する。
【0007】
本発明は、上記した従来の問題点に鑑みて成されたもので、モータ駆動時における騒音の低減と回転角度精度の向上を図ったステッピングモータを提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち、請求項1に記載の本発明は、所定の極数に着磁された円筒形状のマグネットをシャフトに固定してロータを構成し、当該ロータの軸線方向両側にそれぞれコイルを巻回したA相、B相の一対のボビンを配置すると共に、これらボビンの両端に前記マグネットの外周面に対向させて極歯を構成するヨークを固定したステッピングモータにおいて、前記マグネットの軸線方向の位置に片寄りが生じた状態で、軸線方向における片相のヨークとマグネット間のクリアランスと逆相のヨークとマグネット間のクリアランスに差を持たせ、クリアランスの小さい側のヨークとマグネット間に軸線方向の磁気的吸引力を生じさせる構成とした。
上記構成では、クリアランスの小さい側の相のマグネット−ヨーク間に、逆相側への励磁切換で生じる磁気的吸引力にうち勝つ十分な磁気吸引力が生じ、これによって励磁切換時のロータの軸線方向の振動(横ぶれ)が抑制されるため、モータ駆動時の騒音が低減できる。
【0009】
また、請求項2に記載の本発明は、所定の極数に着磁された円筒形状のマグネットをシャフトに固定してロータを構成し、当該ロータの軸線方向両側にそれぞれコイルを巻回したA相、B相の一対のボビンを配置すると共に、これらボビンの両端に前記マグネットの外周面に対向させて極歯を構成するヨークを固定したステッピングモータにおいて、前記マグネットの中央部分に周方向の切欠きを設け、前記ロータが軸線方向に移動した場合も当該マグネットと前記極歯との対向面積を常に一定にする構成とした。
上記構成では、ロータの横ぶれに対してA相とB相の磁気バランスを常に安定に維持できるため、ロータの回転角度精度が向上する。
【0010】
また、請求項3に記載の本発明は、所定の極数に着磁された円筒形状のマグネットをシャフトに固定してロータを構成し、当該ロータの軸線方向両側にそれぞれコイルを巻回したA相、B相の一対のボビンを配置すると共に、これらボビンの両端に前記マグネットの外周面に対向させて極歯を構成するヨークを固定したステッピングモータにおいて、前記マグネットの軸線方向の位置に片寄りが生じた状態で、軸線方向における片相のヨークとマグネット間のクリアランスと逆相のヨークとマグネット間のクリアランスに差を持たせ、クリアランスの小さい側のヨークとマグネット間に軸線方向の磁気的吸引力を生じさせると共に、前記マグネットの中央部分に周方向の切欠きを設け、前記ロータが軸線方向に移動した場合も当該マグネットと前記極歯との対向面積を常に一定にする構成とした。
上記構成では、モータ駆動時の騒音を抑制しつつ、角度精度の高いロータ回転動作を得ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図4に基づいて本発明の実施形態を説明する。
ここで、図1は本発明に係るステッピングモータの第1実施形態を示す縦断面図、図2は本発明に係るステッピングモータの第2実施形態を示す縦断面図、図3は本発明に係るステッピングモータの第3実施形態を示す縦断面図、図4は本発明に係るロータの構造を示す断面図である。
尚、説明を簡略化するため、以下の説明において従来と共通する部分については同一の符号を用いた。
【0012】
図1に示すように、第1実施形態のステッピングモータは、円筒形状のマグネット2をシャフト1に固定してロータを構成し、このロータの軸線方向両側にそれぞれコイル6A、6Bを巻回したA相、B相の一対のボビン4A、4Bを配置すると共に、これらボビン4A、4Bの両端に、マグネット2の外周面に対向させて極歯を構成するヨーク8A、8B、10A、10Bを固定したものであって、その構成は、図3、図4に示した従来型と略同様であるが、従来型と本実施形態とはマグネット2の形状が相違している。
【0013】
即ち、本実施形態では、ヨーク10A(10B)とマグネット間に介在した非磁性のワッシャー5A(5B)の径を小さくし、マグネット2の両端にこのワッシャー5A(5B)が収まる凹部10を設けている。そして、この凹部10の深さを前記ワッシャー10の厚みより僅かに浅くした。本構成では、マグネット2に軸線方向の片寄りが生じてマグネット2の端部とワッシャー5A(5B)とが接触した場合、片寄り側のヨークとマグネット間のクリアランスは極めて小さくなり、一方、逆相側のヨークとマグネット間のクリアランスは従来型に比べて極めて大きくなる。
【0014】
従って、モータ駆動時、マグネット2の位置に軸線方向の片寄りが生じていても、クリアランスの小さい側の相のマグネット−ヨーク間には、励磁切換で生じる逆相側への磁気的吸引力にうち勝つ十分な軸線方向の磁気吸引力が生じ得、この吸引力によりマグネット2は片相側に固定されて励磁切換時のロータの軸線方向の振動が抑制されるため、モータの騒音は低減される。
尚、ヨーク−マグネット間のクリアランスについては、マグネット2の磁力や質量等によってそれぞれ最適値が異なるため、その都度、シュミレーションや実験で確認して設定するのが好ましい。
【0015】
次に、図2に基づいて本発明の第2実施形態を説明する。本第2実施形態も既述した第1実施形態と同様に、各構成は従来型と略同様であるが、従来型と本実施形態とはマグネット2の形状が相違している。
【0016】
即ち、本実施形態では、マグネット2の中央部分に周方向の切欠き11を設けている。その切欠き幅は、マグネット2が軸線方向に移動した場合に、A相側の極歯がクリアランスd2を持ってマグネット2と対向する面積(A相側対向距離=L)とB相側の極歯がクリアランスd2を持ってマグネット2と対向する面積(B相側対向距離=L’)が常に一定(L=L’)になるような寸法とした。
上記構成では、ロータの軸線方向の片寄りに対してA相とB相の磁気バランスを常に安定に維持できるため、ロータの回転角度精度を向上することができる。
【0017】
また、上記したマグネット2の切欠き11の形状は、図2の凹溝に限定されるものではなく、例えば、図4(a)に示すようなV溝としても良く、或いは、切欠きを設けるのではなく、図4(b)に示すように、2つのマグネットを非磁性材料で形成したブッシュ12を介し、所定の距離を空けて接合した構造としても構わない。何れも、図2の形状と同様の作用効果を奏するものである。
【0018】
次に、図3に基づいて本発明の第3実施形態を説明する。本第3実施形態は既述した第1実施形態および第2実施形態の構成を有するものである。
【0019】
即ち、本実施形態では、マグネット2の両端に凹部10を設けると共に、マグネット2の中央部分に周方向の切欠き11を設けた構成をとる。上記構成では、モータ駆動時の騒音を抑制しつつ、角度精度の高いロータ回転動作を得ることができる。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、マグネットの軸線方向の位置に片寄りが生じた状態で、軸線方向における片相のヨークとマグネット間のクリアランスと逆相のヨークとマグネット間のクリアランスに差を持たせ、クリアランスの小さい側のヨークとマグネット間に軸線方向の磁気的吸引力を生じさせる構成としたので、クリアランスの小さい相のマグネット−ヨーク間に十分な磁気吸引力が生じ、これによって励磁切換時のロータの軸線方向の振動が抑制されるため、モータ駆動時の騒音が低減できる。
【0021】
また、マグネットの中央部分に周方向の切欠きを設け、ロータが軸線方向に移動した場合もマグネットと極歯との対向面積を常に一定にするように構成したので、ロータの横ぶれに対してA相とB相の磁気バランスを常に安定に維持できるため、ロータの回転角度精度が向上する。
【0022】
これらの構成により、モータ駆動時における騒音を低減し、且つ、回転角度精度を向上して高性能のステッピングモータが実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るステッピングモータの第1実施形態を示す縦断面図。
【図2】本発明に係るステッピングモータの第2実施形態を示す縦断面図。
【図3】本発明に係るステッピングモータの第3実施形態を示す縦断面図。
【図4】ロータの形状で、図3とは別の例を示す図。
【図5】従来のステッピングモータを示す斜視図。
【図6】図5のステッピングモータの縦断面図。
【図7】マグネットがA相側に片寄った状態の従来のステッピングモータの縦断面図。
【符号の説明】
1 シャフト
2 マグネット
4A、4B ボビン
6A、6B コイル
8A、8B、10A、10B ヨーク
11 切欠き
Claims (3)
- 所定の極数に着磁された円筒形状のマグネットをシャフトに固定してロータを構成し、当該ロータの軸線方向両側にそれぞれコイルを巻回したA相、B相の一対のボビンを配置すると共に、これらボビンの両端に、前記マグネットの外周面に対向させて極歯を構成するヨークを固定したステッピングモータにおいて、
前記マグネットの軸線方向の位置に片寄りが生じた状態で、軸線方向における片相のヨークとマグネット間のクリアランスと逆相のヨークとマグネット間のクリアランスに差を持たせ、クリアランスの小さい側のヨークとマグネット間に軸線方向の磁気的吸引力を生じさせることを特徴とするステッピングモータ。 - 所定の極数に着磁された円筒形状のマグネットをシャフトに固定してロータを構成し、当該ロータの軸線方向両側にそれぞれコイルを巻回したA相、B相の一対のボビンを配置すると共に、これらボビンの両端に、前記マグネットの外周面に対向させて極歯を構成するヨークを固定したステッピングモータにおいて、
前記マグネットの中央部分に周方向の切欠きを設け、前記ロータが軸線方向に移動した場合も当該マグネットと前記極歯との対向面積を常に一定にすることを特徴とするステッピングモータ。 - 所定の極数に着磁された円筒形状のマグネットをシャフトに固定してロータを構成し、当該ロータの軸線方向両側にそれぞれコイルを巻回したA相、B相の一対のボビンを配置すると共に、これらボビンの両端に、前記マグネットの外周面に対向させて極歯を構成するヨークを固定したステッピングモータにおいて、
前記マグネットの軸線方向の位置に片寄りが生じた状態で、軸線方向における片相のヨークとマグネット間のクリアランスと逆相のヨークとマグネット間のクリアランスに差を持たせ、クリアランスの小さい側のヨークとマグネット間に軸線方向の磁気的吸引力を生じさせると共に、前記マグネットの中央部分に周方向の切欠きを設け、前記ロータが軸線方向に移動した場合も当該マグネットと前記極歯との対向面積を常に一定にすることを特徴とするステッピングモータ。
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JP2005304225A (ja) * | 2004-04-14 | 2005-10-27 | Canon Inc | ステッピングモータ |
WO2006109679A1 (ja) * | 2005-04-06 | 2006-10-19 | Minebea Motor Manufacturing Corporation | ステッピングモータ |
-
2002
- 2002-07-31 JP JP2002222355A patent/JP2004064943A/ja active Pending
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