JP4012242B2 - ステッピングモータ - Google Patents

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Description

本発明は、カメラ等の小型電子機器の駆動源として好適に搭載されるステッピングモータに関するものである。
従来のレンズシャッタカメラのシャッタ装置としては、図18に示すものがある。
同図において、101は永久磁石、102は駆動レバー、102aは駆動レバー102に設けられた駆動ピンである。駆動レバー102は永久磁石101に固着され、該永久磁石101と一体的に回転する。103はコイル、104,105は軟磁性材料から成り、コイル103により励磁されるステータである。ステータ104とステータ105は104a部と105a部において接合されており、磁気回路上一体となっている。コイル103への通電により、ステータ104及びステータ105が励磁され、永久磁石101は所定の角度内を回転駆動する。106,107はシャッタ羽根であり、108は開口部108aを有する地板である。シャッタ羽根106,107は地板108のピン108b,108cに対して穴部106a,107aが回転可能に取り付けられ、長穴106b,107bが駆動ピン102aに摺動可能に嵌合し、永久磁石101とともに駆動レバー102が回転することで、該シャッタ羽根106,107は穴部106a,107aを中心として回転駆動され、不図示の開口を開閉する。
この他の形態としては、コストアップを防ぐ為に永久磁石をプラスチックマグネットで形成し、駆動ピンを一体的に成形したものもある。
109はシャッタ羽根106,107を地板108との間で移動可能に保持する前地板であり、110はステータ104,105を保持し、永久磁石101を回転可能に保持する後地板である。
また、撮像素子にCCDなどを用い、被写界像を光電変換して記録媒体に静止画像の情報として記録するデジタルカメラが普及してきている。この種のデジタルカメラの露光に関する動作について、以下に簡単に説明する。
まず撮影に先立って主電源が投入され、撮像素子が動作状態になるとシャッタ羽根は前記撮像素子に露光可能な開位置に保持される。これにより前記撮像素子にて電荷の蓄積と放出転送が繰り返され、画像モニターによって被写界の観察が可能になる。
その後、レリーズボタンが押されると、その時点での撮像素子の出力に応じて絞り値と露光時間が決定され、それに基づいて、露光開口の口径を絞る必要がある場合には、まず、絞り羽根が駆動されて所定の絞り値にセットされる。次に、蓄積電荷の放出がされている前記撮像素子に対して電荷の蓄積開始が指示され、それと同時にその蓄積開始信号をトリガー信号として露光時間制御回路が起動され、所定の露光時間の経過により、前記シャッタ羽根が前記撮像素子への露光を遮る閉位置へと駆動される。前記撮像素子への露光が遮られた後、蓄積された電荷の転送が行われ、画像書き込み装置を介して記録媒体に画像情報が記録される。電荷の転送中に撮像素子への露光を防ぐのは、電荷の転送中に余分な光によって電荷が変化してしまうことを防ぐためである。
上記のようなシャッタ装置の他に、NDフィルターを進退させる機構を持つものや、小さな絞り径をもつ絞り規制部材を進退させる機構を持つものがある。
上記の従来のシャッタ装置においては、コイルやステータが地板上において多くの範囲を占めてしまい、他のアクチエータやレンズのガイド棒等を配置する事が困難になってしまう欠点があった。この点に鑑み、本願出願人により特許文献1において、以下の光量調節装置が提案されている。
図19に特許文献1に開示の光量調節装置の分解斜視図を、図20に図19の光量調節装置の軸方向の断面図を、それぞれ示す。この光量調節装置は、少なくとも外周面が周方向に分割して異なる極に交互に着磁され、回転中心を軸として回転可能なマグネット201を備え、該マグネット201の軸方向にコイル202を配置し、該コイル202により励磁される外側磁極部203a及び内側磁極部203bがマグネット201の外周面及び内周面に対向するステータ203、該ステータ203の内側磁極部203bに固定され、コイル202により励磁される補助ステータ204、前記マグネット201に一体構成された羽根駆動ピン201hを具備する駆動装置であるアクチュエータと、開口部205aを備えた地板205と、前記アクチュエータの羽根駆動ピン201hにより駆動され、地板205の開口部205aの開口量を調節する光量調節羽根207,208を備えた構成となっている。206は押さえ板である。
上記ような構成の光量調節装置とすることにより、コイルとマグネットが軸方向に配置されるので、これらが地板上において多くの範囲を占めないコンパクトな装置となる等、大きな効果を有するものとなる。
しかし、上記アクチュエータを採用したデジタルカメラ等のさらなる小型化の要求により、アクチュエータ自体の小型化に加えて薄型化を図る必要がある。しかし、前記のアクチュエータはコイルとマグネットが軸方向に配置されているので極端な薄型化はマグネットの周方向の着磁効率の低下などから、該アクチュエータの効率の低下が生じる可能性があり、困難であった。
一方、回転軸を有するアクチュエータの原理はステッピングモータにも応用されている。
図21に、従来技術の一例として特許文献2に開示された、2相ステップモータの部分断面図を示す。このステッピングモータは、回転軸311に固定された円板形の磁性体303を介して重ね合わされた一対の永久磁石301,302を有し、それらは軸方向に着磁された複数の磁極が周方向に交互に異磁極となるように形成され、それぞれの永久磁石に対向するステータ307,308には外向き放射状に突出する内歯305と内向き放射状に突出する外歯306が形成されている。また、ステータ307,308にはそれぞれを励磁する励磁コイル309,310が具備され、かつ、永久磁石301,302の両側に相互に電気角の(1/2)πずれるように位置決めされている。
ここで磁束の流れを参照すると、励磁コイル309を囲むハウジング317→外歯306→永久磁石301→磁性体303→永久磁石302→内歯305→ハウジング318となっている。永久磁石とは、マグネットのことである。ここでは磁束の入口、出口となる内歯305と外歯306が平面着磁されたマグネットに対向する為には、実際上、内歯と外歯がほぼ同一平面状にあることになる。また、磁性体303は単にバックメタルとして機能し、励磁コイル309,310には励磁されていない。このモータに必要な構成要素を軸方向の順にあげると、a)ハウジング317(ヨーク兼用)、b)励磁コイル309、c)内歯305、外歯306(磁極歯)、d)マグネット(永久磁石301)、e)磁性体303、f)マグネット(永久磁石302)、g)内歯305、外歯306(磁極歯)、h)励磁コイル310、i)ハウジング318(ヨーク兼用)となる。
このように特許文献2に記載されているステッピングモータは、多くの要素が軸に垂直な平面を有するマグネットの上下の軸方向に重なって配置されるので、軸方向の長さが長くなってしまい、薄型に構成することが難しい、という欠点があった。また、ステータには内歯と外歯が設けられており、内歯及び外歯がそれぞれマグネットの周方向の同磁極間を1電気角として相互にπずれるように配置されているので、ステップモータの多極化を図る際に1磁極歯あたりの幅及び隙間が狭くなり、部品加工上困難さが増大し、また物理的強度が落ちる、という欠点があった。従って、薄型に構成でき、かつ、多極化にも対応可能なステッピングモータを開発することが望まれていた。
図22及び図23は、従来技術の他の例として特許文献3に開示された2相ステッピングモータを示す図で、図22は2相ステッピングモータの分解斜視図、図23はその組み立て後の断面図である。このステッピングモータは、回転軸403と、この回転軸403に固定され厚み方向に着磁され周方向に交互に異なる磁極が形成された第1の永久磁石401と第2の永久磁石402とを有し、第1の固定子406は、第1の永久磁石401の磁極の両側に対面する一対の磁極歯404,405と、励磁コイル410とを有し、第2の固定子409は、第2の永久磁石402の磁極の両面に対面する一対の磁極歯407,408と、励磁コイル411とを有する。そして、第1の固定子406の磁極歯404,405と第2の固定子409の磁極歯407,408とは周方向に電気角の(1/2)πずれるように位置決めされている。これを磁気回路の構成要素として考えると、第1の固定子406の磁極歯404と第1の永久磁石401と磁極歯405、及び、磁極歯408と第2の永久磁石402と第2の固定子409の磁極歯407の合計6層構造となり、それぞれの固定子とマグネットの間には空気間隔が各相あたり2つ、合計4つある。尚、固定子とは、ステータのことである。
このように特許文献3に記載されているステッピングモータは、多層状に多くの部品により構成されているため、軸方向の長さが長くなってしまい、薄型に構成しにくく、また、部品コストがかさむ、という欠点があった。また、多層状に多くの部品が軸方向に重なっており、磁気特性に大きな影響のあるマグネットとステータの間の空気間隔が4つあり、これらを精度高く組み立てるのは容易ではない。さらに、組み立ての際に多くの部品を順番に中心の回転軸に通す必要があるため、組み立てに時間がかかり、組み立てコストのアップの可能性があった。更に、部品点数が多いので部品加工精度の積み重ねによる組み立て精度の悪化も懸念され、高性能なステッピングモータを構成するのは難しかった。
その他の従来技術として、軸方向に短いステッピングモータが開示されている(特許文献4)。図24は、露光量調節装置の駆動源として具備された、特許文献4に開示のステッピングモータの構成例を示すものであり、マグネット505の軸方向に垂直な面が周方向に分割着磁され、このマグネット505を中心に両側に2つのコイル506,507が配置され、該マグネット505とコイル506,507を軸方向の上下から2つのステータ508,509にて挟み込んで構成されている。これによって、薄型のステッピングモータとしてカメラの露光量調節装置に好適に組み込み可能となる。
しかしながら、この構成例では以下のような点に難があった。つまり、第1に、1相当たりのマグネット505に対向しているステータ508,509の極歯は全円周の半分程度なのでマグネットの持つ有効磁束も半分以下程度しか利用できず、効率的とはいえない。第2に、コイルとステータの接近している部分は上下端でのみなのでコイルの外周への漏れ磁束が多く、効率的とはいえない。第3に、前述のようにマグネットに対向しているステータの極歯は全円周の半分程度なのでそれぞれの励磁相について駆動力の発生する範囲も全円周の半分であり、その駆動力が回転力に変換される際、不要な横方向の力が発生しやすく、ステッピングモータとして振動、騒音、回転むらや位置精度の悪化が懸念される。
特開2002−49076号公報 特公平06−083561号公報 特公平06−083564号公報 特開平02−058035号公報
上記のように従来のアクチュエータやステッピングモータにおいては、部品点数が多くコストアップになる、薄型化しにくい、高効率化が困難である、多極化にも対応しにくい、組み立て性が良くない、といった課題を有していた。
(発明の目的)
本発明の目的は、薄型に構成しながら、多極化にも対応でき、組み立て性が良く、安価で製造できるようにすると共に高性能なステッピングモータを提供しようとするものである。
上記目的を達成するために、本発明は、リング形状でその中心軸に対して垂直方向の少なくとも1つの面が周方向に分割して異なる極に交互に平面着磁された第1のマグネット及び第2のマグネットと、前記第1のマグネットの着磁面に対向する第1のステータと、前記第2のマグネットの着磁面に対向する第2のステータと、回転可能に保持される軸部、軟磁性材料から成り、前記軸部に垂直な面を有する円盤部、軟磁性材料から成り、前記円盤部から前記第1のステータに向かって突出する第1のフランジ部、及び軟磁性材料から成り、前記円盤部から前記第2のステータに向かって突出する第2のフランジ部から成るロータと、前記第1のステータに固定され、該第1のステータ及び前記第1のマグネットが固定されている前記ロータの円盤部を励磁する第1のコイルと、前記第2のステータに固定され、該第2のステータ及び前記第2のマグネットが固定されている前記ロータの円盤部を励磁する第2のコイルとを有し、前記第1のステータ、第2のステータがそれぞれ径方向に延出する複数の磁極歯を有し、前記第1のマグネットと前記第2のマグネットが前記ロータの円盤部の表裏にそれぞれ密着固定され、前記第1のコイルに対してその内周側に前記第1のフランジ部が、その外周側に前記第1のマグネットが、前記第1のステータに接している反対側に前記ロータの円盤部が、それぞれ配置されており、前記第2のコイルに対してその内周側に前記第2のフランジ部が、その外周側に前記第2のマグネットが、前記第2のステータに接している反対側に前記ロータの円盤部が、それぞれ配置されているステッピングモータとするものである。
本発明によれば、薄型に構成しながら、多極化にも対応でき、組み立て性が良く、安価で製造できるようにすると共に高性能なステッピングモータを提供できるものである。
本発明の前提技術であるアクチュエータ及び光量調節装置について、以下の参考技術例1ないし参考技術例4を用いて説明する。
(参考技術例1)
図1ないし図4は本発明の前提技術である参考技術例1に係わるアクチュエータ及び光量調節装置を示す図である。詳しくは、図1はアクチュエータの分解斜視図、図2は図1のアクチュエータを駆動源として組み込まれた光量調節装置の分解斜視図、図3は光量調節装置の軸方向の断面図である。また、図4はマグネットの回転動作の様子を示す図3のB−B視図であり、図4(a)は地板側から見てマグネットが反時計周りに回転した状態の、図4(b)は図4(a)からコイルへの通電を切り換えてマグネットを30度時計回りに回転させた状態の、マグネットとステータのみの図である。
図1ないし図4において、1はリング形状のマグネットであり、その中心軸(仮想軸)と垂直な方向の面を周方向にP分割(Pは偶数であって、参考技術例1ではP=8)してN極とS極に交互に平面着磁された着磁部を有する。ここでは後述のステータ3に対向する面が着磁されており、図4に示すように着磁部1a,1c,1e,1gがS極に、1b,1d,1f,1hがN極に着磁されている。このマグネット1はネオジ系ボンド磁石をコンプレッション成形したものだが、射出成形で形成してもよいし、さらにはフェライト系の材料の磁石で製作してもよい。2は絶縁材料からなるボビンに導線が巻き回られて成るコイルであり、マグネット1の略同心の位置で、該マグネット1の内周面の内側にあって後述のステータ3に固定されている。また、コイル2は端子部2aにより外部と接続される。
3は軟磁性材料から成るステータであり、その中心軸と垂直な方向の面から軸方向に櫛歯形状に突出した磁極歯3a,3b,3c,3dと、後述の軸受4が固定される穴3eを有し、鍛造プレス工程などで製作されている。ここでは磁極歯の数はマグネット1の着磁された極数Pの1/2個で、すなわち4個である。ステータ3の全ての磁極歯3a〜3dはコイル2への通電により同一のN極或いはS極に励磁される。
4は軸受であり、後述のロータ5を滑らかに回転させる為にステータ3の穴3eに固定され、電磁軟鉄などの軟磁性材料の金属を用いて、例えば焼結製法などから作られている。この材料が含油タイプのもであれば望ましいことは言うまでもない。また、底面部4aは摺動性の良いスラスト受け面であり、後述のロータ5の半球部5dと当接して、マグネット1のステータ3に対する軸方向位置を決め、回転中心となっている。平面部4bは後述のロータ5の円盤部5bと接触しない程度に近接して対向している。
5はロータであり、軸受4により回転可能に支持される軸部5a、該軸部5aと直交する面を有する円盤部5b、出力ピン5c、軸部5aの先端に形成された半球部5dから成る。その材料は磁気抵抗の小さい電磁軟鉄などの軟磁性材料からなっている。マグネット1は着磁面の反対側がこのロータ5の円盤部5bに固定されている。出力ピン5cはロータ5の回転を後述の羽根に伝達するものであり、後述の地板6の切欠き部6dより突出している。半球部5dは、マグネット1とステータ3の磁極歯の間に発生する軸方向の吸引力により前記マグネット1に固定されているロータ5がステータ3に固定された軸受4の底面部4aとの間に生じる摩擦力を、最小に抑えることができるようにその表面が円滑に仕上げられている。
6は後述の羽根7,8がその平面上を回動するアクチュエータの地板であり、開口部6aを有する。6b,6cはそれぞれ後述の羽根7,8の回動の中心となる支持軸である。6dはロータ5の出力ピン5cの回動の範囲を制限し、羽根7,8の開き位置、及び閉じ位置をその端部で決定する切欠き部である。その材料は例えばエンジニアリングプラスチックからなる成型品である。
7,8はロータ5の出力ピン5cの回転に連動し、地板6の開口部6a上を回動(進退)してその通過する光量を調節する光量調節部材である羽根であり、地板6の支持軸6b,6cにその回転中心の穴7a,8aが嵌合され、長穴7b,8bに出力ピン5cが挿入されて開口部6aの開閉を行う。9は開口部9aを有する押さえ板である。
次に、上記構成におけるアクチュエータについて説明する。図3の断面図(断面を示すハッチングは略している)のように、軸受4及びコイル2が固定されたステータ3、マグネット1が円盤部5bに貼り合わされたロータ5の、上下の2つのユニットとなっている。マグネット1の着磁面とステータ3の各磁極歯との空気間隔をギャップAとすると、その距離はロータ5が回転しても各磁極歯に接触しない最低限の余裕を持てばよい。一方、マグネット1はステータ3の各磁極歯に軸方向において対向しているのでロータ5全体は常にステータ3側に吸引されている。従って、ステータ3に固定された軸受4の底面部4aにロータ5の半球部5dが回転摩擦が少ない状態で常に当接していることになり、ギャップAは常に一定の距離に精度良く保持されることになる。
図4(a)に示すLはステータ3の磁極歯と磁極歯の角度ピッチであり、Mはマグネット1の各着磁部の幅を示す中心角度である。Lは360度×2/Pであり、ここでは90度である。また、Mは360度/Pであり、ここでは45度である。また、図4(a)ではロータ5が反時計周りに回転して出力ピン5cが地板6の切欠き部6dの端面に当接して停止している。図4(b)は図4(a)とは反対に、ロータ5が時計回りに回転して出力ピン5cが地板6の切欠き部6dの反対側端面に当接して停止している。
参考技術例1のアクチュエータにおける磁気回路について、図3を参照しながら説明する。
内周にあるコイル2に通電すると該コイル2の周囲に磁束が発生し、この磁束は、コイル2の近傍の、ステータ3のマグネット1の着磁面に対向している櫛歯形状の磁極歯3a,3b,3c,3dに達し、ここからロータ5の円盤部5bに向けてマグネット1を通過する。その後、ロータ5の円盤部5bの中心へ向かって通過し、円盤部5bが対向する軸受4の平面部4bとロータ5の軸部5aの断面積を合わせた断面を通過し、軸受4からステータ3へ流れ、磁束が一順する。なお、前記のように磁束が軸受4の平面部4bとロータ5の軸部5aの断面積を合わせた断面を通過するようにしているのは、磁束の流れる方向と垂直方向の断面積が小さいとその部分で磁気飽和しやすくなるが、ロータ5の軸部5aのみでは前記断面積が小さいので、これを防ぐためである。すなわち、ロータ5の軸径と軸受4の径を合わせて磁路とし、軸受4の先端面である平面部4bの直径部分へ直接、近接している円盤部5aから磁束が流れるようにして、この部分を磁気抵抗の低い磁路として利用することで磁気飽和を起きにくくしている。また、ステータ3及びロータ5の円盤部5bと軸受4、は全てSUY(電磁軟鉄)などの磁気抵抗の小さい軟磁性材料で作られているので磁気損失は小さい。
ここで、省スペースで、高トルクを得ることが可能な構成であることについて説明する。一般に供給するエネルギーの量を変えずにアクチュエータのトルクを増大させる為には高い磁力を有するマグネットを選択し、これを磁束の流れる空間、すなわち、磁路の開いている磁界の中に置く必要がある。一方で磁気回路の中で開いている部分はそこが広いほど大きな磁気抵抗となるので、この部分は極力狭い方が有利である。本実施例1におけるマグネット1は平面着磁(軸と垂直な面側の周方向に交互に着磁)されているので、一定以上のマグネットの厚さの増加は磁力の増加と比例しない。つまり、薄型でも充分な磁力を有するので例えば製造上、組み立て上、十分な物理的強度を満足する程度まで薄くすることができる。従って、参考技術例1において、マグネット1とステータ3の間のギャップAは、組み立て、加工精度により回転体と固定体の最小限必要な距離にすればよく、またマグネット1と円盤部5b側は直接接していて、ギャップがない。
また、参考技術例1のアクチュエータにおいては、ステータ3の板厚とロータ5の円盤部5bの厚さと回転に伴う最低限の隙間を除いては、コイル2のスペースにすることができるので、マグネット1は前述のようにそれほどの厚さは必要が無い場合が多いので該マグネット1は必要な厚さとし、ステータ3の磁極歯3a〜3dをマグネット1側に突出させてこれら磁極歯3a〜3dからロータ5の円盤部5bまでの空気間隔も充分に狭くしてあり、磁気抵抗は小さい。従って、コイル2に流す電流を少なくしても多くの磁束を発生させることができ、マグネット1からの高い反発、吸引力を利用できるので、薄型のままで出力が高い、高効率なアクチュエータとなる。これにより、参考技術例1におけるアクチュエータは、コイル2、ステータ3、円盤部5b及びステータ3の軸受4から成る磁気回路の損失は小さい上に、デッドスペースが無くコイル2の巻線を最大に巻くことができる、巻線数を増やすことができるので、スペースあたりの得られるトルクは大きく、効率が高いモータとなる。
次に、図4(a)、図4(b)において、マグネット1の回転動作とステータ3との関係について説明する。マグネット1の着磁面は紙面の反対側で、磁極歯3a〜3dと対向しているので、図では、1a(裏面S極)などとして示している。理解を容易にする為にコイル2などは不図示としている。
コイル2への無通電時には、図4(a)に示すようにマグネット1はまず反時計回りに回転した位置で停止している。この状態では出力ピン5cが反時計回りに回転した位置であり、羽根7は支持軸6cを回転中心にして反時計回りに回動した状態、羽根8は支持軸6bを回転中心にして時計回りに回動した状態、すなわち、地板6の開口部6aを閉じてシャッタ閉の状態にある。この状態からコイル2に例えば正通電して、ステータ3の磁極歯3a〜3dをS極に励磁すると、マグネット1は回転方向の電磁力を受け、該マグネット1は時計回りにスムーズに回転し始める。そして所定の回転角度となると地板6の切欠き部6dによりSの回転が停止させられ、所定のタイミングでコイル2への通電が断たれる。この状態が図4(b)の状態である。これにより、羽根7は支持軸6cを回転中心にして時計回りに回動し、羽根8は支持軸6dを回転中心にして反時計回りに回動し、地板6の開口部6aから完全に退避して、シャッタ全開の状態となる。
次に、図4(b)の状態からコイル2への通電を反転させ、ステータ3の磁極歯3a〜3dをN極に励磁すると、磁極歯3a〜3dの励磁によりマグネット1は回転方向の電磁力を受け、該マグネット1は反時計回りにスムーズに回転し始める。そして、回転角度が所定の回転角度となると地板6の切欠き部6dにより回転が停止させられ、所定のタイミングで前記コイル2への通電が断たれる。この状態が図4(a)の状態である。これにより、羽根7は支持軸6cを回転中心にして反時計回りに回動し、羽根8は支持軸6dを回転中心にして時計回りに回動し、地板6の開口部6aを完全に閉じた、シャッタ閉の状態に戻る。
上記のように、コイル2への通電方向を切り換えることにより、光量調節装置は開口部を通過する光束を開閉するシャッタ機構として機能する。
以上説明したように、参考技術例1における構成では、効率を落とすことなく、軸方向に薄いアクチュエータとなる。その磁気的構成要素は、軸方向に順に、a)ステータ3(磁極歯3a〜3d)、b)マグネット1及び内周のコイル2、c)ロータ5の円盤部5bとなって、薄型に構成できる。
また、常に軸方向の吸引力が作用しているので、ロータ5が軸受4と反対方向に抜けにくく、1つの軸受4で軸方向と径方向の位置決めを行え、軸方向反対側への簡易的な抜け止めとする構成にできる。
ここで、このような原理的にマグネットとコイルとステータを有する構成のアクチュエータが、高トルクで、部品点数が少ない為に部品を低コストかつ薄型に構成できることについて述べる。
第1に、リング形状のマグネット1を軟磁性材料で作られたロータ5の円盤部5bの面に固定し、かつ、コイル2により励磁されるステータ3をマグネット1の着磁面に対向させ、結果として、ステータ3とマグネット1の空気間隔を1つのギャップのみで構成したこと、
第2に、マグネット1の仮想の中心軸に対して垂直方向の面が分割して異なる極に交互に着磁(平面着磁)されていること、
第3に、ステータ3の磁極歯3a〜3dを軸方向に延出する櫛歯形状としてコイル2を抱きかかえつつ、極力ロータ5の円盤部5b側との間隔を短くする形状とし、これを全円周に配置して構成していること、
第4に、マグネット1を外側(外周側)に配置し、その内周面の内側にコイル2を略同軸上で概略同じ高さに配置していること、
第5に、ステータ3に設けられた磁極歯3a〜3dはマグネット1に着磁された磁極の数の1/2であること、
第6に、ロータ5の軸受4は、吸引力の発生しているステータ3側の1つで構成していること、である。
上記の構造ゆえ、コイル2への通電により発生する磁束は、ステータ3とロータ5の円盤部5bの間にあるマグネット1を横切るので効果的に電磁力を発生する。また、マグネット1とロータ5の円盤部5bが一体となって構成されており、コイル2はステータ3に固定され、結果として、ステータ3とマグネット1の空気間隔を1つのギャップのみで構成したので部品点数が少ない上、全体としてはこの三つの部分から構成され、組み立てが容易で、組み立てコストを低くできる。さらに、マグネット1の材料であるボンド磁石などは一般的に割れ易いので電磁軟鉄などからなるロータ5に貼り合わせることにより、機械的強度が増すことができる。更に、同時にロータ5の円盤部5bがバックメタルとして機能するので磁気的に安定した状態に保持でき、磁気的強度も増大し、温度変化による磁力低下が少なくなる。
また、マグネット1が軸方向に垂直な面に着磁されているので、円筒の外周面に着磁したマグネットを使用するアクチュエータに比べて薄型に構成できる。また、ステータ3は軸方向へ延出して構成しているので、コイル2の巻線高さを大きくしてもマグネット1とステータ3の距離を短くでき、磁気抵抗が小さい。また、このアクチュエータの構成では、内歯と外歯が対になってマグネットと対向し磁束の受け渡しをするのではなく、1個の磁極歯に対してマグネットへ磁束を流す方式なので、磁極歯の数は1相あたりマグネットに着磁された磁極の数の1/2でよく、従来の着磁極数と同数必要なアクチュエータに比べて、特にアクチュエータを多極化する場合に磁極歯の幅及び隙間に関する加工性や機械的強度の点で有利である。
また、マグネット1をアクチュエータであるモータの内部で最も外側(外周側)に配置したので、該マグネット1の半径が大きくなり、発生する力を大きなトルクに変換するのに有利である。また、同様の観点から余り半径の小さい部位にマグネットが存在しても全体として発生トルクに寄与する割合が小さいのでマグネット1の軸方向に垂直な平面上での幅は狭くし、その分、マグネット1の内側に配置したコイル2の体積を増やすことでバランスのスペース効率が良く、アクチュエータの特性を向上させることができる。さらに、マグネット1と同じ高さにコイル2を配置しているので軸方向の高さを増加させることなく薄型に構成できる。
また、ステータ3は全円周に渡って均等なピッチで磁極歯3a〜3dを備えているのでマグネット1と対向する面積も大きくすることができ、該マグネット1の磁束を最大限に利用可能である。また、軸受4が軟磁性材料で構成されているのでこの部分を通過する磁束が飽和しにくく、効率の低下がない。
また、コイル2の周囲を軟磁性材料のステータ3などで囲っているので、磁気回路からの漏れ磁束の少なく、効率の低下がない。又駆動力が発生する範囲も全周に渡っているので駆動力が回転トルクに変換される際に不要な横方向の力が発生しにくく、アクチュエータとして、振動、騒音、回転むらが起きにくい。これにより、停止位置精度のよいアクチュエータとなる。
さらに、参考技術例1では、マグネット1とステータ3とコイル2という電磁駆動装置の最小限の要素に、出力軸であるロータ5と軸受4を追加した構成なので、部品点数が少なく、かつ、それぞれが単純で製作しやすい平板形状なので製作コストが安いものとなる。
更に、常にロータ5とステータ4の間には軸方向の吸引力が作用しているので、ロータ5が軸受4と反対方向に抜けにくい。従って、ステータ3側に設けた1つの軸受4でロータ5の軸方向と径方向の位置決めを行い、軸方向反対側へは簡易的なロータ5の抜け止め部をカバーなどに設ける構成にできる。また、出力ピン5cなどの出力部の構成を工夫し、被駆動部材側からの反作用をロータ5の吸引力以下に設定することにより、カバーなどの抜け止め部材を省力することができ、よりアクチュエータの薄型化を実現可能となる。
(参考技術例2)
図5に本発明の前提技術である参考技術例2に係わるアクチュエータの斜視図を示す。上記参考技術例1と異なる点のみ説明する。
上記参考技術例1においてはステータ3と軸受4はどちらも軟磁性材料により構成していた。本発明の実施例2では、これらを一体的に構成して、軸受部13eを有するステータ13としている。このような構成は、例えば鍛造や絞り加工或いはメタルインジェクションモールド製法により実現できる。
図5において、ステータ13には磁極歯13a〜13dのみならず、軸受部13eを有し、ロータ5を滑らかに回転させるように作用する。これにより、参考技術例1のように軸受とステータを組み立てる工程が不要となり、更なるコストダウンを図ることができる。また、2部品が別体の場合、アクチュエータの特性を決定するマグネットとステータの磁極歯の距離は、マグネット→ロータ→軸受→ステータという4つの部品がその精度に関係している。これに対し参考技術例2では、軸受とステータの一体化により、マグネット→ロータ→軸受付きステータ、と部品点数が減少し、かつ、軸受とステータの間の組み立て誤差、ばらつきが除外されるので、より高い精度でマグネット1とステータ13の各磁極歯13a〜13dの距離が決定され、結果としてこの距離を、より高いトルクを発生させることが可能な、より狭い距離とすることができる。
また、地板が専用でない場合に、14のようなカバーが考えられる。カバー14はロータ5の回転角度の規制を行う切欠き部14aを有し、非磁性体の例えばプラスチックなどで作られ、ステータ13と同軸に配置され、ロータ5の脱落防止及びアクチュエータの内部への異物の侵入を防ぐことができる。また、このカバー14にネジなどによる取り付け穴などを設けることにより、アクチュエータを汎用品とすることができる。その他の部分は上記参考技術例1と同様なのでその説明は省略する。
(参考技術例3)
図6は、上記参考技術例1及び参考技術例2に対してロータの軸をステンレス鋼棒などとした、参考技術例3に係わるアクチュエータの軸方向の断面図である。
光量調節装置の特性により磁束の発生がそれほど多くなく、ロータ16の円盤部16aとステータ3への間の磁束の通過の際、磁気飽和が懸念されない場合はロータ16の軸15を例えばステンレス鋼棒とし、円盤部16a等を軟磁性材料を使用してステンレス軸を圧入などで製作する。その他の部分は上記参考技術例1と同様なのでその説明は省略する。
コイル2の周囲に発生した磁束は、コイル2の近傍のステータ3→マグネット1→ロータ16の円盤部16b→軸受4の平面部4b→軸受4→ステータ3と流れる。これにより、ロータ16の円盤部16bは軟磁性材料のプレス加工などにより安価に製造でき、磁気回路とならないロータ16の回転中心となる軸15は単体で安価な棒材料を使用でき、装置全体として安価なものとなる。
(参考技術例4)
図7及び図8は、上記参考技術例1及び2に対して、異物の侵入防止及びアクチュエータの取り付けを目的とした非磁性体で製作したカバー18の一部に、軟磁性材料の擬似ヨーク17をインサート成型などの方法で組み込んだ、アクチュエータのコギング特性を改善する本発明の参考技術例4に係わるアクチュエータの断面図及びマグネットとステータ、擬似ヨークのみを示した上面図である。
非磁性体として一般的なエンプラと呼ばれる高機能プラスチックでケース18を成型し、外周の一部に電磁軟鉄などの擬似ヨーク17を配置している。擬似ヨーク17の位置はマグネット1の着磁面とステータ3が対向する位置の外側であり、マグネット1からの漏れ磁束を拾いながら、かつ、コイル2により励磁される磁束からは影響のないようにステータ3とは接触しない位置である。
上記のカバー18にインサートすることで、マグネット1に対しては吸引力が作用し、励磁されるコイル2からの影響は少ない位置に擬似ヨーク17を配置することができる。また、マグネット1が8極の場合、例えば外径側に8個の擬似ヨーク17を等分配置して無通電時のコギング特性を変化させることができる。例えば図8の位相に擬似ヨーク17を配置すると、ロータ5の待機位置における保持力を増大させることができる。すなわち、ステータ3が励磁される場合以外にマグネット1に作用するトルク、いわゆるコギングトルクをアクチュエータの特性に合わせて調整することができる。詳しくは、コイル2に通電した際のロータ5の回転特性を変化させずに、該ロータ5の回転の開始位置と終端位置におけるロータ5の保持トルクを増大させることができ、それにより参考技術例4の構成のアクチュエータを採用した光量調節装置(光量調節に関する羽根等の部材は不図示)においては、地板の開口部を開閉する羽根の開き位置と閉じ位置における安定性を向上させることができる。その他の部分は上記参考技術例1及び2と同様なので、その説明は省略する。
上記説明した構成のアクチュエータの技術を応用してステッピングモータとした、本発明の実施例ないし3について、以下に説明する。
図9ないし図14は本発明の実施例1に係わるステッピングモータを示す図であり、詳しくは、図9はステッピングモータの分解斜視図、図10はステッピングモータの軸方向の断面図、図11はマグネットとステータの位相関係を示す側面視の模式図、図12は図11の状態からコイルへの通電を切り換えてマグネットを18度回転させた状態を示す側面視の模式図である。また、図13は図12の状態からコイルへの通電を切り換えてマグネットを18度回転させた状態を示す側面視の模式図、図14は図13の状態からコイルへの通電を切り換えてマグネットを18度回転させた状態を示す側面視の模式図である。
図9から図12において、21はリング形状の第1のマグネットであり、その中心軸と垂直な向の面に周方向にP分割(Pは偶数であって、本実施例5ではP=10)してN極とS極に交互に平面着磁された着磁部からなる。ここでは第1のステータ23に対向する面が着磁されており、着磁部21a,21c,21e,21g,21i(21e,21g,21iは不図示)はS極に、21b,21d,21f,21h,21j(21f,21hは不図示)はN極に着磁されている。この第1のマグネット21はネオジ系ボンド磁石をコンプレッション成形したものだが、射出成形で形成してもよいし、さらにはフェライト系の材料の磁石で製作してもよい。27は第2のマグネットであり、上記第1のマグネット21と同一部品で構成されている。すなわち、第2のマグネット27は、第2のステータ29に対向する面が着磁されており、着磁部27a,27c,27e,27g,27i(27e,27g,27iは不図示)はN極に、27b,27d,27f,27h,27j(27f,7hは不図示)はS極に着磁されている。
22は第1のコイルであり、絶縁材料からなるボビンに導線が巻線してあって、第1のマグネット21の略同心の位置で、第1のマグネット21の内周面の内側にあって第1のステータ23に固定されている。28は第2のコイルであり、上記第1のコイル22と同一部品より構成される。
23は軟磁性材料から成る第1のステータであり、中心軸に垂直な方向に延出する櫛歯形状の磁極歯23a,23b,23c,23d,23eと後述の第1の軸受24を支持する穴、及び、ケース25の位相合わせの切欠き52aと磁極歯の位相を合わせる為の突起部が打ち抜きプレス工程などで製作されている。ここでは磁極歯の数は第1のマグネット21の着磁された極数Pの1/2個で、すなわち5個である。第1のステータ23の全ての磁極歯23a〜23eは第1のコイル22への通電により同一のN極或いはS極に励磁される。29は第2のステータであり、上記第1のステータ23と同一部品により構成される。すなわち第2のステータ29は、軟磁性材料からなり、中心軸に垂直な方向に延出する櫛歯形状の磁極歯29a,29b,29c,29d,29e、後述の第2の軸受30を支持する穴、及び、ケース25の位相合わせの切欠き25bと磁極歯の位相を合わせる為の突起部が打ち抜きプレス工程などで製作されている。ここでは磁極歯の数は第2のマグネット27の着磁された極数Pの1/2個で、すなわち5個である。第2のステータ29の全ての磁極歯29a〜29eは第2のコイル28への通電により同一のN極或いはS極に励磁される。
24は第1の軸受であり、ロータ26を滑らかな回転摺動させる為に第1のステータ23に固定され、電磁軟鉄などの軟磁性材料の金属を用い、焼結製法などから作られている。また、スラスト受け面を有し、ロータ26のフランジ部26bのスラスト受面と当接可能であり、結果として、第1のマグネット21及び第2のマグネット27の第1のステータ23及び第2のステータ29に対する軸方向位置を決めている。30は第2の軸受であり、上記第1の軸受24と同一部品により構成されている。すなわち第2の軸受30は、第2のステータ29に固定され、電磁軟鉄などの軟磁性材料の金属を用い、焼結製法などから作られている。また、スラスト受け面を有し、ロータ26のフランジ部26bのスラスト受面と当接可能であり、結果として、第1のマグネット21及び第2のマグネット27の第1のステータ23及び第2のステータ29に対する軸方向位置を決めている。
25は軟磁性材料から成るケースであり、第1のステータ23と第2のステータ29を所定の位相となるように結合する切欠き25a,25bと、第1のステータ23と第2のステータ29を所定の同軸度に固定する段差部を有している。ここではその切欠き25aと25bの位相のずれ角度は360度/2Pで18度回転した位置になっており、これにより第1のステータ23と第2のステータ29は回転方向で18度ずれて組み立てられる。
26はロータであり、第1の軸受24と第2の軸受30により回転可能に支持される軸部と該軸部に垂直な面を有する円盤部26a、フランジ部26bからなる。その材料は磁気抵抗の小さい電磁軟鉄などの軟磁性材料からなっている。第1のマグネット21と第2のマグネット27は、互いに異なる極同士を対向させて、このロータ26に固定されている。すなわち、例えば図11にあるように、第1のマグネット21の着磁面21aのS極の、ロータ26の円盤部26aを挟んで反対側には、第2のマグネット27の着磁面27aのN極となるように貼り合わされている。また極と極の境界は合致している。実際にこの2つのマグネットが固定されたロータマグネットを作成する際、磁性材料からなる円盤形状のブランクをあらかじめロータ6の表裏に貼り合わせ、これを着磁装置にセットして着磁を行ってマグネットに磁極を形成することができる。この方法によれば、2つのマグネットには着磁装置の着磁ヨークの配置、ワークの固定位置精度により磁極の位相が決定するので2つの磁極の位相合わせなどの工程が省略できる。また、ここではロータ26に貼り合せた後に着磁しているが、あらかじめ着磁された2つのマグネットをロータ26に貼りあわせる方法を用いても良い。
なお、本実施例1のステッピングモータは、上記参考技術例1及び2に示したアクチュエータを軸方向の2層に積層した形だが、マグネットが取り付けられたロータはA相とB相の2つの磁気回路をロータの内部において共有しているので一般にはステータにあたる円盤形状部分は2個分を1つの円盤として利用し、部品を削減している。磁束は磁路の中で最も磁気抵抗の小さい部分、すなわち、形状的には近道を通過する特性がある。つまり、円盤の板厚方向ではそれぞれの相のマグネットが取り付けられている側の面の表層から通過していることになり、円盤に所定の厚さがあればそれぞれの磁気回路の磁束は干渉しにくい。
(作用の説明)
図10の断面図(断面を示すハッチングは略している)のように、第1の軸受24及び第1のコイル22が固定された第1のステータ23、第1のマグネット21と第2のマグネット27が両面(表裏)に貼り合わされたロータ26、第2の軸受30及び第2のコイル28が固定された第2のステータ29の上、中、下の3つのユニットとなり、第1の軸受24と第2の軸受30のそれぞれのスラスト面の距離は、第1のステータ23と第2のステータ29がケース25の段差部に密着固定されることで所定の間隔となり、それはロータ26の上下のフランジ部26bの間隔に回転に必要な最低限の余裕を加えた距離である。よって、第1のマグネット21と第1のステータ23とのギャップC、及び、第2のマグネット27と第2のステータ29とのギャップDも、それぞれ一定の間隔となっている。従って、ギャップとギャップの2つだけの空気間隔を精度良く管理すれば良いので、組み立てが困難になることはない。また、図11にはロータ26を第1の軸受24側に移動した状態を示しているが、これは所定のギャップCとギャップDに加え、モータとしての軸ガタ(エンドプレイ)を加えたものである。
図11に示すように、第1のステータ23の磁極歯23a等と第2のステータ29の磁極歯29a等はPHsの角度だけ回転方向にずれている。第1のマグネット21と第2のマグネット27の着磁角度の位相は同一にしている。ここで、L1は各ステータの磁極歯と磁極歯の角度ピッチであり、Mは各マグネットの着磁幅の角度である。L1は360度×2/Pで、ここでは72度である。また、Mは360度/Pで、ここでは36度である。従って、PHsはL1/2で、18度である。
ここで、第1のマグネット21、第1のコイル22、第1のステータ23、円盤部26a及び第1の軸受24を、A相のユニットと称し、第2のマグネット27、第1のコイル28、第2のステータ29、円盤部26a及び第2の軸受30を、B相のユニットと称することにする。
まず、A相のユニットにおける磁気回路について、図10の断面図を参照しながら説明する。内周にある第1のコイル22に通電すると該第1のコイル22の周囲に磁束が発生し、この磁束は、第1のコイル22の近傍の、第1のステータ23の第1のマグネット21の着磁面に対向している櫛歯形状の磁極歯23a,23b,23c,23d,23eに達し、ここから第1のマグネット21の反対側にあるロータ26の円盤部26aに向けて第1のマグネット21を通過する。その後、ロータ26の円盤部26aから内周のフランジ部26bとロータ26の軸部を通過し、第1の軸受24から第1のステータ23へ流れ、磁束が一順する。第1のステータ23及びロータ26の円盤部26aとフランジ部26b、第1の軸受24はSUY(電磁軟鉄)などの軟磁性材料で作られているので磁気損失は小さい。また、第1のマグネット21は平面着磁されているので、厚さを増さなくとも充分な磁力を有するので薄くすることができる。第1のマグネット21と第1のステータ23の間のギャップCは、組み立て、加工精度により回転体と固定体の最小限必要な距離にすればよく、第1のマグネット21と円盤部26a側は直接、接していてギャップがないので第1のステータ23からロータ6の円盤部26aまでの空気間隔ギャップCは充分に狭く、磁気損失は小さい。以上により、第1のコイル22、第1のステータ23、円盤部26a及び第1の軸受24から成る磁気回路の損失は小さい。
次に、B相のユニットにおける磁気回路について、図10の断面図を参照しながら説明する。内周にある第2のコイル28に通電するとコイルの周囲に磁束が発生し、この磁束は、コイルの近傍の第2のステータ29の、第2のマグネット27の着磁面に対向している櫛歯形状の磁極歯29a,29b,29c,29d,29eに達し、ここから第2のマグネット27の反対側にあるロータ26の円盤部26aに向けて第2のマグネット27を通過する。その後、ロータ26の円盤部26aから内周のフランジ部26bとロータ26の軸部を通過し、第2の軸受30から第2のステータ29へ流れ、磁束が一順する。第2のステータ29及びロータ26の円盤部26aとフランジ部26b、第2の軸受30はSUYなどの軟磁性材料で作られているので、磁気損失は小さい。また、第2のマグネット27は平面着磁されているので、厚さを増さなくとも充分な磁力を有するので薄くすることができる。第2のマグネット27と第2のステータ29の間のギャップDは、組み立て、加工精度により回転体と固定体の最小限必要な距離にすればよく、また第2のマグネット27と円盤部26a側は直接、接していてギャップがないので第2のステータ29からロータ6の円盤部26aまでの空気間隔ギャップDは充分に狭く、磁気損失は小さい。以上により、第2のコイル28、第2のステータ29、円盤部26a及び第2の軸受30からなる磁気回路の損失は小さい。
従って、コイルに流す電流を少なくしても多くの磁束を発生させることができ、マグネットからの高い反発、吸引力を利用するので薄型のままで出力が高い、高効率なステッピングモータとなる。
(回転動作の説明)
図11ないし図14は、上記したように図9及び図10に示すステッピングモータの12つのマグネットと2つのステータの位相関係を示す側面視の部分図であり、理解を容易にする為にコイルなどは図11ないし図14では不図示としている。以下、図9〜図14を用いてステッピングモータの回転駆動について説明する。
図11の状態は、第1のコイル22に対して正通電することにより、第1のステータ23の磁極歯23a,23b,23c,23d,23eをN極とし、同時に第2のコイル28に対して正通電して第2のステータ9の磁極歯29a,29b,29c,29d,29eをS極とした場合を示す。このとき、第1のマグネット21の上面側がS極に着磁された着磁部21a,21c,21e,21g,21iの中心が第1のステータ23の磁極歯23a〜23eそれぞれの中心に向かう回転力が発生する(図11の矢印Rの方向)とともに、第2のマグネット27の下面側のN極に着磁された着磁部27a,27c,27e,27g,27iの中心が第2のステータ29の磁極歯29a〜29eの中心に向かう回転力が発生し(図11の矢印Rの反対方向)、図11の状態で回転方向のバランスを保って静止する。
次に図11の状態から、第1のコイル22への正通電を維持しながら、すなわち第1のステータ23の磁極歯23a〜23eをN極とし、第2のコイル28への通電を逆通電に切り換えると、第2のステータ29の磁極歯29a〜29eはN極となり、第2のマグネット27は下側面のS極に着磁された着磁部27b,27d,27f,27h,27jが第2のステータ29の磁極歯29a〜29eの中心に向かう回転力が発生し、図中矢印R方向に回転を始める。そして、図12に示す状態でバランスを保って静止する。この状態は、図11の状態から第1のマグネット21及び第2のマグネット27、すなわちロータ26が矢印R方向に18度回転した状態である。
次に図12の状態から、第2のコイル28への逆通電を維持しながら、すなわち第2のステータ29の磁極歯29a〜29eをN極とし、第1のコイル22への通電を逆通電に切り換え、第1のステータ23の磁極歯23a〜23eはS極となり、第1のマグネット21は上側面のN極に着磁された着磁部21b,21d,21f,21h,21jが第1のステータ23の磁極歯23a〜23eの中心に向かう回転力が発生し、図中矢印R方向に回転を始める。そして、図13に示す状態でバランスを保って静止する。この状態は、図12の状態から第1のマグネット21及び第2のマグネット27、すなわちロータ26が矢印R方向に18度回転した状態である。
次に図13の状態から、第1のコイル22への逆通電を維持しながら、すなわち第1のステータ23の磁極歯23a〜23eをS極とし、第2のコイル28への通電を正通電に切り換えると第2のステータ29の磁極歯29a〜29eはS極となり、第2のマグネット27は下側面のS極に着磁された着磁部27b,27d,27f,27h,27jが第2のステータ29の磁極歯29a〜29eの中心に向かう回転力が発生し、図中矢印R方向に回転を始める。そして、図14に示す状態でバランスを保って静止する。この状態は、図13の状態から第1のマグネット21及び第2のマグネット27、すなわちロータ26が矢印R方向に18度回転した状態である。
上記のように、第1のコイル22及び第2のコイル28への通電方向を順次切り換えていくことにより、第1のマグネット21及び第2のマグネット27、すなわちロータ26は通電位相に応じた位置へと順次回転することになる。
このように本実施例1で説明した構成では、効率を落とすことなく、軸方向に薄いステッピングモータとなる。その磁気的構成要素は、軸方向に順に、a)A相ステータ(磁極歯)、b)A相マグネットとA相コイル、c)A,B相共通ロータ円盤部、d)B相マグネットとB相コイル、e)B相ステータ(磁極歯)、となって薄型に構成できる。
ここで、このような原理的にマグネットとコイルを上下からステータで挟み込む構成を積層して構成した2相のステッピングモータが、部品点数が少ない為に部品を低コストかつ薄型に構成でき、又軸方向に重ねる層が少ない為に組み立てが容易な構成であることについて述べる。
第1に、参考技術例1および2に示したアクチュエータを軸方向2層に積層し、2つのマグネットは1つのロータに固定し、A相とB相の2つの磁気回路の一部を1つのロータの内部において共有していること、
第2に、円盤形状の第1のマグネット21と第2のマグネット27の2つのマグネットを軟磁性材料で作られたロータ26の円盤部26aに固定し、かつ、第1のコイル22により励磁される第1のステータ23、第2のコイル28により励磁される第2のステータ28をそれぞれ第1のマグネット21及び第2のマグネット27の着磁面に対向させ、結果としてステータとマグネットの空気間隔をA相とB相で各1箇所、合計2つのギャップのみで構成したこと、
第3に、第1のマグネット21及び第2のマグネット27の回転中心である軸に対して垂直方向の面が分割して異なる極に交互に着磁していること、
第4に、第1のステータ23、第2のステータ29の各磁極歯を半径方向に延出する櫛歯を全円周に配置して構成していること、
第5に、第1のマグネット21と第2のマグネット27の磁極の位相を同一にロータ26に取り付け、第1のステータ23と第2のステータ8の磁極歯の位相を360°を着磁極数の2倍で除した角度だけずらしてケースにとりつけてあること、
第6に、第1のマグネット21及び第2のマグネット27を装置の外側に配置し、その内周面の内側に第1のコイル22及び第2のコイル28を略同軸上で概略同じ高さに配置していること、
第7に、第1の軸受24及び第2の軸受30を軟磁性材料により製作していること、
第8に、第1のステータ23及び第2のステータ29のそれぞれに設けられた磁極歯はマグネットに着磁された磁極の数の1/2であること、である。
上記の構造ゆえ、参考技術例1及び2に示したアクチュエータと同様な構成のものを軸方向2層に積層して2相駆動のステッピングモータとしたものでありながら、ロータは一部品であって部品点数が少ない。また、磁束は磁路の中で最も磁気抵抗の小さい部分、すなわち、形状的には近道を通過する特性があり、ここでは円盤の板厚方向ではそれぞれの相のマグネットが取り付けられている側の面の表層から通過するので、それぞれの磁気回路の磁束は干渉が少ない。
また、第1のコイル22への通電により発生する磁束は、第1のステータ23とロータ26の円盤部26aの間にある第1のマグネット21を横切るので効果的に電磁力を発生する。また、第2のコイル28への通電により発生する磁束は、第2のステータ29とロータ26の円盤部26aの間にある第2のマグネット27を横切るので効果的に電磁力を発生する。また、第1のマグネット21とロータ26の円盤部26aと第2のマグネット27が一体となって構成されており、第1のコイル22は第1のステータ23に固定され、第2のコイル28は第2のステータ29に固定されており、結果として、ステータとマグネットの空気間隔をA相とB相で各1箇所、合計2つのギャップのみで構成したので部品点数が少ない上、全体としてはこの3つの部分から構成され、組み立てが容易で組み立てコストを低くできる。また、ロータ26の円盤部26aの表裏に2つのマグネットを固定する構造なので、着磁前の磁性材料の2つのブランクをロータ26に固定後、それらを着磁装置において着磁加工を行うことが出来るので、着磁済のマグネットを位相を調整しながら貼り合わせる必要が無く、組み立てが容易になる。また、マグネットの材料であるボンド磁石などは一般的に割れ易いので電磁軟鉄などからなるロータ26に貼り合わせることにより機械的強度が増す。また、同時にロータ26の円盤部26aがバックメタルとして機能するので磁気的に安定した状態に保持でき、磁気的強度も増大し温度変化による磁力低下が少なくなる。
また、マグネット21が軸方向に垂直な面に着磁されているので、円筒の外周面に着磁したマグネットを使用するステッピングモータに比べて薄型に構成できる。また、第1のステータ23、第2のステータ29は全て半径方向に延出する櫛歯形状により構成されるため、軸方向へ延出して構成されるものに比べて軸方向に関する寸法は小さく構成できる。またこのステッピングモータの構成では内歯と外歯が対になってマグネットと対向し磁束の受け渡しをするのではなく、1個の磁極歯に対してマグネットへ磁束を流す方式なので、磁極歯の数は1相あたりマグネットに着磁された磁極の数の1/2でよく、従来の着磁極数と同数必要なステッピングモータに比べて、特にステッピングモータを多極化する場合に磁極歯の幅及び隙間に関する加工性や機械的強度の点で有利である。
また、マグネットをモータの内部で最も外側(外周側)に配置したのでマグネットの半径が大きくなり、発生する力を大きなトルクに変換するのに有利である。また、同様の観点から余り半径の小さい部位にマグネットが存在しても全体として発生トルクに寄与する割合が小さいのでマグネットの軸方向に垂直な平面上での幅は狭くし、その分、マグネットの内側に配置したコイルの体積を増やすことでバランスのスペース効率が良く、ステッピングモータの特性を向上させることができる。さらに、マグネットと同じ高さにコイルを配置しているので軸方向の高さが増加することなく薄型に構成できる。
また、2つのマグネットの着磁の位相を同一とし、2つのステータの位相を、360度を着磁極数の2倍で除した角度だけずらすことで2相ステッピングモータとしているので、2つの磁性材料をロータに取り付けた状態で一度に着磁することで2つのマグネットとすることができる。また、第1のコイル2と第2のコイル28の2つのコイルによる2相ステッピングモータなので制御が容易で、駆動電気回路を単純である。また、各ステータは全円周に渡って均等なピッチで磁極歯を備えているのでマグネットと対向する面積も大きくすることができ、マグネットの磁束が最大限に利用可能である。また、軸受が軟磁性材料で構成されているのでこの部分を通過する磁束が飽和しにくく、効率の低下がない。
また、コイル22,28の周囲を軟磁性材料のステータなどで囲っているので、磁気回路からの漏れ磁束の少なく効率の低下がない。また、駆動力が発生する範囲も全周に渡っているので駆動力が回転トルクに変換される際に不要な横方向の力が発生しにくく、ステッピングモータとして振動、騒音、回転むらが起きにくい。これにより、停止位置精度のよいステッピングモータとなる。
さらに、本実施例1ではマグネットとステータとコイルという電磁駆動装置の最小限の要素に、ロータと軸受を追加した構成なので、部品点数が少なく、かつ、それぞれが単純で製作しやすい平板形状なので製作コストが安いものとなる。
図15は、実施例1に対してロータ26を円盤36と軸37の2つの部品に分割し、円盤36は軟磁性材料とし、軸37をステンレス鋼棒などとする、本発明の実施例2に係わるステッピングモータの断面図である。その他の部分は実施例1と同様なのでその説明を省略する。
コイルの周囲に発生した磁束はコイルの近傍のステータ→マグネット→円盤36→フランジ部→軸受→ステータと流れる。ここにおいてはマグネットの貼り合わされる円盤36及びフランジ部は電磁軟鉄などの軟磁性材料とし、軸37は軸の剛性、硬度の高いステンレス鋼棒材としているので、軸37には高性能で低コストの市販棒材が使え、円盤36をプレスなどで加工することにより、合計の部品コストの低減になる。この場合でも着磁前の磁性材料の2つのブランクを円盤部36にあらかじめ貼り合せた後に着磁装置により着磁を行うことが可能で着磁済みのマグネットの位相を調整しながら組み立てる必要がない。
図16は、上記実施例2に対して同様にロータの軸部37をステンレスなど市販棒材を利用し、2つのマグネットを貼り合わせるロータ46の円盤部46aを2つの円盤に分割し、さらに中間にエアギャップとしてPCなどのスペーサー48を介し、結果として、2つのマグネットと2つの円盤部とスペーサーを軸37と一体化した、本発明の実施例3に係わるステッピングモータの断面図である。その他の部分は上記実施例2と同様なのでその説明を省略する。
コイルの周囲に発生した磁束は、コイル(22,28)の近傍のステータ(23,29)→マグネット(21,27)→ロータの円盤部46a→フランジ部46b→軸受(24,30)→ステータ(23,29)と流れる。これによってA相の磁気回路とB相の磁気回路がロータ46の円盤部46aにおいて干渉することがないので、ロータ46の出力トルクがアップする。この場合でも着磁前の磁性材料のブランクを円盤部46aにあらかじめ貼り合わせ、さらにそれらを貼り合せた後に着磁装置により着磁を行うことが可能で、着磁済のマグネットの位相を調整しながら組み立てる必要がない。
図17は、上記実施例1に対してロータ56の軸受54,60を非磁性体の焼結真鍮製の含油メタルとし、これに伴って、実施例1のロータ26、ステータ23,29に相当するロータ56、ステータ53,59の形状を一部変更した、本発明の実施例4に係わるステッピングモータの断面図である。その他の部分は上記実施例1と同様なのでその説明を省略する。
コイルの周囲に発生した磁束は、コイルの近傍のステータ(53,59)→マグネット(21,27)→ロータ56の円盤部56a→フランジ部56b→ステータと流れる。ここにおいて軸受54,60を非磁性体の焼結真鍮製の含油メタルとし、ロータ56のフランジ部56bをステータの高さまで延長し、磁束が直接ロータ56からステータ(53,59)へ流れるような磁気回路とした。これにより、マグネットと貼り合せることで磁化されているロータ56のフランジ部56bと軸受54,60の間で吸引力が発生することも無く、また、より入手しやすい焼結真鍮製の含油メタルの軸受を使用することが出来、回転ロス低下とコストダウンができる。
本発明の前提技術である参考技術例1に係わるアクチュエータを示す分解斜視図である。 本発明の前提技術である参考技術例2に係わるアクチュエータを用いた光量調節装置の分解斜視図である。 図2の光量調節装置の軸方向断面図である。 コイルへの通電を切り換えてマグネットを反時計回りもしくは時計回りに回転させた各状態を示すアクチュエータの底面図である。 本発明の前提技術である参考技術例2に係わるアクチュエータの分解斜視図である。 本発明の前提技術である参考技術例3に係わるアクチュエータの軸方向の断面図である。 本発明の前提技術である参考技術例4に係わるアクチュエータの軸方向の断面図である。 本発明の前提技術である参考技術例4に係わるアクチュエータの底面図である。 本発明の実施例1に係わるステッピングモータの分解斜視図である。 図9のステッピングモータの軸方向断面図である。 図9のステッピングモータのマグネットとステータの位相関係を示す側面視の模式図である。 図11の状態からコイルへの通電を切り換えてマグネットを18度回転させた状態を示す側面視の模式図である。 図12の状態からコイルへの通電を切り換えてマグネットを18度回転させた状態を示す側面視の模式図である。 図13の状態からコイルへの通電を切り換えてマグネットを18度回転させた状態を示す側面視の模式図である。 本発明の実施例2に係わるステッピングモータの軸方向の断面図である。 本発明の実施例3に係わるステッピングモータの軸方向の断面図である。 本発明の実施例4に係わるステッピングモータの軸方向の断面図である。 従来のシャッタ装置の一例を示す分解斜視図である。 従来のシャッタ装置の他の例を示す分解斜視図である。 図19の光量調節装置の断面図である。 従来のステッピングモータの軸方向の断面図である。 従来の他のステッピングモータの分解斜視図である。 図22のステッピングモータの軸方向の断面図である。 従来の別の薄型のステッピングモータを具備した露光量調整装置を示す斜視図である。
符号の説明
21 第1のマグネット
22 第1のコイル
23,53 第1のステータ
24,54 第1の軸受
25 ケース
26,36,46,56 ロータ
26a,36a,46a,56a 円盤部
26b,36b,46b,56b フランジ部
27 第2のマグネット
28 第2のコイル
29,59 第2のステータ
30,60 第2の軸受
27,47 軸
48 スペーサー

Claims (2)

  1. リング形状でその中心軸に対して垂直方向の少なくとも1つの面が周方向に分割して異なる極に交互に平面着磁された第1のマグネット及び第2のマグネットと、
    前記第1のマグネットの着磁面に対向する第1のステータと、
    前記第2のマグネットの着磁面に対向する第2のステータと、
    回転可能に保持される軸部、軟磁性材料から成り、前記軸部に垂直な面を有する円盤部、軟磁性材料から成り、前記円盤部から前記第1のステータに向かって突出する第1のフランジ部、及び軟磁性材料から成り、前記円盤部から前記第2のステータに向かって突出する第2のフランジ部から成るロータと、
    前記第1のステータに固定され、該第1のステータ及び前記第1のマグネットが固定されている前記ロータの円盤部を励磁する第1のコイルと、
    前記第2のステータに固定され、該第2のステータ及び前記第2のマグネットが固定されている前記ロータの円盤部を励磁する第2のコイルとを有し、
    前記第1のステータ、第2のステータはそれぞれ径方向に延出する複数の磁極歯を有し、前記第1のマグネットと前記第2のマグネットは前記ロータの円盤部の表裏にそれぞれ密着固定され、前記第1のコイルに対してその内周側に前記第1のフランジ部が、その外周側に前記第1のマグネットが、前記第1のステータに接している反対側に前記ロータの円盤部が、それぞれ配置されており、前記第2のコイルに対してその内周側に前記第2のフランジ部が、その外周側に前記第2のマグネットが、前記第2のステータに接している反対側に前記ロータの円盤部が、それぞれ配置されていることを特徴とするステッピングモータ。
  2. 前記第1及び第2のステータに固定され、前記ロータを回転可能に支持する軸受が軟磁性材料で作られており、該軸受は前記ロータの前記第1及び第2のフランジ部と当接可能であることを特徴とする請求項1に記載のステッピングモータ。
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