JP4497884B2 - 駆動装置 - Google Patents

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本発明は、小型に構成するのに好適な駆動装置に関するものである。
回転軸を中心とする直径を小型化し、かつ出力を高めた駆動装置として、本願出願人は特許文献1に開示される以下のような光量調節装置における駆動装置を提案している。
図10に特許文献1に記載された駆動装置の分解斜視図を、図11に特許文献1に記載された駆動装置の側面の断面図を、それぞれ示す。
101は外周面が周方向に2分割して交互にS極とN極に着磁され、回転中心を中心として回転可能な永久磁石を備えたマグネット、102はマグネット101の軸方向に配置されたコイルである。103はコイル102により励磁され、マグネット101の外周面に対向する歯形状の外側磁極部103aとマグネット101の内周面に対向する円筒形状の内筒103bを有するステータである。104はステータ103の内筒103bに固着され、ステータ103の内筒103bとともに内側磁極部をなしている補助ステータである。以上により光量調節装置における駆動装置が構成される。
マグネット101は回転可能に保持されるように軸部分101e,101fを備え、これらが一体的に成形されたものである。また、ステータ103の外側磁極部103aはマグネット101の外周面に隙間をもって対向しており、又ステータ103の内筒103b及び補助ステータ104はマグネット101の内周面に隙間をもって対向している。
上記構成の駆動装置は、コイル102への通電方向を切り換えて外側磁極部103a、内筒103b及び補助ステータ104の極性を切り換えることで、マグネット101を往復回転させるものである。また、往復回転するマグネット101の回転規制を地板105に設けられた案内溝105aに駆動ピン101dが当接することによって行っている。
この駆動装置はコイルに通電することで発生した磁束が外側磁極部から対向する内側磁極部へ、あるいは内側磁極部から対向する外側磁極部へと流れ、外側磁極部と内側磁極部との間に位置するマグネットに効果的に作用する。また、外側磁極部と内側磁極部との距離を円筒形状のマグネットの厚さとマグネットと外側磁極部との隙間およびマグネットと内側磁極部との隙間分の距離にすることで、外側磁極部と内側磁極部とで構成される磁気回路の抵抗をできるだけ小さくしている。磁気回路の抵抗が小さいほど少ない電流で多くの磁束を発生させることができ、出力が向上する。
特開2002−049076号公報
しかしながら、上記特許文献1にて提案されているものは、歯形状の外側磁極部103aは1つしかないため、マグネット101は回転時に外側磁極部103aが対向する方向にのみ引き寄せられてしまい、回転バランスが悪くロスが大きい。ここで、マグネットを4極に分割着磁すれば、外側磁極部を2つの歯とすることができ、回転バランスは向上するが、マグネットを2極に分割着磁したものに比べ、回転角度は半減してしまう。
また、駆動装置の軸方向の長さはコイル102の長さとマグネット101の長さとステータ103の厚みで決められ、駆動装置の外径は内筒103bの外径とコイル102の半径方向の厚みと外側磁極部103aの厚みで決まるため、コイル102の巻数を増やすには、マグネット101の長さを低くするか、外側磁極部103aの厚みを減らすか、駆動装置の長さを増すか、駆動装置の外径を大きくするしかない。ここで、マグネットの長さを低くすると出力が下がるために限度があり、外側磁極部103aの厚みを減らすと磁気飽和が生じて出力が下がるために限度がある。したがって、高出力でより軸方向長さの低い駆動装置とするには外径を大きくするしかなかった。
また、マグネット101の内径とそれに対向する補助ステータ104との間には所定の間隔が必要であり、それを製造時に管理することはコストアップを招くものであった。
また、ステータの形状としても円筒形状の内筒103bと外側磁極部103aが必要であり、それらを一体的に構成するのは部品製造上難しい。さらに、それらを別体で製造した後に一体的に組み立てる場合は部品点数が多くなり、コストアップを招いてしまう。
また、外側磁極部103aと補助ステータ104の距離を小さくするために、円筒形状のマグネット101の径方向の厚みを薄くしたりすることが機械的強度の点で難しいという欠点があった。
上記課題を解決するために、本発明の駆動装置は、外周面が周方向に2分割されて異なる極に着磁された円筒形状のマグネットと、軟磁性材料からなり、前記マグネットの内径部に固定されるロータ軸と、前記マグネットの外周面に対して隙間をもち、前記マグネットの外周面に所定の角度で対向するように配置される第1の外側磁極部と、内周に前記第1の外側磁極部が配置され、通電することで前記第1の外側磁極部を励磁する第1のコイルと、前記マグネットの外周面に対して隙間をもち、前記マグネットの外周面に所定の角度で対向するように配置される第2の外側磁極部と、内周に前記第2の外側磁極部が配置され、通電することで前記第2の外側磁極部を励磁する第2のコイルとを有し、前記第1の外側磁極部および前記第2の外側磁極部が前記マグネットの中心に対して180度位相がずれるように配置され、前記ロータ軸には、前記第1の外側磁極部に対向する部分に第1の内側磁極部が形成されるとともに、前記第2の外側磁極部に対向する部分に第2の内側磁極部が形成され、前記第1のコイルおよび前記第2のコイルへ通電する際に、前記第1の外側磁極部に励磁される極と前記第2の外側磁極部に励磁される極とを互いに異ならせることで、前記第1のコイルと前記第1の外側磁極部と前記第1の内側磁極部とで第1の磁気回路を形成し、前記第2のコイルと前記第2の外側磁極部と前記第2の内側磁極部とで第2の磁気回路を形成し、前記第1のコイルと前記第2のコイルと前記第1の外側磁極部と前記第1の内側磁極部と前記第2の内側磁極部と前記第2の外側磁極部とで第3の磁気回路を形成することを特徴とする。
本発明は、小型化、低コスト化、高出力化を達成しつつ、駆動装置の回転角度や被駆動部材の作動角度を大きくとれる安定した駆動が可能な駆動装置を提供できるものである。
以下の実施例1及び実施例2に示す通りである。
図1乃至図3は本発明の実施例1に係る駆動装置を示す図であり、詳しくは、図1は駆動装置の分解斜視図、図2は駆動装置の組立完成状態図、図3はコイル及びロータ軸を通り、軸方向に平行な面での断面図である。
これらの図において、1は軟磁性材料から成るステ−タであり、第1の外側磁極部1a、第2の外側磁極部1b、第1の外側磁極部1a及び第2の外側磁極部1bそれぞれの一端を結ぶ平板部1cおよび後述のロータ軸6を回転支持する嵌合穴1dを有する。また、第1の外側磁極部1a及び第2の外側磁極部1bは、後述のロータ軸6と平行方向に延びる櫛歯状に形成されている。
本実施例1におけるステ−タ1は、図示のように第1の外側磁極部1aと第2の外側磁極部1bが一体的に構成されている。このため、第1の外側磁極部1aと第2の外側磁極部1bとの相互誤差が少なくなり、組み立てによる駆動装置の性能のばらつきを最小限に抑えることができる。また、ステータ1は単純な形状であるためプレス成形が可能であり、コストが安い。
2は導電線が巻回されて成る第1のコイル、3は導電線が巻回されて成る第2のコイル、4は第1のコイル2及び第2のコイル3が巻回されるボビンであり、第1のコイル2はボビン4に巻回された状態でその内側(心部分)に第1の外側磁極部1aが配置されるように固定される。そして、第1のコイル2へ通電することにより、第1の外側磁極部1aが励磁される。同様に、第2のコイル3はボビン4に巻回された状態でその内側(心部分)に第2の外側磁極部1bが配置されるように固定される。そして、第2のコイル3へ通電することにより、第2の外側磁極部1bが励磁される。
上記の第1のコイル2と第2のコイル3はステータ1の平板部1cの平面上に隣接して配置されるため、駆動装置の軸方向の長さを短く構成できる。また、第1のコイル2と第2のコイル3は直列接続でかつ隣接配置されるので、コイルトータルのターン数が増えることになり、駆動装置の軸方向の長さを短く構成したまま出力向上を図ることができる。また、第1のコイル2と第2のコイル3とは、直列かつ巻線方向が異なるように接続されている。すなわち、第1のコイル2が右周りに巻回されるなら、第2のコイル3は左周りに巻回され、直列接続される第1のコイル2及び第2のコイル3へ通電すると、第1の外側磁極部1aと第2の外側磁極部1bとは反対の極に励磁される。前記ボビン4は第1のコイル2用と第2のコイル3用にそれぞれに設けることなく、1つに連結して一体化することでコストダウンが図れるとともに、直列に配線することが容易となる。なお、第1のコイル2と第2のコイル3とを直列に接続しているが、並列接続でもかまわない。定電圧で駆動する場合、並列接続では出力がアップするが、消費電流が増える。一方、直列接続では並列接続の場合に比べて消費電流を抑えることが可能となる。
5は永久磁石から成る円筒形状のマグネットであり、該マグネット5は外周表面を円周方向に2分割、即ちS極、N極の半分ずつに着磁されている。また、このマグネット5の内周面は、外周面に比べ弱い着磁分布を持つか、あるいは全く着磁されていないか、あるいは外周面と逆の極、すなわち外周面がS極の場合はその範囲の内周面はN極に着磁されているものの何れかである。6は軟磁性材料から成るロータ軸であり、該ロータ軸6の第1円柱部6aの外周面とマグネット5の内周面5aとが接着や圧入等により密着固定される。その際、マグネット5の軸方向の一端部が第1円柱部aの上面と同一面となるように固定される(図3参照)。
マグネット5の内周面5aにロータ軸6の第1円柱部6aが固定されることで、該マグネット5の円筒形状の半径方向の厚さを非常に薄くしても強度面での心配が生じない。ロータ軸6の両端には支持軸部6c及び6dが形成されており、ステータ1の嵌合穴1dと後述のカバー7により回転可能に支持される。その際、ロータ軸6の第2円柱部6bは、図3に示すように第1のコイル2及び第2のコイル3の間に隣接して配置される。また、ロータ軸6には後述のレバー8が嵌合固定される第3円柱部6eが形成されている。
第1の外側磁極部1aと第2の外側磁極部1bは、マグネット5の外周面に所定の隙間をもって対向して配置される。そして、第1円柱部6aの第1の外側磁極部1aに対向する部分、及び、第2円柱部6bの第1のコイル2の外周に隣接する部分で第1の内側磁極部が形成される。同様に、第1円柱部6aの第2の外側磁極部1bに対向する部分、及び、第2円柱部6bの第2のコイル3の外周に隣接する部分で第2の内側磁極部が形成される。
そして、第1のコイル2へ通電することにより、第1の外側磁極部1aと第1の内側磁極部が励磁され、その磁極間にはマグネット5を横切る磁束が発生し、効果的に該マグネット5に作用する。その際、第1の外側磁極部1aと第1の内側磁極部はそれぞれ反対の極に励磁される。同様に、第2のコイル3へ通電することにより、第2の外側磁極部1bと第2の内側磁極部が励磁され、その磁極間にはマグネット5を横切る磁束が発生し、効果的に該マグネット5に作用する。その際、第2の外側磁極部1bと第2の内側磁極部はそれぞれ反対の極に励磁される。
また、第1のコイル2と第2のコイル3とは直列かつ巻線方向が異なるように接続されているため、第1の外側磁極部1aと第2の外側磁極部1bは同時にかつ反対の極に励磁される。これにより、図3に示すように、第1のコイル2と第1の外側磁極部1aと第1の内側磁極部とで形成される第1の磁気回路(第1の磁路)、第2のコイル3と第2の外側磁極部1bと第2の内側磁極部とで形成される第2の磁気回路(第2の磁路)、第1のコイル2及び第2のコイル3と第1の外側磁極部1aと第1の内側磁極部及び第2の内側磁極部と第2の外側磁極部1bとで形成される第3の磁気回路(第3の磁路)、の3つの磁気回路が構成され、大幅な出力向上を図ることができる。
マグネット5は前述したように円筒形状の半径方向の厚さを非常に薄くすることができるとともに、該マグネット5の内周面に対向して内側磁極部を成す第1円柱部6aと該マグネット5の内周面との間に空隙を設ける必要がない。そのため、第1の外側磁極部1aと第1円柱部6aとの距離及び第2の外側磁極部1bと第1円柱部6aとの距離を非常に小さくできる。よって、第1の磁気回路、第2の磁気回路、及び第3の磁気回路の磁気抵抗を小さくすることができ、駆動装置の出力を高めることが出来る。
また、図3に示すように、マグネット5はその内径部がロータ軸6によって埋められているので、上記特許文献1で提案されているものに比べ、マグネットの機械的強度が大きく、又ロータ軸6はマグネット5の内径部に現れるS極、N極との間の磁気抵抗を小さくするいわゆるバックメタルとして作用するので、磁気回路のパーミアンス係数は高く設定されることになり、高温下の環境で使用されても減磁による磁気的劣化も少ない。
更に、上記特許文献1で提案されているものはマグネットの外径部と外側磁極部の隙間を精度良く保って組み立てる必要がある他に、マグネットの内径部に対向する位置にある内側磁極部をマグネットに対して所定の隙間を設けて配置する必要があり、部品精度のばらつきや組み立て精度が悪い場合にこの隙間を確保できず、内側磁極部がマグネットに接触してしまうなどの不良が生じる可能性が高いが、これに対し本実施例1では、マグネット5の外径部側のみの隙間を管理するだけでよいので、組み立てが容易になる。
また、上記特許文献1では、内側磁極部はマグネットと軸をつなぐ部分に接触しないように構成しなければならず、これにより内側磁極部とマグネットとが対向する軸方向の長さを十分に長くすることが出来ないが、これに対し本実施例1では、ロータ軸が内側磁極部を兼ねているので、内側磁極部とマグネット5とが対向する軸方向の長さを十分長く確保でき、これにより第1の外側磁極部1a及び第2の外側磁極部1bとマグネット5を有効に利用することが可能となり、駆動装置の出力を高めることができる。
また、第1の外側磁極部1a及び第2の外側磁極部1bはロータ軸6に平行な方向に延出する櫛歯状に構成されているので、駆動装置の該ロータ軸6に垂直な方向の最外径を最小限に抑えることができる。例えば、外側磁極部をマグネットの半径方向(軸に垂直な方向)に伸びるヨーク板で構成すると、半径方向に向かってコイルを巻くことになり、軸方向の長さは短くても駆動装置の軸に垂直な方向の最外径は大きなものとなってしまう。これに対し本実施例1の駆動装置の軸に垂直な方向の最外径は、マグネット5に、第1の外側磁極部1a及び第2の外側磁極部1bの厚みと、第1のコイル2及び第2のコイル3の巻き線幅でほぼ決まる(図3参照)。
また、第1の外側磁極部1a及び第2の外側磁極部1bがロータ軸6に平行な方向に延出する櫛歯状のため、ボビン4に巻回される第1のコイル2及び第2のコイル3、及びマグネット5とロータ軸6から成るロータをすべて一方向(図1の上方向から下方向へ)から組み込むことが可能となり、組み立て作業性がよい。
7はカバーであり、ステータ1及びボビン4に位置決め固定される。また、7aは該カバー7に一体に設けられた軸受け部であり、この軸受け部7aにロータ軸6の支持軸部6dが嵌合して該ロータ軸6は回転保持される。8はレバーであり、マグネット5及びロータ軸6に接着や圧入等により固定され、一体で回転可能となる。その際、レバー8に設けられる穴部8aがマグネット5の第3円柱部6eに嵌合するとともに、レバー8に設けられる突起部8c,8d(8dは不図示)がマグネット5の溝5b,5cに嵌合することで、所定の位相で位置決め固定される。レバー8にはその一端に駆動ピン8bが設けられる。また、カバー7には開口部7bが設けられ、レバー8はカバー7の内側から該開口部7bを通って外側へと伸びている。これにより、レバー8はマグネット5に密着した状態で出力手段として作用する。すなわち、出力手段を含めた駆動装置全体の軸方向長さをより短くする構成となっている。
カバー7の軸受け部7a及びステータ1の嵌合穴1dは、カバー7がステータ1及びボビン4に固定された状態で、ロータ軸6を回転嵌合保持する。この状態で、ロータ軸6に固定されたマグネット5は、図3に示すように、その外周面が第1の外側磁極部1a及び第2の外側磁極部1bと所定の隙間を持つとともに、軸方向の一端に固定されるレバー8がカバー7の裏面と所定の隙間を保ち、かつ軸方向の他端が、第1のコイル2及び第2のコイル3と所定の隙間を保つ。よって、マグネット5は第1のコイル2及び第2のコイル3と軸方向に隣接して配置されており、これら第1のコイル2と第2のコイル3とは軸方向に垂直な平面で隣接しているため、軸方向の長さの短い駆動装置とすることが可能となる。
図4は、マグネット5とステータ1の位置関係を示す上面図であり、図1乃至図3で示した駆動装置からわかりやすいようにカバー7とレバー8を省略している。図4からわかるように、マグネット5は外周表面を円周方向に2分割してS極、N極に着磁された着磁部が形成されている。
ここで、マグネット5と第1の外側磁極部1a、第2の外側磁極部1bとの位置関係について説明する。
第1の外側磁極部1aと第2の外側磁極部1bとは、マグネット5の回転中心を基準に考えると180度位相がずれた位置に配置されている。よって、マグネット5のS極に着磁されている外周面が第1の外側磁極部1aに対向している時には、マグネット5のN極に着磁されている外周面は第2の外側磁極部1bに対向し、マグネット5のN極に着磁されている外周面が第1の外側磁極部1aに対向している時には、マグネット5のS極に着磁されている外周面は第2の外側磁極部1bに対向し、第1の外側磁極部1aと第2の外側磁極部1bのマグネット5への対向角が等しい場合は、その位相割合は等しくなる。
また、第1のコイル2と第2のコイル3とは巻線方向が異なるとともに、直列に配線されている。よって、第1のコイル2及び第2のコイル3に通電することで、第1の外側磁極部1aと第2の外側磁極部1bとは反対の極に励磁される。すなわち、第1のコイル2及び第2のコイル3への通電により発生する磁力は、ともにマグネット5を同一方向に回転させる力となる。したがって、上記特許文献1の駆動装置では、外側磁極部はマグネットの着磁極数の1/2(特許文献1の実施例ではマグネットは2極で外側磁極部は1つ)となるために回転バランスの悪い、或いは回転角度を大きくとれないものであったが、本実施例1の駆動装置では、マグネットが2極でかつ、外側磁極部を2つに構成でき、回転角度を大きくとれるとともに回転バランスの良いものとなる。
ここで、マグネットの極数と回転可能角度との関係について簡単に説明する。上記特許文献1の駆動装置や本実施例1の駆動装置では、マグネットの極数をNとすると、回転可能角度は約(360/N)度となる。(実際には摩擦等の影響や負荷との関係で、回転角度は上記より少なくなる。)したがって、マグネットが2極の場合は、原理的には180度近く回転することは可能であり、マグネットが4極の場合は、その半分の90度近く回転することが可能となる。よって、本実施例1の駆動装置では、マグネットが2極のため、回転角度を大きくとれるのである。なお、駆動装置を使用する場合の回転角度の設定は必要トルクとの兼ね合いで決められる。すなわち、同じ駆動装置を用いた場合、回転角度を大きく設定すると、動き出しのトルクは小さなものとなり、回転角度を小さく設定すると、動き出しのトルクは大きなものとなる。
次に、図4及び図5を参照して、本発明の実施例1に係る駆動装置の動作について説明する。
図4は、第1のコイル2及び第2のコイル3に通電して、第1の外側磁極部1aをN極とし、第1の内側磁極部(第1円柱部6a及び第2円柱部6bの第1の外側磁極部1aに対向する部分)をS極とし、第2の外側磁極部1bをS極とし、第2の内側磁極部(第1円柱部6a及び第2円柱部6bの第2の外側磁極部1bに対向する部分)をN極となるように励磁している駆動装置の状態である。マグネット5は一体で回転するレバー8の駆動ピン8bが後述の地板9の長穴9bの一端に当接して図4の状態で回転が止められる。この状態で、マグネット5は第1のコイル2及び第2のコイル3への通電中は第1の外側磁極部1aの中心と該マグネット5の着磁部の中心(S極の中心)が一致するように図中時計方向の回転力が発生するとともに、第2の外側磁極部1bの中心と該マグネット5の着磁部の中心(N極の中心)が一致するように図中時計方向の回転力が発生している。また、第1のコイル2及び第2のコイル3への通電を止めた時には、マグネット5は第1の外側磁極部1a及び第2の外側磁極部1bとに発生するコギング力によりこの位置に保持される。
図4の状態から第1のコイル2及び第2のコイル3への通電方向を反転して、第1の外側磁極部1aをS極とし、第1の内側磁極部(第1円柱部6a及び第2円柱部6bの第1の外側磁極部1aに対向する部分)をN極とし、第2の外側磁極部1bをN極とし、第2の内側磁極部(第1円柱部6a及び第2円柱部6bの第2の外側磁極部1bに対向する部分)をS極となるように励磁すると、マグネット5は反時計方向に回転する。そして、マグネット5は一体で回転するレバー8の駆動ピン8bが後述の地板9の長穴9bの他端に当接して図5の状態で回転が止められる。この状態で、マグネット5は第1のコイル2及び第2のコイル3への通電中は第1の外側磁極部1aの中心と該マグネット5の着磁部の中心(N極の中心)が一致するように図中反時計方向の回転力が発生するとともに、第2の外側磁極部1bの中心と該マグネット5の着磁部の中心(S極の中心)が一致するように図中半時計方向の回転力が発生している。また、第1のコイル2及び第2のコイル3への通電を止めた時には、マグネット5は第1の外側磁極部1a及び第2の外側磁極部1bとに発生するコギング力によりこの位置に保持される。
上記のようにして、第1のコイル2及び第2のコイル3への通電方向を切り換えることにより、マグネット5はレバー8とともにストッパー(地板9の長穴9b)で決められた範囲を往復回転することになる。
図6は本発明の駆動装置Mを用いたシャッタ装置の分解斜視図である。
図6において、9は中央に開口部9aが形成された地板であり、該地板9に駆動装置Mが接着等により取り付けられる。その際、駆動装置Mにおけるレバー8の駆動ピン8bは地板9に設けられる長穴9bに挿入される。マグネット5はレバー8の駆動ピン8bが長穴9bの一端に当接する位置から他端に当接する位置まで回転可能となる。また、地板9には駆動ピン8bと同一方向に突出する突起9c及び9dが一体で形成される。
10及び11は羽根であり、羽根10の丸穴10aが地板9の突起9dに回転可能に嵌合し、羽根10の長穴10bがレバー8の駆動ピン8bに摺動可能に嵌合する。また、羽根11の丸穴11aが地板9の突起9cに回転可能に嵌合し、羽根11の長穴11bがレバー8の駆動ピン8bに摺動可能に嵌合する。12は中央に開口部12aが形成された羽根押えであり、羽根10及び羽根11を所定の隙間を持って間に挟んで地板9に固定され、該羽根10及び羽根11の軸方向の受けとなる。
マグネット5の回転により羽根10は長穴10bがレバー8の駆動ピン8bに押されて丸穴10aを中心に回転し、該羽根11は長穴11bがレバー8の駆動ピン8bに押されて丸穴11aを中心に回転して、地板9の開口部9aの通過光量を制御するよう構成されている。
駆動装置Mは軸方向の長さが短いので、他のレンズや構造物に対して邪魔にならない光軸方向に出っ張りの少ないシャッタ装置とすることができる。また、小型でありながら高出力であるため、シャッタスピードの高速化が図れる。
上記実施例1においては、駆動装置はシャッタ羽根を駆動するためのアクチュエータとして用いたが、他の用途、例えば絞り装置や、レンズ駆動のためのカム筒等を2位置に回動させる等にも使用可能であり、高出力で外径が小さく且つ軸方向の長さも短いという利点を持った駆動装置として有用なものとなる。もう少し詳しく説明すると、レバー8の駆動ピン8bが光軸を中心に回動可能な不図示のカム筒に連結しており、該レバー8が回動することでカム筒が回動し、カム筒に嵌合する不図示のレンズが固定されたレンズホルダーがカム筒が回動することで光軸方向に移動するレンズ駆動装置とすることができる。
図7乃至図9は本発明の実施例2に係る駆動装置を示す図であり、詳しくは、図7は駆動装置の分解斜視図、図8は駆動装置の組立完成状態図、図9はコイル及びロータ軸を通り、軸方向に平行な面での断面図である。
これらの図において、21は軟磁性材料から成るステ−タであり、第1の外側磁極部21a、第2の外側磁極部21b、第1の外側磁極部21a及び第2の外側磁極部21bのそれぞれの一端を結ぶ平板部21cおよび後述のロータ軸26を回転支持する嵌合穴21dを有する。また、第1の外側磁極部21a及び第2の外側磁極部21bは、後述のロータ軸26と平行方向に延びる櫛歯状に形成されている。
本実施例2におけるステ−タ21は、図示のように、第1の外側磁極部21aと第2の外側磁極部21bは一体的に構成されている。このため、第1の外側磁極部21aと第2の外側磁極部21bとの相互誤差が少なくなり、組み立てによる駆動装置の性能のばらつきを最小限に抑えることができる。また、ステータ21は単純な形状であるためプレス成形が可能であり、コストが安い。
22は導電線が巻回されて成る第1のコイル、23は導電線が巻回されて成る第2のコイル、24は第1のコイル22及び第2のコイル23が巻回されるボビンであり、第1のコイル22はボビン24に巻回された状態でその内側(心部分)に第1の外側磁極部21aが配置されるように固定される。そして、第1のコイル22へ通電することにより、第1の外側磁極部21aが励磁される。同様に、第2のコイル23はボビン24に巻回された状態でその内側(心部分)に第2の外側磁極部21bが配置されるように固定される。そして、第2のコイル23へ通電することにより、前記第2の外側磁極部21bが励磁される。
第1のコイル22と第2のコイル23はステータ21の平板部21cの平面上に隣接して配置されるため、駆動装置の軸方向の長さを短く構成できる。また、第1のコイル22と第2のコイル23は直列接続でかつ隣接配置されるので、コイルトータルのターン数が増えることになり、駆動装置の軸方向の長さを短く構成したまま出力向上を図ることができる。また、第1のコイル22と第2のコイル23とは、直列かつ巻線方向が異なるように接続されている。すなわち、第1のコイル22が右周りに巻回されるなら、第2のコイル23は左周りに巻回され、直列接続される第1のコイル22及び第2のコイル23へ通電すると、第1の外側磁極部21aと第2の外側磁極部21bとは反対の極に励磁される。ボビン24は第1のコイル22用と前記第2のコイル23用にそれぞれに設けることなく、1つに連結して一体化することでコストダウンが図れるとともに、直列に配線することが容易となる。なお、第1のコイル22と第2のコイル23とを直列に接続しているが、並列接続でもかまわない。
25は永久磁石から成る円筒形状のマグネットであり、該マグネット25は外周表面を円周方向に2分割、即ちS極、N極の半分ずつに着磁されている。また、このマグネット25の内周面は、外周面に比べ弱い着磁分布を持つか、あるいは全く着磁されていないか、あるいは外周面と逆の極、すなわち外周面がS極の場合はその範囲の内周面はN極に着磁されているものの何れかである。26は軟磁性材料から成るロータ軸であり、該ロータ軸26の第1円柱部26aの外周面と前記マグネット25の内周面25aとが接着や圧入等により密着固定される。
マグネット25の内周面25aにロータ軸26の第1円柱部26aが固定されることで、該マグネット25の円筒形状の半径方向の厚さを非常に薄くしても強度面での心配が生じない。ロータ軸26の両端には支持軸部26c及び26dが形成されており、ステータ21の嵌合穴21dと後述のカバー27により回転可能に支持される。その際、ロータ軸26の第2円柱部26bは、図9に示すように第1のコイル22及び第2のコイル23の間に隣接して配置される。また、ロータ軸26の先端には後述のレバー28が嵌合固定される出力軸部26eが形成される。
第1の外側磁極部21aと第2の外側磁極部21bは、マグネット25の外周面に所定の隙間をもって対向して配置される。そして、第1円柱部26aの第1の外側磁極部21aに対向する部分、及び、第2円柱部26bの第1のコイル22の外周に隣接する部分で第1の内側磁極部が形成される。同様に、第1円柱部26aの第2の外側磁極部21bに対向する部分、及び、第2円柱部26bの第2のコイル23の外周に隣接する部分で第2の内側磁極部が形成される。
そして、第1のコイル22へ通電することにより、第1の外側磁極部21aと第1の内側磁極部が励磁され、その磁極間にはマグネット25を横切る磁束が発生し、効果的に該マグネット25に作用する。その際、第1の外側磁極部21aと第1の内側磁極部はそれぞれ反対の極に励磁される。同様に、第2のコイル23へ通電することにより、第2の外側磁極部21bと第2の内側磁極部が励磁され、その磁極間にはマグネット25を横切る磁束が発生し、効果的に該マグネット25に作用する。その際、第2の外側磁極部21bと第2の内側磁極部はそれぞれ反対の極に励磁される。
また、第1のコイル22と第2のコイル23は直列かつ巻線方向が異なるように接続されているため、第1の外側磁極部21aと第2の外側磁極部21bは同時にかつ反対の極に励磁される。これにより、図9に示すように、第1のコイル22と第1の外側磁極部21aと第1の内側磁極部とで形成される第1の磁気回路(第1の磁路)、第2のコイル23と第2の外側磁極部21bと第2の内側磁極部とで形成される第2の磁気回路(第2の磁路)、第1のコイル22及び第2のコイル23と第1の外側磁極部21aと第1の内側磁極部及び第2の内側磁極部と第2の外側磁極部21bとで形成される第3の磁気回路(第3の磁路)、の3つの磁気回路が構成され、大幅な出力向上が図られる。
マグネット25は前述したように円筒形状の半径方向の厚さを非常に薄くすることができるとともに、マグネット25の内周面に対向して内側磁極部を成す第1円柱部26aと該マグネット25の内周面との間に空隙を設ける必要がない。そのため、第1の外側磁極部21aと第1円柱部26aとの距離及び第2の外側磁極部21bと第1円柱部26aとの距離を非常に小さくできる。よって、第1の磁気回路、第2の磁気回路、及び第3の磁気回路の磁気抵抗を小さくすることができ、駆動装置の出力を高めることが出来る。
また、図9に示すように、マグネット25はその内径部がロータ軸26によって埋められているので、上記特許文献1で提案されているものに比べ、マグネットの機械的強度が大きく、又ロータ軸26はマグネット25の内径部に現れるS極、N極との間の磁気抵抗を小さくするいわゆるバックメタルとして作用するので、磁気回路のパーミアンス係数は高く設定されることになり、高温下の環境で使用されても減磁による磁気的劣化も少ない。
更に、上記特許文献1で提案されているものはマグネットの外径部と外側磁極部の隙間を精度良く保って組み立てる必要がある他に、マグネットの内径部に対向する位置にある内側磁極部をマグネットに対して所定の隙間を設けて配置する必要があり、部品精度のばらつきや組み立て精度が悪い場合にこの隙間を確保できず、内側磁極部がマグネットに接触してしまうなどの不良が生じる可能性が高いが、これに対し本実施例2では、マグネット5の外径部側のみの隙間を管理するだけでよいので、組み立てが容易になる。
また、上記特許文献1では、内側磁極部はマグネットと軸をつなぐ部分に接触しないように構成しなければならず、これにより内側磁極部とマグネットとが対向する軸方向の長さを十分に長くすることが出来ないが、これに対し本実施例2では、ロータ軸が内側磁極部を兼ねているので、内側磁極部とマグネット25とが対向する軸方向の長さを十分長く確保でき、これにより、第1の外側磁極部21a及び第2の外側磁極部21bとマグネット25を有効に利用することが可能となり、駆動装置の出力を高めることができる。
また、第1の外側磁極部21a及び第2の外側磁極部21bはロータ軸26に平行な方向に延出する櫛歯状に構成されているので、駆動装置の該ロータ軸26に垂直な方向の最外径を最小限に抑えることができる。例えば、外側磁極部をマグネットの半径方向(軸に垂直な方向)に伸びるヨーク板で構成すると、半径方向に向かってコイルを巻くことになり、軸方向の長さは短くても駆動装置の軸に垂直な方向の最外径は大きなものとなってしまう。これに対し本実施例2の駆動装置の軸に垂直な方向の最外径は、マグネット25に、第1の外側磁極部21a及び第2の外側磁極部21bの厚みと、第1のコイル22及び第2のコイル23の巻き線幅でほぼ決まる(図9参照)。
また、第1の外側磁極部21a及び第2の外側磁極部21bがロータ軸26に平行な方向に延出する櫛歯状のため、ボビン24に巻回される第1のコイル22及び第2のコイル23、及びマグネット25とロータ軸26から成るロータをすべて一方向(図7の上方向から下方向へ)から組み込むことが可能となり、組み立て作業性がよい。
27はカバーであり、ステータ21及びボビン24に位置決め固定される。また、27aは該カバー27に一体に設けられた軸受け部であり、軸受け部27aにロータ軸26の支持軸部26eが嵌合して該ロータ軸26は回転保持される。28はレバーであり、その一端に駆動ピン28bが設けられる。レバー28は穴部28aがロータ軸26の出力軸部26dに圧入等により固定され、一体で回転可能となる。その際、レバー28に設けられる突起部28cがマグネット25の溝25b或いは溝25cに嵌合することで、所定の位相で位置決め固定される。また、カバー27には長穴部27b,27cが設けられ、レバー28の突起部28cが長穴部27bに挿入される。これにより、レバー28はマグネット25に固定された状態で、突起部28cが長穴部27bの端部に当接することで、マグネット25の回転ストッパーの役割をはたす。すなわち、マグネット25はレバー28の突起部28cが長穴部27bの一端に当接する位置から他端に当接する位置まで回転可能となる。ここで、レバー28の突起部28cを挿入してストッパーとする長穴を長穴部27bではなく、長穴部27cにしてもかまわない。また、長穴部27cはレバー28を前記マグネット25に固定する際の位相合わせ用冶具の挿入部として用いることも可能となっている。
上記のステータ21、第1のコイル22、第2のコイル23、ボビン24、マグネット25、ロータ軸26、カバー27で駆動装置としてユニット化を可能としており、後からレバー28を該駆動装置ユニットの出力軸部26dに固定することが可能となるため、レバー28の設計自由度が増す。例えば、出力軸部26dに歯車を固定することも可能であるし、直接シャッタ羽根を固定することも可能となる。また、駆動装置を出力軸部26dを貫通させた状態で地板の表面に固定し、レバー28を地板の裏面から出力軸部26d固定することも可能となり、シャッタ装置トータルとしての厚みを薄くする構成にも向いている。
カバー27の軸受け部27a及びステータ21の嵌合穴21dはカバー27がステータ21及びボビン24に固定された状態で、ロータ軸26を回転嵌合保持するとともに該ロータ軸26の軸方向の移動を所定範囲内に規制する。この状態で、ロータ軸26に固定されたマグネット25は、図9に示すように、その外周面が前記第1の外側磁極部21a及び第2の外側磁極部21bと所定の隙間を持つとともに、マグネット25の軸方向一端が前記カバー27の裏面と所定の隙間を保ち、かつ軸方向の他端が、第1のコイル22及び第2のコイル23と所定の隙間を保つ。よって、マグネット25は第1のコイル22及び第2のコイル23と軸方向に隣接して配置されており、これら第1のコイル22と第2のコイル23とは軸方向に垂直な平面で隣接しているため、軸方向の長さの短い駆動装置とすることが可能となる。
本発明の実施例2に係る駆動装置の動作については実施例1と同様であるため、その説明は省略する。
ここで、上記実施例1及び実施例2における効果について、以下に改めてまとめて列挙する。
1)マグネット1の外周面に対して所定の隙間をもち、その外周面に所定の角度で対向するように配置される第1の外側磁極部と、該第1の外側磁極部とはマグネットの中心に対して180度位相がずれるとともに該マグネットの外周面に対して所定の隙間をもち、その外周面に所定の角度で対向するように配置される第2の外側磁極部とを、反対の極に励磁される構成にしている。
このように、第1の外側磁極部と第2の外側磁極部とがマグネットの中心に対して180度位相がずれて配置されているので、特許文献1にて提案されている駆動装置と比較して、回転バランスが良いとともに、マグネットを2極で構成できるので回転角度も大きくとれる駆動装置とすることができる。
2)第1のコイルの通電により発生する磁束と第2のコイルの通電により発生する磁束とが同時にマグネットに作用するので、1つのコイルの巻数を増やすことなく駆動装置トータルとしての倍の巻数が得られるため、外径を大きくすることなく軸方向長さを小型化したまま、高出力な駆動装置を提供できる。
3)マグネットの内周面に固定されたロータ軸を内側磁極部と呼ぶとすると、第1のコイルにより発生する磁束はマグネットの外周面に対向する第1の外側磁極部と内側磁極部との間を通過するので、効果的にマグネットに作用し、同様に、第2のコイルにより発生する磁束はマグネットの外周面に対向する第2の外側磁極部と内側磁極部との間を通過するので、効果的にマグネットに作用する。その際に、内側磁極部とマグネットの内周面との間に空隙を設ける必要がないので、上記従来の特許文献1の構成の駆動装置に比べて外側磁極部と内側磁極部との距離を小さく構成することが可能となり、これにより磁気抵抗を減少させ、駆動装置の出力を高めることが出来る。
4)第1の内側磁極部及び第2の内側磁極部をロータ軸で構成してあるので、上記特許文献1にて提案されている外側磁極部と内側磁極部とを接続或いは一体的に製造する場合に比べて容易に製造でき、コストが安くなる。
5)マグネットは内径部に前記ロータ軸が固定されるので、強度的に優れる。
6)第1の外側磁極部と第2の外側磁極部とを同一部材で構成しているので、相互位置の誤差を小さく抑えることができるとともに、部品点数を少なく、構造が簡単な駆動装置を提供でき、コストダウンになる。
7)第1の外側磁極部及び第2の外側磁極部を、ロータ軸の軸方向でかつ同一方向に延出した櫛歯状に形成したことにより、軸方向に垂直な方向の寸法を小型化できるとともに、コイルの組み付けが簡単な構造となる。
8)第1のコイルと第2のコイルを直列に配線する構成にしたり、あるいは、第1のコイルと第2のコイルを並列に配線する構成にすることにより、第1のコイル及び第2のコイルに通電するための回路が1つで済み、コストダウンになる。
9)第1のコイルと第2のコイルはそれぞれ第1の外側磁極部と第2の外側磁極部とに組み付けた状態での巻線方向が異なるように構成したことにより、第1のコイル及び第2のコイルを通電することで第1の外側磁極部と第2の外側磁極部とが反対の極に励磁されるようにできる。
以上から明らかなように、小型でかつ軸方向の長さが短く、低コストで高出力で回転角度を大きくとれる安定した駆動が可能な駆動装置を提供できる。また、該駆動装置をシャッタ装置等の光量調節装置やレンズ駆動装置に用いることにより、小型化、低コスト化、高出力化を達成しつつ、シャッタ羽根等やレンズ鏡筒などの作動角度を大きくとることができる。
(発明と実施例との対応)
上記実施例1において、図1、図3乃至図5のマグネット6が本発明のマグネットに相当し、図1乃至図5のロータ軸6が本発明のロータ軸に相当し、図1、図3乃至図5の第1のコイル2が本発明の第1のコイルに相当し、図1乃至図5の第1の外側磁極部1aが本発明の第1の外側磁極部に相当し、図1、図3乃至図5の第2のコイル3が本発明の第2のコイルに相当し、図1、図3乃至図5の第2の外側磁極部1bが本発明の第2の外側磁極部に相当する。また、実施例2において、図7及び図9のマグネット26が本発明のマグネットに相当し、図7乃至図9のロータ軸26が本発明のロータ軸に相当し、図7及び図9の第1のコイル22が本発明の第1のコイルに相当し、図7及び図9の第1の外側磁極部21aが本発明の第1の外側磁極部に相当し、図7及び図9の第2のコイル23が本発明の第2のコイルに相当し、図7及び図9の第2の外側磁極部21bが本発明の第2の外側磁極部に相当する。
以上が実施例1及び実施例2の各構成と本発明の各構成の対応関係であるが、本発明はこれら実施例に限定されるものではなく、請求項で示した機能、又は実施例がもつ機能が達成できる構成であればどのようなものであっても良いことは言うまでもない。
本発明は、一方から他方へ駆動される駆動部材の回転角度(作動角度)を大きくとり、かつその回転バランスの良好性が望まれる各種の装置への適用が可能である。
本発明の実施例1に係る駆動装置の分解斜視図である。 図1の駆動装置の組み立て完成状態図である。 図1の駆動装置のロータ軸方向に平行な面での断面図である。 図1の駆動装置のマグネットとステータの位相関係を示す上面図である。 図4の状態からコイル通電を切り換えてマグネットを回転させた状態を示す上面図である。 図1の駆動装置を用いたシャッタ装置の分解斜視図である。 本発明の実施例2に係る駆動装置の分解斜視図である。 図7の駆動装置の組立完成状態図である。 図7の駆動装置のロータ軸方向に平行な面での断面図である。 従来の駆動装置の一構成例を示す分解斜視図である。 図10に示す駆動装置のロータ軸方向に平行な面での断面図である。
符号の説明
1,21 ステ−タ
1a,21a 第1の外側磁極部
1b,21b 第2の外側磁極部
2,22 第1のコイル
3,23 第2のコイル
4,24 ボビン
5,25 マグネット
6,26 ロータ軸
7,27 カバー
8,28 レバー

Claims (3)

  1. 外周面が周方向に2分割されて異なる極に着磁された円筒形状のマグネットと、
    軟磁性材料からなり、前記マグネットの内径部に固定されるロータ軸と、
    前記マグネットの外周面に対して隙間をもち、前記マグネットの外周面に所定の角度で対向するように配置される第1の外側磁極部と、
    内周に前記第1の外側磁極部が配置され、通電することで前記第1の外側磁極部を励磁する第1のコイルと、
    前記マグネットの外周面に対して隙間をもち、前記マグネットの外周面に所定の角度で対向するように配置される第2の外側磁極部と、
    内周に前記第2の外側磁極部が配置され、通電することで前記第2の外側磁極部を励磁する第2のコイルとを有し、
    前記第1の外側磁極部および前記第2の外側磁極部は前記マグネットの中心に対して180度位相がずれるように配置され、
    前記ロータ軸には、前記第1の外側磁極部に対向する部分に第1の内側磁極部が形成されるとともに、前記第2の外側磁極部に対向する部分に第2の内側磁極部が形成され、
    前記第1のコイルおよび前記第2のコイルへ通電する際に、前記第1の外側磁極部に励磁される極と前記第2の外側磁極部に励磁される極とを互いに異ならせることで、前記第1のコイルと前記第1の外側磁極部と前記第1の内側磁極部とで第1の磁気回路を形成し、前記第2のコイルと前記第2の外側磁極部と前記第2の内側磁極部とで第2の磁気回路を形成し、前記第1のコイルと前記第2のコイルと前記第1の外側磁極部と前記第1の内側磁極部と前記第2の内側磁極部と前記第2の外側磁極部とで第3の磁気回路を形成することを特徴とする駆動装置。
  2. 前記第1のコイルの巻線方向と前記第2のコイルの巻線方向とが互いに異なり、前記第1のコイルおよび前記第2のコイルへ同一方向の通電を行うことで、前記第1の外側磁極部に励磁される極と前記第2の外側磁極部に励磁される極とを互いに異ならせることを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
  3. 前記第1のコイルおよび前記第2のコイルが直列接続されていることを特徴とする請求項2に記載の駆動装置。
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