JP3990779B2 - カメラ用シャッタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮影に際し、2枚のシャッタ羽根が相対的に往復作動して、円形をした露光用開口部を開閉するようにした、一般に、レンズシャッタと称されているカメラ用シャッタに関する。
【0002】
【従来の技術】
最近におけるこの種のレンズシャッタは、シャッタ羽根の往復作動を、モータの往復回転によって行わせるものが多くなっている。そして、その典型的な従来例が、特開平8−262531号公報と特開平9−152645号公報に示されている。このうち、前者の公報に記載されている従来例は、モータによって往復作動させられる開閉部材が設けられていて、その開閉部材のピンが、2枚のシャッタ羽根に形成された長孔(スロット)に嵌合するように構成されている。また、後者の公報に記載された従来例の場合には、上記の開閉部材が設けられておらず、モータの回転子に一体化されているピンが、2枚のシャッタ羽根に形成された長孔に直接嵌合するように構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
周知のように、この種のシャッタは、シャッタ羽根の開閉作動が遅いと、受像面の中心部と周辺部との間で露光量の差が大きくなり、所謂露光むらが顕著になる。また、2枚の羽根は、露光用開口部の限られた径方向領域に枢着されているので、カメラの構え方によっては重力の影響でシャッタ羽根の作動特性が変わってしまうことがある。そのため、この種のシャッタの製作に当たっては、或る程度以上の速度を安定して得られるようにする必要がある。特に、最近のカメラにおいては、フラッシュの発光信号をシャッタ羽根の開き作動から得ることが多いため、開き作動特性を安定化させることが極めて重要である。また、この種のシャッタには、露光条件によって、シャッタ羽根を、全開位置まで作動させず、所定の口径位置から閉じさせてしまうタイプのものが知られているが、そのようなタイプのシャッタにおいては、シャッタ羽根の開き作動特性を安定化させないと、露光量が大きく変わってしまう。
【0004】
ところで、シャッタ羽根の駆動源として小型モータを用いる場合には、その起動性が一番問題となる。言うまでもなく、2枚のシャッタ羽根は、閉鎖時には、相互の重なり面積が極めて大きくなっていて、しかも、その重なり部からの漏光を防止するために可成りの密接状態に保たれている。そのため、モータにとっての負荷は、開き作動開始時において一番大きいことになる。それに対して、モータの駆動力は、通電の初期においては小さく、徐々に大きくなっていく。従って、この初期時期における負荷が僅かに変動していたり、モータの起動力に変動が生じると、シャッタ羽根の開き作動特性に与える影響は極めて大きくなってしまう。そのような事態に対処するためには、小型であって大きな起動力を安定して得られるモータを使用すればよいわけだが、そのようなモータは極めて高価であり、実際上、この種のシャッタに採用することは困難である。従って、この種のシャッタを実施する場合には、各部材の加工精度・組立精度の確保、油や塵などの付着防止、モータ自体の作動の安定化維持等に製作上の各種の苦心が払われてきた。
【0005】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、2枚のシャッタ羽根が相対的に往復作動して、露光用開口部を開閉するようにしたカメラ用シャッタにおいて、各シャッタ羽根は、露光用開口部の閉鎖時には、モータの永久磁石の磁力によって閉鎖状態を維持され、開き作動時には、その維持力を解かれて、ばね力によって作動され、閉じ作動時には、モータによって作動されるようにすることにより、開き作動時における負荷の変動やモータの作動特性による影響を最小限に抑え、好適な開き作動特性を得るようにしたカメラ用シャッタを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明のカメラ用シャッタは、両者の間に羽根室を構成し少なくとも一方にはシャッタ全開時の口径を規制する露光用開口部を形成した二つの地板と、夫々が前記羽根室内において前記地板のいずれかに枢着され且つ一方に設けられたピンを他方に形成された長孔に嵌合させて互いに連結されており露光作動時には相対的に往復運動して前記露光用開口部を開閉する第1シャッタ羽根及び第2シャッタ羽根と、第1シャッタ羽根の外形部の一部に形成された被押動部に接触させる押動部を有している駆動部材を永久磁石を有する回転子と一体に構成し該駆動部材を往復作動させるモータと、一端を第2シャッタ羽根に掛け該第2シャッタ羽根を開き作動を行う方向及び前記第1シャッタ羽根に密接させる方向に付勢している付勢ばねと、前記二つのシャッタ羽根の連結部の作動領域を囲むようにして前記地板の少なくとも一方に形成された座部とを備え、前記駆動部材は、前記露光用開口部の開き作動時には前記押動部が前記被押動部から離れる方向へ作動され、前記露光用開口部の閉じ作動時には前記付勢ばねの付勢力に抗して前記押動部が前記被押動部を押すように作動され、前記露光用開口部の閉鎖時には前記付勢ばねの付勢力による前記第1シャッタ羽根の開き作動を前記永久磁石の磁力によって抑止しているように構成する。
また、本発明のカメラ用シャッタにおいては、好ましくは、前記モータが前記地板の一方に取り付けられており、前記付勢ばねは、前記モータの取り付け軸に巻回されているようにする。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、図1〜図4に示した実施例によって説明する。尚、図1はシャッタの閉鎖状態を示した平面図である。また、図2は要部の断面図であるが、各部材の配置関係を分かり易くするために、正規の断面図とは異なる描き方をしてある。図3はシャッタの全開状態を示した平面図であり、図4は全開前に開き作動を停止された状態を示す平面図である。
【0008】
先ず、本実施例の構成を、主に図1と図2を用いて説明する。シャッタ地板1と補助地板2は、いずれも合成樹脂製であって、両者は二つのビス3,3によって取り付けられ、それらの間に羽根室を構成している。シャッタ地板1の中央部には円形の開口部1aが形成されており、図示していないが、補助地板2にも同形の開口部が形成されている。それらの開口部は、同形であれば両者によって露光用開口部を構成することになるが、口径が異なる場合には、口径の小さい開口部が露光用開口部となる。
【0009】
シャッタ地板1には、羽根室内に軸1b,1cが立設されていて、シャッタ羽根4,5が回転可能に取り付けられている。尚、設計次第では、軸1b,1cを補助地板2に設けても差し支えない。また、シャッタ羽根4,5は、シャッタ羽根4の長孔4aにシャッタ羽根5のピン5aを嵌合させて相互に連結されている。二つの地板1,2には、その連結部を囲むようにして、羽根室側に、豆のかたちをした環状の座部1d,2aが形成されていて、シャッタ羽根4,5の相互の連結部近傍領域において、シャッタ羽根4,5が所定の姿勢を維持できるように、両者を密接させている。
【0010】
また、二つの地板1,2には、シャッタ羽根4,5の円弧状をした先端縁の作動軌跡に沿って、羽根室側に、円弧状のガイド部1e,1f,2b,2cが形成されている。更に、羽根室側には、開口部1aを囲むようにして円環状のガイド部1gが形成されており、明示されていないが補助地板2にも、そのガイド部1gと重なるようにして同形のガイド部が形成されている。従って、シャッタ羽根4,5は、それらのガイド部に挟まれることによって姿勢を保たれ、作動するようになっている。
【0011】
また、シャッタ羽根4には、外形端面の一部に被押動部4bが形成されており、シャッタ羽根5には、正方形をしたばね掛け用の孔5bが形成されている。更に、シャッタ地板1の周辺部には、羽根室内に三つのストッパ1h,1i,1jが設けられている。これらのうちストッパ1h,1iには、シャッタ羽根4,5の先端が、閉じ作動の最終段階で当接するようになっている。また、ストッパ1jには、開き作動の最終段階で、シャッタ羽根5が当接するようになっている。
【0012】
羽根室外において、シャッタ地板1には、円弧状のモータ枠6が取り付けられており、それらの間にモータ室が構成されている。このモータ枠6は合成樹脂製であって、それに形成された孔6a,6b,6cを、シャッタ地板1に設けられた軸1k,1m,1nの先端に嵌合させ、フック部6dとビス7によって取り付けられている。また、フック部6dの近傍にはカバー部6eが形成されていて、シャッタ地板1に形成されたフック部6dの係合孔から漏光するのを防ぐために、その係合孔を塞いでいる。
【0013】
本実施例に採用されているモータは、当該分野において、通常、ムービングマグネット型モータと称されているモータであって、回転子が永久磁石製であり、固定子のコイルに対する通電方向に応じ、回転子が所定の角度だけ正・逆転するモータである。但し、本発明は、この種のモータを使用することに限定されるものではない。本実施例において、シャッタ地板1の軸1pとモータ枠6の孔6fに軸受けされた回転子8は、合成樹脂材料と磁性体粒子との混合材料を使用し、成形後、2極に着磁したものであって、その出力ピン8aをも同時成形にて製作したものである。そして、この出力ピン8aはシャッタ地板1に形成された孔1qから羽根室内に延伸し、シャッタ羽根4の被押動部4bに接触し得るようになっている。
【0014】
このモータの固定子は、三つのヨーク部材9,10,11と、夫々コイルを巻回した二つのコイルボビン12,13で構成されている。そのうち、ヨーク部材9,10は、折曲加工によって磁極部9a,10aと、折曲部9b,10bとを形成しており、シャッタ地板1のピン1r,1s(図2参照)に位置決めされ、磁極部9a,10aを回転子8の周面に対向させている。また、ヨーク部材11は、モータ室外に配置されていて、両端に形成された折曲部11a,11bを、モータ枠6の孔6g,6hからモータ室内に延伸させ、ヨーク部材9,10の折曲部9b,10bと重ね合わせている。そして、折曲部9b,11aにはコイルボビン12が嵌装され、折曲部10b,11bにはコイルボビン13が嵌装されている。
【0015】
上記したモータ室内の軸1mには、ばね14が巻回されており、その一端は、シャッタ地板1に設けられたばね掛け1tに掛けられ、他端は、シャッタ地板1に設けられた長方形の孔1uを貫通して、シャッタ羽根5の孔5bに掛けられている。そのため、シャッタ羽根5は、このばね14によって反時計方向、即ち開き作動を行うように付勢されている。また、ばね14の他端は折り曲げられていて、僅かではあるが図2においてシャッタ羽根5を上方へ吊り上げるようにも作用している。尚、ばね14の他端がスムーズに作動できるようにするため、補助地板2には、上記した長方形の孔1uよりも長い長方形をした溝2dが形成されている。
【0016】
また、上記したモータ室内の軸1nには、開口規制部材15が回転可能に取り付けられている。その開口規制部材15の回転部にはばね16が巻回されており、その一端は、シャッタ地板1の軸1vに掛けられ、他端は、開口規制部材15のばね掛け15aに掛けられている。従って、開口規制部材15は、図1において反時計方向へ回転するように付勢されていることになる。更に、開口規制部材15には、操作部15bと規制部15cが設けられており、規制部15cは、シャッタ地板1に形成された孔1wを貫通し、羽根室内で、シャッタ羽根5の先端縁の作動軌跡内に臨み得るようになっている。
【0017】
そこで、上記のように構成されている本実施例の作動を説明する前に、図1に示した閉鎖状態における本実施例の特徴を説明しておく。シャッタ羽根4,5が、開口部1aを閉鎖している状態においては、シャッタ羽根5には、ばね14によって反時計方向へ回転する力が加わっている。そのため、ピン5aと長孔4aとで連結されているシャッタ羽根4には、時計方向へ回転する力が加わっている。他方、この状態においては、モータは非通電状態であるが、回転子8は2極に着磁されていて、磁極部9a.10aとの対向関係によって、バランス位置まで回転する力が時計方向へ働いている。そして、その力が、ばね14によるシャッタ羽根4の回転力よりも大きいため、シャッタ羽根4は、その被押動部4bを出力ピン8aに押され、シャッタ羽根4,5の先端がストッパ1h,1iに押し付けられることによって、この閉鎖状態が維持されている。
【0018】
また、ピン5aと長孔4aとの嵌合関係には、公差によるガタ(遊び)が存在する。また、本実施例の場合には、シャッタ羽根4,5の先端がストッパ1h,1iに同時に接触しているように製作することが、なかなか難しい。そのため、出力ピン8aによって直接押されているシャッタ羽根4の先端はストッパ1hに接触しているが、他方のシャッタ羽根5の先端はストッパ1iに接触していない状態でシャッタが製作されてしまうことがある。そのような場合には、上記したガタの分だけ、シャッタ羽根5が動き得るため、シャッタ羽根5の開き作動の開始位置が定まらなくなってしまう。しかし、本実施例においては、ばね14がシャッタ羽根5を開き作動方向へ付勢しているので、シャッタ羽根4,5の相対位置関係は、常に一定の関係とされ、シャッタ羽根4,5の開き作動が、常に一定の状態から開始されることになる。従って、開き作動が安定し、適正露光が得られるように調整するのが容易となる。
【0019】
更に、ピン5aと長孔4aとの嵌合関係には、上記したような平面方向のガタの問題だけではなく、厄介な問題を有している。即ち、両方の嵌合部の相対位置がピン5aの軸方向に変わってしまうことである。周知のように、ピン5aの長さは、長孔4aとの嵌合が外れないように設定されている。言い換えれば、その長さの範囲内で長孔4aの位置が或る程度ずれ得るということである。このようなずれは、姿勢差によって生じることもあるが、実際には、加工上から生じてしまう場合と、シャッタ羽根4,5の閉じ作動の終了時における衝撃によって生じてしまうことが多い。
【0020】
そして、嵌合関係に、そのようなずれが生じると、シャッタ羽根の一部が撓んだ状態になり、且つその撓み状態が一定しないため、開き作動の開始状態が安定せず、適正な露光量を得るための調整が極めて面倒になる。そこで、本実施例の場合には、シャッタ羽根4,5の連結部の作動領域を囲むようにして、二つの地板1,2に座部1d,2aを形成し、上記したピン5aの軸方向へのずれが生じないようにしている。
【0021】
また、本実施例においては、シャッタ羽根5に、ばね14を直接掛けている。しかし、単に掛けただけでは、シャッタ羽根5に対する、ばね14の接触位置が、閉鎖時の衝撃などによって、その都度ずれてしまうことがある。そのため、本実施例においては、先端を折曲げ、僅かではあるがシャッタ羽根5をシャッタ羽根4に対して接触する方向に作用させ、ばね14とシャッタ羽根5との接触位置のずれ防止と、シャッタ羽根5の撓み防止と、シャッタ羽根4,5の密着性の確保とを行わせ、シャッタ羽根4,5の開き作動の安定化を図っている。
【0022】
次に、本実施例の作動を説明する。図1に示した閉鎖状態において、二つのコイルボビン12,13のコイルに対して順方向の通電を行うと、回転子9は反時計方向へ回転される。この回転は、無負荷であるため、急速に行われる。それによって、シャッタ羽根4,5は、ばね14の付勢力によって開き作動を開始するが、閉鎖状態においては、シャッタ羽根4,5の重なり量が一番大きく、摩擦抵抗力が大きいことから、シャッタ羽根4は出力ピン8aの作動についてゆけず、出力ピン8aと被押動部4bとの接触が離れ、出力ピン8aの後を追うことになる。しかしながら、このようなシャッタ羽根4,5の開き作動は、出力ピン8aによってシャッタ羽根4,5を作動させる場合に比べ、一段と速く行われる。そのため、所定の開き作動特性を安定して得ることができる。
【0023】
このようにして、シャッタ羽根4,5が開口部1aを全開状態にしたときには、依然としてコイルに対する通電が続いているが、出力ピン8aは図示していないストッパによって、既に回転作動を停止されている。従って、シャッタ羽根4,5の開き作動は、開口部1aを全開にした直後に、シャッタ羽根4の被押動部4bが出力ピン8aに当接し、また、シャッタ羽根5の一部がストッパ1jに当接することによって停止する。その状態が図3に示されている。
【0024】
所定の時間が経過して、シャッタ羽根4,5に閉じ作動を行わせる場合には、コイルボビン12,13に巻かれたコイルに対し、逆方向へ通電する。そのため、回転子8は時計方向へ回転し、出力ピン8aによって、シャッタ羽根4の被押動部4bを押すことになる。このとき、出力ピン8aは、ばね14の付勢力に抗してシャッタ羽根4,5に閉じ作動を行わせることになるが、図1と図3との比較からも分かるように、全開状態においては、シャッタ羽根4,5の相互の重なり量が一番少ない状態であるから、摩擦抵抗力は極めて少く、モータに対する負荷はそれほど大きなものではない。そのため、シャッタ羽根4,5は、出力ピン8aによって、所定の速度で閉じ作動を行うことが可能である。
【0025】
このようにして閉じ作動が続けられ、開口部1aが閉鎖されると、その直後に、シャッタ羽根4,5の先端がストッパ1h,1iに当接する。そして、その衝撃により、シャッタ羽根4,5は一時的に撓められるが、本実施例においては、シャッタ羽根4,5の連結部近傍位置に、座部1d,2aが設けられているので、連結部の嵌合関係が変えられてしまうことがなく、また、ばね14の助けも得て、シャッタ羽根4,5の密着性も良好な状態で停止する。その後、モータへの通電が断たれた状態が、図1に示された状態である。
【0026】
次に、シャッタ羽根4,5が、開口部1aの全開状態まで作動せず、規制された所定の開口位置までしか作動しない場合について、簡単に説明する。このような作動は、周知のように、被写界輝度が可成り強いときや、距離情報に応じて行われるが、本実施例においては、距離情報によって、開口位置を規制するようにしている。先ず、露光作動に先立って、距離リングが回転され、近接撮影状態にセットされると、開口規制部材15は、それに連動して操作部15bを押され、ばね16に抗して所定の量だけ時計方向へ回転される。それによって、羽根室内に延伸している規制部15cが、シャッタ羽根5の作動軌跡内に位置決めされる。
【0027】
次に、モータのコイルに順方向への通電が行われると、上記のようにしてシャッタ羽根4,5は開き作動を行うが、その開き作動は、シャッタ羽根5が規制部15cに当接した位置で停止する。その状態が図4に示されている。その後、モータのコイルに逆方向への通電が行われると、回転子8が時計方向へ回転され、上記のようにしてシャッタ羽根4,5は閉じ作動を行う。そして、その閉じ作動終了後には、コイルへの通電が断たれると共に、距離リングの復帰によって開口規制部材15も復帰し、図1の状態となる。
【0028】
尚、本実施例においては、シャッタ羽根5に正方形の孔5bを形成し、ばね14の一端をその孔5bに掛けているが、本実施例のように、二つのシャッタ羽根4,5の連結を、シャッタ羽根4の長孔4aにシャッタ羽根5のピン5aを嵌合させて行っている場合には、ばね14の一端をピン5aに掛けるようにしても、本発明の目的は達成できる。また、本実施例においては、シャッタ地板1と補助地板2の両方に座部1d,2aを設けているが、いずれか一方だけであっても、それなりの効果は達成することができる。
【0029】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、2枚のシャッタ羽根が相対的に往復作動して、露光用開口部を開閉するようにしたカメラ用シャッタにおいて、各シャッタ羽根が、露光用開口部の閉鎖時には、モータの永久磁石の磁力によって閉鎖状態を維持され、開き作動時には、その維持力を解かれて、ばね力によって作動され、閉じ作動時には、モータによって作動されるようにしたから、シャッタ羽根の開き作動が、モータの作動特性等に依存せず、安定して得られるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の平面図であって、シャッタの閉鎖状態を示している。
【図2】実施例の構成を分かり易くするための断面図である。
【図3】実施例の平面図であって、シャッタの全開状態を示している。
【図4】実施例の平面図であって、全開前に開き作動が停止された状態を示している。
【符号の説明】
1 シャッタ地板
1a 開口部
1b,1c,1k,1m,1n,1p,1v 軸
1d,2a 座部
1e,1f,1g,2b,2c ガイド部
1h,1i,1j ストッパ
1q,1u,1w,5b,6a,6b,6c,6f,6g,6h 孔
1r,1s,5a ピン
1t,15a ばね掛け
2 補助地板
2d 溝
3,7 ビス
4,5 シャッタ羽根
4a 長孔
4b 被押動部
6 モータ枠
6d フック部
6e カバー部
8 回転子
8a 出力ピン
9,10,11 ヨーク部材
9a,10a 磁極部
9b,10b,11a,11b 折曲部
12,13 コイルボビン
14,16 ばね
15 開口規制部材
15b 操作部
15c 規制部
Claims (2)
- 両者の間に羽根室を構成し少なくとも一方にはシャッタ全開時の口径を規制する露光用開口部を形成した二つの地板と、夫々が前記羽根室内において前記地板のいずれかに枢着され且つ一方に設けられたピンを他方に形成された長孔に嵌合させて互いに連結されており露光作動時には相対的に往復運動して前記露光用開口部を開閉する第1シャッタ羽根及び第2シャッタ羽根と、第1シャッタ羽根の外形部の一部に形成された被押動部に接触させる押動部を有している駆動部材を永久磁石を有する回転子と一体に構成し該駆動部材を往復作動させるモータと、一端を第2シャッタ羽根に掛け該第2シャッタ羽根を開き作動を行う方向及び前記第1シャッタ羽根に密接させる方向に付勢している付勢ばねと、前記二つのシャッタ羽根の連結部の作動領域を囲むようにして前記地板の少なくとも一方に形成された座部とを備え、前記駆動部材は、前記露光用開口部の開き作動時には前記押動部が前記被押動部から離れる方向へ作動され、前記露光用開口部の閉じ作動時には前記付勢ばねの付勢力に抗して前記押動部が前記被押動部を押すように作動され、前記露光用開口部の閉鎖時には前記付勢ばねの付勢力による前記第1シャッタ羽根の開き作動を前記永久磁石の磁力によって抑止しているようにしたことを特徴とするカメラ用シャッタ。
- 前記モータが前記地板の一方に取り付けられており、前記付勢ばねは、前記モータの取り付け軸に巻回されていることを特徴とする請求項1に記載のカメラ用シャッタ。
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