JP2011055776A - 畜肉又は魚肉食品の食感改良剤 - Google Patents

畜肉又は魚肉食品の食感改良剤 Download PDF

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Abstract

【課題】畜肉又は魚肉食品の食感を柔らかくて口溶けの良い食感とすることができる畜肉又は魚肉食品の食感改良剤を提供すること。
【解決手段】固形分中のカルシウム含量が2質量%未満である乳清ミネラル、好ましくは更に以下の(a)、(b)、(c)、(d)及び(e)の条件を満たす乳清ミネラルを有効成分として含有する畜肉又は魚肉食品の食感改良剤。
(a)乳清ミネラルの固形分中の灰分含量が25〜75質量%
(b)乳清ミネラルの灰分中のカルシウム含量が5質量%未満
(c)乳清ミネラルの固形分中の乳酸含量が1.0質量%以上
(d)乳清ミネラルの固形分0.1質量%水溶液のpHが6.0〜7.5
(e)乳清ミネラルの固形分中の乳糖含量が50質量%未満
【選択図】なし

Description

本発明は、柔らかくて口溶けのよい食感である畜肉又は魚肉食品を提供することができる畜肉又は魚肉食品の食感改良剤に関する。
畜肉又は魚肉食品の食感に対してさまざまな要求があるが、柔らかい食感は最も多い要求である。
例えば、特許文献1には、乳清蛋白質を含む食感の改善された食肉加工食品が開示されており、特許文献2には、乳清蛋白質、増粘多糖類及びアルカリ性塩類を含む食感の改善された食肉加工食品が開示されている
しかし、上記の特許文献1や特許文献2では、加熱により乳清蛋白質が変性するため口溶けが悪い食肉加工食品となってしまうという欠点があった。
特開2001−224335号公報 特開2001−224336号公報
従って、本発明の目的は、畜肉又は魚肉食品の食感を柔らかくて口溶けの良い食感とすることができる畜肉又は魚肉食品の食感改良剤を提供することにある。
本発明者等は、上記目的を達成すべく種々検討した結果、ある特定の組成の乳清ミネラルは、畜肉又は魚肉食品の食感を改善し、柔らかくて口溶けの良い食感とすることができることを知見した。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、固形分中のカルシウム含量が2質量%未満である乳清ミネラルを有効成分として含有する畜肉又は魚肉食品の食感改良剤を提供するものである。
また、本発明は該畜肉又は魚肉食品の食感改良剤を含有する畜肉又は魚肉食品を提供するものである。
更に、本発明は該畜肉又は魚肉食品の食感改良剤を畜肉又は魚肉食品に添加する畜肉又は魚肉食品の食感改良方法を提供するものである。
本発明の畜肉又は魚肉食品の食感改良剤によれば、畜肉又は魚肉食品の食感を、柔らかくて口溶けの良い食感とすることが可能である。
以下、本発明の畜肉又は魚肉食品の食感改良剤について、好ましい実施形態に基づき詳述する。
先ず、本発明の畜肉又は魚肉食品の食感改良剤で使用する乳清ミネラルについて詳述する。通常、乳清ミネラルとは、乳又は乳清から可能な限り蛋白質や乳糖を除去したものであり、高濃度に乳中の灰分を含有するという特徴を有する。そのため、その灰分組成は、原料となる乳やホエー中の組成に近い比率で含有する。本発明の畜肉又は魚肉食品の食感改良剤で使用する乳清ミネラルは、上記乳清ミネラルと異なり、カルシウム含量が低いという特徴を有するものである。
また、本発明の畜肉又は魚肉食品の食感改良剤で使用する乳清ミネラルは、固形分中のカルシウム含量が2質量%未満、好ましくは1質量%未満、更に好ましくは0.5質量%未満である。2質量%以上になると、食感改良効果が著しく弱くなる。尚、下限は特に制限はない。
本発明の畜肉又は魚肉食品の食感改良剤で使用する乳清ミネラルは、更に、以下の(a)、(b)、(c)、(d)及び(e)の条件を満たすことにより一層食感改良効果が優れたものとなる。
(a)乳清ミネラルの固形分中の灰分含量が25〜75質量%
(b)乳清ミネラルの灰分中のカルシウム含量が5質量%未満
(c)乳清ミネラルの固形分中の乳酸含量が1.0質量%以上
(d)乳清ミネラルの固形分0.1質量%水溶液のpHが6.0〜7.5
(e)乳清ミネラルの固形分中の乳糖含量が50質量%未満
以下、上記(a)〜(e)の各条件について順に説明する。
<(a)条件>
本発明の畜肉又は魚肉食品の食感改良剤で使用する乳清ミネラルは、固形分中の灰分含量が好ましくは25〜75質量%、更に好ましくは30〜75質量%である。25質量%未満であると、他の有機成分が多くなり畜肉又は魚肉食品の食感改良効果(柔らかく口溶けがよい)が発揮されにくく、75質量%を超えると、苦味が強くなりやすい。
<(b)条件>
本発明の畜肉又は魚肉食品の食感改良剤で使用する乳清ミネラルは、灰分中のカルシウム含量が好ましくは5質量%未満、更に好ましくは3質量%未満、最も好ましくは2質量%未満である。5質量%以上であると、食感改良効果(柔らかく口溶けがよい)が著しく弱くなりやすい。尚、下限は特に制限はない。
<(c)条件>
本発明の畜肉又は魚肉食品の食感改良剤で使用する乳清ミネラルは、固形分中の乳酸含量が好ましくは1質量%以上、更に好ましくは2〜25質量%、最も好ましくは3〜15質量%である。1質量%未満であると食感改良効果(柔らかく口溶けがよい)が弱くなりやすい。
尚、ここでいう乳酸含量とは、一般的な手法である検体を過塩素酸によって処理した後、高速液体クロマトグラフ法で測定した結果得られるデータに基づくものであり、よって乳酸のみならず、乳酸ナトリウム、乳酸カリウム、乳酸カルシウム等の塩の形態で含有するものも一括した量である。
<(d)条件>
本発明の畜肉又は魚肉食品の食感改良剤で使用する乳清ミネラルは、固形分0.1質量%水溶液のpHが好ましくは6.0〜7.5、更に好ましくはpHが6.5〜7.0である。6.0未満であると、食感改良効果(柔らかく口溶けがよい)が弱くなりやすく、7.5を超えると、製造時や使用時の加熱で褐変等が発生し易くなる。
<(e)条件>
本発明の畜肉又は魚肉食品の食感改良剤で使用する乳清ミネラルは、固形分中の乳糖含量が好ましくは50質量%未満、更に好ましくは40質量%未満、最も好ましくは30質量%未満である。50質量%以上であると、糖の風味が感じられやすく、また製造時や使用時の加熱により、褐変が発生しやすくなる。
尚、下限に特に制限はない。
次に上記の乳清ミネラルの製造方法について説明する。
上述のとおり、本発明で使用するカルシウム含量が低い乳清ミネラルを得るためには、従来の乳清ミネラルは直接使用することができない。よって、上記カルシウム含量の乳清ミネラルを得るには、乳又はホエーから、膜分離、及び/又はイオン交換、更には冷却により、乳糖と蛋白質を除去して乳清ミネラルを得る際に、あらかじめカルシウムを低減した乳を使用した酸性ホエーを用いる方法、或いは甘性ホエーから乳清ミネラルを製造する際にカルシウムを除去する工程を挿入する方法等により得ることができるが、工業的に実施する上での効率やコストの点で、甘性ホエーから乳清ミネラルを製造する際にある程度ミネラルを濃縮した後に、カルシウムを除去する工程を挿入する方法を採ることが好ましい。
ここで使用する脱カルシウムの方法としては特に限定されず、調温保持による沈殿法やイオン交換等公知の方法を採ることができる。また、固形分中の灰分含量は、例えばナノ濾過膜分離時の膜処理条件を調整することによって調製でき、またpHは、例えば出発原料として使用する甘性ホエーを得る際のチーズ製造時の発酵時間を調整することで調製できる。
尚、乳酸含量を高くするため、ホエーとして乳酸発酵を強度にすすめるか、或いは、酸性ホエーを得る際に大量の乳酸を用い乳酸量を増やす方法等も考えられるが、得られた乳清ミネラルが上記(d)のpH条件を満たすことが困難となる。こうした場合、更にアルカリ等の添加による中和工程を行う方法もあるが、味質が低下するため好ましくない。
即ち、上記特徴を有する乳清ミネラルとしては以下の(f)、(g)及び(h)工程を経て得られたものであることが好ましい。
(f)乳又はホエーから、膜分離及び/又はイオン交換により脱ミネラル液を分離し、高ミネラル液(I)を得る工程
(g)高ミネラル液(I)から、カルシウム−リン酸複合体を分離及び除去し、高ミネラル液(II)を得る工程
(h)高ミネラル液(II)を、固形分が20質量%以上となるまで濃縮及び/又は乾燥し、乳清ミネラルを得る工程
ここで先ず、上記特徴を有する乳清ミネラルを得る工程において、その出発物質として使用する乳又はホエーについて説明する。
上記乳としては、牛乳をはじめ、人乳、山羊乳、馬乳、更にそれらを使用した脱脂乳、加工乳、及びクリーム等が挙げられ、そのいずれでも使用することが可能である。
また、上記ホエーとしては、上記乳を使用してチーズを製造する際に副産物として得られるホエー、更には、カゼイン製造の際に副産物として得られるホエー、乳を限外濾過することによって得られるホエー等、何れでも使用することができる。
更に、チーズを製造する際に副産物として得られるホエー、及びカゼイン製造の際に副産物として得られるホエーは、その製造方法により酸性ホエーと甘性ホエーがあるが、そのどちらでも使用することができる。
本発明の畜肉又は魚肉食品の食感改良剤では、上記乳又はホエーの中でも、特に食感効改良効果が高いことから、牛乳を使用してチーズを製造する際に副産物として得られるホエー、又はカゼイン製造の際に副産物として得られるホエーを使用することが好ましく、牛乳を使用してチーズを製造する際に副産物として得られるホエーを使用することが更に好ましく、牛乳を使用してチーズを製造する際に副産物として得られる甘性ホエーを使用することが特に好ましい。
次に上記(f)、(g)及び(h)工程について説明する。
<(f)工程>
本工程では、上記乳又はホエーから、膜分離、及び/又はイオン交換により、脱ミネラル液と高ミネラル液(I)に分離する。ここで使用する膜分離の方法としては、精密濾過膜分離、限外濾過膜分離、ナノ濾過膜分離、逆浸透膜分離、透析膜分離と各種の方法があり、また、ここで使用するイオン交換の方法としては、陽イオン交換膜法や陰イオン交換膜法を用いる電気透析膜分離や、イオン交換樹脂による方法があり、これらの膜分離方法やイオン交換の1種又は2種以上を適宜組合せて使用することができる。上記(f)工程においては、特に分離効率が高いことから、ナノ濾過膜分離及び/又は逆浸透膜分離の方法によることが好ましく、ナノ濾過膜分離をした後に逆浸透膜分離を行なうことが更に好ましい。
<(g)工程>
本工程では、上記(f)工程で得られた高ミネラル液(I)から、カルシウム−リン酸複合体を分離及び除去し、高ミネラル液(II)を得る。上記カルシウム−リン酸複合体の分離及び除去の方法としては、(i)加熱処理を行うか、又は(ii)イオン交換を行う。ここで、該加熱処理における加熱方法としては特に限定されず、直接加熱又は間接加熱のどちらの方法でも可能である。
また、該加熱処理における加熱温度としては、好ましくは50〜99℃、更に好ましくは70〜90℃であり、その温度での保持時間は、好ましくは2〜60分、更に好ましくは15〜25分である。上記加熱処理を行うことで、不溶性のカルシウム−リン酸複合体が生成するので、これを分離及び除去し、高ミネラル液(II)を得る。
上記分離及び除去の方法としては、濾過、遠心分離等、一般的な方法をとることができる。
上記(ii)イオン交換の方法としては、陽イオン交換膜法や陰イオン交換膜法を用いる電気透析膜分離や、イオン交換樹脂による方法があり、これらの膜分離方法やイオン交換の1種又は2種以上を適宜組合せて使用することができる。
<(h)工程>
本工程では、上記(g)工程で得られた、高ミネラル液(II)を、固形分が20質量%以上、好ましくは40質量%以上、更に好ましくは60〜100質量%となるまで濃縮及び/又は乾燥し、乳清ミネラルを得る。上記濃縮方法としては特に限定されないが、水分のみを効率よく除去可能なことからエバポレ−ターを用いた減圧濃縮法が好ましい。また、上記乾燥方法としては特に限定されず、スプレードライ法や凍結乾燥法等の一般的な乾燥方法を適宜選択することができる。本工程においては、水分の除去を効率的に行なうことが可能な点で、上記濃縮工程を採った後、上記乾燥工程を行なうことが好ましい。その場合、濃縮工程では、固形分が好ましくは20〜60質量%になるまで濃縮した後、続けて、固形分が好ましくは60〜100質量%となるまで乾燥することが好ましい。
以上説明した方法等により好ましく製造される乳清ミネラルは、固形分が20質量%以上であり、畜肉及び魚肉への分散性に問題がなければ、流動状、ペースト状、粉末状等、どのような形態であってもよい。
尚、上記の乳清ミネラルが流動状やペースト状である場合、その固形分は好ましくは20〜80質量%、更に好ましくは40〜70質量%であり、粉末状である場合、その固形分は好ましくは40〜100質量%、更に好ましくは70〜100質量%である。
本発明の畜肉又は魚肉食品の食感改良剤は、上記乳清ミネラルを有効成分として含有するものである。本発明の畜肉又は魚肉食品の食感改良剤は、上記乳清ミネラルをそのまま単独で使用してもよく、また、各種の添加剤と混合して、常法により粉体、顆粒状、錠剤、液剤等の形状に製剤化して用いてもよい。この場合、これらの製剤中の上記乳清ミネラルの含有量は、乳清ミネラル由来の固形分として好ましくは1〜100質量%、より好ましくは5〜100質量%、更に好ましくは20〜100質量%、最も好ましくは50〜100質量%である。
上記の粉体、顆粒状、錠剤等の形状に製剤化するための添加剤としては、アルギン酸類、ペクチン、海藻多糖類、カルボキシメチルセルロース等の増粘多糖類や、乳糖、でんぷん、二酸化ケイ素等の賦形剤、ブドウ糖、果糖、ショ糖、麦芽糖、ソルビトール、ステビア等の甘味料、微粒二酸化ケイ素、炭酸マグネシウム、リン酸二ナトリウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム等の固結防止剤、ビタミン類、香料、酸化防止剤、光沢剤等の各種添加剤が挙げられ、これらの一種又は二種以上のものが適宜選択して用いられる。本発明の畜肉又は魚肉食品の食感改良剤中における上記各種添加剤の含有量は、添加剤によって異なるが好ましくは合計で90質量%以下、更に好ましくは50質量%以下である。
液剤の形状に製剤化する場合は、液体に溶解又は分散させることにより得られる。そのような液体としては、水、エタノール、プロピレングリコール等が挙げられる。本発明の畜肉又は魚肉食品の食感改良剤中における上記液体の含有量は、好ましくは95質量%以下、更に好ましくは90質量%以下である。
次に本発明の畜肉又は魚肉食品の食感改良剤を含有する畜肉又は魚肉食品について述べる。
上記の畜肉又は魚肉食品における、本発明の畜肉又は魚肉食品の食感改良剤の含有量は、特に限定されず、使用する畜肉又は魚肉食品や、求める食感改良効果の強さに応じて適宜決定されるが、畜肉又は魚肉食品で用いる畜肉及び/又は魚肉100質量部に対し、畜肉又は魚肉食品の食感改良剤に含まれる乳清ミネラルの固形分として、好ましくは0.0001〜0.5質量部、より好ましくは0.0005〜0.2質量部、更に好ましくは0.001〜0.1質量部である。0.0001質量部未満、又は0.5質量部を超えると、食感改良効果が認められ難く、また0.5質量部を超えると、乳清ミネラルの苦味が感じられるおそれがある。
上記の畜肉又は魚肉食品としては、特に限定されるものではなく、例えば焼肉、ハンバーグ、ミートボール、肉団子、ミートローフ、ミートパテ、チキンナゲット、ミートコロッケ、メンチカツ、シュウマイの具、餃子の具、肉まんの具、つくね、ハム、ソーセージ、ステーキ、焼肉、鶏のから揚げ等の畜産加工品、かまぼこ、つみれ、ちくわ、はんぺん、干物、塩辛、佃煮、珍味等の水産加工品等があげられる。
本発明の畜肉又は魚肉食品の食感改良剤を含有する畜肉又は魚肉食品に添加する際、高蛋白質素材を添加しないことが好ましい。詳しくは、高蛋白質素材中の蛋白質の含有量が好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上、最も好ましくは90質量%以上である高蛋白質素材を添加しないことが好ましい。また上記の高蛋白質素材の具体例としては、カゼイン、カゼインナトリウム、大豆蛋白、乾燥卵白等をあげることができる。
次に、本発明の畜肉又は魚肉食品の食感改良方法について述べる。
本発明の畜肉又は魚肉食品の食感改良方法は、畜肉又は魚肉食品に対し上記本発明の畜肉又は魚肉食品の食感改良剤を添加するものであり、畜肉又は魚肉食品の食感を柔らかくて口溶けの良い食感とするものである。本発明の畜肉又は魚肉食品の食感改良剤畜肉又は魚肉食品に添加する方法は、特に限定されず、対象となる畜肉又は魚肉食品の加工時、調理時、飲食時等に、畜肉又は魚肉食品に混合、散布、噴霧、注入、浸漬等、任意の手段により行なわれる。
<乳清ミネラルの製造>
〔製造例1〕
チーズを製造する際に副産物として得られる甘性ホエーをナノ濾過膜分離後、更に、逆浸透濾過膜分離により固形分が20質量%となるまで濃縮した後、更に80℃で20分間の加熱処理をして生じた沈殿を遠心分離して除去し、これを更にエバポレーターで濃縮し、スプレードライ法により、固形分97質量%の乳清ミネラル1を得た。
〔製造例2〕
上記乳清ミネラル1の加熱処理工程において、処理時間を半分にした以外は製造例1と同様にして乳清ミネラル2を得た。
〔製造例3〕
上記乳清ミネラル1を得る過程で、pH、及び乳酸含量を、出発原料に使用するチーズの発酵時間で調整し、固形分中の灰分含量をナノ濾過膜分離時の膜処理条件を調整することで調整し、カルシウム含量を加熱処理の処理時間で調整し、下記の表1の組成である乳清ミネラル3を得た。
〔製造例4〕
チーズを製造する際に副産物として得られる甘性ホエーをナノ濾過膜分離後、更に、逆浸透濾過膜分離により固形分が20質量%となるまで濃縮した。その後、更に80℃20分の加熱処理をして生じた沈殿を遠心分離して除去し、これを更にエバポレーターで濃縮し、固形分が40質量%の流動状の乳清ミネラル4を得た。
〔製造例5〕
上記乳清ミネラル1を得る過程で、pHを出発原料に使用するチーズの発酵時間で調整し、固形分中の灰分含量をナノ濾過膜分離時の膜処理条件を調整することで調整し、下記の表1の組成である乳清ミネラル5を得た。
以下の表1に各製造例において得られた乳清ミネラルの、固形分中のカルシウム含量、固形分中の灰分含量、灰分中のカルシウム含量、固形分中の乳酸含量、固形分0.1質量%水溶液のpH、及び固形分中の乳糖含量を示す。
Figure 2011055776
以上の製法によって製造された乳清ミネラルを使用して、本発明の内容を以下の実施例、比較例等を用いて更に具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら制限されるものではない。
〔実施例1〕
豚肉(挽肉)500g、食塩11g、リン酸塩1.25g、水112g、及び上記製造例1で得られた乳清ミネラル1を0.05gを混合し、混合物を得た。得られた混合物を1晩熟成後、ケーシングに充填し、常法に従い成形、加熱工程を経て、本発明のソーセージ1を得た。得られたソーセージ1の食感は柔らかく、口溶けが良好であった。
〔実施例2〕
牛豚合挽肉200g、食塩2g、胡椒0.2g、玉葱80g、卵20g、及びパン粉20g、牛乳18gに対して、上記製造例1で得られた乳清ミネラル1を0.2g添加して混合し、80gに分割し、これを小判状に成形し、190℃のオーブンで8分程度焼成して本発明のハンバーグ1を得た。得られたハンバーグ1の食感は柔らかく、口溶けが良好であった。
〔実施例3〕
牛豚合挽肉200g、食塩2g、胡椒0.2g、玉葱80g、卵20g、パン粉20g、及び牛乳18gに対して、上記製造例2で得られた乳清ミネラル2を0.2g添加して混合し、80gに分割し、これを小判状に成形し、190℃のオーブンで8分程度焼成して本発明のハンバーグ2を得た。得られたハンバーグ2の食感は、実施例2に較べて若干食感が硬めであったが、口溶けは実施例2と同等の口溶けであった。
〔比較例1〕
牛豚合挽肉200g、食塩2g、胡椒0.2g、玉葱80g、卵20g、パン粉20g、及び牛乳18gに対して、上記製造例3で得られた乳清ミネラル3を0.2g%添加して混合し、80gに分割し、これを小判状に成形し、190℃のオーブンで8分程度焼成してハンバーグ3を得た。得られたハンバーグ3は、牛豚合挽肉200g、食塩2.2g、胡椒0.2g、玉葱80g、卵20g、パン粉20g、牛乳18gを混合し、80gに分割し、これを小判状に成形し、190℃のオーブンで8分程度焼成したハンバーグと同様の食感であり、製造例1の乳清ミネラル1を用いたときの効果は全くみられなかった。
〔実施例4〕
秋刀魚400g、片栗粉18g、適量の刻んだ葱と摩り下ろした生姜に対して、上記製造例4で得られた乳清ミネラル4を0.4g添加してフードミキサーで混合し、混合物とし、得られた混合物を一口大に分割した後、だし汁で7〜8分程度煮て、本発明のつみれ汁1を得た。得られたつみれ汁1のつみれの食感は、柔らかく、口溶けが良好であった。
〔実施例5〕
鰯200g、日本酒10g、片栗粉10g、適量の刻んだ葱と摩り下ろした生姜に対して、上記製造例4で得られた乳清ミネラル4を0.2g添加してフードミキサーで混合し、混合物とし、得られた混合物を一口大に分割した後、だし汁で7〜8分程度煮て、本発明のつみれ汁3を得た。得られたつみれ汁3のつみれの食感は、柔らかく、口溶けが良好であった。
〔実施例6〕
鰯200g、日本酒10g、片栗粉10g、適量の刻んだ葱と摩り下ろした生姜に対して、上記製造例5で得られた乳清ミネラル5を0.2g添加してフードミキサーで混合し、混合物とし、得られた混合物を一口大に分割した後、だし汁で7〜8分程度煮て、本発明のつみれ汁4を得た。得られたつみれ汁4は、実施例5で得られたつみれ汁3のつみれに較べて苦味が感じられ、また食感はつみれ汁3のつみれより若干硬いものの、口溶けは良好であった。

Claims (5)

  1. 固形分中のカルシウム含量が2質量%未満である乳清ミネラルを有効成分として含有する畜肉又は魚肉食品の食感改良剤。
  2. 上記の乳清ミネラルが、更に以下の(a)、(b)、(c)、(d)及び(e)の条件を満たすものである請求項1記載の畜肉又は魚肉食品の食感改良剤。
    (a)乳清ミネラルの固形分中の灰分含量が25〜75質量%
    (b)乳清ミネラルの灰分中のカルシウム含量が5質量%未満
    (c)乳清ミネラルの固形分中の乳酸含量が1.0質量%以上
    (d)乳清ミネラルの固形分0.1質量%水溶液のpHが6.0〜7.5
    (e)乳清ミネラルの固形分中の乳糖含量が50質量%未満
  3. 上記の乳清ミネラルが、以下の(f)、(g)及び(h)工程を経て得られたものである請求項1記載の畜肉又は魚肉食品の食感改良剤。
    (f)乳又はホエーから、膜分離及び/又はイオン交換により脱ミネラル液を分離し、高ミネラル液(I)を得る工程
    (g)高ミネラル液(I)から、カルシウム−リン酸複合体を分離及び除去し、高ミネラル液(II)を得る工程
    (h)高ミネラル液(II)を、固形分が20質量%以上となるまで濃縮及び/又は乾燥し、乳清ミネラルを得る工程
  4. 請求項1〜3の何れかに記載の畜肉又は魚肉食品の食感改良剤を含有する畜肉又は魚肉食品。
  5. 請求項1〜3の何れかに記載の畜肉又は魚肉食品の食感改良剤を畜肉又は魚肉食品に添加する畜肉又は魚肉食品の食感改良方法。
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