JP3353403B2 - 澄明なだしまたはス−プの製造法 - Google Patents

澄明なだしまたはス−プの製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、だしまたはス−プ、特
にその澄明さを強調しただしまたはス−プの製造法に関
する。
【0002】
【従来の技術】だしまたはス−プでは、特にその澄明さ
が求められる場合が多い。例えば和風食品ではそば用汁
あるいはうどん用汁、洋風食品ではコンソメス−プがそ
の代表的な例である。
【0003】従来、澄明なだしまたはス−プを製造する
際には、原料の熱水抽出液に熱凝固性蛋白、例えば卵白
を添加し、熱水抽出液中に存在する濁りの原因となる成
分を熱凝固性蛋白に付着・吸着せしめて熱凝固性蛋白粒
子内に包埋し、これを分離除去する方法が行われてき
た。
【0004】また、その具体的な方法、操作に関して
は、日常、容易に参照できる和風または洋風料理の料理
書に詳述されている。
【0005】一方、昨今では、麺類用汁、和風煮物用だ
しあるいはコンソメス−プ用ス−プストックが工業的規
模で大量に生産され供給されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の熱凝固性蛋白を
使用する方法は有効な方法ではあるが、適当量の熱凝固
性蛋白の調達に関し、あるいは処理操作上、独特の「か
ん」が要求されたり、あるいは卵白の臭いが残留するな
ど、大規模な工業的実施の場合には、家庭内あるいはレ
ストランの調理場で行う小規模な実施とは異なる種々の
困難がある。
【0007】本発明にあっては、従来求められてきたと
同等の品質の澄明なだしまたはス−プを工業的な規模で
製造、供給することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、魚介類ま
たは鳥獣肉の熱水抽出液に存在し、濁りの原因となる物
質の成分および性質を詳細に検討し、熱水抽出液中の呈
味成分および香気成分を損なうことなく、濁りの原因と
なる物質を効果的に除去する方法に関し、種々の面から
検討した結果、濁りの原因となる物質の主要成分は乳化
状態にある脂肪系の物質であること、この脂肪系の物質
は、水溶性蛋白と推定される凝固物の凝固時に凝固物に
付着または吸着され、さらに凝固粒子に包埋されるこ
と、また、当該凝固物の凝固には水溶性カルシウム塩の
添加および塩基の添加が適当であること、さらに濾過あ
るいは遠心分離などの固液分離処理による凝固粒子の除
去の際には、包埋された濁りの原因となる物質は凝固粒
子から再び放出されることなく、凝固粒子と同時に母液
である熱水抽出液から完全に分離、除去できることを発
見し、これらの発見に基づいて本発明を完成した。
【0009】すなわち、請求項1に記載の第1発明は、
魚介類または鳥獣肉の熱水抽出液に水溶性カルシウム塩
を添加しその塩が溶解した後に、炭酸ナトリウム、重炭
酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、又はアンモニアの内
の1種以上を添加して生成された凝固物を分離除去する
ことを特徴とする澄明なだしまたはス−プの製造法であ
り、また請求項2に記載の第2発明は、第1発明におい
て熱水抽出液が魚節または煮干し類の抽出液であること
を特徴とする澄明なだしまたはス−プの製造法である。
【0010】
【作用】本発明において、魚介類または鳥獣肉の熱水抽
出液は、魚介類、鳥獣肉またはそれらの加工品の水また
は淡食塩水による加熱抽出液である。具体的には、赤身
魚、白身魚、貝類、例えばホタテ、あるいはエビ、カニ
など生鮮魚介類の熱水抽出液、鰹節、鯖節、鰯節、宗田
節、うるめ節などの魚節、あるいは焼干、煮干、いり
こ、だしじゃこなどの煮干し類を始めとする魚加工品の
熱水抽出液、または牛肉、牛骨、鶏肉、鶏ガラの水また
は淡食塩水による加熱抽出液である。
【0011】また何れの場合にあっても、魚介類または
鳥獣肉に加えて、海藻、野菜、特に昆布、乾燥椎茸ある
いは各種の香味野菜、例えばブ−ケ−・ガルニ(Bouque
t garni )などを加えて熱水抽出してもよい。
【0012】尚、一般に魚介類の熱水抽出液は和風だし
用に、また鳥獣肉の熱水抽出液は洋風ス−プ、ス−プス
トック用に、あるいは中華風の麺汁、「湯」ス−プ用に
仕向けられる。
【0013】本発明において添加される水溶性カルシウ
ム塩としては、可食性のカルシウム塩、例えば乳酸カル
シウム、塩化カルシウムなどが挙げられる。尚、係る水
溶性カルシウム塩は添加時に全量が溶解する必要はな
く、添加量の一部が固体のまま残存していてもよい。
【0014】水溶性カルシウム塩の添加量は、熱水抽出
液の濃度、性質、状態等によってその都度決定される
が、一般には熱水抽出液に対してカルシウムとして0.
01〜1.0%(重量/重量)である。この範囲以下で
は澄明効果は期待できず、この範囲をこえる添加ではカ
ルシウムイオンに由来する苦渋味などの異味を残すこと
になる。
【0015】水溶性カルシウム塩の添加時における熱水
抽出液の温度は室温でも十分好ましい結果が得られる
が、例えば60〜100℃に保持することにより、凝固
物の生成がより速やかに進行し、あるいは水溶性カルシ
ウム塩または後述の塩基の添加量がより少量で済むなど
の利点が得られる。また添加には水溶性カルシウム塩の
水溶液または粉末を攪拌下に添加する方法が採用され
る。尚、この場合、熱水抽出液の状態を観察しつつ、水
溶性カルシウム塩の適量を分割して添加するのがよい。
【0016】また本発明で添加される塩基物質として
は、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリ
ウム、アンモニア水などが挙げられる。
【0017】塩基物質の選択は、別に添加される水溶性
カルシウム塩の種類を考慮して選択される。適当な組合
わせとしては、乳酸カルシウムと炭酸ナトリウムの例が
挙げられる。
【0018】塩基物質の添加は、熱水抽出液中に生成す
る凝固物の生成状態および液体部分の澄明さを観察しな
がら実施する。一般に塩基物質の添加量は、1L当たり
2〜100mg当量である。尚、塩基物質の添加も熱水
抽出液の攪拌下、水溶性カルシウム塩の添加の後あるい
は同時交互に行う。
【0019】水溶性カルシウム塩および塩基の添加によ
り生成して濁り成分を付着吸着した凝固物の除去には、
濾過、遠心分離など通常の固液分離の方法が適用され
る。凝固物の除去はpHの調整後ただちに行う場合の他
に、凝固粒子が相互に会合し粒子径の成長を待って行う
場合もある。
【0020】澄明さは、官能的手段、すなわち、目視に
よる判断で行うのは当然であるが、吸光度の測定による
数値範囲を特定する定義に従うとよい。好ましい澄明さ
は、だしまたはス−プの仕様、すなわち、そのままの濃
度で使用するのか、或いは希釈して使用するかの別、種
類、仕向け先などの要件にしたがって選択、決定され
る。
【0021】一例として、魚節を原料とする和風だしの
場合の澄明さに関する定義を表1に示す。尚、表1にお
いて、そのままで使用する場合の「澄明」は通常のそば
用汁の澄明さに相当する。
【0022】
【表1】
【0023】このように、魚介類または鳥獣肉の熱水抽
出液に水溶性カルシウム塩と塩基とを添加し、この添加
によって生成される凝固物を分離除去した本発明による
だしまたはス−プは、高度に澄明な特性を有するもので
ある。
【0024】
【実施例】(実施例1) うるめ節の粗砕物10kgを85℃のイオン交換処理水
40Lに浸漬して85±5℃にて60分間保持し、次い
で濾過膜により固液分離して、ブリックス濃度2.5
%、液温60℃の抽出液30Lを取得した。該抽出液に
食品添加物規格の乳酸カルシウム150gを添加し、3
分間攪拌後に炭酸ナトリウム20gを分割して添加し
た。凝固物の粒子が十分に大きくなり、適当な固さを有
すると認めた後に濾過して澄明なだしを取得した。だし
の660nmにおける吸光度は0.1以下であった。
【0025】(実施例2) うるめだしに、乳酸カルシウム又は炭酸ナトリウムを添
加しその塩が溶解した後に炭酸ナトリウム、水酸化ナト
リウム又は乳酸カルシウムを添加しその効果を検証し
た。次の表2にその結果を示す。
【0026】
【表2】
【0027】表2に示す通り、乳酸カルシウム添加後に
炭酸ナトリウム及び水酸化ナトリウムを添加したものに
良好な効果が現れたことが確認された。従って凝固物の
形成には、カルシウムイオンとアルカリの相乗効果によ
る凝固物の形成及び沈殿が大きなポイントであることが
理解できる。尚、アンモニアの添加においても同様の凝
集・沈殿の効果がみられている。
【0028】
【本発明の効果】以上に述べたように、本発明によるだ
しまたはス−プの製造法は工業的規模で製造した場合に
あっても、その使用目的に合致する高度に澄明な特性を
保持できるという効果を有する。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/39 - 1/48 A23L 1/22 - 1/24

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 魚介類または鳥獣肉の熱水抽出液に水溶
    性カルシウム塩を添加しその塩が溶解した後に、炭酸ナ
    トリウム、重炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、又は
    アンモニアの内の1種以上を添加して生成された凝固物
    を分離除去することを特徴とする澄明なだしまたはス−
    プの製造法。
  2. 【請求項2】 熱水抽出液が魚節または煮干し類の抽出
    液である請求項1の澄明なだしまたはス−プの製造法。
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