JP2011053591A - 記録媒体及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐光性の異なる記録材料で形成された画像領域がある記録媒体において、耐光性が低い方の画像の劣化の度合いが目視で確認される記録媒体及びその記録媒体を作成する画像形成装置を提供する。
【解決手段】記録媒体10には、不可視画像12と、可視画像14と、が形成されている。不可視画像12は、第1の記録材料によって構成されている。可視画像14は、第1の記録材料と耐光性が略同一である第2の記録材料によって構成された可視の第1の領域14Aと、第1の記録材料より耐光性の高い第3の記録材料によって構成された可視の第2の領域14Bと、を含んで構成されている。そして、この第2の領域14Bは、第1の領域14Aの退色過程の何れかの段階に応じた色を示している。
【選択図】図1

Description

本発明は、記録媒体及び画像形成装置に関する。
特許文献1には、赤外光を吸収する不可視のトナーにより構成された第1の画像と、紫外光を吸収して発光する第2のトナーにより構成された第2の画像と、が形成された記録媒体が提案されている。
特開2006−276179号公報
本発明は、耐光性の異なる記録材料で形成された画像領域がある記録媒体において、耐光性が低い方の画像の劣化の度合いが目視で確認される記録媒体及びその記録媒体を作成する画像形成装置を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、第1の記録材料によって形成された第1の画像と、前記第1の記録材料と耐光性が略同一である第2の記録材料によって形成された第1の領域と、前記第1の記録材料より耐光性の高い第3の記録材料によって形成された第2の領域と、からなり、前記第2の領域の色が、前記第1の領域の退色過程の何れかの段階に応じた色である第2の画像と、を有する記録媒体である。
請求項2に係る発明は、前記第1の記録材料が、色材として赤外吸収性を有する第1の材料を含み、前記第2の記録材料が、色材として前記第1の材料を含み、前記第3の記録材料が、色材として前記第1の材料より耐光性の高い1または複数種類の第2の材料を含み、前記第1の画像が不可視の画像である請求項1に記載の記録媒体である。
請求項3に係る発明は、前記第1の材料は、下記構造式(I)で表されるペリミジン系スクアリリウム色素である請求項1に記載の記録媒体である。
請求項4に係る発明は、前記第2の領域の色が、前記第1の材料が寿命であるときの前記第1の領域の色である請求項2または請求項3に記載の記録媒体である。
請求項5に係る発明は、記録媒体に、第1の記録材料によって形成された第1の画像と、前記第1の記録材料と耐光性が略同一である第2の記録材料によって形成された第1の領域と、前記第1の記録材料より耐光性の高い第3の記録材料によって形成された第2の領域と、からなり、前記第2の領域の色が、前記第1の領域の退色過程の何れかの段階に応じた色である第2の画像と、を形成する画像形成装置である。
請求項6に係る発明は、前記第1の記録材料が、色材として赤外吸収性を有する第1の材料を含み、前記第2の記録材料が、色材として前記第1の材料を含み、前記第3の記録材料が、色材として前記第1の材料より耐光性の高い1または複数種類の第2の材料を含み、前記第1の画像が不可視の画像である請求項5に記載の画像形成装置である。
請求項7に係る発明は、前記第1の材料は、下記構造式(I)で表されるペリミジン系スクアリリウム色素である請求項5に記載の画像形成装置である。
請求項1及び請求項5に係る発明によれば、耐光性の異なる記録材料で形成された画像領域がある記録媒体において、耐光性が低い方の画像の劣化の度合いを目視で確認できる記録媒体及び画像形成装置が提供される。
請求項2及び請求項6に係る発明によれば、記録媒体上に記録された不可視画像に含まれる第1の材料の劣化の度合いが目視で確認される記録媒体及び画像形成装置が提供される。
請求項3及び請求項7に係る発明によれば、第1の材料として、本発明における構造式(I)で表されるペリミジン系スクアリリウム色素以外のペリミジン系スクアリリウム色材を用いた場合に比べて、不可視画像の劣化が抑制される。
請求項4に係る発明によれば、第2の領域が第1の材料が寿命であるときの第1の領域の色とは異なる色である場合に比べて、第1の材料が寿命であることが目視で容易に確認される。
本実施の形態に係る記録媒体の一例を示す模式図である。 本実施の形態に係る記録媒体上に形成された可視画像の一例を示す模式図であり、(A)〜(C)は可視画像の第1の領域が退色していく様子を示す模式図である。 本実施の形態に係る記録媒体上に形成された可視画像の一例を示す模式図であり、(A)〜(C)は可視画像の第1の領域が退色していく様子を示す模式図である。 本実施の形態に係る記録媒体上に形成された可視画像の一例を示す模式図であり、(A)〜(D)は可視画像の第1の領域が退色していく様子を示す模式図である。 本実施の形態に係る記録媒体上に形成された可視画像の一例を示す模式図であり、(A)〜(D)は可視画像の第1の領域が退色していく様子を示す模式図である。 試験例における、(A)粒子及び原料のX線回折スペクトルを示す線図である。 試験例における、スラリーの赤外吸収スペクトルを示す線図である。
以下、本実施の形態について図面を参照して説明する。
図1に示すように、本実施の形態の記録媒体10には、不可視画像12と、可視画像14と、が形成されている。
不可視画像12は、第1の記録材料によって形成されている。可視画像14は、該第1の記録材料と耐光性が略同一である第2の記録材料によって形成された可視の第1の領域14Aと、第1の記録材料より耐光性の高い第3の記録材料によって形成された第2の領域14Bと、を含んで構成されている。そして、この第2の領域14Bは、第1の領域14Aの退色過程の何れかの段階に応じた色を示している。
なお、本実施の形態において、「第1の記録材料と第2の記録材料の耐光性が略同一である」とは、第1の記録材料と、第2の記録材料と、の退色速度が略同じであることを示している。具体的には、第1の記録材料と、第2の記録材料と、の色差ΔEが、同じ温度及び湿度の環境下において時間が経過しても6未満の状態が維持されていることを示している。
本実施の形態では、上記第1の記録材料は、色材として、赤外吸収性を有する第1の材料を含んでいる。また、上記第2の記録材料は、色材として、該第1の材料を含んでいる。第3の記録材料は、第1の材料より耐光性の高い1または複数種類の第2の材料を、色材として含んでいる。なお、第1の記録材料に含まれる色材は、第1の材料のみであり、第2の記録材料に含まれる色材は、第1の材料のみであり、第3の記録材料に含まれる色材は、第2の材料のみである。
また、本実施の形態では、不可視画像12は、不可視の画像であり、可視画像14は、可視の画像とされている。
なお、上述のように、本実施の形態では、不可視画像12を構成する第1の記録材料に含まれる色材と、可視画像14の第1の領域14Aを構成する第2の記録材料に含まれる色材と、が同じ(第1の材料)である形態を説明するが、第1の記録材料と第2の記録材料の耐光性が略同一となる色材が、第1の記録材料及び第2の記録材料の各々に含まれていればよく、第1の記録材料に含まれる色材と第2の記録材料に含まれる色材とが同じ材料である場合に限られない。
また、本実施の形態では、不可視画像12は、不可視の画像であるものとして説明するが、可視の画像であってもよい。
本実施の形態において、「可視」とは、可視光において目視により認識されることを示している。具体的には、可視の画像である可視画像14の画像領域では、記録媒体10との色差ΔEが6以上である。このため、記録媒体10上の可視画像14は、目視により認識される。
また、本実施形態において、「不可視」とは、可視光において、目視により認識されにくい(即ち、理想的には不可視である)ことを意味する。このため、本実施の形態における不可視画像12は、不可視の画像である。詳細には、不可視画像12の画像領域では、記録媒体10との色差ΔEが6未満である。
上述のように、第1の材料は、赤外吸収性を有する。この「赤外吸収性を有する」とは、該第1の材料を用いて印字被覆率100%の画像を形成したときの該画像に対して、赤外光を照射したときの反射率が、該赤外光の波長領域の内の少なくとも何れかの波長において35%以下であることを示している。
このため、不可視画像12は、不可視であるが、赤外光を照射して反射光を受光することで読取られる。例えば、不可視画像12は、赤外領域の波長の光を照射する半導体レーザーまたは発光ダイオードを光学読取り用の光源として用い、赤外光に高い分光感度を有する汎用の受光素子を使用することによって読み出される。受光素子としては、例えばシリコンによる受光素子(CCD等)が挙げられる。
この不可視画像12を構成する第1の記録材料、及び可視画像14の第1の領域14Aを構成する第2の記録材料に含まれる色材は、本実施の形態では、同じ第1の材料である。この第1の材料は、赤外吸収性を有すると共に、赤外領域に比べて小さいものの可視領域にも光吸収を有している(詳細後述)。このため、本実施の形態では、第1の記録材料及び第2の記録材料に含まれる第1の材料の含有量(濃度)を調整することで、第1の記録材料によって構成される不可視画像12を不可視とし、第2の記録材料によって構成される可視画像14の第1の領域14Aを可視としている(詳細後述)。なお、第1の記録材料及び第2の記録材料に含まれる第1の材料の含有量(濃度)を調整すること以外に、画像の被覆率を変化させることで記録媒体との色差ΔEを変化させることも可能である。具体的には、可視の第1の領域14Aを被覆率100%のいわゆるベタ画像とし、不可視画像12が被覆率10%程度のドットパターンとする、などの例が挙げられる。
ここで、記録媒体10上に形成された不可視画像12は、不可視であり目視では確認されず、赤外光の照射によって読取られるが、不可視画像12に含まれる赤外吸収性を有する第1の材料が劣化すると、上記赤外光による読み出しが困難になる(所謂、第1の材料が寿命となる)場合がある。しかし、不可視画像12は「不可視」であるため、不可視画像12に含まれる第1の材料が劣化した状態にあるか否かを、目視で判別することは困難である。
なお、本実施の形態では、「第1の材料の劣化」とは、色材である第1の材料の赤外吸収性が低下することを示し、具体的には、赤外光の波長領域の吸光度が劣化前に比べて低下し、受光素子による読み取りが困難になることを示している。受光素子の感度にも依存するため一概には言えないが、「第1の材料が寿命」である、とは、例えば、第1の材料を用いて印字被覆率100%の画像を形成したときの該画像に対して、赤外光を照射したときの反射率が、該赤外光の全波長領域において35%より大きくなることがひとつの目安となる。
そこで、本実施の形態における記録媒体10には、上記不可視画像12と共に、可視画像14が形成されている。この可視画像14には、不可視画像12と同じ第1の材料を含む第2の記録材料によって構成された可視の第1の領域14Aと、第1の材料より耐光性の高い1または複数種類の第2の材料を含む第3の記録材料によって構成された可視の第2の領域14Bと、が設けられている。そして、この第2の領域14Bは、第1の領域14Aの退色過程の何れかの段階に応じた色を示している。
この「第1の領域14Aの退色過程」とは、第1の材料の退色(劣化)による第1の領域14Aの色の変化(すなわち、退色の進行度合い)を示している。そして、「第1の領域14Aの退色過程の何れかの段階に応じた色」としては、例えば、第1の材料が退色前の状態にあるときの第1の領域14Aの色や、第1の材料が寿命となったときの第1の領域14Aの色や、第1の材料が退色前から寿命となるまでの退色の進行に応じて変化する各段階に応じた色、が挙げられる。
なお、この第2の領域14Bには、第1の領域14Aの退色過程の何れか1つの段階に応じた1色が示される形態であっても良いし、第1の領域14Aの退色過程の複数段階の各々に応じた色が複数示される形態であっても良い。
この第2の領域14Bの色は、第1の領域14Aの退色過程の何れかの段階に応じた色となるように、該第2の領域14Bを構成する第3の記録材料に含まれる、第1の材料より耐光性の高い1または複数種類の第2の材料を混合することによって調整すればよい。例えば、複数種類の第2の材料として、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、及びK(ブラック)の色材を用意して、これらの混合量を調整することで、第1の領域14Aの退色過程の何れかの段階に応じた色を調整すればよい。
この第3の記録材料に含まれる1または複数種類の第2の材料は、第1の材料に比べて耐光性の高い色材である。この「第1の材料に比べて耐光性が高い」とは、具体的には、第1の材料に比べて退色速度が遅いことを示している。
このため、記録媒体10上に、色材として第1の材料を用いた第1の領域14Aと、色材として第2の材料を用いた第2の領域14Bと、を有する可視画像14を形成することで、第1の材料と第2の材料との退色速度の差が、可視画像14における第1の領域14Aと、第2の領域14Bと、の色差としてあらわれる。
従って、この可視画像14における第1の領域14Aと第2の領域14Bとの色差が目視で確認されることによって、結果的に、不可視画像12に含まれる第1の材料の劣化の度合いが目視で確認されることとなる。
この可視画像14は、記録媒体10上の他の可視の印刷画像16や不可視画像12に重ならない位置に設けられていることが良い。また、この可視画像14の大きさは、記録媒体10において、第1の領域14Aと第2の領域14Bの色差が視認される程度の大きさであればよい。
なお、本実施の形態における記録媒体10が、本発明の記録媒体に相当し、不可視画像12が、本発明の記録媒体における不可視画像に相当し、可視画像14が、本発明の記録媒体における可視画像に相当する。
図2〜図5には、図1に示す記録媒体10上に不可視画像12と共に形成された可視画像14の一例を示した。
図2に示す可視画像14は、第1の材料を含む第2の記録材料によって形成された可視の第1の領域14Aと、該第1の材料より耐光性の高い1または複数種類の第2の材料を含む第3の記録材料によって形成された可視の第2の領域14Bと、を含んだ構成とされている。
図2に示す一例では、第2の領域14Bは、第1の材料より耐光性の高い1または複数種類の第2の材料を含む第3の記録材料によって「OK」の文字として形成されている。そして、図2に示す例では、この第2の領域14B(すなわち、第3の記録材料)の色を、第1の材料が退色して寿命となったときの第1の領域14Aの色としている。
そして、この第2の領域14Bの外側を、該第1の材料を含む第2の記録材料によるベタ画像(すなわち被覆率100%の画像)で囲み、第1の領域14Aとしている。
図2に示す例では、第1の領域14Aに含まれる第1の材料が退色する前の状態では、図2(A)に示すように、可視画像14における第1の領域14Aと第2の領域14Bとの色差が目視により確認される。このため、図2(A)に示す状態では、第1の材料が退色する前の状態、すなわち不可視画像12(図1参照)を構成する第1の材料の劣化が進行していないことが目視にて確認されると考えられる。
そして、第1の材料の退色によって第1の領域14Aの退色が進むと、「OK」の文字として形成された第2の領域14Bとの色差が図2(A)に比べて狭まる(図2(B)参照)。そして、第1の材料の更なる退色の進行によって、第1の領域14Aと第2の領域14Bとの色差が更に狭まり、第1の領域14Aと第2の領域14Bとの境界が視認されにくくなる(図2(C)参照)。
このため、図2(B)に示す状態では、不可視画像12を構成する第1の材料の劣化が進行していることが目視で確認され、図2(C)に示す状態では、不可視画像12を構成する第1の材料が寿命であることが目視で確認される。
従って、不可視画像12の第1の領域14Aと第2の領域14Bとの色差が視認されることによって、不可視画像12に含まれる第1の材料の劣化の度合いが目視で確認される。
なお、図2に示す例では、第1の領域14Aと第2の領域14Bとの色差が視認されない状態となることで、不可視画像12の寿命が示され、これらの領域の色差が小さくなるほど、不可視画像12の劣化の進行が示される。このため、図2に示すように、第2の領域14Bの色を、第1の領域14Aに含まれる第1の材料が寿命であるときの色に形成した場合には、第1の領域14Aと第2の領域14Bとの色差によって表される文字としては、「OK」や「良好」等の第1の材料の劣化が進行していないことを意味する文字であることが良い。
図3には、図2とは異なる態様を示した。
図3に示す一例では、第1の領域14Aは、第1の材料を含む第2の記録材料によって「NG」の文字として形成されている。そして、この「NG」の文字として形成された第1の領域14Aの外側を第3の記録材料によるベタ画像で囲み、第2の領域14Bとしている。
この第2の領域14Bは、第1の材料より耐光性の高い1または複数種類の第2の材料を含む第3の記録材料によって形成されている。そして、図3に示す例では、この第2の領域14B(すなわち、第3の記録材料)の色を、第1の領域14Aが退色する前の状態にあるときの色に調整して記録する。
このようにすれば、第1の領域14Aが退色する前の状態では、図3(A)に示すように、可視画像14における第1の領域14Aと第2の領域14Bとの色差が視認されず、第1の領域14Aの「NG」の文字は視認されない。
そして、第1の材料の退色の進行によって、第1の領域14A(「NG」の文字として形成された領域)の退色が進み、第2の領域14Bとの色差が広がると、図3(B)に示すように、第1の領域14Aと第2の領域14Bとの境界が視認されはじめる。そして、さらに第1の領域14Aの退色が進むことで、図3(C)に示すように、「NG」の文字として形成された第1の領域14Aが目視にてはっきりと確認される。
このため、図3(A)に示す状態では、不可視画像12を構成する第1の材料が劣化していないことが目視で確認され、図3(B)に示す状態では、不可視画像12を構成する第1の材料の劣化が進行していることが目視で確認され、図3(C)に示す状態では、不可視画像12を構成する第1の材料が寿命であることが目視で確認される。
従って、不可視画像12の第1の領域14Aと第2の領域14Bとの色差が視認されることによって、不可視画像12に含まれる第1の材料の劣化の度合いが目視で確認される。
なお、図3に示す例では、第1の領域14Aと第2の領域14Bとの色差がはっきりと視認される状態となることで、不可視画像12の寿命が示され、これらの領域の色差が小さいほど、不可視画像12の劣化が進行していないことが示される。このため、図3に示すように、第2の領域14Bの色を、第1の領域14Aに含まれる第1の材料が未劣化であるときの色に形成した場合には、第1の領域14Aと第2の領域14Bとの色差によって表される文字としては、「NG」や「不良」等の第1の材料の劣化が進行していることを意味する文字であることが良い。
図4には、図2及び図3とは異なる態様を示した。
図4に示す一例では、第1の領域14Aは、第1の材料を含む第2の記録材料によって、可視画像14の中央部にベタ画像として形成されている。そして、この第1の領域14Aの外側を、第3の記録材料によるベタ画像で囲み、第2の領域14Bとしている。
この第2の領域14Bは、1または複数種類の第2の材料を含む第3の記録材料によって形成されている。そして、図4に示す例では、この第2の領域14B(すなわち、第3の記録材料)の色を、第1の材料が退色前の状態にあるときの第1の領域14Aの色に調整して記録する。
そして、更に、図4に示す例では、可視画像14には、第3の記録材料によって第2の領域14Bが形成されている。この第2の領域14Bには、1または複数種類の第2の材料を含む第3の記録材料によって、退色による第1の領域14Aの色の変化を示す複数種類の色が示されている。この複数種類の各色としては、例えば、第1の材料が退色する前から、退色しはじめ、退色が進行し、寿命となり、寿命を超えて更に退色した状態、の各々に対応する色が挙げられる。図4に示す例では、この第2の領域14Bに示される上記複数種類の色は、退色前の状態にあるときの第1の領域14Aの色から、退色の進行度合いに応じた順に配列されている。そして、この第2の領域14Bに示される複数種類の色の、第1の材料が寿命であるときの第1の領域14Aの色を示す領域には、寿命を示すマーク15が示されている。
この第2の領域14Bに示される上記複数種類の色は、第3の記録材料に含まれる複数種類の第2の材料の種類や、複数種類の第2の材料の混合比や含有量等を調整することによって示される。
このようにすれば、第1の領域14Aが退色する前の状態では、図4(A)に示すように、可視画像14における第1の領域14Aと第2の領域14Bとの色差が視認されず、第1の領域14Aと第2の領域14Bとの境界は視認されない。このときの第1の領域14Aの色が、第2の領域14Bに含まれる複数種類の色の何れの色に最も近いかが視認されることで、不可視画像12に含まれる第1の材料の劣化の度合いが目視で確認される。
そして、第1の材料の退色の進行によって、第1の領域14Aの退色が進み、第2の領域14Bとの色差が広がると、図4(B)に示すように、第1の領域14Aと第2の領域14Bとの境界が視認されはじめる。そして、さらに第1の領域14Aの退色が進むことで、図4(C)及び図4(D)に示すように、第1の領域14Aと第2の領域14Bとの色差が広がり、これらの境界がはっきりと視認される。このとき、退色過程の各段階における第1の領域14Aの色が、第2の領域14Bに含まれる複数種類の色の何れの色に最も近いかが視認されることで、不可視画像12に含まれる第1の材料の劣化の度合いが目視で確認される。
また、第2の領域14Bの、第1の材料が寿命であるときの第1の領域14Aの色を示す領域には、寿命を示すマーク15が示されていることから、第2の領域14B中の該マーク15に対応する色と、第1の領域14Aとの色差が確認されることで、不可視画像12に含まれる第1の材料の寿命までの期間の目安が目視で確認される。
図5には、図2、図3、及び図4とは異なる態様を示した。
図5に示す一例では、第2の領域14Bは、第1の材料の退色による第1の領域14Aの色の変化を示す複数種類の色見本(領域14B〜領域14B)として形成されている。そして、この第2の領域14Bの外側を、第2の記録材料によるベタ画像で囲み、第1の領域14Aとしている。
この第2の領域14Bにおける領域14B〜領域14Bによって示される複数種類の色見本は、第1の材料の退色によって示される第1の領域14Aの色を示している。この各色見本(領域14B〜領域14B)としては、例えば、第1の領域14Aが退色する前から、退色しはじめ、退色が進行し、寿命となり、寿命を超えて更に退色した状態、の各々に対応する色が示されている。この第2の領域14Bにおける領域14B〜領域14Bによって示される複数種類の色見本は、第1の材料が退色前の状態にあるときの第1の領域14Aの色から、退色の進行度合いに応じた順に配列されている。
また、第2の領域14Bにおける領域14B〜領域14Bによって示される複数種類の色見本の内の、第1の材料が寿命であるときの第1の領域14Aの色を示す領域には、寿命を示すマーク15が示されている。
この第2の領域14Bにおける領域14B〜領域14Bによって示される複数種類の色見本は、第3の記録材料に含まれる複数種類の第2の材料の種類や、複数種類の第2の材料の混合比や含有量等を調整することによって示される。
このようにすれば、第1の領域14Aが退色する前の状態では、図5(A)に示すように、可視画像14における第1の領域14Aと、第2の領域14Bに含まれる複数種類の色の内の「退色する前の色(未劣化の色)」を示す領域Bと、の境界が視認されない。
そして、第1の材料の退色の進行によって、第1の領域14Aの退色が進むと、図5(B)、図5(C)、図5(D)に示すように、可視画像14における第1の領域14Aとの境界の視認されない第2の領域14Bに含まれる領域が、領域14B、領域14B、領域14B、領域14Bへと推移する。
このため、退色過程の各段階における第1の領域14Aの色が、第2の領域14Bに含まれる複数の領域(領域14B〜領域14B)の何れの色に最も近いかが視認されることで、不可視画像12に含まれる第1の材料の劣化の度合いが目視で確認される。
また、第2の領域14Bにおける複数の領域の内の、第1の材料が寿命であるときの第1の領域14Aの色を示す領域には、寿命を示すマーク15が示されていることから、第2の領域14B中の該マーク15に対応する色と、第1の領域14Aとの色差が確認されることで、不可視画像12に含まれる第1の材料の寿命までの期間の目安が目視で確認される。
従って、不可視画像12(図1を参照)に含まれる第1の材料の劣化の進行度合いや、寿命が目視にて確認される。
なお、本実施の形態では、不可視画像12に含まれる第1の材料の劣化の進行度合いや寿命が目視にて確認される形態を説明したが、劣化の進行度合いや寿命を確認する対象となる画像は不可視の不可視画像に限られず、可視の可視画像であってもよい。この場合には、例えば、耐光性の異なる記録材料を2種類以上用意し、各々の記録材料を用いて可視画像を形成することで、上記と同様に色差が確認されることによって、耐光性の悪い方の記録材料で形成された可視画像に含まれる色材の劣化の進行度合いや寿命が目視で確認されることとなる。
なお、可視画像14において、第1の領域14A及び第2の領域14Bは、連続して設けられていても良いし、間隔を隔てて設けられていても良いが、不可視画像12の劣化の度合いの目視による判別しやすさの観点から、連続して設けられていることが良い。
(記録材料及び色材)
以下、色材として第1の材料を含む第1の記録材料、色材として第1の材料を含む第2の記録材料、1または複数種類の第2の材料を色材として含む第3の記録材料について詳細に説明する。
第1の記録材料及び第2の記録材料に、色材として含まれる第1の材料は、上述のように、赤外吸収性を有している。第1の記録材料によって構成された不可視画像12は不可視であり、第2の記録材料によって構成された可視画像14は可視である。この可視、不可視の調整は、第1の記録材料及び第2の記録材料に含まれる第1の材料の含有量(濃度)を調整することで、調整される。
すなわち、第1の材料としては、赤外吸収性を有すると共に、可視光の波長領域についても多少の光吸収を示す色素を用いればよい。なお、この第1の材料の可視光の波長領域における吸光度は、赤外光の波長領域における最大の吸光度より小さいことが必須である(具体的には、赤外光の波長領域における最大の吸光度の1/2以下等)。
また、第2の記録材料に含まれる第1の材料の含有量を、該第2の記録材料の可視光の波長領域の内の何れかの波長の反射率が75%以下となるように調整することで、第2の記録材料によって構成される画像は可視となる。
従って、第1の記録材料に色材として含まれる第1の材料の含有量は、第2の記録材料に色材として含まれる第1の材料の含有量に比べて低く、第1の記録材料が不可視、第2の記録材料が可視となるように、その含有量を調整すればよい。また既述したように、画像の被覆率を変化させることで記録媒体との色差ΔEを変化させても良い。
なお、本実施の形態に係る不可視画像12を形成する第1の記録材料は、印字被覆率100%の部分において、下記式(II)及び(III)で表される条件を満たすことが良い。
0≦ΔE≦16 式(II)
(100−R)≧75 式(III)
上記式(II)中、ΔEは下記式(IV)で表されるCIE1976L*a*b*表色系における色差を示し、式(III)中、R(単位:%)は不可視画像における波長850nmの赤外線反射率を示す。
上記式(II)及び(III)で表される条件を満たすことで、不可視画像12の不可視性と、不可視画像12の赤外光による読み取りやすさとが両立されると考えられる。また、不可視画像12の記録された記録媒体10における長期の信頼性が実現されると考えられる。
なお、上記式(IV)中、L1、a1、b1は、記録媒体10上の、不可視画像12や可視画像14や可視画像17等の形成されていない領域のL値、a値、およびb値を示し、L2、a2、b2は、それぞれ上記の第1の記録材料を用いて付着量4g/mの不可視画像12を記録媒体10上に形成した時の、該不可視画像12におけるL値、a値、およびb値を示す。
なお、上記式(IV)中、L1、a1、b1、L2、a2、b2は、反射分光濃度計を用いて得られる。本実施の形態においては、L1、a1、b1、L2、a2、b2は、反射分光濃度計としてエックスライト株式会社製、x−rite939を用いて測定された値である。
上記第1の記録材料及び上記第2の記録材料に色材として含まれる第1の材料としては、上記特性を有すればよいが、具体的には、VONPc、MNPc(M=Si,Ge,Ga,Mg,Al,Ti,TiO,ZrO,Zr,V,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Sn,Pb,Pt)、及び下記構造式(I)で表されるペリミジン系スクアリリウム色素や、が挙げられる。
これらの中でも、下記構造式(I)で表されるペリミジン系スクアリリウム色素が、優れた耐光性を有することから良い。
上記構造式(I)で表されるペリミジン系スクアリリウム色素は、その他の赤外吸収性を有する色材に比べて結晶性が高く、バインダー樹脂への溶解性が低い。このため、光の照射によって光エネルギーを吸収することによる分子内の結合の切断が抑制されると考えられる。従って、上記構造式(I)で表されるペリミジン系スクアリリウム色素は、その他の赤外吸収性を有する色材に比べて、優れた耐光性を有すると考えられる。
上記構造式(I)で表されるペリミジン系スクアリリウム色素は、上述のように、その他の赤外吸収性を有する色材に比べて結晶性が高いが、具体的には、Cuターゲットで波長1.5405ÅのX線照射により測定される粉末X線回折スペクトルにおけるブラッグ角(2θ±0.2°)が、少なくとも9.9°,13.2°,19.9°,20.8°,23.0°に回折ピークを示すものや、少なくとも17.7°、19.9°、22.1°、23.2°、24.9°に回折ピーク示すもの、22.6,24.2,8.9,17.1,18.4に回折ピークを示すもの等が挙げられる。
中でも、上記17.7°、19.9°、22.1°、23.2°、24.9°に回折ピーク示すものが、耐光性の観点から良い。
なお、上記構造式(I)で表されるペリミジン系スクアリリウム色素は、400nm以上750nm以下の可視光波長領域における反射率が十分に高く、かつ、750nm以上1000nm以下の近赤外光波長領域における反射率が十分に低いものである。
この「反射率が十分に高い」とは、400nm以上750nmの可視光波長領域の全領域における最大反射率%が少なくとも75%以上であることを示している。
また、「反射率が十分に低い」とは、750nm以上1000nm以下の近赤外光波長領域の全領域における最大反射率%が少なくとも35%以下であることを示している。
上記構造式(I)で表されるペリミジン系スクアリリウム色素は、例えば以下の反応スキームに従って得られる。
より具体的には、触媒の存在下で、1,8−ジアミノナフタレンと、3,5−ジメチルシクロヘキサノンとを、溶媒中で共沸還流の条件で反応させることにより、ペリミジン中間体(a)が得られる((A−1)工程)。
前記(A−1)工程に使用する触媒としては、p−トルエンスルホン酸一水和物、ベンゼンスルホン酸一水和物、4−クロロベンゼンスルホン酸水和物、ピリジン−3−スルホン酸、エタンスルホン酸、硫酸、硝酸、酢酸などが挙げられる。また、前記(A−1)工程に使用する溶媒としては、アルコール、芳香族炭化水素などが挙げられる。ペリミジン中間体(a)は高速カラムクロマトグラフィーまたは再結晶により精製される。
次に、ペリミジン中間体(a)と、3,4−ジヒドロキシシクロブタ−3−エン−1,2−ジオン(「スクアリン酸」又は「四角酸」とも呼ばれる)と、を、溶媒中で共沸還流の条件で反応させることにより、前記構造式(I)で表されるペリミジン系スクアリリウム色素が得られる((A−2)工程)。該(A−2)工程は、窒素ガス雰囲気で行うことが良い。
前記(A−2)工程に使用する溶媒としては、1−プロパノ−ル、1−ブタノール、1−ペンタノール等のアルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレン、モノクロロベンゼン等の芳香族炭化水素、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロロエタン、ジクロロプロパン等のハロゲン化炭化水素、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類が用いられる。また、アルコール類は単独で使用してもよいが、芳香族炭化水素、エーテル類、ハロゲン化炭化水素またはアミド類などの溶媒はアルコール類溶媒と混合して使用することが良い。溶媒としては、具体的には、1−プロパノ−ル、2−プロパノ−ル、1−ブタノール、2−ブタノール、1−プロパノ−ルとベンゼンの混合溶媒、1−プロパノ−ルとトルエンの混合溶媒、1−プロパノ−ルとN,N−ジメチルホルムアミドの混合溶媒、2−プロパノ−ルとベンゼンの混合溶媒、2−プロパノ−ルとトルエンの混合溶媒、2−プロパノ−ルとN,N−ジメチルホルムアミドの混合溶媒、1−ブタノールとベンゼンの混合溶媒、1−ブタノールとトルエンの混合溶媒、1−ブタノ−ルとN,N−ジメチルホルムアミドの混合溶媒、2−ブタノールとベンゼンの混合溶媒、2−ブタノールとトルエンの混合溶媒、2−ブタノ−ルとN,N−ジメチルホルムアミドの混合溶媒が挙げられる。混合溶媒を使う場合、アルコール類溶媒の濃度は、1容量%以上、または5容量%以上75容量%以下が良い。
また、前記(A−2)工程において、3,4−ジヒドロキシシクロブタ−3−エン−1,2−ジオンに対するペリミジン誘導体(a)のモル比(ペリミジン誘導体(a)のモル数/3,4−ジヒドロキシシクロブタ−3−エン−1,2−ジオンのモル数)は、1以上4以下、または1.5以上3以下が挙げられる。当該モル比が1未満の場合には前記構造式(I)で表されるペリミジン系スクアリリウム色素の収率が低下する場合があり、また、4を超えるとペリミジン誘導体(a)の利用効率が悪くなって、前記構造式(I)で表されるペリミジン系スクアリリウム色素の分離・精製が困難となる場合がある。
更に、前記(A−2)工程は、脱水剤を用いると反応時間が短縮し、また、前記構造式(I)で表されるペリミジン系スクアリリウム色素の収率が向上する傾向にある。脱水剤としては、ペリミジン中間体(a)及び3,4−ジヒドロキシシクロブタ−3−エン−1,2−ジオンと反応しないものであれば特に制限されないが、オルト蟻酸トリメチル、オルト蟻酸トリエチル、オルト蟻酸トリプロピル、オルト蟻酸トリブチルなどのオルト蟻酸エステル、モレキュラーシーブ等が挙げられる。
前記(A−2)工程における反応温度は使用する溶媒の種類によって異なるが、反応液の温度としては60℃以上、または75℃以上である。例えば、1−ブタノールとトルエンの混合溶媒を用いる場合には、反応液の温度75℃以上105℃が良い。
また、前記(A−2)工程における反応時間は、溶媒の種類又は反応液の温度によって異なるが、例えば1−ブタノールとトルエンの混合溶媒を用いて反応液の温度を90℃以上105℃以下として反応させる場合、反応時間は2時間以上4時間以下が挙げられる。
前記(A−2)工程で生成した前記構造式(I)で表されるペリミジン系スクアリリウム色素は、溶媒洗浄、高速カラムクロマトグラフィーまたは再結晶により精製される。
本実施の形態の記録媒体10において、第1の記録材料及び第2の記録材料に含まれる色材である第1の材料として、前記構造式(I)で表されるペリミジン系スクアリリウム色素を用いる場合には、顔料化処理を行うことが良いが、顔料化処理を行うと結晶系が変化しやすいと考えられる。
そのため、顔料化処理の方法及び処理条件は、顔料化処理前のペリミジン系スクアリリウム色素粒子(原料)の結晶系の変換が抑制されるように調整することが良い。すなわち、ペリミジン系スクアリリウム色素粒子のX線回折ピークを示すように調整されることが良い。具体的には、ペリミジン系スクアリリウム色素では、Cuターゲットで波長1.5405ÅのX線照射により測定される粉末X線回折スペクトルにおけるブラッグ角(2θ±0.2°)が、少なくとも17.7°、19.9°、22.1°、23.2°、24.9°に回折ピークを示すものが良いため、顔料化処理後のペリミジン系スクアリリウム色素が、該回折ピークを示すように調整されることが、耐光性向上の観点から良い。
顔料化方法としては、例えば、構造式(I)で表されるペリミジン系スクアリリウム色素と、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液とを混合し、その混合液について顔料化処理を行う方法が挙げられる。混合液には、必要に応じて水を加えて濃度を調節してもよい。また、顔料化処理に使用する装置としては、ビーズミル加工装置が挙げられる。
本実施の形態において、第1の材料として、前記構造式(I)で表されるペリミジン系スクアリリウム色素を用いる場合には、この第1の材料を含む第1の記録材料及び第2の記録材料は、上記構造式(I)で表されるペリミジン系スクアリリウム色素を、粒子として含有することが良い。該構造式(I)で表されるペリミジン系スクアリリウム色素は、その他の赤外吸収性を有する色素に比べて、分子間相互作用が大きく、また、それらの粒子は結晶性が高い。このため、粒子状の上記構造式(I)で表されるペリミジン系スクアリリウム色素を記録材料に含有させることで、不可視画像12の赤外発色能力及び耐光性がより高められると考えられる。
上記構造式(I)で表されるペリミジン系スクアリリウム色素の粒子は、例えば(A−2)工程後の精製物をテトラヒドロフランに溶かして、その溶液を、注射器等を用いて、氷冷した蒸留水に撹拌しながら注入して沈殿物を生成させ、その沈殿物を吸引濾過により濾取し、蒸留水で洗浄した後、真空乾燥することによって得られる。このとき、溶液中における上記構造式(I)で表されるペリミジン系スクアリリウム色素の濃度、溶液の注入速度、蒸留水の量又は温度、撹拌速度等を調整することにより、得られる沈殿物の粒子径が調整される。
上記構造式(I)で表されるペリミジン系スクアリリウム色素の粒子のメジアン径d50としては、10nm以上300nm以下や、20nm以上200nm以下が挙げられる。
上記構造式(I)で表されるペリミジン系スクアリリウム色素の粒子のメジアン径d50が上記範囲内であると、耐光性の低下が抑制され、且つ赤外発色能力が向上すると考えられる。
なお、粒子化およびメヂアン径の制御のための上記処理は、上記顔料化処理の前後のいずれで行ってもよい。
一方、可視画像14の第2の領域14Bを構成する第3の記録材料には、上述のように、1または複数種類の第2の材料が色材として含まれている。
この1または複数種類の第2の材料は、不可視画像12、及び可視画像14の第1の領域14Aの各々に含まれる第1の材料に比べて、耐光性の高い色素である。
また、第3の記録材料によって構成される第2の領域14Bの色は、第1の材料が退色過程の何れかの段階にあるときの第1の領域14Aの色となるように調整されている。このため、第3の記録材料に含まれる1または複数種類の第2の材料は、単独または混合によって、第1の材料の退色過程に応じた色を示すように、色素の種類や濃度を調整すればよい。
また、この第3の記録材料によって構成された可視画像14の第2の領域14Bは、可視であることから、第3の記録材料に含まれる第2の材料としては、少なくとも可視光の波長領域について光吸収を示すと共に第1の材料より耐光性が高く、その含有量を調整することで、第2の領域が第1の領域14Aと色差ΔE<3となるように調整される色素を選択すればよい。
この第3の記録材料に含まれる1または複数種類の第2の材料としては、上記特性を満たせば良く、公知のトナーやインク等に用いられるC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の色素を用いればよい。そして、不可視画像12及び可視画像14の第1の領域14Aに含まれる色材である第1の材料(の色等)に応じて、選択すればよい。
第1の記録材料、第2の記録材料、及び第3の記録材料の用途は、特に制限されないが、電子写真用トナー、インクジェットプリンター用インク、あるいは、活版印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷又はシルク印刷用のインクなどの用途に用いられる。
このため、本実施の形態の記録媒体10上の不可視画像12や、可視画像14における第1の領域14A及び第2の領域14Bは、上記第1の記録材料及び第2の記録材料によって構成されればよく、電子写真方式の画像形成装置によって形成されてもよいし、インクジェットプリンターによって形成されてもよいし、活版印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、またはシルク印刷などの装置によって形成されてもよい。
この不可視画像12や可視画像14の形成方法は、従来公知の方法を用いればよい。
第1の記録材料、第2の記録材料、及び第3の記録材料が、電子写真方式の画像形成装置に用いられるトナーである場合には、本実施の形態に係る第1の記録材料、第2の記録材料、及び第3の記録材料は、各々、1成分現像剤として単独で用いても、あるいはキャリアと組み合わせた2成分現像剤として用いてもよい。キャリアとしては、公知のキャリアが用いられ、例えば、芯材上に樹脂被覆層を有する樹脂コートキャリアが挙げられる。この樹脂被覆層には導電粉等が分散されていてもよい。
また、第1の記録材料、第2の記録材料、及び第3の記録材料が、電子写真方式の画像形成装置に用いられるトナーである場合、第1の記録材料、第2の記録材料、及び第3の記録材料には結着樹脂が含有される。使用される結着樹脂としては、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類の単独重合体あるいは共重合体が例示され、特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。さらに、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス等も結着樹脂として使用される。
また、第1の記録材料、第2の記録材料、及び第3の記録材料が、電子写真方式の画像形成装置に用いられるトナーである場合、記録材料には、帯電制御剤や、オフセット防止剤等を更に含有してもよい。帯電制御剤としては正帯電用のものと負帯電用のものがあり、正帯電用には、第4級アンモニウム系化合物がある。また、負帯電用には、アルキルサリチル酸の金属錯体、極性基を含有したレジンタイプの帯電制御剤等が挙げられる。オフセット防止剤としては、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン等が挙げられる。
また、第1の記録材料、第2の記録材料、及び第3の記録材料が、電子写真方式の画像形成装置に用いられるトナーである場合、流動性、粉体保存性の向上、摩擦帯電制御、転写性能、クリーニング性能向上等のために、無機粒子あるいは有機粒子を外添剤としてトナー表面に添加してもよい。無機粒子としては、公知のもの、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸カルシウム、酸化セリウム等が挙げられる。また目的に応じて無機粒子に公知の表面処理を施してもよい。また、有機粒子としては、フッ化ビニリデン、メチルメタクリレート、スチレン−メチルメタクリレート等を構成成分とする乳化重合体、あるいはソープフリー重合体等が挙げられる。
第1の記録材料、第2の記録材料、及び第3の記録材料が、インクジェットプリンターで用いられるインクである場合、記録材料としては、水を含有する水性インクとしての態様が挙げられる。また、本実施の形態の第1の記録材料、第2の記録材料、及び第3の記録材料には、インクの乾燥防止及び浸透性を向上させるために、水溶性の有機溶剤を更に含有させてもよい。水としては、イオン交換水、限外濾過水、純水等が挙げられる。また、有機溶媒としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類、N−アルキルピロリドン類、酢酸エチル、酢酸アミル等のエステル類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等の低級アルコール類、メタノール、ブタノール、フェノールのエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイド付加物等のグリコールエーテル類等が挙げられる。使用される有機溶媒は1種類でも2種類以上でもよい。有機溶媒は、吸湿性、保湿性、本実施形態に係るペリミジン系スクアリリウム色素の溶解度、浸透性、インクの粘度、氷点等を考慮して適宜選択される。インクジェットプリンターで用いられるインク中の有機溶媒の含有率としては、1質量%以上60質量%以下が挙げられる。
また、本実施の形態に係る第1の記録材料、第2の記録材料、及び第3の記録材料が、インクジェットプリンターで用いられるインクである場合、インクジェットプリンターのシステムに要求される諸条件を満たすために、記録材料には、インクの成分として従来知られている添加物が含有される。この添加物としては、pH調製剤、比抵抗調製剤、酸化防止剤、防腐剤、防カビ剤、金属封鎖剤等が挙げられる。pH調整剤としては、アルコールアミン類、アンモニウム塩類、金属水酸化物等が挙げられる。また、比抵抗調製剤としては、有機塩類、無機塩類が挙げられる。金属封鎖剤としては、キレート剤等が挙げられる。
本実施の形態に係る第1の記録材料、第2の記録材料、及び第3の記録材料が、インクジェットプリンターで用いられるインクである場合、噴封ノズル部の閉塞やインク吐出方向の変化等が生じない程度に、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、スチレン−アクリル酸樹脂、スチレン−マレイン酸樹脂等の水溶性樹脂を含有させてもよい。
また、本実施の形態に係る第1の記録材料、第2の記録材料、及び第3の記録材料が、活版印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、又はシルク印刷用のインクである場合、記録材料は、ポリマーや有機溶剤を含有する油性インクの態様とすればよい。ポリマーとしては、一般的には、蛋白質、ゴム、セルロース類、シエラック、コパル、でん粉、ロジン等の天然樹脂;ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ノボラック型フェノール樹脂等の熱可塑性樹脂;レゾール型フェノール樹脂尿素樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ、不飽和ポリエステル等の熱硬化性樹脂等が挙げられる。また、有機溶媒としては、上記インクジェットプリンター用インクの説明において例示された有機溶媒が挙げられる。
また、本実施の形態に係る第1の記録材料、第2の記録材料、及び第3の記録材料が、活版印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、又はシルク印刷用のインクである場合、第1の記録材料及び第2の記録材料は、印刷皮膜の柔軟性や強度を向上させるための可塑剤、粘度調整、乾燥性向上のための溶剤、乾燥剤、粘度調整剤、分散剤、各種反応剤等の添加剤を更に含有させてもよい。
また、上記構造式(I)で示されるペリミジン系スクアリリウム色素は、上述のように、耐光性に優れた色素であるため、該色素を第1の材料として含む第1の記録材料及び第2の記録材料は、耐光性に優れている。この第1の記録材料及び第2の記録材料の耐光性をより向上させる観点から、安定化剤を更に含有した構成としてもよい。安定化剤としては、励起状態の有機近赤外吸収色素からエネルギーを受け取る必要があり、近赤外吸収色素の吸収帯よりも長波長側に吸収帯を有するものが用いられる。また、安定化剤は、一重項酸素による分解が起こり難く、上記構造式(I)で示されるペリミジン系スクアリリウム色素と相溶性が高いものを用いることが良い。この特性を有する安定化剤としては、有機金属錯体化合物が挙げられる。中でも、下記一般式(V)で表される化合物が挙げられる。
一般式(V)中、R,R,R,Rは、互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれ置換又は未置換のフェニル基を示す。R,R,R,Rで示されるフェニル基が置換基を有する場合、当該置換基としては、H、NH、OH、N(CH2h+1、OCH2h+1、C2h−1、C2h+1、C2hOH又はC2hOC2i+1(hは1から18の整数を示し、iは1から6の整数を示す)などが挙げられる。また、X,X,X,Xは、互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれ、O、S、Seを示し、YはNi、Co、Mn、Pd、Cu、Pt等の遷移金属を示す。
上記一般式(V)で表される化合物の中でも、下記式(VI)で表される化合物が特に良い。

第1の記録材料及び第2の記録材料の各々に含まれる安定化剤の濃度は、上記構造式(I)で表されるペリミジン系スクアリリウム色素の質量に対して、1/10倍以上2倍以下が良い。
<試験例>
(試験例1)
(ペリミジン系スクアリリウム色素の調製:二段階合成)
1,8−ジアミノナフタレン4.843g(98%,30.0mmol)、3,5−ジメチルシクロヘキサノン3.886g(98%,30.2mmol)、p−トルエンスルホン酸一水和物10mg(0.053mmol)とトルエン45mlの混合液を窒素ガスの雰囲気中に攪拌しながら加熱し、5時間還流させた。反応中にできた水を共沸蒸留により除去した。反応終了後、トルエンを蒸留して得られた暗茶色固体はアセトンで抽出し、アセトンとエタノールの混合溶媒から再結晶することにより精製し、乾燥してから、茶色固体7.48g(収率93.6%)を得た。得られた茶色固体の1H−NMRスペクトル(CDCl)による分析結果を以下に示す。
1H−NMRスペクトル(CDCl): δ=7.25、7.23、7.22、7.20、7.17、7.15(m,4H,Harom);6.54(d×d,J=23.05Hz,J=7.19Hz,2H,Harom);4.62(br s,2H,2×NH);2.11(d,J=12.68Hz,2H,CH);1.75、1.71、1.70、1.69、1.67、1.66(m,3H,2×CH、CH);1.03(t,J=12.68Hz,2H,CH);0.89(d,J=6.34Hz,6H,2×CH);0.63(d,J=11.71Hz,1H,CH
上記の茶色固体4.69g(17.6mmol)、3,4−ジヒドロキシシクロブタ−3−エン−1,2−ジオン913mg(8.0mmol)、n−ブタノール40mlとトルエン60mlの混合液を窒素ガスの雰囲気中に攪拌しながら加熱し、3時間還流反応させた。反応中にできた水を共沸蒸留により除去した。反応終了後、大部分の溶媒を窒素ガスの雰囲気中に蒸留し、得られた反応混合物を攪拌しながら、120mlのヘキサンを加えた。できた黒茶色沈殿物を吸引濾過し、ヘキサンで洗浄し、乾燥後黒青色固体を得た。この固体を順次にエタノール、アセトン、60%エタノール水溶液、エタノールおよびアセトンで洗浄し、目的の化合物(黒青色固体)4.30g(収率88%)を得た。
得られた色素化合物を、赤外吸収スペクトル(KBr錠剤法)、1H−NMR(DMSO‐d6)、FD−MS、元素分析、可視近赤外吸収スペクトルなどの分光法により同定した。同定データを以下に示す。可視近赤外吸収スペクトルを図6に示す。同定の結果、得られた化合物が上記構造式(I)で表されるペリミジン系スクアリリウム色素であることが確認された。
赤外吸収スペクトル(KBr錠剤法):
νmax=3487、3429、3336(NH),3053(=C−H),2947(CH3),2914、2902(CH2),2864(CH3),2360,1618、1599、1558、1541(C=C ring),1450、1421、1363(CH3、CH2),1315、1223、1201(C−N),1163、1119(C−O−),941,924,822,783,715cm−1
H−NMRスペクトル(DMSO−d6): δ=10.52(m,2H,NH);7.80、7.78(d,2H,Harom);7.35、7.33(m,2H,Harom);7.25(m,2H,NH);6.82、6.80、6.78(m,4H,Harom);6.74、6.72、6.52、6.50(m,2H,Harom);2.17(m,5H,CH);1.91(m,3H,CH);1.71(m,2H,CH、CH);1.15、1.12(m,4H,CH);0.92、0.91(m,12H,4×CH);0.66(m,2H,CH)マススペクトル(FD): m/z=610(M,100%),611(M+1,47.5%)
元素分析:
C:78.6%(実測値)、78.66%(計算値)
H:6.96%(実測値)、6.93%(計算値)
N:9.02%(実測値)、9.17%(計算値)
O:5.42%(実測値)、5.24%(計算値)
可視近赤外吸収スペクトル(図6):
λmax=809nm(テトラヒドロフラン溶液中)
εmax=1.68×10−1cm−1(テトラヒドロフラン溶液中)
(顔料化処理)
次に、得られたペリミジン系スクアリリウム色素51gと、界面活性剤水溶液(具体的にはアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液)450gをビーズミル加工装置(AIMEX株式会社製、SVM−015)に投入し、1mmφビーズ485g、ディスク回転数400rpmで4時間の運転を行った。得られたスラリーから回収したペリミジン系スクアリリウム色素(以下、(A)粒子という)の粒度分布を測定したところ、メジアン径は100nmであった。
(粉末X線回折の測定)
試験例1における顔料化処理前のペリミジン系スクアリリウム色素粒子(以下、「原料」という)、試験例1における(A)粒子について、X線回折装置(「D8 DISCOVER」、ブルカー・エイエックスエス株式会社製)を用い、Cuターゲットでλ=1.5405ÅのX線照射による粉末X線回折の測定を行った。得られた粉末X線回折スペクトルを図6に示した。
図6から、(A)粒子は、ブラッグ角(2θ±2°)で、強度が大きい順に22.1°、23.2°、19.9°、24.9°、17.7°に回折ピークを示し、原料と同じ結晶系であることがわかる。
上記顔料化処理で得られたスラリーの吸収スペクトルを図7中に示した。
―不可視画像用の記録材料(第1の記録材料)の調整、及び不可視画像の作成―
上記調整した(A)粒子を、ポリエステル樹脂を使って混練粉砕法でトナー化し、被覆率<10%で、実機で画像を形成した。
この画像について、認識装置による読み取り性評価の結果を色材の寿命として表1に示した。なおこの認識装置は、コードパターンに照明光を当てて、可視カットフィルタを通った反射光を撮像素子に結像させるものである。毎秒60フレームで取得したパターン画像のデコードを行い、デコードエラー率を求め、これを読み取り性として評価した。照明としては、設計中心波長850nmの赤外LED(OSRAM社製、SFH4350)に100mAを適用している。撮像素子としては、グローバルシャッター方式のセンサを用いた赤外CMOSセンサ(850nmの分光感度が550nmの60%以上のもの、駆動周波数13.5MHz)を採用した。可視カットフィルタとしては、住友ベークライト製のテクナライトIR−R2805を利用した。
―可視画像の第1の領域用の記録材料(第2の記録材料)の調整、及び可視画像の第1の領域の作成―
上記作製した(A)粒子含有のトナーを、実機で被覆率100%の画像を形成した。
―可視画像の第2の領域用の記録材料(第3の記録材料)の調整、及び可視画像の第2の領域の作成―
富士ゼロックス(株)社製カラー複合機 Apeos Port−II C4300によって、第1の材料の色が未劣化のときと同等の色を、第2の材料(複合機内蔵のトナー、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)によって再現し、出力した。
なお、この第2の領域14Bの色は、作製直後の第1の領域14Aの色(すなわち、第1の材料としての(A)が未劣化であるときの色)と同じであった。
―劣化状態の測定及び目視による評価―
上記作成した不可視画像12、可視画像14の第1の領域14A、不可視画像12の第2の領域14Bに、350時間、光照射(光源:蛍光灯、放射照度:62500ルクス、UVカットフィルタなし)を行った。
そして、58時間、207時間、350時間、それぞれオフィス環境換算で2年、7年、12年相当のタイミングで不可視画像12の認識装置(上記読み取り性評価に用いた認識装置)による読み取り性評価と第1の領域14Aの850nm反射率を、日立製作所製の分光光度計U−4100により測定した。測定結果を表1に示した。
また、この測定時における、可視画像14の第1の領域14Aと第2の領域14Bとの色差を目視で確認した。確認結果を表1に示した。
以上のように、第1の領域14Aと第2の領域14Bとの色差が視認され、その色差が大きいほど、不可視画像12の赤外線反射率が低下していることがわかる。このため、可視画像の第1の領域14Aと第2の領域14Bとの色差を目視によって確認することで、不可視画像12に含まれる第1の材料の劣化の度合いが目視で確認された。
10 記録媒体
12 不可視画像
14 可視画像
14A 第1の領域
14B 第2の領域

Claims (7)

  1. 第1の記録材料によって形成された第1の画像と、
    前記第1の記録材料と耐光性が略同一である第2の記録材料によって形成された第1の領域と、前記第1の記録材料より耐光性の高い第3の記録材料によって形成された第2の領域と、からなり、前記第2の領域の色が、前記第1の領域の退色過程の何れかの段階に応じた色である第2の画像と、
    を有する記録媒体。
  2. 前記第1の記録材料が、色材として赤外吸収性を有する第1の材料を含み、
    前記第2の記録材料が、色材として前記第1の材料を含み、
    前記第3の記録材料が、色材として前記第1の材料より耐光性の高い1または複数種類の第2の材料を含み、
    前記第1の画像が不可視の画像である請求項1に記載の記録媒体。
  3. 前記第1の材料は、下記構造式(I)で表されるペリミジン系スクアリリウム色素である請求項1に記載の記録媒体。
  4. 前記第2の領域の色が、前記第1の材料が寿命であるときの前記第1の領域の色である請求項2または請求項3に記載の記録媒体。
  5. 記録媒体に、
    第1の記録材料によって形成された第1の画像と、
    前記第1の記録材料と耐光性が略同一である第2の記録材料によって形成された第1の領域と、前記第1の記録材料より耐光性の高い第3の記録材料によって形成された第2の領域と、からなり、前記第2の領域の色が、前記第1の領域の退色過程の何れかの段階に応じた色である第2の画像と、
    を形成する画像形成装置。
  6. 前記第1の記録材料が、色材として赤外吸収性を有する第1の材料を含み、
    前記第2の記録材料が、色材として前記第1の材料を含み、
    前記第3の記録材料が、色材として前記第1の材料より耐光性の高い1または複数種類の第2の材料を含み、
    前記第1の画像が不可視の画像である請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 前記第1の材料は、下記構造式(I)で表されるペリミジン系スクアリリウム色素である請求項5に記載の画像形成装置。
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