JP2011048326A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数の作像装置1を備える画像形成装置で、潤滑剤均しブレードである均しブレード66が経時で磨耗し易い条件となる第一作像装置1Aでは第一均しブレード66Aとして鈍角ブレードを用い、他の作像装置である第二作像装置1Bでは第二均しブレード66Bとして直角ブレードを用いる。
【選択図】図1
Description
特許文献3には、潤滑剤均しブレードとして像担持体表面に当接する稜線部を挟んで像担持体表面の表面移動方向上流側と下流側で像担持体表面とそれぞれ対向する2つの面によって形成されるブレード角部角を鈍角とした鈍角ブレードを用いることで、像担持体表面に当接する稜線部における経時的な摩耗量を少なくできることが記載されている。
なお、鈍角ブレードを用いることで像担持体表面に当接する稜線部における経時的な摩耗量を少なくできるブレード部材としては潤滑剤均しブレードに限るものではない。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記複数の作像装置のうち、上記潤滑剤均しブレード近傍の温度が他の作像装置に比べて高くなる作像装置のみが該潤滑剤均しブレードとして上記鈍角ブレードを備えることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記複数の作像装置のうち、トナー像を形成するトナーの色が黒色の作像装置のみが上記潤滑剤均しブレードとして上記鈍角ブレードを備えることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記複数の作像装置のうち、上記潤滑剤均しブレード近傍の温度が他の作像装置に比べて高くなる作像装置及びトナー像を形成するトナーの色が黒色の作像装置のみが該潤滑剤均しブレードとして上記鈍角ブレードを備えることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項2または4の画像形成装置において、上記潤滑剤均しブレード近傍の温度が他の作像装置に比べて高くなる作像装置の該潤滑剤均しブレード近傍の温度が画像形成時に40[℃]以上となることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記複数の作像装置のうち、上記潤滑剤均しブレード近傍の温度が最も高くなる作像装置のみが該潤滑剤均しブレードとして上記鈍角ブレードを備えることを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項6の画像形成装置において、上記潤滑剤均しブレードとして上記鈍角ブレードを備える上記作像装置の該潤滑剤均しブレード近傍の温度は、上記複数の作像装置のうち、該潤滑剤均しブレード近傍の温度が最も低い作像装置の該潤滑剤均しブレード近傍の温度よりも5[℃]以上高いことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置において、上記鈍角ブレード及び上記直角ブレードとして、同じゴム材質からなるブレード部材を用いることを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の画像形成装置において、上記潤滑剤均しブレードとして上記鈍角ブレードを備える上記作像装置と該潤滑剤均しブレードとして上記直角ブレードを備える上記作像装置との該潤滑剤均しブレードの上記像担持体表面に対する当接条件が同じであることを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の画像形成装置において、上記鈍角ブレードの上記稜線部を挟んで上記像担持体表面の表面移動方向上流側と下流側とで該像担持体表面とそれぞれ対向する2つの面によって形成されるブレード角部角の角度が90[°]よりも大きく、140[°]よりも小さいことを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の画像形成装置において、上記潤滑剤均しブレードは上記像担持体表面の表面移動方向に対してカウンタ方向に当接することを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の画像形成装置において、上記複数の作像装置は、上記像担持体としての潜像担持体と、該潜像担持体表面を帯電する帯電手段と、該帯電手段によって帯電された該潜像担持体表面上に潜像を形成する潜像形成手段によって形成された潜像にトナーを供給してトナー像を形成する現像する現像手段と、該現像手段によって形成されたトナー像を転写体に転写する転写手段によって転写がなされた後の該像担持体表面に残留する転写残トナーを除去する上記トナー除去手段と、上記潤滑剤供給機構と、上記潤滑剤均しブレードとを有する作像装置であることを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、請求項1乃至12のいずれか1項に記載の画像形成装置において、上記複数の作像装置は、それぞれ該画像形成装置本体から着脱可能なプロセスカートリッジであることを特徴とするものである。
また、請求項14の発明は、請求項1乃至13のいずれか1項に記載の画像形成装置において、上記潤滑剤均しブレードとして上記鈍角ブレードを備える上記作像装置の上記潤滑剤は、少なくとも疎水性有機化合物、無機微粒子及び無機潤滑剤を含有することを特徴とするものである。
また、請求項15の発明は、請求項14の画像形成装置において、上記潤滑剤均しブレードとして上記鈍角ブレードを備える上記作像装置の上記潤滑剤は、材料を圧縮して成形することを特徴とするものである。
また、請求項16の発明は、請求項14または15の画像形成装置において、上記疎水性有機化合物は脂肪酸の金属塩、上記無機微粒子はアルミナ、上記無機潤滑剤は窒化ホウ素であることを特徴とするものである。
また、請求項17の発明は、トナー像を担持して表面移動する像担持体と、該像担持体表面の表面移動方向に対して稜線部が交差するように該稜線部を該像担持体表面に当接するブレード部材とを有する作像装置を複数備える画像形成装置において、上記複数の作像装置のうち、他の作像装置に比べてブレード部材が経時で磨耗し易い条件となる作像装置は、ブレード部材として、上記稜線部を挟んで上記像担持体表面の表面移動方向上流側と下流側とで該像担持体表面とそれぞれ対向する2つの面によって形成されるブレード角部角が鈍角である鈍角ブレードを備え、該複数の作像装置のうち該鈍角ブレードを備える作像装置以外の該作像装置は該ブレード部材として該稜線部を形成する2つの面によって形成されるブレード角部角が実質的に直角である直角ブレードを備えることを特徴とするものである。
また、上記請求項17の構成を備えた発明によれば、ブレード部材が経時で磨耗し易い条件となる作像装置ではブレード部材として鈍角ブレードを用い、他の作像装置ではブレード部材として直角ブレードを用いているので、ブレード部材の機能を経時で維持しつつ、画像形成装置全体での製造コストの増加を抑制することができるという優れた効果がある。
図2は、実施形態にかかる画像形成装置としての複写機(以下、複写機500という)の概略構成図である。複写機500は、複写装置本体(以下、プリンタ部100という)、給紙テーブル(以下、給紙部200という)、プリンタ部100上に取り付けるスキャナ(以下、スキャナ部300という)、スキャナ部300上に取り付ける原稿自動搬送装置(ADF)(以下、原稿搬送部400という)からなっている。また、複写機500内の各装置の動作を制御する不図示の制御部も備えている。
感光体3(K,M,C,Y)のまわりには、感光体3(K,M,C,Y)の表面を一様に帯電する帯電手段である帯電装置4(K,M,C,Y)や、トナー像を形成するための現像手段である現像装置5(K,M,C,Y)を備えている。更に、一次転写後の感光体3(K,M,C,Y)表面に残留している転写残トナーを除去する感光体クリーニング装置6(K,M,C,Y)も備えている。この感光体クリーニング装置6(K,M,C,Y)は、感光体3(K,M,C,Y)表面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給機構と、供給された潤滑剤を均す潤滑剤均しブレードとを備えている。
そして、感光体3(K,M,C,Y)、現像装置5(K,M,C,Y)、帯電装置4(K,M,C,Y)、及び、感光体クリーニング装置6(K,M,C,Y)からなる画像形成ユニットである作像装置1(K,M,C,Y)を構成している。また、4つの作像装置1(K,M,C,Y)を横に並べて配置してタンデム画像形成ユニット20が構成する。
なお、本実施形態の帯電装置4(K,M,C,Y)は、非接触のローラ形状をした帯電ローラを用いたものであり、AC(交流電圧)+DC(直流電圧)を印加して各感光体3(K,M,C,Y)を一様に帯電するものである。帯電装置4としては非接触の帯電ローラを用いたものに限らず、例えば、非接触の帯電チャージャーや接触型の帯電ローラを用いた構成であってもよい。
第二支持ローラ15と中間転写ベルト10を挟んで対向するように、トナー像を記録媒体としての転写紙上に転写した後の中間転写ベルト10上に残留する残留トナーを除去するベルトクリーニング装置17を備えている。また、プリンタ部100は、タンデム画像形成ユニット20の上方に露光装置21を備えている。
そして、不図示のスタートスイッチを押すと、原稿搬送部400に原稿をセットしたときは原稿をコンタクトガラス32上へと搬送した後に、また、コンタクトガラス32上に原稿をセットしたときは直ちに、スキャナ部300を駆動し、第一走行体33及び第二走行体34を走行する。そして、第一走行体33で光源から光を発射するとともに原稿面からの反射光をさらに反射して第二走行体34に向け、第二走行体34のミラーで反射して結像レンズ35を通して読取センサ36に入れ、原稿の画像情報を読み取る。
一例として、Y(イエロー)の画像形成に行いて説明する。イエロー用の作像装置1Yでは、露光装置21のレーザ書き込みによって感光体3Yの表面に静電潜像が形成され、現像装置5Yによって潜像に合わせてTトナーを用いた現像がなされ、感光体3Y上にイエロー単色のトナー像が形成される。同様にして、順次C(シアン)、M(マゼンタ)、K(黒)の順で各作像装置1(C,M,K)でも感光体3(C,M,K)上に各色の単色のトナー像を形成する。
このように、各感光体3上にトナー像を形成させるとともに、上記画像情報に応じたサイズの転写紙を給紙させるべく、4つの給紙ローラ(図中の42または50)のうちの1つを作動させる。
また、これと同時に、不図示の駆動モータで第一支持ローラ14、第二支持ローラ15または第三支持ローラ16のうちの1つを回転駆動して他の二つの支持ローラを従動回転させて、中間転写ベルト10を図2中の時計回り方向に表面移動させる。そして、中間転写ベルト10の表面移動とともに、感光体3(Y,C,M,K)上の単色のトナー像を順次、一次転写して中間転写ベルト10上に合成カラー画像を形成する。
そして、中間転写ベルト10上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転し、中間転写ベルト10と二次転写ローラ22との当接部である二次転写ニップ部に転写紙を送り込み、ニップに形成されている転写用電界や当接圧力などの影響によってカラー画像を二次転写して転写紙上にカラー画像を記録する。
一方、二次転写ニップ部で転写紙にカラー画像を転写した後の中間転写ベルト10の表面は、残留する残留トナーがベルトクリーニング装置17によって除去され、タンデム画像形成ユニット20による再度の画像形成に備える。
また、中間転写ベルト10上に転写した後の感光体3は、後述するクリーニング前除電ランプ7によって除電された後、感光体クリーニング装置6で転写残トナーを除去する。そして、再び帯電装置4で一様に帯電される動作を繰り返すように、再度の画像形成に備える。また、感光体クリーニング装置6で転写残トナーを除去した後の感光体3上を除電する不図示のクリーニング後除電ランプを設けても良い。
図1に示すように、作像装置1は、ユニット枠体2に感光体3と、プロセス手段として帯電装置4、現像装置5、感光体クリーニング装置6などを一体的に備えて、プロセスカートリッジとして複写機500本体から着脱可能となっている。本実施形態では、プロセスカートリッジとしての作像装置1そのものを交換するようになっているが、感光体3、帯電装置4、現像装置5、感光体クリーニング装置6のような単位で新しいものと交換するような構成でもよい。
それぞれの作像装置1は、潜像担持体である感光体3と、感光体3の表面を帯電する帯電手段である帯電装置4とを備える。また、作像装置1は、帯電装置4によって帯電された感光体3の表面上に潜像を形成する潜像形成手段である露光装置21によって形成された潜像にトナーを供給して現像する現像手段である現像装置5を備える。さらに、作像装置1は、現像装置5によって形成されたトナー像を転写体である中間転写ベルト10に転写する転写手段である一次転写ローラ8によって転写がなされたあとの感光体3表面に残留する転写残トナーを除去するトナー除去手段である感光体クリーニング装置6を有する。また、感光体クリーニング装置6は、感光体3の表面移動方向上流側から順に、クリーニング前除電ランプ7、回転ブラシであるファーブラシ63、クリーニングブレード61、塗布ブラシ62及び均しブレード66を備える。感光体クリーニング装置6では、ファーブラシ63とクリーニングブレード61とによってトナー除去手段を構成する。また、塗布ブラシ62と、ブラケットに保持された固形状のステアリン酸亜鉛64が潤滑剤加圧スプリング68により塗布ブラシ62に加圧される構成とによって潤滑剤供給機構を構成する。
塗布ブラシ62は感光体3の表面移動方向に対してカウンタ方向に回転するようにしている。塗布ブラシ62によってステアリン酸亜鉛64から削られて感光体3の表面上に塗布された潤滑剤は、感光体3の表面移動方向に対してカウンタ方向に感光体3表面に当接するように支持された固定加圧方式の均しブレード66で更に感光体3上に緻密に塗布される。
各作像装置1では、このようにして感光体3上の転写残トナーを除去し、潤滑剤の塗布を行い、帯電装置4による一様帯電から始まる次の作像に備える。
ブレード捲れについては、初期当接角に対して敏感に反応することは周知である。上述した均しブレード66の設定条件においては、例えば、初期当接角を一般的なクリーニングブレードの20[°]前後にした場合には、ブレード捲れが発生して条件としては使用できなかった。そして、本実施形態の各作像装置1(K,M,C,Y)では、ブレード捲れに対する初期当接角の境界値は11[°]〜13[°]くらいであった。このように、本実施形態の各作像装置1(K,M,C,Y)ではブレード捲れに対を防止するために、初期当接角の条件設定は従来の構成に比べて角度の浅いところで使用する必要がある。
図1及び図3に示すように、黒用及びイエロー用で共通の構成である第一作像装置1Aとマゼンタ及びシアン用で共通の構成である第二作像装置1Bとでは均しブレード66の形状が異なる。
4つの作像装置1(K,M,C,Y)のうち定着装置25に最も近い位置に配置されたイエロー用の作像装置1Yと、ユーザーにとって一番使用頻度が高い黒用の作像装置1Kとが備える均しブレード66として、図1(a)及び図3(a)で示す第一均しブレード66Aのように第一使用稜線部660Aを形成する二つの面の間の第一ブレード角部角θAが130[°]となる鈍角ブレードを用いている。
また、他の2つの作像装置1であるシアン用の作像装置1Cとマゼンタ用の作像装置1Mとが備える均しブレード66として、図1(b)及び図3(b)で示す第二均しブレード66Bのように第二使用稜線部660Bを形成する二つの面の間の第二ブレード角部角θBが90[°]の直角ブレードを用いている。
これにより、温度が高くなることで均しブレード66を構成する材料の硬度が低くなって均しブレード66の経時での磨耗が生じ易いイエロー用の作像装置1Yの均しブレード66の経時での磨耗を抑制することができる。
これにより、使用頻度が高く他の作像装置1に比べて均しブレード66の経時での磨耗が生じ易い黒用の作像装置1Kの均しブレード66の経時での磨耗を抑制することができる。
このため、本実施形態の複写機500では、均しブレード66近傍の温度が40[℃]を超えることがなく、作像装置1の使用頻度もあまり高くないシアン用の作像装置1C及びマゼンタ用の作像装置1Mの均しブレード66を図1(b)の第二作像装置1Bの第二均しブレード66Bのように直角ブレードを用いている。直角ブレードよりも鈍角ブレードの方が加工費が高くなるため、必要最低限の作像装置1(Y,K)の均しブレード66のみを鈍角ブレードとすることで、複写機500全体での製造コストの増加を抑制することができる。
4つの作像装置1(K,M,C,Y)のうち定着装置25に対して一番近い作像装置1の均しブレード66近傍における温度が、他の作像装置1の均しブレード66近傍における温度と差異がない場合は、黒用の作像装置1Kのみの均しブレード66を鈍角ブレードとしてもよい。
また、黒用の作像装置1Kの使用頻度が他の色に比べて差異がない場合は定着装置25に対して一番近い作像装置1のみの均しブレード66を鈍角ブレードとしてもよい。また、温度や使用頻度の条件に限るものではなく、他の作像装置1に比べて均しブレード66が経時で磨耗し易い条件となる作像装置1であれば、均しブレード66を鈍角ブレードとし、他の作像装置1のうちの少なくとも1つの均しブレード66を直角ブレードとするように構成してもよい。
また、本実施形態の複写機500では、4つの作像装置1(K,M,C,Y)のうち均しブレード66が鈍角ブレードではない作像装置1の均しブレード66としては使用稜線部660を形成する2つの面が成すブレード角部角が実質的に直角となる直角ブレードを用いている。しかし、均しブレード66が鈍角ブレードである作像装置1以外の作像装置1の均しブレード66としては直角ブレードに限るものではなく、感光体3上に供給された潤滑剤を均すことができ、鈍角ブレードに比べて加工費の安いブレードであればよい。
上述した実施形態の複写機500では、4つの作像装置1(K,M,C,Y)のうちの2つの作像装置1(K,Y)の均しブレード66として鈍角ブレードを使用する構成について説明した。
以下、変形例1として、4つの作像装置1(K,M,C,Y)のうち、均しブレード66近傍の温度が最も高くなる作像装置1のみが均しブレード66として鈍角ブレードを備える複写機500について説明する。なお、変形例1は均しブレード66として鈍角ブレードを使用する作像装置1の数が異なる点が実施形態の複写機500と異なり、他の点は共通するため、共通する構成については説明を省略する。
すなわち、均しブレード66近傍の温度が、作像装置1同士で5[℃]異なれば、均しブレード66の反発弾性率の値としては、一般的に5[%]〜10[%]程度変化する。温度が高くなって反発弾性率が大きくなれば、ブレードエッヂの運動が活発化したり、ゴムが伸びやすくなったりするため、ブレードの摩耗や欠けが発生し易くなる。
この場合、温度の高い作像装置1の寿命が他の作像装置1の寿命よりも短くなるので、寿命を他の作像作像装置1と同様にするために、均しブレード66近傍の温度が最も高くなる作像装置1の均しブレード66として、他の作像装置1のものよりも磨耗や欠けが生じ難いものを用いる必要がある。ここで、他の作像装置1のものよりも磨耗や欠けが生じ難い均しブレード66として材質が異なるものを用いたり、磨耗や欠けが生じ難くなるように均しブレード66の感光体3に対する当接条件を異なる条件としたりすると、部品コストが増大したり、開発効率が低下したりする。
これに対して、変形例1の複写機500は、均しブレード66の近傍の温度が高いイエロー用の作像装置1Yが備える均しブレード66のみを鈍角ブレードとする構成である。このような構成であれば、温度が高くなる均しブレード66のブレードエッヂの形状を鈍角形状とするだけで、イエロー用の作像装置1Yの均しブレード66のブレード材質やブレードの当接条件が他の作像装置1の均しブレード66と同じでも、ブレード摩耗やブレード欠けが生じ難い構成とすることが可能となる。
また、変形例1の各作像装置1(K,M,C,Y)では、ステアリン酸亜鉛64の塗布ブラシ62による削れ量を感光体3の走行距離に対して、120[mg/km]〜150[mg/km]となるように設定している。さらに、均しブレード66は、ゴム硬度を68[°]、板厚1.5[mm]、突き出し量6[mm]、初期当接角9.5[°]、喰い込み量0.65[mm]に設定している。
また、上述した実施形態では、4つの作像装置1(K,M,C,Y)のうち一部の作像装置1が備えるものが鈍角ブレードで他の作像装置1が備えるものが直角ブレードとなるブレード部材が、感光体3表面に供給された潤滑剤を均す均しブレード66である構成の複写機500について説明した。複数の作像装置1のうち一部が備えるものを鈍角ブレードとし、他のものを直角ブレードとするブレード部材としては均しブレード66に限るものではない。例えば、クリーニングブレード61について、他の作像装置1に比べてクリーニングブレード61が経時で磨耗し易い条件となる作像装置1のクリーニングブレード61として鈍角ブレードを使用し、他の作像装置1のクリーニングブレード61として直角ブレードを使用する構成の複写機500であってもよい。
上述した実施形態や変形例の複写機500では、4つの作像装置1(K,M,C,Y)が潤滑剤としてステアリン酸亜鉛を用いる構成である。潤滑剤としては、4つの作像装置1(K,M,C,Y)のうち均しブレード66として鈍角ブレードを使用する作像装置1と、他の作像装置1とで使用する潤滑剤を異ならせても良い。
以下、変形例2として、4つの作像装置1(K,M,C,Y)のうち、均しブレード66として鈍角ブレードを使用する作像装置1(K,Y)と、他の作像装置1(M,C)とで使用する潤滑剤が異なる複写機500について説明する。なお、変形例2は使用する潤滑剤が異なる点が実施形態の複写機500と異なり、他の点は共通するため、共通する構成については説明を省略する。
変形例2では、粉体状のステアリン酸亜鉛、アルミナ及び窒化ホウ素を混ぜて材料分布をある程度均一にした状態で成形機に入れて圧縮成形を行って固形状の潤滑剤とする。これにより、融点が高いアルミナや窒化ホウ素を含有する潤滑剤であっても材料分布が均一な固形状の潤滑剤を得ることが出来る。
また、ステアリン酸亜鉛のみからなる固形状の潤滑剤は、溶融成形により成形することでコスト削減を図ることができる。
すなわち、脂肪族飽和炭化水素、脂肪族不飽和炭化水素、脂環式飽和炭化水素、脂環式不飽和炭化水素や芳香族炭化水素に分類される炭化水素類、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリパーフルオロアルキルエーテル(PFA)、パーフルオロエチレン−パーフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリビニリデンフルオリド(PVdF)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)等のフッ素系樹脂やフッ素系ワックス類、ポリメチルシリコーン、ポリメチルフェニルシリコーン等のシリコーン樹脂やシリコーン系ワックス類等がある。
すなわち、カプロン酸、カプリル酸、エナンチル酸、ペラルゴン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデコイン酸、ミスチリン酸、パルミチン酸、マーガリン酸、ステアリン酸、ノンデサイクリック酸、アラキジン酸、ベヘン酸、スチリンギン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リシノレイン酸、ペテロセリニン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸、リカニン酸、バリナリン酸、ガドレイン酸、アラキドン酸、鯨油酸及びそれらの混合物等である。
脂肪酸の代表的な安定した金属塩としては、以下のものを挙げることができる。
すなわち、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸鉛、ステアリン酸鉄、ステアリン酸ニッケル、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸銅、ステアリン酸ストロンチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸亜鉛、オレイン酸マグネシウム、オレイン酸鉄、オレイン酸コバルト、オレインサン銅、オレイン酸鉛、オレイン酸マンガン、パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸コバルト、パルミチン酸鉛、パルミチン酸マグネシウム、パルミチン酸アルミニウム、パルミチン酸カルシウム、カプリル酸鉛、カプリン酸鉛、リノレン酸亜鉛、リノレン酸コバルト、リノレン酸カルシウム、リシノール酸亜鉛、リシノール酸カドミウム及びそれらの混合物等である。
また、脂肪酸や金属塩としては、ここに挙げた例に限るものではない。
・ステアリン酸亜鉛(和光純薬):70[重量%]
・アルミナ(粒径0.3[μm]):10[重量%]
・窒化ホウ素(資生堂):20[重量%]
すなわち、電子写真方式の像担持体には、帯電及びクリーニングのハザードから像担持体を保護するために、潤滑剤のような像担持体保護剤が塗布される。しかし、一般に使用されている脂肪酸金属塩は帯電の影響により潤滑性が低下してしまい、クリーニング部材の当接位置をトナーがすり抜けて、クリーニング不良が発生してしまう。また、脂肪酸金属塩自体が、帯電部材に飛翔して付着し、帯電部材汚染も引き起こしてしまう。
このフィルミングに対しては、無機潤滑剤に加えて、無機微粒子を添加することにより、無機微粒子によって無機潤滑剤を除去することが可能になる。ただし、無機潤滑剤と無機微粒子のみからなる固形体を固形状の潤滑剤として使用した場合、無機潤滑剤の像担持体表面へのフィルミングを、無機微粒子で除去することができない。これは、脂肪酸金属塩などの疎水性有機化合物が、無機微粒子を取り込むことで、初めて無機潤滑剤の除去が可能になっていると思われる。
特に複数の作像装置のうち、他の作像装置1(M,C)に比べて均しブレード66が経時で磨耗し易い条件となる黒色や黄色の作像装置1(K,Y)に、無機潤滑剤、無機微粒子及び疎水性有機化合物を含有する潤滑剤を用いることで経時での均しブレード66の磨耗を抑制することが可能となる。
一方、作像装置1(K,Y)に比べて均しブレード66が経時で磨耗し難い条件となる他の作像装置1(M,C)に、疎水性有機化合物のみからなり、溶融成形で成形した固形状の潤滑剤を用いることでコストの削減を図ることができる。
なお、さらに、好ましくは、第一ブレード角部角θAは95[°]以上であることが望ましい。第一ブレード角部角θAが95[°]未満であると、鈍角にしたことによる磨耗の抑制効果が低くなる。
1A 第一作像装置
1B 第二作像装置
1C シアン用の作像装置
1K 黒用の作像装置
1M マゼンタ用の作像装置
1Y イエロー用の作像装置
2 ユニット枠体
3 感光体
4 帯電装置
5 現像装置
6 感光体クリーニング装置
7 クリーニング前除電ランプ
10 中間転写ベルト
14 第一支持ローラ
15 第二支持ローラ
16 第三支持ローラ
17 ベルトクリーニング装置
20 タンデム画像形成ユニット
21 露光装置
22 二次転写ローラ
23 二次転写ベルト張架ローラ
24 二次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
26a 加熱ローラ
26b 定着ローラ
27 加圧ローラ
28 転写紙反転装置
29 二次転写装置
30 原稿台
32 コンタクトガラス
33 第一走行体
34 第二走行体
35 結像レンズ
36 読取センサ
42 給紙ローラ
43 ペーパーバンク
44 給紙カセット
45 分離ローラ
46 給紙路
47 搬送ローラ
48 プリンタ部内給紙路
49 レジストローラ
50 手差し給紙ローラ
51 手差しトレイ
52 手差し分離ローラ
53 手差し給紙路
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排紙トレイ
61 クリーニングブレード
62 塗布ブラシ
63 ファーブラシ
64 ステアリン酸亜鉛
65 フリッカー
66 均しブレード
66A 第一均しブレード
66B 第二均しブレード
67 搬送スクリュ
68 潤滑剤加圧スプリング
100 プリンタ部
200 給紙部
300 スキャナ部
400 原稿搬送部
500 複写機
660 使用稜線部
660A 第一使用稜線部
660B 第二使用稜線部
θA 第一ブレード角部角
θB 第二ブレード角部角
Claims (17)
- トナー像を担持して表面移動する像担持体と、
トナー像を転写体に転写する転写手段によって転写がなされた後の該像担持体表面に残留する転写残トナーを除去するトナー除去手段と、
該トナー除去手段によって転写残トナーの除去がなされた後の該像担持体表面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給機構と、
該像担持体表面の表面移動方向に対して稜線部が交差するように該稜線部を該像担持体表面に当接させることで、該像担持体表面に供給された潤滑剤を均す潤滑剤均しブレードとを有する作像装置を複数備える画像形成装置において、
上記複数の作像装置のうち、他の作像装置に比べて上記潤滑剤均しブレードが経時で磨耗し易い条件となる作像装置は、該潤滑剤均しブレードとして、上記稜線部を挟んで上記像担持体表面の表面移動方向上流側と下流側とで該像担持体表面とそれぞれ対向する2つの面によって形成されるブレード角部角(すみぶかく)が鈍角である鈍角ブレードを備え、
該複数の作像装置のうち該鈍角ブレードを備える作像装置以外の該作像装置は該潤滑剤均しブレードとして該稜線部を形成する2つの面によって形成されるブレード角部角が実質的に直角である直角ブレードを備えることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1の画像形成装置において、
上記複数の作像装置のうち、上記潤滑剤均しブレード近傍の温度が他の作像装置に比べて高くなる作像装置のみが該潤滑剤均しブレードとして上記鈍角ブレードを備えることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1の画像形成装置において、
上記複数の作像装置のうち、トナー像を形成するトナーの色が黒色の作像装置のみが上記潤滑剤均しブレードとして上記鈍角ブレードを備えることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1の画像形成装置において、
上記複数の作像装置のうち、上記潤滑剤均しブレード近傍の温度が他の作像装置に比べて高くなる作像装置及びトナー像を形成するトナーの色が黒色の作像装置のみが該潤滑剤均しブレードとして上記鈍角ブレードを備えることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項2または4の画像形成装置において、
上記潤滑剤均しブレード近傍の温度が他の作像装置に比べて高くなる作像装置の該潤滑剤均しブレード近傍の温度が画像形成時に40[℃]以上となることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1の画像形成装置において、
上記複数の作像装置のうち、上記潤滑剤均しブレード近傍の温度が最も高くなる作像装置のみが該潤滑剤均しブレードとして上記鈍角ブレードを備えることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項6の画像形成装置において、
上記潤滑剤均しブレードとして上記鈍角ブレードを備える上記作像装置の該潤滑剤均しブレード近傍の温度は、上記複数の作像装置のうち、該潤滑剤均しブレード近傍の温度が最も低い作像装置の該潤滑剤均しブレード近傍の温度よりも5[℃]以上高いことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
上記鈍角ブレード及び上記直角ブレードとして、同じゴム材質からなるブレード部材を用いることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
上記潤滑剤均しブレードとして上記鈍角ブレードを備える上記作像装置と該潤滑剤均しブレードとして上記直角ブレードを備える上記作像装置との該潤滑剤均しブレードの上記像担持体表面に対する当接条件が同じであることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
上記鈍角ブレードの上記稜線部を挟んで上記像担持体表面の表面移動方向上流側と下流側とで該像担持体表面とそれぞれ対向する2つの面によって形成されるブレード角部角の角度が90[°]よりも大きく、140[°]よりも小さいことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至10のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
上記潤滑剤均しブレードは上記像担持体表面の表面移動方向に対してカウンタ方向に当接することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至11のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
上記複数の作像装置は、上記像担持体としての潜像担持体と、該潜像担持体表面を帯電する帯電手段と、該帯電手段によって帯電された該潜像担持体表面上に潜像を形成する潜像形成手段によって形成された潜像にトナーを供給してトナー像を形成する現像する現像手段と、該現像手段によって形成されたトナー像を転写体に転写する転写手段によって転写がなされた後の該像担持体表面に残留する転写残トナーを除去する上記トナー除去手段と、上記潤滑剤供給機構と、上記潤滑剤均しブレードとを有する作像装置であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至12のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
上記複数の作像装置は、それぞれ該画像形成装置本体から着脱可能なプロセスカートリッジであることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至13のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
上記潤滑剤均しブレードとして上記鈍角ブレードを備える上記作像装置の上記潤滑剤は、少なくとも疎水性有機化合物、無機微粒子及び無機潤滑剤を含有することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項14の画像形成装置において、
上記潤滑剤均しブレードとして上記鈍角ブレードを備える上記作像装置の上記潤滑剤は、材料を圧縮して成形することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項14または15の画像形成装置において、
上記疎水性有機化合物は脂肪酸の金属塩、上記無機微粒子はアルミナ、上記無機潤滑剤は窒化ホウ素であることを特徴とする画像形成装置。 - トナー像を担持して表面移動する像担持体と、
該像担持体表面の表面移動方向に対して稜線部が交差するように該稜線部を該像担持体表面に当接するブレード部材とを有する作像装置を複数備える画像形成装置において、
上記複数の作像装置のうち、他の作像装置に比べてブレード部材が経時で磨耗し易い条件となる作像装置は、ブレード部材として、上記稜線部を挟んで上記像担持体表面の表面移動方向上流側と下流側とで該像担持体表面とそれぞれ対向する2つの面によって形成されるブレード角部角が鈍角である鈍角ブレードを備え、
該複数の作像装置のうち該鈍角ブレードを備える作像装置以外の該作像装置は該ブレード部材として該稜線部を形成する2つの面によって形成されるブレード角部角が実質的に直角である直角ブレードを備えることを特徴とする画像形成装置。
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