JP4979253B2 - 画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents

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本発明は、電子写真法を用いた画像形成装置に関するものである。さらに、像担持体に近接放電によって帯電する帯電部材を有する画像形成装置ならびにプロセスカートリッジに関するものである。
従来、電子写真方式による画像形成では、光導電性物質等の像担持体上に静電荷による潜像を形成し、この静電潜像に対して、帯電したトナー粒子を付着させ可視像を形成している。トナーにより形成された可視像は、最終的に紙等の転写媒体に転写後、熱,圧力や溶剤気体等によって転写媒体に定着され、出力画像となる。
これらの画像形成の方式は、可視像化のためのトナー粒子を帯電させる方法により、トナー粒子とキャリア粒子の攪拌・混合による摩擦帯電を用いる、いわゆる二成分現像方式と、キャリア粒子を用いずにトナー粒子への電荷付与を行う、いわゆる一成分現像方式とに大別される。また、一成分現像方式では、現像ローラへのトナー粒子の保持に磁気力を使用するか否かにより、磁性一成分現像方式、非磁性一成分現像方式に分類される。
これまで、高速性,画像再現性を要求される複写機やこれをベースとした複合機等では、トナー粒子帯電の安定性、立上がり性、画像品質の長期的安定性等の要求から、二成分現像方式が多く採用され、省スペース性,低コスト化等の要求が大きい、小型のプリンター,ファクシミリ等には、一成分現像方式が多く採用されてきていた。
また、特に昨今、出力画像のカラー化が進み、画像の高画質化や画像品質の安定化に対する要求は、これまでにも増して強くなっている。
これら電子写真方式による画像形成装置は、現像方式の違いによらず、一般的にドラム形状やベルト形状をした像担持体である感光体を回転させつつ一様に帯電し、レーザー光等により像担持体上に潜像パターンを形成し、これを現像装置により可視像化して、更に転写媒体上に転写を行っている。
転写媒体へトナー像を転写した後の像担持体上へは、転写されなかったトナー成分が残存する。これらの残存物が、そのまま帯電工程に搬送されると、像担持体の均等な帯電を阻害することがしばしば有るため、一般的には、転写工程を経た後に、像担持体上に残存するトナー成分等を、クリーニング工程にて除去し、像担持体表面を十分に清浄な状態とした上で、帯電が行われる。
特に、帯電部材を像担持体表面に接触させて、電荷の注入や接触部近傍の領域における放電で帯電を行う接触帯電方式や、帯電部材を像担持体の表面近傍に配設して、微小な空隙における放電で帯電を行う近接帯電方式による帯電では、残存トナー成分等の異物が帯電部材に転移し、帯電部材表面状態を変えてしまうことがあるため、クリーニング工程での像担持体表面の清掃は重要となる。
従来像担持体としては、安価であることから有機感光体が用いられてきた。有機感光体を形成する樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂等が実用化されている。ただ、これらの樹脂を表面層に用いた時に、繰り返し使用によって表面層が次第に摩耗していくため寿命は短い。そこで、感光体の高耐久化をはかるために、表面層に酸化チタン、アルミナなどのフィラーを含有させたもの(例えば特許文献1)が検討されており、さらなる高耐久化を図るために表面層に連鎖重合性官能基を有する化合物を重合または架橋によって硬化させた樹脂を用いることが検討されている(例えば、特許文献2乃至4)。特に硬化性樹脂を用いた像担持体は、表面層を高硬度、高弾性でかつ均一に形成することにより磨耗に対する耐久性が優れているだけでなく、トナーやトナー添加剤などの異物が像担持体の表面に薄い膜状に付着して異常画像となるフィルミングと呼ばれる問題に対して大変余裕度が高く、信頼性が高かった。
しかしながら、硬化性樹脂を表面層に用いた場合には、感光体の磨耗寿命は長くなるもののブレードとの滑り性が非常に悪いという問題がある。像担持体表面の微小な凹凸がブレードとの滑り性に大きく寄与しており、表面凹凸が少なく平滑な硬化性樹脂に対してはブレードの滑り性が悪く、ブレードのエッジが像担持体の回転方向に引き込まれてしまう。実使用時に引き込まれたエッジが開放されて戻り、また引き込まれるという繰り返しからブレードのエッジが不安定な挙動となり、クリーニングブレードの先端が磨耗しやすく、経時でのクリーニング性能に問題がでることがあった。
また、近接放電による帯電方式は、小型で均一な帯電を得ることができるが、像担持体表面を近接放電に直接さらすため像担持体表面を化学的に劣化させて像担持体の磨耗を促進することが明らかになってきている。この近接放電による化学的劣化を防止するためには、特許文献5に記載があるように、像担持体表面にステアリン酸亜鉛などの保護剤を塗布することが有効であった。像担持体表面にステアリン酸亜鉛を均一に塗布するためには特許文献5に記載のように、保護剤を当接したファーブラシで像担持体に塗布した後にブレードを当接することで均一な塗布が可能である。
しかしながら、上記のように硬化性樹脂を表面層に用いた像担持体では、ブレードとの滑り性が悪く、像担持体に塗布できる保護剤の量が少なく保護剤の均一な塗布が困難である。ブレードのエッジの不安定挙動により、均一な保護剤の膜が形成されにくいのである。このため、像担持体の帯電による化学的劣化が進み、結果的に硬化性樹脂を表面層に持つ像担持体においても磨耗寿命が短いという問題点があった。
感光体表面層にポリカーボネート等の従来の樹脂を用いた場合と、感光体表面層に硬化性樹脂を用いた場合に、感光体表面の摩擦係数は両者の間で大きな違いはないが、ブレードの滑り性には大きな差がある。これは感光体の駆動トルクの差として表れる。
前者も初期的にはブレードの滑り性は良くないが、画像形成装置で使用することによってブレードの滑り性は良くなる。このようなことが後者の感光体表面層に硬化性樹脂を用いた場合には起こらない。両者の違いを調べた結果、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて測定した3μm四方の十点平均面粗さ(Rz)で表されるような感光体表面のμmオーダー以下の領域の微小な凹凸が関係していた。
感光体表面層にポリカーボネート等の従来の樹脂を用いた場合の表面の微小な凹凸は、表面が削れることによって生じると考えられる。逆に、感光体表面層に硬化性樹脂を用いた場合には表面が削れないまたは削れる速度が遅いため、微小な凹凸ができないと考えられる。
一方、特許文献6乃至8には、像担持体に当接する先端稜線部が鈍角に形成されたクリーニングブレードが提案されている。このブレードによれば、稜線部を鈍角に形成することにより、ブレードエッジの欠けや割れを防止し、長期にわたって安定したクリーニング性能を確保できる。ただし、硬化性樹脂を表面に用いた像担持体の近接放電による化学的劣化を防ぐために保護剤を塗布するブレードとしての記載はない。
一方で、昨今、画像品質の向上や製造エネルギーの削減のために、重合法を用いたトナーが上市されている。これら重合トナーは、粉砕法で製造されたトナーと比較して、角張った部分が少なく、また平均粒子径が小さく揃っているという、優れた特徴を有している。しかしながら、これらの特徴は、ゴムブレードクリーニングに代表されるクリーニング部材のエッジ部を像担持体表面に圧接して、像担持体表面のクリーニングを行う方式に対しては、その形状と粒径の影響により、エッジ部分で堰き止められ難くなり、残存トナー成分のクリーニング不良を引き起こしやすい。
このようなトナーのクリーニング不良に対応した、クリーニング手段としても、これまでにいくつかの提案がされている。
例えば、特許文献9では、トナーの平均体積径Dと平均円形度Sを用いて、所定の条件を満たす圧接力を設定する画像形成装置が開示されている。
該特許文献9によれば、カウンタータイプのブレードクリーニングにて、圧接力Fを大きくした場合、クリーニングブレードの鳴きやメクレ等の不具合が生じるため、経験的な値として、上限値を設定する必要があるとされている。しかしながら、その上限値は、一般的な感光体に対するものであり、本発明のような硬化性樹脂の像担持体に保護剤を塗布する構成に対応するものではない。
このように、硬化性樹脂を表面層に持つ像担持体の表面に均一に保護剤を塗布して、近接放電による像担持体の化学的劣化/磨耗を抑えて、像担持体の寿命を延ばすことは重要な課題として残されていた。
特開2002−341571号公報 特開2004−302450号公報 特開2004−302451号公報 特開2004−302452号公報 特開2004−341480号公報 特開平5−19671号公報 特開2002−268487号公報 特開2005−10576号公報 特開2000−330441号公報
そこで、本発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、その課題は、架橋樹脂からなる像担持体に対しても充分なクリーニング性能を安定して発揮し、クリーニング部材及び像担持体の耐久性を向上させた画像形成装置を提供することである。また本発明は、良好な品質の画像を安定して長期に渡って得ることができるプロセスカートリッジを提供することである。
前記課題を解決する手段である本発明の特徴を以下に挙げる。
本発明は、少なくとも、トナー像が担持搬送される像担持体と、像担持体表面に近接又は接触する位置に設けられ像担持体表面を近接放電によって帯電する帯電部材と、該像担持体上に当接するクリーニング部材と、前記クリーニング部材の前工程に位置して像担持体表面に保護剤を塗布する保護剤塗布手段と、を備える画像形成装置において、表面層が連鎖重合性官能基を有する化合物を少なくとも熱、光、放射線の何れかにより重合又は架橋することにより硬化させた樹脂からなり、クリーニング部材の像担持体と当接する稜線を形成する部分が、95〜130°の鈍角形状であり、像担持体表面を原子間力顕微鏡を用いて測定した3μm四方の十点平均面粗さ(Rz)が、10nm以下であることを特徴とする画像形成装置である。
本発明は、少なくとも、トナー像が担持搬送される像担持体と、像担持体表面に近接又は接触する位置に設けられ像担持体表面を近接放電によって帯電する帯電部材と、該像担持体上に当接するクリーニング部材と、前記帯電部材の前工程でかつ前記クリーニング部材の後工程に位置して像担持体表面に保護剤を塗布する保護剤塗布手段と、を備える画像形成装置において、前記像担持体は、表面層が連鎖重合性官能基を有する化合物を少なくとも熱、光、放射線の何れかにより重合又は架橋することにより硬化させた樹脂からなり、前記保護剤塗布手段は、保護剤が当接されつつ像担持体と回転接触するファーブラシと、該ファーブラシの後工程で像担持体に当接される塗布ブレードからなり、該塗布ブレードの像担持体と当接する稜線を形成する部分が、95〜130°の鈍角形状であり、像担持体表面を原子間力顕微鏡を用いて測定した3μm四方の十点平均面粗さ(Rz)が、10nm以下であることを特徴とする画像形成装置である。
発明は、前記像担持体の表面層が、電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物とを硬化することにより形成されることを特徴とする。
また、本発明は、前記表面層に用いられる電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーの官能基が、アクリロイルオキシ基及び/又はメタクリロイルオキシ基であり、前記表面層に用いられる1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物の官能基が、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基であり、前記表面層に用いられる1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物の電荷輸送構造が、トリアリールアミン構造であることを特徴とする。
本発明は、式Aで示される前記トナーの円形度SRが、0.93〜1.00であることを特徴とする。
「円形度SR」=「粒子投影面積と同じ面積の円の周囲長」/「粒子投影像の周囲長」・・・式A
本発明は、前記トナーの重量平均径(D4)と個数平均径(D1)の比(D4/D1)が1.00〜1.40であることを特徴とする。
本発明は、プロセスカートリッジが、像担持体、帯電部材、クリーニング部材および保護剤塗布手段を備えたことを特徴とする画像形成装置である。
本発明は、少なくとも、トナー像が担持搬送される像担持体と、像担持体表面に近接又は接触する位置に設けられ像担持体表面を近接放電によって帯電する帯電部材と、該像担持体上に当接するクリーニング部材と、前記クリーニング部材の前工程に位置して像担持体表面に保護剤を塗布する保護剤塗布手段と、を備えるプロセスカートリッジにおいて、前記像担持体は、表面層が連鎖重合性官能基を有する化合物を少なくとも熱、光、放射線の何れかにより重合又は架橋することにより硬化させた樹脂からなり、クリーニング部材の像担持体と当接する稜線を形成する部分が、95〜130°の鈍角形状であり、像担持体表面を原子間力顕微鏡を用いて測定した3μm四方の十点平均面粗さ(Rz)が、10nm以下であることを特徴とするプロセスカートリッジである。
本発明は、少なくとも、トナー像が担持搬送される像担持体と、像担持体表面に近接又は接触する位置に設けられ像担持体表面を近接放電によって帯電する帯電部材と、該像担持体上に当接するクリーニング部材と、前記帯電部材の前工程でかつ前記クリーニング部材の後工程に位置して像担持体表面に保護剤を塗布する保護剤塗布手段と、を備えるプロセスカートリッジにおいて、前記像担持体は、表面層が連鎖重合性官能基を有する化合物を少なくとも熱、光、放射線の何れかにより重合又は架橋することにより硬化させた樹脂からなり、前記保護剤塗布手段は、保護剤が当接されつつ像担持体と回転接触するファーブラシと、該ファーブラシの後工程で像担持体に当接される塗布ブレードからなり、該塗布ブレードの像担持体と当接する稜線を形成する部分が、95〜130°の鈍角形状であり、像担持体表面を原子間力顕微鏡を用いて測定した3μm四方の十点平均面粗さ(Rz)が、10nm以下であることを特徴とするプロセスカートリッジである。
発明は、前記像担持体の表面層が、電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物とを硬化することにより形成されることを特徴とする。
また、本発明は、前記表面層に用いられる電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーの官能基が、アクリロイルオキシ基及び/又はメタクリロイルオキシ基であり、前記表面層に用いられる1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物の官能基が、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基であり、前記表面層に用いられる1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物の電荷輸送構造が、トリアリールアミン構造であることを特徴とする。
本発明は、式Aで示される前記トナーの円形度SRが、0.93〜1.00であることを特徴とする。
「円形度SR」=「粒子投影面積と同じ面積の円の周囲長」/「粒子投影像の周囲長」・・・式A
本発明は、前記トナーの重量平均径(D4)と個数平均径(D1)の比(D4/D1)が1.00〜1.40であることを特徴とする。
本発明は、前記解決するための手段によって、架橋樹脂からなる像担持体に対しても充分なクリーニング性能を安定して発揮し、クリーニング部材及び像担持体の耐久性を向上させた画像形成装置を提供することが可能となった。また本発明は、良好な品質の画像を安定して長期に渡って得ることができるプロセスカートリッジを提供することが可能となった。
以下に、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。なお、いわゆる当業者は特許請求の範囲内における本発明を変更・修正をして他の実施形態をなすことは容易であり、これらの変更・修正はこの特許請求の範囲に含まれるものであり、以下の説明はこの発明における最良の形態の例であって、この特許請求の範囲を限定するものではない。
図1は、本発明のクリーニング手段を具備する画像形成装置100の一例を示す断面図である。ドラム状の像担持体1の周囲に、クリーニング手段2、帯電装置3、潜像形成装置4、現像装置5、転写装置6が配置され、以下の動作で画像形成が行なわれる。
画像形成のための一連のプロセスについて、ネガ−ポジプロセスで説明を行う。有機光導電層を有する感光体(OPC)に代表される像担持体1は、除電ランプ(図示せず)等で除電され、帯電部材30を有する帯電装置3で均一にマイナスに帯電される。帯電装置3による像担持体1の帯電が行なわれる際には、電圧印加機構(図示せず)から帯電部材30に、像担持体1を所望の電位に帯電させるのに適した、適当な大きさの電圧またはこれに交流電圧を重畳した帯電電圧が印加される。
帯電された像担持体1は、レーザー光学系等の潜像形成装置4によって照射されるレーザー光で潜像形成(露光部電位の絶対値は、非露光部電位の絶対値より低電位となる)が行なわれる。レーザー光は半導体レーザーから発せられて、高速で回転する多角柱の多面鏡(ポリゴン)等により像担持体1の表面を、像担持体1の回転軸方向に走査する。
このようにして形成された潜像が、現像装置5にある現像剤担持体である現像スリーブ上に供給されたトナー粒子、またはトナー粒子及びキャリア粒子の混合物からなる現像剤により現像され、トナー可視像が形成される。
潜像の現像時には、電圧印加機構(図示せず)から現像スリーブに、像担持体1の露光部と非露光部の間にある、適当な大きさの電圧またはこれに交流電圧を重畳した現像バイアスが印加される。
各色に対応した像担持体1上に形成されたトナー像は、転写装置6にて中間転写媒体60上に転写され、給紙機構200から給送された、紙などの転写媒体上に、トナー像が転写される。このとき、転写装置6には、転写バイアスとして、トナー帯電の極性と逆極性の電位が印加されることが好ましい。その後、中間転写媒体60は、像担持体1から分離され、転写像が得られる。また、像担持体1上に残存するトナー粒子は、クリーニング部材21によって、クリーニング手段2内のトナー回収室へ、回収される。
画像形成装置としては、上述の現像装置5が複数配置されたものを用い、複数の現像装置5によって順次作製された色が異なる複数トナー像を順次転写材上へ転写した後、定着機構へ送り、熱等によってトナーを定着する装置であっても、あるいは同様に作製された複数のトナー像を順次一旦中間転写媒体60上に順次転写した後、これを一括して紙のような転写媒体に転写後に、同様に定着する装置であっても良い。
本発明の構成について像担持体周りの断面図である図2を用いて説明する。
像担持体1に帯電装置3、現像装置5、転写装置6、クリーニング手段2、保護剤塗布手段7が配置されている。
本発明において用いる帯電装置3は、帯電部材30を像担持体1に対して接触又は非接触近接に配置して近接放電を起こすことにより像担持体1表面を帯電させる方式のものを用いる。
上記で、接触とは像担持体1に帯電部材30が直接接触していることであり、非接触近接とは像担持体1と帯電部材30の間に200μm以下の空隙が存在していることをいう。非接触近接方式は帯電部材30の表面が像担持体1表面に残留したトナー等によって汚染されにくいというメリットがある。帯電部材30には、帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電ブレード等を用いることができる。最も一般的なのは帯電ローラを用いた方式であり、本実施形態でも帯電ローラを用いているが、帯電ローラに限定されるわけではない。帯電ローラは、例えばSUS−Niメッキ(鋼の表面をニッケルメッキ仕上げ)で形成した例えば外形Φ8mmの金属軸である芯金の外周に、例えばエピクロルヒドリンゴムからなり、体積固有抵抗値を1×10〜1×10Ω・cmとした弾性ローラ部を例えば肉厚1.5mmの層として形成したものである。さらに弾性ローラ部は、例えばゴム自体のテストピース硬度が60度のものを使用する。また、弾性ローラ部の両端部に、それぞれ例えばポリエステル又はポリエチレンテレフタレートからなる片面が粘着面に形成された粘着シートを貼ることによって、像担持体1と帯電ローラ30の間に空隙を作ることができ、非接触近接方式を実現できる。
帯電部材30には帯電部材のクリーナ31が当接されており、従動回転しながら帯電部材30に付着した異物を除去している。そして、帯電ローラ芯金に直流電圧または交流電圧と直流電圧を重畳した電圧を印加することによって近接放電を起こして像担持体1の表面を帯電できる。これにより、放電ワイヤを用いた、いわゆるコロトロンやスコロトロンと言われるコロナ放電器と比して、帯電時に発生するオゾン量を大幅に抑制することが可能となる。
しかしながら、帯電部材30を像担持体1表面に接触または近接して帯電を行う帯電装置3では、像担持体1表面を近接放電に直接さらすため像担持体1表面を化学的に劣化させて像担持体1の磨耗を促進することがわかっている。
そのため、本実施例の画像形成装置100では、該像担持体1表面に保護剤71をファーブラシ70により塗布または付着させる保護層塗布手段7を配設することにより、像担持体1の長寿命化を図っている。保護剤を均一に塗布することにより、近接放電だけでなく、機械的ストレスからも像担持体1を効率良く保護することができる。
保護剤塗布手段7の後工程には、クリーニングブレード21が配置されている。本発明ではクリーニングブレード21の先端が斜めにカットされており、像担持体1と接するエッジの稜線部が95〜130°の鈍角形状となっている。硬化性樹脂を表層に用いた本実施例の像担持体1では回転駆動時にクリーニングブレード21の滑り性の悪さからエッジが不安定な挙動となり保護剤の均一塗布が難しいが、エッジが鈍角形状とすることでエッジの挙動を安定させて保護剤を均一に塗布することができる。
クリーニングブレード21は10℃における反発弾性30%以上であることが好ましく、40%以上であることがより好ましい。反発弾性が小さすぎる場合には、クリーニング部材21先端部分が引き込まれた状態で安定しがちであるため、クリーニングブレード21と像担持体1とで形成されるクリーニング角が小さくなり、クリーニング性能が低下しやすい。
クリーニングブレード21の材料は、特に制限されるものではないが、クリーニングブレード用材料として一般に公知の、ウレタンゴム、ヒドリンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の弾性体を、単独またはブレンドして使用することができる。また、これらのゴムブレードは、像担持体1との接点部部分を低摩擦係数材料で、コーティングや含浸処理しても良い。また、弾性体の硬度を調整するために、他の有機フィラーや無機フィラーに代表される充填材を分散しても良い。
これらのクリーニングブレード21は、クリーニング部材支持体に、先端部が像担持体1表面へ押圧当接できるように、接着や融着等の任意の方法によって固定される。クリーニングブレード21厚みについては、押圧で加える力との兼ね合いで一義的に定義できるものではないが、概ね1〜4mm程度であれば好ましく使用でき、2〜3mm程度であれば更に好ましく使用できる。
また、クリーニング部材支持体から突き出し、たわみを持たせることができるクリーニングブレード21の長さ、いわゆる自由長についても同様に押圧で加える、力との兼ね合いで一義的に定義できるものではないが、概ね1〜12mm程度であれば好ましく使用でき、3〜8mm程度であれば更に好ましく使用できる。
また、該クリーニング部材21が像担持体1を押圧する力は、該クリーニング部材21の単位接触長さ当たりの圧力、いわゆる線圧として5gf/cm以上60gf/cm以下であることが好ましく、10gf/cm以上50gf/cm以下であることがより好ましい。
図3に本発明の別の実施例での像担持体周りの断面図を示す。図2と異なる点は、保護剤塗布手段7がクリーニングブレード21の後工程で帯電部材30の前工程に配置されている点と、保護剤塗布手段7としてクリーニングブレード21とは別の塗布ブレード72が配置されている点である。像担持体1に保護剤を塗布する際に、トナーが存在するとトナー量により保護剤の塗布量が影響を受けるため、保護剤塗布手段7はクリーニングブレード21により像担持体1表面を清掃した直後であることが好ましく、これにより、その後に行われる帯電工程や、現像工程での、電気的、機械的ストレスから、像担持体1を効率良く保護することができる。また、これらの工程を経て劣化または変質した保護層成分をクリーニング手段2によって、残存トナーの除去と同時に的確に清掃除去することができる。
保護剤71としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウムより選ばれる金属石鹸やシリコン、ワックスを含むものを固形化したものを用いる。また、フッ素系樹脂(PFA、PTFE)などを用いても良い。
本発明における像担持体1について説明する。
本発明に用いる像担持体1は、表面層が連鎖重合性官能基を有する化合物を少なくとも熱、光、放射線の何れかにより重合又は架橋することにより硬化させた樹脂からなることを特徴とする。これは以下の目的のためである。像担持体1は、上述したように帯電手段3、現像手段5、転写手段6、クリーニング手段2、除電手段の一連のプロセスが繰り返される環境で使用される。この過程で像担持体1が摩耗したり傷が発生したりすることにより、画像劣化を引き起こし寿命となる。この摩耗、傷をもたらす要因としては、
(1)帯電、除電時の放電による像担持体1表面組成物の分解及び酸化性ガスによる化学的劣化
(2)現像時におけるキャリア付着
(3)転写時における転写体との摩擦
(4)クリーニング時におけるクリーニング・ブラシ、クリーニング・ブレード21及び介在するトナーや付着キャリアとの摩擦
などが挙げられる。これらのハザードに強い像担持体1を設計するためには、表面層を高硬度、高弾性で且つ均一にすることが重要で、膜構造からは緻密かつ均一な3次元網目構造を形成すればよい。これは、上述したように、連鎖重合性官能基を有する化合物を少なくとも熱、光、放射線の何れかにより重合又は架橋することにより硬化させる樹脂からなる表面層(硬化表面層)によって達成できる。
このような硬化表面層を備えた像担持体1について説明する。ただし、本発明で用いることのできる硬化表面層を備えた像担持体1としては、下記に限定されるわけではない。
本実施形態の像担持体1は負帯電性の有機感光体であり、Φ30mmのドラム状導電性支持体上に感光層を設けたものである。また、感光体表面粗さを制御するために、架橋性樹脂中にフィラーを分散した表面層を更に設けてある。像担持体1の層構成の一例としては、
(1)導電性支持体/感光層/表面層
(2)導電性支持体/電荷発生層/表面層
(3)導電性支持体/電荷発生層/電荷輸送層/表面層
(4)導電性支持体/電荷輸送層/電荷発生層/表面層
が挙げられる。
ここで像担持体1表面層について詳細に説明する。
本発明における像担持体1の表面層は、加熱又は光エネルギー照射によって硬化されており、有機溶媒に対し不溶性である。また、像担持体1の表面層は、加熱又は光エネルギー照射によって硬化されることにより、長期繰り返し使用によっても像担持体1の機械的劣化が少なく、また像担持体1表面の耐傷性が顕著に向上し、高耐久化と同時に優れたクリーニング性を維持することができる。
本発明において用いられる硬化性樹脂としては、熱硬化樹脂、光硬化樹脂、電子線硬化樹脂等が挙げられ、中でも紫外線硬化樹脂は硬度が高く、耐傷性に優れるため特に有効である。例えば、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂等が好ましく用いられる。
しかしながら、像担持体1の静電特性を満足させるためには、表面層に電荷輸送機能を付与する必要がある。電荷輸送機能を持たせないと残留電位上昇や感度劣化を引き起こし、像担持体1の画質安定性を大きく低下させてしまう。本発明においては、電荷輸送性構造を有さないラジカル重合性モノマーと電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物とを硬化させることにより、静電特性の安定化と同時に、本発明における効果を十分に得ることが可能となり好ましい。これに対し、官能基を有しない低分子電荷輸送物質を表面層中に含有させた場合は、その相溶性の低さから低分子電荷輸送物質の析出や白濁現象が起こり、表面層の機械的強度の低下、残留電位上昇、感度劣化、表面粗さの著しい増加等により画像欠陥の発生等を引き起こす。従って、表面層に電荷輸送機能を持たせるには、電荷輸送機能と官能基を有するラジカル重合性化合物を用い、ラジカル重合性モノマーと硬化させることが好ましい。
電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物は、2官能以上のものを用いることも感光体表面の平滑性、静電特性、あるいは耐久性を損なわない範囲であれば可能である。しかしながら、2官能以上の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を含有すると架橋結合密度を高めることはできるが、嵩高い正孔輸送性化合物が多数の結合で絡み合うため、表面層に歪みが生じ硬化反応が不均一となる。このため外部応力に対する回復力が局部的に低下し、耐摩耗性のバラツキが大きくなる。これにより局部的に凹凸が生じることによって本発明の効果が低減する虞がある。従って、2官能以上の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物よりも、1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を用いた方が好ましい。
上記電荷輸送機能を有するラジカル重合性化合物と硬化させる電荷輸送性構造を有さないラジカル重合性モノマーとしては、1官能及び2官能のラジカル重合性モノマーを用いてもよいが、表面層中の架橋結合が希薄となり飛躍的な耐傷性向上が達成されない場合がある。本発明の像担持体1においては、表面層に3官能以上のラジカル重合性モノマーを用いることがより好ましく、これにより3次元の網目構造が発達し、架橋度並びに弾性変位率が高くなる傾向を示し、弾性変位率と硬度とを両立しやすくなる。このように、多官能のラジカル重合性モノマーを用いて硬化させることにより、像担持体1の機械的な耐摩耗性のみならず、耐傷性を顕著に向上させることが可能となり、本発明におけるクリーニング性維持において有効かつ有用である。
よって、本発明においては、少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を硬化した表面層が最も好ましく、これにより優れた耐摩耗性とクリーニング性が両立され、高耐久化を実現することが可能となる。
次に、本発明の表面層塗布液の構成材料について説明する。
本発明に用いられる電荷輸送性を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーとは、例えばトリアリールアミン、ヒドラゾン、ピラゾリン、カルバゾールなどの正孔輸送性構造、例えば縮合多環キノン、ジフェノキノン、シアノ基やニトロ基を有する電子吸引性芳香族環などの電子輸送構造を有しておらず、且つラジカル重合性官能基を3個以上有するモノマーを指す。このラジカル重合性官能基としては、炭素−炭素2重結合を有し、ラジカル重合可能な基であれば何れでもよい。
これらラジカル重合性官能基としては、例えば、下記に示す1−置換エチレン官能基、1,1−置換エチレン官能基が挙げられる。
(1)1−置換エチレン官能基としては、例えば以下の式で表わされる官能基が挙げられる。
CH=CH−X− ・・・・式10
(ただし、式中、Xは、置換基を有していてもよいフェニレン基、ナフチレン基等のアリーレン基、置換基を有していてもよいアルケニレン基、−CO−基、−COO−基、−CON(R10)−基(R10は、水素、メチル基、エチル基等のアルキル基、ベンジル基、ナフチルメチル基、フェネチル基等のアラルキル基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基を表す。)、または−S−基を表わす。)
これらの置換基を具体的に例示すると、ビニル基、スチリル基、2−メチル−1,3−ブタジエニル基、ビニルカルボニル基、アクリロイルオキシ基、アクリロイルアミノ基、ビニルチオエーテル基等が挙げられる。
(2)1,1−置換エチレン官能基としては、例えば以下の式で表わされる官能基が挙げられる。
CH=C(Y)−X− ・・・・式11
(ただし、式中、Yは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、メトキシ基あるいはエトキシ基等のアルコキシ基、−COOR11基(R11は、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基、エチル基等のアルキル基、置換基を有していてもよいベンジル、フェネチル基等のアラルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基、または−CONR1213(R12およびR13は、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基、エチル基等のアルキル基、置換基を有していてもよいベンジル基、ナフチルメチル基、あるいはフェネチル基等のアラルキル基、または置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基を表わし、互いに同一または異なっていてもよい。)、また、Xは上記式10のXと同一の置換基及び単結合、アルキレン基を表わす。ただし、Y,Xの少なくとも何れか一方がオキシカルボニル基、シアノ基、アルケニレン基、及び芳香族環である。)
これらの置換基を具体的に例示すると、α−塩化アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、α−シアノエチレン基、α−シアノアクリロイルオキシ基、α−シアノフェニレン基、メタクリロイルアミノ基等が挙げられる。
なお、これらX,X、Yについての置換基にさらに置換される置換基としては、例えばハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等が挙げられる。
これらのラジカル重合性官能基の中では、特にアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基が有用であり、3個以上のアクリロイルオキシ基を有する化合物は、例えば水酸基がその分子中に3個以上ある化合物とアクリル酸(塩)、アクリル酸ハライド、アクリル酸エステルを用い、エステル反応あるいはエステル交換反応させることにより得ることができる。また、3個以上のメタクリロイルオキシ基を有する化合物も同様にして得ることができる。また、ラジカル重合性官能基を3個以上有する単量体中のラジカル重合性官能基は、同一でも異なっても良い。
電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーとしては、以下のものが例示されるが、これらの化合物に限定されるものではない。
すなわち、本発明において使用する上記ラジカル重合性モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパントリメタクリレート、HPA変性トリメチロールプロパントリアクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、HPA変性トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)、グリセロールトリアクリレート、ECH変性グリセロールトリアクリレート、EO変性グリセロールトリアクリレート、PO変性グリセロールトリアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジメチロールプロパンテトラアクリレート(DTMPTA)、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、EO変性リン酸トリアクリレート、2,2,5,5,−テトラヒドロキシメチルシクロペンタノンテトラアクリレートなどが挙げられ、これらは、単独又は2種類以上を併用しても差し支えない。
また、本発明に用いられる電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーとしては、表面層中に緻密な架橋結合を形成するために官能基割合(分子量/官能基数)が250以下であることが望ましい。これにより、表面層の弾性変位率や硬度が向上し、像担持体1表面の耐傷性が高まる傾向が見られている。また、表面層に用いられる電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーの成分割合は、表面層全量に対し20〜80質量%、好ましくは30〜70質量%であり、実質的には塗工液固形分中の3官能以上のラジカル重合性モノマーの割合に依存する。モノマー成分が20質量%未満では表面層の3次元架橋結合密度が少なく、従来の熱可塑性バインダー樹脂を用いた場合に比べ飛躍的な耐傷性向上が達成されない場合がある。また、80質量%を超えると電荷輸送性化合物の含有量が低下し、静電特性の劣化、特に残留電位上昇や感度劣化が生じる。使用されるプロセスによって要求される耐摩耗性や静電特性が異なるため一概には言えないが、両特性のバランスを考慮すると30〜70質量%の範囲が最も好ましい。
本発明に用いられる1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物とは、例えばトリアリールアミン、ヒドラゾン、ピラゾリン、カルバゾールなどの正孔輸送性構造、例えば縮合多環キノン、ジフェノキノン、シアノ基やニトロ基を有する電子吸引性芳香族環などの電子輸送構造を有しており、且つ1個のラジカル重合性官能基を有する化合物を指す。このラジカル重合性官能基としては、先のラジカル重合性モノマーで示したものが挙げられ、特にアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基が有用である。また、電荷輸送性構造としてはトリアリールアミン構造が有効であり、中でも下記一般式(1)又は(2)の構造で示される化合物を用いた場合、感度、残留電位等の静電特性が良好に持続される。
Figure 0004979253
Figure 0004979253
式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアリール基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、−COOR(Rは水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基又は置換基を有してもよいアリール基)、ハロゲン化カルボニル基若しくはCONR(R及びRは水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基又は置換基を有してもよいアリール基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい)を表わし、Ar、Arは置換もしくは未置換のアリーレン基を表わし、同一であっても異なってもよい。Ar、Arは置換もしくは未置換のアリール基を表わし、同一であっても異なってもよい。Xは単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表わす。Zは置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、アルキレンオキシカルボニル基を表わす。m、nは0〜3の整数を表わす。
以下に、一般式(1)、(2)の具体例を示す。
前記一般式(1)、(2)において、Rの置換基中、アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等が、アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基が、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等がそれぞれ挙げられ、これらは、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等により置換されていても良い。Rの置換基のうち、特に好ましいものは水素原子、メチル基である。
置換もしくは未置換のAr、Arはアリール基であり、アリール基としては縮合多環式炭化水素基、非縮合環式炭化水素基及び複素環基が挙げられる。
該縮合多環式炭化水素基としては、好ましくは環を形成する炭素数が18個以下のもの、例えば、ペンタニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、as−インダセニル基、s−インダセニル基、フルオレニル基、アセナフチレニル基、プレイアデニル基、アセナフテニル基、フェナレニル基、フェナントリル基、アントリル基、フルオランテニル基、アセフェナントリレニル基、アセアントリレニル基、トリフェニレル基、ピレニル基、クリセニル基、及びナフタセニル基等が挙げられる。
該非縮合環式炭化水素基としては、ベンゼン、ジフェニルエーテル、ポリエチレンジフェニルエーテル、ジフェニルチオエーテル及びジフェニルスルホン等の単環式炭化水素化合物の1価基、あるいはビフェニル、ポリフェニル、ジフェニルアルカン、ジフェニルアルケン、ジフェニルアルキン、トリフェニルメタン、ジスチリルベンゼン、1,1−ジフェニルシクロアルカン、ポリフェニルアルカン、及びポリフェニルアルケン等の非縮合多環式炭化水素化合物の1価基、あるいは9,9−ジフェニルフルオレン等の環集合炭化水素化合物の1価基が挙げられる。
複素環基としては、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、オキサジアゾール、及びチアジアゾール等の1価基が挙げられる。
また、前記Ar、Arで表わされるアリール基は例えば以下に示すような置換基を有してもよい。
(1)ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基等。
(2)アルキル基、好ましくは、C〜C12とりわけC〜C、さらに好ましくはC〜Cの直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基にはさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C〜Cのアルコキシ基、フェニル基又はハロゲン原子、C〜Cのアルキル基もしくはC〜Cのアルコキシ基で置換されたフェニル基を有していてもよい。具体的にはメチル基、エチル基、n−ブチル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−プロピル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキエチル基、2−エトキシエチル基、2−シアノエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
(3)アルコキシ基(−OR)であり、Rは(2)で定義したアルキル基を表わす。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、ベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
(4)アリールオキシ基であり、アリール基としてはフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C〜Cのアルコキシ基、C〜Cのアルキル基またはハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基等が挙げられる。
(5)アルキルメルカプト基またはアリールメルカプト基であり、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。
(6)
Figure 0004979253
式中、R及びRは各々独立に水素原子、前記(2)で定義したアルキル基、またはアリール基を表わす。アリール基としては、例えばフェニル基、ビフェニル基又はナフチル基が挙げられ、これらはC〜Cのアルコキシ基、C〜Cのアルキル基またはハロゲン原子を置換基として含有してもよい。R及びRは共同で環を形成してもよい。
具体的には、アミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ジ(トリール)アミノ基、ジベンジルアミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ピロリジノ基等が挙げられる。
(7)メチレンジオキシ基、又はメチレンジチオ基等のアルキレンジオキシ基又はアルキレンジチオ基等が挙げられる。
(8)置換又は無置換のスチリル基、置換又は無置換のβ−フェニルスチリル基、ジフェニルアミノフェニル基、ジトリルアミノフェニル基等。
前記Ar、Arで表わされるアリーレン基としては、前記Ar、Arで表されるアリール基から誘導される2価基である。
前記Xは単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表わす。
置換もしくは無置換のアルキレン基としては、C〜C12、好ましくはC〜C、さらに好ましくはC〜Cの直鎖または分岐鎖のアルキレン基であり、これらのアルキレン基にはさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C〜Cのアルコキシ基、フェニル基又はハロゲン原子、C〜Cのアルキル基もしくはC〜Cのアルコキシ基で置換されたフェニル基を有していてもよい。具体的にはメチレン基、エチレン基、n−ブチレン基、i−プロピレン基、t−ブチレン基、s−ブチレン基、n−プロピレン基、トリフルオロメチレン基、2−ヒドロキエチレン基、2−エトキシエチレン基、2−シアノエチレン基、2−メトキシエチレン基、ベンジリデン基、フェニルエチレン基、4−クロロフェニルエチレン基、4−メチルフェニルエチレン基、4−ビフェニルエチレン基等が挙げられる。
置換もしくは無置換のシクロアルキレン基としては、C〜Cの環状アルキレン基であり、これらの環状アルキレン基にはフッ素原子、水酸基、C〜Cのアルキル基、C〜Cのアルコキシ基を有していても良い。具体的にはシクロヘキシリデン基、シクロへキシレン基、3,3−ジメチルシクロヘキシリデン基等が挙げられる。
置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基としては、エチレンオキシ、プロピレンオキシ、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリプロピレングリコールを表わし、アルキレンエーテル基アルキレン基はヒドロキシル基、メチル基、エチル基等の置換基を有してもよい。
ビニレン基は、
Figure 0004979253
で表わされ、Rは水素、アルキル基(前記(2)で定義されるアルキル基と同じ)、アリール基(前記Ar、Arで表わされるアリール基と同じ)、aは1または2、bは1〜3を表わす。前記Zは置換もしくは未置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、アルキレンオキシカルボニル基を表わす。置換もしくは未置換のアルキレン基としは、前記Xのアルキレン基と同様なものが挙げられる。置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基としては、前記Xのアルキレンエーテル基が挙げられる。アルキレンオキシカルボニル基としては、カプロラクトン変性基が挙げられる。
また、本発明の1官能の電荷輸送構造を有するラジカル重合性化合物として更に好ましくは、下記一般式(3)の構造の化合物が挙げられる。
Figure 0004979253
式中、o、p、qはそれぞれ0又は1の整数、Raは水素原子、メチル基を表わし、Rb、Rcは水素原子以外の置換基で炭素数1〜6のアルキル基を表わし、複数の場合は異なっても良い。s、tは0〜3の整数を表わす。Zaは単結合、メチレン基、エチレン基、
Figure 0004979253
を表わす。
上記一般式で表わされる化合物としては、Rb、Rcの置換基として、特にメチル基、エチル基である化合物が好ましい。
本発明で用いる上記一般式(1)及び(2)特に(3)の1官能の電荷輸送構造を有するラジカル重合性化合物は、炭素−炭素間の二重結合が両側に開放されて重合するため、末端構造とはならず、連鎖重合体中に組み込まれ、3官能以上のラジカル重合性モノマーとの重合で架橋形成された重合体中では、高分子の主鎖中に存在し、かつ主鎖−主鎖間の架橋鎖中に存在(この架橋鎖には1つの高分子と他の高分子間の分子間架橋鎖と、1つの高分子内で折り畳まれた状態の主鎖のある部位と主鎖中でこれから離れた位置に重合したモノマー由来の他の部位とが架橋される分子内架橋鎖とがある)するが、主鎖中に存在する場合であってもまた架橋鎖中に存在する場合であっても、鎖部分から懸下するトリアリールアミン構造は、窒素原子から放射状方向に配置する少なくとも3つのアリール基を有し、バルキーであるが、鎖部分に直接結合しておらず鎖部分からカルボニル基等を介して懸下しているため立体的位置取りに融通性ある状態で固定されているので、これらトリアリールアミン構造は重合体中で相互に程よく隣接する空間配置が可能であるため、分子内の構造的歪みが少なく、また、電子写真像担持体1の表面層とされた場合に、電荷輸送経路の断絶を比較的免れた分子内構造を採りうるものと推測される。
本発明の1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物の具体例を以下に示すが、これらの構造の化合物に限定されるものではない。
Figure 0004979253
Figure 0004979253
Figure 0004979253
Figure 0004979253
Figure 0004979253
Figure 0004979253
Figure 0004979253
Figure 0004979253
Figure 0004979253
Figure 0004979253
Figure 0004979253
Figure 0004979253
また、本発明に用いられる1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物は、表面層の電荷輸送性能を付与するために重要で、この成分は表面層全量に対し20〜80質量%、好ましくは30〜70質量%である。この成分が20質量%未満では表面層の電荷輸送性能が充分に保てず、繰り返しの使用で感度低下、残留電位上昇などの電気特性の劣化が現れる。また、80質量%を超えると電荷輸送構造を有しない3官能モノマーの含有量が低下し、架橋結合密度の低下を招き高い耐摩耗性が発揮されない。使用されるプロセスによって要求される電気特性や耐摩耗性が異なるため一概には言えないが、両特性のバランスを考慮すると30〜70質量%の範囲が最も好ましい。
本発明の表面層は、少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を硬化したものが好ましいが、もちろん1官能及び2官能のラジカル重合性モノマー及びラジカル重合性オリゴマーを用いたり、あるいは併用させることもできる。これらのラジカル重合性モノマー、オリゴマーとしては、公知のものが利用できる。
1官能のラジカルモノマーとしては、例えば、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、3−メトキシブチルアクリレート、ベンジルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、イソアミルアクリレート、イソブチルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、フェノキシテトラエチレングリコールアクリレート、セチルアクリレート、イソステアリルアクリレート、ステアリルアクリレート、スチレンモノマーなどが挙げられる。
2官能のラジカル重合性モノマーとしては、例えば、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、EO変性ビスフェノールAジアクリレート、EO変性ビスフェノールFジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレートなどが挙げられる。
機能性モノマーとしては、例えば、オクタフルオロペンチルアクリレート、2−パーフルオロオクチルエチルアクリレート、2−パーフルオロオクチルエチルメタクリレート、2−パーフルオロイソノニルエチルアクリレートなどのフッ素原子を置換したもの、特公平5−60503号公報、特公平6−45770号公報記載のシロキサン繰り返し単位:20〜70のアクリロイルポリジメチルシロキサンエチル、メタクリロイルポリジメチルシロキサンエチル、アクリロイルポリジメチルシロキサンプロピル、アクリロイルポリジメチルシロキサンブチル、ジアクリロイルポリジメチルシロキサンジエチルなどのポリシロキサン基を有するビニルモノマー、アクリレート及びメタクリレートが挙げられる。
ラジカル重合性オリゴマーとしては、例えば、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリエステルアクリレート系オリゴマーが挙げられる。
また、本発明の表面層に上記硬化系樹脂を用いる場合、必要に応じて架橋反応を効率よく進行させるために表面層中に重合開始剤を使用してもよい。
熱重合開始剤としては、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(パーオキシベンゾイル)ヘキシン−3、ジ−t−ブチルベルオキサイド、t−ブチルヒドロベルオキサイド、クメンヒドロベルオキサイド、ラウロイルパーオキサイドなどの過酸化物系開始剤、アゾビスイソブチルニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、アゾビスイソ酪酸メチル、アゾビスイソブチルアミジン塩酸塩、4,4’−アゾビス−4−シアノ吉草酸などのアゾ系開始剤が挙げられる。
光重合開始剤としては、ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−2−モルフォリノ(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、などのアセトフェノン系またはケタール系光重合開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、などのベンゾインエーテル系光重合開始剤、ベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、2−ベンゾイルナフタレン、4−ベンゾイルビフェニル、4−ベンゾイルフェニールエーテル、アクリル化ベンゾフェノン、1,4−ベンゾイルベンゼン、などのベンゾフェノン系光重合開始剤、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、などのチオキサントン系光重合開始剤、その他の光重合開始剤としては、エチルアントラキノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシエステル、9,10−フェナントレン、アクリジン系化合物、トリアジン系化合物、イミダゾール系化合物、が挙げられる。また、光重合促進効果を有するものを単独または上記光重合開始剤と併用して用いることもできる。例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸(2−ジメチルアミノ)エチル、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、などが挙げられる。
これらの重合開始剤は1種又は2種以上を混合して用いてもよい。重合開始剤の含有量は、ラジカル重合性を有する総含有物100質量部に対し、0.5〜40質量部、好ましくは1〜20質量部である。
更に、本発明の塗工液は必要に応じて各種可塑剤(応力緩和や接着性向上の目的)、レベリング剤、ラジカル反応性を有しない低分子電荷輸送物質などの添加剤が含有できる。これらの添加剤は公知のものが使用可能であり、可塑剤としてはジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の一般の樹脂に使用されているものが利用可能で、その使用量は塗工液の総固形分に対し20質量%以下、好ましくは10質量%以下に抑えられる。また、レベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーが利用でき、その使用量は塗工液の総固形分に対し3質量%以下が適当である。これらの添加量が必要以上に多くなると、硬化を阻害したり、表面に析出したり、塗膜が白濁化したりすることがあり、像担持体1の耐傷性や耐摩耗性に大きな影響を及ぼす虞があるため、必要最小量に留める必要がある。
本発明の表面層は、各種ラジカル重合性化合物等を含有する塗工液を塗布、硬化することにより形成される。かかる塗工液は、ラジカル重合性モノマーが液体である場合、これに他の成分を溶解して塗布することも可能であるが、必要に応じて溶媒により希釈して塗布される。このとき用いられる溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール系、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系、テトラヒドロフラン、ジオキサン、プロピルエーテルなどのエーテル系、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、クロロベンゼンなどのハロゲン系、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族系、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、セロソルブアセテートなどのセロソルブ系などが挙げられる。これらの溶媒は、単独または2種以上を混合して用いてもよい。溶媒による希釈率は組成物の溶解性、塗工法、目的とする膜厚により変わり、任意である。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコート法などを用いて行うことができる。
塗工液の希釈溶媒については、下層(感光層、電荷輸送層あるいは電荷発生層)を容易に溶解する溶媒を多量に用いると下層の樹脂バインダーや低分子電荷輸送物質などの組成物が表面層に混入し、硬化反応の妨げになるばかりでなく、塗工液中に予め非硬化材料を多量に含有させた場合と同様な状態となり、表面の不均一硬化が発生する。逆に、下層を全く溶解しない溶媒を使用した場合、表面層と下層の接着性が低下し、硬化反応時の体積収縮から表面層にクレーター状のはじきが現れ、像担持体1の表面粗さが増大したり、低い弾性変位率の下層が部分的に露出する。これらの対策としては、混合溶媒を使用し下層の溶解性をコントロールする、液組成や塗工法により塗工表面層に含有される溶媒量を低減する、下層に高分子電荷輸送物質などを用い下層成分の混入を抑える、下層と表面層の間に溶解性の低い中間層や良好な接着性の中間層を設ける、などが挙げられる。
本発明においては、かかる塗工液を塗布後、外部からエネルギーを与え硬化させ、表面層を形成するものが好ましいが、このとき用いられる外部エネルギーとしては熱、光、放射線がある。
熱のエネルギーを加える方法としては、空気、窒素などの気体、蒸気、あるいは各種熱媒体、赤外線、電磁波を用い塗工表面側あるいは支持体側から加熱することによって行なわれる。加熱温度は100℃以上、170℃以下が好ましく、100℃未満では反応速度が遅く、完全に反応が終了しない。170℃より高温では反応が不均一に進行し表面層中に大きな歪みが発生する。硬化反応を均一に進めるために、100℃未満の比較的低温で加熱後、更に100℃以上に加温し反応を完結させる方法も有効である。
光のエネルギーとしては主に紫外光に発光波長をもつ高圧水銀灯やメタルハライドランプなどのUV照射光源が利用できるが、ラジカル重合性含有物や光重合開始剤の吸収波長に合わせ可視光光源の選択も可能である。照射光量は50mW/cm以上、1000mW/cm以下が好ましく、50mW/cm未満では硬化反応に時間を要する。1000mW/cmより強いと反応の進行が不均一となり、表面層の荒れが激しくなる。
放射線のエネルギーとしては電子線を用いるものが挙げられる。これらのエネルギーの中で、反応速度制御の容易さ、装置の簡便さから熱及び光のエネルギーを用いたものが有用である。
本発明の表面層においては、静電特性を維持するため嵩高い電荷輸送性構造を含有させ、且つ高強度化のため架橋結合密度を高める必要がある。この様な表面層塗工後の硬化にあたっては、非常に高いエネルギーを外部から加え急激に反応を進めると、硬化が不均一に進行し弾性変位率τeのばらつきが大きくなり、本発明の有効性が低下する虞がある。このため加温条件、光の照射強度、重合開始剤量により反応速度制御が可能な熱や光の外部エネルギーを用いたものが好ましい。
本発明における像担持体1表面層を得るための具体的な手法について例示すると、例えば、塗工液として、3つのアクリロイルオキシ基を有するアクリレートモノマーと、一つのアクリロイルオキシ基を有するトリアリールアミン化合物を使用する場合、アクリレート化合物に加え、重合開始剤をアクリレート化合物全量に対し3〜10質量%添加し、さらに溶媒を加えて塗工液を調製する。例えば、表面層の下層となる電荷輸送層において、電荷輸送物質としてトリアリールアミン系ドナー、及びバインダー樹脂として、ポリカーボネートを使用し、表面層をスプレー塗工により形成する場合、上記塗工液の溶媒としては、テトラヒドロフラン、2−ブタノン、酢酸エチル等が好ましく、その使用割合は、アクリレート化合物全量に対し2倍量〜8倍量である。
次いで、例えば、アルミシリンダー等の支持体上に、下引き層、電荷発生層、上記電荷輸送層を順次積層した像担持体1上に、上記調製した塗工液をスプレー等により塗布する。その後、比較的低温で短時間乾燥し(25〜80℃、1〜10分間)、UV照射あるいは加熱して硬化させる。
UV照射の場合、メタルハライドランプ等を用いるが、照度は50mW/cm以上、1000mW/cm以下が好ましく、例えば200mW/cmのUV光を照射する場合、多方向から均一に20秒程度照射すればよい。このときドラム温度は50℃を超えないように制御する。熱硬化の場合、加熱温度は100〜170℃が好ましく、例えば加熱手段として送風型オーブンを用い、加熱温度を150℃に設定した場合、加熱時間は20分〜3時間である。硬化終了後は、残留溶媒低減のため100〜150℃で10〜30分加熱して、本発明の像担持体1を得る。
表面層が電荷輸送層の表面部分である場合、前述の表面層作製方法に記載したように、かかる電荷輸送層の下層部分上に本発明のラジカル重合性組成物を含有する塗工液を塗布、必要に応じて乾燥後、熱や光の外部エネルギーにより硬化反応を開始させ、表面層が形成される。このとき、表面層の膜厚は、1〜20μm、好ましくは2〜10μmである。1μmより薄いと膜厚ムラによって耐久性がバラツキ、20μmより厚いと電荷輸送層全体の膜厚が厚くなり電荷の拡散から画像の再現性が低下する。
しかしながら、このような硬化表面層を備えた像担持体1を画像形成装置100において使用した時に、像担持体1表面に対するブレード滑り性が非常に悪いため、ブレードの耐久性及び保護剤の均一塗布性に問題があり、像担持体1の磨耗耐久が良くないという課題があった。この保護剤の均一塗布性について、重要なのは像担持体1表面が削れることによって生じるμmオーダーの領域における微小な凹凸である。
像担持体1表面層にアルミナなどのフィラーを含有している場合と、像担持体1表面層に硬化性樹脂である場合に、像担持体1表面の摩擦係数には大きな違いがないがブレードの滑り性には大きな差がある。前者も初期的にはブレードの滑り性は良くないが、画像形成装置100で使用することによってブレードの滑り性は良くなる。このようなことが後者の像担持体1表面層に硬化性樹脂を用いた場合には起こらない。両者の違いは、前者は像担持体1表面が削れることによって像担持体1表面にμmオーダー領域の微小な凹凸が生じるが、後者は像担持体1表面が削れないまたは削れる速度が遅いため、そのような微小な凹凸が生じないという点である。
上記の像担持体1表面のμmオーダー領域の微小な凹凸は、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて測定した3μm四方の十点平均面粗さ(Rz)で表される。十点平均面粗さ(Rz)は、JISB601で定義されている十点平均粗さRzを測定面に対し適用できるように拡張したものである。また、この評価法として3μm四方に限定されるわけではない。3μm四方の十点平均面粗さRzが10nm以上であれば像担持体1表面に対するブレードの滑り性は問題ないようである。
図4aに保護剤塗布のイメージ図として表面層にフィラーとしてアルミナを含有した像担持体1にエッジ稜線部が90度のブレードを当接した場合を、図4bには表面層に硬化性樹脂を用いた像担持体1にエッジ稜線部が90度のブレードを当接した場合を示す。どちらもブレードエッジが変形しながら保護剤であるステアリン酸亜鉛を薄く延ばしていくのだが、図4aは表面凹凸が大きいためにブレードの滑り性が良く、ブレードの引きこまれによる不安定挙動が少ない。しかも表面凹凸により保護剤であるステアリン酸亜鉛が十分に塗布されている。一方の図4bは、表面凹凸が小さいために保護剤のステアリン酸亜鉛が薄く伸ばされるだけでなく、ブレードの滑り性が悪いためにエッジが引き込まれては戻る、引き込まれては戻るの繰り返しによる不安定挙動が発生し、ステアリン酸亜鉛の膜が極めて不均一になってしまう。
図4cに保護剤塗布のイメージ図として表面層にフィラーとしてアルミナを含有した像担持体1にエッジ稜線部が鈍角となったブレードを当接した場合を、図4dには表面層に硬化性樹脂を用いた像担持体1にエッジ稜線部が鈍角となったブレードを当接した場合を示す。図4cの場合は、図4aとそれほど差がないが、図4dの場合は、鈍角の形状によりブレードエッジ先端の引き込まれが低減し、不安定な挙動が軽減したため、保護剤であるステアリン酸亜鉛が均一に塗布できている。
次に、本発明において好適に用いられるトナーについて説明する。
まず、本発明のトナーは、平均円形度が0.93〜1.00であることが好ましい。本発明では、下記式Aより得られた値を円形度と定義する。この円形度はトナー粒子の凹凸の度合いの指標であり、トナーが完全な球形の場合1.00を示し、表面形状が複雑になるほど円形度は小さな値となる。
「円形度SR」=「粒子投影面積と同じ面積の円の周囲長」/「粒子投影像の周囲長」・・式A
平均円形度が0.93〜1.00の範囲では、トナー粒子の表面は滑らかであり、トナー粒子同士、トナー粒子と像担持体1との接触面積が小さいために転写性に優れる。トナー粒子に角がないため、現像装置内での現像剤の攪拌トルクが小さく、攪拌の駆動が安定するために異常画像が発生しない。ドットを形成するトナーの中に、角張ったトナー粒子がないため、転写で転写媒体に圧接する際に、その圧がドットを形成するトナー全体に均一にかかり、転写中抜けが生じにくい。トナー粒子が角張っていないことから、トナー粒子そのものの研磨力が小さく、像担持体の表面を傷つけたり、磨耗させたりしない。
次に、円形度の測定方法について説明する。
円形度は、東亜医用電子製フロー式粒子像分析装置FPIA−1000を用いて測定することができる。
具体的な測定方法としては、容器中の予め不純固形物を除去した水100〜150mL中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスフォン酸塩を0.1〜0.5mL加え、更に測定試料を0.1〜0.5g程度加える。試料を分散した懸濁液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、分散液濃度を3000〜10000個/μLとして前記装置によりトナーの形状、粒度を測定する。
また本発明では、トナーの重量平均径D4が3〜10μmであることが好ましい。この範囲では、微小な潜像ドットに対して、十分に小さい粒径のトナー粒子を有していることから、ドット再現性に優れる。重量平均径D4が3μm未満では、転写効率の低下、ブレードクリーニング性の低下といった現象が発生しやすい。重量平均径D4が10μmを超えると、文字やラインの飛び散りを抑えることが難しい。
また本発明のトナーは、重量平均径D4と個数平均径D1の比(D4/D1)が1.00〜1.40であることが好ましい。(D4/D1)の値が1に近づくほど、そのトナーの粒度分布がシャープであることを意味する。よって、(D4/D1)が1.00〜1.40の範囲では、トナー粒径による選択現像が起きないため、画質の安定性に優れる。トナーの粒度分布がシャープであることから、摩擦帯電量分布もシャープとなり、カブリの発生が抑えられる。トナー粒径が揃っていると、潜像ドットに対して、緻密にかつ整然と並ぶように現像されるので、ドット再現性に優れる。
次に、トナー粒子の粒度分布の測定方法について説明する。
コールターカウンター法によるトナー粒子の粒度分布の測定装置としては、コールターカウンターTA−IIやコールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)があげられる。以下に測定方法について述べる。
まず、電解水溶液100〜150mL中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5mL加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの重量平均径D4、個数平均径D1を求めることができる。
チャンネルとしては、2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上乃至40.30μm未満の粒子を対象とする。
また、このような略球形の形状のトナーとしては、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤を含むトナー組成物を水系媒体中で樹脂微粒子の存在下で架橋及び/又は伸長反応させるトナーが好ましい。この反応で製造されたトナーは、トナー表面を硬化させることで、ホットオフセット少なくすることができ、定着装置の汚れとなって、それが画像上に表れるのを抑えることができる。
トナー作製に使用できる変性ポリエステル系樹脂から成るプレポリマーとしては、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)が挙げられ、また、該プレポリマーと伸長または架橋する化合物としては、アミン類(B)が挙げられる。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)としては、ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)の重縮合物でかつ活性水素基を有するポリエステルをさらにポリイソシアネート(3)と反応させた物などが挙げられる。上記ポリエステルの有する活性水素基としては、水酸基(アルコール性水酸基およびフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられ、これらのうち好ましいものはアルコール性水酸基である。
ポリオール(1)としては、ジオール(1−1)および3価以上のポリオール(1−2)が挙げられ、(1−1)単独、または(1−1)と少量の(1−2)の混合物が好ましい。ジオール(1−1)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3価以上のポリオール(1−2)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
ポリカルボン酸(2)としては、ジカルボン酸(2−1)および3価以上のポリカルボン酸(2−2)が挙げられ、(2−1)単独、および(2−1)と少量の(2−2)の混合物が好ましい。ジカルボン酸(2−1)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。3価以上のポリカルボン酸(2−2)としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。なお、ポリカルボン酸(2)としては、上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いてポリオール(1)と反応させてもよい。
ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
ポリイソシアネート(3)としては、脂肪族ポリイソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアヌレート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上の併用が挙げられる。
ポリイソシアネート(3)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/「OH」として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。「NCO」のモル比が1未満では、変性ポリエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。末端にイソシアネート基を有するプレポリマー(A)中のポリイソシアネート(3)構成成分の含有量は、通常0.5〜40質量%、好ましくは1〜30質量%、さらに好ましくは2〜20質量%である。0.5質量%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。また、40質量%を超えると低温定着性が悪化する。
イソシアネート基を有するプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有するイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
アミン類(B)としては、ジアミン(B1)、3価以上のポリアミン(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、およびB1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。ジアミン(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。3価以上のポリアミン(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1およびB1と少量のB2の混合物である。
さらに、必要により伸長停止剤を用いてウレア変性ポリエステルの分子量を調整することができる。伸長停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比「NCO」/[NHx]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。「NCO」/[NHx]が2を超えたり1/2未満では、ウレア変性ポリエステル(I)の分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。本発明においては、ウレア結合で変性されたポリエステル(I)中に、ウレア結合と共にウレタン結合を含有していてもよい。ウレア結合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、通常100/0〜10/90であり、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは、60/40〜30/70である。ウレア結合のモル比が10%未満では、耐ホットオフセット性が悪化する。
これらの反応により、本発明のトナーに用いられる変性ポリエステル、中でもウレア変性ポリエステル(I)が作製できる。これらウレア変性ポリエステル(I)は、ワンショット法、プレポリマー法により製造される。ウレア変性ポリエステル(I)の重量平均分子量は、通常1万以上、好ましくは2万〜1000万、さらに好ましくは3万〜100万である。1万未満では耐ホットオフセット性が悪化する。ウレア変性ポリエステルの数平均分子量は、後述の変性されていないポリエステル(II)を用いる場合は特に限定されるものではなく、前記重量平均分子量とするのに得やすい数平均分子量でよい。(I)単独の場合は、数平均分子量は、通常20000以下、好ましくは1000〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。20000を超えると低温定着性およびフルカラー装置に用いた場合の光沢性が悪化する。
また、本発明においては、前記ウレア結合で変性されたポリエステル(I)単独使用だけでなく、この(I)と共に、変性されていないポリエステル(II)を結着樹脂成分として含有させることもできる。(II)を併用することで、低温定着性およびフルカラー装置に用いた場合の光沢性が向上し、単独使用より好ましい。(II)としては、前記(I)のポリエステル成分と同様なポリオール(1)とポリカルボン酸(2)との重縮合物などが挙げられ、好ましいものも(I)と同様である。また、(II)は無変性のポリエステルだけでなく、ウレア結合以外の化学結合で変性されているものでもよく、例えばウレタン結合で変性されていてもよい。(I)と(II)は少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、(I)のポリエステル成分と(II)は類似の組成が好ましい。(II)を含有させる場合の(I)と(II)の質量比は、通常5/95〜80/20、好ましくは5/95〜30/70、さらに好ましくは5/95〜25/75、特に好ましくは7/93〜20/80である。(I)の質量比が5%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。
(II)のピーク分子量は、通常1000〜30000、好ましくは1500〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。1000未満では耐熱保存性が悪化し、10000を超えると低温定着性が悪化する。(II)の水酸基価は5以上であることが好ましく、さらに好ましくは10〜120、特に好ましくは20〜80である。5未満では耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。(II)の酸価は通常1〜30、好ましくは5〜20である。酸価を持たせることで負帯電性となりやすい傾向がある。
本発明において、結着樹脂のガラス転移点(Tg)は通常50〜70℃、好ましくは55〜65℃である。50℃未満ではトナーの高温保管時のブロッキングが悪化し、70℃を超えると低温定着性が不十分となる。ウレア変性ポリエステル樹脂の共存により、本発明の乾式トナーにおいては、公知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が低くても耐熱保存性が良好な傾向を示す。結着樹脂の貯蔵弾性率としては、測定周波数20Hzにおいて10000dyne/cmなる温度(Tg’)が、通常100℃以上、好ましくは110〜200℃である。100℃未満では耐ホットオフセット性が悪化する。結着樹脂の粘性としては、測定周波数20Hzにおいて1000ポイズとなる温度(Tη)が、通常180℃以下、好ましくは90〜160℃である。180℃を超えると低温定着性が悪化する。すなわち、低温定着性と耐ホットオフセット性の両立の観点から、Tg’はTηより高いことが好ましい。言い換えるとTg’とTηの差(Tg’−Tη)は0℃以上が好ましい。さらに好ましくは10℃以上であり、特に好ましくは20℃以上である。差の上限は特に限定されない。また、耐熱保存性と低温定着性の両立の観点から、TηとTgの差は0〜100℃が好ましい。さらに好ましくは10〜90℃であり、特に好ましくは20〜80℃である。
結着樹脂は以下の方法などで製造することができる。ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)を、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を溜去して、水酸基を有するポリエステルを得る。次いで40〜140℃にて、これにポリイソシアネート(3)を反応させ、イソシアネート基を有するプレポリマー(A)を得る。さらに(A)にアミン類(B)を0〜140℃にて反応させ、ウレア結合で変性されたポリエステルを得る。(3)を反応させる際および(A)と(B)を反応させる際には、必要により溶剤を用いることもできる。使用可能な溶剤としては、芳香族溶剤(トルエン、キシレンなど);ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど);エステル類(酢酸エチルなど);アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)およびエーテル類(テトラヒドロフランなど)などのイソシアネート(3)に対して不活性なものが挙げられる。ウレア結合で変性されていないポリエステル(II)を併用する場合は、水酸基を有するポリエステルと同様な方法で(II)を製造し、これを前記(I)の反応完了後の溶液に溶解し、混合する。
また、本発明に用いるトナーは概ね以下の方法で製造することができるが、勿論これらに限定されることはない。
本発明に用いる水系媒体としては、水単独でもよいが、水と混和可能な溶剤を併用することもできる。混和可能な溶剤としては、アルコール(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などが挙げられる。
トナー粒子は、水系媒体中でイソシアネート基を有するプレポリマー(A)からなる分散体を、(B)と反応させて形成しても良いし、あらかじめ製造したウレア変性ポリエステル(I)を用いても良い。水系媒体中でウレア変性ポリエステル(I)やプレポリマー(A)からなる分散体を安定して形成させる方法としては、水系媒体中にウレア変性ポリエステル(I)やプレポリマー(A)からなるトナー原料の組成物を加えて、せん断力により分散させる方法などが挙げられる。プレポリマー(A)と他のトナー組成物である(以下トナー原料と呼ぶ)着色剤、着色剤マスターバッチ、離型剤、荷電制御剤、未変性ポリエステル樹脂などは、水系媒体中で分散体を形成させる際に混合してもよいが、あらかじめトナー原料を混合した後、水系媒体中にその混合物を加えて分散させたほうがより好ましい。また、本発明においては、着色剤、離型剤、荷電制御剤などの他のトナー原料は、必ずしも、水系媒体中で粒子を形成させる時に混合しておく必要はなく、粒子を形成せしめた後、添加してもよい。たとえば、着色剤を含まない粒子を形成させた後、公知の染着の方法で着色剤を添加することもできる。
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。分散時の温度としては、通常、0〜150℃(加圧下)、好ましくは40〜98℃である。高温な方が、ウレア変性ポリエステル(I)やプレポリマー(A)からなる分散体の粘度が低く、分散が容易な点で好ましい。
ウレア変性ポリエステル(I)やプレポリマー(A)を含むトナー組成物100部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000質量部、好ましくは100〜1000質量部である。50質量部未満ではトナー組成物の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。20000質量部を超えると経済的でない。また、必要に応じて、分散剤を用いることもできる。分散剤を用いたほうが、粒度分布がシャープになるとともに分散が安定である点で好ましい。
プレポリマー(A)からウレア変性ポリエステル(I)を合成する工程は水系媒体中でトナー組成物を分散する前にアミン類(B)を加えて反応させても良いし、水系媒体中に分散した後にアミン類(B)を加えて粒子界面から反応を起こしても良い。この場合製造されるトナー表面に優先的にウレア変性ポリエステルが生成し、粒子内部で濃度勾配を設けることもできる。
トナー組成物が分散された油性相を水が含まれる液体に乳化、分散するための分散剤としてアルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどの陰イオン界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
またフルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルキル(C〜C11)オキシ]−1−アルキル(C〜C)スルホン酸ナトリウム、3−メガーフルオロアルカノイル(C〜C)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。
商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−102、(ダイキン工業社製)、メガファックF110、F120、F113、F191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。
また、カチオン界面活性剤としては、フルオロアルキル基をする脂肪族一級、二級もしくは二級アミン酸、パーフルオロアルキル(C 10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンS−121(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキン工業社製)、メガファックF150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF132(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)などが挙げられる。
また水に難溶の無機化合物分散剤としてリン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイトなども用いることができる。
また高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの窒素原子、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
なお、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、微粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
分散剤を使用した場合には、該分散剤がトナー粒子表面に残存したままとすることもできるが、伸長および/または架橋反応後、洗浄除去するほうがトナーの帯電面から好ましい。
さらに、トナー組成物の粘度を低くするために、ウレア変性ポリエステル(I)やプレポリマー(A)が可溶の溶剤を使用することもできる。溶剤を用いたほうが粒度分布がシャープになる点で好ましい。該溶剤は揮発性であることが除去が容易である点から好ましい。該溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましく、中でもトルエン、キシレン等の芳香族系溶媒がより好ましい。プレポリマー(A)100部に対する溶剤の使用量は、通常0〜300部、好ましくは0〜100部、さらに好ましくは25〜70部である。溶剤を使用した場合は、伸長および/または架橋反応後、常圧または減圧下にて加温し除去する。
伸長および/または架橋反応時間は、プレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)の組み合わせによる反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
得られた乳化分散体から有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に昇温し、液滴中の有機溶媒を完全に蒸発除去する方法を採用することができる。あるいはまた、乳化分散体を乾燥雰囲気中に噴霧して、液滴中の非水溶性有機溶媒を完全に除去してトナー微粒子を形成し、合せて水系分散剤を蒸発除去することも可能である。乳化分散体が噴霧される乾燥雰囲気としては、空気、窒素、炭酸ガス、燃焼ガス等を加熱した気体、特に使用される最高沸点溶媒の沸点以上の温度に加熱された各種気流が一般に用いられる。スプレイドライアー、ベルトドライアー、ロータリーキルンなどの短時間の処理で十分目的とする品質が得られる。
乳化分散時の粒度分布が広く、その粒度分布を保って洗浄、乾燥処理が行われた場合、所望の粒度分布に分級して粒度分布を整えることができる。
分級操作は液中でサイクロン、デカンター、遠心分離等により、微粒子部分を取り除くことができる。もちろん乾燥後に粉体として取得した後に分級操作を行っても良いが、液体中で行うことが効率の面で好ましい。得られた不要の微粒子、または粗粒子は再び混練工程に戻して粒子の形成に用いることができる。その際微粒子、または粗粒子はウェットの状態でも構わない。
用いた分散剤は得られた分散液からできるだけ取り除くことが好ましいが、先に述べた分級操作と同時に行うのが好ましい。
得られた乾燥後のトナーの粉体と離型剤微粒子、帯電制御性微粒子、流動化剤微粒子、着色剤微粒子などの異種粒子とともに混合したり、混合粉体に機械的衝撃力を与えることによって表面で固定化、融合化させ、得られる複合体粒子の表面からの異種粒子の脱離を防止することができる。
具体的手段としては、高速で回転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に混合物を投入し、加速させ、粒子同士または複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法などがある。装置としては、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して、粉砕エアー圧力を下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、自動乳鉢などがあげられる。
また、該トナーに使用される着色剤としては、従来からトナー用着色剤として使用されてきた顔料及び染料が使用でき、具体的には、カーボンブラック、ランプブラック、鉄黒、群青、ニグロシン染料、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエローG、ローダミン6Cレーキ、カルコオイルブルー、クロムイエロー、キナクリドンレッド、ベンジジンイエロー、ローズベンガル等を単独あるいは混合して用いることができる。
更に、必要により、トナー粒子自身に磁気特性を持たせるには、フェライト、マグネタイト等の酸化鉄類、鉄、コバルト、ニッケル等の金属あるいは、これらと他の金属との合金等の磁性成分を単独または混合して、トナー粒子へ含有させればよい。また、これらの成分は、着色剤成分として使用/併用することもできる。
また、本発明で用いられるトナー中の着色剤の個数平均径は0.5μm以下であることが望ましく、好ましくは0.4μm以下、より好ましくは0.3μm以下が望ましい。トナー中の着色剤の個数平均径が0.5μmより大きいときには、顔料の分散性が充分なレベルには到らず、好ましい透明性が得られないことがある。また0.1μmより小さい微小粒径の着色剤は、可視光の半波長より十分小さいため、光の反射、吸収特性に悪影響を及ぼさないと考えられる。よって、0.1μm未満の着色剤の粒子は良好な色再現性と、定着画像を有するOHPシートの透明性に貢献する。一方、0.5μmより大きな粒径の着色剤が多く存在していると、入射光の透過が阻害されたり、散乱されたりして、OHPシートの投影画像の明るさ及び彩さが低下する傾向がある。
さらに、0.5μmより大きな粒径の着色剤が多く存在していると、トナー粒子表面から着色剤が脱離し、カブリ、ドラム汚染、クリーニング不良といった種々の問題を引き起こしやすいため、好ましくない。特に、0.7μmより大きな粒径の着色剤は、全着色剤の10個数%以下であることが好ましく、5個数%以下であることが、より好ましい。
また、着色剤を結着樹脂の一部もしくは全部と共に、予め湿潤液を加えた上で混練しておくことにより、初期的に結着樹脂と着色剤が十分に付着した状態となって、その後のトナー製造工程でのトナー粒子中における着色剤分散がより効果的に行なわれ、着色剤の分散粒径が小さくなり、一層良好な透明性を得ることができる。
予めの混錬に用いる結着樹脂としては、トナー用結着樹脂として例示した樹脂類をそのまま使用することができるが、これらに限定されるものではない。
前記の結着樹脂と着色剤の混合物を予め湿潤液と共に混練する具体的な方法としては、例えば、結着樹脂、着色剤及び湿潤液を、ヘンシェルミキサー等のブレンダーにて混合した後、得られた混合物を二本ロール、三本ロール等の混練機により、結着樹脂の溶融温度よりも低い温度で混練して、サンプルを得る。
また、湿潤液としては、結着樹脂の溶解性や、着色剤との塗れ性を考慮しながら、一般的なものを使用できるが、特に、アセトン、トルエン、ブタノン等の有機溶剤や水が、着色剤の分散性の面から好ましい。中でも、水の使用は、環境への配慮及び、後のトナー製造工程における着色剤の分散安定性維持の点から、一層好ましい。
この製法によると、得られるトナーに含有される着色剤粒子の粒径が小さくなるばかりでなく、該粒子の分散状態の均一性が高くなるため、OHPによる投影像の色の再現性がより一層良くなる。
この他、本発明の構成をとる限り、トナー中に結着樹脂や着色剤とともにワックスに代表される離型剤を含有させることもできる。
離型剤としては公知のものが使用でき、例えばポリオレフィンワックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなど);長鎖炭化水素(パラフィンワックス、サゾールワックスなど);カルボニル基含有ワックスなどが挙げられる。
これらのうち好ましいものは、カルボニル基含有ワックスである。カルボニル基含有ワックスとしては、ポリアルカン酸エステル(カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレートなど);ポリアルカノールエステル(トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなど);ポリアルカン酸アミド(エチレンジアミンジベヘニルアミドなど);ポリアルキルアミド(トリメリット酸トリステアリルアミドなど);およびジアルキルケトン(ジステアリルケトンなど)などが挙げられる。
これらカルボニル基含有ワックスのうち好ましいものは、ポリアルカン酸エステルである。これら離型剤の融点は、通常40〜160℃であり、好ましくは50〜120℃、さらに好ましくは60〜90℃である。融点が40℃未満のワックスは耐熱保存性に悪影響を与え、160℃を超えるワックスは低温での定着時にコールドオフセットを起こしやすい。また、ワックスの溶融粘度は、融点より20℃高い温度での測定値として、5〜1000cpsが好ましく、さらに好ましくは10〜100cpsである。1000cpsを超えるワックスは、耐ホットオフセット性、低温定着性への向上効果に乏しい。トナー中のワックスの含有量は通常0〜40質量%であり、好ましくは3〜30質量%である。
また、トナー帯電量及びその立ち上がりを早くするために、トナー中に、必要に応じて帯電制御剤を含有してもよい。ここで、電荷制御剤として有色材料を用いると色の変化が起こるため、無色、白色に近い材料が好ましい。
帯電制御剤としては公知のものが全て使用でき、例えば、トリフェニルメタン系染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的には第4級アンモニウム塩のボントロンP−51、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、第4級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、第4級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第4級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カ一リット社製)、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、4級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
本発明において荷電制御剤の使用量は、バインダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくはバインダー樹脂100質量部に対して、0.1〜10質量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜5質量部の範囲がよい。10質量部をえる場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。これらの帯電制御剤はマスターバッチ、樹脂とともに溶融混練した後溶解分散させることもできるし、有機溶剤に直接溶解、分散する際に加えても良いし、トナー表面にトナー粒子作製後固定化させてもよい。
また、トナー製造過程で水系媒体中にトナー組成物を分散させるに際して、主に分散安定化のための樹脂微粒子を添加してもよい。
使用される樹脂微粒子は、水性分散体を形成しうる樹脂であればいかなる樹脂も使用でき、熱可塑性樹脂でも熱硬化性樹脂でもよいが、例えばビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。樹脂微粒子としては、上記の樹脂を2種以上併用しても差し支えない。このうち好ましいのは、微細球状樹脂粒子の水性分散体が得られやすい点から、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂及びそれらの併用が好ましい。
ビニル系樹脂としては、ビニル系モノマーを単独重合また共重合したポリマーで、例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸−アクリル酸エステル重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
更に、トナー粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤としては、無機微粒子を好ましく用いることができる。
この無機微粒子の一次粒子径は、5nm〜2μmであることが好ましく、特に5nm〜500nmであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5質量%であることが好ましく、特に0.01〜2.0質量%であることが好ましい.無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。
この他に高分子系微粒子たとえばソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。
このような流動化剤は表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止することができる。例えばシランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが好ましい表面処理剤として挙げられる。
また、像担持体1や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するためのクリーニング性向上剤としては、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸など脂肪酸金属塩、例えばポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子などのソープフリー乳化重合などによって製造された、ポリマー微粒子などを挙げることかできる。ポリマー微粒子は比較的粒度分布が狭く、体積平均粒径が0.01から1μmのものが好ましい。
これらのトナーを用いることにより、上述の如く、現像の安定性に優れる、高画質なトナー像を形成することができる。しかしながら、転写装置にて転写媒体もしくは中間転写媒体60に転写されず、像担持体1上に残存してしまったトナーは、その微細さや転動性の良さのために、クリーニング手段による除去が困難で通過してしまうことがある。さらに硬化性樹脂を用いた像担持体1においては、そのブレードの滑り性の悪さから、これら微細で転動性の良いトナーはブレードを通過しやすい。トナーを像担持体1から完全に除去するには、例えばクリーニングブレード21のようなトナー除去部材を像担持体1に対して強力に押しつける必要がある。この様な負荷は、像担持体1やクリーニング手段2の寿命を短くするだけでなく、余計なエネルギーを使用してしまうことになる。
像担持体1に対する負荷を軽減した場合には、像担持体1上のトナーや小径のキャリアの除去が不十分となり、これらはクリーニング手段2を通過する際に、像担持体1表面を傷つけ、画像形成装置100の性能を変動させる要因となる。
本発明の画像形成装置100は、前述の如く、ブレードのエッジの稜線部を鈍角形状にすることで像担持体1駆動回転時の挙動を安定させ、上記構成のトナーにおいても長期にわたって安定したクリーニング性能と像担持体1の磨耗耐久性を維持し、上記トナーを用いることで高画質な画像を長期に渡って安定して得ることができる。
また、本発明の画像形成装置100は、上述のような、高品質な画像を得るに適した構成のトナーとの併用ばかりでなく、粉砕法による不定形のトナーに対しても適用でき、装置寿命を大幅に延ばすことは言うまでもない。
このような、粉砕法のトナーを構成する材料としては、通常、電子写真用トナーとして使用されるものが、特に制限なく、適用可能である。
該トナーに使用される一般的な結着剤樹脂の例としては、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン/p−クロロスチレン共重合体、スチレン/プロピレン共重合体、スチレン/ビニルトルエン共重合体、スチレン/ビニルナフタレン共重合体、スチレン/アクリル酸メチル共重合体、スチレン/アクリル酸エチル共重合体、スチレン/アクリル酸ブチル共重合体、スチレン/アクリル酸オクチル共重合体、スチレン/メタクリル酸メチル共重合体、スチレン/メタクリル酸エチル共重合体、スチレン/メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン/α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン/アクリロニトリル共重合体、スチレン/ビニルメチルケトン共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/イソプレン共重合体、スチレン/マレイン酸共重合体等のスチレン系共重合体;ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸ブチル、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸ブチル等のアクリル酸エステル系単重合体やその共重合体;ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル等のポリビニル誘導体;ポリエステル系重合体、ポリウレタン系重合体、ポリアミド系重合体、ポリイミド系重合体、ポリオール系重合体、エポキシ系重合体、テルペン系重合体、脂肪族または脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂などが挙げられ、単独あるいは混合して使用できるが特にこれらに限定するものではない。中でも、スチレン−アクリル系共重合樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオール系樹脂より選ばれる少なくとも1種以上であることが、電気特性、コスト面等から、より好ましいものである。更には、良好な定着特性を有するものとして、ポリエステル系樹脂および/またはポリオール系樹脂の使用が、一層好ましい。
また、上述の事由により、帯電部材の被覆層に含まれる前記トナーの結着樹脂を構成する樹脂成分と同じものは、線状ポリエステル樹脂組成物、線状ポリオール樹脂組成物、線状スチレンアクリル樹脂組成物、またはこれらの架橋物の内、少なくとも一種を好ましく用いることができる。
粉砕法のトナーでは、これらの樹脂成分と共に、前述のような着色剤成分、ワックス成分、電荷制御成分等を、必要により前混合後、樹脂成分の溶融温度近傍以下で混練して、これを冷却後、粉砕分級工程を経て、トナーを作製すれば良く、また、必要により前述の外添成分を、適宜、添加混合すれば良い。
また、同様に、本発明のクリーニング手段2および上述の如きキャリアならびにトナーをプロセスカートリッジ8に用いることにより、使用している部品寿命を飛躍的に延ばすことができるため、容易に環境負荷の低減を行なうことができる。
次に、プロセスカートリッジ8について、説明する。
図5には、像担持体1、帯電装置3、現像装置5、およびクリーニング手段2よりなる、プロセスカートリッジ8ならびに中間転写媒体60、一次転写装置61を図示している。プロセスカートリッジ8の場合も画像形成装置100と同様に、帯電装置3による像担持体1の帯電が行なわれる際には、電圧印加機構(図示せず)から帯電部材30に、像担持体1を所望の電位に帯電させるに適した、適当な大きさの電圧またはこれに交流電圧を重畳した帯電電圧が印加される。
帯電された像担持体1は、レーザー光学系等の潜像形成装置によって照射されるレーザー光で潜像形成(露光部電位の絶対値は、非露光部電位の絶対値より低電位となる)が行なわれる。レーザー光は半導体レーザーから発せられて、高速で回転する多角柱の多面鏡(ポリゴン)等により像担持体1の表面を、像担持体1の回転軸方向に走査する。
このようにして形成された潜像が、現像装置5にある現像剤担持体である現像スリーブ5a上に供給されたトナー粒子、またはトナー粒子及びキャリア粒子の混合物からなる現像剤により現像され、トナー可視像が形成される。
潜像の現像時には、電圧印加機構(図示せず)から現像スリーブ5aに、像担持体1の露光部と非露光部の間にある、適当な大きさの電圧またはこれに交流電圧を重畳した現像バイアスが印加される。
像担持体1上に形成されたトナー像は、一次転写装置61にて中間転写媒体60上に転写される。このとき、一次転写装置61には、転写バイアスとして、トナー帯電の極性と逆極性の電位が印加されることが好ましい。その後、中間転写媒体60は、像担持体1から分離され、転写像が得られる。また、像担持体1上に残存するトナー粒子は、クリーニング部材2によって、トナー回収室へ、回収される。像担持体1には、ファーブラシ70が当接されており、さらにファーブラシ70には保護剤71が当接されている。
(実施例)
これより、実施例において本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお部は質量基準である。
(実施例1)
(像担持体1の作製)
Φ30mmのアルミニウムシリンダー上に、下記組成の下引き層用塗工液、電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗工液を順次、塗布、乾燥することにより、3.5μmの下引き層、0.2μmの電荷発生層、18μmの電荷輸送層を形成した。この電荷輸送層上に下記組成の表面層用塗工液をスプレー塗工し、メタルハライドランプ:160W/cm、照射距離:120mm、照射強度:200mW/cm、照射時間:20秒の条件で光照射を行い、更に130℃で20分乾燥を加え5μmの表面層を設け、電子写真感光体(像担持体1)を作製した。
〔下引き層用塗工液〕
・アルキッド樹脂 6部
(ベッコゾール1307−60−EL、大日本インキ化学工業製)
・メラミン樹脂 4部
(スーパーベッカミン G−821−60、大日本インキ化学工業製)
・酸化チタン 40部
・メチルエチルケトン 50部
〔電荷発生層用塗工液〕
・下記構造式(I)のビスアゾ顔料 2.5部
・ポリビニルブチラール(XYHL、UCC製) 0.5部
・シクロヘキサノン 200部
・メチルエチルケトン 80部
Figure 0004979253
〔電荷輸送層用塗工液〕
・ビスフェノールZポリカーボネート 10部
(パンライトTS−2050、帝人化成製)
・下記構造式(II)の低分子電荷輸送物質(D−1) 7部
・テトラヒドロフラン 100部
・1%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液 1部
(KF50−100CS、信越化学工業製)
Figure 0004979253
〔表面層用塗工液〕
・電荷輸送性構造を有さないラジカル重合性モノマー 10部
カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(KAYARAD DPCA−120、日本化薬製)
分子量:1947、官能基数:6官能、分子量/官能基数=325
・電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物 10部
(例示化合物No.54)
・光重合開始剤 1部
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
・テトラヒドロフラン 100部
このように作製した感光体をリコー製カラーMFP Imagio neo C455の感光体ユニットに搭載し、リコー製カラーMFP Imagio neo C455の感光体ユニットに厚み2mmの板状に成形した反発弾性30%のウレタンゴムブレードからなるクリーニング部材21と保護剤であるステアリン酸亜鉛のバーを当接したファーブラシ70とその後工程に保護剤塗布ブレード72として厚み2.8mmの板状に成形した、反発弾性40%のウレタンゴムブレードの先端をエッジ稜線部が115°となるようにカットして、自由長5mmとなるようステンレス製のクリーニング部材支持体に接着し、当接角15deg、押圧力20gf/cmでカウンタ方向に当接した。リコー製カラーMFP Imagio neo C455の改造機の黒ステーションに改造感光体ユニットを装着し、25℃55%の環境条件にてA4版、画像面積率6%原稿5万枚の連続画像出図試験を行ない、異常画像の有無とブレードの磨耗、感光体の膜厚減少を測定した。また感光体表面の微小表面粗さを測定した。
<感光体表面の十点平均面粗さRz測定方法>
原子間力顕微鏡(SII社製 SPA500)を用いて、3μm×3μmの領域の十点平均面粗さ(Rz)を測定。十点平均面粗さ(Rz)は、JISB601で定義されている十点平均粗さRzを測定面に対し適用できるように拡張したものである。画像の異常としては、クリーニング性能の良否に関係する、スジ状の画像欠陥、地肌部のカブリを評価した。
(実施例2)
塗布ブレード72のエッジの稜線部を105°とした以外は実施例1と同じ構成にて同じ評価を行った。
(比較例1)
塗布ブレード72のエッジの稜線部を90°とした以外は実施例1と同じ構成にて評価を行った。
(比較例2)
以下の表面層用塗工液をスプレー塗工した後150℃、20分で加熱乾燥させて5μmの表面層とした以外は実施例1と同じにして同様の評価を行った。
・表面層用塗工液
電荷輸送層に用いた低分子電荷輸送物質 3部
ビスフェーノルZ型ポリカーボネート 4部
アルミナ微粒子(AA03:住友化学製) 3部
テトラヒドロフラン 170部
シクロヘキサノン 50部
(比較例3)
塗布ブレード72のエッジ稜線部を115°とした以外は比較例2と同じ構成にて評価を行った。
(比較例4)
リコー製カラーMFP Imagio neo C455の感光体ユニットから、ステアリン酸亜鉛のバーを取り除いた構成にて5千枚だけ同様の評価を行った。
(比較例5)
実施例1にて使用した感光体をリコー製カラーMFP Imagio neo C455の感光体ユニットに装着し、ステアリン酸亜鉛のバーを取り除いた構成にて5千枚だけ同様の評価を行った。
全ての結果を表2及び図6に示す。
Figure 0004979253
図6は5万枚終了後の感光体の膜厚減少量(比較例4と5は5千枚終了後の感光体の膜厚減少量)と表層の厚さから、感光体の磨耗による寿命の推定値である。
比較例2、3、5の比較から、表層にフィラーを用いた感光体では保護剤塗布の有無による寿命の差は大きいものの、ブレードの稜線部の角度の影響は小さい。一方実施例1と比較例1、4の比較から、表層に硬化性樹脂を用いた感光体では、保護剤塗布の有無による寿命の差は小さいものの、ブレード稜線部の角度の影響が大きく、保護剤塗布条件で鈍角ブレードを使用することにより通常の90°のブレードを使用するのに比べて50%程度寿命が延びる可能性があることを示している。
以上の説明ならびに、実施例および比較例の対比から明らかなように、この発明によれば、次に記載する効果を奏する。
安定してクリーニング性能を維持できるとともに、像担持体1の磨耗耐久性を向上させることができ、高画質の画像を長期に渡って維持できると共に、像担持体1の交換間隔を広げることが可能となり、ランニングコストの低減、廃棄物の削減、自然環境へ与える負荷を大幅に低減することができる。
また、像担持体1表面に均一に保護剤を塗布することができ、安定してクリーニング性能を維持できるとともに、感光体の磨耗耐久性を向上させることができ、高画質の画像を長期に渡って維持できると共に、プロセスカートリッジ8の交換間隔を広げることが可能となり、ランニングコストの低減、廃棄物の削減、自然環境へ与える負荷を大幅に低減することができる。
本発明の画像形成装置の断面図である。 本発明の実施例の像担持体周りの断面図である。 本発明の別の実施例の像担持体周りの断面図である。 ブレードによる保護剤塗布のイメージ図である。 ブレードによる保護剤塗布のイメージ図である。 本発明の実施例のプロセスカートリッジの断面図である。 評価結果である。
符号の説明
1 像担持体(感光体)
2 クリーニング手段
3 帯電装置
4 潜像形成装置
5 現像装置
6 転写装置
7 保護層塗布装置
8 プロセスカートリッジ
21 クリーニング部材(ブレード)
30 帯電部材
60 中間転写媒体
61 一次転写装置
70 ファーブラシ
71 保護剤
72 塗布ブレード
100 画像形成装置
200 給紙機構

Claims (13)

  1. 少なくとも、トナー像が担持搬送される像担持体と、
    像担持体表面に近接又は接触する位置に設けられ像担持体表面を近接放電によって帯電する帯電部材と、
    該像担持体上に当接するクリーニング部材と、
    前記クリーニング部材の前工程に位置して像担持体表面に保護剤を塗布する保護剤塗布手段と、
    を備える画像形成装置において、
    前記像担持体は、表面層が連鎖重合性官能基を有する化合物を少なくとも熱、光、放射線の何れかにより重合又は架橋することにより硬化させた樹脂からなり、
    クリーニング部材の像担持体と当接する稜線を形成する部分が、95〜130°の鈍角形状であり、
    像担持体表面を原子間力顕微鏡を用いて測定した3μm四方の十点平均面粗さ(Rz)が、10nm以下である
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 少なくとも、トナー像が担持搬送される像担持体と、
    像担持体表面に近接又は接触する位置に設けられ像担持体表面を近接放電によって帯電する帯電部材と、
    該像担持体上に当接するクリーニング部材と、
    前記帯電部材の前工程でかつ前記クリーニング部材の後工程に位置して像担持体表面に保護剤を塗布する保護剤塗布手段と、
    を備える画像形成装置において、
    前記像担持体は、表面層が連鎖重合性官能基を有する化合物を少なくとも熱、光、放射線の何れかにより重合又は架橋することにより硬化させた樹脂からなり、
    前記保護剤塗布手段は、保護剤が当接されつつ像担持体と回転接触するファーブラシと、該ファーブラシの後工程で像担持体に当接される塗布ブレードからなり、
    該塗布ブレードの像担持体と当接する稜線を形成する部分が、95〜130°の鈍角形状であり、
    像担持体表面を原子間力顕微鏡を用いて測定した3μm四方の十点平均面粗さ(Rz)が、10nm以下である
    ことを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1又は2に記載の画像形成装置において、
    前記像担持体の表面層が、電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと
    1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物と
    を硬化することにより形成される
    ことを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項3に記載の画像形成装置において、
    前記表面層に用いられる電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーの官能基が、アクリロイルオキシ基及び/又はメタクリロイルオキシ基であり、
    前記表面層に用いられる1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物の官能基が、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基であり、
    前記表面層に用いられる1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物の電荷輸送構造が、トリアリールアミン構造である
    ことを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一つに記載の画像形成装置において、
    式Aで示される前記トナーの円形度SRが、0.93〜1.00である
    ことを特徴とする画像形成装置。
    「円形度SR」=「粒子投影面積と同じ面積の円の周囲長」/「粒子投影像の周囲長」・・・式A
  6. 請求項1乃至のいずれか一つに記載の画像形成装置において、
    前記トナーの重量平均径(D4)と個数平均径(D1)の比(D4/D1)が1.00〜1.40である
    ことを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項1乃至のいずれか一つに記載の画像形成装置において、
    プロセスカートリッジが、像担持体、帯電部材、クリーニング部材および保護剤塗布手段を備えた
    ことを特徴とする画像形成装置。
  8. 少なくとも、トナー像が担持搬送される像担持体と、
    像担持体表面に近接又は接触する位置に設けられ像担持体表面を近接放電によって帯電する帯電部材と、
    該像担持体上に当接するクリーニング部材と、
    前記クリーニング部材の前工程に位置して像担持体表面に保護剤を塗布する保護剤塗布手段と、
    を備えるプロセスカートリッジにおいて、
    前記像担持体は、表面層が連鎖重合性官能基を有する化合物を少なくとも熱、光、放射線の何れかにより重合又は架橋することにより硬化させた樹脂からなり、
    クリーニング部材の像担持体と当接する稜線を形成する部分が、95〜130°の鈍角形状であり、
    像担持体表面を原子間力顕微鏡を用いて測定した3μm四方の十点平均面粗さ(Rz)が、10nm以下である
    ことを特徴とするプロセスカートリッジ。
  9. 少なくとも、トナー像が担持搬送される像担持体と、
    像担持体表面に近接又は接触する位置に設けられ像担持体表面を近接放電によって帯電する帯電部材と、
    該像担持体上に当接するクリーニング部材と、
    前記帯電部材の前工程でかつ前記クリーニング部材の後工程に位置して像担持体表面に保護剤を塗布する保護剤塗布手段と、
    を備えるプロセスカートリッジにおいて、
    前記像担持体は、表面層が連鎖重合性官能基を有する化合物を少なくとも熱、光、放射線の何れかにより重合又は架橋することにより硬化させた樹脂からなり、
    前記保護剤塗布手段は、保護剤が当接されつつ像担持体と回転接触するファーブラシと、該ファーブラシの後工程で像担持体に当接される塗布ブレードからなり、
    該塗布ブレードの像担持体と当接する稜線を形成する部分が、95〜130°の鈍角形状であり、
    像担持体表面を原子間力顕微鏡を用いて測定した3μm四方の十点平均面粗さ(Rz)が、10nm以下である
    ことを特徴とするプロセスカートリッジ。
  10. 請求項8又は9に記載のプロセスカートリッジにおいて、
    前記像担持体の表面層が、電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと
    1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物と
    を硬化することにより形成される
    ことを特徴とするプロセスカートリッジ。
  11. 請求項10に記載のプロセスカートリッジにおいて、
    前記表面層に用いられる電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーの官能基が、アクリロイルオキシ基及び/又はメタクリロイルオキシ基であり、
    前記表面層に用いられる1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物の官能基が、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基であり、
    前記表面層に用いられる1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物の電荷輸送構造が、トリアリールアミン構造である
    ことを特徴とするプロセスカートリッジ。
  12. 請求項乃至11のいずれか一つに記載のプロセスカートリッジにおいて、
    式Aで示される前記トナーの円形度SRが、0.93〜1.00である
    ことを特徴とするプロセスカートリッジ。
    「円形度SR」=「粒子投影面積と同じ面積の円の周囲長」/「粒子投影像の周囲長」・・・式A
  13. 請求項8乃至11のいずれか一つに記載のプロセスカートリッジにおいて、
    前記トナーの重量平均径(D4)と個数平均径(D1)の比(D4/D1)が1.00〜1.40である
    ことを特徴とするプロセスカートリッジ。
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