JP2004109492A - 画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents

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Hiroe Okuyama
奥山 浩江
Satoshi Shigesaki
重崎 聡
Taichi Yamada
山田 太一
Naoki Ota
太田 直己
Kanji Shintaku
新宅 寛治
Takahiro Suzuki
鈴木 貴弘
Kazuhiro Koseki
小関 一浩
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Abstract

【課題】潜像担持体表面の放電生成物付着を低減し、高画質で高湿度下においても画像流れを発生することがなく、長期に渡って安定した画像形成装置、及び画像形成方法を提供する。
【解決手段】潜像担持体10と、潜像形成手段13と、現像手段14と、転写手段15と、クリーニング手段16とを具備し、前記潜像担持体の表面が、該潜像担持体の表面粗さRz及び磨耗速度Wが下式の関係を保ちながら研磨されることを特徴とする画像形成装置。
Rz(nm)<3.6×W+30
Rz:原子間力顕微鏡(AFM)による80μm長さでの10点平均粗さ
W :磨耗速度(nm/1000回転)、ただし1<W<20
又は、潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、クリーニング工程とを具備し、前記潜像担持体の表面粗さRz及び磨耗速度Wを前記式の関係を保たせながら、前記潜像担持体の表面を研磨することを特徴とする画像形成方法。
【選択図】  図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は複写機、ファクシミリ、プリンターなどの電子写真方式を用いた画像形成装置および画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真法では、像担持体表面を帯電、露光して作成した静電潜像に着色トナーを現像して可視像を作成し、トナー像を転写紙等に転写し、これを熱ロール等で定着して画像を形成している。転写工程を終えた像担持体(以下、「感光体」という場合がある。)表面には未転写のトナーおよび帯電プロセスによって生成した付着物(以下、「放電生成物」という。)などが残留するため、これらの残留物を次の画像形成プロセスに先立って除去するクリーニングプロセスが必要になる。このように感光体表面は、クリーニングブレード等の摺擦による機械的ストレスや、帯電器による化学的ストレスを受けるため、近年最も広く用いられている有機感光体においては表面層の磨耗と傷が課題となっていた。
【0003】
これに対し、アモルファスシリコン等の無機感光体や感光体表面に高強度の保護層を用いた感光体を用いることで、磨耗量を少なくすることが行われている。しかしながら磨耗を少なくすると、一度傷が形成されると低磨耗ゆえに傷が消失せず、傷部に付着したトナー成分や放電生成物を完全に除去することが困難になり、高湿度下の環境では放電生成物等による画像流れが発生するといった問題が起きている。
そこで、磨耗を精密に制御しつつ付着物を完全に除去することが検討されている(例えば、特許文献1参照)。
高硬度のアモルファスシリコン感光体を用い、感光体表面をRz50nm以下の平滑性を保ちつつ、0.1〜1nm/1000回転の磨耗量に制御する方法が記載されている。しかしながらこの方法は非接触の正極型帯電器を使った画像形成装置においては有効であるが、近年広く使われている負極帯電の有機感光体に対しては、発生する放電生成物の量が多いため、特に接触型帯電器を用いた場合は充分な効果が発揮されていない。
【0004】
また、磨耗量が0〜10nm/1000回転でかつ、磨耗後の表面粗さRz(接触式表面粗さ測定機による測定)を初期Rzの10倍以下に制御する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
画像流れ高解像度のフルカラー機では特に中間調の再現性が重要であるが、当該方法では特に画像欠陥が検出されやすく、感光体傷による表面の凹凸をさらに精密に制御する必要がある。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−133645号公報
【特許文献2】
特開2001−255682号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明は前記の問題を解決するためになされたものであり、潜像担持体(感光体)表面の放電生成物付着を低減し、高画質で高湿度下においても画像流れを発生することがなく、長期に渡って安定した画像形成装置、及び画像形成方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、感光体表面微少領域の表面粗さと磨耗速度とを特定の関係を保たせながら感光体表面をクリーニングブレードにより研磨することで、画像流れの発生を防止できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
<1> 少なくとも、潜像担持体と、潜像担持体表面に潜像を形成する潜像形成手段と、前記潜像担持体表面に形成された潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、前記潜像担持体表面に形成されたトナー像を被転写体に転写する転写手段と、転写後の潜像担持体表面の残留トナーを除去するクリーニング手段と、を具備する画像形成装置であって、
前記潜像担持体の表面が、該潜像担持体の表面粗さRz及び磨耗速度Wが下式の関係を保ちながら研磨されることを特徴とする画像形成装置である。
Rz(nm)<3.6×W+30
Rz:原子間力顕微鏡(AFM)による80μm長さでの10点平均粗さ
W :磨耗速度(nm/1000回転)、ただし1<W<20
【0008】
<2> 前記潜像担持体の表面層が、電荷輸送性を有する有機基と、該有機基中の同一若しくは異なる炭素原子に結合したケイ素原子と、該ケイ素原子に結合した酸素原子と、からなる骨格を有する架橋体を含有していることを特徴とする<1>に記載の画像形成装置である。
【0009】
<3> 前記架橋体が、下記一般式(1)で表される化合物を含む重合性単量体を用いて得られたものであることを特徴とする<2>に記載の画像形成装置である。
【0010】
【化3】
Figure 2004109492
【0011】
(一般式(1)中、Ar、Ar、Ar及びArはそれぞれ独立に置換または無置換のアリール基を表し、Arは置換または無置換の2価のアリール又はアリーレン基を表し、Dは2価の基を表し、Qは加水分解性基を表し、Rは、水素原子、アルキル基又は置換若しくは無置換のアリール基を表し、aは1〜3の整数を表し、kは0又は1を表し、m、m、m、m及びmはそれぞれ独立に0又は1を表し、m〜mのうちの少なくとも1つは1であり、kが1のときmは0である。)
【0012】
<4> 前記クリーニング手段が、ブラシローラーとその下流に弾性体クリーニングブレードを備えたものであり、前記ブラシローラーの回転速度ν(b)と、感光体の回転速度ν(p)とが下記関係を満たすことを特徴とする<1>〜<3>の何れか1つに記載の画像形成装置である。
ν(p)×−2.0≦ν(b)<ν(p)×0
又は、ν(p)×1.5≦ν(b)≦ν(p)×2.0
ただし、ν(p)≠0
【0013】
<5> 更に、前記弾性体クリーニングブレードに供給するトナーバンドを前記潜像担持体表面に形成するトナーバンド形成手段を具備し、
前記トナーバンドの形成インターバルが、A4画像1枚に1回〜A4画像10枚に1回であり、
かつ、前記トナーバンドが回転方向幅0.5mm〜20mm、画像密度30〜100%であり、
更に、前記トナーバンドが非画像形成サイクルで形成されることを特徴とする<1>〜<4>の何れか1つに記載の画像形成装置である。
【0014】
<6> 更に、前記潜像担持体表面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布手段、或いは、前記トナーに潤滑剤を被覆する潤滑剤被覆手段を具備することを特徴とする<1>〜<5>の何れか1つに記載の画像形成装置である。
【0015】
<7> 少なくとも、潜像担持体表面に潜像を形成する潜像形成工程と、前記潜像担持体表面に形成された潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像工程と、前記潜像担持体表面に形成されたトナー像を被転写体に転写する転写工程と、転写後の潜像担持体表面の残留トナーを除去するクリーニング工程と、を具備する画像形成方法であって、
前記潜像担持体の表面粗さRz及び磨耗速度Wを下式の関係を保たせながら、前記潜像担持体の表面を研磨することを特徴とする画像形成方法である。
Rz(nm)<3.6×W+30
Rz:原子間力顕微鏡(AFM)による80μm長さでの10点平均粗さ
W :磨耗速度(nm/1000回転)、ただし1<W<20
【0016】
<8> 前記潜像担持体の表面層が、電荷輸送性を有する有機基と、該有機基中の同一若しくは異なる炭素原子に結合したケイ素原子と、該ケイ素原子に結合した酸素原子と、からなる骨格を有する架橋体を含有することを特徴とする<7>に記載の画像形成方法である。
【0017】
<9> 前記架橋体が、下記一般式(1)で表される化合物を含む重合性単量体を用いて得られたものであることを特徴とする<7>又は<8>に記載の画像形成方法である。
【0018】
【化4】
Figure 2004109492
【0019】
(一般式(1)中、Ar、Ar、Ar及びArはそれぞれ独立に置換または無置換のアリール基を表し、Arは置換または無置換の2価のアリール又はアリーレン基を表し、Dは2価の基を表し、Qは加水分解性基を表し、Rは、水素原子、アルキル基又は置換若しくは無置換のアリール基を表し、aは1〜3の整数を表し、kは0又は1を表し、m、m、m、m及びmはそれぞれ独立に0又は1を表し、m〜mのうちの少なくとも1つは1であり、kが1のときmは0である。)
【0020】
<10> 前記クリーニング工程が、ブラシローラーとその下流にある弾性体クリーニングブレードにより前記潜像担持体表面のトナーを除去する工程であり、前記ブラシローラーの回転速度ν(b)と、感光体の回転速度ν(p)とが下記関係を満たすことを特徴とする<7>〜<9>の何れか1つに記載の画像形成方法である。
ν(p)×−2.0≦ν(b)<ν(p)×0
又は、ν(p)×1.5≦ν(b)≦ν(p)×2.0
ただし、ν(p)≠0
【0021】
<11> 更に、前記クリーニング工程に供給するトナーバンドを前記潜像担持体表面に形成するトナーバンド形成工程を具備し、
前記トナーバンドの形成インターバルが、A4画像1枚に1回〜A4画像10枚に1回であり、
かつ、前記トナーバンドが回転方向幅0.5mm〜20mm、画像密度30〜100%であり、
更に、前記トナーバンドが非画像形成サイクルで形成されることを特徴とする<7>〜<10>の何れか1つ項に記載の画像形成方法である。
【0022】
<12> 更に、前記潜像担持体表面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布工程、或いは、前記トナーに潤滑剤を被覆する潤滑剤被覆工程を具備することを特徴とする<7>〜<11>の何れか1つに記載の画像形成方法である。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の画像形成装置について、図面を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の画像形成装置の一例である電子写真装置を示す模式断面図である。図1に示す電子写真装置は、電子写真感光体(潜像担持体)10と、電子写真感光体10の表面を帯電する接触型帯電器11と、接触型帯電器11に電圧を印加するための電源12と、電子写真感光体10の表面に潜像を形成する露光装置(潜像形成手段)13と、トナーにより電子写真感光体10の表面に形成された潜像を現像してトナー画像を得る現像装置(現像手段)14と、形成されたトナー画像を被転写体20表面に転写する転写ロール(転写手段)15と、クリーニングブレード19、及びクリーニングブラシ21により電子写真感光体10表面の残留トナー等を除去するクリーニング器(クリーニング手段)16と、電子写真感光体10表面の残存電位を除去する除電装置17と、被転写体20表面に転写されたトナー画像を熱および/または圧力等により定着する定着器18と、を有する。
【0024】
図1における電子写真感光体10の上には、帯電ローラー等の接触帯電方式の接触型帯電器11が配置され、接触型帯電器11は、電源12から供給される電圧により作動する。帯電器11としては、本例では、接触帯電方式のものを用いているが、本発明において、接触帯電方式、非接触帯電方式の別は問われない。
【0025】
クリーニング器16は、箱体22の開口部に弾性体クリーニングブレード19とクリーニングブラシ21とが具備されて構成され、電子写真感光体10表面から除去された残留トナー等は、箱体22内に収容される構造になっている。
その他、画像入力器13、現像器14、転写器15、除電器17、定着器18の構成は、本発明において特に制限されるものではなく、電子写真分野において従来公知のあらゆる構成をそのまま適用することができる。なお、本例のように接触帯電方式の帯電器11を用いる構成の場合、除電器17は、必ずしも設けられていなくてもよい。
【0026】
本発明の画像形成装置は、電子写真感光体10の表面が、電子写真感光体10の表面粗さRz及び磨耗速度Wが下式の関係を保ちながら研磨されることを特徴とする。
Rz(nm)<3.6×W+30
Rz:原子間力顕微鏡(AFM)による80μm長さでの10点平均粗さ
W :磨耗速度(nm/1000回転)、ただし1<W<20
【0027】
電子写真感光体10の表面粗さRz及び磨耗速度Wが前記式の関係を保ちながら研磨されることにより、長期に渡って画像流れを生じさせずに画像を形成することができる。
前記磨耗速度が早いほど画質劣化の原因となる放電生成物が付着した層を素早く除去するため画像流れは改善される。このため、前記磨耗速度が1nm/1000回転未満であると、特に接触型帯電器を用いた場合には放電生成物を完全に除去することが困難となる。
一方、前記磨耗速度が20nm/1000回転を越えると、膜減りのために長寿命を達成できない。摩耗後の微少領域の表面粗さが平滑であるほど画像流れは改善されるが、摩耗速度が早いほど表面の凹凸が大きくなる。
【0028】
以下、本発明の画像形成装置に好ましく用いられる電子写真感光体10について説明する。
図2は電子写真感光体10の構成を模式的に示す断面図である。図2に示した電子写真感光体10は、導電性基体31上に、下引き層32、電荷発生層33、電荷輸送層34、保護層(表面層)35が順次積層されて感光層36を有しており、保護層35には、電荷輸送性を有する有機基と、該有機基中の同一若しくは異なる炭素原子に結合したケイ素原子と、該ケイ素原子に結合した酸素原子と、からなる骨格を有する架橋体が含まれている。
【0029】
導電性基体31は、アルミニウムを円筒状(ドラム状)に成形したものであることが好ましい。尚、かかる基体としては、アルミニウムの他、ステンレス、ニッケルなどの金属材料;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ナイロン、ポリスチレン、フェノール樹脂などの高分子材料又は硬質紙などの絶縁材料に導電物質を分散させて導電処理したもの;前記の絶縁材料に金属泊を積層したもの;前記の絶縁材料に金属の蒸着膜を形成したもの、などを用いることができる。また、基体の形状は、シート状、プレート状等であってもよい。
【0030】
図1に示した装置において露光装置13としてレーザーを使用する場合には、レーザー光を照射する際に生じる干渉縞を防止するために、導電性基体31の表面を、中心線平均粗さRaが0.04μm〜0.5μmとなるように粗面化することが好ましい。Raが0.04μm未満であると鏡面に近くなるので干渉防止効果が得られなくなる場合があり、Raが0.5μmを越えると画質が粗くなる場合がある。かかる粗面化は、研磨剤を水に懸濁させて支持体に吹き付けることによって行う湿式ホーニング、あるいは、回転する砥石に支持体を圧接し、連続的に研削加工を行うセンタレス研削により好適に行うことができる。なお、非干渉光を光源に用いる場合には、干渉縞防止の粗面化は特に必要なく、基材の表面の凹凸による欠陥の発生が防げるため、より長寿命化に適する。
【0031】
下引き層32の材料としては、ジルコニウムキレート化合物、ジルコニウムアルコキシド化合物、ジルコニウムカップリング剤などの有機ジルコニウム化合物、チタンキレート化合物、チタンアルコキシド化合物、チタネートカップリング剤などの有機チタン化合物、アルミニウムキレート化合物、アルミニウムカップリング剤などの有機アルミニウム化合物の他、アンチモンアルコキシド化合物、ゲルマニウムアルコキシド化合物、インジウムアルコキシド化合物、インジウムキレート化合物、マンガンアルコキシド化合物、マンガンキレート化合物、スズアルコキシド化合物、スズキレート化合物、アルミニウムシリコンアルコキシド化合物、アルミニウムチタンアルコキシド化合物、アルミニウムジルコニウムアルコキシド化合物等の有機金属化合物等が挙げられ、これらの中でも有機ジルコニウム化合物、有機チタニル化合物、有機アルミニウム化合物が、残留電位が低く良好な電子写真特性を示すことより好ましく使用される。
【0032】
また、下引き層32の材料は、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス2−メトキシエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−2−アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプロプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、β−3,4−エポキシシクロヘキシルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤を含有させて使用することができる。
【0033】
さらに、下引き層32の材料は、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリ−N−ビニルイミダゾール、ポリエチレノキシド、エチルセルロース、メチルセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体、ポリアミド、ポリイミド、カゼイン、ゼラチン、ポリエチレン、ポリエステル、フェノール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エポキシ樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジン、ポリウレタン、ポリグルタミン酸、ポリアクリル酸等の結着樹脂を混合させることもできる。これらの混合割合は、必要に応じて適宜設定することができる。
【0034】
下引き層32中には電子輸送性物質を混合、分散して使用することもできる。電子輸送性物質としては、特開昭47−30330号公報に記載のペリレン顔料、ビスベンズイミダゾールペリレン顔料、多環キノン顔料、インジゴ顔料、キナクリドン顔料等の有機顔料;シアノ基、ニトロ基、ニトロソ基、ハロゲン原子等の電子吸引性の置換基を有するビスアゾ顔料;又はフタロシアニン顔料等の有機顔料;酸化亜鉛、酸化チタン等の無機顔料が挙げられる。これらの顔料の中ではペリレン顔料、ビスベンズイミダゾールペリレン顔料、又は多環キノン顔料が、電子移動性が高いので好ましく使用される。
前記電子輸送性物質は多すぎると下引き層の強度が低下し、塗膜欠陥を生じる場合があるため、下引き層32中の前記電子輸送性物質の配合量は、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下である。
【0035】
電荷輸送性物質の混合/分散方法は、ボールミル、ロールミル、サンドミル、アトライター、超音波等を用いる常法が適用される。混合/分散は有機溶剤中で行われるが、有機溶剤としては、有期金属化合物や樹脂を溶解し、また、電子輸送性顔料を混合/分散したときにゲル化や凝集を起こさないものであれば如何なるものでも使用できる。例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤を単独あるいは2種以上混合して用いることができる。
【0036】
下引き層32の膜厚は、好ましくは0.1〜20μm、より好ましくは0.2〜10μmである。また、下引き層を設けるときに用いる塗布方法としては、ブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。通常、下引き層32は上述の方法により塗布したものを乾燥することにより得られる。この場合、乾燥は溶剤を蒸発させ、成膜可能な温度で行われる。
特に、酸性溶液処理、ベーマイト処理を行った基材は、基材の欠陥隠蔽力が不十分となり易いため、下引き層を形成することが好ましい。
【0037】
電荷発生層33は、電荷発生材料と結着樹脂とを含んで構成されるものである。かかる電荷発生材料としては、ビスアゾ、トリスアゾなどのアゾ顔料、ジブロモアントアントロンなどの縮環芳香族顔料、ペリレン顔料、ピロロピロール顔料、フラトシアニン顔料等の公知のもの全て使用することができるが、金属及び無金属フタロシアニン顔料が好ましく、中でも、特定の結晶を有するヒドロキシガリウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ジクロロスズフタロシアニン、チタニルフタロシアニンが特に好ましい。
【0038】
前記クロロガリウムフタロシアニンは、例えば特開平5−98181号公報に記載された方法で製造されるクロロガリウムフタロシアニン結晶を、自動乳鉢、遊星ミル、振動ミル、CFミル、ローラーミル、サンドミル、ニーダー等で機械的に乾式粉砕するか、乾式粉砕後溶剤と共にボールミル、乳鉢、サンドミル、ニーダー等を用いて湿式粉砕処理を行うことによって製造することができる。
上述の処理において使用される溶剤としては、芳香族類(トルエン、クロロベンゼン等)、アミド類(ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等)、脂肪族アルコール類(メタノール、エタノール、ブタノール等)、脂肪族多価アルコール類(エチレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール等)、芳香族アルコール類(ベンジルアルコール、フェネチルアルコール等)、エステル類(酢酸エステル、酢酸ブチル等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、ジメチルスルホキサイド、エーテル類(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等)、又はこれらの2種以上の混合物、あるいは水とこれら溶剤の混合系等が挙げられる。
使用される溶剤は、クロロガリウムフタロシアニン1質量部に対して、好ましくは1〜200質量部、より好ましくは10〜100質量部の範囲で用いる。処理温度は、0℃〜溶剤の沸点、好ましくは10〜60℃の範囲が好ましい。また、粉砕の際に食塩、ぼう硝等の磨砕助剤を用いることもできる。磨砕助剤の使用量は、顔料に対して好ましくは0.5〜20倍、より好ましくは1〜10倍である。
【0039】
前記ジクロロスズフタロシアニンは、特開平5−140472号公報、特開平5−140473号公報等に記載された方法で製造されるジクロロスズフタロシアニン結晶を、クロロガリウムフタロシアニンと同様に粉砕、溶剤処理することにより得ることができる。
【0040】
前記ヒドロキシガリウムフタロシアニンは、特開平5−263007号公報、特開平5−279591号公報等に記載された方法で製造されるクロロガリウムフタロシアニン結晶を用い、酸もしくはアルカリ性溶液中での加水分解又はアシッドペースティングを行うことにより、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を合成し、直接溶剤処理を行う方法、合成によって得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を溶剤と共にボールミル、乳鉢、サンドミル、ニーダー等を用いて湿式粉砕処理を行う方法、あるいは溶剤を用いずに乾式粉砕処理を行った後に溶剤処理する方法によって製造することができる。
【0041】
上述の処理において使用される溶剤は、芳香族類(トルエン、クロロベンゼン等)、アミド類(ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等)、脂肪族アルコール類(メタノール、エタノール、ブタノール等)、脂肪族多価アルコール類(エチレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール等)、芳香族アルコール類(ベンジルアルコール、フェネチルアルコール等)、エステル類(酢酸エステル、酢酸ブチル等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、ジメチルスルホキサイド、エーテル類(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等)又はこれらの2種以上の混合物、水とこれら有機溶剤の混合系等が挙げられる。かかる溶剤の使用量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニン1質量部に対して、好ましくは1〜200質量部、好ましくは10〜100質量部である。また、処理温度は、好ましくは0〜150℃、好ましくは室温〜100℃である。また、粉砕の際に食塩、ぼう硝等の磨砕助剤を用いることもできる。磨砕助剤の使用量は顔料に対して質量で、好ましくは0.5〜20倍、より好ましくは1〜10倍である。
【0042】
前記オキシチタニルフタロシアニンは、特開平4−189873号公報、特開平5−43813号公報等に記載された方法で製造されるオキシチタニルフタロシアニン結晶を、アシッドペースティングするか、ボールミル、乳鉢、サンドミル、ニーダー等を用いて無機塩とともにソルトミリングを行って、X線回折スペクトルにおいて27.2°にピークを有する比較的結晶性の低いオキシチタニルフタロシアニン結晶とした後、直接溶剤処理を行うか、或るいは、溶剤と共にボールミル、乳鉢、サンドミル、ニーダー等を用いて湿式粉砕処理を行うことによって製造することができる。
【0043】
前記アシッドペースティングに用いる酸としては硫酸(濃度が好ましくは70〜100%、より好ましくは95〜100%のもの)が好ましく使用され、かかる硫酸への溶解は、好ましくは−20〜100℃、より好ましくは0〜60℃の範囲で行われる。硫酸の量は、オキシチタニルフタロシアニン結晶に対して質量で、好ましくは1〜100倍、より好ましくは3〜50倍の範囲に設定されることが好ましい。かかる溶解の後、オキシチタニルフタロシアニン結晶を析出させる溶剤としては、水、あるいは、水と有機溶剤を任意の量で混合した溶剤が用いられるが、水とメタノールやエタノール等とのアルコール系混合溶剤、あるいは、水とベンゼンやトルエン等との芳香族系混合溶剤が特に好ましい。オキシチタニルフタロシアニン結晶を析出させるときの温度は特に制限されないが、発熱を防ぐために氷等で冷却することが好ましい。また、オキシチタニルフタロシアニン結晶と無機塩との比率は、質量比で1/0.1〜1/20が好ましく、1/0.5〜1/5がより好ましい。
【0044】
前記の溶剤処理において使用される溶剤は、芳香族類(トルエン、クロロベンゼン等)、脂肪族アルコール類(メタノール、エタノール、ブタノール等)、ハロゲン系炭化水素類(ジクロロメタン、クロロホルム、トリクロロエタン等)又はこれらの2種以上の混合物、あるいは水とこれら有機溶剤の混合系等が挙げられる。溶剤の使用量は、オキシチタニルフタロシアニン1質量部に対して好ましくは1〜100質量部、より好ましくは5〜50質量部である。溶剤処理温度は、好ましくは室温〜100℃、より好ましくは50〜100℃である。磨砕助剤の使用量は顔料に対して好ましくは、より好ましくは1〜10倍である。
【0045】
また、電荷発生層33に用いられる結着樹脂は、広範な絶縁性樹脂から選択することができ、また、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン、ポリシラン等の有機光導電性ポリマーから選択することもできる。好ましい結着樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂(ビスフェノールAとフタル酸の重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等の絶縁性樹脂を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらの結着樹脂は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
【0046】
電荷発生材料と結着樹脂の配合比は、質量比で10/1〜1/10の範囲内であることが好ましい。また、これらを分散させる方法としてはボールミル分散法、アトライター分散法、サンドミル分散法等の通常の方法を用いることができるが、この際、分散によって該の結晶型が変化しない条件が必要とされる。さらに、かかる分散の際、平均粒径が0.5μm以下、より好ましくは0.3μm以下、さらに好ましくは0.15μm以下の粒子を用いることが有効である。またこれらの分散に用いる溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤を単独あるいは2種以上混合して用いることができる。
【0047】
電荷発生層33の厚みは、好ましくは0.1〜5μm、より好ましくは0.2〜2.0μmが適当である。また、電荷発生層33を設ける際の塗布方法としては、ブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーテング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等が挙げられる。さらに、顔料の分散安定性や光感度を増す目的、あるいは、電気特性を安定化させる目的で後述する一般式(1)で表される化合物を用いて電荷発生材料を処理したものを用いてもよく、かかる化合物を電荷発生材料の分散溶液に加えてもよい。
【0048】
電荷輸送層34は、電荷輸送材料を含んで構成される。なお、電荷輸送材料が低分子量化合物である場合、当該電荷輸送材料は通常結着樹脂中に分散されて層中に保持されるが、高分子電荷輸送材を用いる場合には結着樹脂を用いなくともよい。
【0049】
前記電荷輸送材料としては、p−ベンゾキノン、クロラニル、ブロマニル、アントラキノン等のキノン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン等のフルオレノン化合物、キサントン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノビニル系化合物、エチレン系化合物等の電子輸送性化合物、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物などの正孔輸送性化合物が挙げられ、これらは単独または2種以上混合して用いることができ、これらの電荷輸送材料の中でも、下記一般式(2)で表わされるトリフェニルアミン系化合物、並びに下記一般式(3)で表わされるベンジジン系化合物が、高い電荷(正孔)輸送能と優れた安定性を有しているため、特に好ましく用いることができる。
【0050】
【化5】
Figure 2004109492
【0051】
一般式(2)中、R14は、水素原子又はメチル基を表し、nは1又は2を表し、Ar及びArは同一でも異なっていてもよく、それぞれ置換又は未置換のアリール基を表し、アリール基が置換基を有する場合、かかる置換基は、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜3のアルキル基で置換された置換アミノ基のうちのいずれかである。
一方、一般式(3)中、R15及びR15’は同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のアルコキシ基を表し、R16、R16’、R17及びR17’は同一でも異なってもよく、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基又は炭素数1〜2のアルキル基で置換されたアミノ基を表し、m及びnはそれぞれ0〜2の整数を表す。)
一般式(2)中のR14、Ar及びArの好ましい組み合わせを表1及び表2に、一般式(3)中のR15及、R15’、R16、R16’、R17及びR17’の好ましい組み合わせを表3に示す。
【0052】
【表1】
Figure 2004109492
【0053】
【表2】
Figure 2004109492
【0054】
【表3】
Figure 2004109492
【0055】
前記電荷輸送材料を分散させる結着樹脂としては特に制限されないが、具体的には、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコン樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂等が挙げられる。
【0056】
また、本発明においては、前述の通り、電荷輸送材料として高分子電荷輸送材を用いることもできる。かかる高分子電荷輸送材としては、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン等の電荷輸送性を有する公知のものを用いることができる。特に、特開平8−176293号公報や特開平8−208820号公報に記載のポリエステル系高分子電荷輸送材は高い電荷輸送性を有しており、特に好ましいものである。高分子電荷輸送材はそれだけでも成膜可能であるが、結着樹脂と混合して成膜してもよい。
【0057】
前記電荷輸送材料と結着樹脂との配合比(質量比)は10/1〜1/5が好ましい。また、電荷輸送層34の厚みは、好ましくは5〜50μm、より好ましくは10〜30μmである。電荷輸送層34を設ける際の塗布方法としては、ブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。さらに塗布工程において用いられる溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロルベンゼン等の芳香族炭化水素類、アセトン、2−ブタノン等のケトン類、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロンゲン化脂肪族炭化水素類、テトラヒドロフラン、エチルエーテル等の環状もしくは直鎖状のエーテル類等の通常の有機溶剤を単独あるいは2種以上混合して用いることができる。
【0058】
電荷輸送層34は、既述の電荷輸送材料と結着樹脂とのみから構成されるものであってもよいが、必要に応じて各種添加剤を含有してもよい。かかる添加剤としては、ジルコニウムキレート化合物、ジルコニウムアルコキシド化合物、ジルコニウムカップリング剤等の有機ジルコニウム化合物、チタンキレート化合物、チタンアルコキシド化合物、チタネートカップリング剤等の有機チタン化合物、アルミニウムキレート化合物、アルミニウムカップリング剤等の有機アルミニウム化合物、アンチモンアルコキシド化合物、ゲルマニウムアルコキシド化合物、インジウムアルコキシド化合物、インジウムキレート化合物、マンガンアルコキシド化合物、マンガンキレート化合物、スズアルコキシド化合物、スズキレート化合物、アルミニウムシリコンアルコキシド化合物、アルミニウムチタンアルコキシド化合物、アルミニウムジルコニウムアルコキシド化合物などの有機金属化合物が挙げられる。中でも有機ジルコニウム化合物、有機チタニル化合物、有機アルミニウム化合物は、残留電位が低く良好な電子写真特性を示すため、好ましく使用される。
【0059】
また、電荷輸送層34における添加剤として、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス−2−メトキシエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−2−アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプロプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、β−3,4−エポキシシクロヘキシルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤や、光硬化性樹脂などの硬化型マトリックスを用いてもよく、さらにこれらと硬化可能な化合物(例えば、後述する一般式(1)で示される化合物)を用いてもよい。
【0060】
さらに、画像形成プロセスにおいて発生するオゾン等の酸化性ガス、光、或いは熱による感光体の劣化を防止する目的で、感光層中に酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤等の添加剤を添加することができる。例えば、前記酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、パラフェニレンジアミン、アリールアルカン、ハイドロキノン、スピロクロマン、スピロインダノンおよびそれらの誘導体、有機硫黄化合物、有機燐化合物等が挙げられる。前記光安定剤としては、ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール、ジチオカルバメート、テトラメチルピペリジン等の誘導体が挙げられる。また、感度の向上、残留電位の低減、繰り返し使用時の疲労低減等を目的として、少なくとも1種の電子受容性物質を含有させることができ、かかる電子受容物質としては、無水コハク酸、無水マレイン酸、ジブロム無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラブロム無水フタル酸、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、o−ジニトロベンゼン、m−ジニトロベンゼン、クロラニル、ジニトロアントラキノン、トリニトロフルオレノン、ピクリン酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、フタル酸、後述する一般式(1)で表される化合物を挙げることができる。これらのうち、フルオレノン系化合物、キノン系化合物、並びに−Cl、−CN、−NO等の電子吸引性置換基を有するベンゼン誘導体が特に好ましい。
【0061】
保護層35は、前述の通り、電荷輸送性を有する有機基と、該有機基中の同一若しくは異なる炭素原子に結合したケイ素原子と、該ケイ素原子に結合した酸素原子と、からなる骨格を有する架橋体を含んで構成される。電荷輸送性を有する有機基としては、具体的には、トリアリールアミン構造、ベンジジン構造、アリールアルカン構造、アリール置換エチレン構造、スチルベン構造、アントラセン構造、ヒドラゾン構造、キノン構造、フルオレノン構造、キサントン構造、ベンゾフェノン構造、シアノビニル構造、エチレン構造等の構造を有する有機基が挙げられる。かかる有機基を有することにより、架橋体に電荷輸送性が付与される。このような架橋体としては、下記一般式(1)で表される化合物を含む重合性単量体を用いて得られる架橋体が好ましく用いられる。
【0062】
【化6】
Figure 2004109492
【0063】
一般式(1)中、Ar、Ar、Ar及びArはそれぞれ独立に置換または無置換のアリール基を表し、Arは置換または無置換の2価のアリール基又はアリーレン基を表し、Dは2価の基を表し、Qは加水分解性基を表し、Rは、水素原子、アルキル基又は置換若しくは無置換のアリール基を表し、aは1〜3の整数を表し、kは0又は1を表し、m、m、m、m及びmはそれぞれ独立に0又は1を表し、m〜mのうちの少なくとも1つは1であり、kが1のときmは0である。
一般式(1)中、Ar、Ar、ArおよびArで表される置換または無置換のアリール基としては、下記式(4)〜(10)で表される構造のうちのいずれかを有するものが好ましい。
【0064】
【化7】
Figure 2004109492
【0065】
式(4)〜(10)において、Rは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、炭素数7〜10のアルキルフェニル基、炭素数7〜10のアルコキシフェニル基または炭素数7〜10のアラルキル基を表す。RおよびRはそれぞれ水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、フェニル基、炭素数7〜10のアルコキシフェニル基、炭素数7〜10のアラルキル基またはハロゲン基を表す。Arは置換または無置換の2価の芳香族炭化水素基を表す。Zは2価の官能基を表す。sは1〜3の整数を表す。・は前記一般式(1)中の−D−SiR(3−a)で表される基が結合する場合の結合位置を表す。
さらに、前記式(10)中のArで表される置換または無置換の2価の芳香族炭化水素基としては、下記一般式(11)または(12)で表される構造を有するものが好ましく、前記式(10)中のZで表される2価の基としては、下記式(13)〜(20)で表される構造のうちのいずれかを有するものが好ましい。
【0066】
【化8】
Figure 2004109492
【0067】
一般式(11)または(12)において、RおよびRはそれぞれ水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、フェニル基、炭素数7〜10のアルコキシフェニル基、炭素数7〜10のアラルキル基またはハロゲン基を表し、tは1〜3の整数を表す。
【0068】
【化9】
Figure 2004109492
【0069】
【化10】
Figure 2004109492
【0070】
式(13)〜(20)において、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、フェニル基、炭素数7〜10のアルコキシフェニル基、炭素数7〜10のアラルキル基またはハロゲン基を表し、Z’は2価の基を表し、qおよびrはそれぞれ1〜10の整数を表し、tは1〜3の整数を表す。さらに、前記式(19)、(20)中のZ’で表される2価の基としては、下記式(21)〜(29)表される構造のうちのいずれかを有するものが好ましい。:
【0071】
【化11】
Figure 2004109492
【0072】
【化12】
Figure 2004109492
【0073】
式(21)〜(29)において、pは0〜3の整数を表す。
【0074】
また、一般式(1)中、Arは、kが0のときはAr〜Arの説明で例示されたアリール基であり、kが1のときはかかるアリール基から所定の水素原子を除いたアリーレン基である。
【0075】
更に、一般式(1)中、Dで表される2価の基としては、好ましくは、−C2n−、−C2n−2−、−C2n−4−(nは1〜15の整数であり、好ましくは2〜10の整数である)、−CH−C−又は−C−C−で表される2価の炭化水素基、オキシカルボニル基(−COO−)、チオ基(−S−)、オキシ基(−O−)、イソシアノ基(−N=CH−)、或いはこれら2種以上の組み合わせによる2価の基である。なお、これらの2価の基は側鎖にアルキル基、フェニル基、アルコキシ基、アミノ基などの置換基を有していてもよい。Dが前記の好ましい2価の基であると、多官能型光機能性フッ素含有有機シリケート骨格に適度な可とう性が付与されて層の強度が向上する場合がある。
【0076】
一般式(1)中のRは、前述の通り、水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜5のアルキル基)又は置換若しくは無置換のアリール基(好ましくは炭素数6〜15の置換若しくは無置換のアリール基)を表す。
【0077】
また、前記式(1)中、Qで表される加水分解性基とは、前記式(1)で表される化合物の硬化反応において、加水分解によりシロキサン結合(O−Si−O)を形成し得る官能基のことをいう。前記加水分解性基の好ましい例としては、具体的には、水酸基、アルコキシ基、メチルエチルケトオキシム基、ジエチルアミノ基、アセトキシ基、プロペノキシ基、クロロ基が挙げられるが、これらの中でも、−OR”(R”は炭素数1〜15のアルキル基またはトリメチルシリル基)で表される基がより好ましい。
【0078】
前記式(1)中のAr、Ar、Ar、Ar、Ar、D−SiR−aQaで表される基および整数kの好ましい組み合わせを表4〜6に示す。なお、表中、XはAr〜Arと結合したD−SiR(3−a)を表し、Meはメチル基を表し、Etはエチル基を表し、Prはプロピル基を表す。
【0079】
【表4】
Figure 2004109492
【0080】
【表5】
Figure 2004109492
【0081】
【表6】
Figure 2004109492
【0082】
保護層35に含まれる架橋体は、前記一般式(1)で表される化合物のみを用いて得られるものであってもよいが、一般式(1)で表される化合物と結合可能な基を有する他の重合性単量体を更に用いてもよい。
【0083】
ここで、一般式(1)で表される化合物と結合可能な基とは、一般式(1)で表される化合物を加水分解した際に生じるシラノール基と結合可能な基を意味し、具体的には、D−SiR(3−a)で表される基、エポキシ基、イソシアネート基、カルボキシル基、ヒドロキシ基、ハロゲンなどを意味する。これらのうち、D−SiR(3−a)で表される基、エポキシ基、イソシアネート基を有する化合物がより強い機械強度を有するため好ましく、D−SiR(3−a)で表される基を有する化合物が特に好ましい。さらに、これらの基を分子内に2つ以上有する化合物を用いると、硬化膜の架橋構造が3次元的になり、より強い機械強度を得ることができる。このような重合性単量体の好ましい例を表7に示す。
【0084】
【表7】
Figure 2004109492
【0085】
また、前記の重合性単量体に加えて、シランカップリング剤やハードコート剤を用いてもよい。シランカップリング剤としては、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン等;ハードコート剤としては、KP−85、X−40−9740、X−40−2239(以上、信越シリコーン社製)、およびAY42−440、AY42−441、AY49−208(以上、東レダウコーニング社製)などの市販のハードコート剤、などを用いることができる。また、撥水性などの付与のために、(トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル)トリエトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン、3−(ヘプタフルオロイソプロポキシ)プロピルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロアルキルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクチルトリエトシキシラン、などのフッ素含有化合物のうちの1種又は2種以上を用いることもできる。
【0086】
本発明にかかる架橋体は、前記の重合性単量体を加水分解することにより得ることができる。かかる加水分解における水の添加量は特に制限されないが、重合性単量体が有する全ての加水分解性基を加水分解するために必要な理論量の0.3〜5倍量であることが好ましく、0.5〜3倍量であることがより好ましい。水の添加量が理論量の0.3倍未満であると、未反応化合物の量が増大し、後述する電子写真感光体の製造工程において、架橋体を含む塗工液を用いて成膜する際に相分離を生じたり得られる膜の強度が不十分となる場合がある。他方、水の添加量が理論量の5倍を超えると、原料化合物が析出したり反応生成物(架橋体)の保存安定性が低下する場合がある。
【0087】
さらに、前記の重合性単量体の加水分解は、溶媒を用いずに行ってもよく、また、所定の溶媒(好ましくは沸点が100℃以下の溶媒)を用いて行ってもよい。本発明において、加水分解の際に好ましく用いられる溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサンなどのエーテル類、などが挙げられる。これらの溶媒の使用量は、式(1)で表される化合物1質量部に対して0.5〜30質量部であることが好ましく、1〜20質量部であることがより好ましい。溶媒の使用量が前記下限値未満であると式(1)で表される化合物が析出しやすくなる場合があり、他方、前記上限値を超えると薄膜のものしか得られなくなる場合がある。
【0088】
また、前記の加水分解においては、原料化合物、反応生成物、溶媒及び水のいずれにも不溶である固体触媒を用いることが好ましい。このような固体触媒としては、アンバーライト15E、アンバーライト200C、アンバーリスト15(以上、ローム・アンド・ハース社製);ダウエックスMWC−1−H、ダウエックス88、ダウエックスHCR−W2(以上、ダウ・ケミカル社製);レバチットSPC−108、レバチットSPC−118(以上、バイエル社製);ダイヤイオンRCP−150H(三菱化成社製);スミカイオンKC−470、デュオライトC26−C、デュオライトC−433、デュオライト−464(以上、住友化学工業社製);ナフィオン−H(デュポン社製)などの陽イオン交換樹脂;アンバーライトIRA−400、アンバーライトIRA−45(以上、ローム・アンド・ハース社製)などの陰イオン交換樹脂;Zr(O−PCH−CH−SO−H)2、Th(O−PCH−CH2−COOH)−などのプロトン酸基を含有する基が表面に結合されている無機固体;スルホン酸基を有するポリオルガノシロキサンなどのプロトン酸基を含有するポリオルガノシロキサン;コバルトタングステン酸、リンモリブデン酸などのヘテロポリ酸;ニオブ酸、タンタル酸、モリブデン酸などのイソポリ酸;シリカゲル、アルミナ、クロミア、ジルコニア、CaO、MgOなどの単元系金属酸化物;
【0089】
シリカ−アルミナ、シリカ−マグネシア、シリカ−ジルコニア、ゼオライト類などの複合系金属酸化物;酸性白土、活性白土、モンモリロナイト、カオリナイトなどの粘土鉱物;LiSO,MgSOなどの金属硫酸塩;リン酸ジルコニア、リン酸ランタンなどの金属リン酸塩;LiNO,Mn(NOなどの金属硝酸塩;シリカゲル上にアミノプロピルトリエトキシシランを反応させて得られた固体などのアミノ基を含有する基が表面に結合されている無機固体;アミノ変性シリコーン樹脂などのアミノ基を含有するポリオルガノシロキサン、などが挙げられる。これらの固体触媒の使用量は、加水分解性基を有する原料化合物100質量部に対して0.1〜20質量部であることが好ましい。また、これらの固体触媒を用いて加水分解を行う際の反応温度及び反応時間は原料化合物や固体触媒の種類によって適宜選択されるが、反応温度は好ましくは0〜100℃、より好ましくは10〜70℃、さらに好ましくは15〜50℃であり、反応時間は好ましくは10分〜100時間である。なお、反応時間が100時間を超えると反応生成物がゲル化しやすくなる場合がある。
【0090】
また、前記の固体触媒以外にも、塩酸、酢酸、リン酸、硫酸などのプロトン酸;アンモニア、トリエチルアミンなどの塩基;ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクトエート、オクタン酸第一錫などの有機錫化合物;テトラ−n−ブチルチタネート、テトライソプロピルチタネートなどの有機チタン化合物;アルミニウムトリブトキシド、アルミニウムトリアセチルアセトナートなどの有機アルミニウム化合物;有機カルボン酸の鉄塩、マンガン塩、コバルト塩、亜鉛塩、ジルコニウム塩などの有機カルボン酸塩、などの硬化触媒を用いて加水分解を行うことができる。これらの硬化触媒の中でも、反応生成物の保存安定性の点で金属化合物が好ましく、金属のアセチルアセトナート又はアセチルアセテートが好ましい。これらの硬化触媒の使用量は、反応生成物の保存安定性や強度の点から、加水分解性基を有する原料化合物100質量部に対して0.1〜20質量部であることが好ましく、0.3〜10質量部であることが好ましい。また、前記の硬化触媒を用いて加水分解を行う際の反応温度及び反応時間は用いる原料化合物や硬化触媒の種類に応じて適宜選択されるが、反応時間は好ましくは60℃以上、より好ましくは80〜170℃であり、反応時間は好ましくは10分〜5時間である。なお、反応温度が前記下限値未満であると得られる架橋体の機械的強度が不十分となる場合がある。
更に、必要に応じて、得られた反応生成物について、ヘキサメチルジシラザンやトリメチルクロロシランなどを用いて疎水化処理を行うこともできる。
【0091】
保護層35には、帯電器で発生するオゾン等の酸化性ガスによる劣化を防止する目的で、酸化防止剤を添加することが好ましい。感光体表面の機械的強度を高め、感光体が長寿命になると、感光体が酸化性ガスに長い時間接触することになるため、従来より強い酸化耐性が要求される。酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系あるいはヒンダードアミン系が望ましく、有機イオウ系酸化防止剤、フォスファイト系酸化防止剤、ジチオカルバミン酸塩系酸化防止剤、チオウレア系酸化防止剤、ベンズイミダゾール系酸化防止剤、などの公知の酸化防止剤を用いてもよい。酸化防止剤の添加量としては15質量%以下が望ましく、10質量%以下がさらに望ましい。
【0092】
前記ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナマイド、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルフォスフォネート−ジエチルエステル、2,4−ビス[(オクチルチオ)メチル]−O−クレゾール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、−2,5−ジ−t−アミルヒドロキノン、2−t−ブチル−6−(3−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)などが挙げられる。
【0093】
また、本発明の画像形成装置における保護層35は、「電荷輸送性を有する有機基と、該有機基中の同一若しくは異なる炭素原子に結合したケイ素原子と、該ケイ素原子に結合した酸素原子と、からなる骨格を有する架橋体から構成される」と説明したが、電荷輸送性物質を所定の結着樹脂に分散させたものから構成されていてもよい。
【0094】
上述した電子写真感光体10は電荷発生層と電荷輸送層とを別個に設けた機能分離型感光体であるが、電荷輸送性物質及びシロキサン系樹脂が表面層に含有される限りにおいて、電荷発生層と電荷輸送層とを同一の層に含む単層型感光体であっても好適に用いられる。
【0095】
また、本発明において好適に用いられる電子写真感光体10は、その表面層において電荷輸送性物質及びシロキサン系樹脂を含有すればよく、保護層35をもうけなくてもよい。
【0096】
(トナー)
本発明の画像形成装置で好ましく用いられるトナー(後述する外添剤を含む場合は、トナー粒子)の形状係数は、100〜140であることが好ましく、100〜135であることがより好ましく、100〜125であることが更に好ましい。前記トナーの形状係数が140を越えると充分な転写性を得ることができない場合がある。
尚、本発明でいう形状係数とは、下記式で表される値をいう。
SF=100πLmax/4A  (a)
(式中、SFは形状係数を表し、Lmaxはトナー粒子の絶対最大長(平均値)を表し、Aはトナー粒子の投影面積を表す。)
【0097】
前記トナーとしては特に制限されないが、少なくとも結着樹脂と着色剤とからなるトナー粒子と、外添剤とからなるものであることが好ましい。
【0098】
前記トナー粒子は、上述のちおり少なくとも結着樹脂と着色剤とからなるものであることが好ましい。更に、該トナーは必要に応じて離型剤やその他の成分が含まれる。
【0099】
前記トナー粒子の結着樹脂としては、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類等の単独重合体および共重合体;を例示することができ、特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等を挙げることができる。さらに、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス等を挙げることができる。
【0100】
前記トナー粒子の着色剤としては、マグネタイト、フェライト等の磁性粉、カーボンブラック、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・イエロー74、C.I.ピグメント・イエロー180、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等を代表的なものとして例示することができる。
【0101】
トナー粒子に含有させることができる離型剤としては、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、フィッシャートロプシュワックス、モンタンワックス、カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等を代表的なものとして例示することができる。
【0102】
また、トナー粒子には、必要に応じて帯電制御剤が添加されてもよい。帯電制御剤としては、公知のものを使用することができるが、アゾ系金属錯化合物、サリチル酸の金属錯化合物、極性基を含有するレジンタイプの帯電制御剤を用いることができる。湿式製法でトナー粒子を製造する場合、イオン強度の制御と廃水汚染の低減の点で、水に溶解しにくい素材を使用するのが好ましい。
【0103】
本発明に使用できるトナー粒子は、磁性材料を内包する磁性トナーおよび磁性材料を含有しない非磁性トナーのいずれであってもよい。
本発明に使用できるトナー粒子の体積平均粒径としては、2〜9μmの範囲内のものが好ましく、3〜7μmの範囲内のものがより好ましい。
【0104】
本発明に好ましく使用できるトナー粒子の製造方法としては、特に限定されるものではなく、公知の製造方法を適用することができる。例えば、結着樹脂と着色剤および潤滑成分、更に必要に応じて離型剤、帯電制御剤等を混練、粉砕、分級する混練粉砕法;混練粉砕法にて得られた粒子を機械的衝撃力または熱エネルギーにて形状を変化させる方法;結着樹脂の重合性単量体を乳化重合させ、形成された分散液と、着色剤、必要に応じて離型剤、帯電制御剤等の分散液とを混合し、凝集、加熱融着させ、トナー粒子を得る乳化重合凝集法;結着樹脂を得るための重合性単量体と着色剤、必要に応じて離型剤、帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて重合する懸濁重合法;結着樹脂と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて造粒する溶解懸濁法;等を挙げることができる。また上記方法で得られたトナー粒子をコアにして、さらに凝集粒子を付着、加熱融合してコアシェル構造をもたせる製造方法を行ってもよい。
【0105】
また、トナーの外添剤として平均粒径が50〜500nmの範囲である粒子をトナーに含ませることが、クリーニング性のより一層の向上を図る観点から好ましい。前記外添剤をクリーニングブレード19の先端部の微小変形部分に堆積させることにより、有効にトナーのクリーニングブレード19の先端変形部への侵入を抑制し、トナーの転がりを防止することができ(シール効果)、クリーニング性をより一層向上させることができる。
【0106】
前記平均粒径が50〜500nmの範囲である粒子を簡便にクリーニングブレード19の先端部へ供給するためには、外添剤としてトナーに添加・付着させておくことが最も有効であり、また、安定してクリーニングブレード19の先端部へ供給するには、トナー粒子の表面に保持された状態でクリーニングブレード19のエッジに運ばれるのが有効である。トナー粒子表面に保持された外添剤は、クリーニングブレード19との擦擦のストレスでトナー粒子表面から離脱し、クリーニングブレード19の先端変形部へ有効に供給される。
【0107】
前記外添剤が50nmよりも小さいと、クリーニングブレード19の先端部に該外添剤が留まり難く、有効なシール効果が得られ難くなる場合がある。
一方、前記外添剤が500nmよりも大きいと、トナー粒子表面への付着がし難くなる場合があり、その結果現像器内での攪拌力によって容易にトナー粒子表面より離脱し、有効にクリーニングブレード19への供給ができなくなり、長期にわたり安定してシール効果、及びクリーニングブレード挙動安定効果を発揮できない場合がある。
クリーニング性向上の観点から、前記外添剤の平均粒径は80〜300nmであることがより好ましい。
【0108】
また、前記外添剤の比重は1.3〜1.9の範囲内であることが好ましい。前記比重が1.9を越えると現像器内でのトナー粒子からの剥がれが加速されやすく、有効にクリーニングブレード19への供給ができなくなり、その結果、長期にわたり安定してシール効果を発揮できない場合がある。
一方、前記比重が1.3未満であると前記外添剤の凝集分散が起こり易くなる場合があり、その結果、該外添剤の穂立ちが不均一になり、凸部分に選択的にストレスが加わることから、該外添剤のトナー粒子からの剥がれが加速されやすく、有効にクリーニングブレード19への供給ができなくなり、その結果、長期にわたり安定してシール効果を発揮できない場合がある。
【0109】
更に、前記外添剤は球形であることが好ましい。該外添剤が球形であることより、トナー粒子表面に均一分散が可能となり、該外添剤の剥がれを有効に抑制することが可能となる。
尚、本発明における外添剤において球形とは、Wadellの真の球形化度で定義されるもので、球形化度Ψが0.6以上であることがより好ましく、0.8以上であることが更に好ましい。
【0110】
前記外添剤の含有量としては、トナー粒子100質量部に対して、0.5〜5質量部であることが好ましく、1〜3質量部であることがより好ましい。
前記外添剤の含有量が0.5質量部未満であると、前記トナーのクリーニング性が低下し、クリーニング不良が発生する場合がある。
一方、前記外添剤の含有量が5質量部を越えると、電子写真感光体10上へのフィルミング(感光体に外添剤が付着することが起点となり、トナーが感光体に固着する現象)の発生が起こりやすくなる場合がある。
【0111】
前記外添剤が球形であることによる効果は、該外添剤がより単分散に近いほど高く発揮されると考えられる。ここで、単分散とは凝集体を含めた平均粒径に対する標準偏差で議論することができ、本発明においては、該標準偏差がD50×0.22以下であることが好ましい。
【0112】
前記外添剤の材料としては特に限定されないが、シリカが好ましいと考えられる。この理由としてはシリカは屈折率が1.5前後であり、粒径を大きくしても光散乱による透明度の低下、特にOHP上への画像作製時のPE値(光透過性の指標)等に影響を及ぼさないことが挙げられる。
【0113】
一方、一般的なフュームドシリカは比重2.2であり、粒径的にも最大50nmが製造上から限界となる場合がある。また凝集体として粒径を上げることはできるが、均一分散が困難となる場合があり、安定してシール効果を発揮できない場合がある。
更に、他の代表的な無機微粒子として酸化チタン(比重:4.2、屈折率:2.6)、アルミナ(比重:4.0、屈折率:1.8)、酸化亜鉛(比重:5.6、屈折率:2.0)を挙げることができるが、いずれも比重が高く、クリーニングブレードのエッジ先端変形部におけるシール効果が有効に発現するように粒径を50nmよりも大きくすると、トナー粒子からの剥がれが起こりやすくなる場合があり、またその屈折率も高いため、カラー画像作製には不利となる場合がある。
【0114】
クリーニング性向上のために含有される外添剤の材料として好適なシリカ、特に比重1.3〜1.9で球形単分散のシリカは、湿式法であるゾルゲル法により得ることができる。該ゾルゲル法は湿式法で、かつ焼成することなしに製造する方法であるため、蒸気相酸化法等の他の方法に比べ、比重を低く制御することができる。また、疎水化処理工程での疎水化処理剤種、或いは処理量を制御することにより、更に比重を調整することが可能となる。シリカの粒径は、ゾルゲル法の加水分解、縮重合工程のアルコキシシラン、アンモニア、アルコール、水の質量比、反応温度、攪拌速度、供給速度により自由に制御できる。単分散で球形形状のシリカとすることもゾルゲル法にて可能となる。
【0115】
具体的なシリカの製造方法は以下の通りである。
先ず、水およびアルコールの混合溶液に、アンモニア水を触媒とし、温度をかけながらテトラメトキシシラン等のシラン化合物を滴下し攪拌を行う。次に、生成したシリカゾル懸濁液の遠心分離を行い、湿潤シリカゲルとアルコール、アンモニア水とに分離する。湿潤シリカゲルに溶剤を加え再度シリカゾルの状態にし、疎水化処理剤を加え、知りか表面の疎水化を行う。疎水化処理としては、一般的なシラン化合物を用いることができる。次にこの疎水化処理シリカゾルから溶媒を除去、乾燥、シーブすることにより、目的のシリカを得ることができる。またこのように得られた再度上述のゾルゲル法による処理を行っても構わない。
【0116】
前記シラン化合物は水溶性であるものが好ましい。このようなシラン化合物としては、下記化学構造式で表される化合物が挙げられ、クロロシラン、アルコキシシラン、シラザン、特殊シリル化剤の何れのタイプも使用することが可能である。
SiX(4−a)
(式中、aは0〜3の整数を表し、Rは水素原子、及び、アルキル、アルケニル等の有機基を
表し、Xは塩素原子、及び、メトキシ、エトキシ等の加水分解性基を表す。)
上記式で表されるシラン化合物の具体例としては、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフエニルジエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、N,O−(ビストリメチルシリル)アセトアミド、N,N−ビス(トリメチルシリル)ウレア、tert−ブチルジメチルクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられ、この中でもジメチルジメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、メチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシランが好ましい。
【0117】
また、本発明においては、トナーの流動性、帯電性を制御するため、更に外添剤として小径の無機化合物をトナーに含有させることができる。トナーの流動性、帯電性を制御するためには、トナー粒子の表面を外添剤で充分被覆することが望まれるが、上述のシリカ等の外添剤だけでは充分な被覆を得ることができない場合がある。そこで、上述のシリカ等の外添剤に、前記小径の無機化合物を併用することが好ましい。
【0118】
トナーに含有させ得る小径の無機化合物としては、公知のものを用いることができ、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、塩化セリウム、ベンガラ、酸化クロム、酸化セリウム、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸カルシウム等を挙げることができる。また目的に応じてこれら無機微粒子の表面には公知の表面処理を施してもよい。
トナーに含有させ得る以上のような小径の無機化合物の平均粒径としては、50nm未満とすることが好ましく、5〜30nmの範囲とすることがより好ましい。また、その添加量としては、トナー粒子100質量部に対して、0.3〜3.0質量部の範囲とすることが好ましい。
【0119】
前記トナーは、それのみで現像剤を構成する一成分系現像剤として使用してもよいが、キャリアと混合して現像剤を構成する二成分系現像剤として使用してもよい。
前記キャリアは、芯材として、鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属;フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物;ガラスビーズ;等が用いられるが、磁気ブラシ法を用い体積固有抵抗を調整するためには、磁性材料であることが好ましい。その芯材の平均粒子径は、通常10〜500μmの範囲であり、好ましくは30〜100μmである。
【0120】
また、これらのキャリアは、帯電性を付与するために樹脂等で被覆された樹脂被覆層を有していることが好ましく、その樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコーン樹脂またはその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、フェノール樹脂、アミノ樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、アミド樹脂、エポキシ樹脂等が例示されるが、これらに限定されるものではない。
【0121】
キャリアの芯材表面に樹脂被覆層を形成する方法としては、芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬させる浸漬法、芯材表面に被覆層形成用溶液を噴霧するスプレー法、芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中で芯材と被覆層形成用溶液とを混合した後、溶剤を除去するニーダーコーター法等を適用することができる。
【0122】
本発明において、前記トナーと上記キャリアとの混合比(質量比)としては、好ましくはトナー:キャリア=1:100〜30:100程度の範囲であり、より好ましくは3:100〜20:100程度の範囲である。
【0123】
本発明の画像形成装置は、前記クリーニング手段(クリーニング器16)が、ブラシローラー(クリーニングブラシ21)とその下流に弾性体クリーニングブレード(弾性体クリーニングブレード19)を備えたものであり、クリーニングブラシ21の回転速度ν(b)と、電子写真感光体10の回転速度ν(p)とが下記関係を満たすことが好ましい。
ν(p)×−2.0≦ν(b)<ν(p)×0
又は、ν(p)×1.5≦ν(b)≦ν(p)×2.0
ただし、ν(p)≠0
【0124】
クリーニングブラシ21の回転速度ν(b)と、電子写真感光体10の回転速度ν(p)とが前記関係を満たすと、放電生成物の除去を助けると共に、トナー成分を弾性体クリーニングブレード19に安定に供給することにより、摺動に伴う弾性体クリーニングブレード19の変形を小さくすることが出来、均一な感光体表面層の研磨が可能となる。
クリーニングブラシ21の回転速度が電子写真感光体10に対して、
ν(b)<ν(p)×−2.0、或いは
ν(b)>ν(p)×2.0
である場合、放電生成物および劣化層の除去するという効果が飽和し、高消費電力等の弊害が生じる場合がある。
一方、クリーニングブラシ21の回転速度が電子写真感光体10に対して、
ν(p)×0<ν(b)<ν(p)×1.5
である場合、充分に放電生成物および劣化層の除去するという効果が得られない場合がある。またν(b)=0では、感光体からかき取られたトナーや付着物がクリーニングトナー回収部に搬送されず感光体近傍で滞留するため、トナーおよび付着物のフィルミング等の問題が生じる場合がある。
【0125】
本発明の画像形成装置においては、クリーニングブラシ21が、単繊維太さが6〜30デニールで、単繊維本数が20〜100フィラメント、繊維密度が9.7×10〜3.9×10本/mm(15×10〜60×10本/inch、1mmあたりのブラシ毛本数)であると、長期に渡って安定した研磨が可能となり好ましい。
また、クリーニングブラシ21の素材としては、ナイロン、アクリル、ポリプロピレン等が挙げられ、この中でも、ポリプロピレンが好ましい。
【0126】
弾性体クリーニングブレード19としては、ゴム弾性のクリーニングブレードがコスト、小型化の点で最も好ましく、材質としてはウレタンゴム、シリコンゴム、ポリイミド変性シリコンゴム、フッ素ゴム等が使用される。クリーニング手段においては、その形状、電子写真感光体に対する圧接力等を適宜選択することにで、電子写真感光体における最表面層の磨耗率をコントロールすることができる。
【0127】
本発明の画像形成装置は、更に、前記クリーニング手段に供給するトナーバンドを前記潜像担持体表面に形成するトナーバンド形成手段を具備することが好ましい。
既述の外添剤は、トナー粒子に保持された状態で弾性体クリーニングブレードに供給されるが、電子写真感光体表面の画像パターンによっては、該外添剤の供給量が極端に少なくなる部分が生じる場合がある。これを防止するために、非画像形成サイクルで任意若しくは所定のタイミング(間隔)で、電子写真感光体表面に転写体へ転写されないトナー画像(トナーバンド)を形成することが好ましい。トナーバンドを電子写真感光体表面に形成することで、外添剤が弾性体クリーニングブレードに供給され、弾性体クリーニングブレード先端の挙動を安定させ、画像パターンによらず安定してクリーニング性能を維持することができる。特に既述のブラシローラーの回転速度ν(b)と、感光体の回転速度ν(p)とが前記関係を満たし、かつ前記トナーバンドを形成することで、より安定にトナーがクリーニングブレードに供給され、均一に感光体表面が研磨できる。
【0128】
尚、「非画像形成サイクル」とは転写体が供給されない状態であって、電子写真感光体に形成されたトナー画像が、そのままクリーニング手段まで搬送され得るサイクルをいう。ここで形成されるトナー画像としては、弾性体クリーニングブレードの長手方向全体に前記外添剤が供給されるパターンであればよく、ベタ画像、ハーフトーン画像、ライン画像等何れでもよいが、回転方向幅0.5mm〜20mm、画像密度30〜100%であることがより好ましい。
【0129】
前記回転方向幅が0.5mm未満であると、画像密度に左右されず安定にトナーがクリーニングブレードに供給されない場合があり、感光体表面が均一に研磨されない場合がある。
また、前記回転方向幅が20mmを越えると、トナーが弾性体クリーニングブレード19に過剰に供給されてしまう場合がある。
一方、前記画像密度が30%未満であると、画像密度に左右されず安定にトナーが弾性体クリーニングブレード19に供給されない場合があり、感光体表面が均一に研磨されない場合がある。
【0130】
前記トナーバンドを形成するタイミングは、一定の枚数、サイクル、時間等毎であればよく、任意のタイミングであって構わないが、インターバルがA4画像1枚に1回〜A4画像10枚に1回であることが好ましい。前記インターバルがA4画像10枚に1回より間隔が開くと、画像密度に左右されず安定にトナーがクリーニングブレードに供給されない場合があり、感光体表面が均一に研磨されない場合がある。
【0131】
トナーバンドの供給は、電子写真感光体10の任意の枚数における、複写機の場合はCCDセンサーなどによる積算画像読み取り情報、プリンターの場合は出力画像情報の電子写真感光体10の軸方向位置の積算画素情報(両者を併せて、単に「積算画像情報」という。)を記憶し、その情報を元にそれぞれの軸方向位置の積算画像情報に応じたトナー画像を非画像形成サイクルに作成しクリーニングブレードへ供給することにより達成する事ができる。より具体的には、前記積算画像情報に応じた潜像を電子写真感光体10表面に露光装置13によって形成し、さらに、現像装置14で現像することによりトナーバンドを形成し、これを被転写体20に転写せずそのままクリーニング器16に供給することで達成される。
【0132】
本発明の画像形成装置は、電子写真感光体10表面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布手段、或いは、前記トナーに潤滑剤を被覆する潤滑剤被覆手段を具備することが好ましい。
【0133】
先ず、電子写真感光体10表面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布装置(潤滑剤塗布手段)を設けた画像形成装置について図3を用いて説明する。図3は電子写真感光体10表面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布装置手段を設けた画像形成装置の一例である電子写真装置を示す模式断面図である。尚、図3において、図1と同じ構成要素については同一の符合を付し、説明を省略する。
【0134】
図3において、潤滑剤塗布装置(潤滑剤塗布手段)24は、クリーニングブラシ21と、クリーニングブラシ21に接した潤滑剤供給装置23とから構成される。潤滑剤供給装置23は、溶融成形法など固形化した潤滑剤をクリーニングブラシ21に供給し、該潤滑剤は電子写真感光体10表面に塗布され、電子写真感光体10表面に潤滑剤の被膜が形成される。
電子写真感光体10表面に潤滑剤の被膜が形成されることにより、弾性体クリーニングブレード19と電子写真感光体10との間の過度のストレスを低減することによって、電子写真感光体10表面が均一に研磨される。
本例では、潤滑剤供給装置23から供給された潤滑剤は、クリーニングブラシ21を介して電子写真感光体10表面に供給されるが、本発明における潤滑剤塗布手段は、潤滑剤が電子写真感光体10表面に供給されれば、いかなる構造でも構わない。
【0135】
また、本発明の画像形成装置においては、潤滑剤被覆手段によりトナーに潤滑剤を被覆する方法も好ましく用いられる。潤滑剤被覆手段を具備することにより、潤滑剤塗布装置24を具備した場合と同様の効果が挙げられる。
トナーに潤滑剤を被覆する場合はトナーに対して0.1%〜0.5%の潤滑剤を被覆することが好ましい。前記トナーに対する潤滑剤の被覆量が0.1%未満であると、電子写真感光体10表面が均一に研磨されない場合がある。
一方、前記トナーに対する潤滑剤の被覆量が0.5%を越えるとと、トナーの帯電量維持性を阻害する場合がある。
【0136】
前記潤滑剤塗布手段及び潤滑剤被覆手段における潤滑剤としては、脂肪酸、脂肪酸金属塩、脂肪族アルコール、脂肪族アミド、脂肪族ビスアミドおよび脂肪酸エステルから選ばれる一種、あるいは二種以上の混合物が用いられる。脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リシノール酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セラコレイン酸等及びこれらの混合物をあげることができる。脂肪酸金属塩としては、ステアリン酸の亜鉛、カドミウム、バリウム、鉛、鉄、ニッケル、コバルト、銅、アルミニウム、マグネシウム等の金属塩、二塩基性ステアリン酸鉛、オレイン酸の亜鉛、マグネシウム、鉄、コバルト、銅、鉛、カルシウム等の金属塩、パルミチン酸とアルミニウム、カルシウム等の金属塩、カプリル酸鉛、カプロン酸鉛、リノール酸亜鉛、リノール酸コバルト、リシノール酸カルシウム、リシノレイン酸と亜鉛、カドミウム等の金属塩及びこれらの混合物等があげられる。脂肪族アルコールとしては、一価アルコールでも多価アルコールでもよく、例えば代表的なものとして、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール等を挙げることができる。脂肪酸アミドとしては、ラウリン酸アミド、ミリスチン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、アラキン酸アミド、ベヘン酸アミド、オレイン酸アミド、リノール酸アミド、リノレン酸アミド、カドレン酸アミド、エルカ酸アミド、セラコレイン酸アミド等を挙げることができる。脂肪酸ビスアミドとしては、ビスラウリン酸アミド、ビスミリスチン酸アミド、ビスパルミチン酸アミド、ビスステアリン酸アミド等を挙げることができる。脂肪酸エステルとしては、脂肪酸と一価アルコールのエステル、脂肪酸と多価アルコールのエステル、脂肪酸と多価アルコールの部分エステル等をあげることができる。
本発明における潤滑剤としては、この中でも脂肪酸金属塩が好ましく、脂肪酸金属塩の場合は電子写真感光体10表面の摩擦係数が0.4以下になるような供給率で供給するのがより好ましい。
【0137】
本発明の画像形成方法は、前記本発明の画像形成装置を用いて好適に行われ、少なくとも、潜像担持体表面に潜像を形成する潜像形成工程と、前記潜像担持体表面に形成された潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像工程と、前記潜像担持体表面に形成されたトナー像を被転写体に転写する転写工程と、転写後の潜像担持体表面の残留トナーを除去するクリーニング工程と、を具備し、前記潜像担持体の表面粗さRz及び磨耗速度Wを下式の関係を保たせながら、前記潜像担持体の表面を研磨することを特徴とする。
Rz(nm)<3.6×W+30
Rz:原子間力顕微鏡(AFM)による80μm長さでの10点平均粗さ
W :磨耗速度(nm/1000回転)、ただし1<W<20
【0138】
前記潜像の形成は、接触型帯電器11によって、電子写真感光体(潜像担持体)10表面に、適宜選択した電圧を印加し該表面を帯電させた後、該帯電がなされた表面に形成すべき画像に対応して、露光装置13により像様に露光することにより行われる。
【0139】
前記トナー像の形成は、電子写真感光体10表面に、得られた潜像を現像器(現像手段)14を用いて現像することにより行われる。
用いるトナーは、既述の本発明の画像形成装置に用いるトナーと同義である。
【0140】
本発明の画像形成方法は、本発明の画像形成装置と同様に前記クリーニング工程が、クリーニングブラシ(ブラシローラー)21とその下流にある弾性体クリーニングブレード19により前記潜像担持体表面のトナーを除去する工程であり、クリーニングブラシ21の回転速度ν(b)と、電子写真感光体10の回転速度ν(p)とが下記関係を満たすことが好ましく、その詳細は本発明の画像形成装置と同様である。
ν(p)×−2.0≦ν(b)<ν(p)×0
又は、ν(p)×1.5≦ν(b)≦ν(p)×2.0
ただし、ν(p)≠0
【0141】
また、本発明の画像形成方法は、本発明の画像形成装置と同様に前記クリーニング工程に供給するトナーバンドを前記潜像担持体表面に形成するトナーバンド形成工程を具備し、前記トナーバンドの形成インターバルが、A4画像1枚に1回〜A4画像10枚に1回であり、かつ、前記トナーバンドが回転方向幅0.5mm〜20mm、画像密度30〜100%であり、更に、前記トナーバンドが非画像形成サイクルで形成されることが好ましく、その詳細は本発明の画像形成装置と同様である。
【0142】
更に、本発明の画像形成方法は、本発明の画像形成装置と同様に前記潜像担持体表面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布工程、或いは、前記トナーに潤滑剤を被覆する潤滑剤被覆工程を具備することが好ましく、その詳細は本発明の画像形成装置と同様である。
【0143】
【実施例】
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下の実施例において「部」は質量部を意味する。
【0144】
(電子写真感光体の作製)
[電子写真感光体Aの作製]
ホーニング処理したアルミニウム円筒基体の外周面に、ジルコニウム化合物(商品名:オルガノチックスZC540、マツモト製薬社製)20部、シラン化合物(商品名:A1100、日本ユニカー社製)2.5部及びポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBM−S、積水化学社製)とブタノール45部からなる溶液を浸漬コーティング法で塗布し、150℃において10分間加熱乾燥し膜厚1.0μmの下引層を形成した。
【0145】
次に、X線回折スペクトルにおけるブラッグ角(2θ±0.2°)が、7.4°、16.6°、25.5°、28.3°に強い回折ピークを示すクロロガリウムフタロシアニン1部を、ポリビニルブチラール(エスレックBM−S、積水化学)1部及び酢酸n−ブチル100部と混合し、ガラスビーズと共にペイントシェーカーで1時間処理して分散して塗布液を得た。得られた塗布液を前記下引き層上に浸漬コートし、100℃で10分間加熱乾燥して膜厚約0.15μmの電荷発生層を形成した。
【0146】
さらに、ベンジジン化合物(例示化合物:(V−27))2部、下記式(30)で表される基本単位を有する高分子化合物(粘度平均分子量:39,000)3部をクロロベンゼン20部に溶解させた塗布液を前記電荷発生層上に浸漬コーティング法で塗布し、110℃、40分の加熱を行なって膜厚20μmの電荷
輸送層を形成した。
【0147】
【化13】
Figure 2004109492
【0148】
前記一般式(1)で表される化合物(例示化合物:13)2部、メチルトリメトキシシラン2部、テトラメトキシシラン0.5部、コロイダルシリカ0.3部を、イソプロピルアルコール5部、テトラヒドロフラン3部、蒸留水0.3部に溶解させ、イオン交換樹脂(アンバーリスト15E)0.5部を加えて室温で攪拌することにより24時間加水分解を行なった。
【0149】
加水分解後の反応液からイオン交換樹脂を濾過分離した液体2部に対し、アルミニウムトリスアセチルアセトナート0.04部及び3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(BTH)0.1部を加え、このコーティング液を前記電荷輸送層の上にリング型浸漬塗布法により塗布し、室温で30分風乾した後、170℃で1時間加熱処理して硬化し、膜厚約3mの保護層を形成して電子写真感光体Aを得た。
【0150】
[電子写真感光体Cの作製]
[電子写真感光体Aの作製]において、保護層の形成を行わなかったこと以外は電子写真感光体Aと同様にして電子写真感光体Cを作製した。
【0151】
<実施例1>
[画像形成装置の作製]
FUJI XEROX製Docu Color1250機において、帯電器を接触式ロール帯電器に改造し、感光体として上述の電子写真感光体Aを用い、クリーニングブラシとしてポリプロピレン製、単繊維太さが17デニール、単繊維本数が40フィラメント、繊維密度が3.2×10本/mm(50×10本/inch)のブラシを用い、実施例1の画像形成装置を作製した。
【0152】
作製した実施例1の画像形成装置を用いクリーニング補助処理を行った上で、感光体の周速度を220mm/secに、クリーニングブラシの周速度を感光体と反対方向に220mm/secに調整して、フルカラーにて高温高湿(28℃、80%RH)、及び低温低湿(10℃、20%RH)で各2万枚、計4万枚の走行試験を行い、下記に記載の評価を行った。画像形成装置の構成を表8に、評価結果を表9に示す。
【0153】
[評価]
▲1▼ 感光体の磨耗速度
4万枚走行前と4万枚走行後の感光体の膜厚を渦電流式の膜厚計で計測しその差分を求めた。
▲2▼ 感光体表面の表面粗さ
4万枚走行後の感光体表面の80μm長さでの10点平均粗さ(Rz)を原子間力顕微鏡により求めた
▲3▼ 感光体表面の傷
4万枚走行後の感光体表面を下記の基準で目視評価した。
○:感光体表面に傷が発生していない。
△:感光体表面の一部に傷が発生している。
×:感光体表面に多数の傷が発生している。
▲4▼ 画像流れ
4万枚目に得られた画像を下記の基準で目視評価した。
○:画像流れが発生していない。
△:画像流れが用紙のエッジ部のみに発生している。
×:画像流れが画像領域でも発生している。
▲5▼ フィルミング
4万枚走行後の感光体表面のトナーのフィルミングを下記の基準で目視評価した。
○:感光体表面にフィルミングが発生していない。
△:感光体表面の一部にフィルミングが発生している。
×:感光体表面に多数のフィルミングが発生している。
【0154】
<実施例2>
実施例1と同様の画像形成装置において、更にトナーバンド形成手段(感光体から中間転写ベルトへの転写において、転写ロールに印加する電圧(通常は+極性)を逆極にして、クリーニングブレードへトナーを多く供給する。)を設けること以外実施例1と同様にして実施例2の画像形成装置を作製した。更に画像密度100%、回転方向幅20mmのトナーバンドを、A4画像1枚につき1回のインターバル(間隔)で形成し、クリーニングブラシの周速度を感光体と反対方向に170mm/secに変更すること以外、実施例1と同様にして走行試験を行い、同様の評価を行った。画像形成装置の構成を表8に、評価結果を表9に示す。
【0155】
<実施例3>
実施例2と同様にして実施例3の画像形成装置を作製した。更にクリーニングブラシの周速度を感光体と同方向に330mm/secに変更すること以外、実施例2と同様にして走行試験を行い、同様の評価を行った。画像形成装置の構成を表8に、評価結果を表9に示す。
【0156】
<実施例4>
実施例1と同様の画像形成装置において、感光体Aを感光体Cに変更し、潤滑剤被覆装置をクリーニングブラシと接する位置に設けること以外実施例1と同様にして実施例4の画像形成装置を作製した。更に潤滑剤としてZnStを潤滑剤被覆装置からクリーニングブラシを通して、感光体表面にクリーニングブラシ1回転当り35μg供給すること以外、実施例1と同様にして走行試験を行い、同様の評価を行った。画像形成装置の構成を表8に、評価結果を表9に示す。
【0157】
<比較例1>
実施例1と同様の画像形成装置において、感光体Aを感光体Cに変更すること以外実施例1と同様にして比較例1の画像形成装置を作製し、実施例1と同様にして走行試験を行い、同様の評価を行った。画像形成装置の構成を表8に、評価結果を表9に示す。
【0158】
<比較例2>
実施例1と同様の画像形成装置において、感光体Aを感光体Cに変更し、クリーニングブラシの繊維密度を9.7×10本/(15×10本/inch)に変更すること以外実施例1と同様にして比較例1の画像形成装置を作製し、実施例1と同様にして走行試験を行い、同様の評価を行った。画像形成装置の構成を表8に、評価結果を表9に示す。
【0159】
【表8】
Figure 2004109492
【0160】
【表9】
Figure 2004109492
【0161】
表9に記載の結果は、実施例1〜4の画像形成装置は、4万枚通紙後も、感光体表面に傷やフィルミングが発生せず、得られる画像にも画像流れが発生していないことを示している。
【0162】
【発明の効果】
本発明は、潜像担持体(感光体)表面の放電生成物付着を低減し、高画質で高湿度下においても画像流れを発生することがなく、長期に渡って安定した画像形成装置、及び画像形成方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の一例である電子写真装置を示す模式断面図である。
【図2】電子写真感光体10の構成を示す模式断面図である。
【図3】電子写真感光体10表面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布装置手段を設けた画像形成装置の一例である電子写真装置を示す模式断面図である。
【符号の説明】
10 電子写真感光体(潜像担持体)
11 帯電器
12 電源
13 露光装置(潜像形成手段)
14 現像装置(現像手段)
15 転写ロール(転写手段)
16 クリーニング器
17 除電装置
18 定着器
19 弾性体クリーニングブレード
20 被転写体
21 クリーニングブラシ(ブラシローラー)
22 箱体
23 潤滑剤供給装置
24 潤滑剤塗布装置
31 導電性基体
32 下引き層
33 電荷発生層
34 電荷輸送層
35 保護層(表面層)
36 感光層

Claims (12)

  1. 少なくとも、潜像担持体と、潜像担持体表面に潜像を形成する潜像形成手段と、前記潜像担持体表面に形成された潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、前記潜像担持体表面に形成されたトナー像を被転写体に転写する転写手段と、転写後の潜像担持体表面の残留トナーを除去するクリーニング手段と、を具備する画像形成装置であって、
    前記潜像担持体の表面が、該潜像担持体の表面粗さRz及び磨耗速度Wが下式の関係を保ちながら研磨されることを特徴とする画像形成装置。
    Rz(nm)<3.6×W+30
    Rz:原子間力顕微鏡(AFM)による80μm長さでの10点平均粗さ
    W :磨耗速度(nm/1000回転)、ただし1<W<20
  2. 前記潜像担持体の表面層が、電荷輸送性を有する有機基と、該有機基中の同一若しくは異なる炭素原子に結合したケイ素原子と、該ケイ素原子に結合した酸素原子と、からなる骨格を有する架橋体を含有していることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記架橋体が、下記一般式(1)で表される化合物を含む重合性単量体を用いて得られたものであることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
    Figure 2004109492
    (一般式(1)中、Ar、Ar、Ar及びArはそれぞれ独立に置換または無置換のアリール基を表し、Arは置換または無置換の2価のアリール又はアリーレン基を表し、Dは2価の基を表し、Qは加水分解性基を表し、Rは、水素原子、アルキル基又は置換若しくは無置換のアリール基を表し、aは1〜3の整数を表し、kは0又は1を表し、m、m、m、m及びmはそれぞれ独立に0又は1を表し、m〜mのうちの少なくとも1つは1であり、kが1のときmは0である。)
  4. 前記クリーニング手段が、ブラシローラーとその下流に弾性体クリーニングブレードを備えたものであり、前記ブラシローラーの回転速度ν(b)と、感光体の回転速度ν(p)とが下記関係を満たすことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の画像形成装置。
    ν(p)×−2.0≦ν(b)<ν(p)×0
    又は、ν(p)×1.5≦ν(b)≦ν(p)×2.0
    ただし、ν(p)≠0
  5. 更に、前記弾性体クリーニングブレードに供給するトナーバンドを前記潜像担持体表面に形成するトナーバンド形成手段を具備し、
    前記トナーバンドの形成インターバルが、A4画像1枚に1回〜A4画像10枚に1回であり、
    かつ、前記トナーバンドが回転方向幅0.5mm〜20mm、画像密度30〜100%であり、
    更に、前記トナーバンドが非画像形成サイクルで形成されることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の画像形成装置。
  6. 更に、前記潜像担持体表面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布手段、或いは、前記トナーに潤滑剤を被覆する潤滑剤被覆手段を具備することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の画像形成装置。
  7. 少なくとも、潜像担持体表面に潜像を形成する潜像形成工程と、前記潜像担持体表面に形成された潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像工程と、前記潜像担持体表面に形成されたトナー像を被転写体に転写する転写工程と、転写後の潜像担持体表面の残留トナーを除去するクリーニング工程と、を具備する画像形成方法であって、
    前記潜像担持体の表面粗さRz及び磨耗速度Wを下式の関係を保たせながら、前記潜像担持体の表面を研磨することを特徴とする画像形成方法。
    Rz(nm)<3.6×W+30
    Rz:原子間力顕微鏡(AFM)による80μm長さでの10点平均粗さ
    W :磨耗速度(nm/1000回転)、ただし1<W<20
  8. 前記潜像担持体の表面層が、電荷輸送性を有する有機基と、該有機基中の同一若しくは異なる炭素原子に結合したケイ素原子と、該ケイ素原子に結合した酸素原子と、からなる骨格を有する架橋体を含有することを特徴とする請求項7に記載の画像形成方法。
  9. 前記架橋体が、下記一般式(1)で表される化合物を含む重合性単量体を用いて得られたものであることを特徴とする請求項8に記載の画像形成方法。
    Figure 2004109492
    (一般式(1)中、Ar、Ar、Ar及びArはそれぞれ独立に置換または無置換のアリール基を表し、Arは置換または無置換の2価のアリール又はアリーレン基を表し、Dは2価の基を表し、Qは加水分解性基を表し、Rは、水素原子、アルキル基又は置換若しくは無置換のアリール基を表し、aは1〜3の整数を表し、kは0又は1を表し、m、m、m、m及びmはそれぞれ独立に0又は1を表し、m〜mのうちの少なくとも1つは1であり、kが1のときmは0である。)
  10. 前記クリーニング工程が、ブラシローラーとその下流にある弾性体クリーニングブレードにより前記潜像担持体表面のトナーを除去する工程であり、前記ブラシローラーの回転速度ν(b)と、感光体の回転速度ν(p)とが下記関係を満たすことを特徴とする請求項7〜9の何れか1項に記載の画像形成方法。
    ν(p)×−2.0≦ν(b)<ν(p)×0
    又は、ν(p)×1.5≦ν(b)≦ν(p)×2.0
    ただし、ν(p)≠0
  11. 更に、前記クリーニング工程に供給するトナーバンドを前記潜像担持体表面に形成するトナーバンド形成工程を具備し、
    前記トナーバンドの形成インターバルが、A4画像1枚に1回〜A4画像10枚に1回であり、
    かつ、前記トナーバンドが回転方向幅0.5mm〜20mm、画像密度30〜100%であり、
    更に、前記トナーバンドが非画像形成サイクルで形成されることを特徴とする請求項7〜10の何れか1項に記載の画像形成方法。
  12. 更に、前記潜像担持体表面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布工程、或いは、前記トナーに潤滑剤を被覆する潤滑剤被覆工程を具備することを特徴とする請求項7〜11の何れか1項に記載の画像形成方法。
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