JP6846006B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、画像形成装置に関するものである。
従来、潜像担持体の表面上に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布手段を備え、交流成分を含む現像電圧を用いる電子写真方式の画像形成装置が知られている。
特許文献1には、係る画像形成装置であって、現像電圧の最大値と最小値との差であるピークトゥピーク値が、1000[V]以上のものが記載されている。
現像電圧が交流成分を含む交流現像方式では、現像電圧が直流成分のみの直流現像方式よりも現像ギャップの変動に起因する濃度ムラを改善できる。しかしながら、特許文献1のような交流現像方式では、経時で潤滑剤の塗布ムラに起因するスジ画像が発生することがあることが判明した。特に、プロダクションプリンタのように長期間にわたって大量に印刷をする画像形成装置では、このスジ画像が発生しやすいことがわかった。
上述した課題を解決するために、本発明は、潜像担持体の表面上に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布手段を備え、現像に交流成分を含む現像電圧を用いる電子写真方式の画像形成装置において、前記潜像担持体に対する前記潤滑剤の塗布量が、前記潜像担持体の表面の移動方向に直交する方向の長さ1.0[cm]の範囲の表面移動距離1.0[km]あたりで、0.845[mg]以上かつ3.6[mg]以下であり、前記現像電圧の最大値と最小値との差が、200[V]以上、400[V]以下であることを特徴とするものである。
本発明によれば、交流現像方式で、直流現像方式よりも現像ギャップの変動に起因する濃度ムラを改善しつつ、スジ画像の悪化を抑制できる、という優れた効果がある。
プリンタの概略構成図。 トナー像形成部の現像装置と感光体との拡大構成図。 現像装置の剤供給室、剤回収室及び剤返送室の三室と三つのスクリュとの配置を示す説明図。 現像装置の長手方向の一端部近傍の断面説明図。 現像装置の長手方向の他端部近傍の断面説明図。 トナー像形成部のクリーニング装置と感光体との拡大構成図。 実施形態のプリンタの現像バイアスの波形の説明図。 一般的なACバイアス現像の現像バイアスの波形の一例を示す説明図。 実験1の結果を示す模式図、(a)は、ピークトゥピーク値とスジ画像のレベルとの関係を示す図、(b)は、ピークトゥピーク値と濃度ムラのレベルとの関係を示す図。 実験2の結果を示す模式図。 実験3の結果を示す模式図。
以下、本発明を、画像形成装置である電子写真方式のプリンタ(以下、単に「プリンタ」という。)に適用した一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るプリンタ100の概略構成図である。図中の符号「Y」、「C」、「M」、「K」は、それぞれ、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色用の部材であることを示すものである。
図1に示すように、プリンタ100は、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの角色のトナー像をそれぞれ生成するための四つのトナー像形成部6(Y,M,C,K)を備えている。四つのトナー像形成部6(Y,C,M,K)は、画像形成物質として、互いに異なる色のY、C、M、Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっているので、以下、使用するトナーの色を示す符号(Y,C,M,K)は適宜省略して説明する。
図1に示すように、プリンタ100は、四つのトナー像形成部6の下方に、中間転写体である中間転写ベルト8を備える。転写手段である中間転写ユニット15は、複数の張架ローラによって中間転写ベルト8を張架しながら無端移動させる。中間転写ユニット15の下方には、定着手段である定着装置20を備え、定着装置20の下方には記録媒体である転写紙Pを収容する給紙トレイ80を備える。プリンタ100内での転写紙Pの搬送経路を一点鎖線で示す。
それぞれのトナー像形成部6は、潜像担持体であるドラム状の感光体1、潤滑剤塗布手段を備えた感光体クリーニング装置2、除電装置3、帯電手段である帯電装置4、現像手段である現像装置5及び潜像形成手段である露光装置7等を備えている。帯電装置4は、駆動手段によって図1中の反時計回り方向に回転される感光体1の表面を一様帯電する。一様帯電された感光体1の表面は、画像情報に基づいて潜像形成手段である露光装置7から照射されるレーザー光によって露光走査され、各色の画像情報に対応した静電潜像が形成される。各色の感光体1の表面上の静電潜像は、各色トナーを用いる現像装置5によって各色トナー像に現像される。それぞれの感光体1の表面上のトナー像は、中間転写ベルト8上に順次中間転写される。
感光体クリーニング装置2は、中間転写工程を経た後の感光体1表面に残留したトナーを除去する。除電装置3は、クリーニング後の感光体1の残留電荷を除電する。この除電により、感光体1の表面が初期化されて次の画像形成に備えられる。
中間転写ユニット15は、中間転写ベルト8の他に、四つの一次転写バイアスローラ9(Y,C,M,K)、ベルトクリーニング装置10及び二次転写バックアップローラ12等を備えている。中間転写ベルト8は、図1中の時計回り方向(図1中の矢印「α」方向)に無端移動される。四つの一次転写バイアスローラ9(Y,C,M,K)は、このように無端移動される中間転写ベルト8を、四つ感光体1(Y,C,M,K)との間に挟み込んで、それぞれの一次転写ニップを形成している。四つの一次転写バイアスローラ9は、中間転写ベルト8の裏面(ループ内周面)にトナーとは逆極性(例えばプラス)の転写バイアスを印加する方式のものである。
中間転写ベルト8を張架する複数のローラのうち、一次転写バイアスローラ9を除くローラは、全て電気的に接地されている。中間転写ベルト8は、その無端移動に伴ってY,M,C,K用の一次転写ニップを順次通過していく過程で、感光体1(Y,C,M,K)の表面上のY、M、C及びKのトナー像が重ね合わせて一次転写される。これにより、中間転写ベルト8上に四色重ね合わせトナー像(以下、「四色トナー像」という)が形成される。
二次転写バックアップローラ12は、二次転写ローラ19との間に中間転写ベルト8を挟み込んで二次転写ニップを形成している。給紙トレイ80に収容された転写紙Pは給紙ローラ81によって一枚ずつ給紙され、レジストローラ対82によって所定のタイミングで二次転写ニップに向けて搬送される。
中間転写ベルト8上に形成された四色トナー像は、二次転写ニップで転写紙Pに転写される。二次転写ニップにおいては、転写紙Pが互いに順方向に表面移動する中間転写ベルト8と二次転写ローラ19との間に挟まれて搬送される。二次転写ニップから送り出された転写紙Pは、定着装置20のローラ間を通過する際に熱と圧力とにより、表面に転写された四色トナー像が定着される。
定着装置20を通過した転写紙Pは、排紙ローラ対91によってプリンタ100の筐体の外の排紙トレイ90上に排紙される。
二次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト8には、転写紙Pに転写されなかった転写残トナーが付着している。この転写残トナーは、ベルトクリーニング装置10によってクリーニングされる。
図2は、トナー像形成部6の現像装置5と感光体1との拡大構成図である。
ドラム状の感光体1は、その軸線方向が、図2中の紙面に直交する方向である略水平な方向(以下、「水平方向」という)と平行になる姿勢で配設されている。現像装置5は現像ケーシング60を備え、現像ケーシング60は、第一現像ローラ71及び第二現像ローラ75が配置された現像室51と、剤供給室52と、剤回収室53と、剤返送室54とを形成する。
現像室51内の第一現像ローラ71は、図2中の時計回り方向に回転可能な第一現像スリーブ72と、第一現像スリーブ72の内側に固定配置された第一マグネットローラ73とを備える。現像室51内の第一現像ローラ71の下方に配置された第二現像ローラ75は、図2中の時計回り方向に回転可能な第二現像スリーブ76と、第二現像スリーブ76の内側に固定配置された第二マグネットローラ77とを備える。
剤供給室52、剤回収室53及び剤返送室54は、各色に対応した色のトナーとキャリアとを含む現像剤を収容する現像剤収容部であり、これら三室内には、供給スクリュ67、回収スクリュ68及び返送スクリュ69がそれぞれ回転可能に配置されている。これら三つのスクリュによって現像装置5内の現像剤は三室内を循環する。
剤供給室52は、現像室51の上部に配置された第一現像ローラ71に現像剤を供給し、剤回収室53は、現像室51の下部に配置された第二現像ローラ75から現像剤を回収する。また、剤返送室54は、剤回収室53で回収した現像剤及び剤回収室53に補給されたトナーを剤供給室52の搬送方向上流側端部に搬送する。
剤供給室52から第一現像スリーブ72の表面上に供給された現像剤は、第一現像スリーブ72の回転に伴い、現像剤規制部材である現像ドクタ66と第一現像スリーブ72との対向部である層厚規制位置を通過する。層厚規制位置を通過した現像剤は、第一現像スリーブ72と感光体1との対向部である第一現像領域74で現像に用いられ、第一現像領域74を通過した現像剤は、第一現像スリーブ72と第二現像スリーブ76との対向部である剤受け渡し位置に到達する。剤受け渡し位置に到達した現像剤は、第一現像スリーブ72の表面から離間し、第二現像スリーブ76の表面に担持される。第二現像スリーブ76の表面に担持された現像剤は、第二現像スリーブ76の回転に伴い第二現像スリーブ76と感光体1との対向部である第二現像領域78で現像に用いられる。第二現像領域78を通過した現像剤は、第二現像スリーブ76の表面から離間し、剤回収室53に回収される。
図3は、現像装置5を図2中の左側から見たときの上述した三室と三つのスクリュとの配置を示す説明図である。現像室51は上述した三室に比べて感光体1の軸線方向に平行な方向(図3中の左右方向)の長さが短く、図3中の「W」で示す範囲に形成されている。
図4は、現像装置5の長手方向の一端部(図2中の奥側端部)近傍の図3中のI−I断面における断面説明図である。図5は、現像装置5の長手方向の他端部(図2中の手前側端部)近傍の図3中のJ−J断面における断面説明図である。
現像室51には、感光体1上に形成された静電潜像をトナーで現像する第一現像ローラ71と第二現像ローラ75とが、第一現像ローラ71が上部に、第二現像ローラ75が下部に回転可能に収容されている。
第一現像スリーブ72及び第二現像スリーブ76の回転中心線は、水平方向と平行な感光体1の軸線方向と平行になるように配置されている。したがって、以下の説明では、二つの現像スリーブの回転中心線の延在方向は、現像スリーブの軸線方向と呼ぶ。
剤供給室52内に配置された供給スクリュ67は、回転することにより、第一現像スリーブ72に供給する現像剤を剤供給室52内で攪拌搬送するとともに、剤供給室52内の現像剤を第一現像スリーブ72に供給する。剤回収室53内に配置された回収スクリュ68は、第二現像スリーブ76から回収した現像剤と剤回収室53内に補給されたトナーとを攪拌搬送する。剤返送室54内に配置された返送スクリュ69は、剤回収室53で回収された現像剤と補給されたトナーとを剤供給室52の搬送方向上流側端部に向けて攪拌搬送する。
図2に示すように、現像ケーシング60は、現像室51における二つの現像スリーブ(72、76)が感光体1と対向する側の壁に開口を有しており、そこから各現像スリーブの周面の一部を露出させている。また、現像室51における感光体1と対向する側とは反対側は、現像スリーブの軸線方向の全域(図3中の「W」で示す範囲)に渡って、剤供給室52及び剤回収室53と連通している。
図2、図4及び図5に示すように、剤供給室52は剤回収室53の鉛直方向の真上に配置されている。
供給スクリュ67は、樹脂等の非磁性材料からなり、その回転軸が、現像スリーブの軸線方向と平行な姿勢で延在するように配置されている。供給スクリュ67は、棒状の回転軸部材と、これの周面に螺旋状に立設されたスクリュ羽根とを有し、これらが、モータや駆動伝達系等からなる駆動手段によって、図2中の反時計回り方向に一体的に回転駆動される。
回収スクリュ68も、樹脂等の非磁性材料からなり、その回転軸が、現像スリーブの軸線方向と平行な姿勢で延在するように配置されている。よって、供給スクリュ67と回収スクリュ68とは回転軸が平行になるように配置されている。回収スクリュ68は、棒状の回転軸部材と、これの周面に螺旋状に立設されたスクリュ羽根とを有し、これらが、モータや駆動伝達系等からなる駆動手段によって、図2中の時計回り方向に一体的に回転駆動される。
図2中の左右方向で、剤供給室52や剤回収室53における現像室51に対向する側とは反対側には、剤返送室54が隣接している。
剤返送室54は、現像室51、剤供給室52、及び剤回収室53とは異なり、水平方向に延在する姿勢ではなく、水平方向に対して傾いた方向に延在する姿勢で形成されている。
返送スクリュ69は、樹脂等の非磁性材料からなり、棒状の回転軸部材の周面上にスクリュ羽根が立設さられ、その回転軸が、剤返送室54の延在方向に沿うように、現像スリーブの軸線方向に対して傾斜した姿勢で延在するように配置されている。返送スクリュ69は、モータや駆動伝達系等からなる駆動手段によって、図2中の反時計回り方向に回転駆動される。
剤返送室54は、仕切壁61によって、その大部分が剤供給室52や剤回収室53に対して仕切られ、仕切壁61に設けられた返送出口開口62aや返送入口開口62bによって、その一部分が剤供給室52や剤回収室53と連通している。
剤供給室52内においては、供給スクリュ67のスクリュ羽根内に保持された現像剤が、供給スクリュ67の回転に伴って、図2中の紙面に直交する方向の手前側から奥側へと搬送される(図3中の矢印「E」)。
この搬送の過程において、現像剤は図2中の矢印「A」で示すように、現像室51内の第一現像スリーブ72に向けて順次供給されていき、第一現像スリーブ72内の第一マグネットローラ73の磁力によって第一現像スリーブ72の表面上に汲み上げられる。
一方、第一現像スリーブ72の表面上に汲み上げられなかった現像剤は、供給スクリュ67による現像剤の搬送方向下流側(図2中の紙面に直交する方向の奥側)端部付近まで搬送される。そして、図4に矢印「C」で示すように、剤供給室52の底壁に設けられた落下開口63から剤回収室53内に落下する。
図2に示すように、第一現像スリーブ72及び第二現像スリーブ76の回転に伴って、第一現像領域74及び第二現像領域78を通過する現像剤は、感光体1上の静電潜像の現像に寄与する。この現像に寄与した現像剤は、その後、第二現像スリーブ76の回転に伴って、現像室51と剤回収室53との連通位置まで搬送される。
そして、第二マグネットローラ77の磁極配置により形成される反発磁界の影響によって、第二現像スリーブ76の表面から離脱した後、図2中の矢印「B」で示すように剤回収室53内に落下する。
剤回収室53内では、回収スクリュ68のスクリュ羽根内に保持された現像剤が、回収スクリュ68の回転に伴って、図2中の紙面に直交する方向の手前側から奥側へと搬送される(図3中の矢印「F」)。
この搬送の過程において、プリンタ100本体に設けられたトナー補給装置によって剤回収室53内にトナーが補給される。また、剤回収室53の現像剤の搬送方向下流側端部近傍では、落下開口63を通って剤供給室52から落下してくる現像剤を取り込む。
回収スクリュ68による現像剤の搬送方向下流側端部付近(図2中の奥側端部付近)まで搬送された現像剤は、図4に矢印「D」で示すように、仕切壁61に設けられた返送入口開口62bを通って剤返送室54内に進入する。剤返送室54内に進入した現像剤は、返送スクリュ69による現像剤の搬送方向上流側端部に取り込まれる。
そして、剤返送室54内で、現像剤の搬送方向上流側から下流側への斜め上向きの姿勢で配置された返送スクリュ69の回転に伴って、図3の矢印「G」で示すように昇り勾配を現像剤が搬送される。この昇り勾配を搬送された現像剤は、返送スクリュ69による現像剤の搬送方向下流側端部付近まで搬送されると、図5に矢印「H」で示すように、仕切壁61に設けられた返送出口開口62aを通って、剤供給室52内に戻される。
剤供給室52内に戻された現像剤は、供給スクリュ67による現像剤の搬送方向上流側端部に取り込まれる。
以上の基本的な構成を有するプリンタ100では、四つの感光体1(Y,M,C,K)のそれぞれが、回転によって無端移動する表面に静電潜像を担持する潜像担持体として機能している。露光装置7(Y,M,C,K)は、一様帯電後の個々の感光体1の表面上に静電潜像を形成する潜像形成手段として機能している。また、各色に対応する現像装置5(Y,M,C,K)は、それぞれの感光体1(Y,M,C,K)の表面上の静電潜像を現像する現像手段として機能している。
次に、各現像スリーブ(72、76)上の磁極と現像剤の動きとの関係について説明する。
まず、第一現像スリーブ72の内側に配置された第一マグネットローラ73の各磁極について説明する。
図2に示すように、第一マグネットローラ73は、二つのN極と三つのS極との計五つ(複数)の磁極を有している。第一マグネットローラ73における五つの磁極のうち、「N1」は、第一現像スリーブ72を介して第一現像領域74で感光体1に対向する第一現像磁極N1である。「N2」は、第一現像スリーブ72を介して現像ドクタ66の先端と対向し、現像剤を層厚規制位置で第一現像スリーブ72表面に向けて引き寄せるための規制磁極N2である。「S1」は、第一現像スリーブ72の表面移動に伴って、層厚規制位置を通過した後、第一現像領域74に進入する前の現像剤を第一現像スリーブ72表面上に拘束するための規制後搬送磁極S1である。
「S3」は、規制磁極N2に対して第一現像スリーブ72表面移動方向上流側で隣り合う規制上流磁極としての機能と、供給スクリュ67の周囲の現像剤を第一現像スリーブ72表面に汲み上げさせる機能とを有する汲み上げ磁極S3である。「S2」は、第一現像スリーブ72の表面移動に伴って、第一現像領域74を通過した後の現像剤を、後述する第二現像ローラ75の現像剤受け磁極N4に渡すための現像剤渡し磁極S2である。
次に、第二現像スリーブ76の内側に配置された第二マグネットローラ77の各磁極について説明する。
図2に示すように、第二マグネットローラ77は、二つのN極と三つのS極との計五つ(複数)の磁極を有している。第二マグネットローラ77における五つの磁極のうち、「N4」は、上述したように第一現像ローラ71の現像剤渡し磁極S2から、現像剤を受け取るための現像剤受け磁極N4である。「S4」は、第二現像スリーブ76の表面移動に伴って、第二現像領域78に進入する前の現像剤を第二現像スリーブ76表面上に拘束するための搬送磁極S4である。「N3」は、第二現像スリーブ76を介して第二現像領域78で感光体1に対向する第二現像磁極N3である。
「S5」は、回収スクリュ68との対向位置に進入する前の現像剤を第二現像スリーブ76表面上に拘束するための拘束磁極S5である。「S6」は、第二現像スリーブ76表面移動方向上流側で隣り合っている拘束磁極S5と同じS極であり、両磁極間に反発磁界を形成する反発磁極S6である。第二現像スリーブ76の表面移動に伴って、拘束磁極S5と反発磁極S6とで形成される反発磁界の影響によって、第二現像スリーブ76表面から現像剤が離脱して剤回収室53に回収される。
図2において、上述した第一マグネットローラ73及び第二マグネットローラ77の各磁極に対応する符号は、それぞれの磁極の現像スリーブ表面上における磁力が最大となる箇所の位置である磁極のピーク位置(以下、単にピーク位置という)に付されている。
供給スクリュ67が配置されている剤供給室52は、現像装置5の現像ケーシング60の一部である受け部材64により、下方に配置された剤回収室53と仕切られている。この受け部材64は樹脂等の非磁性材料からなり、供給スクリュ67の重力方向下方にて、自らの表面上に存在する現像剤を供給スクリュ67による攪拌搬送が可能になるようにその表面で受ける役割も担っている。
また、供給スクリュ67から第一現像スリーブ72への現像剤の供給が行われる供給位置は、次のような位置である。
すなわち、図2に示すように、仕切壁61から第一現像スリーブ72に向けて供給スクリュ67のスクリュ羽根の外周に沿うように形成された受け部材64の第一現像スリーブ72側の端部である受け部材現像側端部65が、受け部材64の上端部である。この受け部材現像側端部65が、第一現像スリーブ72の全表面領域のうち、汲み上げ磁極S3(汲み上げ磁力最大箇所)よりも下流側の箇所で第一現像スリーブ72に対向する。そして、剤供給室52における受け部材現像側端部65の脇の位置が供給位置である。
第一現像スリーブ72では、図2中の矢印「A」で示すように、受け部材64の受け部材現像側端部65の脇に現像剤が進入すると、現像剤の汲み上げを開始する。
プリンタ100のように、クリーニングブレードなどのクリーニング部材によって感光体1の表面から転写残トナーを除去する構成では、クリーニング部材との摺擦に伴う機械的なストレスにより、感光体1の表面が経時的に摩耗していくことがある。このような摩耗は、感光体1の寿命を低下させてしまう。
また、近年の高画質化に伴い、画像形成に用いられるトナーはより小粒径化且つ円形化される傾向にあるため、感光体1とクリーニングブレードとの間をすり抜け易くなってきている。このようなすり抜けが起こると、感光体1の帯電不良や光走査時の露光不良によって画質が低下してしまう。
プリンタ100では、後述するように、潤滑剤としてのステアリン酸亜鉛を像担持体の表面に塗布する潤滑剤塗布手段を設ける。感光体1の表面に塗布したステアリン酸亜鉛により、感光体1とクリーニング部材との摩擦力を低減することで、感光体1の摩耗を抑えることができる。また、ステアリン酸亜鉛によって感光体1と転写残トナーとの付着力を低減することで、クリーニング部材と感光体1との当接部でのトナーのすり抜けの発生を抑えることもできる。
図6は、トナー像形成部6の感光体クリーニング装置2と感光体1との拡大構成図である。
感光体クリーニング装置2は、感光体1の表面移動方向の上流側から順に、クリーニングブラシ205、クリーニングブレード202、潤滑剤塗布手段である潤滑剤塗布ブラシ211及び潤滑剤の均しブレード210を備える。
クリーニングブラシ205は、駆動手段によって図6中の時計回り方向に回転駆動するブラシローラである。クリーニングブレード202は、感光体クリーニング装置2のケーシングに片持ち支持され、自由端側を感光体1の表面に対してカウンター方向で当接させるブレード部材である。
感光体クリーニング装置2は、感光体1上の転写残トナーをクリーニングブラシ205で摺擦した後、クリーニングブレード202のブレードエッジによって転写残トナーを感光体1の表面上から掻き取る。掻き取られた転写残トナーは、クリーニングブラシ205上に落下した後、クリーニングブラシ205に担持され、クリーニングブラシ205の回転に伴って移動し、クリーニングブラシ205に接触するフリッカーバー204で掻き落とされる。掻き落とされた転写残トナーは、回収コイル203上に落下して感光体クリーニング装置2の外に排出される。排出された転写残トナーは、プリンタ100が備える廃トナーボトル内に落下する。
クリーニングブレード202に対して感光体1の表面移動方向下流側に配置された潤滑剤塗布ブラシ211は、円柱状の回転軸部材と、回転軸部材の周面に立設せしめられた複数の起毛からなり、駆動手段によって図6中の時計回り方向に回転駆動する。潤滑剤塗布ブラシ211に対しては、コイルバネ213によって潤滑剤塗布ブラシ211に向けて付勢される固形潤滑剤212が押し当てられている。
潤滑剤塗布ブラシ211に対して感光体1の表面移動方向下流側に配置された均しブレード210は、感光体クリーニング装置2のケーシングに片持ち支持され、自由端側を感光体1の表面に対してカウンター方向で当接させるブレード部材である。
潤滑剤塗布ブラシ211は、その回転駆動に伴って、固形潤滑剤212から掻き取って得た潤滑剤粉末を感光体1の表面に塗布する。感光体1の表面に塗布された潤滑剤は、均しブレード210によって均される。感光体1の表面に潤滑剤を塗布することによって、感光体1の表面摩擦抵抗を低下させて、クリーニング性の向上、転写性の向上、フィルミングの抑制などが図られる。
潤滑剤塗布部材である潤滑剤塗布ブラシ211に用いられる起毛としては、絶縁性あるいは導電性のポリエチレンテレフタレートからなるものや、アクリル繊維などを例示することができる。潤滑剤塗布部材としては、潤滑剤塗布ブラシ211に代えて、スポンジ製のローラ部を具備する塗布スポンジローラを用いてもよい。
固形潤滑剤212としては、各種の脂肪酸塩からなるものや、ステアリン酸亜鉛からなるものを例示することができる。その他、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、オレイン酸などの脂肪酸と、亜鉛、アルミニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、リチウムなどの金属から構成される脂肪酸金属塩とを主成分とするものを例示することもできる。特にステアリン酸亜鉛が好適である。
固形潤滑剤212の塗布量は、感光体1の軸方向の長さ1[cm]の範囲に対して、感光体1の表面移動距離が1[km]あたり、0.845[mg]以上が望ましい。この値を下回った場合、高温環境でクリーニングブレード202に捲れが発生したり、クリーニングブレード202から異音が発生したりした。逆に、この量が確保されていれば、過去の大量の試験において、クリーニングブレード202の捲れや異音は発生していない。この量が維持できれば、塗布量は少ないほうが固形潤滑剤212の消耗を抑えることができるので、望ましい。しかし、実際には、塗布後の、帯電、現像、転写及びクリーニングの各工程で削られたり、塗布量にムラが出たり、減少することがあるため、余裕を持って塗布する必要がある。
本発明者らの検討では、1.8[mg]あれば、十分であるとわかっている。ただ、3.6[mg]までバラ付きが生じることがある。装置によっては、14[mg]まで塗布量を設定しているものもあるが、これは帯電で取られることに対するものでスジやムラが発生する現像領域においては、3.6[mg]と大差はないと考えられる。また、この固形潤滑剤212の塗布は、感光体1上に一定程度の厚みがあれば良いと考えられ、潤滑材の種類には依存しないと考えられる。
プリンタ100が備える現像装置5は、潜像担持体である感光体1に形成された静電潜像を現像する現像剤として、トナーとキャリアとからなる二成分現像剤を用いる二成分方式の現像装置である。現像装置5では、現像ローラ(71、75)を構成する現像スリーブ(72、76)の表面の一部と感光体1の表面の一部とが対向して現像領域(74、78)を形成する。そして、現像スリーブ(72、76)内に配置された磁界発生手段であるマグネットローラ(73、77)の磁界によって現像スリーブ(72、76)上に形成した磁気ブラシを現像領域(74、78)で感光体1に接触または近接させる。これにより、感光体1の表面の静電潜像にトナーを付着させて現像する。
現像装置5では、現像電圧が印加された現像スリーブ(72、76)の表面電位と、感光体1の表面電位との電位差によって現像スリーブ(72、76)から感光体1にトナーが移動する。この種の現像装置の現像スリーブに現像電圧を印加する構成としては、直流成分のみの電圧を印加する構成(以下、「DCバイアス現像」と呼ぶ)と、交流成分を含む電圧を印加する構成(以下、「ACバイアス現像」と呼ぶ)とがある。本実施形態の現像装置5は、ACバイアス現像である。
図7は、本実施形態のプリンタ100における現像装置5の第一現像スリーブ72と第二現像スリーブ76とに印加される現像バイアスVbの波形の例を示す説明図である。
本実施形態の現像バイアスVbは、交流成分を含んだACバイアスである。
図7に示す説明図では、「GND」がアース電圧を示しており、「0[V]」である。図7中の上側ほどマイナス極性側に大きい値であり、図7中の下側ほどプラス極性側の大きい値である。
図7中の「T」は、交流成分によって周期的に電圧が変化する現像バイアスVbの1[周期]を示している。図7中の「T1」は、現像バイアスVbの1[周期]の間に現像バイアスVbの平均値(以下、「現像バイアス平均値Vbav」と言う)に対して、トナーの正規帯電極性(マイナス極性)とは逆極性(プラス極性)側成分の電圧が印加される時間を示している。図7中の「T2」は、現像バイアスVbの1[周期]の間に現像バイアス平均値Vbavに対してトナーの正規帯電極性(マイナス極性)側成分の電圧が印加される時間を示している。
本実施形態の現像バイアスVbは、周波数(1/T)が5.0〜10[kHz]の交流成分を含む電圧である。また、現像バイアスVbの現像バイアス平均値Vbavに対してトナーの正規帯電極性(マイナス極性)とは逆極性(プラス極性)側成分のデューティ比(T1/T×100、以下、「逆極性側デューティ比」という)が40〜70[%]である。さらに、現像バイアスVbの最大値と最小値との差であるピークトゥピーク値Vppが、200〜400[V]となっている。
本実施形態では、トナーの正規帯電極性がマイナス極性であり、現像スリーブ(72、76)の表面電位がアース電圧GNDに対してトナーの正規帯電極性であるマイナス極性側のみで変動する。このため、現像バイアスVbの最大値は、0[V]に最も近づく値であり、現像バイアスVbの最小値は0[V]から最も離れる値である。
一方、上記表面電位がアース電圧GNDに対してマイナス極性とは逆極性のプラス極性側にも変動する場合は、プラス極性側の最大値が現像バイアスVbの最大値となる。
本実施形態においては、図7に示すように、現像バイアスVbにおけるトナーの正規帯電極性(マイナス極性)側の最小値(「Vb」の最大値)を、次のように設定している。すなわち、感光体1の表面上の潜像における現像部の電位である露光電位VLよりもトナーの正規帯電極性(マイナス極性)側としている。
図7中の「Vbav」は、現像バイアスVbの平均値(以下、「現像バイアス平均値Vbav」と呼ぶ)であり、図7に示す例では、−350[V]である。また、帯電電位Vdは現像バイアス平均値Vbavよりも100[V]マイナス極性側の値であり、−450[V]である。また、露光電位VLは−100[V]である。
図7に示す例では、現像バイアス平均値Vbavと露光電位VLとの電位差である現像ポテンシャルVpotは、250[V]となっている。
図8は、一般的なACバイアス現像の現像バイアスVbの波形の一例を示す説明図である。
図8に示す波形では、周波数が5〜10[kHz]、逆極性側デューティ比(T1/T×100)が40〜70[%]、現像バイアスVbの最大値と最小値との差であるピークトゥピーク値Vppが800〜1500[V]となっている。
ここで、一般的に言われているACバイアス現像の効果について説明しておく。一般的に、ACバイアス現像は、現像バイアスが直流成分のみのDCバイアス現像に比べ、以下の(1)〜(3)の点で優れている。
(1)振動電界により、電位潜像に忠実にトナーを再配列させることでの粒状性の向上。
(2)DCバイアス現像に比べて強電界でキャリアからトナーを引き剥がすことで、現像に寄与できるトナー量を増加させることでの現像性の向上。
(3)現像電界の平均化による現像ギャップ偏差・変動による現像ムラの改善。
電子写真方式の画像形成装置は、近年、プロダクションプリンタ市場へ参入を果たしており、高画質化の要求はもちろんのこと、より低CPP(一枚あたりの印刷費用)の達成と、PM(メンテナンス)周期を延ばすこととが求められる。このため、感光体に関しても、より長寿命化が求められている。
この要求に答えるためには、上述した、潤滑剤(ステアリン酸亜鉛)の感光体への塗布が有利である。
ところが、ステアリン酸亜鉛の感光体への塗布ムラを、ACバイアス現像が、DCバイアス現像よりも、感度よく顕在化させて、画像ムラを引き起こしてしまうという問題が生じることが本発明者らの実験により判明した。潤滑剤の塗布量は、上述した実施形態と同様に、所定の塗布範囲(感光体の軸方向の長さ1[cm]の範囲に対して、感光体の表面移動距離が1[km])あたり、0.845[mg]以上の固形潤滑剤が消費される塗布量である。
〔実験1〕
実験1として、AC現像バイアスのピークトゥピーク値Vppを変動させたときの潤滑剤(ステアリン酸亜鉛)の感光体への塗布ムラに起因するスジ画像と、現像ギャップの偏差・変動に起因する濃度ムラとを評価する実験を行なった。
図9は、実験1の結果を示す模式図である。
実験1の条件を以下に示す。
・実験に用いた画像形成装置:RICOH Pro C9110
・ピークトゥピーク値Vppの変動幅:0[V](DC)から100[V]ずつ上昇
・潤滑剤の塗布量:3.6[mg]
・現像バイアス平均値Vbav:−350[V]
・帯電電位Vd:−450[V]
・露光電位VL=−100[V]
・現像バイアスVbの周波数(1/T)の範囲:5.0〜10[kHz]
・逆極性側デューティ比(T1/T×100)の範囲:40〜70[%]
上記条件における潤滑剤の塗布量は、感光体の軸方向の長さ1[cm]の範囲に対して、感光体の表面移動距離が1[km]あたりの塗布量である。
上記条件における、現像バイアスVbの周波数(1/T)の範囲及び逆極性側デューティ比(T1/T×100)の範囲を上記範囲に設定したのは以下の理由による。
すなわち、現像バイアスVbの周波数(1/T)が5[kHz]未満の条件では、交番電界に対して、トナーの追従性が良すぎて粒状性が悪くなり、10[kHz]を越える条件では、逆にトナーの追従性が悪すぎて粒状性が悪くなる。このように、設定した範囲外では、いずれの条件でも粒状性の観点から不適当であったため、現像バイアスVbの周波数(1/T)の範囲を上記範囲に設定した。
また、逆極性側デューティ比(T1/T×100)は、高いほど色むら、粒状性、地汚れが悪く、低いほどキャリア付着が増加する。これらの不具合が許容できる範囲が40〜70[%]であったため上記範囲に設定した。
図9(a)は、横軸をAC現像バイアスのピークトゥピーク値Vppとし、縦軸を潤滑剤(ステアリン酸亜鉛)の感光体への塗布ムラによるスジ画像のレベルとして、その関係を示した図である。
図9(a)において、縦軸の塗布ムラによるスジ画像のレベルは、主観評価によるものである。「○」がスジのないレベル、「△」が良く見ればスジが視認できるレベル、「×」がスジを視認でき問題となるレベルである。
図9(a)に示すように、潤滑剤(ステアリン酸亜鉛)の感光体への塗布ムラによるスジ画像は、AC現像バイアスのピークトゥピーク値Vppを大きくしていく程、悪化する傾向がある。
ここで、縦軸の潤滑剤(ステアリン酸亜鉛)の感光体への塗布ムラによるスジ画像のレベルは、経時の感光体表面の状態および、潤滑剤の均しブレード(図6中の「210」)のブレードエッジの状態によって異なる。一般的に、経時で使い込む程、均しブレードのブレードエッジが磨耗し、潤滑剤の塗布ムラは多くなる傾向にある。図9(a)の実験では、使用済み感光体と均しブレードとを用い、塗布ムラが限界まで増えるように、潤滑剤塗布量を実験に用いた画像形成装置の使用条件の最大値としている。
また、ピークトゥピーク値Vppの値が「0[V]」のレベル(すなわちDC現像バイアスのレベル)に対して、ピークトゥピーク値Vppを大きくしていくと、潤滑剤(ステアリン酸亜鉛)の感光体への塗布ムラに起因するスジ画像は相対的に悪化する。
スジ画像を考慮すると、ピークトゥピーク値Vppは、400[V]以下とすることが好ましいことが図9(a)から分かる。
ピークトゥピーク値Vppが大きくなるとスジが目立ち、小さくすると目立たなくなる理由は現段階では不明である。ただし、潤滑剤の塗布量を増やしても、画像形成装置を変えても、同様な結果となっている。スジ画像は目立つので、ピークトゥピーク値Vppとしては、スジの出ない400[V]以下が望ましい。
ここで、潤滑剤(ステアリン酸亜鉛)の感光体への塗布ムラに起因するスジ画像は、AC現像バイアスの周波数に関しては、本発明者らが評価した5.0〜10[kHz]の範囲では殆ど依存性がない。また、潤滑剤(ステアリン酸亜鉛)の感光体への塗布ムラに起因するスジ画像は、AC現像バイアスの逆極性側デューティ比に関しては、本発明者らが評価した「40〜70[%]」の範囲では殆ど依存性がない。
図9(b)は、横軸をAC現像バイアスのピークトゥピーク値Vppとし、縦軸を現像ギャップの変動に起因する濃度ムラのレベルとして、その関係を表す図である。
図9(b)の縦軸の現像ギャップの変動に起因する濃度ムラのレベルも、図9(a)の縦軸と同様に、主観評価によるものである。「○」がムラのないレベル、「△」が良く見ればムラが視認できるレベル、「×」がムラを視認でき問題となるレベルである。
図9(b)に示すように、現像ギャップの変動に起因する濃度ムラは、ピークトゥピーク値Vppが「0」のレベル(すなわちDC現像バイアス)に比べ、ピークトゥピーク値Vppを大きくしていくと良化する。AC現像バイアスで、現像ギャップの変動に起因する濃度ムラが改善するのは、交番電界による現像電界の平均化の作用によるものである。
ただし、ピークトゥピーク値Vppは大きくし過ぎると、キャリアの絶縁耐圧を超えてしまい、現像領域で微小放電を起こすため、濃度ムラは悪化してくる。ここで、濃度ムラが悪化してくるピークトゥピーク値Vppは、キャリアの抵抗(絶縁耐圧)によって異なる。
図9(b)では、ピークトゥピーク値Vppが200[V]を超えるあたりから、現像ギャップの変動に起因する濃度ムラがDC現像に比べて改善され、600[V]〜900[V]で改善効果が最大になる。
図9(a)及び図9(b)より、現像ギャップの変動に起因する濃度ムラを改善し、潤滑剤塗布ムラによるスジの発生を抑えるには、ピークトゥピーク値Vppを200[V]以上、400[V]以下にすると良いことが分かる。
なお、現像ギャップの変動に起因する濃度ムラは、AC現像バイアスの周波数に関しては、本発明者らが評価した5.0〜10[kHz]の範囲では殆ど依存性がない。また、現像ギャップの変動に起因する濃度ムラは、AC現像バイアスの逆極性側デューティ比に関しては、本発明者らが評価した「40〜70[%]」の範囲では殆ど依存性がない。
実験1に基づいて、本実施形態のプリンタ100では、上述した所定の塗布範囲あたりに0.845[mg]以上の固形潤滑剤が消費される塗布量の場合、ピークトゥピーク値Vppを200〜400[V]の範囲(図9中の矢印「β」で示す範囲)に設定した。感光体1への潤滑剤の塗布量を、所定の塗布範囲あたりに0.845[mg]以上の固形潤滑剤が消費される塗布量とすることで、プロダクションプリンタ市場で求められるレベルの感光体の寿命を達成することができる。さらに、ピークトゥピーク値Vppを200〜400[V]の範囲に設定することで、潤滑剤の感光体への塗布ムラに起因するスジ画像をDC現像よりも悪化させず、かつ、現像ギャップの変動に起因する濃度ムラをDC現像バイアス現像よりも改善できる。
実験1で用いた実験装置に限らず、感光体への潤滑剤の塗布量やAC現像バイアスのピークトゥピーク値Vppを上述した範囲に設定することで、同様の実験結果を得ることが出来る。
実験1では、潤滑剤の塗布量が3.6[mg]であるが、潤滑剤の塗布量が0.845[mg」以上の範囲であれば、AC現像バイアスのピークトゥピーク値Vppを200[V]以上、400[V]以下の範囲に設定することができる。
これは以下の理由による。
すなわち、潤滑剤の塗布量が3.6[mg]より少なければ、発生し得る潤滑剤の塗布ムラは、少なくなる。このため、実験1の結果より塗布ムラによるスジは少なくなることはあっても、増えることは無い。よって、AC現像バイアスのピークトゥピーク値Vppが400[V]以下であれば、スジが出ないという結果に変わりは無い。また、現像ギャップの変動による濃度ムラは塗布量には関係ない。よって、AC現像バイアスのピークトゥピーク値Vppが200[V]以上であれば、現像ギャップの変動による濃度ムラを抑えることができるという結果に変わりは無い。したがって、潤滑剤の塗布量が0.845[mg」以上の範囲であれば、AC現像バイアスのピークトゥピーク値Vppを200[V]以上、400[V]以下の範囲で効果が得られる。
また、現像バイアス平均値Vbav、帯電電位Vd及び露光電位VLも、上記実験1の値に限らず、ACバイアス現像を行う構成であれば、AC現像バイアスのピークトゥピーク値Vppを200[V]以上、400[V]以下の範囲に設定することができる。
これは、理由は不明であるが、潤滑剤塗布ムラによるスジは電位依存性がないからである。したがって、異なる電位においても400[V]以下でスジが改善されるという効果に差異はないのである。電位を変えても現像ギャップの変動量は変わらない。したがって、現像ギャップの変動に対して設定された200[V]以上という設定も変わらず設定することができる。
上記(1)〜(3)のACバイアス現像の利点のうち、ピークトゥピーク値Vppを200〜400[V]の範囲に設定した場合、上記(1)及び(2)の利点はほとんど享受することが出来ない。これは、従来の一般的なACバイアス現像に比べて、ピークトゥピーク値Vppが小さいためである。
図7に示すように、本実施形態のプリンタ100では、ピークトゥピーク値Vppを、一般的なACバイアス現像に用いられる条件(800〜1500[V])よりも大幅に小さい条件に設定している。これにより、上記(1)〜(3)のACバイアス現像の利点のうち、上記(3)の利点のみを享受している。そして、感光体を長寿命化するために必要である所定量(感光体の軸方向の長さ1[cm]の範囲に対して、感光体の表面移動距離が1[km]あたり、0.845[mg]以上の固形潤滑剤が消費される塗布量)以上の潤滑剤の消費量に設定している。このように設定した上で、その副作用である潤滑剤(ステアリン酸亜鉛)の感光体への塗布ムラに起因するスジ画像の抑制と上記(3)の利点の享受との両立を図っている。
本実施形態のプリンタ100では、上記(1)〜(3)のACバイアス現像の利点のうち、上記(1)及び(2)の利点について、従来の一般的なACバイアス現像に近い作用を得ることが可能となる構成として、次のような構成を備える。
すなわち、二本の現像ローラ(71、75)を有し、第一現像ローラ71の第一現像スリーブ72から第二現像ローラ75の第二現像スリーブ76に二成分現像剤を受け渡す現像装置5を備える。
二本の現像ローラを有する現像装置5では、第一現像スリーブ72で感光体1上の静電潜像を現像したときに、現像に寄与することのできる現像剤の穂の先端付近(感光体1の表面近傍)に位置するトナーが減少する。このとき、同時に、キャリアからトナーが剥ぎ取られることで、カウンターチャージがキャリアに貯まり、よりキャリアからトナーが剥ぎ取りにくくなる。ここで、一本の現像ローラしかもたない現像装置であれば、現像に寄与できるトナーが枯渇ぎみになれば、それ以上現像できずに、現像が終了してしまい、現像能力がそこで頭打ちになる。現像に寄与できるトナーが枯渇することで現像が終了した場合には、電位潜像に忠実にトナーが付きにくくなるため、粒状性の低いボソボソとした画質になり易い。
これに対して、第一現像スリーブ72から第二現像スリーブ76に二成分現像剤を受け渡す本実施形態の現像装置5では、二成分現像剤は次のような挙動となる。すなわち、第一現像スリーブ72の表面上の二成分現像剤は、第一現像領域74で現像に寄与した後、第二現像スリーブ76との対向部に搬送される。第一現像スリーブ72から第二現像スリーブ76に二成分現像剤を受け渡す際に、第一現像スリーブ72の表面上で現像剤の穂の先端部分に位置していた現像剤が、第二現像スリーブ76の表面上で現像剤の穂の根っこの部分へ移動する。逆に、第一現像スリーブ72の表面上で現像剤の穂の根っこの部分に位置していた現像剤が、第二現像スリーブ76の表面上で現像剤の穂の先端部分に移動することで、現像剤として、現像に寄与できるトナーの量が復活する。
また、第一現像スリーブ72から第二現像スリーブ76への二成分現像剤の受け渡し時の撹乱により、カウンターチャージも緩和する。そして、現像に寄与できるトナーの量が復活した第二現像スリーブ76の表面上の二成分現像剤を用いて、第二現像領域で感光体1の表面上の静電潜像を再度現像する。このため、二本の現像ローラを備える現像装置5では、一本の現像ローラしかもたない現像装置に比べ、静電潜像に忠実にトナーを付着させることが出来、粒状性が良好になる。
このように、本実施形態のプリンタ100では、二本の現像ローラを備える現像装置5を備えることで、粒状性の向上を図ることができ、さらに、現像に寄与できるトナー量を増加させることで現像性の向上を図ることが出来る。このため、上記(1)〜(3)のACバイアス現像の利点のうち、上記(1)及び(2)の利点について、従来の一般的なACバイアス現像に近い作用を得ることが可能となる。
本実施形態のプリンタ100は、ステアリン酸亜鉛の感光体1への塗布量を比較的多く(感光体の軸方向の長さ1[cm]の範囲に対して、感光体の表面移動距離が1[km])あたり、0.845[mg]以上)することで、感光体1の長寿命化を図っている。一方、その副作用であるAC現像バイアス印加時に顕在化し易い、ステアリン酸亜鉛の感光体1への塗布ムラに起因するスジ画像を、AC現像バイアスのピークトゥピーク値Vppを200〜400[V]の範囲とすることで抑制している。また、ピークトゥピーク値Vppを上記範囲とすることで、DCバイアス現像に対するACバイアス現像の上記(1)〜(3)の利点のうち、上記(3)の「現像電界の平均化による現像ギャップ偏差、変動による現像ムラの改善」という利点を享受する。現像ムラを改善することで、感光体1の表面上に形成されるトナー像の濃度ムラを改善し、転写紙Pに出力される画像の濃度ムラを改善することが出来る。
さらに、プリンタ100は、二本の現像ローラを有し、二成分現像剤を第一現像スリーブ72から、第二現像スリーブ76に受け渡す現像装置5を用いる。よって、一般的なAC現像バイアスのピークトゥピーク値Vppの条件(800〜1500[V])で期待される上記(1)の「粒状性の向上」及び上記(2)の「現像性の向上」という利点について、従来のACバイアス現像に近い作用を得ることが可能となる。
このため、本実施形態のプリンタ100では、プロダクションプリンタ市場で求められる高画質と、感光体1の長寿命化とを両立することができる。
一つの感光体の表面上の静電潜像を二本の現像ローラを用いて現像する構成として、同色のトナーを用いる二つの現像装置を一つの感光体の周囲に配置してもよい。これにより、上述したプリンタ100と同様に、粒状性の向上と現像性の向上とを図ることができる。しかし、本実施形態のプリンタ100のように一つの現像装置が二本の現像ローラを備える構成とすることで、一つの感光体の周囲に二つの現像装置を配置する構成に比べて、装置の小型化を図ることができる。
感光体1を一様帯電する帯電装置4は、微小ギャップにACバイアスを印加して放電させて感光体1の表面を帯電させる帯電ローラを用いる構成は、感光体1に与えるハザードが大きいため感光体1の長寿命を達成するのには望ましくない。このため、帯電装置4は、感光体1の長寿命を達成するためには、感光体1へのハザードが小さいスコノトロン帯電器を用いることが好適である。
〔変形例〕
次に、プリンタ100の変形例について説明する。
上述した実施形態のプリンタ100では、四つのトナー像形成部6(Y,C,M,K)は、画像形成物質として、互いに異なる色のY、C、M、Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっている。変形例では、四つのトナー像形成部6(Y,C,M,K)のうち、カラートナーを用いる三つのトナー像形成部6(Y,C,M)は、現像バイアスとして上述した実施形態と同様のAC現像バイアスを印加する。一方、ブラックトナーを用いるブラック用トナー像形成部6Kでは、現像バイアスとしてDC現像バイアスを印加する点で上述した実施形態のプリンタ100と異なる。
〔実験2〕
実験2として、AC現像バイアスのピークトゥピーク値Vppを変動させたときの潤滑剤(ステアリン酸亜鉛)の感光体への塗布ムラに起因するスジ画像を評価し、ブラックトナーを用いた場合とカラートナーを用いた場合とで比較する実験を行なった。
図10は、実験2の結果を示す模式図である。
実験2の画像形成装置の実験条件は、上述した実験1と同じである。
図10は、横軸をAC現像バイアスのピークトゥピーク値Vppとし、縦軸を潤滑剤(ステアリン酸亜鉛)の感光体への塗布ムラによるスジ画像のレベルとして、その関係がブラックトナーを用いた場合とカラートナーを用いた場合とで異なること示している。
図10中の実線のグラフがカラートナーを用いた場合であり、破線のグラフがブラックトナーを用いた場合である。
図10において、縦軸の潤滑剤の塗布ムラによるスジ画像のレベルは、主観評価によるものである。「○」がスジのないレベル、「△」が良く見ればスジが視認できるレベル、「×」がスジを視認でき問題となるレベルである。
ブラックトナーは、トナー付着量と濃度(明度)の関係は、カラートナーよりも急勾配となる。そのため、塗布ムラによるスジ画像(=スジがある部分とない部分のトナー付着量差)は、図10に示すように、ブラックトナーとカラートナーとでは、ブラックトナーの方が目立って見える。
〔実験3〕
実験3として、振れ量の異なる現像スリーブを用いたときの現像ギャップの変動に起因する濃度ムラを評価する実験を行なった。
図11は、実験3の結果を示す模式図である。
実験3の画像形成装置の実験条件は、上述した実験1と同じである。
図11は、横軸を現像スリーブの振れ量とし、縦軸を現像ギャップの変動に起因する濃度ムラのレベルとして、その関係を表す図である。図11では、AC現像バイアスのピークトゥピーク値Vppを「0[V]」(DC現像)とした場合(実線のグラフ)と、「200〜400[V]」とした場合(破線のグラフ)とを比較する。
図11において、縦軸の現像ギャップの変動に起因する濃度ムラのレベルは、主観評価によるものである。「○」がムラのないレベル、「△」が良く見ればムラが視認できるレベル、「×」がムラを視認でき問題となるレベルである。
図11に示すように、AC現像バイアスのピークトゥピーク値Vppが「200〜400[V]」の場合には、現像スリーブの振れが大きくても、AC現像バイアスの作用により、現像ギャップの変動に起因する濃度ムラは悪くない。一方、ピークトゥピーク値Vppが「0[V]」の場合には、現像スリーブ振れが悪くなると、濃度ムラは悪化する。
図10及び図11より、特にブラック用トナー像形成部6Kでの塗布ムラによるスジ画像を目立たせないようにするためには、ピークトゥピーク値Vppを「0[V]」とすることが最良である。また、ブラック用トナー像形成部6Kの現像ギャップ変動に起因する濃度ムラを目立たせないようにするには、ブラック用トナー像形成部6Kのブラック用現像装置5Kの現像スリーブは、現像スリーブ振れの良いもの(振れ量の少ないもの)を使う必要がある。
ただし、現像スリーブ振れは、製造工程上発生するものであって、ある一定のばらつきを生じてしまうものである。このため、DC現像を採用した場合であっても、ACバイアス現像を使用したときと同程度の濃度ムラとなるスリーブ振れの現像スリーブを、四色分生産しようとした場合に、多大なるコスト高となり量産性が得られない。
そこで、塗布ムラが目立ちにくいカラートナーを用いる三つのトナー像形成部6(Y,C,M)の現像バイアスには、ピークトゥピーク値Vppが、「200〜400[V]」のAC現像バイアスを印加する。よって、これら三つのトナー像形成部6(Y,C,M)の現像装置5(Y,C,M)の現像スリーブとしては、ブラック用現像装置5Kに用いることができない程度に現像スリーブ振れが大きいものを用いても、濃度ムラは悪化しない。
このような構成により、変形例のプリンタ100では、量産性を維持しつつ、プロダクションプリンタ市場で求められる高画質のカラー画像を提供することができる。
以上、本発明を適用した電子写真方式の画像形成装置の実施形態について説明したが、画像形成装置の構成は図1等に示した構成に限らず、任意の構成を採用可能である。
電子写真方式の画像形成装置は、潜像担持体と、帯電手段と、潜像形成手段と、現像手段と、転写手段と、を備える。帯電手段は、潜像担持体の表面を一様帯電し、潜像形成手段は、一様帯電された潜像担持体の表面に光を照射して静電潜像を形成する。現像手段は、静電潜像に現像剤に含まれるトナーを供給し、トナー像を形成する。転写手段は、潜像担持体上に形成されたトナー像を中間転写体を介して、または、直接に、記録媒体に転写する。また、本発明を適用する電子写真方式の画像形成装置では、現像剤を担持して潜像担持体に対向する現像手段の現像剤担持体に交流成分を含む現像電圧を印加する構成であり、さらに、潜像担持体の表面上に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布手段を備える構成である。
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
感光体1等の潜像担持体の表面上にステアリン酸亜鉛等の潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布ブラシ211等の潤滑剤塗布手段を備え、現像に交流成分を含む現像バイアス等の現像電圧を用いる電子写真方式のプリンタ100等の画像形成装置において、潜像担持体に対する潤滑剤の塗布量が、潜像担持体の表面の移動方向に直交する方向の長さ1.0[cm]の範囲の表面移動距離1.0[km]あたりで、0.845[mg]以上であり、現像電圧の最大値と最小値との差(ピークトゥピーク値Vpp等)が、200[V]以上、400[V]以下である。
これによれば、上述した本発明者らの実験で明らかにしたように、交流現像方式で、従来よりも潜像担持体の長寿命化を図り、直流現像方式よりも現像ギャップの変動に起因する濃度ムラを改善しつつ、スジ画像の悪化を抑制できる。これは以下の理由による。
すなわち、本発明者らの実験で明らかにしたように、交流現像方式では、現像電圧の最大値と最小値との差が大きいほど、現像ギャップの変動に起因する濃度ムラを改善できる傾向がある。一方、交流現像方式では、経時で潤滑剤の塗布ムラに起因するスジ画像が生じることがあり、このスジ画像は、現像電圧の最大値と最小値との差が大きいほど悪化する傾向がある。そこで、潤滑剤の塗布量と現像電圧の最大値と最小値との差とを態様Aの範囲に設定することにより、直流現像方式よりも現像ギャップの変動に起因する濃度ムラを改善しつつ、スジ画像の悪化を抑制できる。
(態様B)
態様Aにおいて、現像装置5等の現像手段は、現像剤担持体として、トナーを含む現像剤を収容する剤供給室52等の現像剤収容部から供給された現像剤を担持し、感光体1等の潜像担持体と対向する第一現像領域74等の第一現像領域に搬送する第一現像スリーブ72等の第一現像剤担持体と、第一現像領域を通過した第一現像剤担持体の表面から供給された現像剤を担持し、潜像担持体と対向する第二現像領域78等の第二現像領域に搬送し、第二現像領域を通過した現像剤を剤回収室53等の現像剤収容部に受け渡す第二現像スリーブ76等の第二現像剤担持体と、を備える。
これによれば、上記実施形態について説明したように、現像したトナー像の粒状性の向上と、現像性の向上とを図ることが可能となる。
(態様C)
態様AまたはBにおいて、帯電装置4等の帯電手段は、スコノトロン帯電器である。
これによれば、上記実施形態について説明したように、感光体1等の潜像担持体へのハザードを抑制し、潜像担持体の長寿命化を達成することが可能となる。
(態様D)
態様A乃至Cの何れかの態様において、感光体1等の潜像担持体と現像装置5等の現像手段とを有するトナー像形成部6等の作像部を複数備え、複数の前記作像部として、ブラックトナーを使用するブラック用トナー像形成部6K等のブラック作像部と、ブラックトナー以外のカラートナーを用いる三つのトナー像形成部6(Y,C,M)等のカラー作像部と、を備え、ブラック作像部の現像バイアス等の現像電圧は、交流成分を含まない。
これによれば、上記変形例について説明したように、ブラック作像部で潤滑剤の塗布ムラに起因するスジ画像の悪化を抑制できる。
(態様E)
態様Dにおいて、現像装置5等の現像手段が備える現像スリーブ(73、76)等の現像剤担持体は、内部にマグネットローラ(73、77)等の磁界発生手段が配置された回転可能な現像スリーブであり、ブラック用トナー像形成部6K等のブラック作像部の現像手段が備える現像スリーブは、三つのトナー像形成部6(Y,C,M)等のカラー作像部の現像手段が備える現像スリーブよりも振れ精度が高い。
これによれば、上記変形例について説明したように、量産性を維持しつつ、高画質のカラー画像を提供することができる。
1 感光体
2 感光体クリーニング装置
3 除電装置
4 帯電装置
5 現像装置
5K ブラック用現像装置
6 トナー像形成部
6K ブラック用トナー像形成部
7 露光装置
8 中間転写ベルト
9 一次転写バイアスローラ
10 ベルトクリーニング装置
12 二次転写バックアップローラ
15 中間転写ユニット
19 二次転写ローラ
20 定着装置
51 現像室
52 剤供給室
53 剤回収室
54 剤返送室
60 現像ケーシング
61 仕切壁
62a 返送出口開口
62b 返送入口開口
63 落下開口
64 受け部材
65 部材現像側端部
66 現像ドクタ
67 供給スクリュ
68 回収スクリュ
69 返送スクリュ
71 第一現像ローラ
72 第一現像スリーブ
73 第一マグネットローラ
74 第一現像領域
75 第二現像ローラ
76 第二現像スリーブ
77 第二マグネットローラ
78 第二現像領域
80 給紙トレイ
81 給紙ローラ
82 レジストローラ対
90 排紙トレイ
91 排紙ローラ対
100 プリンタ
202 クリーニングブレード
203 回収コイル
204 フリッカーバー
205 クリーニングブラシ
210 均しブレード
211 潤滑剤塗布ブラシ
212 固形潤滑剤
213 コイルバネ
N1 第一現像磁極
N2 規制磁極
N3 第二現像磁極
N4 現像剤受け磁極
P 転写紙
S1 規制後搬送磁極
S2 現像剤渡し磁極
S3 汲み上げ磁極
S4 搬送磁極
S5 拘束磁極
S6 反発磁極
Vb 現像バイアス
Vbav 現像バイアス平均値
Vd 帯電電位
VL 露光電位
Vpot 現像ポテンシャル
Vpp ピークトゥピーク値
特開2016−11981号公報

Claims (4)

  1. 潜像担持体の表面上に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布手段を備え、
    現像に交流成分を含む現像電圧を用いる電子写真方式の画像形成装置において、
    前記潜像担持体に対する前記潤滑剤の塗布量が、前記潜像担持体の表面の移動方向に直交する方向の長さ1.0[cm]の範囲の表面移動距離1.0[km]あたりで、0.845[mg]以上かつ3.6[mg]以下であり、
    前記現像電圧の最大値と最小値との差が、200[V]以上、400[V]以下であることを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1の画像形成装置において、
    現像手段は、現像剤担持体として、トナーを含む現像剤を収容する現像剤収容部から供給された前記現像剤を担持し、前記潜像担持体と対向する第一現像領域に搬送する第一現像剤担持体と、
    前記第一現像領域を通過した前記第一現像剤担持体の表面から供給された前記現像剤を担持し、前記潜像担持体と対向する第二現像領域に搬送し、前記第二現像領域を通過した現像剤を前記現像剤収容部に受け渡す第二現像剤担持体と、を備えることを特徴とする画像形成装置
  3. 求項1又は2に記載の画像形成装置において、
    前記潜像担持体と現像手段とを有する作像部を複数備え、
    複数の前記作像部として、ブラックトナーを使用するブラック作像部と、ブラックトナー以外のカラートナーを用いるカラー作像部と、を備え、
    前記ブラック作像部の前記現像電圧は、交流成分を含まないことを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項の画像形成装置において、
    前記現像手段が備える現像剤担持体は、内部に磁界発生手段が配置された回転可能な現像スリーブであり、
    前記ブラック作像部の前記現像手段が備える現像スリーブは、前記カラー作像部の前記現像手段が備える現像スリーブよりも振れ精度が高いことを特徴とする画像形成装置。
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