JP2011034962A - リチウムイオン二次電池電極の製造方法、及びリチウムイオン二次電池 - Google Patents

リチウムイオン二次電池電極の製造方法、及びリチウムイオン二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】作製電極の塗布量均一化が可能で、一定品質のリチウムイオン二次電池を提供可能なリチウムイオン二次電池電極を効率よく製造する方法を提供する。
【解決手段】電極活物質、重合体粒子、半合成水溶性高分子溶液及び混合してなるリチウムイオン二次電池電極用スラリーを、集電体上に塗布・乾燥して活物質層を形成する工程を含み、前記半合成水溶性高分子溶液中の不溶成分の粒子径が30μm以下であるリチウムイオン二次電池電極の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池の電極の製造方法、リチウムイオン二次電池電極用スラリー及びリチウムイオン二次電池に関する。
近年、ノート型パソコン、携帯電話、PDAなどの携帯端末の普及が著しい。これら携帯端末の電源に用いられている二次電池には、リチウムイオン二次電池等の非水電解質二次電池(以下、単に「電池」ということがある。)が多用されている。携帯端末は、より快適な携帯性が求められ、小型化、薄型化、軽量化、高性能化が急速に進んだ。その結果、携帯端末は様々な場で利用されるようになっている。利用範囲の増大に伴って電源である電池に対しても、携帯端末に対するのと同様に小型化、薄型化、軽量化、高性能化が要求されている。
また近年、リチウムイオン二次電池の発火事故の影響で安全性に関する認識が非常に厳しくなってきている。電池の安全性向上のために、同じ電極を安定して供給できるといった品質の向上が検討されている。
通常、電極は次のように製造される。すなわち、結着剤と液状媒体とを混合し、必要に応じて任意の添加剤を加えてバインダー組成物を得、これに活物質を加えて電極用スラリーとなし、得られた電極用スラリーを集電体上に塗布、乾燥することにより活物質層を形成し製造される。
特許文献1には、電極活物質、重合体粒子および半合成水溶性高分子として特定のカルボキシメチルセルロースを用いたリチウムイオン二次電池電極が提案されている。特定のカルボキシメチルセルロースとして、平均重合度が1,000前後のもの、または平均重合度とエーテル化度との積が2,000以上のものをそれぞれ用いることにより、得られたリチウムイオン二次電池電極は、放電特性、高容量化、充放電サイクル特性および安定性に優れた電極を与えると記載されている。
特開平11−67213号公報
しかし、通常、カルボキシメチルセルロースの溶液中には、溶媒に溶解せずに膨潤している粒子径数十〜数百μmの不溶成分が存在する。そして、本発明者らの検討によれば、カルボキシメチルセルロースの平均重合度やエーテル化度を特許文献1のような範囲としても、この不溶成分が極板中に存在すると、これが極板中で局在化して極板表面に析出し、抵抗成分になるだけでなく、極板塗布量の不均一化の原因となることがわかった。そして、その結果、正極と負極との特性バランスが崩れ、電池の寿命や品質が製品毎に異なり、一定品質の電池が得られなくなることがわかった。
従って、本発明の目的は、作製電極の塗布量均一化が可能で、一定品質のリチウムイオン二次電池を提供可能なリチウムイオン二次電池電極を効率よく製造する方法およびそれに用いる電極用スラリーを提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討の結果、電極活物質、重合体粒子、半合成水溶性高分子溶液及び溶媒を混合してなるリチウムイオン二次電池電極用スラリーを、集電体上に塗布・乾燥してリチウムイオン二次電池電極を製造するにあたり、半合成水溶性高分子の溶液中の不溶成分の粒子径が一定の値以下である半合成水溶性高分子を用いると、電極中の半合成水溶性高分子の不溶成分が電極表面に局在することなく溶解状態で極板全体に分散するため、電極の塗布量が均一化され、安定した極板を供給し、一定品質の電池を得ることができることを見出した。
すなわち、上記課題を解決する本発明は、下記事項を要旨として含む。
(1)電極活物質、重合体粒子、半合成水溶性高分子溶液及び溶媒を混合してなるリチウムイオン二次電池電極用スラリーを、集電体上に塗布・乾燥して活物質層を形成する工程を含み、
前記半合成水溶性高分子溶液中の不溶成分の粒子径が30μm以下であるリチウムイオン二次電池電極の製造方法。
(2)前記半合成水溶性高分子が、セルロース系高分子である(1)に記載のリチウムイオン二次電池電極の製造方法。
(3)前記半合成水溶性高分子が、カルボキシメチルセルロースである(1)〜(2)のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池電極の製造方法。
(4)前記カルボキシメチルセルロースのエーテル化度が、0.4〜1.6である(3)に記載のリチウムイオン二次電池電極の製造方法。
(5)前記重合体粒子のガラス転移点温度が、25℃以下である請求(1)〜(4)のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池電極の製造方法。
(6)電極活物質、重合体粒子、半合成水溶性高分子溶液及び溶媒を含み、
前記半合成水溶性高分子溶液中の不溶成分の粒子径が30μm以下であるリチウムイオン二次電池電極用スラリー。
(7)正極、負極、セパレーター及び電解液を有してなり、正極及び負極の少なくとも一方が、(1)〜(5)のいずれかに記載の製造方法により得られた電極である、リチウムイオン二次電池。
本発明によれば、溶液中の不溶成分の粒子径が30μm以下である半合成水溶性高分子溶液を使用することにより、電極中の半合成水溶性高分子が極板中に均一に分散する。この結果、集電体にスラリーを塗布した際の塗布厚が一定となり、得られる電池の品質が一定化する。
以下に本発明を記述する。
(リチウムイオン二次電池電極用スラリー)
本発明のリチウムイオン二次電池電極用スラリーは、電極活物質、重合体粒子、半合成水溶性高分子溶液及び溶媒を混合してなる。
(半合成水溶性高分子)
半合成水溶性高分子とは、例えば、植物もしくは動物由来の多糖類及びたんぱく質等の上述の天然高分子を、化学反応を用いて変性させたものである。半合成水溶性高分子としては、澱粉系高分子、セルロース系高分子、アルギン酸系高分子及び微生物系高分子が例示できる。
澱粉系高分子として、可溶化澱粉、カルボキシメチル澱粉、メチルヒドロキシプロピル澱粉、変性ポテトスターチ等を例示できる。
セルロース系高分子は、ノニオン性、カチオン性及びアニオン性に分類することができる。
ノニオン性セルロース系高分子として、例えば、メチルセルロース、メチルエチルセルロース、エチルセルロース、マイクロクリスタリンセルロース、等のアルキルセルロース、並びにヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースステアロキシエーテル、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、アルキルヒドロキシエチルセルロース、ノノキシニルヒドロキシエチルセルロース等のヒドロキシアルキルセルロースを例示できる。
カチオン性セルロース系高分子として、例えば、低窒素ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリド(ポリクオタニウム−4)、塩化−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロース(ポリクオタニウム−10)、塩化−[2−ヒドロキシ−3−(ラウリルジメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロース(ポリクオタニウム−24)等を例示できる。
アニオン性セルロース系高分子としては上記のノニオン性セルロース系高分子を各種誘導基により置換された一般式(1)および(2)の構造を有するアルキルセルロースエーテル及びそれらの金属塩やアンモニウム塩が挙げられる。
Figure 2011034962
Figure 2011034962
上式中、Xはアルカリ金属、NH、Hであることが好ましく、Li、Na、NH、Hであることがさらには好ましい。また、Rは2価の炭化水素基であることが好ましく、アルキレン基であることがさらに好ましい。これらの炭化水素基、アルキレン基の炭素数は特に限定はされないが、通常は1〜5程度である。また、さらにRは、カルボキシ基などを含む炭化水素基もしくはアルキレン基であってもよい。なかでも、カルボキシアルキル基が好ましく、カルボキシメチル基が特に好ましい。
これらアニオン性セルロース系高分子のさらに具体的な例としては、セルロース硫酸ナトリウム、メチルセルロースエーテル、メチルエチルセルロースエーテル、エチルセルロースエーテル、カルボキシメチルセルロースエーテル(CMC)及びそれらの塩等を例示することができる。
アルギン酸系高分子として、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコール等を例示できる。化学変性した微生物系高分子として、キサンタンガム、デヒドロキサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、ブルラン等を化学的に変性した高分子化合物を例示できる。
これらの中でも、電極活物質との併用時に分散性に優れたスラリーを作製でき、そのスラリーを用いて得られた電極の表面平滑性を高くできることから、セルロース系高分子が好ましく、更に極板作製時に高い密着性を示すとの理由から、アニオン性セルロース系高分子が好ましい。中でも、溶液調整時の泡かみ等が少なく、平滑な電極を得ることができることから、カルボキシメチルセルロースが最も好ましい。
アニオン性セルロース系高分子のエーテル化度は0.4〜1.6が好ましく、0.8〜1.5がさらに好ましい。エーテル化度がこの範囲であると、セルロース類の水への溶解性が確保でき、平滑な電極を得ることができる。セルロース中の無水グルコース単位1個当たりの水酸基(3個)のカルボキシメチル基等への置換体への置換度をエーテル化度という。理論的に0〜3までの値を取りうる。エーテル化度が大きくなればなるほどセルロース中の水酸基の割合が減少し置換体の割合が増加し、エーテル化度が小さいほどセルロース中の水酸基が増加し置換体が減少するということを示している。エーテル化度(置換度)は、以下の方法および式により求められる。
まず、試料0.5〜0.7gを精密にはかり、磁製ルツボ内で灰化する。冷却後、得られた灰化物を500mlビーカーに移し、水約250ml 、さらにピペットでN/10硫酸35mlを加えて30分間煮沸する。これを冷却し、フェノールフタレイン指示薬を加えて、過剰の酸をN/10水酸化カリウムで逆滴定して、次式から置換度を算出する。
A=(a×f−b×f)/ 試料(g)−アルカリ度(または+酸度)
置換度=M×A/(10000−80A)
A:試料1g中の結合アルカリ金属イオンに消費されたN/10硫酸の量(ml)
a:N/10硫酸の使用量(ml)
f:N/10硫酸の力価係数
b:N/10水酸化カリウムの滴定量(ml)
:N/10水酸化カリウムの力価係数
M:試料の重量平均分子量
また、アニオン性セルロース系高分子の中でも、前述したアルキルセルロースエーテル及びそれらの金属塩やアンモニウム塩、すなわち上記一般式(2)におけるXがアルカリ金属、NH、Hのものが好ましく、前記XがLi、Na、NH、Hがさらには好ましい。Xとして前記の範囲のものを用いることでスラリー中での重合体粒子の分散安定性を保つことができ、スラリーの増粘による極板塗布量の不均一化を防ぐことができる。また、Xの異なる構造を複数種類有していてもよい。
(半合成水溶性高分子溶液)
本発明で用いる半合成水溶性高分子溶液は、溶媒と前述の半合成水溶性高分子とからなる。溶媒としては、後述の電極用スラリーに用いる溶媒があげられる。後述の電極用スラリーに用いる溶媒の中でも、半合成水溶性高分子の溶解性が高いことから、特に水が好ましい。
本発明で用いる半合成水溶性高分子溶液は、溶液中の不溶成分の粒子径が30μm以下であることが必要である。
本発明でいう「不溶成分の粒子径が30μm以下である」とは、前述の溶媒中に半合成水溶性高分子を1質量%の濃度に溶解させた溶液状態において、グラインドゲージ(JIS−K5101)によりJIS−K5600−5−2に準じ線条法にて測定される粒子径が30μm以下であることを示す。溶液中に粒子径が30μmを超える不溶成分が極微量含むものを一切排除するものではない。上記測定法の精度、再現性についてJISに記載されているように、2回測定して得た2個の平均値間の差の絶対値は、確率95%で、ゲージ範囲の20%であることが期待されている(目標とされている)。したがって、JISの要求する精度、再現性の範囲において、半合成水溶性高分子溶液中には、粒子径が30μmを超える不溶成分が存在していてもよい。
前記不溶成分の粒子径が30μmを超えると、不溶成分が、電極表面に偏在化して極板のピンホールやストリークの原因となる。不溶成分の粒子径がこの範囲であれば電極中の半合成水溶性高分子の不溶成分が電極表面に局在することなく極板中に分散するため、電極の塗布量が均一化され、充放電効率やサイクル特性などの電池特性のバラつきを抑制することが可能となる。前記不溶成分の粒子径は、好ましくは25μm以下である。
不溶成分の粒子径が前記範囲となる半合成水溶性高分子溶液を調製するには、例えば、(1)半合成系水溶液高分子の製造過程で調製する方法、(2)半合成水溶性高分子の溶媒への溶解過程で調製する方法、(3)半合成水溶性高分子溶液から不溶成分を除去・分解させる方法などがある。
(1)の半合成系水溶液高分子の製造過程での調整方法としては、例えば半合成水溶性高分子がカルボキシメチルセルロースの場合、カルボキシメチルセルロース製造におけるマーセル化工程においてメタノールと過酸化水素を添加する方法、また半合成水溶性高分子製造時に粉末状の半合成水溶性高分子100質量部に対し、低級アルコールを10〜20質量部添加し、湿潤させた後、水を添加して乾燥させて篩い分けを行う方法、等が挙げられる。
(2)の半合成水溶性高分子の溶媒への溶解過程で調製する方法としては、溶解時にホモディスパー等で溶媒を攪拌しながら半合成水溶性高分子の粉末を少しずつ加えて半合成水溶性高分子水溶液を調製する方法、60℃以上の溶媒中に半合成水溶性高分子の粉末を加えて溶解させてから冷却して溶液を調整する方法、半合成水溶性高分子が不溶である溶媒に半合成水溶性高分子を分散させてから水等の可溶である溶媒に溶解させる方法、半合成水溶性高分子の形状を顆粒状にして溶媒中に溶解させる方法、半合成水溶性高分子を予め溶媒に溶解して低粘度の溶液を調整し、この溶液中にさらに半合成水溶性高分子を加えて溶解させる方法(特許-3648573)、半合成水溶性高分子よりも水溶性の高い水溶性高分子を同時に加えることで、半合成水溶性高分子の溶媒との瞬時の接触を抑制し、半合成水溶性高分子の即溶性を向上させる方法(特開2006−316166)、等が挙げられる。
(3)半合成水溶性高分子溶液から不溶成分を除去・粉砕させる方法としては、得られた半合成水溶性高分子溶液をステンレス製の金網やろ過フィルターでろ過して不溶成分を除去する方法、また摩砕型超微粉砕機等を用いて半合成水溶性高分子溶液中の不溶成分を分解する方法がある。
前記(1)、(2)及び(3)のいずれの方法においても、加温することにより溶解性が向上する。
リチウムイオン二次電池電極用スラリーにおける、前記半合成水溶性高分子の含有割合は、電極活物質100質量部に対して、固形分で好ましくは0.1〜10質量部であり、より好ましくは0.2〜8質量部、さらに好ましくは0.5〜2質量部である。リチウムイオン二次電池電極用スラリー中の半合成水溶性高分子の含有割合が、前記範囲であることにより、得られる電極の強度および柔軟性が良好となる。
(重合体粒子)
本発明に用いる重合体粒子は、電極活物質に対する結着性を有する粒子状の重合体であり、前述の半合成水溶性高分子とは異なる。
重合体粒子を構成する重合体としては、ジエン系重合体、アクリル系重合体、フッ素系重合体、シリコーン系重合体などが挙げられる。この中でも、この中でも、活物質との結着性および得られる電極の強度や柔軟性に優れるため、ジエン系重合体又はアクリル系重合体が好ましい。これらの重合体粒子は、活物質との結着性が高い為、電極の剥がれ等を生じにくく、得られた電池の品質が安定である。
ジエン系重合体とは、ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエンを重合体してなる単量体単位を含む重合体である。ジエン系重合体中の共役ジエンを重合してなる単量体単位の割合は通常40質量%以上、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上である。ジエン系重合体の具体例としては、ポリブタジエンやポリイソプレンなどの共役ジエンの単独重合体;共役ジエンと共重合可能な単量体との共重合体が挙げられる。前記共重合可能な単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのα,β−不飽和ニトリル化合物;アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和カルボン酸類;スチレン、クロロスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、ビニル安息香酸、ビニル安息香酸メチル、ビニルナフタレン、クロロメチルスチレン、ヒドロキシメチルスチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン等のスチレン系単量体;エチレン、プロピレン等のオレフィン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン原子含有単量体; 酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビエルエーテル等のビニルエーテル類;メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、ブチルビニルケトン、ヘキシルビニルケトン、イソプロペニルビニルケトン等のビニルケトン類; N−ビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール等の複素環含有ビニル化合物が挙げられる。
アクリル系重合体とは、アクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルを重合してなる単量体単位を含む重合体である。アクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルを重合してなる単量体単位の割合は、通常40質量%以上、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上である。アクリル系重合体の具体例としては、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルの単独重合体、これと共重合可能な単量体との共重合体が挙げられる。前記共重合可能な単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸などの不飽和カルボン酸類;エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートなどの2つ以上の炭素−炭素二重結合を有するカルボン酸エステル類;スチレン、クロロスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、ビニル安息香酸、ビニル安息香酸メチル、ビニルナフタレン、クロロメチルスチレン、ヒドロキシメチルスチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン等のスチレン系単量体;アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などのアミド系単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのα,β−不飽和ニトリル化合物;エチレン、プロピレン等のオレフィン類;ブタジエン、イソプレン等のジエン系単量体;塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン原子含有単量体; 酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビエルエーテル等のビニルエーテル類;メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、ブチルビニルケトン、ヘキシルビニルケトン、イソプロペニルビニルケトン等のビニルケトン類; N−ビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール等の複素環含有ビニル化合物が挙げられる。
重合体粒子を構成する重合体としては、前記重合体以外に以下のものも使用することができる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルイソブチルエーテル、ポリアクリロニトリル、ポリメタアクリロニトリル、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、酢酸アリル、ポリスチレンなどのビニル系重合体;ポリオキシメチレン、ポリオキシエチレン、ポリ環状チオエーテル、ポリジメチルシロキサンなど主鎖にヘテロ原子を含むエーテル系重合体;ポリラクトン、ポリ環状無水物、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネートなどの縮合エステル系重合体;ナイロン6、ナイロン66、ポリ−m−フェニレンイソフタラミド、ポリ−p−フェニレンテレフタラミド、ポリピロメリットイミドなどの縮合アミド系重合体などをN−メチルピロリドン(NMP)に溶解させたものが挙げられる。
本発明で用いる重合体粒子は、通常分散媒体中に分散した状態で用いる。分散媒としては、水や有機溶媒が挙げられるが、環境への負荷の面や半合成水溶性高分子の溶解性から考慮すると、水が好ましい。
本発明で用いる重合体粒子は、上記単量体を水系媒体中で分散重合、乳化重合、懸濁重合体等行うことにより製造できる。分散媒を有機溶媒に変えたい場合は、重合体粒子の水分散液を有機溶媒で置換させればよい。
本発明において、用いる重合体粒子の平均粒径は、50nm〜500nmが好ましく、70nm〜400nmがさらに好ましい。重合体粒子の平均粒径がこの範囲であると得られる電極の強度および柔軟性が良好となる。
本発明において、重合体粒子のガラス転移温度は、25℃以下であることが好ましく、より好ましくは−100℃〜+25℃、更に好ましくは−80℃〜+10℃、最も好ましくは−80℃〜0℃である。重合体粒子のガラス転移温度が、前記範囲であることにより、活物質層と集電体との密着性などの特性が高度にバランスされ好適であり、特に電極の柔軟性、捲回性に優れるため、ラミネートセルなどの極板を捲回する必要がある電池において極板の割れ、剥がれといった問題がなく、電池特性のバラつきを抑制することができる。
(電極活物質)
リチウムイオン二次電池正極用の電極活物質(正極活物質)は、リチウムイオンの吸蔵放出可能な活物質が用いられ、無機化合物からなるものと有機化合物からなるものとに大別される。
無機化合物からなる正極活物質としては、遷移金属酸化物、遷移金属硫化物、リチウムと遷移金属とのリチウム含有複合金属酸化物などが挙げられる。上記の遷移金属としては、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Mo等が使用される。
遷移金属酸化物としては、MnO、MnO、V、V13、TiO、Cu、非晶質VO−P、MoO、V、V13等が挙げられ、中でもサイクル安定性と容量からMnO、V、V13、TiOが好ましい。
遷移金属硫化物としては、TiS、TiS、非晶質MoS、FeS等が挙げられる。
リチウム含有複合金属酸化物の構造は特に限定はされず、層状構造、スピネル構造、オリビン型構造などが挙げられる。
層状構造を有するリチウム含有複合金属酸化物としてはリチウム含有コバルト酸化物(LiCoO)、リチウム含有ニッケル酸化物(LiNiO)、Co−Ni−Mnの複合酸化物を主構造とするリチウム含有複合酸化物、Ni−Mn−Alの複合酸化物を主構造とするリチウム含有複合酸化物、Ni−Co−Alの複合酸化物を主構造とするリチウム含有複合酸化物等が挙げられる。
スピネル構造を有するリチウム含有複合金属酸化物としてはマンガン酸リチウム(LiMn)やMnの一部を他の遷移金属で置換したLi[Mn3/21/2]O(ここでMは、Cr、Fe、Co、Ni、Cu等)等が挙げられる。
オリビン型構造を有するリチウム含有複合金属酸化物としてはLiMPO(式中、Mは、Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Mg,Zn,V,Ca,Sr,Ba,Ti,Al,Si,B及びMoから選ばれる少なくとも1種、0≦X≦2)であらわされるオリビン型燐酸リチウム化合物が挙げられる。
有機化合物としては、例えば、ポリアセチレン、ポリ−p−フェニレンなどの導電性高分子を用いることもできる。
電気伝導性に乏しい、鉄系酸化物は、還元焼成時に炭素源物質を存在させることで、炭素材料で覆われた電極活物質として用いてもよい。また、これら化合物は、部分的に元素置換したものであってもよい。リチウムイオン二次電池用の正極活物質は、上記の無機化合物と有機化合物の混合物であってもよい。
本発明の二次電池用活物質を、リチウムイオン二次電池負極用に用いる場合、リチウムイオン二次電池負極用の電極活物質(負極活物質)は、リチウムイオンの吸蔵放出可能な活物質が用いられ、主に炭素系活物質と非炭素系活物質とに大別される。
炭素系活物質としては、炭素質材料と黒鉛質材料が挙げられる。炭素質材料とは一般的に炭素前駆体を2000℃以下で熱処理(炭素化)された黒鉛化度の低い(結晶性の低い)炭素材料を示し、黒鉛質材料とは易黒鉛性炭素を2000℃以上で熱処理することによって得られた黒鉛に近い高い結晶性を有する黒鉛質材料を示す。
炭素質材料としては、熱処理温度によって炭素の構造を容易に変える易黒鉛性炭素とガラス状炭素に代表される非晶質構造に近い構造を持つ難黒鉛性炭素が挙げられる。易黒鉛性炭素としては石油や石炭から得られるタールピッチを原料とした炭素材料が挙げられ、例えば、コークス、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、メソフェーズピッチ系炭素繊維、熱分解気相成長炭素繊維などが挙げられる。MCMBとはピッチ類を400℃前後で加熱する過程で生成したメソフェーズ小球体を分離抽出した炭素微粒子であり、メソフェーズピッチ系炭素繊維とは、前記メソフェーズ小球体が成長、合体して得られるメソフェーズピッチを原料とする炭素繊維である。
難黒鉛性炭素としては、フェノール樹脂焼成体、ポリアクリロニトリル系炭素繊維、擬等方性炭素、フルフリルアルコール樹脂焼成体(PFA)などが挙げられる。
黒鉛質材料としては天然黒鉛、人造黒鉛が上げられる。人造黒鉛としては、主に2800℃以上で熱処理した人造黒鉛、MCMBを2000℃以上で熱処理した黒鉛化MCMB、メソフェーズピッチ系炭素繊維を2000℃以上で熱処理した黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維などが負極活物質として利用される。
非炭素系活物質としては、リチウム金属を用いることができ、またリチウムと合金を形成する単体金属および合金、及びそれらの酸化物や硫化物等が用いられる。
リチウム合金を形成する単体金属及び合金としては、Ag、Al、Ba、Bi、Cu、Ga、Ge、In、Ni、P、Pb、Sb、Si、Sn、Sr、Zn等の金属を含有する化合物が挙げられる。それらの中でもケイ素(Si)、スズ(Sn)または鉛(Pb)の単体金属若しくはこれら原子を含む合金、または、それらの金属の化合物が用いられる。
酸化物や硫化物としては、酸化物、炭化物、窒化物、珪化物、硫化物、燐化物等が挙げられる。それらの中でも酸化スズ、酸化マンガン、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化バナジウム等の酸化物、Si、Sn、PbおよびTi原子よりなる群から選ばれる金属元素を含むリチウム含有金属複合酸化物材料が用いられている。
リチウム含有金属複合酸化物としては、更にLiTiで示されるリチウムチタン複合酸化物(0.7≦x≦1.5、1.5≦y≦2.3、0≦z≦1.6、Mは、Na、K、Co、Al、Fe、Ti、Mg、Cr、Ga、Cu、ZnおよびNb)が挙げられ、中でもLi4/3Ti5/3、LiTi、Li4/5Ti11/5が用いられる。
これらの中でも、表面官能基がほとんど存在しない活物質が、不溶成分の粒子径が小さいことによる高い分散性向上効果が得られることから好ましい。表面官能基がほとんど存在しない活物質は、半水溶性高分子の不溶成分が粒子間に存在することにより、その浸透圧効果でスラリーの分散が進んでいる。不溶成分の粒子径が小さいほど、浸透圧効果が大きくなることから、スラリーの分散が進み安定性が向上することから、得られる電極の均一性も向上する。このような活物質としては、炭素系活物質が好ましい。
本発明において、用いられる活物質の粒子径は、通常1〜50μm、好ましくは2〜30μmである。粒子径が上記範囲にあることにより、後述するスラリー組成物を調製する際のバインダー量を少なくすることができ、電池の容量の低下を抑制できると共に、スラリー組成物を、塗布するのに適正な粘度に調製することが容易になり、均一な電極を得ることができる。
本発明において、電極活物質として、機械的改質法により表面に導電材を付着させたものも使用できる。
(溶媒)
電極用スラリーに用いる溶媒としては、重合体粒子及び電極活物質を均一に分散させ、半合成水溶性高分子を、不溶成分を除いて溶解できるものであれば特に制限されない。
溶媒としては、水および有機溶媒のいずれも使用できる。有機溶媒としては、シクロペンタン、シクロヘキサンなどの環状脂肪族炭化水素類;トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;アセトン、エチルメチルケトン、ジソプロピルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサンなどのケトン類;メチレンクロライド、クロロホルム、四塩化炭素など塩素系脂肪族炭化水素;酢酸エチル、酢酸ブチル、γ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトンなどのエステル類;アセトニトリル、プロピオニトリルなどのアシロニトリル類;テトラヒドロフラン、エチレングリコールジエチルエーテルなどのエーテル類:メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテルなどのアルコール類;N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類があげられる。
これらの溶媒は、単独で使用しても、これらを2種以上混合して混合溶媒として使用してもよい。これらの中でも沸点が低く揮発性が高い溶媒が、短時間でかつ低温で除去できるので好ましい。具体的には、アセトン、トルエン、シクロヘキサノン、シクロペンタン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサン、キシレン、水、若しくはN−メチルピロリドン、またはこれらの混合溶媒が好ましい。更に、前記半合成水溶性高分子の溶解性が高いことから、特に水が好ましい。
(導電材)
本発明のリチウムイオン二次電池電極用スラリーにおいては、導電材を含有してもよい。導電材としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンブラック、グラファイト、気相成長カーボン繊維、およびカーボンナノチューブ等の導電性カーボンを使用することができる。導電材を用いることにより、活物質同士の電気的接触を向上させることができ、リチウムイオン二次電池に用いる場合に放電レート特性を改善することができる。導電材の配合量は、電極活物質100質量部に対して通常0〜20質量部、好ましくは1〜10質量部である。
(他の成分)
本発明のリチウムイオン二次電池電極用スラリーには、上記成分のほかに、さらに補強材、分散剤、レベリング剤、電解液分解抑制等の機能を有する電解液添加剤等の、他の成分が含まれていてもよく、後述のリチウムイオン二次電池電極中に含まれていてもよい。これらは電池反応に影響を及ぼさないものであれば特に限られない。
補強材としては、各種の無機および有機の球状、板状、棒状または繊維状のフィラーが使用できる。補強材を用いることにより強靭で柔軟な電極を得ることができ、優れた長期サイクル特性を示すことができる。導電材や補強材の使用量は、電極活物質100質量部に対して通常0.01〜20質量部、好ましくは1〜10質量部である。前記範囲に含まれることにより、高い容量と高い負荷特性を示すことができる。
分散剤としてはアニオン性化合物、カチオン性化合物、非イオン性化合物、高分子化合物が例示される。分散剤は用いる電極活物質や導電材に応じて選択される。リチウムイオン二次電池電極用スラリー中の分散剤の含有割合は、好ましくは電極活物質100質量部に対して0.01〜10質量部である。分散剤の含有割合が上記範囲であることによりスラリーの安定性に優れ、平滑な電極を得ることができ、高い電池容量を示すことができる。
レベリング剤としてはアルキル系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、金属系界面活性剤などの界面活性剤が挙げられる。前記界面活性剤を混合することにより、塗工時に発生するはじきを防止したり、電極の平滑性を向上させることができる。リチウムイオン二次電池電極用スラリー中のレベリング剤の含有割合は、電極活物質100質量部に対して、好ましくは0.01〜10質量部である。レベリング剤の含有割合が上記範囲であることにより電極作製時の生産性、平滑性及び電池特性に優れる。
電解液添加剤は、後述する電極用スラリー中及び電解液中に使用されるビニレンカーボネートなどを用いることができる。電極中の電解液添加剤の含有割合は電極活物質100質量部に対して、好ましくは0.01〜10質量部である。電解液添加剤が上記範囲であることによりサイクル特性及び高温特性に優れる。その他には、フュームドシリカやフュームドアルミナなどのナノ微粒子が挙げられる。前記ナノ微粒子を混合することにより電極形成用スラリーのチキソ性をコントロールすることができ、さらにそれにより得られる電極のレベリング性を向上させることができる。リチウムイオン二次電池電極用スラリー中のナノ微粒子及の含有割合は、電極活物質100質量部に対して、好ましくは0.01〜10質量部である。ナノ微粒子が上記範囲であることによりスラリー安定性、生産性に優れ、高い電池特性を示す。
(リチウムイオン二次電池電極用スラリーの製造方法)
本発明のリチウムイオン二次電池電極用スラリーは、上記重合体粒子、電極活物質、半合成水溶性高分子溶液及び溶媒、並びに必要に応じ用いられる増粘剤、導電材などを混合して得られる。
混合法は特に限定はされないが、例えば、撹拌式、振とう式、および回転式などの混合装置を使用した方法が挙げられる。また、ホモジナイザー、ボールミル、サンドミル、ロールミル、および遊星式混練機などの分散混練装置を使用した方法が挙げられる。
(リチウムイオン二次電池電極の製造方法)
本発明のリチウムイオン二次電池電極の製造方法は、前記リチウムイオン二次電池電極用スラリーを、集電体上に塗布・乾燥して活物質層を形成する工程を含む。
(集電体)
本発明で用いる集電体は、電気導電性を有しかつ電気化学的に耐久性のある材料であれば特に制限されないが、耐熱性を有するため金属材料が好ましく、例えば、鉄、銅、アルミニウム、ニッケル、ステンレス鋼、チタン、タンタル、金、白金などが挙げられる。中でも、リチウムイオン二次電池の正極用としてはアルミニウムが特に好ましく、負極用としては銅が特に好ましい。集電体の形状は特に制限されないが、厚さ0.001〜0.5mm程度のシート状のものが好ましい。集電体は、活物質層との接着強度を高めるため、予め粗面化処理して使用するのが好ましい。粗面化方法としては、機械的研磨法、電解研磨法、化学研磨法などが挙げられる。機械的研磨法においては、研磨剤粒子を固着した研磨布紙、砥石、エメリバフ、鋼線などを備えたワイヤーブラシ等が使用される。また、合剤の接着強度や導電性を高めるために、集電体表面に中間層を形成してもよい。
リチウムイオン二次電池電極用スラリーを集電体上に塗布する方法は特に限定されない。例えば、ドクターブレード法、ディップ法、リバースロール法、ダイレクトロール法、グラビア法、エクストルージョン法、およびハケ塗り法などの方法が挙げられる。
乾燥方法としては、例えば、温風、熱風、低湿風による乾燥、真空乾燥、(遠)赤外線や電子線などの照射による乾燥法が挙げられる。乾燥時間は通常5〜30分間であり、乾燥温度は通常40〜180℃である。
本発明の製造方法において、前記活物質層は集電体の片面に形成しても、両面に形成してもよいが、両面に形成することが好ましい。
本発明の製造方法においては、集電体上に上記電極用スラリーを塗布乾燥後、金型プレスやロールプレスなどを用い、加圧処理により活物質層の空隙率を低くする工程を有することが好ましい。空隙率の好ましい範囲は5%〜15%、より好ましくは7%〜13%である。空隙率が高すぎると充電効率や放電効率が悪化する。空隙率が低すぎる場合は、高い体積容量が得難かったり、活物質層が集電体から剥がれ易く不良を発生し易いといった問題を生じる。
さらに、バインダーとして硬化性の重合体を用いる場合は、硬化させることが好ましい。
本発明の製造方法により得られるリチウムイオン二次電池電極の厚みは、通常5〜300μmであり、好ましくは30〜250μmである。電極厚みが上記範囲にあることにより、良好な極板の柔軟性、密着性が得られる。
(リチウムイオン二次電池)
本発明のリチウムイオン二次電池は、正極、負極、セパレーター及び電解液を有してなり、正極及び負極の少なくとも一方が、前記製造方法により得られた電極である。
(電解液)
本発明に用いられる電解液は、特に限定されないが、例えば、非水系の溶媒に支持電解質としてリチウム塩を溶解したものが使用できる。リチウム塩としては、例えば、LiPF、LiAsF、LiBF、LiSbF、LiAlCl、LiClO、CFSOLi、CSOLi、CFCOOLi、(CFCO)NLi、(CFSONLi、(CSO)NLiなどのリチウム塩が挙げられる。特に溶媒に溶けやすく高い解離度を示すLiPF、LiClO、CFSOLiは好適に用いられる。これらは、単独、または2種以上を混合して用いることができる。支持電解質の量は、電解液に対して、通常1質量%以上、好ましくは5質量%以上、また通常は30質量%以下、好ましくは20質量%以下である。支持電解質の量が少なすぎても多すぎてもイオン導電度は低下し電池の充電特性、放電特性が低下する。
電解液に使用する溶媒としては、支持電解質を溶解させるものであれば特に限定されないが、通常、ジメチルカーボネート(DMC)、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、およびメチルエチルカーボネート(MEC)などのアルキルカーボネート類;γ−ブチロラクトン、ギ酸メチルなどのエステル類、1,2−ジメトキシエタン、およびテトラヒドロフランなどのエーテル類;スルホラン、およびジメチルスルホキシドなどの含硫黄化合物類;が用いられる。特に高いイオン伝導性が得易く、使用温度範囲が広いため、ジメチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネートが好ましい。これらは、単独、または2種以上を混合して用いることができる。
また前記電解液には添加剤を含有させて用いることも可能である。添加剤としてはビニレンカーボネート(VC)などのカーボネート系の化合物が好ましい。
上記以外の電解液としては、ポリエチレンオキシド、ポリアクリロニトリルなどのポリマー電解質に電解液を含浸したゲル状ポリマー電解質や、硫化リチウム、LiI、LiNなどの無機固体電解質を挙げることができる。
(セパレーター)
セパレーターは気孔部を有する多孔性基材であって、使用可能なセパレーターとしては、(a)気孔部を有する多孔性セパレーター、(b)片面または両面上に高分子コート層が形成された多孔性セパレーター、または(c)無機セラミック粉末を含む多孔質の樹脂コート層が形成された多孔性セパレーターがあり、これらの非制限的な例としては、ポリプロピレン系、ポリエチレン系、ポリオレフィン系、またはアラミド系多孔性セパレーター、ポリビニリデンフルオリド、ポリエチレンオキシド、ポリアクリロニトリルまたはポリビニリデンフルオリドヘキサフルオロプロピレン共重合体などの固体高分子電解質用またはゲル状高分子電解質用の高分子フィルム、ゲル化高分子コート層がコートされたセパレーター、または無機フィラー、無機フィラー用分散剤からなる多孔膜層がコートされたセパレーターなどがある。
(電池の製造方法)
本発明のリチウムイオン二次電池の製造方法は、特に限定されない。例えば、負極と正極とをセパレータを介して重ね合わせ、これを電池形状に応じて巻く、折るなどして電池容器に入れ、電池容器に電解液を注入して封口する。さらに必要に応じてエキスパンドメタルや、ヒューズ、PTC素子などの過電流防止素子、リード板などを入れ、電池内部の圧力上昇、過充放電の防止をすることもできる。電池の形状は、ラミネートセル型、コイン型、ボタン型、シート型、円筒型、角形、扁平型などいずれであってもよい。
(実施例)
以下に、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、本実施例における部および%は、特記しない限り質量基準である。
実施例および比較例において、各種物性は以下のように評価した。
(半合成水溶性高分子溶液の調整)
イオン交換水100重量部をホモディスパー(株式会社プライミクス製)により回転数500rpmで攪拌し、半合成水溶性高分子の粉末1重量部を10等分し、1分ごとにそれぞれ水中に加えた後、回転数を2500rpmに調整し、25℃で約1時間攪拌し、固形分1%の半合成水溶性高分子溶液を得た。
(半合成水溶性高分子溶液中の不溶成分の粒子径)
半合成水溶性高分子溶液中の不溶成分の粒子径は、グラインドゲージ(JIS−K5101)より測定した。半合成水溶性高分子溶液を粒度ゲージの上に乗せ、スクレーパーをゲージと垂直になるように当てながら手前に引き、連続して10mm以上の線が3本以上並んで現れた位置の目盛りを読み取る線条法評価より半合成水溶性高分子の不溶成分の粒子径を決定した。
(電極の柔軟性)
電極を幅1cm×長さ5cmの矩形に切って試験片とする。試験片の集電体側の面を下にして机上に置き、長さ方向の中央(端部から2.5cmの位置)、集電体側の面に直径1mm のステンレス棒を短手方向に横たえて設置する。このステンレス棒を中心にして試験片を活物質層が外側になるように180度折り曲げる。径の異なるステンレス棒をそれぞれ用いて、試験片の活物質層の折り曲げた部分について、ひび割れまたは剥がれの有無を観察し、下記の基準により判定する。径が小さいステンレス棒への捲きつけにおいて、ひび割れがないほど、電極が柔軟性に優れることを示す。
A:1mmのステンレス棒への捲きつけで割れなし
B:1.5mmのステンレス棒への捲きつけで割れなし
1mmのステンレス棒への捲きつけで割れあり
C:2mmのステンレス棒への捲きつけで割れなし
1.5mmのステンレス棒への捲きつけで割れあり
D:2.5mmのステンレス棒への捲きつけで割れなし
2mmのステンレス棒への捲きつけで割れあり
E:3mm以上のステンレス棒への捲きつけで割れなし
2.5mmのステンレス棒への捲きつけで割れあり
(極板表面のピンホール数)
10cm×10cmの極板を作製し、極板の活物質層表面の斑点数(ピンホール数)を評価した。この斑点数(ピンホール数)が少ない程、極板の塗布量が均一であるといえる。
(電極の塗布量のばらつき)
極板を直径16mmの打ち抜き刃で打ち抜いて円形の極板を10個作製し、重量を測定して極板の塗布量を計算した。ばらつきの度合いを、10個作製した極板の塗布量の上限と下限の差で表した。この値が小さい程、塗布量が均一であるといえる。
A:0.2mg/cm未満
B:0.2mg/cm以上0.4mg/cm未満
C:0.4mg/cm以上0.6mg/cm未満
D:0.6mg/cm以上0.8mg/cm未満
E:0.8mg/cm以上1.0mg/cm未満
F:1.0mg/cm以上
(初期充放電効率のばらつき)
得られたコイン型電池を用いて、10個の電池を25℃で充放電レートを0.1Cとし、定電流定電圧充電法にて、4.2Vになるまで定電流で充電をおこない、3Vまで放電する充放電を各2回繰り返し、その都度電池容量を測定した。1回めの充電容量に対する放電容量の割合を百分率で示し初期充放電効率とし、この初期充放電効率のばらつきの度合いを10個作製した電池の上限と下限の初期充放電効率の差とし、下記の基準で判定した。この値が小さいほど安定した電池の供給が可能であることを示す。
A:0.1%未満
B:0.2%以上0.5%未満
C:0.5%以上1.0%未満
D:1.0%以上1.5%未満
E:1.5%以上2.0%未満
F:2.0%以上
(実施例1)
(負極の製造)
エーテル化度が0.8〜1.0で、1%溶液粘度が2000mPa・sであるカルボキシメチルセルロース(ダイセル化学工業株式会社製「Daicel2200」)を用いて、前記の方法で1%水溶液を調製し、これを325メッシュにてろ過をおこない、ろ過後のカルボキシメチルセルロース溶液の不溶成分の粒子径をグラインドゲージにて評価したところ約20μmであった。
ディスパー付きのプラネタリーミキサーに、人造黒鉛100部を入れ、これに上記カルボキシメチルセルロース溶液100部を加え、イオン交換水で固形分濃度53.5%に調整した後、25℃で60分間混合した。次に、イオン交換水で固形分濃度44%に調整した後、さらに25℃で15分間混合した。
次に、固形分濃度が40%、ガラス転移点温度が−5℃であるスチレン−ブタジエン重合体粒子の水分散液2.0部を入れ、さらに10分間混合した。これを減圧下で脱泡処理して流動性の良い負極用スラリーを得た。
上記負極用スラリーを、コンマコーターで、厚さ20μmの銅箔の上に、乾燥後の膜厚が200μm程度になるように塗布し、0.5m/minの速度で60℃で2分間乾燥、120℃で2分間加熱処理して電極原反を得た。この電極原反をロールプレスで圧延して活物質層の厚みが80μmの柔軟な負極用電極を得た。得られた負極用電極について、極板表面のピンホール数、塗布量のばらつき、柔軟性をそれぞれ評価した。結果を表1に示す。
(正極の製造)
正極活物質としてスピネル構造を有するLiMn 100部にバインダーとしてポリフッ化ビニリデンを固形分相当量が2部となるように加え、さらに、アセチレンブラック2部、N−メチルピロリドン20部を加えて、プラネタリーミキサーで混合して正極用スラリーを得た。この正極用スラリーを厚さ18μmのアルミニウム箔に塗布し、150℃で3時間乾燥した後、ロールプレスして活物質層の厚みが100μmの正極用電極を得た。
次いで、得られた正極を直径13mm、負極を14mmφの円形に切り抜いた。正極電極の正極活物質層面側に直径18mm、厚さ25μmの円形ポリプロピレン製多孔膜からなるセパレーターを介在させて、互いに電極活物質層が対向し、外装容器底面に正極のアルミニウム箔が接触するように配置し、更に負極の銅箔上にエキスパンドメタルを入れ、ポリプロピレン製パッキンを設置したステンレス鋼製のコイン型外装容器(直径20mm、高さ1.8mm、ステンレス鋼厚さ0.25mm)中に収納した。この容器中に電解液(EC/DEC=1/2、1M LiPF)を空気が残らないように注入し、ポリプロピレン製パッキンを介して外装容器に厚さ0.2mmのステンレス鋼のキャップをかぶせて固定し、電池缶を封止して、直径20mm、厚さ約3.2mmのリチウムイオン二次電池を製造した(コインセルCR2032)。得られた電池について初期充放電効率を測定し、ばらつきがあるか評価した。結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1の負極用スラリーの作製において、重合体粒子の水分散液として、固形分濃度が40%、ガラス転移点温度が12℃であるスチレン−ブタジエン重合体粒子の水分散液を用いた事以外は実施例1と同様の操作を行って、電極用スラリー、電極及びコイン型のリチウムイオン二次電池を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1のカルボキシメチルセルロース溶液の作製において、カルボキシメチルセルロースとして、エーテル化度が0.55〜0.65で、1%溶液粘度が1800mPa・sであるカルボキシメチルセルロース(第一工業製薬株式会社製「セロゲン4H」)を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作を行って、電極用スラリー、電極及びコイン型のリチウムイオン二次電池を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。なお、ろ過後のカルボキシメチルセルロース溶液の不溶成分の粒子径をグラインドゲージにて評価したところ20μmであった。
(実施例4)
実施例1のカルボキシメチルセルロース溶液の作製において、カルボキシメチルセルロース1%溶液のろ過を200メッシュで行ったこと以外は、実施例1と同様の操作を行って、電極用スラリー、電極及びコイン型のリチウムイオン二次電池を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。なお、ろ過後のカルボキシメチルセルロース溶液の不溶成分の粒子径をグラインドゲージにて評価したところ28μmであった。
(実施例5)
(負極の製造)
負極活物質としてスピネル構造を有する人造黒鉛100部にバインダーとしてポリフッ化ビニリデンを固形分相当量が2部となるように加え、N−メチルピロリドン100部を加えて、プラネタリーミキサーで混合して負極用スラリーを得た。
上記負極用スラリーを、コンマコーターで、厚さ20μmの銅箔の上に、乾燥後の膜厚が200μm程度になるように塗布し、0.5m/minの速度で60℃で2分間乾燥、120℃で2分間加熱処理した後、ロールプレスして活物質層の厚みが80μmの負極用電極を得た。
(正極の製造)
正極活物質としてスピネル構造を有するLiMn 100部に実施例1で用いたカルボキシメチルセルロース溶液を固形分相当量が2部となるように加え、さらに、アセチレンブラック2部を加えてプラネタリーミキサーで1時間混合した後、イオン交換水を加えてから実施例1で用いた固形分濃度が40%、ガラス転移点温度が−5℃であるスチレン−ブタジエン重合体粒子の水分散液2.0部を入れ、さらに10分間混合し、正極用スラリーを得た。この正極用スラリーを厚さ18μmのアルミニウム箔に塗布し、150℃で3時間乾燥した後、ロールプレスして活物質層の厚みが100μmの正極用電極を得た。
次いで、得られた正極及び負極から実施例1と同様にして電池を作製し、評価をおこなった。結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1のカルボキシメチルセルロース溶液の作製において、カルボキシメチルセルロースとして、エーテル化度が0.8〜1.0、1%溶液粘度が2000mPa・sであるカルボキシメチルセルロース(ダイセル化学工業株式会社製「Daicel2200」)を用い、1%溶液を調整後、ろ過を行わないこと以外は、実施例1と同様の操作を行って、電極用スラリー、電極及びコイン型のリチウムイオン二次電池を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。なお、カルボキシメチルセルロース溶液の不溶成分の粒子径をグラインドゲージにて評価したところ50μmであった
Figure 2011034962
表1の結果から、以下のことがわかる。
本発明によれば、実施例1〜実施例5に示すように、半合成水溶性高分子として、不溶成分の粒子径が30μm以下のものを用いることにより、柔軟性が高く、ピンホール及び塗布量のばらつきが小さい電極を得ることができる。また、その電極を用いて作製したリチウム二次電池は、初期充放電効率のばらつきが少なく、一定品質を有している。また、実施例の中でも、カルボキシメチルセルロースの不溶成分の粒子径が25μm以下で、かつエーテル化度が0.5〜1.5の範囲にあり、さらに重合体粒子としてガラス転移温度が0℃以下のものを用いた実施例1〜3および5は、電極の柔軟性、ピンホール数、塗布量ばらつき及び初期充放電効率のばらつきのすべてにおいて優れた特性を示している。
一方、比較例1では半合成水溶性高分子として、不溶成分の粒子径が30μmを超えているため、ピンホール数、塗布量ばらつき及び初期充放電効率のばらつきが劣っており、一定品質のリチウムイオン二次電池を得ることができなかった。

Claims (7)

  1. 電極活物質、重合体粒子、半合成水溶性高分子溶液及び溶媒を混合してなるリチウムイオン二次電池電極用スラリーを、集電体上に塗布・乾燥して活物質層を形成する工程を含み、
    前記半合成水溶性高分子溶液中の不溶成分の粒子径が30μm以下であるリチウムイオン二次電池電極の製造方法。
  2. 前記半合成水溶性高分子が、セルロース系高分子である請求項1に記載のリチウムイオン二次電池電極の製造方法。
  3. 前記半合成水溶性高分子が、カルボキシメチルセルロースである請求項1〜2のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池電極の製造方法。
  4. 前記カルボキシメチルセルロースのエーテル化度が、0.4〜1.6である請求項3に記載のリチウムイオン二次電池電極の製造方法。
  5. 前記重合体粒子のガラス転移点温度が、25℃以下である請求項1〜4のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池電極の製造方法。
  6. 電極活物質、重合体粒子、半合成水溶性高分子溶液及び溶媒を含有してなり、
    前記半合成水溶性高分子溶液中の不溶成分の粒子径が30μm以下であるリチウムイオン二次電池電極用スラリー。
  7. 正極、負極、セパレーター及び電解液を有してなり、正極及び負極の少なくとも一方が、請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法により得られた電極である、リチウムイオン二次電池。
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