JP2011034826A - スパークプラグ - Google Patents

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Abstract

【課題】製造コストの増大を抑制しつつ、貴金属チップの脱落防止を図るとともに、耐消耗性の向上を図る。
【解決手段】スパークプラグ1は、中心電極5及び貴金属チップ31を有する。中心電極5及び貴金属チップ31は溶融部35を介して接合される。貴金属チップ31及び中心電極5の境界面の面積は、貴金属チップ31の外表面のうち溶融部35に最も近い部位における貴金属チップ31の軸線CL1に直交する断面積に対して5%以下とされる。軸線CL1を含む断面において、溶融部35のうち外表面に露出する部位の軸線CL1に沿った長さをA(mm)とし、貴金属チップ31の幅をB(mm)としたとき、B/A≦6を満たす。また、溶融部35のうち軸線CL1に沿った長さがA/1.5となる部位が、貴金属チップ31の外周面からB/4だけ内側に入った位置よりも径方向外側に位置する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、内燃機関等に使用されるスパークプラグに関する。
内燃機関等の燃焼装置に使用されるスパークプラグは、例えば、軸線方向に延びる中心電極と、当該中心電極の外周に設けられる絶縁体と、当該絶縁体の外側に組付けられる円筒状の主体金具と、基端部が前記主体金具の先端部に接合される接地電極とを備える。接地電極は、その先端部が前記中心電極の先端部と対向するように、自身の略中間部分が曲げ返して配置され、これにより中心電極の先端部及び接地電極の先端部の間に火花放電間隙が形成される。また近年では、中心電極や接地電極の先端部のうち、前記火花放電間隙を形成する部位に貴金属チップを設け、耐消耗性の向上を図る技術が知られている。尚、貴金属チップを構成する貴金属合金は高価であり、製造コストの増大を抑制すべく、比較的薄い貴金属チップを用いることが考えられる。
ところで、貴金属チップ及び中心電極の接合に際しては、一般的にYAGレーザーによるレーザー溶接が用いられる(例えば、特許文献1等参照)。すなわち、貴金属チップと中心電極との境界部分の外周にレーザービームを間欠的に照射し、それぞれの成分を溶融させてなる溶融部を形成することで、貴金属チップと中心電極とが接合される。
特開2003−17214号公報
しかしながら、十分な接合強度を維持すべく、溶融部をより内側(軸線側)に入り込ませるためには、照射エネルギーの増大が必要とされるが、YAGレーザーを用いた場合には、外周面側において溶融部のボリュームが比較的大きなものとなってしまう。そのため、貴金属チップとして比較的薄いものを用いた場合には、溶融部の外周面側が接地電極との間で火花放電間隙を形成する面(放電面)にまで至ってしまい、貴金属チップを設けたことによる耐消耗性の向上という作用効果が十分に奏されないおそれがある。
これに対して、レーザービームの照射エネルギーを減少させることで、溶融部のボリュームを小さくし、溶融部の放電面への露出を防止することが考えられる。ところが、溶融部の減少は、貴金属チップ及び中心電極間の接合強度の低下を招いてしまい、ひいては貴金属チップの脱落という事態が生じてしまうおそれがある。
尚、これらの問題点は、中心電極の先端部に貴金属チップを接合する場合のみならず、接地電極の先端部に突部を設け、当該突部に貴金属チップを接合する場合であっても同様に生じ得る。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、製造コストの増大を抑制しつつ、貴金属チップの脱落防止を図るとともに、耐消耗性の向上を図ることができるスパークプラグを提供することにある。
以下、上記目的を解決するのに適した各構成につき、項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する構成に特有の作用効果を付記する。
構成1.本構成のスパークプラグは、軸線方向に延びる棒状の中心電極と、
前記中心電極の外周に設けられた絶縁体と、
前記絶縁体の外周に設けられた主体金具と、
前記主体金具の先端部から延びる接地電極と、
前記中心電極の先端部に接合され、前記接地電極との間で間隙を形成する貴金属チップとを有し、
前記中心電極と前記貴金属チップとは、前記中心電極の成分と前記貴金属チップの成分とが溶融された溶融部を介して接合されてなるスパークプラグであって、
前記貴金属チップと前記中心電極との境界面の面積は、前記貴金属チップの外表面のうち前記溶融部に最も近い部位における前記貴金属チップの前記軸線に直交する断面積に対して5%以下とされ、
前記軸線を含む断面において、
前記溶融部のうち外表面に露出する部位の前記軸線に沿った長さをA(mm)とし、前記貴金属チップの幅をB(mm)としたとき、
A≦0.6、及び、B/A≦6を満たすとともに、
前記溶融部のうち前記軸線に沿った長さがA/1.5となる部位が、前記貴金属チップの外周面からB/4だけ内側に入った位置よりも径方向外側に位置することを特徴とする。
上記構成1によれば、貴金属チップと中心電極との境界面の面積が、貴金属チップの軸線と直交する方向に沿った貴金属チップの断面積の5%以下とされる。すなわち、溶融部形成前における中心電極と貴金属チップとの接触領域のうち、95%以上の領域に亘って溶融部が形成される。従って、中心電極に対して貴金属チップが強固に接合されることとなり、振動等に対する機械的強度の向上を図ることができる。
さらに、上述のように95%以上の領域に亘って溶融部が形成されるとともに、溶融部のうち外表面に露出する部位の前記軸線に沿った長さをAとし、貴金属チップの幅をBとしたとき、B/A≦6を満たすように溶融部が形成される。そのため、使用時において中心電極と貴金属チップとの熱膨張係数の差により生じる応力差を、比較的大きな領域に亘って、かつ、十分な厚さをもって形成された溶融部により吸収することができ、中心電極と貴金属チップとの間におけるクラック(割れ)の発生を防止することができる。その結果、機械的強度の向上が図られることと相俟って、中心電極と貴金属チップとの間の接合強度を十分に確保することができ、貴金属チップの脱落防止を図ることができる。
併せて、本構成1によれば、溶融部のうち軸線に沿った長さがA/1.5となる部位が、貴金属チップの外周面からB/4だけ内側に入った位置よりも径方向外側に位置するように構成されている。すなわち、溶融部は、その外表面から内側(軸線側)に向かって、径方向外側の部分において比較的急激に軸線に沿った長さが減少する一方で、径方向内側に位置する部分では、軸線に沿った長さの減少量が比較的小さくなるように形成されている。従って、溶融部のうち径方向内側に位置する部位について、比較的薄い状態を維持したまま、溶融部を中心(軸線)側へと至らせることができる。そのため、上述のように比較的大きな領域に亘って溶融部を形成したとしても、溶融部のボリュームについては比較的小さなものとすることができる。これにより、貴金属チップのうち接合時に溶融してしまう部分を減少させることができ、貴金属チップとして比較的薄いものを用いたとしても、接合後における貴金属チップが十分な厚さ(体積)を有するものとなる。その結果、製造コストの増大を抑制しつつ、耐消耗性の向上を図ることができる。
尚、溶融部のボリュームをより減少させ、耐消耗性等の更なる向上を図るという観点からは、溶融部のうち軸線に沿った長さがA/1.5となる部位が、貴金属チップの外周面からB/5だけ内側に入った位置よりも径方向外側に位置するように溶融部を構成することが好ましく、溶融部のうち軸線に沿った長さがA/1.5となる部位が、貴金属チップの外周面からB/6だけ内側に入った位置よりも径方向外側に位置するように溶融部を構成することがより一層好ましい。
構成2.本構成のスパークプラグは、上記構成1において、前記中心電極は、自身の内部に自身の外周部分よりも熱伝導性の高い材質からなる放熱促進部を有し、
前記放熱促進部から前記溶融部までの最短距離をC(mm)としたとき、
C≦2.0を満たすことを特徴とする。
上記構成2によれば、溶融部から放熱促進部までの最短距離Cが2.0mm以下とされる。そのため、溶融部の熱及び溶融部に隣接する貴金属チップの熱を熱伝導性に優れた放熱促進部へと効率的に伝達することができる。その結果、貴金属チップの過熱をより確実に防止することができ、耐消耗性のより一層の向上を図ることができる。
構成3.本構成のスパークプラグは、軸線方向に延びる棒状の中心電極と、
前記中心電極の外周に設けられた絶縁体と、
前記絶縁体の外周に設けられた主体金具と、
前記主体金具の先端部から延びる接地電極と、
前記接地電極の先端部に設けられた突部に接合され、前記中心電極との間で間隙を形成する貴金属チップとを有し、
前記突部と前記貴金属チップとは、前記突部の成分と前記貴金属チップの成分とが溶融された溶融部を介して接合されてなるスパークプラグであって、
前記貴金属チップと前記突部との境界面の面積は、前記貴金属チップの外表面のうち前記溶融部に最も近い部位における前記貴金属チップの軸方向に直交する方向に沿った前記貴金属チップの断面積に対して5%以下とされ、
前記軸線を含む断面において、
前記溶融部のうち外表面に露出する部位の前記貴金属チップの軸方向に沿った長さをA(mm)とし、前記貴金属チップの幅をB(mm)としたとき、
A≦0.6、及び、B/A≦6を満たすとともに、
前記溶融部のうち前記貴金属チップの軸方向に沿った長さがA/1.5となる部位が、前記溶融部の外周面からB/4だけ内側に入った位置よりも径方向外側に位置することを特徴とする。
上記構成3によれば、中心電極と貴金属チップとの関係において奏される上記構成1による作用効果が、接地電極の突部に貴金属チップを接合する場合における、突部と貴金属チップとの関係において奏されることとなる。
構成4.本構成のスパークプラグは、上記構成1乃至3のいずれかにおいて、A≦0.4を満たすことを特徴とする。
上記構成4によれば、溶融部の外表面の軸線に沿った長さが0.4mm以下と小さなものとされるため、溶融部のボリュームをより減少させることができる。従って、接合後における貴金属チップについてより一層の厚さを確保することができ、耐消耗性の更なる向上を図ることができる。
構成5.本構成のスパークプラグは、上記構成1乃至4のいずれかにおいて、前記貴金属チップの軸上における、前記貴金属チップの前記間隙を形成する面から前記境界面又は前記溶融部の中心までの長さをD(mm)としたとき、
0.1≦D−(A/2)≦0.6を満たすことを特徴とする。
上記構成5によれば、D−(A/2)を0.1mm以上とすることで、貴金属チップの厚さを十分に確保することができ、耐消耗性の一層の向上を図ることができる。
また、D−(A/2)を0.6mm以下とすることで、貴金属チップが過度に厚くなってしまうことを防止できる。その結果、使用時における貴金属チップの過熱をより確実に防止することができ、一層優れた耐消耗性の実現を図ることができる。
構成6.本構成のスパークプラグは、上記構成1乃至5のいずれかにおいて、前記貴金属チップの軸上における、前記貴金属チップの前記間隙を形成する面から前記境界面又は前記溶融部の中心までの長さをD(mm)としたとき、
0.3≦D≦0.5を満たすことを特徴とする。
上記構成6によれば、0.3≦Dとされることで、耐消耗性に優れる貴金属チップが十分な厚さを有するものとなる。一方で、D≦0.5を満たすため、貴金属チップのボリュームが過大となってしまうことを抑制でき、ひいては貴金属チップの過熱をより確実に防止することができる。従って、これらの効果が相乗的に作用することにより、耐消耗性のより一層の向上を図ることができる。
構成7.本構成のスパークプラグは、上記構成1乃至6のいずれかにおいて、前記貴金属チップの軸上における前記溶融部の厚さをE(mm)としたとき、
E>0.0を満たすことを特徴とする。
上記構成7によれば、貴金属チップの中心軸上における溶融部の厚さEが0.0mmよりも大きく、換言すれば、中心電極(又は突部)及び貴金属チップとの間の全域に亘って溶融部が形成されている。従って、中心電極に対して貴金属チップをより強固に接合することができるとともに、中心電極(突部)と貴金属チップとの間で生じる応力差を溶融部によってより確実に吸収することができる。その結果、中心電極(突部)と貴金属チップとの間の接合強度の更なる向上を図ることができ、貴金属チップの耐剥離性を一層向上させることができる。
構成8.本構成のスパークプラグは、上記構成6又は7のいずれかにおいて、前記軸線を含む断面において、
前記溶融部のうち、前記貴金属チップの中心軸に直交するとともに前記溶融部の前記貴金属チップの軸方向中央部分を通る直線よりも前記貴金属チップ側に位置する部位の断面積をX(mm2)とし、
前記貴金属チップの断面積をY(mm2)としたとき、
0.025≦X/(X+Y)≦0.50を満たすことを特徴とする。
上記構成8によれば、貴金属チップのボリュームと溶融部のボリュームとの関係において、0.025≦X/(X+Y)を満たす(つまり、貴金属チップのボリュームに対して溶融部のボリュームを十分に大きなものとする)ことで、貴金属チップの接合強度をより一層向上させることができる。一方で、X/(X+Y)≦0.50を満たす(つまり、溶融部のボリュームに対して貴金属チップのボリュームが過大となってしまうことを防止する)ことで、貴金属チップの過熱をより確実に抑制することができ、ひいては耐消耗性の更なる向上を図ることができる。
第1実施形態におけるスパークプラグの構成を示す一部破断正面図である。 第1実施形態におけるスパークプラグ先端部の構成を示す一部破断拡大正面図である。 第1実施形態における溶融部等の構成を示す部分拡大断面模式図である。 第1実施形態における溶融部及び貴金属チップの断面積等を示す部分拡大断面模式図である。 第2実施形態におけるスパークプラグの構成を示す一部破断正面図である。 第2実施形態におけるスパークプラグ先端部の構成を示す一部破断拡大正面図である。 第2実施形態における溶融部等の構成を示す部分拡大断面模式図である。 第2実施形態における溶融部及び貴金属チップの断面積等を示す部分拡大断面模式図である。 境界面割合を5%又は10%としたサンプルについて、B/Aと酸化スケール割合との関係を示すグラフである。 A/1.5の形成位置と間隙増加量との関係を示すグラフである。 D−(A/2)の値と間隙増加量との関係を示すグラフである。 距離Dと間隙増加量との関係を示すグラフである。 X/(X+Y)の値と間隙増加量との関係を示すグラフである。 溶融部及び放熱促進部間の最短距離Cと間隙増加量との関係を示すグラフである。 別形状の溶融部を示す部分拡大断面図である。 別の実施形態における、中心電極先端部の構成等を示す部分拡大断面図である。 別の実施形態における、スパークプラグの構成を示す拡大正面図である。
〔第1実施形態〕
以下に、実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1は、スパークプラグ1を示す一部破断正面図である。尚、図1では、スパークプラグ1の軸線CL1方向を図面における上下方向とし、下側をスパークプラグ1の先端側、上側を後端側として説明する。
スパークプラグ1は、筒状をなす絶縁体としての絶縁碍子2、これを保持する筒状の主体金具3などから構成されるものである。
絶縁碍子2は、周知のようにアルミナ等を焼成して形成されており、その外形部において、後端側に形成された後端側胴部10と、当該後端側胴部10よりも先端側において径方向外向きに突出形成された大径部11と、当該大径部11よりも先端側においてこれよりも細径に形成された中胴部12と、当該中胴部12よりも先端側においてこれよりも細径に形成された脚長部13とを備えている。加えて、絶縁碍子2のうち、大径部11、中胴部12、及び、大部分の脚長部13は、主体金具3の内部に収容されている。そして、脚長部13と中胴部12との連接部にはテーパ状の段部14が形成されており、当該段部14にて絶縁碍子2が主体金具3に係止されている。
さらに、絶縁碍子2には、軸線CL1に沿って軸孔4が貫通形成されており、当該軸孔4の先端側には中心電極5が挿入、固定されている。当該中心電極5は、全体として棒状(円柱状)をなし、絶縁碍子2の先端から突出している。また、中心電極5は、ニッケル(Ni)を主成分とするNi合金からなる外層5Bと、前記Ni合金よりも熱伝導性の高い銅、銅合金又は純Niからなる放熱促進部としての内層5Aとを備えている。さらに、円柱状をなす前記中心電極5の先端部には、貴金属合金(例えば、イリジウム合金)により形成された円柱状の貴金属チップ31が溶融部35を介して接合されている(溶融部35等については、後に詳述する)。尚、本実施形態において、貴金属チップ31の中心軸と前記軸線CL1とが一致するように、中心電極5に対して貴金属チップ31が接合されている。また、貴金属チップ31の外径は、比較的小径(例えば、0.7mm)とされている。
また、軸孔4の後端側には、絶縁碍子2の後端から突出した状態で端子電極6が挿入、固定されている。
さらに、軸孔4の中心電極5と端子電極6との間には、円柱状の抵抗体7が配設されている。当該抵抗体7の両端部は、導電性のガラスシール層8,9を介して、中心電極5と端子電極6とにそれぞれ電気的に接続されている。
加えて、主体金具3は、低炭素鋼等の金属により筒状に形成されており、その外周面にはスパークプラグ1を内燃機関や燃料電池改質器等の燃焼装置に取付けるためのねじ部(雄ねじ部)15が形成されている。また、ねじ部15の後端側の外周面には座部16が形成され、ねじ部15後端のねじ首17にはリング状のガスケット18が嵌め込まれている。さらに、主体金具3の後端側には、スパークプラグ1を内燃機関等に取付ける際にレンチ等の工具を係合させるための断面六角形状の工具係合部19が設けられるとともに、後端部において絶縁碍子2を保持するための加締め部20が設けられている。
また、主体金具3の内周面には、絶縁碍子2を係止するためのテーパ状の段部21が設けられている。そして、絶縁碍子2は、主体金具3の後端側から先端側に向かって挿入され、自身の段部14が主体金具3の段部21に係止された状態で、主体金具3の後端側の開口部を径方向内側に加締めること、つまり上記加締め部20を形成することによって固定される。尚、絶縁碍子2及び主体金具3双方の段部14,21間には、円環状の板パッキン22が介在されている。これにより、燃焼室内の気密性を保持し、燃焼室内に晒される絶縁碍子2の脚長部13と主体金具3の内周面との間の空間に入り込む燃料空気が外部に漏れないようになっている。
さらに、加締めによる密閉をより完全なものとするため、主体金具3の後端側においては、主体金具3と絶縁碍子2との間に環状のリング部材23,24が介在され、リング部材23,24間にはタルク(滑石)25の粉末が充填されている。すなわち、主体金具3は、板パッキン22、リング部材23,24及びタルク25を介して絶縁碍子2を保持している。
また、主体金具3の先端部26には、略中間部分が曲げ返されて、その先端側側面が中心電極5の先端部と対向する接地電極27が接合されている。当該接地電極27は、外層27A及び内層27Bからなる2層構造となっている。本実施形態において、前記外層27AはNi合金〔例えば、インコネル600やインコネル601(いずれも登録商標)〕によって構成されている。一方、前記内層27Bは、前記Ni合金よりも良熱導電性金属である銅合金等によって構成されている。
加えて、前記接地電極27のうち前記貴金属チップ31の先端面と対向する部位には、貴金属合金(例えば、Pt合金等)により形成された円柱状の貴金属チップ32が接合されている。そして、前記貴金属チップ31,32間には、間隙としての火花放電間隙33が形成され、軸線CL1方向にほぼ沿った方向で火花放電が行われるようになっている。
さらに、本実施形態において、前記溶融部35は、ファイバーレーザー又は電子ビームを用いたレーザー溶接により中心電極5の金属成分と貴金属チップ31の金属成分とを溶融させることで形成されている(溶融部35の形成手法については後述する)。また、本実施形態では、図2及び図3に示すように、中心電極5及び貴金属チップ31は直接接触することなく(換言すれば、貴金属チップ31と中心電極5との間に境界面が形成されることなく)、溶融部35を介して両者は接合されている。尚、図15に示すように、貴金属チップ31と中心電極5との間に、両者が直接接触する境界面Boが形成されるように溶融部351を形成することとしてもよい。但し、この場合には、貴金属チップ31と中心電極5との境界面Boの面積が、貴金属チップ31の外表面のうち溶融部351に最も近い部位における、軸線CL1に直交する方向に沿った貴金属チップ31の断面積に対して5%以下とされる。換言すれば、溶融部351形成前における中心電極5と貴金属チップ31との接触領域のうち、95%以上の領域に亘って溶融部351が形成される。
図3に戻り、軸線CL1を含む断面において、溶融部35のうち外表面に露出する部位の軸線CL1に沿った長さをA1(mm)とし、貴金属チップ31の幅(「軸線CL1と直交する方向に沿った貴金属チップ31の長さ」をいう)をB1(mm)としたとき、B1/A1≦6となるように、溶融部35及び貴金属チップ31の大きさが設定されている。
また、前記長さA1については、A1≦0.6を満たすように、つまり、溶融部35が過度に大きくなりすぎないように溶融部35のうち外表面に表れる部位の大きさ(いわゆるビード径に相当する)が比較的小さくされている。
加えて、軸線CL1を含む断面において、溶融部35のうち軸線CL1に沿った長さがA1/1.5となる部位が、貴金属チップ31の外周面からB1/4だけ内側に入った位置よりも径方向外側に位置している。すなわち、溶融部35は、その外表面から内側(軸線CL1側)に向かって、径方向外側(溶融部35の外周面と貴金属チップ31の外周面からB1/4だけ内側に入った位置との間)の部分では比較的急激に軸線CL1に沿った長さが減少する一方で、径方向内側に位置する部分では、軸線CL1に沿った長さの減少量が比較的小さくなるように形成されている。そのため、本実施形態においては、軸線CL1を含む断面において、溶融部35における、貴金属チップ31との境界面、及び、中心電極5との境界面が、それぞれ溶融部35の外周側に向けて凹状をなす湾曲状とされている。
また、前記中心電極5の内部に設けられた内層5Aと、溶融部35までの最短距離をC1(mm)としたとき、0<C1≦2.0を満たすように、すなわち、内層5A及び溶融部35間の距離が比較的小さくなるように中心電極5内における内層5Aの形成位置が設定されている。
さらに、前記軸線CL1上(貴金属チップ31の中心軸上)における、貴金属チップ31のうち火花放電間隙33を形成する面(先端面)から、溶融部35の中心CW1までの長さをD1(mm)としたとき、0.1≦D1−(A1/2)≦0.6、及び、0.3≦D1≦0.5を満たすように、貴金属チップ31の軸線CL1方向に沿った長さ(厚さ)が設定されている。尚、貴金属チップ31と中心電極5との間に境界面Boが形成される場合、前記長さD1は、軸線CL1上(貴金属チップ31の中心軸上)における、貴金属チップ31のうち火花放電間隙33を形成する面(先端面)から、前記境界面Boまでの距離を意味する。
加えて、本実施形態では、上述の通り、中心電極5及び貴金属チップ31が直接接触してはいないため、両者の間には境界面が形成されていない。そのため、軸線CL1(貴金属チップ31の中心軸)における溶融部35の厚さE1(mm)については、E1>0.0を満たすものとされている。
併せて、図4に示すように、軸線CL1を含む断面において、前記溶融部35のうち、軸線CL1に直交するとともに溶融部35の軸線CL1方向中央部分(中心CW1)を通る直線L1よりも貴金属チップ31側に位置する部位(図4中、斜線を付した部位)の断面積をX1(mm2)とし、貴金属チップ31(図4中、散点模様を付した部位)の断面積をY1(mm2)としたとき、0.025≦X1/(X1+Y1)≦0.50を満たすように、溶融部35や貴金属チップ31の形状等が設定されている。
次に、上記のように構成されてなるスパークプラグ1の製造方法について説明する。まず、主体金具3を予め加工しておく。すなわち、円柱状の金属素材(例えば、鉄系素材やステンレス素材)に対して冷間鍛造加工により貫通孔を形成し、概形を製造する。その後、切削加工を施すことで外形を整え、主体金具中間体を得る。
続いて、主体金具中間体の先端面に、Ni合金等からなる直棒状の接地電極27が抵抗溶接される。当該溶接に際してはいわゆる「ダレ」が生じるので、その「ダレ」を除去した後、主体金具中間体の所定部位にねじ部15が転造によって形成される。これにより、接地電極27の溶接された主体金具3が得られる。また、接地電極27の溶接された主体金具3には、亜鉛メッキ或いはニッケルメッキが施される。尚、耐食性向上を図るべく、その表面に、さらにクロメート処理が施されることとしてもよい。
一方、前記主体金具3とは別に、絶縁碍子2を成形加工しておく。例えば、アルミナを主体としバインダ等を含む原料粉末を用いて、成型用素地造粒物を調製するとともに、当該成型用素地造粒物を用いてラバープレス成形を行うことで、筒状の成形体が得られる。そして、得られた成形体に対し、研削加工が施され整形されるとともに、整形されたものが焼成炉で焼成されることにより、絶縁碍子2が得られる。
また、前記主体金具3、絶縁碍子2とは別に、中心電極5を製造しておく。すなわち、中央部に放熱性向上を図るための銅合金等を配置したNi合金を鍛造加工して中心電極5を作製する。次いで、中心電極5の先端部に対して貴金属チップ31がレーザー溶接により設けられる。
より詳しくは、中心電極5(外層5B)の先端面上に円柱状の貴金属チップ31の基端面を載置した状態で、所定の押さえピンにより貴金属チップ31を支持しつつ、中心電極5等を軸線CL1を回転軸として回転させながら、中心電極5及び貴金属チップ31の接触面の外周に対して間欠的にファイバーレーザー又は電子ビーム等の高エネルギーレーザービームを照射する。これにより、複数の溶融領域が周方向に連なってなる溶融部35が形成され、中心電極5の先端部に貴金属チップ31が接合される。ここで、本実施形態におけるレーザービームの照射条件について詳述すると、1つの溶融領域を形成するに当たり、所定のレーザー光源から300Wで、約5msに亘ってレーザービームが照射されるようになっている。尚、貴金属チップ31の外径や貴金属チップ31等を構成する材料が異なる場合には、レーザービームの出力や照射時間、中心電極5等の回転速度、或いは、レーザービームの打ち方〔レーザーを連続波とするか、断続波(パルス)とするか等〕を適宜調整することにより、上述した構成の溶融部35を形成することができる。
次に、上記のようにして得られた絶縁碍子2及び中心電極5と、抵抗体7と、端子電極6とが、ガラスシール層8,9によって封着固定される。ガラスシール層8,9としては、一般的にホウ珪酸ガラスと金属粉末とが混合されて調製されており、当該調製されたものが抵抗体7を挟むようにして絶縁碍子2の軸孔4内に注入された後、後方から前記端子電極6で押圧しつつ、焼成炉内にて加熱することにより焼き固められる。尚、このとき、絶縁碍子2の後端側胴部10表面には釉薬層が同時に焼成されることとしてもよいし、事前に釉薬層が形成されることとしてもよい。
その後、上記のようにそれぞれ作製された中心電極5及び端子電極6を備える絶縁碍子2と、接地電極27を備える主体金具3とが組付けられる。より詳しくは、比較的薄肉に形成された主体金具3の後端側の開口部を径方向内側に加締めること、つまり上記加締め部20を形成することによって固定される。
次いで、メッキ除去を施した接地電極27の先端部に貴金属チップ32が抵抗溶接やレーザー溶接により接合される。そして最後に、接地電極27の中間部分を中心電極5側に屈曲させるとともに、貴金属チップ31,32間の火花放電間隙33の大きさを調整する加工が実施されることで、スパークプラグ1が得られる。
以上詳述したように、本実施形態によれば、貴金属チップ31と中心電極5との境界面の面積が、貴金属チップ31の軸線(軸線CL1)と直交する方向に沿った貴金属チップ31の断面積の5%以下とされる。すなわち、溶融部35形成前における中心電極5と貴金属チップ31との接触領域のうち、95%以上の領域に亘って溶融部35が形成される。従って、中心電極5に対して貴金属チップ31が強固に接合されることとなり、振動等に対する機械的強度の向上を図ることができる。
さらに、95%以上の領域に亘って溶融部35が形成されるとともに、溶融部35のうち外表面に露出する部位の前記軸線CL1に沿った長さをA1とし、貴金属チップ31の幅をB1としたとき、B1/A1≦6を満たすように溶融部35が形成される。そのため、使用時において中心電極5と貴金属チップ31との熱膨張係数の差により生じる応力差を、比較的大きな領域に亘って十分な厚さをもって形成された溶融部35により吸収することができ、中心電極5と貴金属チップ31との間におけるクラック(割れ)の発生を防止することができる。その結果、機械的強度の向上が図られることと相俟って、中心電極5と貴金属チップ31との間の接合強度を十分に確保することができ、貴金属チップ31の耐剥離性を向上させることができる。
さらに、本実施形態によれば、溶融部35のうち軸線CL1に沿った長さがA1/1.5となる部位が、貴金属チップ31の外周面からB1/4だけ内側に入った位置よりも径方向外側に位置するように構成されている。従って、溶融35部のうち径方向内側に位置する部位について、比較的薄い状態を維持したまま、溶融部35を中心(軸線)側へと至らせることができる。そのため、上述のように比較的大きな領域に亘って溶融部35を形成したとしても、溶融部35のボリュームについては比較的小さなものとすることができる。これにより、貴金属チップ31のうち接合時に溶融してしまう部分を減少させることができ、貴金属チップ31として比較的薄いものを用いたとしても、接合後における貴金属チップ31が十分な厚さ(体積)を有するものとなる。その結果、製造コストを抑制しつつ、優れた耐消耗性を実現することができる。
加えて、溶融部35から内層5Aまでの最短距離C1が2.0mm以下とされるため、溶融部35の熱及び貴金属チップ31の熱を熱伝導性に優れた内層5Aへと効率的に伝達することができる。その結果、貴金属チップ31の過熱をより確実に防止することができ、耐消耗性のより一層の向上を図ることができる。
併せて、溶融部35の外表面の軸線CL1に沿った長さが0.4mm以下と小さなものとされるため、溶融部35のボリュームをより減少させることができる。従って、接合後における貴金属チップ31の厚さをより一層確保することができ、耐消耗性の更なる向上を図ることができる。
また、D1−(A1/2)が0.1mm以上とされることで、貴金属チップ31の厚さを十分に確保することができ、耐消耗性の一層の向上を図ることができる。一方で、D1−(A1/2)を0.6mm以下とすることで、貴金属チップ31が過度に厚くなってしまうことを防止でき、貴金属チップ31が過熱されることに伴う耐消耗性の低下をより確実に防止することができる。
さらに、0.3≦D1≦0.5とされることで、貴金属チップ31の過熱を防止しつつ、貴金属チップ31が十分な厚さを有するものとなる。そのため、耐消耗性のより一層の向上を図ることができる。
加えて、本実施形態によれば、貴金属チップ31の中心軸上における溶融部35の厚さE1が0mmよりも大きく、換言すれば、中心電極5及び貴金属チップ31との間の全域に亘って溶融部35が形成されている。これにより、中心電極5と貴金属チップ31との間の接合強度の更なる向上を図ることができ、貴金属チップ31の耐剥離性を一層向上させることができる。
併せて、貴金属チップ31のボリュームと溶融部35のボリュームとの関係において、0.025≦X1/(X1+Y1)≦0.50を満たすように両者の大きさが設定されるため、貴金属チップ31の過熱をより確実に抑制することができ、更なる耐消耗性の向上を図ることができる。
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態について、特に上記第1実施形態との相違点を中心に説明する。本第2実施形態において、スパークプラグ1Aは、図5に示すように、上記第1実施形態と同様に、絶縁碍子2、主体金具3、中心電極5、接地電極37等を備えているが、接地電極37の先端部には、Ni合金からなり、中心電極5側へと突出する突部38が接合されている。そして、当該突部38の先端部に対して溶融部46を介して貴金属チップ42が接合されている。尚、接合にあたっては、貴金属チップ42の中心軸と軸線CL1とが一致するように、突部38に対して貴金属チップ42が接合されている。また、貴金属チップ42の外径は、比較的小径(例えば、0.7mm)とされている。
前記溶融部46は、突部38の金属成分(Ni合金)と貴金属チップ42の金属成分(例えば、白金合金)とが溶融することで形成されている。また、図6及び図7に示すように、貴金属チップ42と突部38との境界面の面積は、貴金属チップ42の外表面のうち溶融部46に最も近い部位における貴金属チップ42の軸方向に直交する貴金属チップ42の断面積に対して5%以下とされている。尚、本第2実施形態では、貴金属チップ42及び突部38間の全域にわたって溶融部46が形成されているため、貴金属チップ42と突部38との間に境界面が存在していない。すなわち、貴金属チップ42の軸方向に直交する貴金属チップ42の断面積に対する前記境界面の面積の割合は0%とされており、また、貴金属チップ42の軸上における溶融部46の厚さE2は0.0mmより大きくされている。
また、軸線CL1を含む断面において、溶融部46のうち外表面に露出する部位の貴金属チップ42の軸方向に沿った長さをA2(mm)とし、前記貴金属チップ42の幅(「貴金属チップ42の中心軸と直交する方向に沿った貴金属チップ42の長さ」をいう)をB2(mm)としたとき、B2/A2≦6を満たすように構成されている。さらに、溶融部46のうち貴金属チップ42の軸方向に沿った長さがA2/1.5となる部位が、溶融部46の外周面からB2/4だけ内側に入った位置よりも径方向外側に位置している。加えて、前記長さA2は0.4mm以下とされている。
併せて、貴金属チップ42の軸上における、貴金属チップ42の火花放電間隙33を形成する面から前記溶融部46の中心CW2までの長さをD2(mm)としたとき、0.1≦D2−(A2/2)≦0.6、及び、0.3≦D2≦0.5を満たすように長さD2が設定されている。
さらに、図8に示すように、軸線CL1を含む断面において、溶融部46のうち、貴金属チップ42の中心軸に直交するとともに溶融部46の貴金属チップ42の軸方向中央部分(中心CW2)を通る直線L2よりも貴金属チップ42側に位置する部位(図8中、斜線を付した部位)の断面積をX2(mm2)とし、貴金属チップ42(図8中、散点模様を付した部位)の断面積をY2(mm2)としたとき、0.025≦X2/(X2+Y2)≦0.50を満たすように、溶融部46や貴金属チップ42の大きさ等が設定されている。
次に、上記のように構成されてなるスパークプラグ1Aの製造方法について、特に接地電極37への突部38の接合方法、及び、突部38への貴金属チップ42の接合方法を説明する。
接地電極37に突部38を接合するにあたっては、まず、断面略台形状をなし、Ni合金からなる突部38と貴金属チップ42とをレーザー溶接する。すなわち、突部38の一端面に貴金属チップ42の端面を重ね合わせた状態で、両者を保持しつつ、突部38の中心軸を回転軸として突部38等を回転させながら、突部38及び貴金属チップ42の接触面の外周に対して間欠的にファイバーレーザー又は電子ビーム等の高エネルギーレーザービームを照射する。このとき、1つの溶融領域を形成するに当たり、所定のレーザー光源から300Wで、約5msに亘ってレーザービームが照射される。これにより、複数の溶融領域が周方向に連なってなる溶融部46が形成され、突部38に貴金属チップ42が接合される。尚、貴金属チップ42の外径や貴金属チップ42等を構成する材料が異なる場合には、レーザービームの出力や照射時間、突部38等の回転速度、或いは、レーザービームの打ち方〔レーザーを連続波とするか、断続波(パルス)とするか等〕を変更することにより、上述した構成の溶融部46を形成することができる。
次いで、貴金属チップ42が接合された突部38を接地電極37に接合する。すなわち、直棒状の接地電極37に対して、前記突部38を載置する。そして、所定の抵抗溶接装置の溶接電極棒(ともに図示せず)を突部38の側面部(テーパ部)に押し当てた上で、前記溶接電極棒から突部38側へと電流を印加する。これにより、接地電極37及び突部38の接触部分が溶融し、接地電極37に対して突部38が抵抗溶接される。
尚、本実施形態では、突部38として断面略台形状のものを示しているが、突部38としては、例えば、略円柱状をなし、一端部が鍔状に膨出するものを用いることとしてもよい。この場合には、抵抗溶接をするにあたって、前記鍔状部分に対して溶接電極棒を押し当て通電することで、接地電極37に突部38を接合することができる。
以上、本第2実施形態によれば、中心電極5と貴金属チップ31との関係において奏される上記第1実施形態による作用効果が、接地電極37の突部38に貴金属チップ42を接合する場合における、突部38と貴金属チップ42との関係において奏されることとなる。
〔試験による確認〕
次に、上記実施形態によって奏される作用効果を確認すべく、中心電極に対する貴金属チップの溶接条件を変更することで、貴金属チップの外表面のうち溶融部に最も近い部位における貴金属チップの軸方向に直交する貴金属チップの断面積に対する、貴金属チップ及び中心電極の境界面の面積の割合(境界面割合)を5%又は10%とした上で、溶融部のうち外表面に露出する部位の貴金属チップの軸方向に沿った長さA(mm)に対する貴金属チップの幅B(mm)の割合(B/A)を種々変更したスパークプラグのサンプルを作製し、各サンプルについて机上バーナー試験を行った。
尚、机上バーナー試験の概要は、次の通りである。すなわち、サンプルに対して、貴金属チップの温度が900℃となるようバーナーで2分間加熱後、1分間徐冷することを1サイクルとして1000サイクル実施し、1000サイクル終了後にサンプル断面を観察することで、溶融部と中心電極及び貴金属チップとの境界面の長さに対する、当該境界面において形成された酸化スケールの長さの割合(酸化スケール割合)を計測した。図9に、境界面割合を5%又は10%としたサンプルについて、B/A及び酸化スケール割合の関係を示す。尚、図9においては、境界面割合を5%としたサンプルの試験結果を黒丸(●)でプロットし、境界面割合を10%としたサンプルの試験結果をバツ印(×)でプロットした。また、貴金属チップとしては、0.7mmの外径を有するものを用いた。
図9に示すように、境界面割合を10%としたサンプルは、酸化スケール割合が50%を超えてしまい、中心電極に対する貴金属チップの接合強度が不十分となってしまうことが明らかとなった。これは、中心電極と貴金属チップとが直接接触する領域が比較的大きかった(換言すれば、溶融部のボリュームが比較的小さかった)ため、中心電極及び貴金属チップ間で生じる熱応力差を溶融部が十分に吸収できず、その結果、酸化スケールの発生を十分に防止できなかったためであると考えられる。
さらに、B/Aが6を超えるサンプルについても、酸化スケール割合が50%を超えてしまうことがわかった。これは、貴金属チップに対して溶融部が比較的薄いものとなってしまった結果、中心電極及び貴金属チップ間で生じる熱応力差を十分に吸収できなかったことに起因すると考えられる。
一方で、境界面割合を5%以下とし、かつ、B/A≦6としたサンプルは、酸化スケール割合が50%を下回り、貴金属チップが中心電極に対して強固に接合され、中心電極からの貴金属チップの剥離をより確実に防止できることがわかった。
次いで、長さAを0.4mm又は0.6mmとした上で、溶融部のうち軸線に沿った長さがA/1.5となる部位を、貴金属チップの外周面から内側に向けて、B/6、B/5、B/4、B/3、又は、B/2.5の位置にそれぞれ形成したスパークプラグのサンプルを作製し、各サンプルについて机上火花試験を行った。
尚、机上火花試験の概要は次の通りである。すなわち、サンプルへの印加電圧の周波数を60Hzとした上で(つまり、1分当たり3600回の放電が行われるようにした上で)、各サンプルを100時間に亘って放電させた。そして、100時間経過後に、各サンプルの火花放電間隙の増加量(間隙増加量)を測定した。図10に、A/1.5となる部位の貴金属チップの外周面からの形成位置(A/1.5の形成位置)、及び、間隙増加量の関係を示す。尚、図10においては、Aを0.6mmとしたサンプルの試験結果を黒丸(●)でプロットし、Aを0.4mmとしたサンプルの試験結果を黒四角(■)でプロットした。また、貴金属チップとしては、外径0.7mm、高さ(厚さ)0.3mmのものを用いた。
図10に示すように、溶融部のうちA/1.5となる部位の形成位置を、貴金属チップの外周面からB/4よりも径方向外側にしたサンプル(つまり、A/1.5の形成位置をB/6,B/5、又は、B/4としたサンプル)は、間隙増加量が0.1mm未満となり、優れた耐消耗性を有することがわかった。これは、A/1.5の形成位置を貴金属チップの外周面からB/4だけ内側に入った位置よりも径方向外側にしたことで、溶融部の形状を比較的薄くすることができ、ひいては貴金属チップの接合時に貴金属チップが過度に溶融されることなく、接合後における貴金属チップの肉厚を十分に確保できたためであると考えられる。
また、Aを0.4mm以下としたサンプルは、Aを0.6mmとしたサンプルと比較して、より優れた耐消耗性を有することが確認された。これは、Aを0.4mm以下としたことで、接合後における貴金属チップについてより一層の厚さを確保できたためであると考えられる。
以上、両試験の結果を総合的に勘案すると、耐消耗性及び接合強度の双方を向上させるためには、境界面割合を5%以下とするとともに、A≦0.6、及び、B/A≦6を満たし、さらに、溶融部のうちA/1.5となる部位の形成位置を貴金属チップの外周面からB/4よりも径方向外側とすることが好ましいといえる。
また、耐消耗性の更なる向上を図るという観点からは、Aが0.4mm以下となるように溶融部を形成することが望ましいといえる。
次いで、溶融部の長さAを0.4mmとした上で、貴金属チップのうち火花放電間隙を形成する面から溶融部の中心までの長さDを変更することにより、D−(A/2)の値を種々変更したスパークプラグのサンプルを作製し、各サンプルについて耐久性評価試験を行った。
尚、耐久性評価試験の概要は次の通りである。すなわち、排気量2000ccの4気筒エンジンに、作製したサンプルを組付けた上で、中心電極先端部の維持目標温度を800℃として、全開状態(回転量=5000rpm)で100時間に亘ってエンジンを動作させた。そして、100時間経過後、各サンプルの火花放電間隙の増加量(間隙増加量)を測定した。図11に、D−(A/2)の値と間隙増加量との関係を示す。尚、貴金属チップとしては、0.7mmの外径を有するものを用いた。
図11に示すように、D−(A/2)を0.1mm未満としたサンプル、すなわち、溶融部から貴金属チップの先端面(放電面)までの距離を比較的小さくしたサンプルは、間隙増加量が0.1mmを超えてしまい、耐消耗性にやや劣ることが明らかとなった。これは、貴金属チップのボリュームが減少してしまったため、溶融部が比較的早い段階で放電面に露出してしまったことによると考えられる。また、D−(A/2)を0.6mmよりも大きくしたサンプル、すなわち、溶融部から貴金属チップの先端面までの距離を比較的大きくしたサンプルについても、耐消耗性にやや劣ることがわかった。これは、貴金属チップのボリュームが大きくなりすぎたために、貴金属チップの熱が引かれにくくなってしまい、貴金属チップが過熱されてしまったことに起因すると考えられる。
一方で、0.1mm≦D−(A/2)≦0.6mmを満たすサンプルは、間隙増加量が0.1mm未満となり、極めて優れた耐消耗性を有することがわかった。また特に、0.2mm≦D−(A/2)≦0.5mmを満たすサンプルは、間隙増加量の一層の低減が図られ、より一層優れた耐消耗性を実現できることが明らかとなった。従って、耐消耗性の一層の向上を図るためには、0.1mm≦D−(A/2)≦0.6mmを満たすように溶融部等を形成することが好ましく、0.2mm≦D−(A/2)≦0.5mmを満たすように溶融部等を形成することがより一層好ましいといえる。
次に、高さ(厚さ)の異なる複数の貴金属チップを用いて、前記長さDを種々変更したスパークプラグのサンプルを作製し、各サンプルについて上述の耐久性評価試験を行った。図12に、長さDと間隙増加量との関係を示す。尚、貴金属チップの外径はそれぞれ0.7mmとし、また、溶融部の長さAが0.4mmとなるように貴金属チップの溶接を行った。
図12に示すように、0.3mm≦D≦0.5mmを満たすサンプルは、間隙増加量が0.08mm程度に低減され、非常に優れた耐消耗性を実現できることが明らかとなった。従って、耐消耗性の一層の向上を図るという観点から、前記長さDについて、0.3mm≦D≦0.5mmを満たすように貴金属チップの厚さ等を設定することが好ましいといえる。
次いで、貴金属チップの溶接条件を種々変更することで、貴金属チップの軸上における溶融部の厚さEを0mm、0.05mm、又は、0.10mmとしたスパークプラグのサンプルを複数作製し、各サンプルについて上述の机上バーナー試験を行った。そして、形成された酸化スケールの長さを測定し、酸化スケール割合が30%以下であった場合には、優れた接合強度を有するとして「◎」の評価を下し、酸化スケールが30%より大きく50%以下であった場合には、十分な接合強度を有するとして「○」の評価を下すこととした。表1に、溶融部厚さE、及び、評価を示す。尚、溶融部の厚さEが0mmのサンプルは、貴金属チップの軸上に溶融部が存在しなかったもの(但し、境界面割合は5%以下とされている)を意味する。また、貴金属チップとしては、外径を0.7mmとしたものを用い、さらに、溶融部の長さAが0.4mmとなるように貴金属チップの溶接を行った。
Figure 2011034826
表1に示すように、各サンプルともに優れた接合強度を有していたが、特に、溶融部厚さEを0.05mm又は0.10mmとした(つまり、貴金属チップの軸上に溶融部が存在していた)サンプルは、極めて優れた接合強度を有することが明らかとなった。従って、接合強度のより一層の向上を図るという観点から、貴金属チップの軸上に溶融部を存在させる(E>0.0mmとする)こと、換言すれば、貴金属チップと中心電極との間の全域に亘って溶融部を形成することが好ましいといえる。
次に、溶融部の長さAが0.05mm〜0.4mmとなるように溶接条件を変更することで、軸線を含む断面における、溶融部のうち貴金属チップの中心軸(軸線)に直交するとともに溶融部の軸線方向中央部分を通る直線よりも貴金属チップ側に位置する部位の断面積X(mm2)と、貴金属チップの断面積Y(mm2)とを種々変更したスパークプラグのサンプルを作製し、各サンプルについて上述の机上火花試験、及び、机上バーナー試験を行った。尚、机上バーナー試験においては、上述の評価方法と同様に、酸化スケール割合が30%以下であった場合には「◎」の評価を下し、酸化スケールが30%より大きく50%以下であった場合には「○」の評価を下すこととした。図13に、机上火花試験における、X/(X+Y)の値と間隙増加量との関係を示し、表2に、机上バーナー試験における、X/(X+Y)の値と評価とを示す。尚、貴金属チップとしては、0.7mmの外径を有するものを用いた。
Figure 2011034826
図13に示すように、X/(X+Y)≦0.50としたサンプルは、耐消耗性に優れることが確認された。これは、貴金属チップが十分に大きなボリュームを有し、放電時に消耗可能な貴金属チップの体積が増大したためであると考えられる。さらに、0.025≦X/(X+Y)としたサンプルは、中心電極及び貴金属チップ間の接合強度が極めて優れることがわかった。これは、溶融部が十分なボリュームを有することとなったため、貴金属チップと中心電極との間の熱応力の差をより確実に吸収できたことに起因すると考えられる。
従って、耐消耗性及び接合強度の双方をより一層向上させるためには、0.025≦X/(X+Y)≦0.50を満たすように貴金属チップや溶融部の形状、及び、溶接条件を設定することが望ましいといえる。
次に、中心電極の内部に設けられた内層(放熱促進部)から溶融部までの最短距離C(mm)を種々変更したスパークプラグのサンプルを作製し、各サンプルについて上述の耐久性評価試験を行った。図14に、最短距離Cと、間隙増加量との関係を示す。尚、前記内層は、Ni合金からなる中心電極の外層よりも熱伝導性に優れる金属(例えば、銅や銅合金等)により形成した。また、貴金属チップとしては、外径が0.7mm、溶接前の高さが0.25mmのものを用いた。さらに、溶融部の長さAが0.4mmとなるように中心電極と貴金属チップとを接合した。
図14に示すように、最短距離Cを2.0mmよりも大きくしたサンプルは、間隙増加量が急激に増大してしまうことがわかった。これは、熱引きに優れる内層と溶融部及び貴金属チップとの距離が比較的大きくなってしまったため、溶融部及び貴金属チップの熱が引かれにくくなり、ひいては貴金属チップが過熱されてしまったことに起因すると考えられる。
これに対して、最短距離Cを2.0mm以下としたサンプルは、間隙増加量が0.1mm未満となり、極めて優れた耐消耗性を実現できることが明らかとなった。これは、溶融部及び貴金属チップの熱が効率よく内層へと伝達されることとなり、その結果、貴金属チップの過熱がより確実に防止されたためであると考えられる。
従って、耐消耗性の更なる向上を図るべく、中心電極の内部に熱伝導性に優れる部位(放熱促進部)を設けるとともに、当該放熱促進部と溶融部との最短距離Cを2.0mm以下とすることがより好ましいといえる。
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
(a)上記実施形態では、中心電極5の先端部が円柱状をなしているが、中心電極5の形状はこれに限定されるものではない。従って、図16に示すように、中心電極51の先端部が軸線CL1方向先端側へと先細るテーパ状に形成されていてもよい。
(b)上記実施形態では、火花放電間隙33において軸線CL1にほぼ沿った方向で火花放電が行われるタイプのスパークプラグ1,1Aが記載されているが、本発明の技術思想を適用可能なスパークプラグのタイプはこれに限定されるものではない。従って、図17に示すように、軸線CL1にほぼ直交する方向に沿って火花放電が行われるタイプのスパークプラグ1Bにおいて、接地電極47の先端部に設けられた突部48に溶融部56を介して貴金属チップ52を接合するにあたり、本発明の技術思想を適用することとしてもよい。また、軸線CL1に対して斜め方向に火花放電が行われるタイプのスパークプラグにおいて、本発明の技術思想を適用することとしてもよい。
(c)上記第2実施形態では、接地電極37の先端部に別体の突部38が設けられているが、接地電極を成形加工すること等により接地電極及び突部を一体的に設けることとしてもよい。
(d)上記実施形態では、溶融部35における、貴金属チップ31との境界面、及び、中心電極5との境界面が、それぞれ溶融部35の外周側に向けて凹状をなす湾曲状とされているが、溶融部35の断面形状はこれに限定されるものではない。
(e)上記実施形態では、軸線CL1と貴金属チップ31,42の中心軸とが一致するように構成されているが、軸線CL1に対して貴金属チップ31,42の中心軸をずらした状態で中心電極5や突部38に対して貴金属チップ31,42を接合することとしてもよい。
(f)上記実施形態では、主体金具3の先端部26に、接地電極27等が接合される場合について具体化しているが、主体金具の一部(又は、主体金具に予め溶接してある先端金具の一部)を削り出すようにして接地電極を形成する場合についても適用可能である(例えば、特開2006−236906号公報等)。
(g)上記実施形態では、工具係合部19は断面六角形状とされているが、工具係合部23の形状に関しては、このような形状に限定されるものではない。例えば、Bi−HEX(変形12角)形状〔ISO22977:2005(E)〕等とされていてもよい。
1,1A,1B…スパークプラグ
2…絶縁碍子(絶縁体)
3…主体金具
5…中心電極
5A…内層(放熱促進部)
27,37,47…接地電極
31,42,52…貴金属チップ
33…火花放電間隙(間隙)
35,46,56…溶融部
38,48…突部
Bo…境界面
CL1…軸線
CW1,CW2…(溶融部の)中心

Claims (8)

  1. 軸線方向に延びる棒状の中心電極と、
    前記中心電極の外周に設けられた絶縁体と、
    前記絶縁体の外周に設けられた主体金具と、
    前記主体金具の先端部から延びる接地電極と、
    前記中心電極の先端部に接合され、前記接地電極との間で間隙を形成する貴金属チップとを有し、
    前記中心電極と前記貴金属チップとは、前記中心電極の成分と前記貴金属チップの成分とが溶融された溶融部を介して接合されてなるスパークプラグであって、
    前記貴金属チップと前記中心電極との境界面の面積は、前記貴金属チップの外表面のうち前記溶融部に最も近い部位における前記貴金属チップの前記軸線に直交する断面積に対して5%以下とされ、
    前記軸線を含む断面において、
    前記溶融部のうち外表面に露出する部位の前記軸線に沿った長さをA(mm)とし、前記貴金属チップの幅をB(mm)としたとき、
    A≦0.6、及び、B/A≦6を満たすとともに、
    前記溶融部のうち前記軸線に沿った長さがA/1.5となる部位が、前記貴金属チップの外周面からB/4だけ内側に入った位置よりも径方向外側に位置することを特徴とするスパークプラグ。
  2. 前記中心電極は、自身の内部に自身の外周部分よりも熱伝導性の高い材質からなる放熱促進部を有し、
    前記放熱促進部から前記溶融部までの最短距離をC(mm)としたとき、
    C≦2.0を満たすことを特徴とする請求項1に記載のスパークプラグ。
  3. 軸線方向に延びる棒状の中心電極と、
    前記中心電極の外周に設けられた絶縁体と、
    前記絶縁体の外周に設けられた主体金具と、
    前記主体金具の先端部から延びる接地電極と、
    前記接地電極の先端部に設けられた突部に接合され、前記中心電極との間で間隙を形成する貴金属チップとを有し、
    前記突部と前記貴金属チップとは、前記突部の成分と前記貴金属チップの成分とが溶融された溶融部を介して接合されてなるスパークプラグであって、
    前記貴金属チップと前記突部との境界面の面積は、前記貴金属チップの外表面のうち前記溶融部に最も近い部位における前記貴金属チップの軸方向に直交する方向に沿った前記貴金属チップの断面積に対して5%以下とされ、
    前記軸線を含む断面において、
    前記溶融部のうち外表面に露出する部位の前記貴金属チップの軸方向に沿った長さをA(mm)とし、前記貴金属チップの幅をB(mm)としたとき、
    A≦0.6、及び、B/A≦6を満たすとともに、
    前記溶融部のうち前記貴金属チップの軸方向に沿った長さがA/1.5となる部位が、前記溶融部の外周面からB/4だけ内側に入った位置よりも径方向外側に位置することを特徴とするスパークプラグ。
  4. A≦0.4を満たすことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のスパークプラグ。
  5. 前記貴金属チップの軸上における、前記貴金属チップの前記間隙を形成する面から前記境界面又は前記溶融部の中心までの長さをD(mm)としたとき、
    0.1≦D−(A/2)≦0.6を満たすことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のスパークプラグ。
  6. 前記貴金属チップの軸上における、前記貴金属チップの前記間隙を形成する面から前記境界面又は前記溶融部の中心までの長さをD(mm)としたとき、
    0.3≦D≦0.5を満たすことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のスパークプラグ。
  7. 前記貴金属チップの軸上における前記溶融部の厚さをE(mm)としたとき、
    E>0.0を満たすことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のスパークプラグ。
  8. 前記軸線を含む断面において、
    前記溶融部のうち、前記貴金属チップの中心軸に直交するとともに前記溶融部の前記貴金属チップの軸方向中央部分を通る直線よりも前記貴金属チップ側に位置する部位の断面積をX(mm2)とし、
    前記貴金属チップの断面積をY(mm2)としたとき、
    0.025≦X/(X+Y)≦0.50を満たすことを特徴とする請求項6又は7のいずれか1項に記載のスパークプラグ。
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