JP2017174793A - 点火プラグ - Google Patents

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Abstract

【課題】電極チップの耐剥離性を向上する。【解決手段】点火プラグは、貫通孔を有する絶縁体と、中心電極と、絶縁体を保持する主体金具と、棒状の接地電極本体と、中心電極の放電面と対向する接地電極本体の側面に沿って配置される接地電極チップと、接地電極チップと接地電極本体との間に形成される溶接部と、を備える。接地電極チップの放電面の重心から自由端面に向かう方向を第1方向とし、第1方向の反対方向を第2方向とし、溶接部と接地電極チップとの境界の第1方向の端と、溶接部と接地電極本体との境界の第1方向の端と、のうち、第2方向側に位置する第1端から、接地電極チップの第2方向の第2端までのうちの第2端側の1/4の全範囲において、接地電極チップの第1方向と垂直な方向の長さL1と、溶接部の第1方向と垂直な方向の長さL2とは、(L2/L1)≧0.25を満たす。【選択図】 図2

Description

本明細書は、内燃機関等において燃料ガスに点火するための点火プラグに関する。
点火プラグにおいて、電極の耐久性を高めるべく、電極本体に電極チップを接合する技術が知られている(例えば、特許文献1)。電極チップは、火花放電や酸化に対する耐久性が電極本体よりも優れた材料、例えば、貴金属(白金、イリジウム、ルテニウム、ロジウムなど)、または、貴金属を主成分とする合金を用いて形成される。また、電極本体と電極チップとは、レーザ溶接や抵抗溶接等、種々の方法によって接合されるので、電極本体と電極チップとの間には、溶接部が形成される。
点火プラグが内燃機関で使用される際、溶接部には、燃焼熱によって熱応力が発生する。そのため、電極チップと溶接部との境界、および、電極本体と溶接部との境界には、クラックが発生しやすい。これらの境界にクラックが発生すると、電極チップが電極本体から剥離する可能性がある。
特開2015−125879号公報
ここで、近年の内燃機関の高出力化等によって、より高温の環境下で使用される傾向にあるため、上述した熱応力が大きくなりがちである。このために、点火プラグにおいて、電極本体からの電極チップの剥離に対する耐性(以下、耐剥離性と呼ぶ)を、向上する技術が求められている。
本明細書は、点火プラグにおいて、電極チップの耐剥離性を向上できる技術を開示する。
本明細書に開示される技術は、例えば、以下の適用例として実現することが可能である。
[適用例1]貫通孔を有する絶縁体と、
第1放電面を有し、前記貫通孔の先端側に保持される中心電極と、
前記絶縁体の径方向の周囲に配置され、前記絶縁体を保持する主体金具と、
前記主体金具の先端に接合される接合端面と、前記接合端面の反対側に位置する自由端面と、を有する棒状の接地電極本体と、
前記接地電極本体の前記自由端面の近傍において、前記第1放電面と対向する前記接地電極本体の側面に沿って配置され、前記第1放電面と対向する第2放電面を有する接地電極チップと、
前記接地電極チップと前記接地電極本体との間に形成され、前記接地電極チップの成分と前記接地電極本体の成分とを含む溶接部と、
を備える点火プラグであって、
前記第2放電面の重心を通り、かつ、前記第2放電面と垂直で、かつ、前記接地電極本体の軸線と平行な断面において、
前記第2放電面の重心から前記第2放電面に沿って前記自由端面に向かう方向を第1方向とし、前記第1方向の反対方向を第2方向とし、
前記溶接部と前記接地電極チップとの境界の前記第1方向の端と、前記溶接部と前記接地電極本体との境界の前記第1方向の端と、のうち、前記第2方向側に位置する端を第1端とし、前記接地電極チップの前記第2方向の端を第2端とするとき、
前記溶接部の前記第1方向の端は、前記自由端面に露出し、
前記溶接部は、前記接地電極本体の前記軸線に沿って延び、
前記第1端から前記第2端までの前記第1方向の範囲のうち、前記第2端側の1/4の全範囲において、前記接地電極チップの前記第1方向と垂直な方向の長さL1と、前記溶接部の前記第1方向と垂直な方向の長さL2とは、(L2/L1)≧0.25を満たすことを特徴とする、点火プラグ。
上記構成によれば、第1端から第2端までの第1方向の範囲のうち、熱応力が発生しやすい第2端側の1/4の範囲において、接地電極チップの第1方向と垂直な方向の長さL1に対して、溶接部の第1方向と垂直な方向の長さL2を十分に長くできる。この結果、溶接部によって熱応力を適切に緩和できるので、接地電極チップの耐剥離性を向上することができる。
[適用例2]適用例1に記載の点火プラグであって、
前記断面において、さらに、
前記第1端から前記第2端までの前記第1方向の全範囲において、前記接地電極チップの前記第1方向と垂直な方向の長さL1と、前記溶接部の前記第1方向と垂直な方向の長さL2とは、(L2/L1)≧0.25を満たすことを特徴とする、点火プラグ。
上記構成によれば、第1端から第2端までの第1方向の全範囲において、接地電極チップの第1方向と垂直な方向の長さL1に対して、溶接部の第1方向と垂直な方向の長さL2を十分に長くできる。この結果、溶接部によって熱応力を、さらに適切に緩和できるので、さらに接地電極チップの耐剥離性を向上することができる。
[適用例3]適用例1または2に記載の点火プラグであって、
前記断面において、さらに、
前記第2端から、前記溶接部の前記第2方向の端までの長さL3は、0.1mm以上であることを特徴とする、点火プラグ。
上記構成によれば、溶接部によって、接地電極チップの第2方向の端の近傍において、より効果的に熱応力を緩和できるので、さらに接地電極チップの耐剥離性を向上することができる。
[適用例4]適用例1〜3のいずれか一項に記載の点火プラグであって、
前記断面において、さらに、
前記第1端から前記第2端までの前記第1方向の範囲のうち、前記第2端側の1/4の全範囲において、前記接地電極チップの前記第1方向と垂直な方向の長さL1と、前記溶接部の前記第1方向と垂直な方向の長さL2とは、(L2/L1)≦0.5を満たすことを特徴とする、点火プラグ。
上記構成によれば、第2端側の1/4の範囲において、溶接部の第1方向と垂直な方向の長さL2に対して、接地電極チップの第1方向と垂直な方向の長さL1が過度に短くなることに起因して、接地電極チップにクラックが発生することを防止できる。
[適用例5]適用例1〜4のいずれか一項に記載の点火プラグであって、
前記接地電極チップの前記第1方向の端は、前記接地電極本体の前記自由端面より前記第2方向側に位置することを特徴とする、点火プラグ。
上記構成によれば、接地電極チップの大きさに対して、接合面積を十分に大きくできるので、接地電極チップの耐剥離性をより向上することができる。
なお、本明細書に開示される技術は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、点火プラグや点火プラグを用いた点火装置、その点火プラグを搭載する内燃機関や、その点火プラグを用いた点火装置を搭載する内燃機関等の態様で実現することができる。
本実施形態の点火プラグ100の断面図。 第1実施形態の接地電極30の接地電極チップ39近傍の構成を示す図。 接地電極30の製造方法について説明する図。 第2実施形態の接地電極30bの接地電極チップ39b近傍の構成を示す図。 変形例の接地電極30の一例を示す図。
A.第1実施形態:
A−1.点火プラグの構成:
図1は本実施形態の点火プラグ100の断面図である。図1の一点破線は、点火プラグ100の軸線CO(軸線COとも呼ぶ)を示している。軸線COと平行な方向(図1の上下方向)を軸線方向とも呼ぶ。軸線COを中心とする円の径方向を、単に「径方向」とも呼び、軸線COを中心とする円の周方向を、単に「周方向」とも呼ぶ。図1における下方向を先端方向FDと呼び、上方向を後端方向BDとも呼ぶ。図1における下側を、点火プラグ100の先端側と呼び、図1における上側を点火プラグ100の後端側と呼ぶ。点火プラグ100は、絶縁体としての絶縁体10と、中心電極20と、接地電極30と、端子金具40と、主体金具50と、を備える。
絶縁体10はアルミナ等を焼成して形成されている。絶縁体10は、軸線方向に沿って延び、絶縁体10を貫通する貫通孔12(軸孔)を有する略円筒形状の部材である。絶縁体10は、鍔部19と、後端側胴部18と、先端側胴部17と、段部15と、脚長部13とを備えている。後端側胴部18は、鍔部19より後端側に位置し、鍔部19の外径より小さな外径を有している。先端側胴部17は、鍔部19より先端側に位置し、鍔部19の外径より小さな外径を有している。脚長部13は、先端側胴部17より先端側に位置し、先端側胴部17の外径よりも小さな外径を有している。脚長部13は、点火プラグ100が内燃機関(図示せず)に取り付けられた際には、その燃焼室に曝される。段部15は、脚長部13と先端側胴部17との間に形成されている。
主体金具50は、導電性の金属材料(例えば、低炭素鋼材)で形成され、内燃機関のエンジンヘッド(図示省略)に点火プラグ100を固定するための円筒状の金具である。主体金具50は、軸線COに沿って貫通する挿入孔59が形成されている。主体金具50は、絶縁体10の径方向の周囲(すなわち、外周)に配置される。すなわち、主体金具50の挿入孔59内に、絶縁体10が挿入・保持されている。絶縁体10の先端は、主体金具50の先端より先端側に突出している。絶縁体10の後端は、主体金具50の後端より後端側に突出している。
主体金具50は、点火プラグレンチが係合する六角柱形状の工具係合部51と、内燃機関に取り付けるための取付ネジ部52と、工具係合部51と取付ネジ部52との間に形成された鍔状の座部54と、を備えている。取付ネジ部52の呼び径は、例えば、M8(8mm(ミリメートル))、M10、M12、M14、M18のいずれかとされている。
主体金具50の取付ネジ部52と座部54との間には、金属板を折り曲げて形成された環状のガスケット5が嵌挿されている。ガスケット5は、点火プラグ100が内燃機関に取り付けられた際に、点火プラグ100と内燃機関(エンジンヘッド)との隙間を封止する。
主体金具50は、さらに、工具係合部51の後端側に設けられた薄肉の加締部53と、座部54と工具係合部51との間に設けられた薄肉の圧縮変形部58と、を備えている。主体金具50における工具係合部51から加締部53に至る部位の内周面と、絶縁体10の後端側胴部18の外周面との間に形成される環状の領域には、環状のリング部材6,7が配置されている。当該領域における2つのリング部材6,7の間には、タルク(滑石)9の粉末が充填されている。加締部53の後端は、径方向内側に折り曲げられて、絶縁体10の外周面に固定されている。主体金具50の圧縮変形部58は、製造時において、絶縁体10の外周面に固定された加締部53が先端側に押圧されることにより、圧縮変形する。圧縮変形部58の圧縮変形によって、リング部材6、7およびタルク9を介し、絶縁体10が主体金具50内で先端側に向け押圧される。金属製の環状の板パッキン8を介して、主体金具50の取付ネジ部52の内周に形成された段部56(金具側段部)によって、絶縁体10の段部15(絶縁体側段部)が押圧される。この結果、内燃機関の燃焼室内のガスが、主体金具50と絶縁体10との隙間から外部に漏れることが、板パッキン8によって防止される。
中心電極20は、軸線方向に延びる棒状の中心電極本体21と、中心電極チップ29と、を備えている。中心電極本体21は、絶縁体10の貫通孔12の内部の先端側の部分に保持されている。中心電極本体21は、電極母材21Aと、電極母材21Aの内部に埋設された芯部21Bと、を含む構造を有する。電極母材21Aは、例えば、ニッケルまたはニッケルを主成分とする合金(例えば、NCF600、NCF601)を用いて形成されている。芯部21Bは、電極母材21Aを形成する合金よりも熱伝導性に優れる銅または銅を主成分とする合金、本実施形態では、銅で形成されている。
また、中心電極本体21は、軸線方向の所定の位置に設けられた鍔部24(フランジ部とも呼ぶ。)、鍔部24よりも後端側の部分である頭部23(電極頭部)と、鍔部24よりも先端側の部分である脚部25(電極脚部)と、を備えている。鍔部24は、絶縁体10の段部16に支持されている。脚部25の先端部分、すなわち、中心電極本体21の先端は、絶縁体10の先端より先端側に突出している。
中心電極チップ29は、略円柱形状を有する部材であり、中心電極本体21の先端(脚部25の先端)に、例えば、レーザ溶接を用いて、接合されている。中心電極チップ29の先端面は、後述する接地電極チップ39との間で火花ギャップを形成する第1放電面295である。中心電極チップ29は、高融点の貴金属を主成分とする材料で形成されている。中心電極チップ29の材料には、例えば、イリジウム(Ir)や、Irを主成分とする合金が用いられる。
接地電極30は、主体金具50の先端に接合された接地電極本体31と、四角柱形状の接地電極チップ39と、を備えている。接地電極本体31は、断面が四角形の湾曲した棒状体である。接地電極本体31は、両端面として、自由端面311と、接合端面312と、を有している。接合端面312は、主体金具50の先端面50Aに、例えば、抵抗溶接によって、接合されている。これによって、主体金具50と接地電極本体31とは、電気的に接続される。
接地電極本体31は、例えば、ニッケルまたはニッケルを主成分とする合金(例えば、NCF600、NCF601)を用いて形成されている。接地電極本体31は、耐腐食性の高い金属(例えば、ニッケル合金)で形成された母材と、熱伝導性が高い金属(例えば、銅)を用いて形成され、母材に埋設された芯部と、を含む2層構造を有しても良い。
端子金具40は、軸線方向に延びる棒状の部材である。端子金具40は、導電性の金属材料(例えば、低炭素鋼)で形成され、端子金具40の表面には、防食のための金属層(例えば、Ni層)がめっきなどによって形成されている。端子金具40は、軸線方向の所定位置に形成された鍔部42(端子顎部)と、鍔部42より後端側に位置するキャップ装着部41と、鍔部42より先端側の脚部43(端子脚部)と、を備えている。端子金具40のキャップ装着部41は、絶縁体10より後端側に露出している。端子金具40の脚部43は、絶縁体10の貫通孔12に挿入されている。キャップ装着部41には、高圧ケーブル(図示外)が接続されたプラグキャップが装着され、火花放電を発生するための高電圧が印加される。
絶縁体10の貫通孔12内において、端子金具40の先端(脚部43の先端)と中心電極20の後端(頭部23の後端)との間には、火花発生時の電波ノイズを低減するための抵抗体70が配置されている。抵抗体70は、例えば、主成分であるガラス粒子と、ガラス以外のセラミック粒子と、導電性材料と、を含む組成物で形成されている。貫通孔12内において、抵抗体70と中心電極20との隙間は、導電性シール60によって埋められている。抵抗体70と端子金具40との隙間は、導電性シール80によって埋められている。導電性シール60、80は、例えば、B23−SiO2系等のガラス粒子と金属粒子(Cu、Feなど)とを含む組成物で形成されている。
A−2. 接地電極30の接地電極チップ39近傍の構成:
接地電極30の接地電極チップ39近傍の構成について、さらに、詳細に説明する。図2は、第1実施形態の接地電極30の接地電極チップ39近傍の構成を示す図である。図2(A)には、点火プラグ100の先端近傍を特定面で切断した断面CFが示されている。接地電極チップ39は、略円柱形状を有している。接地電極チップ39の後端面は、中心電極チップ29の第1放電面295(図1)と対向する第2放電面395である。図2(A)の断面CFは、第2放電面395の重心GCを通り、かつ、第2放電面395と垂直で、かつ、棒状の接地電極本体31の軸線と平行な断面である。本実施形態では、第2放電面395の重心GCを通り、かつ、第2放電面395と垂直な線は、点火プラグ100の軸線COと一致するので、図2(A)の断面CFは、点火プラグ100の軸線COを通り、かつ、棒状の接地電極本体31の軸線と平行な断面である、とも言うことができる。
図2(B)には、接地電極チップ39の第2放電面395の近傍を、後端方向BDから先端方向FDに向かって見た図が示されている。図2(B)の一点破線は、図2(A)の断面CFを示している。第2放電面395の重心GCから、第2放電面395に沿って自由端面311に向かう方向、すなわち、図2(A)、(B)の左方向を、第1方向D1とする。第2放電面395の重心GCから、第2放電面395に沿って自由端面311から離れる方向、すなわち、第1方向D1の反対方向を、第2方向D2とする。
接地電極本体31の自由端面311と交差する4つの側面のうち、第1放電面295と対向する側面を、側面315とする。接地電極本体31の4つの側面のうち、側面315と交差する2個の側面、すなわち、図2(B)の上下方向に位置する側面を、側面313、314とする。そして、第2放電面395の重心GCから、側面313に向かう方向、すなわち、図2(B)の下方向を、第3方向D3とし、第3方向D3の反対方向を、第4方向D4とする。
接地電極チップ39は、接地電極本体31の自由端面311の近傍において、側面315に沿って配置されている。具体的には、接地電極本体31の自由端面311の近傍には、側面315より先端方向FDに凹んだ凹部316が形成されている。接地電極チップ39の第2放電面395とは反対側の部分(先端方向FD側の部分)は、凹部316に配置されている。接地電極チップ39の第2放電面395は、接地電極本体31の側面315よりも、後端方向BDに突出している。軸線方向に沿って見た凹部316の形状は、図2(B)に示すように、軸線方向に沿って見た接地電極チップ39の形状(本実施形態では、四角形)より僅かに大きな略相似形(本実施形態では、四角形)である。
図2(A)の断面CFに示すように、接地電極チップ39の第1方向D1の側面391は、接地電極本体31の自由端面311より第2方向D2に位置している。
接地電極チップ39は、接地電極本体31に対して、レーザ溶接によって接合されている。このために、接地電極チップ39と接地電極本体31との間には、レーザ溶接によって形成された溶接部35が配置されている。溶接部35は、溶接前の接地電極チップ39の一部分と、接地電極本体31の一部分と、が溶融・凝固した部分である。このために、溶接部35は、接地電極チップ39の成分と、接地電極本体31の成分と、を含んでいる。溶接部35は、接地電極チップ39と接地電極本体31とを接合する接合部、とも言うことができ、接地電極チップ39と接地電極本体31とを接合するビード、とも言うことができる。
図2(B)において、ハッチングされた領域は、溶接部35を示している。図2(B)から解るように、軸線方向に沿って見た溶接部35の形状は、軸線方向に沿って見た接地電極チップ39の形状(本実施形態では、四角形)より大きく、かつ、軸線方向に沿って見た凹部316の形状より僅かに大きな略相似形(本実施形態では、四角形)である。そして、溶接部35の4つの方向D1〜D4の端351〜354は、接地電極チップ39の対応する側面391〜394より径方向の外側に位置している。溶接部35の後端方向BD側は、接地電極チップ39の第2放電面395の反対側の面(先端方向FDの面)の全体と接触している。
図2(A)に示すように、溶接部35の第1方向D1の端351(露出端351とも呼ぶ)は、接地電極本体31の自由端面311に露出している。溶接部35の第2方向D2、第3方向D3、第4方向D4の端352、353、354は、接地電極本体31の表面(例えば、側面313、314)に露出していない。そして、図2(A)に示すように、断面CFにおいて、溶接部35は、第2方向D2(第1方向D1)に沿って延びている。棒状の接地電極本体31の軸線は、溶接部35が形成されている自由端面311の近傍部分において、第2方向D2(第1方向D1)と平行になっている。このため、断面CFにおいて、溶接部35は、接地電極本体31の軸線に沿って延びている、とも言うことができる。これは、後述するように、レーザ溶接が行われて、溶接部35が形成される際に、レーザが、自由端面311側から、第2方向D2に向かって、照射されるからである。
ここで、接地電極チップ39の第1方向D1と垂直な方向の長さ(軸線方向の長さ)を、接地電極チップ39の厚さL1とし、溶接部35の第1方向D1と垂直な方向の長さを、溶接部35の厚さL2とする。接地電極チップ39の厚さL1は、これに限られるものではないが、例えば、0.2mm以上1.0mm以下の値である。
図2(A)に示すように、溶接部35のうち、露出端351の近傍の部分を露出近傍部35Aとし、軸線COと交差する部分を含む略中央の部分を中央部35Bとし、接地電極チップ39の第2方向D2の端(すなわち側面392)より第2方向D2の部分を奥部35Cとする。溶接部35の厚さL2は、露出近傍部35Aにおいて、中央部35Bよりも厚くなっている。溶接部35の厚さL2は、中央部35Bにおいて、大きく変化せず、ほぼ均一になっている。溶接部35の厚さL2は、奥部35Cにおいては、接地電極チップ39の第2方向D2の側面392と、接地電極本体31の凹部316と、の間に、溶接部が形成されるために、部分的に厚くなっている。
ここで、図2(A)の断面CFにおいて、溶接部35と接地電極チップ39との境界BF1の第1方向D1の端を、端P1とし、溶接部35と接地電極本体31との境界BF2の第1方向D1の端を、端P2とする。端P1と端P2とのうち、第2方向D2側に位置する端を、第1端とする。図2(A)の例では、第1端は、端P1である。そして、接地電極チップ39の第2方向D2の端(すなわち、側面392)を、第2端とする。
このとき、第1端から第2端までの第1方向D1の範囲を、範囲RA1(図2(A)の長さWの範囲)とする。そして、範囲RA1のうち、第2端側の1/4の範囲を、範囲RA2(図2(A)の長さW/4の範囲)とする。なお、図2の実施形態では、範囲RA1の長さWは、接地電極チップ39の第2方向D2の幅と等しい。長さWは、これに限られるものではないが、例えば、1.0mm以上2.0mm以下の値、例えば、1.3mm、1.5mm、1.8mmである。
第2端側(第2方向D2側)の1/4の範囲RA2は、第1端側(第1方向D1側)と同様に、点火プラグ100の先端近傍に位置するために、燃焼室内の高温の領域に近くなる。このために、高温になりやすい。さらに、第2端側1の1/4の範囲RA2は、第1端側と比較して、接地電極本体31の接合端面312に近いために、熱引き量が多い。このために、第2端側の1/4の範囲RA2では、第1端側と比較して、温度変化が激しいために、境界BF1、BF2において熱応力に起因する剥離が発生しやすい。
溶接部35の厚さL2に対して、接地電極チップ39の厚さL1が厚いほど、境界BF1、BF2における熱応力を緩和することができる。境界BF1、BF2における熱応力は、接地電極チップ39と、接地電極本体31と、の間の熱膨張係数の差に起因して発生するが、接地電極チップ39と接地電極本体31との両方の成分を含む溶接部35は、接地電極チップ39と接地電極本体31との間の熱膨張係数を有するためである。本実施形態では、範囲RA2の全範囲において、(L2/L1)≧0.25を満たす。すなわち、範囲RA2の全範囲において、溶接部35の厚さL2は、接地電極チップ39の厚さL1の1/4以上である。この結果、溶接部35を、十分に厚くすることによって熱応力を適切に緩和できるので、接地電極チップ39の耐剥離性を向上することができる。
本実施形態では、さらに、第1端から第2端までの範囲RA1の全範囲において、上述した(L2/L1)≧0.25を満たす。この結果、範囲RA1の全範囲において、接地電極チップ39の厚さL1に対して、溶接部35の厚さL2を十分に厚くできる。この結果、溶接部35によって、接地電極チップ39と接地電極本体31との間に生じる熱応力を、さらに適切に緩和できるので、さらに接地電極チップ39の耐剥離性を向上することができる。
ここで、図2(A)の断面CFにおいて、接地電極チップ39の第2方向D2の側面392(上記第2端)から、溶接部35の第2方向D2の端352までの長さを、奥側突出長L3とする。本実施形態では、奥側突出長L3は、0.1mm以上である。こうすれば、溶接部35の奥部35Cによって、接地電極チップ39の第2方向側の側面392の近傍において、より効果的に熱応力を緩和できるので、さらに接地電極チップ39の耐剥離性を向上することができる。
ところで、接地電極チップ39の厚さに対して、溶接部35を過度に厚くすると、結果として、接地電極チップ39が過度に薄くなる。この結果、接地電極チップ39の強度が低下して、熱応力によって、接地電極チップ39にクラックが発生して、接地電極チップ39が割れる不具合が生じ得る。本実施形態では、範囲RA2の全範囲において、(L2/L1)≦0.5を満たす。すなわち、範囲RA2の全範囲において、溶接部35の厚さL2は、接地電極チップ39の厚さL1の半分以下である。この結果、溶接部35の厚さL2に対して、接地電極チップ39の厚さL1が過度に薄くなることに起因して、接地電極チップ39にクラックが発生することを防止できる。したがって、接地電極チップ39の耐割れ性を向上できる。
さらに、本実施形態では、上述したように、接地電極チップ39の第1方向D1の側面391は、接地電極本体31の自由端面311より第2方向D2側に位置している。この結果、接地電極チップ39の大きさに対して、接合面積、すなわち、溶接部35と接触する面積を十分に大きくできるので、接地電極チップ39の耐剥離性をより向上することができる。
B:製造方法
点火プラグ100の製造方法について、接地電極30の製造方法を中心に説明する。図3は、接地電極30の製造方法について説明する図である。先ず、曲げられる前の棒状の接地電極本体31が準備される。そして、接地電極本体31に溶接される前の接地電極チップ39が準備される。
次に、図3(A)に示すように、接地電極本体31の側面315における自由端面311の近傍部分に、形成すべき凹部316に対応する形状を有する押圧部材200が、例えば、所定のプレス機を用いて、押圧される。これによって、図3(B)に示すように、接地電極本体31の側面315に、凹部316が形成される。
次に、図3(C)に示すように、接地電極本体31に形成された凹部316内に、溶接前の円柱状の接地電極チップ39が配置される。そして、図示しない治具を用いて、接地電極30を、第2放電面395側から先端方向FD(図3(C)の下方向)に押さえながら、レーザ溶接が実行されて、上述した溶接部35(図2)が形成される。図3(C)の矢印LZは、レーザ溶接のためのレーザの照射を概念的に示している。矢印LZに示すように、レーザは、接地電極チップ39と接地電極本体31との境界に沿って、自由端面311側から第2方向D2に向かって照射される。なお、本実施形態では、レーザとしてファイバレーザが用いられる。ファイバレーザは、例えば、YAGレーザと比較して、集光性が高いために、形成できる溶接部35の形状の自由度が高いので、上述した(L2/L1)≧0.25などの条件を満たす形状の溶接部35を形成することができる。
C:第1評価試験
第1評価試験では、表1に示すように、図2(A)の長さW、L1〜L3の少なくとも1つの値が互いに異なる14種類のサンプル1〜14を用いて、接地電極チップ39の耐剥離性の試験を行った。
Figure 2017174793
図2(A)の断面CFにおける長さWは、接地電極チップ39の第2方向D2の幅に等しいので、接地電極チップ39の第2方向D2の幅を変更することによって、表1に示すように、1.3mm、1.8mmのいずれかに調整された。また、各サンプルの接地電極チップ39の第3方向D3の幅は、第2方向D2の幅と同じ値(1.3mmまたは1.8mm)とされた。
図2(A)の断面CFの長さL1〜L3は、溶接前の接地電極チップ39の軸方向の長さと、溶接部35を形成するレーザ溶接の条件と、を変更することによって、調整された。表1には、図2(A)の範囲RA2で、(L2/L1)が最も小さくなる第1方向D1の位置におけるL1(mm)、L2(mm)、(L2/L1)の値が、サンプルごとに記載されている。範囲RA2における(L2/L1)の最小値が、(L2/L1)≧0.25を満たす場合は、範囲RA2の全範囲において、(L2/L1)≧0.25が満たされることを意味している。
サンプル1〜14の範囲RA2における(L2/L1)の最小値は、0.10、0.12、0.20、0.23、0.25、0.26、0.38、0.43のいずれかである。
サンプル1〜14の奥側突出長L3は、0.0mm、0.1mm、0.2mmのいずれかである。
なお、各サンプルに共通な材質や寸法は、以下の通りである。
接地電極チップ39:白金(Pt)を主成分とし10質量%のニッケル(Ni)を含有する合金
接地電極本体31:NCF601合金
接地電極本体31の自由端面311近傍の軸線方向の幅H1(高さ):1.5mm
接地電極本体31の自由端面311近傍の第3方向D3の幅H2:2.8mm
溶接前の接地電極チップ39の軸線方向の幅(高さ):0.45mm
第1評価試験では、以下に説明する机上冷熱試験が行われた。各サンプルの先端部近傍(接地電極チップ39の近傍)の加熱と冷却とのサイクルを1000回繰り返した。具体的には、1回のサイクルでは、各サンプルの先端部近傍が、バーナーで2分間に亘って加熱され、続けて、1分間に亘って空気中で冷却される。2分間の加熱のうち、接地電極チップ39の温度が目標温度である摂氏1100度に1分以内で到達し、その後1100度を維持するように、バーナーの強度が調節される。
その後、各サンプルの接地電極30を切断して、上述した図2(A)の断面CFを観察した。そして、この断面CFにおいて、範囲RA2のうち、境界BF1、BF2の両方の接合が維持されている部分と、いずれかで剥離が発生している部分と、を特定した。接合が維持されている部分には、酸化スケールが発生せず、剥離が発生している部分には、酸化スケールが発生するので、拡大鏡を用いて断面CFを観察することによって、接合が維持されている部分と、剥離が発生している部分と、を特定することができる。そして、範囲RA2のうち、第2方向D2側の端から剥離が発生している部分(すなわち、酸化スケールが発生している部分)が占める割合(以下、酸化スケール発生割合とも呼ぶ)を算出した。各サンプルの酸化スケール発生割合は、表1に示すとおりである。そして、酸化スケール発生割合が、10%未満であるサンプルの評価を「A」とし、酸化スケール発生割合が、10%以上25%未満であるサンプルの評価を「B」とし、酸化スケール発生割合が、25%以上であるサンプルの評価を「C」とした。
評価結果は、表1に示すとおりである。範囲RA2の全範囲において(L2/L1)≧0.25を満たすサンプル3〜7、10〜14の評価は、長さW(接地電極チップ39の第2方向D2の幅)や奥側突出長L3に拘わらずに、いずれも「B」以上であった。そして、範囲RA2における(L2/L1)の最小値が、(L2/L1)<0.25であるサンプル1、2、8、9の評価は、いずれも「C」以下であった。例えば、範囲RA2の全範囲において(L2/L1)≧0.25を満たすサンプルは、範囲RA2の全範囲における(L2/L1)の最小値が(L2/L1)<0.25であるサンプルと、比較して、酸化スケール発生割合が、10%以上少なかった。
さらに、範囲RA2の全範囲において、(L2/L1)≧0.25を満たすサンプル3〜7、10〜14のうち、奥側突出長L3が、0.1mm以上であるサンプル3、4、6、7、10、11、13、14の評価は、いずれも「A」であった。そして、奥側突出長L3が、0.1mm未満であるサンプル5、12の評価は、いずれも「B」であった。例えば、奥側突出長L3が、0.1mm以上であるサンプル3、4、6、7、10、11、13、14は、0.1mm未満であるサンプル5、12と、比較して、スケール発生割合が、9%以上少なかった。
第1評価試験の結果から、範囲RA2の全範囲において、(L2/L1)≧0.25を満たすことが、耐剥離性向上の観点から、好ましいことが確認された。そして、奥側突出長L3は、0.1mm以上であることが、さらに、好ましいことが確認された。
D:第2評価試験
第2評価試験では、表2に示すように、図2(A)の長さW、L1、L2の少なくとも1つの値が互いに異なる6種類のサンプル15〜20を用いて、接地電極チップ39の耐割れ性の試験を行った。
Figure 2017174793
図2(A)の断面CFにおける長さWは、第1評価試験と同様に、接地電極チップ39の第2方向D2の幅を変更することによって、表2に示すように、1.3mm、1.8mmのいずれかに調整された。
図2(A)の断面CFの長さL1〜L3は、溶接前の接地電極チップ39の軸方向の長さと、溶接部35を形成するレーザ溶接の条件を変更することによって、調整された。表2には、範囲RA2の範囲内で、(L2/L1)が最も大きくなる第1方向D1の位置におけるL1(mm)、L2(mm)、(L2/L1)の値が、サンプルごとに記載されている。範囲RA2における(L2/L1)の最大値が、(L2/L1)≦0.5を満たす場合は、範囲RA2の全範囲において、(L2/L1)≦0.5が満たされることを意味している。
サンプル15〜20の範囲RA2における(L2/L1)の最大値は、それぞれ、0.50、0.67、0.80、0.43、0.56、0.71のいずれかである。サンプル15〜20の奥側突出長L3は、いずれも0.2mmである。各サンプルの材質は、第1評価試験と同じである。
第2評価試験では、第1評価試験と同じ条件の机上冷熱試験を行った。その後、各サンプルの接地電極チップ39を観察して、クラックの有無を確認した。そして、クラックの発生が認められなかったサンプルの評価を「A」とし、クラックの発生が認められたサンプルの評価を「B」とした。
評価結果は、表2に示すとおりである。範囲RA2の全範囲において(L2/L1)≦0.5を満たすサンプル15、18の評価は、長さW(接地電極チップ39の幅)に拘わらずに、いずれも「A」であった。そして、範囲RA2における(L2/L1)の最大値が、(L2/L1)>0.5であるサンプル16、17、19、20の評価は、いずれも「B」であった。
第2評価試験の結果から、範囲RA2の全範囲において、(L2/L1)≦0.5を満たすことが、接地電極チップ39の耐割れ性向上の観点から、好ましいことが確認された。
E.第2実施形態
図4は、第2実施形態の接地電極30bの接地電極チップ39b近傍の構成を示す図である。図4の接地電極チップ39bの第2方向D2の幅は、図2の接地電極チップ39より長い。そして、接地電極チップ39bの第1方向D1の側面391bは、接地電極本体31bの自由端面311bより第1方向D1に突出している。このために、図4の接地電極30bの溶接部35bは、図2の接地電極30の溶接部35とは、形状が異なっている。
詳しく説明すると、溶接部35bは、接地電極チップ39bの先端方向FD側の面のうち、第1方向D1側の部分396bとは接触していない。そして、溶接部35bの第1方向D1の端351bは、接地電極本体31bの自由端面311bに露出しているとともに、接地電極チップ39bの先端方向FD側の面のうち、第1方向D1側の部分396bに露出している。
なお、その他の溶接部35bの特徴は、図2の溶接部35と類似している。例えば、溶接部35bの第2方向D2の端352bは、接地電極チップ39bの側面391bより第2方向D2に突出している。そして、溶接部35bの厚さL2は、露出近傍部35bAにおいて、中央部35bBよりも厚くなっている。溶接部35bの厚さL2は、中央部35bBにおいて、大きく変化せず、ほぼ均一になっている。溶接部35の厚さL2は、奥部35bCにおいては、部分的に厚くなっている。
このような溶接部35bは、図4に示すように、接地電極チップ39bと接地電極本体31bとの境界に対して、自由端面311b側から、第2方向D2に対して僅かに傾斜した方向に向かって、レーザ溶接のためのレーザLZを照射することによって、形成される。
ここで、第1実施形態と同様に、図4の断面CFにおいて、溶接部35bと接地電極チップ39bとの境界BF1の第1方向D1の端を、端P1とし、溶接部35bと接地電極本体31bとの境界BF2の第1方向D1の端を、端P2とする。そして、端P1と端P2とのうち、第2方向D2側に位置する端を、第1端とし、接地電極チップ39bの第2方向D2の側面392bを、第2端とする。図4の第2実施形態では、図2の第1実施形態と異なり、端P2は、端P1より第2方向D2に位置しているので、第1端は、端P2である。
このとき、第1端から第2端までの第1方向D1の範囲を、範囲RA1b(図4の長さWbの範囲)とする。そして、範囲RA1bのうち、第2端側の1/4の範囲を、範囲RA2b(図4の長さWb/4の範囲)とする。
第2実施形態では、第1実施形態と同様に、図4の断面において、以下の条件(A)〜(D)を満たす。
(A)範囲RA2bの全範囲において、(L2/L1)≧0.25を満たす
(B)範囲RA1bの全範囲において、(L2/L1)≧0.25を満たす
(C)奥側突出長L3は、0.1mm以上である
(D)範囲RA2bの全範囲において、(L2/L1)<0.5を満たす
上記条件(A)〜(C)を満たすので、第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、接地電極チップ39bの耐剥離性を向上することができる。また、上記条件(D)を満たすので、第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、接地電極チップ39bの耐割れ性を向上することができる。
F.変形例:
(1)上記第1実施形態では、図2(A)の断面CFにおいて、既に説明済みの以下の条件(A)〜(D)を満たす。
(A)範囲RA2の全範囲において、(L2/L1)≧0.25を満たす
(B)範囲RA1の全範囲において、(L2/L1)≧0.25を満たす
(C)奥側突出長L3は、0.1mm以上である
(D)範囲RA2の全範囲において、(L2/L1)<0.5を満たす
変形例としては、上記条件(A)〜(D)の全てを満たす必要はなく、少なくとも上記条件(A)を満たせば良く、上記条件(B)〜(D)の全部もしくは一部は満たされていなくても良い。上記第1評価試験の結果から解るように、少なくとも上記条件(A)を満たしていれば、接地電極チップ39の耐剥離性を向上することができる。
(2)上記第1実施形態では、図2(A)の断面CFに限らず、断面CFと平行で、かつ、接地電極チップ39の第2放電面395を通る範囲内の全ての断面で、上記条件(A)〜(D)を満たす。変形例としては、放電面395を通る全ての断面で、上記条件(A)〜(D)を満たす必要はなく、少なくとも断面CFにおいて、上記条件(A)〜(D)を満たしていれば良い。そして、断面CFと平行で、かつ、接地電極チップ39の第2放電面395を通る範囲内の全ての断面のうち、断面CFを中心とした50%以上の範囲で、上記条件(A)〜(D)を満たすことが好ましく、断面CFを中心とした80%以上の範囲で、上記条件(A)〜(D)を満たすことが、さらに好ましい。
(3)上記図2、図4に示す接地電極30、30bの具体的構成は、一例であり、これに限られない。図2、図4に示す接地電極30、30bの具体的構成は、適宜に変形され得る。図5は、変形例の接地電極30の一例を示す図である。
図5に示すように、例えば、第1実施形態において、接地電極チップ39の第2方向D2の側面392と、凹部316の内壁と、の間に隙間がなくても良い。また、図5に示すように、溶接部35の第2方向の端352は、接地電極チップ39のD2方向の側面392と、D2方向の位置が一致していても良い。すなわち、溶接部35は、奥部35Cを備えていなくても良い。また、図5に示すように、接地電極チップ39の第1方向D1の側面391は、接地電極本体31の自由端面311と、D2方向の位置が一致していても良い。
(4)上記第1および第2実施形態では、接地電極チップ39、39bは、略四角柱形状を有しているが、これに代えて、接地電極チップ39、39bは、円柱形状や、五角柱形状などの他の形状を有してもよい。
(5)上記第1および第2実施形態では、接地電極本体31、31bの自由端面311、311b近傍の側面315、315bに、凹部316、316bが形成された上で、該凹部316、316bに、接地電極チップ39、39bが溶接されている。これに代えて、自由端面311、311b近傍の側面315、315bに、凹部316、316bが形成されることなく、側面315、315b上に、接地電極チップ39、39bが溶接されても良い。
(6)点火プラグ100において、接地電極30、主体金具50、中心電極20、絶縁体10等の材質、寸法は、様々に変更可能である。例えば、主体金具50の材質は、亜鉛めっきまたはニッケルめっきされた低炭素鋼でも良いし、めっきがなされていない低炭素鋼でも良い。また、絶縁体10の材質は、アルミナ以外の様々な絶縁性セラミックスでもよい。
以上、実施形態、変形例に基づき本発明について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれる。
5...ガスケット、6...リング部材、8...板パッキン、9...タルク、10...絶縁体、12...貫通孔、13...脚長部、15...段部、16...段部、17...先端側胴部、18...後端側胴部、19...鍔部、20...中心電極、21...中心電極本体、21A...電極母材、21B...芯部、23...頭部、24...鍔部、25...脚部、29...中心電極チップ、30、30b...接地電極、31、31b...接地電極本体、35...溶接部、39、30b...接地電極チップ、40...端子金具、41...キャップ装着部、42...鍔部、43...脚部、50...主体金具、51...工具係合部、52...取付ネジ部、53...加締部、54...座部、56...段部、58...圧縮変形部、59...挿入孔、60...導電性シール、70...抵抗体、80...導電性シール、100...点火プラグ、200...押圧部材、295...第1放電面、311、311b...自由端面、312...接合端面、316...凹部、395...第2放電面

Claims (5)

  1. 貫通孔を有する絶縁体と、
    第1放電面を有し、前記貫通孔の先端側に保持される中心電極と、
    前記絶縁体の径方向の周囲に配置され、前記絶縁体を保持する主体金具と、
    前記主体金具の先端に接合される接合端面と、前記接合端面の反対側に位置する自由端面と、を有する棒状の接地電極本体と、
    前記接地電極本体の前記自由端面の近傍において、前記第1放電面と対向する前記接地電極本体の側面に沿って配置され、前記第1放電面と対向する第2放電面を有する接地電極チップと、
    前記接地電極チップと前記接地電極本体との間に形成され、前記接地電極チップの成分と前記接地電極本体の成分とを含む溶接部と、
    を備える点火プラグであって、
    前記第2放電面の重心を通り、かつ、前記第2放電面と垂直で、かつ、前記接地電極本体の軸線と平行な断面において、
    前記第2放電面の重心から前記第2放電面に沿って前記自由端面に向かう方向を第1方向とし、前記第1方向の反対方向を第2方向とし、
    前記溶接部と前記接地電極チップとの境界の前記第1方向の端と、前記溶接部と前記接地電極本体との境界の前記第1方向の端と、のうち、前記第2方向側に位置する端を第1端とし、前記接地電極チップの前記第2方向の端を第2端とするとき、
    前記溶接部の前記第1方向の端は、前記自由端面に露出し、
    前記溶接部は、前記接地電極本体の前記軸線に沿って延び、
    前記第1端から前記第2端までの前記第1方向の範囲のうち、前記第2端側の1/4の全範囲において、前記接地電極チップの前記第1方向と垂直な方向の長さL1と、前記溶接部の前記第1方向と垂直な方向の長さL2とは、(L2/L1)≧0.25を満たすことを特徴とする、点火プラグ。
  2. 請求項1に記載の点火プラグであって、
    前記断面において、さらに、
    前記第1端から前記第2端までの前記第1方向の全範囲において、前記接地電極チップの前記第1方向と垂直な方向の長さL1と、前記溶接部の前記第1方向と垂直な方向の長さL2とは、(L2/L1)≧0.25を満たすことを特徴とする、点火プラグ。
  3. 請求項1または2に記載の点火プラグであって、
    前記断面において、さらに、
    前記第2端から、前記溶接部の前記第2方向の端までの長さL3は、0.1mm以上であることを特徴とする、点火プラグ。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の点火プラグであって、
    前記断面において、さらに、
    前記第1端から前記第2端までの前記第1方向の範囲のうち、前記第2端側の1/4の全範囲において、前記接地電極チップの前記第1方向と垂直な方向の長さL1と、前記溶接部の前記第1方向と垂直な方向の長さL2とは、(L2/L1)≦0.5を満たすことを特徴とする、点火プラグ。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の点火プラグであって、
    前記接地電極チップの前記第1方向の端は、前記接地電極本体の前記自由端面より前記第2方向側に位置することを特徴とする、点火プラグ。
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