JP2011033284A - 電気給湯機 - Google Patents

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幸治 島崎
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健一 齋藤
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Abstract

【課題】タンクに蓄えられる高温の液体の温度を低下させる自然対流を抑えるとともに、新規設置時に、ヒートポンプ部へ速やかに液体を導入できる電気給湯機を提供することを課題とする。
【解決手段】電気給湯機20の制御部12は、総稼動時間が所定時間Tim1未満の場合、貯湯タンク1の上部温度TmpHと下部温度TmpLの温度差ΔTmpHLが所定温度差ΔTmp1未満のときは、HPユニット11の入口部11aを貯湯タンク1の取り出し口4に接続する沸き上げ状態にバイパス弁9を設定し、温度差ΔTmpHLが所定温度差ΔTmp1以上のときは、HPユニット11の入口部11aを出口管7にデバイス管8を介して接続するバイパス状態にバイパス弁9を設定する。そして、総稼動時間が所定時間Tim1以上の場合、制御部12は、沸き上げ運転しないときにはバイパス状態にバイパス弁9を設定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ヒートポンプ部を熱源とする電気給湯機に関する。
ヒートポンプユニット(以下、HPユニットと称する)を熱源に用いる電気給湯機は、沸き上がった湯水を蓄える貯湯タンクにHPユニットが接続されて構成される。
このように構成される電気給湯機は、貯湯タンクに蓄えられている湯水の温度を所定の沸き上げ温度に維持するため、夜間などの電気料金が安価な時間帯に、必要に応じて沸き上げ運転して貯湯タンクに蓄えられている湯水を加熱する。
なお、沸き上げ温度は、例えば、電気給湯機の仕様として予め設定されている温度である。
また、以下、「高温」は沸き上げ温度を示し、「低温」は沸き上げ温度より低温を示す。
電気給湯機が沸き上げ運転するとき、貯湯タンクの下部に滞留している、低温の湯水がHPユニットに取り込まれて加熱され、沸き上げ温度に沸き上った高温の湯水が貯湯タンクの上部から貯湯タンクに戻される。
すなわち、HPユニットの入口部が貯湯タンクの下部と接続され、HPユニットの出口部が貯湯タンクの上部と接続される。このように、貯湯タンクの上部と下部がHPユニットを介して接続されている。
また、貯湯タンクの湯水がユーザに給湯されるときは、水の給水源(例えば、水道)から、貯湯タンクの下部に水が給水される。
貯湯タンクの上部に滞留している沸き上げ温度の湯水は、貯湯タンクの上部から給湯用の配管に押し出されてユーザに給湯され、貯湯タンクの下部には、給湯された湯水の量に見合う量の水(低温)が補給される。
貯湯タンクの上部に滞留している沸き上げ温度の湯水と貯湯タンクの下部に補給される低温の水の間には境界層が形成され、沸き上げ温度の湯水と低温の水は混合することなく、分離した状態になる。
したがって、貯湯タンクの上部に滞留している沸き上げ温度の湯水の温度は低下することがなく、貯湯タンクの内部は、上部が高温で下部が低温になるように温度分布する。
また、貯湯タンクの上部と下部がHPユニットを介して接続される場合、HPユニットを貯湯タンクに接続する接続配管にも境界層が形成され、上部が高温で下部が低温になるように温度分布する。
しかしながら、貯湯タンクと接続配管の放熱量の差などによって、貯湯タンクに境界層が形成される高さと接続配管に境界層が形成される高さに高低差が生じると、境界層の高低差を解消するように自然対流が発生する。
この自然対流は、湯水が貯湯タンクとHPユニットを循環するように流れて発生する。
以下、湯水が貯湯タンクとHPユニットを循環するように流れる自然対流を「給湯機対流」と称する。
給湯機対流は、貯湯タンクの上部と下部がHPユニットを介して接続される場合に、貯湯タンクの内部の温度が、上部が高温で下部が低温になるように分布すると発生する。
そして、給湯機対流が発生すると、貯湯タンクの上部に滞留している沸き上げ温度の湯水の温度が低下する。そして、場合によっては、貯湯タンクの内部に蓄えられている湯水が攪拌されて温度が均一になり、貯湯タンク内の温度分布が一様になるおそれがある。
このような、給湯機対流の発生を抑える手段として、逆止弁を設ける方法や、バイパス弁を利用する方法が知られている。
このうち、バイパス弁を利用する方法の説明に先立ち、以下ではまずバイパス弁について説明する。
HPユニットは、冷媒を外気で冷却する空気側熱交換器を備えているが、その空気側熱交換器に霜が着く場合がある。
そこで、空気側熱交換器に着いた霜を除去するために、電気給湯機は、例えば、HPユニットに備わる圧縮機で圧縮された高温の冷媒で霜を溶かす除霜運転をする必要がある。
例えば、特許文献1には、HPユニットで加熱された湯水を貯湯タンクに戻すことなく循環させるためのバイパス管、及びHPユニットを貯湯タンクに接続する状態とHPユニットをバイパス管に接続する状態を設定できるバイパス弁を備え、除霜運転の効率を向上させるヒートポンプ式給湯機の技術が開示されている。また、特許文献2にも、バイパス弁を備えたヒートポンプ式給湯機の技術が開示されている。
特許文献2に開示されるヒートポンプ式給湯機は、沸き上げ運転をしないときに、HPユニットをバイパス管に接続する状態にバイパス弁を設定する。
この状態では、貯湯タンクの上部と下部がHPユニットを介して接続されず、湯水が貯湯タンクとHPユニットを循環しないことから、給湯機対流の発生を抑えることができ、貯湯タンクの上部に滞留している沸き上げ温度の湯水の温度低下を抑えることができる。
また、除霜運転するとき、バイパス弁は、HPユニットをバイパス管に接続する状態に設定される。HPユニットで加熱された沸き上げ温度の湯水は、貯湯タンクに戻ることなくバイパス管を通ってHPユニットに戻るため、HPユニットを流通する湯水は、速やかに高温になる。したがって、冷媒の温度低下が抑制され、圧縮機で圧縮された冷媒を高温の状態に維持することができ、効率よく霜を溶かすことができる。
そして、ヒートポンプ式給湯機が沸き上げ運転するとき、バイパス弁は、HPユニットを貯湯タンクに接続する状態に設定され、貯湯タンクに蓄えられている湯水をHPユニットで加熱できる。
なお、バイパス弁は、HPユニットの入口側に備わっている。HPユニットの出口側を通る湯水は高温(例えば90℃)であり、バイパス弁がHPユニットの出口側に備わる場合、バイパス弁には高い耐熱性が要求される。
バイパス弁がHPユニットの入口側に備わる構成によって、バイパス弁の耐熱温度を低くすることができ、バイパス弁の製造コストが低く抑えられるなどの効果が得られる。
特開2008−121923号公報 特開2008−241114号公報
前記したように、特許文献2に開示されるヒートポンプ式給湯機は、沸き上げ運転しないときには、HPユニットをバイパス管に接続する状態にバイパス弁を設定する。
バイパス弁は、HPユニットの入口側に備わっていることから、HPユニットの入口側と貯湯タンクの下部は遮断された状態になる。
そして、バイパス弁と貯湯タンクの下部を接続する配管は、バイパス弁によって閉じられる。
したがって、例えば電気給湯機の新規設置時に試運転するときの給水作業において、ユーザが、空の貯湯タンクに水を給水するとき、貯湯タンクの下部から、バイパス弁を通って、HPユニットに水が取り込まれず、貯湯タンクが満水になった後、貯湯タンクの上部と接続される出口側からHPユニットに水が取り込まれる。
バイパス弁と貯湯タンクの下部を接続する配管は、バイパス弁によって閉じられていることから、ユーザが空の貯湯タンクに水を給水するとき、バイパス弁と貯湯タンクの下部を接続する配管に滞留している空気は逃げ場がなくなって、貯湯タンクへの給水でその空気を押し出すことができず、バイパス弁と貯湯タンクの下部を接続する配管に水が給水されない。
したがって、バイパス弁と貯湯タンクの下部を接続する配管に水を満たすために呼び水をする必要があり、例えば試運転のときの給水作業に、呼び水をする作業が増えるという問題がある。
特に、貯湯タンクが開放式のタンクの場合は、HPユニットに取り込む水の水頭圧が低くなってHPユニット内に滞留する空気をも充分に押し出すことができず、呼び水を充分にすることが必要になる。
このような問題は、沸き上げ温度の湯水が貯湯タンクに蓄えられるタイプの電気給湯機のみに限定されるものではなく、熱媒体としての高温の液体がタンクに蓄えられるタイプの電気給湯機にも共通する問題である。
また、熱源がヒートポンプユニットとして独立に存在するタイプの電気給湯機のみに限定されるものではなく、タンクと熱源が一体的に設けられ、熱源がヒートポンプ部として備わるタイプの電気給湯機にも共通する問題である。
そこで本発明は、タンクに蓄えられる高温の液体の温度を低下させる自然対流を抑えるとともに、新規設置時に、ヒートポンプ部へ速やかに液体を導入できる電気給湯機を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、所定の沸き上げ温度の液体を蓄えるタンクと、前記タンクに接続され、前記沸き上げ温度より低温の前記液体を沸き上げる熱源となるヒートポンプ部と、前記ヒートポンプ部に供給される、前記沸き上げ温度より低温の前記液体を当該ヒートポンプ部の入口部まで導く入口管と、前記ヒートポンプ部の出口部から前記タンクの上部に形成される戻り口まで前記液体を導く出口管と、前記入口管と前記出口管を接続するバイパス管と、前記ヒートポンプ部の前記入口部を前記出口管に前記バイパス管を介して接続する第1の状態と前記ヒートポンプ部の前記入口部を前記入口管に対する前記液体の導入部に接続する第2の状態を設定可能な切替機構と、前記切替機構を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、当該制御部の稼動時間が所定時間未満の場合には、前記切替機構を前記第2の状態に設定し、前記稼動時間が所定時間以上であって前記液体の沸き上げが行われない場合には、前記切替機構を前記第1の状態に設定する電気給湯機とする。
また、本発明は、所定の沸き上げ温度の液体を蓄えるタンクと、前記タンクに接続され、前記沸き上げ温度より低温の前記液体を沸き上げる熱源となるヒートポンプ部と、前記ヒートポンプ部に供給される、前記沸き上げ温度より低温の前記液体を当該ヒートポンプ部の入口部まで導く入口管と、前記ヒートポンプ部の出口部から前記タンクの上部に形成される戻り口まで前記液体を導く出口管と、前記入口管と前記出口管を接続するバイパス管と、前記ヒートポンプ部の前記入口部を前記出口管に前記バイパス管を介して接続する第1の状態と前記ヒートポンプ部の前記入口部を前記入口管に対する前記液体の導入部に接続する第2の状態を設定可能な切替機構と、前記タンク内の温度を計測する温度計測装置と、前記タンク内の温度に基づいて前記切替機構を制御する制御部と、を備える電気給湯機とする。
本発明によると、タンクに蓄えられる高温の液体の温度を低下させる自然対流を抑えるとともに、新規設置時に、ヒートポンプ部へ速やかに液体を導入できる電気給湯機を提供できる。
電気給湯機の一構成例を示す図である。 第1の実施形態に係る制御部がバイパス弁を制御する手順を示すフローチャートである。 第2の実施形態に係る制御部がバイパス弁を制御する手順を示すフローチャートである。
《第1の実施形態》
以下、本発明の第1の実施形態について、適宜図を参照して詳細に説明する。
図1に示すように、第1の実施形態に係る電気給湯機20は、ユーザに給湯する湯水(液体)を蓄えるための、例えばステンレススチール製のタンク(貯湯タンク1)と、貯湯タンク1に蓄えられている湯水を加熱する熱源、すなわち、湯水(液体)を沸き上げる熱源となるヒートポンプ部としてのHPユニット11を備えて構成される。貯湯タンク1は、筐体に収められてタンクユニットを構成する。また、電気給湯機20は、HPユニット11及びタンクユニットを組み合わせて構成される。
貯湯タンク1の下部(例えば、底部1b)には給水口2aが形成されて給水管2が接続され、例えば水道などの図示しない給水源から貯湯タンク1の下部に水を給水できる。
また、貯湯タンク1の上部(例えば、頂部1a)には給湯口3aが形成されて給湯管3が接続される。給湯管3には給湯栓3bが取り付けられ、ユーザによって給湯栓3bが開かれると、電気給湯機20はユーザに湯水を給湯する。
さらに、貯湯タンク1の下部(例えば、底部1b)には、HPユニット11で加熱する湯水を貯湯タンク1から取り出すための取り出し口4が形成され、貯湯タンク1の上部(例えば、頂部1a)には、HPユニット11で加熱された湯水が貯湯タンク1に戻るための戻り口5が形成される。
取り出し口4は、HPユニット11の入口部11aと入口管6で接続される。入口管6は、貯湯タンク1の取り出し口4からHPユニット11の入口部11aまで湯水を導く。
そして、貯湯タンク1に蓄えられている湯水は、取り出し口4を介して入口管6に導入することから、取り出し口4は、入口管6に対する湯水(液体)の導入部となる。
また、戻り口5は、HPユニット11の出口部11bと出口管7で接続される。出口管7は、HPユニット11の出口部11bから貯湯タンク1の戻り口5まで湯水を導く。
さらに、貯湯タンク1をバイパスして入口管6と出口管7を接続するバイパス管8が備わり、入口管6とバイパス管8の接続部には、切替機構としてのバイパス弁9が備わっている。
入口管6は、バイパス弁9によって貯湯タンク1側とHPユニット11側に分割されることになり、以下、必要に応じて、入口管6の貯湯タンク1側を入口管上流部6a、入口管6のHPユニット11側を入口管下流部6bと称する。
HPユニット11には、冷媒が流れる冷媒回路11c、冷媒を圧縮する圧縮機11d、入口部11aと出口部11bを接続する内部配管11eを流れる湯水と冷媒が熱交換する水側熱交換器11f、冷媒回路11cを流れる冷媒と外気が熱交換する空気側熱交換器11g等が備わって、ヒートポンプが構成される。
冷媒として、例えば二酸化炭素(CO)が用いられる。
バイパス弁9は、例えば、3つの接続口9a,9b,9cを備え、図示しない弁体の動作によって、接続口9aと接続口9bを連通して接続口9cを閉じる状態と、接続口9bと接続口9cを連通して接続口9aを閉じる状態を択一的に設定できる三方弁である。
そして、バイパス弁9の接続口9aには入口管上流部6aが接続され、接続口9bには入口管下流部6bが接続され、接続口9cにはバイパス管8が接続される。
したがって、バイパス弁9が接続口9aと接続口9bを連通する状態に設定されると、入口管上流部6aと入口管下流部6bが連通してバイパス管8は閉じられる。
また、バイパス弁9が接続口9bと接続口9cを連通する状態に設定されると、入口管下流部6bとバイパス管8が連通して入口管上流部6aは閉じられる。
入口管下流部6bとバイパス管8が連通した状態は、HPユニット11の入口部11aと出口管7がバイパス管8を介して接続された状態であり、バイパス弁9がHPユニット11の入口部11aを出口管7にバイパス管8を介して接続した状態といえる。このように、バイパス弁9の接続口9bと接続口9cが連通し、HPユニット11の入口部11aを出口管7にバイパス管8を介して接続した状態を、バイパス弁9の第1の状態とし、これを「バイパス状態」と称する。
また、入口管下流部6bと入口管上流部6aが連通した状態は、HPユニット11の入口部11aと貯湯タンク1の取り出し口4が接続された状態であり、バイパス弁9がHPユニット11の入口部11aを貯湯タンク1の取り出し口4(入口管6に対する湯水の導入部)に接続した状態といえる。このように、バイパス弁9の接続口9aと接続口9bが連通して、HPユニット11の入口部11aを入口管6に対する湯水の導入部に接続した状態を、バイパス弁9の第2の状態とし、これを「沸き上げ状態」と称する。
また、貯湯タンク1には、温度計測装置として、貯湯タンク1内の上部(頂部1aの近傍)の温度を計測する第1温度計10aと、貯湯タンク1内の下部(底部1bの近傍)の温度を計測する第2温度計10bが備わっている。
第1温度計10aは、貯湯タンク1内の上部の温度を計測して温度信号に変換し、第2温度計10bは、貯湯タンク1内の下部の温度を計測して温度信号に変換する。
そして、電気給湯機20は制御部12によって制御される。制御部12は、例えば図示しないCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを備えるマイクロコンピュータおよび周辺回路などから構成され、例えばROMに格納されているプログラムをCPUが実行して電気給湯機20を制御する。
制御部12には、貯湯タンク1内の上部の温度を計測する第1温度計10a及び貯湯タンク1内の下部の温度を計測する第2温度計10bからそれぞれ温度信号が入力され、制御部12は、第1温度計10aから入力される温度信号に基づいて貯湯タンク1内の上部の温度(以下、上部温度TmpHと称する)を算出できる。また、制御部12は、第2温度計10bから入力される温度信号に基づいて貯湯タンク1内の下部の温度(以下、下部温度TmpLと称する)を算出できる。
さらに、制御部12は、バイパス弁9に制御信号を入力して、バイパス状態と沸き上げ状態のいずれか一方に設定する。
上部温度TmpHは、第1温度計10aが計測した温度信号に基づいて制御部12が算出する温度であり、第1温度計10aが計測した温度になる。
同様に、下部温度TmpLは、第2温度計10bが計測した温度信号に基づいて制御部12が算出する温度であり、第2温度計10bが計測した温度になる。
制御部12は、例えば、貯湯タンク1の上部温度TmpHが予め設定されている沸き上げ温度より低い場合や貯湯タンク1の下部に水が給水されて下部温度TmpLが予め設定されている温度より低い場合、夜間などの電気料金が安価な時間帯に電気給湯機20を沸き上げ運転する。
なお、電気給湯機20は、ユーザの操作によって沸き上げ運転する機能を備えていてもよい。
制御部12は、電気給湯機20を沸き上げ運転するとき、バイパス弁9を沸き上げ状態に設定するとともに、HPユニット11に制御信号を送信してヒートポンプを駆動する。
貯湯タンク1の下部に滞留している低温の湯水は、実線の矢印で示すように、例えば図示しないポンプ等によって、入口管6、バイパス弁9を介して入口部11aからHPユニット11に取り込まれて内部配管11eを流通し、水側熱交換器11fで高温の冷媒と熱交換して加熱される。加熱されて高温になった湯水は、出口部11bから排出され、出口管7に導かれて貯湯タンク1の上部に形成される戻り口5から貯湯タンク1内に戻る。
戻り口5から貯湯タンク1内の上部に戻った湯水は、HPユニット11で加熱されて高温の状態であり、そのまま貯湯タンク1の上部に滞留する。そして、HPユニット11で加熱された沸き上げ温度の湯水より低温の湯水は貯湯タンク1の下部に押しやられる。したがって、貯湯タンク1に蓄えられている湯水のなかで温度の一番低い部分が下部に滞留する。
制御部12は、例えば、貯湯タンク1の下部温度TmpL、すなわち、貯湯タンク1に蓄えられている湯水のなかで温度の一番低い部分の温度が予め設定される所定の沸き上げ温度になったとき、HPユニット11に制御信号を送信してヒートポンプを停止する。
このように、電気給湯機20の沸き上げ運転によって、貯湯タンク1の下部に滞留する低温の湯水がHPユニット11で加熱されて沸き上げ温度の湯水になり、上部から貯湯タンク1に戻る。そして、貯湯タンク1が沸き上げ温度の湯水で満たされる。
また、制御部12は、HPユニット11の空気側熱交換器11gの除霜が必要と判定すると、霜を除去すべく、電気給湯機20を除霜運転する。
具体的に制御部12は、バイパス弁9をバイパス状態に設定し、その状態でHPユニット11のヒートポンプを駆動する。
HPユニット11の水側熱交換器11fで冷媒と熱交換して加熱された沸き上げ温度の湯水は、貯湯タンク1に戻ることなく、バイパス管8、バイパス弁9、入口管下流部6bを流通して入口部11aからHPユニット11に戻る。したがって、水側熱交換器11fを通る湯水は速やかに高温になって水側熱交換器11fで冷媒から熱を奪うことがなくなる。
したがって、冷媒回路11cを循環する冷媒は、圧縮機11dで圧縮された高温の状態が維持され、空気側熱交換器11gに着いた霜を効率よく溶かして除去できる。
このように、第1の実施形態に係る電気給湯機20は、バイパス弁9をバイパス状態に設定したままで除霜運転することで効率よく空気側熱交換器11gに着いた霜を除去できる。
なお、制御部12が、空気側熱交換器11gに霜が着いたことを検出する方法は特定の方法に限定されるものではない。例えば、制御部12は、図示しない温度計が計測する外気温度に応じて冷媒の温度を推定し、推定した冷媒の温度が所定値以下となった場合に、空気側熱交換器11gに霜が着いたと判定する方法とすればよい。
このように構成される電気給湯機20は、貯湯タンク1の下部に、図示しない給水源(例えば、水道)から給水管2を介して水圧がかかっている。
そして、ユーザが給湯栓3bを開くと、破線の矢印で示すように、貯湯タンク1の上部に滞留している沸き上げ温度の湯水は、貯湯タンク1の下部にかかる水圧によって給湯口3aから押し出されて給湯管3を流通する。給湯管3を流通する湯水は、図示しない混合弁で例えば水道水と混合されてユーザが要求する温度に調節され、給湯栓3bからユーザに給湯される。また、貯湯タンク1の下部には、破線の矢印で示すように、図示しない給水源から給水管2を介して水(低温)が供給される。
そして、貯湯タンク1の下部には、ユーザに給湯された湯水の量に見合う量の水が補給され、貯湯タンク1は満水の状態が維持される。
貯湯タンク1の上部に滞留する沸き上げ温度の湯水と貯湯タンク1の下部に補給された低温の水の間には境界層が形成され、沸き上げ温度の湯水と低温の水は混合することなく、分離した状態になる。
そして、貯湯タンク1の上部に滞留している沸き上げ温度の湯水の温度が低下することがなく、貯湯タンク1の内部は、上部が高温で下部が低温になるように温度分布する。
また、貯湯タンク1に境界層が形成されると、入口管6、出口管7、バイパス管8からなる配管にも境界層が形成され、入口管6、出口管7、バイパス管8からなる配管は、上部が高温で下部が低温になるように温度分布する。
例えば、バイパス弁9が沸き上げ状態に設定され、HPユニット11の入口部11aが貯湯タンク1の取り出し口4に接続されている場合、貯湯タンク1に境界層が形成される高さと、入口管6、出口管7、バイパス管8からなる配管に境界層が形成される高さに高低差が生じると、その高低差を解消するため、湯水が貯湯タンク1とHPユニット11を循環するように流れて自然対流(給湯機対流)が発生する。
そして、給湯機対流によって貯湯タンク1に蓄えられている湯水が攪拌されて温度が均一になり、貯湯タンク1内の温度分布が一様になる。その結果、貯湯タンク1の上部に滞留している沸き上げ温度の湯水の温度が低下してしまう。
一方、バイパス弁9がバイパス状態に設定されていると、入口管上流部6aはバイパス弁9によって閉じられることから、貯湯タンク1に境界層が形成される高さと、入口管6、出口管7、バイパス管8からなる配管に境界層が形成される高さに高低差が生じても、湯水が貯湯タンク1とHPユニット11を循環せず、給湯機対流は発生しない。
したがって、貯湯タンク1の上部に滞留している沸き上げ温度の湯水の温度低下を抑えることができる。
そこで、制御部12は、沸き上げ運転をしないときには、バイパス弁9をバイパス状態に設定して、給湯機対流が発生しない構成とする。
以上のように構成される電気給湯機20において、工場から出荷された新品の電気給湯機20を、ユーザが使用する場所に新規設置した後、試運転する場合がある。このときユーザは、空の貯湯タンク1に水を給水することになるが、バイパス弁9がバイパス状態に設定されていると、入口管上流部6aは、入口管下流部6bと遮断された状態であり、さらにバイパス弁9によって閉じられている。したがって、入口管上流部6aに滞留している空気を、貯湯タンク1に給水する水で押し出すことができず、入口管上流部6aに水が給水されない。すなわち、入口管上流部6aに水が満たされない。そのため、ユーザは、呼び水をして入口管上流部6aに水を満たす必要がある。したがって、試運転のときの給水作業の際に、呼び水する作業が必要になり、給水作業に要する時間が長くなる。
このように、電気給湯機20の新規設置時に、バイパス弁9が、HPユニット11の入口部11aをバイパス管8を介して出口管7に接続するバイパス状態に設定されていると、給水作業の際に呼び水をする作業が必要になって、給水作業に要する時間が長くなることから、試運転に要する時間が長くなり、電気給湯機20を効率よく新規設置することができない。
したがって、電気給湯機20の新規設置時には、バイパス弁9が、HPユニット11の入口部11aを貯湯タンク1の取り出し口4に接続する沸き上げ状態に設定されていることが好適である。
そこで、第1の実施形態に係る電気給湯機20は、新規設置時に、バイパス弁9を沸き上げ状態に設定する構成とする。さらに、電気給湯機20の制御部12の稼動時間が所定時間以上の場合、制御部12は、沸き上げ運転しているときはバイパス弁9を沸き上げ状態に設定し、沸き上げ運転していないときはバイパス弁9をバイパス状態に設定する構成とする。具体的に稼動時間は、電気給湯機20の制御部12が最初に起動してから実際に稼動している時間の合計である総稼動時間である。
図1に示す電気給湯機20において、貯湯タンク1の上部と下部をHPユニット11を介して接続したときに発生する給湯機対流は、貯湯タンク1の上部に沸き上げ温度の湯水が滞留して、下部に沸き上げ温度より低温の湯水が滞留しているときなど、貯湯タンク1の上部と下部に温度差が生じているときに発生する。したがって、貯湯タンク1の上部と下部で温度差が生じなければ、貯湯タンク1の上部と下部をHPユニット11を介して接続しても給湯機対流は発生しない。
そこで、第1の実施形態に係る電気給湯機20の制御部12は、総稼動時間が、予め設定される所定時間Tim1未満で、且つ、貯湯タンク1の上部温度TmpHと下部温度TmpLの温度差ΔTmpHLが、予め設定される所定温度差ΔTmp1未満のときは、バイパス弁9を沸き上げ状態に設定する構成とする。
制御部12は、例えば、工場出荷時の出荷検査などで電気給湯機20が最初に起動するときに最初に起動する。
このときに制御部12が総稼動時間の計測を開始する構成とし、所定時間Tim1を、電気給湯機20の出荷検査に要する時間より充分長い時間とすれば、出荷検査時の制御部12の総稼動時間は所定時間Tim1未満となる。
したがって、出荷検査で制御部12が起動したときに、貯湯タンク1の上部温度TmpHと下部温度TmpLの温度差ΔTmpHLが所定温度差ΔTmp1未満であれば、制御部12は、バイパス弁9を沸き上げ状態に設定する。
また、貯湯タンク1の上部温度TmpHと下部温度TmpLの温度差ΔTmpHLが所定温度差ΔTmp1以上であれば、制御部12は、バイパス弁9をバイパス状態に設定する。
このように、第1の実施形態に係る電気給湯機20の制御部12は、総稼動時間が所定時間Tim1未満のとき、貯湯タンク1の上部温度TmpHと下部温度TmpLに基づいてバイパス弁9を制御する。
また、制御部12の総稼動時間が所定時間Tim1以上のとき、制御部12は、上部温度TmpHと下部温度TmpLの温度差ΔTmpHLによらず、電気給湯機20が沸き上げ運転するときにはバイパス弁9を沸き上げ状態に設定し、沸き上げ運転しないときにはバイパス状態に設定する構成とする。
バイパス弁9を沸き上げ状態に設定すると判定するために、制御部12が、上部温度TmpHと下部温度TmpLの温度差ΔTmpHLと比較する所定温度差ΔTmp1は特定のものに限定される値ではなく、電気給湯機20に要求される仕様等に基づいて適宜設定すればよい。
例えば、給湯機対流が発生したときに、貯湯タンク1の上部に滞留している沸き上げ温度の湯水に許容される温度低下の値を所定温度差ΔTmp1とすることができる。
一例を挙げると、「80℃」の湯水を給湯可能とする電気給湯機20の場合、沸き上げ温度が「90℃」であれば、貯湯タンク1に蓄えられる湯水には、「10℃(90℃−80℃)」の温度低下が許容されることになり、所定温度差ΔTmp1を「10℃」と設定できる。
所定温度差ΔTmp1を「10℃」に設定すると、例えば、貯湯タンク1の上部温度TmpHと下部温度TmpLの温度差ΔTmpHLが「5℃」の場合、バイパス弁9は、沸き上げ状態に設定され、給湯機対流が発生する場合がある。
しかしながら、給湯機対流が発生して貯湯タンク1内の温度が一様になっても、貯湯タンク1の上部に滞留している沸き上げ温度の湯水は「5℃」以上温度低下しない。
すなわち、沸き上げ温度が「90℃」であれば、貯湯タンク1には「85℃(90℃−5℃)」以上の湯水が蓄えられることになり、電気給湯機20は「80℃」の湯水をユーザに給湯できる。
温度の具体的な数値は一例であって、これらの値に限定されるものではないが、所定温度差ΔTmp1は、「0℃」より充分に大きな値であることが好適である。
また、所定時間Tim1は、例えば、電気給湯機20の出荷検査に要する時間と、電気給湯機20の試運転に要する時間の合計とすればよく、実験等で予め決定しておけばよい。
所定時間Tim1をこのように設定すると、制御部12は、総稼動時間が所定時間Tim1以上のとき、電気給湯機20の出荷検査及び試運転が終了したと判定できる。
工場出荷時の電気給湯機20の貯湯タンク1は空であり、貯湯タンク1の上部温度TmpHと下部温度TmpLは共に大気温度に近い温度であることから、貯湯タンク1の上部温度TmpHと下部温度TmpLの温度差ΔTmpHLは「0℃」に近くなる。
所定温度差ΔTmp1が「0℃」より充分に大きな値に設定されていると、出荷検査時に制御部12が起動したとき、貯湯タンク1の上部温度TmpHと下部温度TmpLの温度差ΔTmpHLは所定温度差ΔTmp1未満になる。
また、所定時間Tim1を、例えば、電気給湯機20の出荷検査に要する時間と試運転に要する時間の合計とすると、所定時間Tim1は出荷検査に要する時間より充分に長くなる。
したがって、出荷検査時の制御部12の総稼動時間は所定時間Tim1未満になる。
このように、電気給湯機20の出荷検査時、貯湯タンク1の上部温度TmpHと下部温度TmpLの温度差ΔTmpHLは所定温度差ΔTmp1未満になり、且つ、制御部12の総稼動時間は所定時間Tim1未満になることから、制御部12はバイパス弁9を沸き上げ状態に設定する。
したがって、出荷検査後に工場等から出荷される電気給湯機20のバイパス弁9は、沸き上げ状態に設定されている。
そして、ユーザは、バイパス弁9が沸き上げ状態に設定されている電気給湯機20を、使用する場所に新規設置することができる。
さらに、制御部12は、総稼動時間が所定時間Tmp1以上のとき、すなわち、電気給湯機20の出荷検査及び試運転が終了したと判定したとき、貯湯タンク1の上部温度TmpHと下部温度TmpLの温度差ΔTmpHLが所定温度差ΔTmp1未満であっても、電気給湯機20が沸き上げ運転していないときには、バイパス弁9をバイパス状態に設定する。
この構成によって、出荷検査及び試運転が終了した電気給湯機20は、例えば、貯湯タンク1が均一に沸き上げ温度の湯水で満たされ、貯湯タンク1の上部温度TmpHと下部温度TmpLの温度差ΔTmpHLが所定温度差ΔTmp1未満になっても、バイパス弁9がバイパス状態に設定される。
すなわち、制御部12は、電気給湯機20の出荷検査と試運転が終了した後は、貯湯タンク1の上部温度TmpHと下部温度TmpLに応じてバイパス弁9の設定を変更する必要がなくなり、制御部12は単純なロジックでバイパス弁9を制御できる。
制御部12がバイパス弁9を単純なロジックで制御できる場合、制御部12の図示しないCPUの演算負荷を小さくすることができることから、例えば、安価なCPUを使用することによる制御部12のコストダウンなどの効果を得ることができる。
図2を参照して、第1の実施形態に係る制御部12がバイパス弁9を制御する手順を説明する(適宜図1参照)。
この手順は、例えば、制御部12が実行するプログラムにサブルーチンとして組み込まれ、制御部12が適宜実行する構成とすればよい。
制御部12がバイパス弁9を制御する手順を開始したとき、制御部12の最初の起動のときは(ステップS1→Yes)、制御部12は総稼動時間の計測を開始してから(ステップS2)、ステップS3に手順を進め、最初の起動でなければ(ステップS1→No)、制御部12はそのままステップS3に手順を進める。
例えば制御部12は、最初の起動を示すフラグStを備える。制御部12は、最初の起動か否かを最初に判定した後、すなわち、最初にステップS1を実行した後に、例えば「1」をフラグStに設定する。制御部12はステップS1において、フラグStに「1」が設定されていなければ最初の起動と判定し(ステップS1→Yes)、フラグStに「1」が設定されていれば最初の起動ではないと判定する(ステップS1→No)。
制御部12は、総稼動時間が所定時間Tim1以上のとき(ステップS3→No)、電気給湯機20の出荷検査及び試運転が終了したと判定する。そして、電気給湯機20が沸き上げ運転するときにはバイパス弁9を沸き上げ状態に設定し、沸き上げ運転しないときにはバイパス弁9をバイパス状態に設定する(ステップS8)。
一方、総稼動時間が所定時間Tim1未満のとき(ステップS3→Yes)、制御部12は、貯湯タンク1の上部温度TmpH、下部温度TmpL、及び上部温度TmpHと下部温度TmpLの温度差ΔTmpHLを算出する(ステップS4)。
前記したように、制御部12には、貯湯タンク1内の上部の温度を計測する第1温度計10a及び貯湯タンク1内の下部の温度を計測する第2温度計10bからそれぞれ温度信号が入力される。
したがって、制御部12は、第1温度計10aから入力される温度信号に基づいて上部温度TmpHを算出し、第2温度計10bから入力される温度信号に基づいて下部温度TmpLを算出する。
さらに、制御部12は、上部温度TmpHから下部温度TmpLを減算して温度差ΔTmpHLを算出する。
そして、算出した温度差ΔTmpHLが予め設定される所定温度差ΔTmp1未満のとき(ステップS5→Yes)、制御部12はバイパス弁9を沸き上げ状態に設定し(ステップS6)、温度差ΔTmpHLが所定温度差ΔTmp1以上のとき(ステップS5→No)、制御部12は、バイパス弁9をバイパス状態に設定する(ステップS7)。
なお、第1の実施形態に係る電気給湯機20の制御部12は、総稼動時間が所定時間Tim1未満(ステップS3→Yes)で、貯湯タンク1の上部温度TmpHと下部温度TmpLの温度差ΔTmpHLが所定温度差ΔTmp1以上の場合(ステップS5→No)に、ステップS7の手順を実行してバイパス弁9をバイパス状態に設定するが、この場合であっても、沸き上げ運転するときには、バイパス弁9を沸き上げ状態に設定する構成が好適である。
以上のように、図1に示す、第1の実施形態に係る電気給湯機20の制御部12は、総稼動時間が所定時間Tim1未満のとき、貯湯タンク1の上部温度TmpHと下部温度TmpLに基づいてバイパス弁9を制御する。
換言すると、制御部12は、総稼動時間が所定時間Tim1未満のとき、貯湯タンク1内の温度に基づいてバイパス弁9を制御する。
そして、制御部12は、貯湯タンク1内の温度に基づいてバイパス弁9を制御するとき、すなわち、総稼動時間が所定時間Tim1未満のとき、貯湯タンク1の上部温度TmpHと下部温度TmpLの温度差ΔTmpHLが所定温度差ΔTmp1未満の場合にバイパス弁9を沸き上げ状態に設定し、温度差ΔTmpHLが所定温度差ΔTmp1以上の場合にバイパス弁9をバイパス状態に設定する。
さらに、制御部12は、総稼動時間が所定時間Tim1以上の場合、沸き上げ運転するときにはバイパス弁9を沸き上げ状態に設定し、沸き上げ運転しないときにはバイパス弁9をバイパス状態に設定する。
例えば、図1に示す電気給湯機20の貯湯タンク1が空の場合、貯湯タンク1の上部温度TmpHと下部温度TmpLは共に大気温度に近く、温度差ΔTmpHLは「0℃」に近い値になる。
工場出荷時の貯湯タンク1は空であり、所定温度差ΔTmp1は「0℃」より充分に大きく設定されることから、電気給湯機20の出荷検査時に、上部温度TmpHと下部温度TmpLの温度差ΔTmpHLは所定温度差ΔTmp1未満になる。
また、前記したように、所定時間Tim1は、電気給湯機20の出荷検査に要する時間より充分に長く設定されることから、出荷検査の終了時における制御部12の総稼動時間は所定時間Tim1未満になる。
したがって、電気給湯機20の出荷検査時に、電気給湯機20の最初の起動にともなって制御部12が最初に起動したとき、制御部12は、図2に示す手順のステップS6を実行してバイパス弁9を沸き上げ状態に設定する。
このことによって、工場から出荷されてユーザが使用する場所に新規設置される電気給湯機20のバイパス弁9は沸き上げ状態に設定されている。
バイパス弁9が沸き上げ状態に設定されていると、ユーザが空の貯湯タンク1に水を給水するとき、入口管上流部6aに滞留している空気はHPユニット11を通って押し出され、呼び水をすることなく入口管上流部6aに水を満たすことができる。
したがって、例えば試運転のときの給水作業に呼び水をする作業が必要がなくなり、速やかに給水作業ができる。ひいては、試運転に要する時間を短縮できる。
さらに、総稼動時間が所定時間Tim1以上のとき、制御部12は、電気給湯機20が沸き上げ運転するときにはバイパス弁9を沸き上げ状態に設定し、沸き上げ運転しないときにはバイパス弁9をバイパス状態に設定するという、単純なロジックでバイパス弁9を制御することができる。
したがって、沸き上げ運転していない電気給湯機20のバイパス弁9はバイパス状態に設定され、貯湯タンク1の上部が高温で下部が低温になっても、給湯機対流は発生せず、貯湯タンク1の上部に滞留している沸き上げ温度の湯水の温度低下を抑えることができる。
さらに、制御部12は、簡単なロジックでバイパス弁9を制御できることから、例えば、前記したように、安価なCPUを使用することができ、制御部12をコストダウンすることができる。
また、例えば、ユーザが、貯湯タンク1に湯水が蓄えられている電気給湯機20の制御部12を交換した後、電気給湯機20に新たに取り付けた制御部12を起動すると、その制御部12は最初の起動になることから、制御部12の総稼動時間は所定時間Tim1未満になる。
このとき、貯湯タンク1の上部に沸き上げ温度の湯水が滞留して下部に低温の湯水が滞留し、上部温度TmpHと下部温度TmpLの温度差ΔTmpHLが所定温度差ΔTmp1以上であれば、制御部12は、図2に示す手順のステップS7を実行して、バイパス弁9をバイパス状態に設定する。
前記したように、バイパス弁9がバイパス状態に設定されると、入口管上流部6aがバイパス弁9によって閉じられ、貯湯タンク1の上部と下部はHPユニット11を介して接続されず、給湯機対流は発生しない。
一方、貯湯タンク1が均一に沸き上げ温度の湯水で満たされ、上部温度TmpHと下部温度TmpLの温度差ΔTmpHLが所定温度差ΔTmp1未満のとき、制御部12は、図2に示す手順のステップS6を実行して、バイパス弁9を沸き上げ状態に設定する。
バイパス弁9は、HPユニット11の入口部11aを貯湯タンク1の取り出し口4に接続することから、貯湯タンク1の上部と下部はHPユニット11を介して接続されるが、貯湯タンク1の上部と下部で温度差が生じていないため、給湯機対流は発生しない。
そして、貯湯タンク1に蓄えられている湯水がユーザに給湯され、貯湯タンク1の下部に低温の水が補給されると、貯湯タンク1の下部温度TmpLが下がる。そして、上部温度TmpHと下部温度TmpLの温度差ΔTmpHLが所定温度差ΔTmp1以上になると、制御部12は、図2に示す手順のステップS7を実行して、バイパス弁9をバイパス状態に設定する。したがって、貯湯タンク1の上部が高温で下部が低温になっても、給湯機対流は発生しない。
このように、第1の実施形態に係る電気給湯機20は、制御部12が交換された場合に総稼動時間が所定時間Tim1未満のとき、貯湯タンク1の上部温度TmpHと下部温度TmpLの温度差ΔTmpHLが所定温度差ΔTmp1以上であれば、制御部12がバイパス弁9をバイパス状態に設定する。したがって、給湯機対流の発生を抑えることができ、貯湯タンク1の上部に滞留している沸き上げ温度の湯水の温度低下を抑えることができる。
そして、総稼動時間が所定時間Tim1以上のとき、制御部12は、沸き上げ運転していなければバイパス弁9をバイパス状態に設定する。したがって、給湯機対流は発生しない。
以上のように、第1の実施形態に係る電気給湯機20(図1参照)は、ユーザが新規設置するときには、バイパス弁9(図1参照)が沸き上げ状態に設定され、ユーザが試運転に要する時間を短縮できる。
また、貯湯タンク1(図1参照)の上部が高温で下部が低温になっても、給湯機対流の発生を抑えることができ、貯湯タンク1の上部に滞留している沸き上げ温度の湯水の温度低下を抑えることができる。
さらに、貯湯タンク1に湯水が蓄えられている電気給湯機20の制御部12を交換した場合であっても、給湯機対流の発生を抑えることができ、貯湯タンク1の上部に滞留している沸き上げ温度の湯水の温度低下を抑えることができる。
《第2の実施形態》
第2の実施形態に係る電気給湯機は、図1に示す第1の実施形態に係る電気給湯機20と同じ構成であり、制御部12がバイパス弁9を制御する手順が第1の実施形態と異なる。
第2の実施形態に係る電気給湯機20は、制御部12の総稼動時間が所定時間Tim1未満のとき、貯湯タンク1の上部温度TmpHが予め設定される所定温度Tmp2未満のときは、貯湯タンク1が空であると判定してバイパス弁9を沸き上げ状態に設定する構成とする。
制御部12がバイパス弁9を沸き上げ状態に設定するか否かを判定するための所定温度Tmp2は、例えば、大気温度より充分に高く、電気給湯機20に設定される沸き上げ温度より低い温度が好適であり、実験等によって最適な所定温度Tmp2を設定すればよい。
また、第2の実施形態における所定時間Tim1は、第1の実施形態における所定時間Tim1とすることができる。
そして、制御部12の総稼動時間が所定時間Tim1以上のとき、制御部12は、第1の実施形態と同様に、電気給湯機20が沸き上げ運転するときにはバイパス弁9を沸き上げ状態に設定し、沸き上げ運転しないときにはバイパス状態に設定する構成とする。
図3を参照して、第2の実施形態に係る制御部12がバイパス弁9を制御する手順を説明する(適宜図1参照)。
この手順は、第1の実施形態と同様に、例えば、制御部12が実行するプログラムにサブルーチンとして組み込まれ、制御部12が適宜実行する構成とすればよい。
なお、図2に示す手順と同じ手順については同じ符号を付し、詳細な説明は適宜省略する。
制御部12がバイパス弁9を制御する手順を開始したとき、制御部12の最初の起動のときは(ステップS1→Yes)、制御部12は総稼動時間の計測を開始してから(ステップS2)、ステップS3に手順を進め、最初の起動でなければ(ステップS1→No)、制御部12はそのままステップS3に手順を進める。
そして、制御部12は、総稼動時間が所定時間Tim1以上のとき(ステップS3→No)、電気給湯機20が沸き上げ運転するときにはバイパス弁9を沸き上げ状態に設定し、沸き上げ運転しないときにはバイパス弁9をバイパス状態に設定する(ステップS8)。
一方、総稼動時間が所定時間Tim1未満のとき(ステップS3→Yes)、制御部12は、貯湯タンク1の上部温度TmpHを算出する(ステップS10)。
前記したように、制御部12には、貯湯タンク1内の上部の温度を計測する第1温度計10aから温度信号が入力されることから、制御部12は、第1温度計10aから入力される温度信号に基づいて上部温度TmpHを算出する。
そして、貯湯タンク1の上部温度TmpHが予め設定される所定温度Tmp2未満のとき(ステップS11→Yes)、制御部12は、貯湯タンク1が空であると判定する。そして、制御部12はバイパス弁9を沸き上げ状態に設定する(ステップS6)。
一方、上部温度TmpHが所定温度Tmp2以上のとき(ステップS11→No)、制御部12は、貯湯タンク1に沸き上げ温度の湯水が蓄えられていると判定する。そして、バイパス弁9をバイパス状態に設定する(ステップS7)。
なお、第2の実施形態に係る電気給湯機20の制御部12は、総稼動時間が所定時間Tim1未満(ステップS3→Yes)で、貯湯タンク1の上部温度TmpHが所定温度Tmp2以上の場合(ステップS11→No)に、ステップS7の手順を実行してバイパス弁9をバイパス状態に設定するが、この場合であっても、沸き上げ運転するときには、バイパス弁9を沸き上げ状態に設定する構成が好適である。
以上のように、図1に示す、第2の実施形態に係る電気給湯機20の制御部12は、総稼動時間が所定時間Tim1未満のとき、貯湯タンク1の上部温度TmpHに基づいてバイパス弁9を制御する。
換言すると、制御部12は、総稼動時間が所定時間Tim1未満のとき、貯湯タンク1内の温度に基づいてバイパス弁9を制御する。
そして、制御部12は、貯湯タンク1内の温度に基づいてバイパス弁9を制御するとき、すなわち、総稼動時間が所定時間Tim1未満のとき、貯湯タンク1の上部温度TmpHが所定温度Tmp2未満の場合にバイパス弁9を沸き上げ状態に設定し、上部温度TmpHが所定温度Tmp2以上の場合にバイパス弁9をバイパス状態に設定する。
さらに、制御部12は、総稼動時間が所定時間Tim1以上の場合、沸き上げ運転するときにはバイパス弁9を沸き上げ状態に設定し、沸き上げ運転しないときにはバイパス弁9をバイパス状態に設定する。
例えば、図1に示す電気給湯機20の貯湯タンク1が空の場合、貯湯タンク1の上部温度TmpHは大気温度と近い温度であることから、大気温度より充分に高く設定される所定温度Tmp2未満になる。
工場出荷時の貯湯タンク1は空であることから、電気給湯機20の出荷検査時に、上部温度TmpHは所定温度Tmp2未満になる。
また、前記したように、所定時間Tim1は、例えば電気給湯機20の出荷検査に要する時間と試運転に要する時間の合計であり、電気給湯機20の出荷検査に要する時間より充分に長く設定されることから、出荷検査時における制御部12の総稼動時間は所定時間Tim1未満になる。
したがって、電気給湯機20の出荷検査時に、電気給湯機20の最初の起動にともなって制御部12が最初に起動したとき、制御部12は、図3に示す手順のステップS6を実行してバイパス弁9を沸き上げ状態に設定する。
このことによって、工場から出荷されてユーザが使用する場所に新規設置される電気給湯機20のバイパス弁9は沸き上げ状態に設定されている。
そして、第1の実施形態と同様に、例えば、試運転のときの給水作業に、呼び水をする作業が必要なくなる。したがって、速やかに給水作業ができることになり、試運転に要する時間を短縮できる。
さらに、第1の実施形態と同様に、総稼動時間が所定時間Tim1以上のとき、制御部12は、貯湯タンク1が沸き上げ運転するときにはバイパス弁9を沸き上げ状態に設定し、沸き上げ運転しないときにはバイパス弁9をバイパス状態に設定するという、単純なロジックでバイパス弁9を制御することができる。
また、例えば、ユーザが、貯湯タンク1に湯水が蓄えられている電気給湯機20の制御部12を交換した後、電気給湯機20に新たに取り付けた制御部12を起動すると、その制御部12は最初の起動になることから、制御部12の総稼動時間は所定時間Tim1未満になる。
このとき、貯湯タンク1の上部に沸き上げ温度の湯水が滞留して上部温度TmpHが所定温度Tmp2以上であれば、制御部12は、図3に示す手順のステップS7を実行して、バイパス弁9をバイパス状態に設定する。
前記したように、バイパス弁9がバイパス状態に設定されると、入口管上流部6aがバイパス弁9によって閉じられ、貯湯タンク1の上部と下部はHPユニット11を介して接続されず、貯湯タンク1の下部温度TmpLが低くなっても給湯機対流は発生しない。
一方、貯湯タンク1の上部温度TmpHが所定温度Tmp2未満の場合、制御部12は、図3に示す手順のステップS6を実行して、バイパス弁9を沸き上げ状態に設定する。
バイパス弁9は、HPユニット11の入口部11aを貯湯タンク1の取り出し口4に接続することから、貯湯タンク1の上部と下部はHPユニット11を介して接続され、貯湯タンク1の上部と下部に温度差が生じると給湯機対流が発生する場合がある。
しかしながら、この場合に貯湯タンク1に蓄えられている湯水の温度はもともと低く、給湯機対流によって貯湯タンク1の上部に滞留している湯水の温度が低下してもその影響は小さい。
このように、第2の実施形態に係る電気給湯機20においても、第1の実施形態と同様、制御部12が交換された場合にも、貯湯タンク1の上部に滞留している沸き上げ温度の湯水の温度低下を抑えることができる。
そして、総稼動時間が所定時間Tim1以上のとき、制御部12は、沸き上げ運転していなければバイパス弁9をバイパス状態に設定する。したがって、給湯機対流は発生しない。
以上のように、第2の実施形態に係る電気給湯機20(図1参照)は、ユーザが新規設置するときには、バイパス弁9(図1参照)が沸き上げ状態に設定され、ユーザが試運転に要する時間を短縮できる。
また、貯湯タンク1(図1参照)の上部が高温で下部が低温になっても、給湯機対流の発生を抑えることができ、貯湯タンク1の上部に滞留している沸き上げ温度の湯水の温度低下を抑えることができる。
なお、第2の実施形態において、図1に示す制御部12は、貯湯タンク1の上部温度TmpHが所定温度Tmp2未満であることを算出して貯湯タンク1が空であると判定したが、例えば、図示しない水位センサの検出値に基づいて、制御部12が、貯湯タンク1が空であると判定する構成であってもよい。
例えば、図示しない水位センサを貯湯タンク1に備える電気給湯機20とし、制御部12は、図示しない水位センサの検出値に基づいて貯湯タンク1に蓄えられている湯水の水位を算出する。そして、貯湯タンク1の水位が予め設定される所定値より低いとき、制御部12は、貯湯タンク1が空であると判定する構成であってもよい。
そして、制御部12は、総稼動時間が所定時間Tim1未満のとき、算出した水位によって貯湯タンク1が空であると判定したときに、バイパス弁9を沸き上げ状態に設定する構成とする。
前記したように、工場出荷時の電気給湯機20は、貯湯タンク1が空であることから、出荷検査時に制御部12が起動したとき、制御部12はバイパス弁9を沸き上げ状態に設定する。
したがって、工場から出荷されてユーザが使用する場所に新規設置される電気給湯機20のバイパス弁9は沸き上げ状態に設定されている。
そして、第1の実施形態、第2の実施形態と同様に、例えば、試運転のときの給水作業に呼び水をする作業が必要なくなる。したがって、速やかに給水作業ができることになり、試運転に要する時間を短縮できる。
また、第2の実施形態において、図1に示す制御部12は、貯湯タンク1の下部温度TmpLを計測しない。したがって、例えば、第2温度計10bを備えない構成であってもよく、電気給湯機20をコストダウンすることができる。
以上のように、図1に示す電気給湯機20は、ユーザが使用場所に新規設置するときにバイパス弁9が沸き上げ状態に設定され、例えば試運転のときなど、ユーザが空の貯湯タンク1に水を給水すると、呼び水をすることなく入口管上流部6aに水が給水される。
したがって、例えば試運転のときに速やかに給水作業ができる。
また、制御部12の総稼動時間が所定時間Tim1未満のとき、制御部12は貯湯タンク1内の温度に基づいてバイパス弁9を制御し、給湯機対流の発生を抑えることができる。
そして、貯湯タンク1の上部に滞留する沸き上げ温度の湯水の温度低下を抑えることができる。
さらに、制御部12の総稼動時間が所定時間Tim1以上の場合、制御部12は、沸き上げ運転するときにはバイパス弁9を沸き上げ状態に設定し、沸き上げ運転しないときにはバイパス弁9をバイパス状態に設定する。
したがって、制御部12は、貯湯タンク1の温度に応じてバイパス弁9の設定を変更する必要がなくなり、単純なロジックでバイパス弁9を制御できる。
なお、第1の実施形態及び第2の実施形態において、図1に示す電気給湯機20の制御部12は、総稼動時間が所定時間Tim1以上の場合、沸き上げ運転するときにはバイパス弁9を沸き上げ状態に設定し、沸き上げ運転しないときにはバイパス弁9をバイパス状態に設定する構成としたが、制御部12の総稼動時間にかかわらず、常に貯湯タンク1内の温度に基づいてバイパス弁9を制御する構成であってもよい。
例えば、第1の実施形態に係る電気給湯機20において、制御部12は、総稼動時間にかかわらず、貯湯タンク1の上部温度TmpHと下部温度TmpLと温度差ΔTmpHLを算出する。そして、温度差ΔTmpHLが所定温度差ΔTmp1未満のときはバイパス弁9を沸き上げ状態に設定し、温度差ΔTmpHLが所定温度差ΔTmp1以上のときはバイパス弁9をバイパス状態に設定する構成とする。
また、制御部12は、沸き上げ運転するときにはバイパス弁9を沸き上げ状態に設定する。
貯湯タンク1の上部に沸き上げ温度の湯水が滞留し、下部に沸き上げ温度より低温の湯水が滞留して、上部温度TmpHと下部温度TmpLの温度差ΔTmpHLが所定温度差ΔTmp1以上になると、制御部12はバイパス弁9をバイパス状態に設定することから、給湯機対流は発生しない。
そして、貯湯タンク1が空で上部温度TmpHと下部温度TmpLの温度差ΔTmpHLが所定温度差ΔTmp1未満になると、制御部12はバイパス弁9を沸き上げ状態に設定することから、制御部12は、工場出荷時に貯湯タンク1が空の場合に、バイパス弁9を沸き上げ状態に設定できる。
このように、第1の実施形態において、制御部12が、総稼動時間にかかわらず、貯湯タンク1内の温度に基づいてバイパス弁9を制御する構成であっても、工場出荷時の電気給湯機20のバイパス弁9を沸き上げ状態に設定することができ、ユーザは、試運転時に呼び水をすることなく、速やかに給水作業ができる。
さらに、貯湯タンク1の上部温度TmpHと下部温度TmpLの温度差ΔTmpHLが所定温度差ΔTmp1以上のとき、制御部12はバイパス弁9をバイパス状態に設定することから、貯湯タンク1の上部と下部に温度差があるときは、バイパス弁9がバイパス状態に設定され、給湯機対流は発生しない。
また、第2の実施形態に係る電気給湯機20において、制御部12は、総稼動時間にかかわらず、貯湯タンク1の上部温度TmpHを算出する。そして、上部温度TmpHが所定温度Tmp2未満のときはバイパス弁9を沸き上げ状態に設定し、上部温度TmpHが所定温度Tmp2以上のときはバイパス弁9をバイパス状態に設定する構成とする。
また、制御部12は、沸き上げ運転するときにはバイパス弁9を沸き上げ状態に設定する。
貯湯タンク1の上部に沸き上げ温度の湯水が滞留して上部温度TmpHが所定温度Tmp2以上になると、制御部12はバイパス弁9をバイパス状態に設定することから、例えば、貯湯タンク1の下部に低温の湯水が給水されて貯湯タンク1の上部と下部に温度差が生じても給湯機対流は発生しない。
そして、貯湯タンク1が空で上部温度TmpHが所定温度Tmp2未満になると、制御部12はバイパス弁9を沸き上げ状態に設定することから、制御部12は、工場出荷時に貯湯タンク1が空の場合に、バイパス弁9を沸き上げ状態に設定できる。
このように、第2の実施形態において、制御部12が、総稼動時間にかかわらず、貯湯タンク1内の温度に基づいてバイパス弁9を制御する構成であっても、工場出荷時の電気給湯機20のバイパス弁9を沸き上げ状態に設定することができ、ユーザは、試運転時に呼び水をすることなく、速やかに給水作業ができる。
さらに、貯湯タンク1の上部温度TmpHが所定温度Tmp2以上のとき、制御部12はバイパス弁9をバイパス状態に設定することから、貯湯タンク1に沸き上げ温度の湯水が蓄えられているときは、バイパス弁9がバイパス状態に設定され、給湯機対流は発生しない。
このように、制御部12の総稼動時間にかかわらず、制御部12が常に貯湯タンク1内の温度に基づいてバイパス弁9を制御する構成であっても、第1の実施形態及び第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、第1の実施形態及び第2の実施形態において、図1に示す電気給湯機20の制御部12は、最初に起動してから実際に稼動している時間の合計である総稼動時間を稼動時間として電気給湯機20を制御しているが、この構成に限定されるものではなく、例えば、制御部12が、電気給湯機20に電源が投入されるごとに電源投入からの経過時間を計測し、この経過時間を稼動時間として電気給湯機20を制御する構成であってもよい。
すなわち、制御部12は、電気給湯機20に電源が投入されてから所定時間経過すると、沸き上げ運転する場合にはバイパス弁9を沸き上げ状態に設定し、沸き上げ運転しないときはバイパス状態に設定する構成であってもよい。この場合の所定時間は、5〜10分の範囲であることが好ましい。なお、電気給湯機20に電源が投入される時点としては、工場出荷時の出荷検査の時点、新規設置の時点、メンテナンス後に一旦電源を切った後に再度電源を投入する時点等が考えられる。
また、第1の実施形態及び第2の実施形態において、図1に示す電気給湯機20は、貯湯タンク1の取り出し口4と接続する入口管6とバイパス管8の接続部にバイパス弁9を備えている。
すなわち、バイパス弁9はHPユニット11の入口側に備わっている。
この構成によって、前記したようにバイパス弁9の耐熱温度を低くすることができ、バイパス弁9をコストダウンできる。
さらに、バイパス弁9がバイパス状態に設定されている場合、入口管上流部6aはバイパス弁9によって閉じられることから、入口管下流部6bからHPユニット11の入口部11aを外しても、貯湯タンク1に蓄えられている湯水が入口管上流部6aから流出しない。
したがって、例えば、貯湯タンク1の上部(戻り口5の近傍)で貯湯タンク1とHPユニット11を切り離し、HPユニット11の入口部11aを入口管下流部6bから切り離すと、貯湯タンク1に蓄えられている湯水を流出させることなくHPユニット11を取り外すことができる。
すなわち、HPユニット11の交換や整備をするときに貯湯タンク1に蓄えられている水の流出を防ぐための弁機構が不必要になり、電気給湯機20をコストダウンできる。
なお、図1に示す電気給湯機20は、入口管6とバイパス管8の接続部に三方弁のバイパス弁9を切替機構として備える構成としたが、この構成に限定されるものではない。
例えば、切替機構として、バイパス管8を開閉する図示しない開閉弁と、入口管上流部6aを開閉する図示しない開閉弁を備える構成であってもよい。
バイパス管8を開閉する図示しない開閉弁が閉弁して、入口管上流部6aを開閉する図示しない開閉弁が開弁すると、バイパス管8が閉じて、HPユニット11の入口部11aが貯湯タンク1の取り出し口4に接続された状態になり、切替機構が沸き上げ状態に設定される。
また、バイパス管8を開閉する図示しない開閉弁が開弁して、入口管上流部6aを開閉する図示しない開閉弁が閉弁すると、入口管上流部6aが閉じて、HPユニット11の入口部11aが出口管7にバイパス管8を介して接続された状態になり、切替機構がバイパス状態に設定される。
したがって、制御部12は、バイパス管8を開閉する図示しない開閉弁を閉弁するとともに、入口管上流部6aを開閉する図示しない開閉弁を開弁して、切替機構を沸き上げ状態に設定することができる。
また、制御部12は、バイパス管8を開閉する図示しない開閉弁を開弁するとともに、入口管上流部6aを開閉する図示しない開閉弁を閉弁して、切替機構をバイパス状態に設定することができる。
また、本実施形態に係る電気給湯機は、制御部がタンク内の温度に基づいて切替機構を制御する構成であるが、例えば、制御部が稼動時間のみに基づいて切替機構を制御する構成であってもよい。
具体的には、制御部の稼動時間が所定時間未満の場合には、制御部が切替機構を第2の状態(沸き上げ状態)に設定し、制御部の稼動時間が所定時間以上であって液体の沸き上げが行われない場合には、制御部が切替機構を第1の状態(バイパス状態)に設定する構成であってもよい。
なお、この構成では、タンクに高温の液体が蓄えられている状態で電源投入された場合、所定時間が経過するまでは、切替機構が第2の状態となり給湯機対流が発生してしまうおそれがある。しかし、所定時間が経過した後は切替機構が第1の状態となり、その後は給湯機対流を抑えることができる。したがって、このような構成であっても、「タンクに蓄えられる高温の液体の温度を低下させる自然対流を抑えるとともに、新規設置時に、ヒートポンプ部へ速やかに液体を導入できる。」という効果を得られるだけでなく、制御部による切替機構の制御を簡素化できるという効果を奏する。なお、この場合の所定時間は、給湯機対流によってタンク内の温度分布が一様になるよりも充分短い時間(例えば、5〜10分)に設定すればよい。
また、電気給湯機としては、タンクに蓄えられた沸き上げ温度の湯水を給湯栓などの給湯端末に供給するために使用する構成のほか、タンクに蓄えられた沸き上げ温度の湯水をさらに熱媒体として利用する構成も考えられ、この場合には、タンクに蓄えられる熱媒体は液体であれば湯水でなくてもよい。
本発明は、このように構成される電気給湯機にも適用可能であり、図1に示す電気給湯機20の貯湯タンク1は、熱媒体となる液体を蓄えるためのタンクとすればよい。
なお、タンクに蓄えられる高温の液体を熱媒体として利用する方法としては、給水源から供給される水を加熱し、加熱された水(湯水)を給湯端末に供給する方法が考えられる。
また、本実施形態に係る電気給湯機は、ヒートポンプユニット及びタンクユニットを組み合わせて構成されるが、本発明は、タンクと熱源が一体的に設けられた、いわゆる一体型の電気給湯機にも適用可能であり、その場合、タンクと一体的に設けられる熱源をヒートポンプ部と特定することができる。
また、本実施形態に係る電気給湯機は、ヒートポンプユニットに送られる低温の湯水(低温の液体)は、タンクに設けられた取り出し口から取り出されるが、ヒートポンプユニットに送られる低温の湯水が、タンクを経由せず給水管から直接取り出される構成であってもよい。
この場合、給水管からヒートポンプユニットに向う配管(入口管)と給水管の分岐部を、入口管に対する液体の導入部と特定することができる。
1 貯湯タンク
1a 頂部
1b 底部
4 取り出し口(入口管に対する液体の導入部)
5 戻り口
6 入口管
6a 入口管上流部
6b 入口管下流部
7 出口管
8 バイパス管
9 バイパス弁(切替機構)
10a 第1温度計(温度計測装置)
10b 第2温度計(温度計測装置)
11 HPユニット(ヒートポンプ部)
11a 入口部
11b 出口部
12 制御部
20 電気給湯機

Claims (5)

  1. 所定の沸き上げ温度の液体を蓄えるタンクと、
    前記タンクに接続され、前記沸き上げ温度より低温の前記液体を沸き上げる熱源となるヒートポンプ部と、
    前記ヒートポンプ部に供給される、前記沸き上げ温度より低温の前記液体を当該ヒートポンプ部の入口部まで導く入口管と、
    前記ヒートポンプ部の出口部から前記タンクの上部に形成される戻り口まで前記液体を導く出口管と、
    前記入口管と前記出口管を接続するバイパス管と、
    前記ヒートポンプ部の前記入口部を前記出口管に前記バイパス管を介して接続する第1の状態と前記ヒートポンプ部の前記入口部を前記入口管に対する前記液体の導入部に接続する第2の状態を設定可能な切替機構と、
    前記切替機構を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、当該制御部の稼動時間が所定時間未満の場合には、前記切替機構を前記第2の状態に設定し、前記稼動時間が所定時間以上であって前記液体の沸き上げが行われない場合には、前記切替機構を前記第1の状態に設定することを特徴とする電気給湯機。
  2. 所定の沸き上げ温度の液体を蓄えるタンクと、
    前記タンクに接続され、前記沸き上げ温度より低温の前記液体を沸き上げる熱源となるヒートポンプ部と、
    前記ヒートポンプ部に供給される、前記沸き上げ温度より低温の前記液体を当該ヒートポンプ部の入口部まで導く入口管と、
    前記ヒートポンプ部の出口部から前記タンクの上部に形成される戻り口まで前記液体を導く出口管と、
    前記入口管と前記出口管を接続するバイパス管と、
    前記ヒートポンプ部の前記入口部を前記出口管に前記バイパス管を介して接続する第1の状態と前記ヒートポンプ部の前記入口部を前記入口管に対する前記液体の導入部に接続する第2の状態を設定可能な切替機構と、
    前記タンク内の温度を計測する温度計測装置と、
    前記タンク内の温度に基づいて前記切替機構を制御する制御部と、を備えることを特徴とする電気給湯機。
  3. 前記制御部は、
    当該制御部の稼動時間が所定時間未満の場合に、
    前記タンク内の温度に基づいて前記切替機構を制御することを特徴とする請求項2に記載の電気給湯機。
  4. 前記温度計測装置は、前記タンク内の上部の温度を計測する第1温度計と、前記タンク内の下部の温度を計測する第2温度計を含んでなり、
    前記制御部は、前記タンク内の温度に基づいて前記切替機構を制御するとき、
    前記第1温度計が計測する温度と前記第2温度計が計測する温度の温度差が所定温度差未満の場合に前記切替機構を前記第2の状態に設定し、
    前記第1温度計が計測する温度と前記第2温度計が計測する温度の温度差が前記所定温度差以上の場合に前記切替機構を前記第1の状態に設定することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の電気給湯機。
  5. 前記温度計測装置は、前記タンク内の上部の温度を計測する第1温度計を含んでなり、
    前記制御部は、前記タンク内の温度に基づいて前記切替機構を制御するとき、
    前記第1温度計が計測する温度が所定温度未満の場合に前記切替機構を前記第2の状態に設定し、
    前記第1温度計が計測する温度が前記所定温度以上の場合に前記切替機構を前記第1の状態に設定することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の電気給湯機。
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