JP2011030511A - 米飯用品質保持剤およびこれを用いた米飯の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】炊飯された米飯の老化を抑制し、食感を維持し得る米飯用品質保持剤およびこれを用いた米飯の製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】食品添加物用のリン酸塩を含有することを特徴とする米飯用品質保持剤により、上記の課題を解決する。
【選択図】なし
【解決手段】食品添加物用のリン酸塩を含有することを特徴とする米飯用品質保持剤により、上記の課題を解決する。
【選択図】なし
Description
本発明は、炊飯された米飯の老化を抑制し、食感を維持し得る米飯用品質保持剤およびこれを用いた米飯の製造方法に関する。
常温保存されたレトルトの米飯、冷蔵(チルド)保存または冷凍保存された米飯は、電子レンジや直火加熱などで加熱調理して食されるが、これらの中には必ずしも温かい状態で食する必要がないか、あるいは温かくしない方がよいとされる、すし、おにぎりのような米飯もある。
常温で自然解凍によって復元した米飯が、艶や透明感のような外観および硬さ、粘りのような食感を凍結前と遜色ない程度に維持することができれば、すしやおにぎりのような常温で食することが好ましい米飯において特に有用である。
しかしながら、現実には、冷凍米飯の自然解凍によって、外観や食感が低下し、さらには澱粉の老化によって米飯の品質が劣化するという問題があった。
しかしながら、現実には、冷凍米飯の自然解凍によって、外観や食感が低下し、さらには澱粉の老化によって米飯の品質が劣化するという問題があった。
このような問題を解決するための食品添加物や方法が提案されている。
特開2006−75104号公報(特許文献1)には、有機酸塩と澱粉分解酵素を含有するチルドまたは冷凍米飯用改良剤およびそれを用いたチルドまたは冷凍米飯の製造方法が記載され、有機酸塩としてクエン酸三カリウムが好ましいことが記載されている。
また、特開2001−45993号公報(特許文献2)には、三糖類の1つであるラフィノースを含有してなる米飯の品質改良剤、それを用いた米飯の製造方法が記載されている。
さらに、特開平9−47239号公報(特許文献3)には、米飯、水および増粘材料、必要に応じて調味材料からなるレトルト米飯食品またはお粥が記載されている。
しかしながら、これらの食品添加物や方法では、上記の課題を解決するための十分な効果が得られていないのが実状である。
特開2006−75104号公報(特許文献1)には、有機酸塩と澱粉分解酵素を含有するチルドまたは冷凍米飯用改良剤およびそれを用いたチルドまたは冷凍米飯の製造方法が記載され、有機酸塩としてクエン酸三カリウムが好ましいことが記載されている。
また、特開2001−45993号公報(特許文献2)には、三糖類の1つであるラフィノースを含有してなる米飯の品質改良剤、それを用いた米飯の製造方法が記載されている。
さらに、特開平9−47239号公報(特許文献3)には、米飯、水および増粘材料、必要に応じて調味材料からなるレトルト米飯食品またはお粥が記載されている。
しかしながら、これらの食品添加物や方法では、上記の課題を解決するための十分な効果が得られていないのが実状である。
一方、リン酸ナトリウムやリン酸カリウムのようなリン酸塩は、食品添加物として公知であり、主として清酒やワインなどの醸造における酵母の栄養源として、またハムやソーセージのようなタンパク質を含む練り物食品に保水性を付与する添加物として用いられている。しかしながら、リン酸塩は、米飯のような澱粉質の食品には用いられていない。
本発明は、炊飯された米飯の老化を抑制し、食感を維持し得る米飯用品質保持剤およびこれを用いた米飯の製造方法を提供することを課題とする。
本発明の本発明らは、上記の課題を改善すべく鋭意研究を行った結果、生米を炊飯する際に食品添加物用のリン酸塩を添加することにより、炊飯された米飯の老化を抑制し、食感を維持し得ることを見出し、本発明を解決するに到った。
かくして、本発明によれば、食品添加物用のリン酸塩を含有することを特徴とする米飯用品質保持剤が提供される。
また、本発明によれば、上記の米飯用品質保持剤を生米に対して0.5〜30重量%添加し、生米重量の1.5〜1.8倍重量の加水量で炊飯し、冷蔵または冷凍することを特徴とする米飯の製造方法が提供される。
本発明によれば、炊飯された米飯の老化を抑制し、食感を維持し得る米飯用品質保持剤およびこれを用いた米飯の製造方法を提供することができる。
すなわち、本発明の米飯用品質保持剤を添加して生米を炊飯し冷凍した米飯は、常温で自然解凍や電子レンジなどによる加熱調理を行っても、復元性に優れ、澱粉の老化に伴う食感低下および外観性の悪化が効果的に抑えられ、食するときの米飯の良好な食感が保持される。
すなわち、本発明の米飯用品質保持剤を添加して生米を炊飯し冷凍した米飯は、常温で自然解凍や電子レンジなどによる加熱調理を行っても、復元性に優れ、澱粉の老化に伴う食感低下および外観性の悪化が効果的に抑えられ、食するときの米飯の良好な食感が保持される。
また、本発明によれば、リン酸水素二ナトリウム、ピロリン酸四ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウムおよびメタリン酸ナトリウムから選択されるリン酸塩を用いることにより、上記の効果が顕著に得られる。
さらに、キサンタンガム、デキストリン、ラフィノース、β−アミラーゼおよびタピオカデンプンから選択される1種以上をさらに用いることにより、上記の効果が顕著に得られると共に、各添加物独自の効果も得られる。
さらに、キサンタンガム、デキストリン、ラフィノース、β−アミラーゼおよびタピオカデンプンから選択される1種以上をさらに用いることにより、上記の効果が顕著に得られると共に、各添加物独自の効果も得られる。
本発明の米飯用品質保持剤は、食品添加物用のリン酸塩を含有することを特徴とする。
本発明において、リン酸塩が米飯に対してどのように作用するかは明らかではないが、リン酸塩が米粒に保水効果を与えているものと考えられる。すなわち、リン酸塩が米粒の澱粉質の周囲に存在する蛋白質に作用して、生米の炊飯時には米粒内に水分が入り易い状態にし、炊飯後には米粒内から水分が出難い状態にしているものと考えられる。
本発明において、リン酸塩が米飯に対してどのように作用するかは明らかではないが、リン酸塩が米粒に保水効果を与えているものと考えられる。すなわち、リン酸塩が米粒の澱粉質の周囲に存在する蛋白質に作用して、生米の炊飯時には米粒内に水分が入り易い状態にし、炊飯後には米粒内から水分が出難い状態にしているものと考えられる。
本発明の米飯用品質保持剤の有効成分である食品添加物としてのリン酸塩としては、例えば、
ピロリン酸四カリウム(ピロリン酸カリウム)、ピロリン酸二水素カルシウム(酸性ピロリン酸カルシウム)、ピロリン酸二水素二ナトリウム(酸性ピロリン酸ナリリウム)、ピロリン酸四ナトリウム(ピロリン酸ナトリウム);
ポリリン酸カリウム(トリポリリン酸カリウム)、ポリリン酸ナトリウム(トリポリリン酸ナトリウム);
メタリン酸カリウム、メタリン酸ナトリウム;
リン酸三カリウム(第三リン酸カリウム)、リン酸三カルシウム(第三リン酸カルシウム)、リン酸三マグネシウム(第三リン酸マグネシウム)、リン酸水素二アンモニウム(リン酸二アンモニウム)、リン酸二水素アンモニウム(リン酸一アンモニウム)、リン酸水素二カリウム(リン酸二カリウム)、リン酸二水素カリウム(リン酸一カリウム)、リン酸一水素カルシウム(第二リン酸カルシウム)、リン酸二水素カルシウム(第一リン酸カルシウム)、リン酸水素二ナトリウム(リン酸二ナトリウム)、リン酸二水素ナトリウム(リン酸一ナトリウム)、リン酸三水素ナトリウム(第三リン酸ナトリウム)
などが挙げられる。
ピロリン酸四カリウム(ピロリン酸カリウム)、ピロリン酸二水素カルシウム(酸性ピロリン酸カルシウム)、ピロリン酸二水素二ナトリウム(酸性ピロリン酸ナリリウム)、ピロリン酸四ナトリウム(ピロリン酸ナトリウム);
ポリリン酸カリウム(トリポリリン酸カリウム)、ポリリン酸ナトリウム(トリポリリン酸ナトリウム);
メタリン酸カリウム、メタリン酸ナトリウム;
リン酸三カリウム(第三リン酸カリウム)、リン酸三カルシウム(第三リン酸カルシウム)、リン酸三マグネシウム(第三リン酸マグネシウム)、リン酸水素二アンモニウム(リン酸二アンモニウム)、リン酸二水素アンモニウム(リン酸一アンモニウム)、リン酸水素二カリウム(リン酸二カリウム)、リン酸二水素カリウム(リン酸一カリウム)、リン酸一水素カルシウム(第二リン酸カルシウム)、リン酸二水素カルシウム(第一リン酸カルシウム)、リン酸水素二ナトリウム(リン酸二ナトリウム)、リン酸二水素ナトリウム(リン酸一ナトリウム)、リン酸三水素ナトリウム(第三リン酸ナトリウム)
などが挙げられる。
これらの中でも、冷凍保存による米飯の食感低下抑制の点で、リン酸水素二ナトリウム、ピロリン酸四ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウムおよびヘキサメタリン酸ナトリウムなどのナトリウム塩、ならびにリン酸水素二カリウム、ピロリン酸四カリウム、トリポリリン酸カリウム、メタリン酸カリウムおよびヘキサメタリン酸カリウムなどのカリウム塩が好ましい。
また、冷凍米飯の老化抑制の点で、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、ピロリン酸四ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウムおよびヘキサメタリン酸ナトリウムが特に好ましい。
これらのリン酸塩は、食品添加物として市販のものを用いることができる。
また、冷凍米飯の老化抑制の点で、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、ピロリン酸四ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウムおよびヘキサメタリン酸ナトリウムが特に好ましい。
これらのリン酸塩は、食品添加物として市販のものを用いることができる。
本発明の米飯用品質保持剤は、本発明の効果を阻害しない範囲で、公知の食品添加物を含んでいてもよい。
このような公知の食品添加物としては、例えば、キサンタンガムのような増粘安定剤、β−アミラーゼのような澱粉分解酵素が挙げられる。
このような公知の食品添加物としては、例えば、キサンタンガムのような増粘安定剤、β−アミラーゼのような澱粉分解酵素が挙げられる。
また、本発明の目的を損なわない範囲で、例えば、ゼラチンやプルランなどの多糖類、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、シュガーエステル、レシチンなどの食品用乳化剤、酢酸や乳酸、クエン酸などの有機酸、米や小麦、トウモロコシなどの穀物を原料とした穀物酢、りんご、ブドウ等の果汁を原料とした果実酢、アルコールや酢酸を原料とした合成酢、さらにそれらの食酢類に香料や他の併用成分を加えた加工酢、梅干製造時の副生成物として生じる梅酢またはそれを脱塩や濃縮したものなどを併用してもよい。
本発明の米飯用品質保持剤の形状は特に限定されないが、粉末が特に好ましい。
製剤化に際しては、賦形剤を用いてもよく、このような賦形剤としては、例えば、ブドウ糖、果糖などの単糖類、ショ糖、乳糖、麦芽糖、ラフィノース(非還元性三糖)などのオリゴ糖類、デキストリン、粉末水飴などの澱粉分解物、マルトトリオース、マルトテトラオース、マルトペンタオース、マルトヘキサオースなどのマルトオリゴ糖類、ソルビトール、マンニトール、マルチトール、粉末還元水飴などの糖アルコール類、乳清蛋白質、タピオカ澱粉などが挙げられる。
製剤化に際しては、賦形剤を用いてもよく、このような賦形剤としては、例えば、ブドウ糖、果糖などの単糖類、ショ糖、乳糖、麦芽糖、ラフィノース(非還元性三糖)などのオリゴ糖類、デキストリン、粉末水飴などの澱粉分解物、マルトトリオース、マルトテトラオース、マルトペンタオース、マルトヘキサオースなどのマルトオリゴ糖類、ソルビトール、マンニトール、マルチトール、粉末還元水飴などの糖アルコール類、乳清蛋白質、タピオカ澱粉などが挙げられる。
上記の食品添加物や賦形剤の中でも、キサンタンガム、デキストリン、ラフィノース、β−アミラーゼおよびタピオカデンプンが特に好ましく、これらの少なくとも1種を併用することにより、本発明の効果が顕著に得られると共に、その添加物独自の効果も得られる。但し、デキストリンとタピオカデンプンとを同時に添加することはない。
本発明の米飯用品質保持剤は、リン酸塩を主成分とし、必要に応じて上記の食品添加物や賦形剤を含む。
食品添加物や賦形剤の配合量は、適宜設定すればよいが、上記の特に好ましい食品添加物および賦形剤の米飯用品質保持剤中における配合量は、例えば、
キサンタンガムでは、好ましくは1〜20重量%、より好ましくは1〜10重量%、さらに好ましくは1〜5重量%であり、
デキストリンまたはタピオカ澱粉では、好ましくは40〜99重量%、より好ましくは50〜99重量%、さらに好ましくは70〜99重量%であり、
ラフィノースでは、好ましくは20〜40重量%、より好ましくは20〜35重量%、さらに好ましくは20〜30重量%であり、
β−アミラーゼでは、好ましくは1〜30重量%、より好ましくは2〜20重量%、さらに好ましくは2〜10重量%である。
食品添加物や賦形剤の配合量は、適宜設定すればよいが、上記の特に好ましい食品添加物および賦形剤の米飯用品質保持剤中における配合量は、例えば、
キサンタンガムでは、好ましくは1〜20重量%、より好ましくは1〜10重量%、さらに好ましくは1〜5重量%であり、
デキストリンまたはタピオカ澱粉では、好ましくは40〜99重量%、より好ましくは50〜99重量%、さらに好ましくは70〜99重量%であり、
ラフィノースでは、好ましくは20〜40重量%、より好ましくは20〜35重量%、さらに好ましくは20〜30重量%であり、
β−アミラーゼでは、好ましくは1〜30重量%、より好ましくは2〜20重量%、さらに好ましくは2〜10重量%である。
本発明において「米飯」とは、米のみを炊飯した白飯、米と具を炊飯した炊き込みご飯、白飯と具とを混ぜた混ぜご飯、白飯と具を炒めたチャーハンなどを意味する。
本発明の米飯用品質保持剤は、炊飯された米飯の老化を抑制し、食感を維持し得ることが最も要求される白飯において、顕著にその効果を発揮し得る。
本発明の米飯用品質保持剤は、炊飯された米飯の老化を抑制し、食感を維持し得ることが最も要求される白飯において、顕著にその効果を発揮し得る。
本発明の米飯の製造方法は、上記の米飯用品質保持剤を生米に対して0.5〜1.25重量%(好ましくは0.5〜1.0重量%)添加し、生米重量の1.5〜1.8倍重量(好ましくは1.5〜1.6倍重量)の加水量で炊飯し、冷蔵または冷凍することを特徴とする。
米飯用品質保持剤が生米に対して0.5重量%未満では、本発明の効果が十分に得られず、逆に1.25重量%を超えると、米飯の粒感が損なわれることがあり、また米飯の種類によってはリン酸塩に由来する着色が問題になることがある。
また、加水量が1.5倍重量未満では、米飯の食感が硬くなることがあり、逆に1.8倍重量を超えると、米飯の食感が柔らかくなり過ぎる(粒が潰れる)ことがある。
また、加水量が1.5倍重量未満では、米飯の食感が硬くなることがあり、逆に1.8倍重量を超えると、米飯の食感が柔らかくなり過ぎる(粒が潰れる)ことがある。
生米に対する米飯用品質保持剤の添加量および米飯用品質保持剤中の各成分の配合量から換算したリン酸塩、食品添加物および賦形剤の生米に対する添加量は、
リン酸塩が、好ましくは0.01〜0.5重量%、より好ましくは0.05〜0.5重量%、さらに好ましくは0.1〜0.2重量%であり、
キサンタンガムが、好ましくは0.005〜0.25重量%、より好ましくは0.005〜0.13重量%、さらに好ましくは0.005〜0.06重量%であり、
デキストリンまたはタピオカ澱粉が、好ましくは0.2〜1.24重量%、より好ましくは0.25〜1.24重量%、さらに好ましくは0.35〜1.24重量%であり、
ラフィノースが、好ましくは0.1〜0.50重量%、より好ましくは0.1〜0.44重量%、さらに好ましくは0.1〜0.38重量%であり、
β−アミラーゼが、好ましくは0.005〜0.38重量%、より好ましくは0.01〜0.25重量%、さらに好ましくは0.01〜0.13重量%である。
リン酸塩が、好ましくは0.01〜0.5重量%、より好ましくは0.05〜0.5重量%、さらに好ましくは0.1〜0.2重量%であり、
キサンタンガムが、好ましくは0.005〜0.25重量%、より好ましくは0.005〜0.13重量%、さらに好ましくは0.005〜0.06重量%であり、
デキストリンまたはタピオカ澱粉が、好ましくは0.2〜1.24重量%、より好ましくは0.25〜1.24重量%、さらに好ましくは0.35〜1.24重量%であり、
ラフィノースが、好ましくは0.1〜0.50重量%、より好ましくは0.1〜0.44重量%、さらに好ましくは0.1〜0.38重量%であり、
β−アミラーゼが、好ましくは0.005〜0.38重量%、より好ましくは0.01〜0.25重量%、さらに好ましくは0.01〜0.13重量%である。
米飯の原料となる生米は、イネ属に属するものであれば特に限定されず、その銘柄も限定されない。例えば、実施例に用いた「千葉県産コシヒカリ」と「宮城県産ひとめぼれ」のブレンド米などが挙げられる。
炊飯は、公知の装置を用いて行うことができる。
炊飯条件は、生米の種類や性状および添加物の種類や添加量などにより適宜設定すればよいが、通常、炊飯時間30〜35分程度、蒸らし時間5〜40分程度である。
本発明において「炊飯」とは、水に浸漬した生米の加熱による炊飯だけでなく、スチーム炊飯や蒸篭を用いた炊飯を含む。
炊飯条件は、生米の種類や性状および添加物の種類や添加量などにより適宜設定すればよいが、通常、炊飯時間30〜35分程度、蒸らし時間5〜40分程度である。
本発明において「炊飯」とは、水に浸漬した生米の加熱による炊飯だけでなく、スチーム炊飯や蒸篭を用いた炊飯を含む。
冷蔵および冷凍は、公知の装置を用いて行うことができる。
冷蔵条件は、炊飯された米飯の状態や用途などにより適宜設定すればよいが、通常、設定温度2〜10℃の冷蔵装置に放置すればよい。
また、冷凍条件は、炊飯された米飯の状態や用途などにより適宜設定すればよいが、通常、設定温度−20〜−10℃の冷凍装置に放置すればよい。
米飯が炊き込みご飯、混ぜご飯、チャーハンなどである場合には、冷蔵前または冷凍前に、公知の方法により調理すればよい。
冷蔵条件は、炊飯された米飯の状態や用途などにより適宜設定すればよいが、通常、設定温度2〜10℃の冷蔵装置に放置すればよい。
また、冷凍条件は、炊飯された米飯の状態や用途などにより適宜設定すればよいが、通常、設定温度−20〜−10℃の冷凍装置に放置すればよい。
米飯が炊き込みご飯、混ぜご飯、チャーハンなどである場合には、冷蔵前または冷凍前に、公知の方法により調理すればよい。
本発明を試験例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの試験例により限定されるものではない。
(試験例)
試験例では、下記のリン酸塩および公知の食品添加物を用いた。
リン酸塩
(1) ピロリン酸四ナトリウム
Na4P2O7
太平化学産業株式会社製、製品名:ピロリン酸四ナトリウム(無水)
(2) トリポリリン酸ナトリウム
Na5P3O10
太平化学産業株式会社製、製品名:トリポリリン酸ナトリウム
(3) メタリン酸ナトリウム
中性のメタリン酸:1%水溶液でpH6.7前後
NanH2PnO3n+1
太平化学産業株式会社製、製品名:メタリン酸ナトリウム
(4) ヘキサメタリン酸ナトリウム
酸性のメタリン酸:1%水溶液でpH1.8前後
NaxHy(PO3)(x+y)(x≧1、y≧1)
太平化学産業株式会社製、製品名:ウルトラポリン
(5) リン酸水素二ナトリウム
Na2HPO4
太平化学産業株式会社製、製品名:リン酸二ナトリウム(無水)
試験例では、下記のリン酸塩および公知の食品添加物を用いた。
リン酸塩
(1) ピロリン酸四ナトリウム
Na4P2O7
太平化学産業株式会社製、製品名:ピロリン酸四ナトリウム(無水)
(2) トリポリリン酸ナトリウム
Na5P3O10
太平化学産業株式会社製、製品名:トリポリリン酸ナトリウム
(3) メタリン酸ナトリウム
中性のメタリン酸:1%水溶液でpH6.7前後
NanH2PnO3n+1
太平化学産業株式会社製、製品名:メタリン酸ナトリウム
(4) ヘキサメタリン酸ナトリウム
酸性のメタリン酸:1%水溶液でpH1.8前後
NaxHy(PO3)(x+y)(x≧1、y≧1)
太平化学産業株式会社製、製品名:ウルトラポリン
(5) リン酸水素二ナトリウム
Na2HPO4
太平化学産業株式会社製、製品名:リン酸二ナトリウム(無水)
キサンタンガム(三晶株式会社製、製品名:Grinsted Xanthan J)
デキストリン(松谷化学工業株式会社製、製品名:マックス1000)
ラフィノース(日本甜菜製糖株式会社製、製品名:ニッテンラフィノースFP)
β-アミラーゼ(エイチビイアイ株式会社製、製品名:ハイマルトシン(登録商標)G)
タピオカデンプン(松谷化学工業株式会社製、製品名:MKK100)
デキストリン(松谷化学工業株式会社製、製品名:マックス1000)
ラフィノース(日本甜菜製糖株式会社製、製品名:ニッテンラフィノースFP)
β-アミラーゼ(エイチビイアイ株式会社製、製品名:ハイマルトシン(登録商標)G)
タピオカデンプン(松谷化学工業株式会社製、製品名:MKK100)
[冷凍米飯の作製]
生米(「千葉県産コシヒカリ」と「宮城県産ひとめぼれ」のブレンド米、平成20年度米)200gを洗米し、ざるに移して水を切った。洗米された生米を炊飯釜(タイガー魔法瓶株式会社、型式:JAL−A550型)に入れ、さらに水300gと表1および2に示した製剤または比較製剤とを加えて90分間放置した。その後、約40分の炊飯時間、約30分の蒸らし時間で炊飯した。
次いで、炊き上がった米飯を無菌のポリ袋に85gずつ充填し、設定温度0℃の冷蔵庫内に30分間放置して冷却させた。冷却後の米飯の温度は20℃前後であった。その後、米飯を設定温度−20℃の冷凍庫内に1週間放置し冷凍させた。
生米(「千葉県産コシヒカリ」と「宮城県産ひとめぼれ」のブレンド米、平成20年度米)200gを洗米し、ざるに移して水を切った。洗米された生米を炊飯釜(タイガー魔法瓶株式会社、型式:JAL−A550型)に入れ、さらに水300gと表1および2に示した製剤または比較製剤とを加えて90分間放置した。その後、約40分の炊飯時間、約30分の蒸らし時間で炊飯した。
次いで、炊き上がった米飯を無菌のポリ袋に85gずつ充填し、設定温度0℃の冷蔵庫内に30分間放置して冷却させた。冷却後の米飯の温度は20℃前後であった。その後、米飯を設定温度−20℃の冷凍庫内に1週間放置し冷凍させた。
[冷凍米飯の官能評価]
冷凍した米飯を設定温度10℃の冷蔵庫に10時間保存し、電子レンジ(東芝株式会社製、型式:ER−C7(S))を用いて出力600Wで1分間加熱し、得られた米飯を用いて官能評価した。
表3に示す評価基準に従って10名のパネラーで官能評価し、評点の平均点を求め、下記の基準に従って記号化した。得られた結果を表1および2に示す。
◎:極めて良好 平均点4
○:良好 平均点3以上4未満
△:やや悪い 平均点2以上3未満
×:悪い 平均点2未満
冷凍した米飯を設定温度10℃の冷蔵庫に10時間保存し、電子レンジ(東芝株式会社製、型式:ER−C7(S))を用いて出力600Wで1分間加熱し、得られた米飯を用いて官能評価した。
表3に示す評価基準に従って10名のパネラーで官能評価し、評点の平均点を求め、下記の基準に従って記号化した。得られた結果を表1および2に示す。
◎:極めて良好 平均点4
○:良好 平均点3以上4未満
△:やや悪い 平均点2以上3未満
×:悪い 平均点2未満
表1および2の結果から、本発明の米飯用品質保持剤(製剤例1〜12)を添加した米飯は、公知の食品添加物(比較製剤例13〜20)を添加した米飯と比較して、外観、粘りおよび老化度のすべての点において総合的に優れていることがわかる。特に、本発明の米飯用品質保持剤は、冷凍米飯の粘りと老化性を顕著に改善できることがわかる。
Claims (5)
- 食品添加物用のリン酸塩を含有することを特徴とする米飯用品質保持剤。
- 前記リン酸塩が、リン酸水素二ナトリウム、ピロリン酸四ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウムおよびメタリン酸ナトリウムから選択される請求項1に記載の米飯用品質保持剤。
- 前記米飯用品質保持剤が、キサンタンガム、デキストリン、ラフィノース、β−アミラーゼおよびタピオカデンプンから選択される1種以上をさらに含有する請求項1または2に記載の米飯用品質保持剤。
- 請求項1〜3のいずれか1つに記載の米飯用品質保持剤を生米に対して0.5〜1.25重量%添加し、生米重量の1.5〜1.8倍重量の加水量で炊飯し、冷蔵または冷凍することを特徴とする米飯の製造方法。
- 前記炊飯された米飯を冷凍して冷凍米飯を得る請求項4に記載の米飯の製造方法。
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