JP2001045993A - 米飯の製造方法 - Google Patents

米飯の製造方法

Info

Publication number
JP2001045993A
JP2001045993A JP11226912A JP22691299A JP2001045993A JP 2001045993 A JP2001045993 A JP 2001045993A JP 11226912 A JP11226912 A JP 11226912A JP 22691299 A JP22691299 A JP 22691299A JP 2001045993 A JP2001045993 A JP 2001045993A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rice
cooked rice
raffinose
cooked
quality
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11226912A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasushi Sugano
恭志 菅野
Hideo Shibuya
秀雄 渋谷
Shinichi Sato
真一 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Beet Sugar Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Nippon Beet Sugar Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Beet Sugar Manufacturing Co Ltd filed Critical Nippon Beet Sugar Manufacturing Co Ltd
Priority to JP11226912A priority Critical patent/JP2001045993A/ja
Publication of JP2001045993A publication Critical patent/JP2001045993A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cereal-Derived Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 ラフィノースを添加、使用してなること
を特徴とする米飯の製造方法。 【効果】 米飯の経時的品質劣化を防止することがで
き、冷蔵、冷凍した米飯も炊き立ての風味、食感を有
し、また、貯蔵米も新米と同様の風味、食感を有するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、米飯の品質改良シ
ステムに関するものであって、更に詳細には、ラフィノ
ースを使用することにより米飯の食感、食味の劣化を防
止して品質改良された米飯を製造する新規システムに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】米飯は、日本古来からの主食であり、食
生活の根幹をなしてきた。その一方、日本人の食生活の
洋風化に伴って、日本人の食生活における米飯類の占め
る位置が変化している。米の調理方法も白飯の他に寿
司、味付け飯、おにぎり、ピラフ等最近簡便性を備えた
多様な調理米が開発されている。家庭に於いても、共稼
ぎ、独身者、単身赴任者等が増加し、米の調理食品が冷
蔵庫で低温又は冷凍で保存し、電子レンジ等で再加熱し
て食することが多くなった。つまり、炊きたての米飯を
食する機会が減少している。
【0003】従来から、米飯類の食感の良否は米の種
類、炊飯方法、製造後の経過時間、製造後の保存条件に
左右されることが知られている。この為、従来より食感
を改善する方法として、物理的、化学的方法が検討され
ている。これらの食感の改善方法の1つとして、食品添
加物を使用する方法が一部試みられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の方法の食味改善効果は十分な効果が発揮出来なかった
り、香味、着色、物性等の点で米飯の品質を損ねたり、
又、取り扱いの点で、煩雑であるため、米飯の製造技術
に関しては更なる改良が望まれている。そして、最近の
米飯類の食形態に合致した、長時間食感及び味質の変わ
らない米飯類を製造する技術に関しても更なる改良が望
まれている。
【0005】また、経時的な品質劣化は、炊飯時の米飯
のみでなく、古米、古々米等長時間保存しておいた米を
炊飯した場合にも生じるため、このような古米について
も有効な品質改良システムの開発が当業界に於いて要望
されている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記した要望に
応える目的でなされたものであって、すぐれた品質改良
効果を有することはもちろんのこと、安全性にすぐれ、
しかも米飯に好ましくない色や臭い等を付与することが
なく、業務用にも家庭用にも使用できるよう操作や取扱
いが簡単なシステムを開発するため、本発明者らは、各
方面から検討した結果、ラフィノースを原料米に添加し
て炊飯したところ、得られた米飯は、これを室温にまで
冷却した場合、ラフィノースを添加しないで炊飯した通
常の米飯に比して、特に米飯の粘りと硬さとの比(バラ
ンス度)が高く、非常に高い品質が保持されているとい
うきわめて有用な新知見を得た。
【0007】すなわち本発明者らは、ラフィノースを使
用することによってきわめて効果的に米飯類の経時的な
食感及び/又は味質その他品質の劣化を防止することが
可能であることをはじめて見出し、この有用新知見に基
づき更に研究の結果、遂に本発明の完成に至ったもので
ある。
【0008】すなわち本発明は、ラフィノースを使用す
る米飯の品質改良システムに関するものであって、その
態様の具体例としては次のものが例示される。 (1)原料米をラフィノースの存在下で炊飯することを
特徴とする米飯の製造方法。 (2)ラフィノースを原料米にたいして0.2〜3%Wt
/Vol含有せしめることを特徴とする前記(1)記載の米
飯の製造方法。 (3)ラフィノースを添加して炊飯したことを特徴とす
る米飯。
【0009】ラフィノースは、三糖類の1つであって、
甜菜、大豆等に含有されており、現在、工業的に単体と
して産出されているのは、甜菜糖液から分離結晶化して
製造され、結晶状および顆粒状として販売されている。
ラフィノースには、整腸作用、抗アトピー性皮膚炎作
用、抗カンジダ作用、肝疾患治療作用等種々の効能が発
表され、天然物の健康食品として注目されているが、米
飯の品質改良作用については、全く知られていない。
【0010】本発明に使用されるラフィノースとして
は、甜菜糖抽出物に限定されるものではなく、大豆やそ
の他の植物から抽出されたもの、また、生合成物から抽
出されたものもこれに該当する。ラフィノースは、精製
物のほか粗製物も使用可能であるし、上記抽出物の処理
物も使用可能である。もちろん、既述した市販品も有利
に使用できる。なお、処理物としては、濃縮物、ペース
ト化物、乾燥物、液状物、希釈物その他各種処理物が挙
げられる。また、ラフィノースは、非常に甘味度の低い
オリゴ糖であり、且つ着色や臭いもないため、炊飯後の
米飯に対する格別の影響は認められない。
【0011】したがって本発明に係る米飯の品質改良剤
は、ラフィノースを含有することを特徴とするものであ
って、ラフィノース自体のほかその処理物等ラフィノー
スを含有するものをすべて包含するものである。本品質
改良剤は、ラフィノース(処理物)のみから構成できる
ほか、澱粉、オリゴ糖、多糖類、米粉、小麦粉、水その
他賦型剤を用いて、粉状、顆粒状、液体状等適宜の剤型
に製剤しても良い。また、更に必要あれば、食酢(必要
あれば更に調味料:食塩、砂糖、だし、酒類等)を用い
て液状又は固状に製剤することにより保存性を更に高め
たりすし飯用の品質改良剤とすることもできる。このよ
うに製剤化することにより、取扱い性が向上するだけで
なく、少量のラフィノースを均一に分散せしめることが
できる。
【0012】本発明を実施する際、米飯の原料となる原
料米は、イネ(Oryza)属に属するものであれば特に限
定されない。また、その銘柄も問わない。例えば、食味
の良好なコシヒカリ、ササニシキをはじめ、秋田小町、
きらら397、日本晴、アキヒカリ等を用いても、本発
明により、経時的な食感及び味質の劣化を防止せしめる
所期の効果を奏することが可能である。又、低品質米及
び保存により風味を劣化した米や外国産米に本発明を適
用すると、より一層本発明の所期の効果を顕著に発揮さ
せることができる。
【0013】本発明を実施するには、上記した原料米を
炊飯して米飯を得るまでの工程(原料米の研ぎ、水浸漬
〜炊飯(スチーム炊飯を含む)〜むらし)の少なくとも
ひとつにおいて、又は、炊飯後の米飯に対して、ラフィ
ノース含有品質改良剤を添加、混合すればよい。本発明
において、後者の場合、賦型剤を用いて製剤化した品質
改良剤を使用すれば、少量のラフィノースであっても米
飯中に均一に分散することができる。
【0014】本発明においては、品質改良剤の有効成分
であるラフィノースと米及び/又は米飯とが充分に且つ
均一に接触することが必要である。そのためには、米
(飯)にラフィノースを充分且つ均一に付着せしめた
り、炊飯に使用する水にラフィノースを添加、混合した
り、各種の方法を採用することができる。炊飯に使用す
る水としては、例えば、米を研ぐ水、米を浸漬する水、
炊飯用水等が例示され、また、炊飯には水だけではなく
スチームを用いたり、せいろで蒸したりする方法が広く
包含される。
【0015】本発明の実施態様のひとつとしては、上記
炊飯用水の中にラフィノースを存在せしめて炊飯(原料
米を研いで炊飯用水に浸し、これを加熱することからな
る常法)を実行すればよく、ラフィノースの添加方法は
ラフィノースと原料米とが充分接触する方法であればよ
く特に限定されるものではない。ラフィノースの添加量
は少量であるため炊飯時に直ちに溶解するが、原料米に
均一に接触する方法が好ましい。例えば粉末状、顆粒
状、シラップ状でラフィノースを直接添加する方法や当
該ラフィノースを溶解した水溶液で炊飯する方法等が挙
げられる。ただし、炊飯後にラフィノースを添加する方
法は、ラフィノースが均一に分散するよう添加する必要
があるが、それには賦型剤を用いて製剤した本発明に係
る品質改良剤の使用が好適である。
【0016】炊飯時には、上記ラフィノースが原料米に
対して0.2〜3%Wt/Vol、好ましくは0.5〜1%Wt
/Vol共存することが必要でる。ラフィノースの添加量が
0.2%Wt/Vol未満の場合には、本発明の所期の効果で
ある米飯類の経時的食感及び味質劣化の防止を充分に行
うことが出来ず、逆に3%Wt/Volを越えると食感及び甘
味度による味質に悪影響を与えるので、共に好ましくな
い。又、ラフィノースを米飯に単独添加しても効果を充
分発揮するが、これとは別に、当該ラフィノースの作用
機序とは異なる食味改善効果を有する添加物、例えば食
品添加用界面活性剤、蛋白質や酵素等を併用添加するこ
とにより、米飯の光沢、粘り、硬さ等を更に改良するこ
とが可能である。
【0017】上記添加物としては、例えば次のものが例
示される。 (1)酵素類:αアミラーゼ、βアミラーゼ、セルラー
ゼ、プロテアーゼ等 (2)糖類及び糖アルコール類:蔗糖、ブドウ糖、マル
トース、サイクロデキストリン、デキストリン、ソルビ
トール、マルチトール、トレハロース等 (3)界面活性剤:蔗糖脂肪酸エステル、グリセリン脂
肪酸エステル (4)蛋白質:ゼラチン (5)その他:麹、油脂類、縮合燐酸塩、グルタミン酸
ナトリウム、核酸系調味料
【0018】本発明において原料米としては、ウルチ
米、モチ米、玄米〜精白米、新米、非新米(貯蔵米)を
問わない。また、米飯としては、白米、おにぎり、おか
ゆ、すし、味付飯、ピラフ、具入り飯その他各種米飯製
品が例挙される。以下、実施例により本発明を詳細に説
明する。
【0019】
【実施例1:米飯物性試験】米の食味には米飯の硬さや
粘りといった物性が強く影響することが従来から指摘さ
れている。又、その粘りと硬さの比、即ちバランス度の
大きい米、粘りの強い米が、我が国では好まれる傾向に
ある。
【0020】(1)ラフィノース添加量の相違による米
飯の物性試験 ・米飯試料の作成 平成10年産米きらら397を洗米し、その洗米10g
をアルミカップに計り取り、16gの純水を添加(1.
6倍加水)し、ラップにて密閉し、1時間放置後、ラフ
ィノースの粉末(0.27〜2.78%Wt/Vol米)を炊
飯前の上澄水で溶解、添加し、アルミカップごと東芝製
RCK−10JIK型炊飯ジャーに入れて炊飯した。炊
飯後のアルミカップ上にラップをかけ、一晩冷蔵(4
℃)保管し、電子レンジにて再加熱(レンジ強、30
秒)し、室温まで冷却した。これを米飯物性試験:テク
スチャー試験の測定試料とした。
【0021】・テクスチャー試験 サン科学性CR200D型レオメータを使用した。上記
で作成した米飯試料3粒を試料載置板に乗せ、径18m
mのプランジャーをバイトスピード1.0mm/sで、
0.2mmのクリアランスまで下降させてサンプルを押
し潰し、その押し潰し圧力(10Kgfのロードセルで
測定)を試料の「固さ」として測定した。引き続き同様
なバイトスピードでプランジャーを引き上げて、プラン
ジャーにかかる力をロードセルによりその粘り力を試料
の「粘り」として測定した。又、米飯の粘りと固さの比
をバランス度として表した。
【0022】・試験結果 結果は1つの試料につき6点を測定し、その平均値を下
記表1に記載した。
【0023】 (表1) 表1 ラフィノース添加量別の物性試験結果 試 料 固さ(Kgf) 粘り(Kgf) バランス度 ブランク 4.180 -0.943 -0.225 0.27%Wt/Vol 4.154 -0.950 -0.229 0.56 4.058 -1.143 -0.282 1.11 4.038 -1.120 -0.277 1.67 4.048 -1.145 -0.283 2.78 4.029 -1.180 -0.293
【0024】 (2)原料米の種類とラフィノースの添加効果 ・使用した原料米 イ.平成10年度産 北海道産きらら397 スーパー販売品 ロ.平成10年度産 茨城県コシヒカリ スーパー販売品 ハ.平成09年度産 北海道産きらら397 試験直前に精米した米
【0025】・米飯試料の作成 上記の原料米を洗米し、ラフィノース添加量を0.56
%Wt/Vol米とし、上記(1)記載の方法と同一方法で米
飯試料を作成した。
【0026】・テクスチャー試験 上記(1)記載の方法で行った。
【0027】・試験結果 結果は1つの試料につき4点を測定し、その平均値を下
記表2に記載した。
【0028】 (表2) 表2 原料米の種類とラフィノースの添加効果 原料米 H10年きらら H10年コシヒカリ H9年きらら ブランク ラフィノ ブランク ラフィノ ブランク ラフィノ ース添加 ース添加 ース添加 固さ 3.595 3.998 3.838 3.907 4.010 3.958 粘り -0.898 -1.065 -0.958 -1.045 -0.852 -1.010 バランス -0.250 -0.266 -0.250 -0.267 -0.212 -0.255 (尚、固さ、粘りの単位はKgf)
【0029】平成9年度産きらら397は固さが固く、
粘りが平成10年度産きらら397、平成10年度産コ
シヒカリより少なかったが、ラフィノースを添加するこ
とにより固さ、粘り共改良された。
【0030】(3)ラフィノースとトレハロースとの添
加効果比較試験 下記の3点について平成10年度産きらら397(同
一)の米を用いてラフィノースとトレハロースとの添加
効果比較試験を行った。
【0031】炊飯直後に室温(25℃)迄冷却した後
に米飯の物性試験を実施し比較、炊飯後冷蔵庫(4
℃)にて3昼夜保存し室温に戻した後に米飯の物性試験
を実施し比較、炊飯後冷蔵庫(4℃)にて3昼夜保存
し、それを電子レンジにて加熱後に室温(25℃)迄に
戻して米飯の物性試験を実施し比較、炊飯後一昼夜冷
凍保存し、電子レンジ解凍し、室温迄に戻して米飯の物
性試験を実施し比較、官能試験による比較。
【0032】炊飯直後に室温(25℃)迄冷却した後
に米飯の物性試験を実施し、添加効果を比較 ・米飯試料の作成 ラフィノース、トレハロース添加量を0.56%Wt/Vol
米とし、上記(1)記載の方法と同一方法で炊飯し、そ
の米飯にサラシを掛け室温迄冷却し、米飯の試験試料を
作成した。
【0033】・テクスチャー試験 上記(1)記載の方法で行った。
【0034】・試験結果 結果は1つの試料につき4点を測定し、その平均値を下
記表3に記載した。
【0035】 (表3) 表3 炊飯直後の比較 試料 固 さ 粘 り バランス度 ブランク 3.683 -1.308 -0.355 トレハロース添加 3.483 -1.303 -0.374 ラフィノース添加 3.508 -1.298 -0.370
【0036】炊飯直後では、ブランクと大きな相違は無
かった。
【0037】炊飯後冷蔵庫(4℃)にて3昼夜保存し
室温に戻した後に米飯の物性試験を実施し比較 ・米飯試料の作成 記載と同一方法で炊飯し、その米飯をラップをしたま
ま冷蔵庫(4℃)にて3昼夜保存後室温に戻し、米飯の
試験試料とした。
【0038】・テクスチャー試験上記(1)記載の方法
で行った。
【0039】・試験結果 結果は1つの試料につき4点を測定し、その平均値を下
記表4に記載した。
【0040】 (表4) 表4 炊飯後冷蔵庫(4℃)に3昼夜保管後室温に戻した時の比較 試料 固 さ 粘 り バランス度 ブランク 4.455 -1.155 -0.259 トレハロース添加 4.470 -1.360 -0.304 ラフィノース添加 3.880 -1.450 -0.369
【0041】ブランクは固く且つ、粘りが低下しバラン
ス度の悪化がみられた。トレハロース添加区は、固くな
った一方で粘りが若干上昇したが、ラフィノース添加区
は米飯の固さが変わらず、粘りが上昇し、バランス度が
上昇した。
【0042】炊飯後冷蔵庫(4℃)にて3昼夜保存
し、電子レンジにて加熱し、室温に戻した後に米飯の物
性試験を実施し比較。
【0043】・米飯試料の作成 記載の方法と同一方法で炊飯し、その米飯をラップを
したまま冷蔵庫(4℃)に3昼夜保存後電子レンジにて
加熱し、室温迄戻し、米飯の試験試料とした。
【0044】・テクスチャー試験 上記(1)記載の方法で行った。
【0045】・試験結果 結果は1つの試料につき4点を測定し、その平均値を下
記表5に記載した。
【0046】 (表5) 表5 炊飯後冷蔵庫(4℃)に3昼夜保管後電子レンジで加熱し、 室温に戻した時の比較 試料 固 さ 粘 り バランス度 ブランク 3.563 -0.918 -0.258 トレハロース添加 3.803 -0.870 -0.229 ラフィノース添加 3.600 -1.195 -0.332
【0047】ブランクは、固さが炊き立て直後の値とほ
ぼ同程度になったが、粘りが著しく低下した。トレハロ
ース添加区は、粘りの低下が著しい。一方、ラフィノー
ス添加区は、粘りの低下が少なく、バランス度が炊き立
て時と変わらなかった。
【0048】炊飯後一昼夜冷凍保存し、電子レンジ解
凍し、室温迄に戻して米飯の物性試験を実施した比較
【0049】・米飯試料の作成 記載の方法と同一方法で炊飯し、その米飯をラップを
したまま冷蔵庫で冷凍(−20℃)で一昼夜保存し、電
子レンジで解凍(レンジ強で30秒)し、室温迄戻し、
米飯の試験試料とした。
【0050】・テクスチャー試験 上記(1)記載の方法で行った。
【0051】・試験結果 試験は1つの試料について4点を測定し、その平均値を
下記表6に記載した。
【0052】 (表6) 表6 炊飯後冷凍にて一昼夜保存後電子レンジで解凍し、 室温に戻した時の比較 試料 固 さ 粘 り バランス度 ブランク 3.854 -1.025 -0.267 トレハロース添加 4.113 -1.035 -0.252 ラフィノース添加 4.085 -1.120 -0.274
【0053】炊き立て直後と比べ、固さが増し、粘りが
低下し、バランス度の低下があったが、その低下度合い
はラフィノース添加区が最も小さかった。
【0054】官能試験による比較 パネラー14人を選び、官能試験(味、食感:粘り+固
さ、艶)を実施した。
【0055】・米飯試料の作成 記載の方法と同一方法で炊飯し、その米飯をラップし
たまま冷蔵庫(4℃)で一昼夜保存し、その後電子レン
ジで加熱し、室温迄戻し、米飯の試験試料とした。
【0056】・官能試験 ラフィノース添加区とトレハロース添加区の比較で試験
を行った。米飯の艶を観察し、その後それを食取し、1
0回咀嚼し、味、粘り、固さを比較した。味では、米飯
のうま味、噛んでいる内に感じる甘味、喉ごしの滑らか
さ等に着眼し、粘りでは、米飯を噛んで離すときの歯や
口腔に与える感覚で判断し、固さでは、米飯を噛む時の
歯ごたえを比較し判断する。
【0057】・試験結果 ラフィノース添加区とトレハロース添加区の双方の比較
で良い方の割合で表示した。結果を下記表7に表示し
た。
【0058】 (表7) 表7 官能試験による比較 項 目 ラフィノースが良い トレハロースが良い どちらも同じ 味 71.4% 28.6% 0.0% 食 感 71.4% 21.4% 7.2% 艶 85.7% 0.0% 14.3%
【0059】多くのパネラーがラフィノース添加区の米
飯の方が食味が優れているとの判断であった。
【0060】食酢180ml、食塩30g、砂糖110
g、ラフィノース20gからなるすし用合わせ酢タイプ
のラフィノース含有品質改良剤を調製した。一方、平成
10年度産北海道産きらら397(スーパー販売品)及
び同上平成9年度産(当社貯蔵米)のそれぞれ1.5k
g(精白米)に水2Lを加えて電気炊飯器で炊飯してお
き、得られた米飯に品質改良剤を添加し、充分に混合し
て、それぞれすし飯を製造した。
【0061】得られたすし飯を上記パネラーに食べくら
べてもらったところ、両者間に差異は認められないとの
評価を得た。
【0062】
【発明の効果】本発明によって、米飯類の経時的な食感
及び/又は味質その他の品質の劣化を防止することが可
能となり、冷や飯、冷凍米飯、冷蔵米飯等の品質も炊き
立ての米飯とそん色のないものにすることができ、ま
た、貯蔵米も新米とそん色のない米飯にすることも可能
となった。しかも、本発明の実施方法は、ラフィノース
を添加混合するだけで、きわめてシンプルであるため、
米飯製造工場、ホテル、レストラン、給食センターその
他大規模に実施する場合はもとより、家庭等で小規模に
実施する場合も、いずれも、有利に実施することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 真一 東京都中央区京橋2丁目3番13号 日本甜 菜製糖株式会社内 Fターム(参考) 4B023 LC05 LE11 LK06

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラフィノースを含有してなることを特徴
    とする米飯の品質改良剤。
  2. 【請求項2】 原料米を炊飯して米飯を得るまでの工程
    の少なくともひとつにおいて又は炊飯後の米飯に対して
    請求項1に記載の品質改良剤を添加混合することを特徴
    とする米飯の製造方法。
  3. 【請求項3】 品質改良剤の添加量が原料米に対して
    0.2〜3%Wt/Volであることを特徴とする請求項2に
    記載の方法。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3に記載の方法によって製
    造してなる米飯。
  5. 【請求項5】 製造された米飯が食感及び/又は味質の
    劣化が防止された米飯であることを特徴とする請求項4
    に記載の品質改良米飯。
JP11226912A 1999-08-10 1999-08-10 米飯の製造方法 Pending JP2001045993A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11226912A JP2001045993A (ja) 1999-08-10 1999-08-10 米飯の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11226912A JP2001045993A (ja) 1999-08-10 1999-08-10 米飯の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001045993A true JP2001045993A (ja) 2001-02-20

Family

ID=16852558

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11226912A Pending JP2001045993A (ja) 1999-08-10 1999-08-10 米飯の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001045993A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003250486A (ja) * 2002-03-01 2003-09-09 Amano Enzyme Inc 飲食品の風味改善剤及びこれが添加された食品並びに飲食品の風味改善方法
WO2007066535A1 (ja) * 2005-12-07 2007-06-14 Ajinomoto Co., Inc. 米飯改良剤
JP2011030511A (ja) * 2009-08-03 2011-02-17 Katayama Chem Works Co Ltd 米飯用品質保持剤およびこれを用いた米飯の製造方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003250486A (ja) * 2002-03-01 2003-09-09 Amano Enzyme Inc 飲食品の風味改善剤及びこれが添加された食品並びに飲食品の風味改善方法
WO2007066535A1 (ja) * 2005-12-07 2007-06-14 Ajinomoto Co., Inc. 米飯改良剤
JP4985406B2 (ja) * 2005-12-07 2012-07-25 味の素株式会社 米飯改良剤
JP2011030511A (ja) * 2009-08-03 2011-02-17 Katayama Chem Works Co Ltd 米飯用品質保持剤およびこれを用いた米飯の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101491483B1 (ko) 전분 호화 식품의 식미 저하의 억제 방법
WO2019103337A1 (ko) 저칼로리 매운 맛 소스
KR20210061736A (ko) 기능성 떡볶이 소스 및 그 제조방법
JP2014100091A (ja) 希少糖含有粉末
JP3854176B2 (ja) 凍結による澱粉老化を防止する方法
WO2018074582A1 (ja) 米飯の改質剤
JP5155817B2 (ja) 氷結晶化阻害剤及びその利用
JP2001178384A (ja) 低温流通向け米飯食品
JP4431195B2 (ja) 調味料組成物及びその製造方法及び該調味料組成物を用いてなる呈味改善された飲食品類
JP2001045993A (ja) 米飯の製造方法
JP2949119B1 (ja) 粉末状キムチ混合薬味及びその製造方法
JP2000041598A (ja) 米飯食品およびその製造方法
CN111418813A (zh) 一种椰子鸡膏体香精及其制备方法
JPH09163943A (ja) チルド流通向け米飯食品
CN102204651B (zh) 即食糯玉米粒及其制备方法
JP4141238B2 (ja) 挽き肉加工食品
JP2000166491A (ja) 米飯食品
WO2016155004A1 (en) Method for making a fermented food composition
JP2001017099A (ja) 米飯の品質改良剤及び品質が改良された米飯食品
CN1452897A (zh) 一种鲍鱼调味汁
JPH0642824B2 (ja) 合わせ酢
JP2699470B2 (ja) 食品保存剤及びその製造方法
KR100469650B1 (ko) 식품 개량제 및 그의 용도
JP2003169612A (ja) 米飯の製造方法
JP5883316B2 (ja) 糖化物、その製造方法、飲食品およびその風味向上方法

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040323