JP2011028987A - バッテリシステムおよび電動車両 - Google Patents

バッテリシステムおよび電動車両 Download PDF

Info

Publication number
JP2011028987A
JP2011028987A JP2009173149A JP2009173149A JP2011028987A JP 2011028987 A JP2011028987 A JP 2011028987A JP 2009173149 A JP2009173149 A JP 2009173149A JP 2009173149 A JP2009173149 A JP 2009173149A JP 2011028987 A JP2011028987 A JP 2011028987A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
battery cell
battery
terminal voltage
charging
temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009173149A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5512181B2 (ja
Inventor
Tomoyuki Matsubara
智之 松原
Kazuhiro Seo
和宏 瀬尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Electric Co Ltd filed Critical Sanyo Electric Co Ltd
Priority to JP2009173149A priority Critical patent/JP5512181B2/ja
Publication of JP2011028987A publication Critical patent/JP2011028987A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5512181B2 publication Critical patent/JP5512181B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Abstract

【課題】バッテリセルの本来的な容量を十分に使用することが可能なバッテリシステムおよびそれを備えた電動車両を提供する。
【解決手段】マイコン203は、複数のサーミスタ11により検出された温度に基づいてバッテリセル10ごとに充電しきい値および放電しきい値を決定し、決定された充電しきい値および放電しきい値をしきい値調整部204に与える。しきい値調整部204は、マイコン203から与えられた各バッテリセル10の充電しきい値および放電しきい値に対応する電圧を判定部205に与える。複数のバッテリセル10の充電時に、いずれかのバッテリセル10の端子電圧が、対応する充電しきい値よりも高くなると、判定部205からバッテリECU101に充電停止信号が与えられる。
【選択図】図5

Description

本発明は、バッテリシステムおよびそれを備えた電動車両に関する。
従来、電力を駆動源とする電気自動車等の移動体において、モータ等の駆動装置に電力を供給するためのバッテリシステムが用いられている。バッテリシステムは、複数のバッテリセルが直列または並列に接続されたバッテリモジュールを有する。
このようなバッテリモジュールの残容量(充電量)を認識するため、またはバッテリモジュールの充放電を制御するために、バッテリモジュールの端子電圧を検出する必要がある。そのため、バッテリモジュールの端子電圧を検出するための検出回路が設けられる(例えば特許文献1参照)。
特開平8−162171号公報
ところで、バッテリモジュールの充電時には、各バッテリセルの内部抵抗による電圧降下が生じる。それにより、各バッテリセルの端子電圧が、開放電圧よりも内部抵抗による電圧降下分高くなる。
また、各バッテリセルの内部抵抗は、温度によって変動する。そのため、充電時における各バッテリセルの端子電圧が温度によって変動する。それにより、バッテリモジュールの端子電圧からバッテリモジュールの実際の充電量を認識することが困難になる。したがって、バッテリモジュールの充電を適切に制御することができない。その結果、バッテリモジュールの各バッテリセルの本来的な容量を十分に使用することができない。
本発明の目的は、バッテリセルの本来的な容量を十分に使用することが可能なバッテリシステムおよびそれを備えた電動車両を提供することである。
(1)第1の発明に係るバッテリシステムは、バッテリセルと、バッテリセルの端子電圧を検出する端子電圧検出部と、バッテリセルの温度を検出する温度検出部と、端子電圧検出部により検出される端子電圧が充電しきい値に達するまでバッテリセルが充電されるようにバッテリセルの充電を制御する制御部と、温度検出部により検出される温度に基づいて充電しきい値を調整する調整部とを備えるものである。
そのバッテリシステムにおいては、温度検出部により検出される温度に基づいて調整部により充電しきい値が調整される。端子電圧検出部により検出される端子電圧が調整部により調整された充電しきい値に達するまでバッテリセルが充電されるように、制御部によりバッテリセルの充電が制御される。
それにより、温度によるバッテリセルの内部抵抗の変動に伴いバッテリセルの端子電圧が変動しても、バッテリセルの開放電圧が一定の許容上限値に達するまでバッテリセルを充電することができる。したがって、バッテリセルの本来的な容量を最大限に使用することができる。その結果、バッテリセルの実質的な容量を向上させることができる。
(2)制御部は、端子電圧検出部により検出される端子電圧が放電しきい値に達するまでバッテリセルが放電されるようにバッテリセルの放電を制御し、調整部は、温度検出部により検出される温度に基づいて放電しきい値を調整してもよい。
この場合、温度によるバッテリセルの内部抵抗の変動に伴いバッテリセルの端子電圧が変動しても、バッテリセルの開放電圧が一定の許容下限値に達するまでバッテリセルを放電することができる。それにより、バッテリセルの実質的な容量をより十分に向上させることができる。
(3)第2の発明に係るバッテリシステムは、バッテリセルと、バッテリセルの端子電圧を検出する端子電圧検出部と、バッテリセルの内部抵抗を検出する内部抵抗検出部と、端子電圧検出部により検出される端子電圧が充電しきい値に達するまでバッテリセルが充電されるようにバッテリセルの充電を制御する制御部と、内部抵抗検出部により検出される内部抵抗に基づいて充電しきい値を調整する調整部とを備えるものである。
そのバッテリシステムにおいては、内部抵抗検出部により検出される内部抵抗に基づいて調整部により充電しきい値が調整される。端子電圧検出部により検出される端子電圧が調整部により調整された充電しきい値に達するまでバッテリセルが充電されるように、制御部によりバッテリセルの充電が制御される。
それにより、温度によるバッテリセルの内部抵抗の変動に伴いバッテリセルの端子電圧が変動しても、バッテリセルの開放電圧が一定の許容上限値に達するまでバッテリセルを充電することができる。したがって、バッテリセルの本来的な容量を最大限に使用することができる。その結果、バッテリセルの実質的な容量を向上させることができる。
(4)制御部は、端子電圧検出部により検出される端子電圧が放電しきい値に達するまでバッテリセルが放電されるようにバッテリセルの放電を制御し、調整部は、内部抵抗検出部により検出される内部抵抗に基づいて放電しきい値を調整してもよい。
この場合、温度によるバッテリセルの内部抵抗の変動に伴いバッテリセルの端子電圧が変動しても、バッテリセルの開放電圧が本来的な一定の許容下限値に達するまでバッテリセルを放電することができる。それにより、バッテリセルの実質的な容量をより十分に向上させることができる。
(5)バッテリシステムは、バッテリセルに流れる電流を検出する電流検出部をさらに備え、調整部は、電流検出部により検出される電流に基づいて充電しきい値を補正してもよい。
この場合、電流検出部により検出される電流に基づいて充電しきい値が調整部により補正されることにより、バッテリセルの充電電流が変動しても、バッテリセルの開放電圧が一定の許容上限値に達するまでバッテリセルを充電することができる。それにより、バッテリセルの実質的な容量をさらに十分に向上させることができる。
(6)第3の発明に係る電動車両は、第1または第2の発明に係るバッテリシステムと、バッテリシステムのバッテリセルからの電力により駆動されるモータと、モータの回転力により回転する駆動輪とを備えるものである。
その電動車両においては、バッテリシステムのバッテリセルからの電力によりモータが駆動される。そのモータの回転力によって駆動輪が回転することにより、電動車両が移動する。
バッテリシステムにおいては、温度によるバッテリセルの内部抵抗の変動に伴いバッテリセルの端子電圧が変動しても、バッテリセルの開放電圧が本来的な一定の許容上限値に達するまでバッテリセルを充電することができる。したがって、バッテリセルの本来的な容量を最大限に使用することができる。その結果、バッテリセルの実質的な容量を向上させることができる。
本発明によれば、温度によるバッテリセルの内部抵抗の変動に伴いバッテリセルの端子電圧が変動しても、バッテリセルの開放電圧が一定の許容上限値に達するまでバッテリセルを充電することができる。したがって、バッテリセルの本来的な容量を最大限に使用することができる。その結果、バッテリセルの実質的な容量を向上させることができる。
第1の実施の形態に係るバッテリシステムの構成を示すブロック図である。 バッテリモジュールの外観斜視図である。 バッテリモジュールの平面図である。 バッテリモジュールの側面図である。 検出回路の詳細について説明するための模式図である。 各バッテリセルの内部抵抗の値と各バッテリセルの温度との関係を示す図である。 マイコンにより記憶される充電しきい値情報の一例を示す図である。 マイコンにより記憶される放電しきい値情報の一例を示す図である。 各バッテリセルの温度と係数TCOとの関係を示す図である。 全てのバッテリセルとモータ等の負荷との接続状態を示す模式図である。 全てのバッテリセルとモータ等の負荷との接続状態を示す模式図である。 全てのバッテリセルとモータ等の負荷との接続状態を示す模式図である。 全てのバッテリセルの内部抵抗の合成値と充電しきい値との関係を示す図である。 全てのバッテリセルの内部抵抗の合成値と放電しきい値との関係を示す図である。 全てのバッテリセルの内部抵抗の合成値と充電しきい値との関係を示す図である。 全てのバッテリセルの内部抵抗の合成値と放電しきい値との関係を示す図である。 図1のバッテリシステムを備える電動自動車の構成を示すブロック図である。
[1]第1の実施の形態
以下、第1の実施の形態に係るバッテリシステムについて図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態に係るバッテリシステムは、電力を駆動源とする電動車両に搭載される。電動車両は、ハイブリッド自動車、バッテリエレクトリックビークルおよびプラグインハイブリッド自動車を含む。
(1)バッテリシステムの構成
図1は、第1の実施の形態に係るバッテリシステムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、バッテリシステム500は、複数のバッテリモジュール100、バッテリECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)101およびコンタクタ102を含み、バス104を介して電動車両の主制御部300に接続されている。
バッテリシステム500の複数のバッテリモジュール100は、電源線501を通して互いに接続されている。各バッテリモジュール100は、複数(本例では18個)のバッテリセル10、複数(本例では5個)のサーミスタ11、電流センサ210および検出回路20を有する。
各バッテリモジュール100において、複数のバッテリセル10は互いに隣接するように一体的に配置され、複数のバスバー40により直列接続されている。各バッテリセル10は、例えばリチウムイオン電池またはニッケル水素電池等の二次電池である。
両端部に配置されるバッテリセル10は、バスバー40aを介して電源線501に接続されている。これにより、バッテリシステム500においては、複数のバッテリモジュール100の全てのバッテリセル10が直列接続されている。一端部のバッテリセル10に接続された電源線501には、電流センサ210が介挿されている。バッテリシステム500から引き出される電源線501は、電動車両のモータ等の負荷に接続される。
検出回路20は、PTC(Positive Temperature Coefficient:正温度係数)素子60を介して各バスバー40,40aに電気的に接続される。また、検出回路20は、各サーミスタ11および電流センサ210に電気的に接続される。電流センサ210により検出された電流および各サーミスタ11により検出された温度が検出回路20に与えられる。また、検出回路20により各バッテリセル10の端子電圧が検出される。検出回路20の詳細については後述する。
各バッテリモジュール100の検出回路20は、バス103を介してバッテリECU101に接続されている。これにより、電流センサ210および各サーミスタ11から検出回路20に与えられる電流および温度、ならびに検出回路20により検出された端子電圧がバッテリECU101に与えられる。
バッテリECU101は、例えば各検出回路20から与えられた端子電圧、電流および温度に基づいて各バッテリセル10の充電量を算出する。また、バッテリECU101は、各検出回路20から与えられた端子電圧、電流および温度に基づいて各バッテリモジュール100の異常を検出する。バッテリモジュール100の異常とは、例えば、バッテリセル10の過放電、過充電または温度異常等である。
一端部のバッテリモジュール100に接続された電源線501には、コンタクタ102が介挿されている。バッテリECU101は、コンタクタ102のオンオフを切り替えることにより、各バッテリセル10の充放電を制御する。また、バッテリECU101は、バッテリモジュール100の異常を検出した場合、コンタクタ102をオフする。これにより、異常時には、各バッテリモジュール100に電流が流れないので、バッテリモジュール100の異常発熱が防止される。
バッテリECU101は、バス104を介して主制御部300に接続される。各バッテリECU101から主制御部300に各バッテリモジュール100の充電量(バッテリセル10の充電量)が与えられる。主制御部300は、その充電量に基づいて電動車両の動力(例えばモータの回転速度)を制御する。
(2)バッテリモジュールの詳細
バッテリモジュール100の詳細について説明する。図2はバッテリモジュール100の外観斜視図であり、図3はバッテリモジュール100の平面図であり、図4は、バッテリモジュール100の側面図である。
なお、図2〜図4においては、矢印X,Y,Zで示すように、互いに直交する三方向をX方向、Y方向およびZ方向と定義する。なお、本例では、X方向およびY方向が水平面に平行な方向であり、Z方向が水平面に直交する方向である。
図2〜図4に示すように、バッテリモジュール100においては、扁平な略直方体形状を有する複数のバッテリセル10がX方向に並ぶように配置されている。この状態で、複数のバッテリセル10は、一対の端面枠92、一対の上端枠93および一対の下端枠94により一体的に固定されている。
一対の端面枠92は略板形状を有し、YZ平面に平行に配置されている。一対の上端枠93および一対の下端枠94は、X方向に延びるように配置されている。
一対の端面枠92の四隅には、一対の上端枠93および一対の下端枠94を接続するための接続部が形成されている。一対の端面枠92の間に複数のバッテリセル10が配置された状態で、一対の端面枠92の上側の接続部に一対の上端枠93が取り付けられ、一対の端面枠92の下側の接続部に一対の下端枠94が取り付けられる。これにより、複数のバッテリセル10が、X方向に並ぶように配置された状態で一体的に固定される。
一体的に固定された複数のバッテリセル10の両側面に、複数のサーミスタ11が所定間隔で取り付けられる。なお、図2においては、一体的に固定された複数のバッテリセル10の一方の側面に取り付けられた3つのサーミスタ11のみが示されるが、他方の側面に2つのサーミスタ11が取り付けられる。
一方の端面枠92には、外側の面に間隔を隔ててリジッドプリント回路基板(以下、プリント回路基板と略記する)21が取り付けられている。プリント回路基板21上に、検出回路20が設けられている。
ここで、複数のバッテリセル10は、Y方向における一端部側および他端部側のいずれかの上面部分にプラス電極10aを有し、その逆側の上面部分にマイナス電極10bを有する。各電極10a,10bは、上方に向かって突出するように傾斜して設けられている(図4参照)。
以下の説明においては、プリント回路基板21が取り付けられない端面枠92に隣接するバッテリセル10からプリント回路基板21が取り付けられる端面枠92に隣接するバッテリセル10までを1番目〜18番目のバッテリセル10と呼ぶ。
図3に示すように、バッテリモジュール100において、各バッテリセル10は、隣接するバッテリセル10間でY方向におけるプラス電極10aおよびマイナス電極10bの位置関係が互いに逆になるように配置される。
それにより、隣接する2個のバッテリセル10間では、一方のバッテリセル10のプラス電極10aと他方のバッテリセル10のマイナス電極10bとが近接し、一方のバッテリセル10のマイナス電極10bと他方のバッテリセル10のプラス電極10aとが近接する。この状態で、近接する2個の電極にバスバー40が取り付けられる。これにより、複数のバッテリセル10が直列接続される。
具体的には、1番目のバッテリセル10のプラス電極10aと2番目のバッテリセル10のマイナス電極10bとに共通のバスバー40が取り付けられる。また、2番目のバッテリセル10のプラス電極10aと3番目のバッテリセル10のマイナス電極10bとに共通のバスバー40が取り付けられる。同様にして、各奇数番目のバッテリセル10のプラス電極10aとそれに隣接する偶数番目のバッテリセル10のマイナス電極10bとに共通のバスバー40が取り付けられる。各偶数番目のバッテリセル10のプラス電極10aとそれに隣接する奇数番目のバッテリセル10のマイナス電極10bとに共通のバスバー40が取り付けられる。
また、1番目のバッテリセル10のマイナス電極10bおよび18番目のバッテリセル10のプラス電極10aには、外部から電源線501を接続するためのバスバー40aがそれぞれ取り付けられる。
Y方向における複数のバッテリセル10の一端部側には、X方向に延びる長尺状のフレキシブルプリント回路基板(以下、FPC基板と略記する。)50が複数のバスバー40に共通して接続されている。同様に、Y方向における複数のバッテリセル10の他端部側には、X方向に延びる長尺状のFPC基板50が複数のバスバー40,40aに共通して接続されている。
FPC基板50は、主として絶縁層上に複数の導体線(配線パターン)51,52,53(後述の図5参照)が形成された構成を有し、屈曲性および可撓性を有する。FPC基板50を構成する絶縁層の材料としては例えばポリイミドが用いられ、導体線51,52,53(後述の図5参照)の材料としては例えば銅が用いられる。FPC基板50上において、各バスバー40,40aに近接するように各PTC素子60が配置される。
各FPC基板50は、端面枠92(プリント回路基板21が取り付けられる端面枠92)の上端部分で内側に向かって直角に折り返され、さらに下方に向かって折り返され、プリント回路基板21に接続されている。
(3)検出回路の詳細
図5は、検出回路20の詳細な構成を示すブロック図である。図5に示すように、複数のバスバー40,40aは導体線51を介して検出回路20の複数の端子部TE1にそれぞれ接続される。また、複数のサーミスタ11は導体線52を介して検出回路20の端子部TE2にそれぞれ接続される。また、電流センサ210は導体線53を介して検出回路20の端子部TE3に接続される。
検出回路20は、マルチプレクサ201、A/D(アナログ/デジタル)変換部202、マイクロコンピュータ(以下、マイコンと略記する)203、しきい値調整部204および判定部205を含む。
複数の端子部TE1は、マルチプレクサ201および判定部205にそれぞれ接続される。これにより、複数の端子部TE1の電圧(複数のバッテリセル10のプラス電極10aおよびマイナス電極10bの電圧)がマルチプレクサ201および判定部205に入力される。
なお、各バッテリセル10の端子電圧は、そのバッテリセル10のプラス電極10aの電圧とマイナス電極10bの電圧との差である。
複数の端子部TE2および端子部TE3は、マイコン203に接続される。これにより、複数のサーミスタ11により検出された温度および電流センサ210により検出された電流がマイコン203に与えられる。
マルチプレクサ201は、入力された複数の端子部TE1の電圧を順に出力する。A/D変換部202は、マルチプレクサ201により出力された端子部TE1の電圧をアナログ/デジタル変換し、その電圧をデジタル信号として出力する。
マイコン203は、A/D変換部202から出力される電圧に基づいて各バッテリセル10の端子電圧を算出する。マイコン203は、算出した端子電圧、電流センサ210から与えられる電流、および各サーミスタ11から与えられる温度をバッテリECU101に与える。上記のように、バッテリECU101は、マイコン203から与えられた端子電圧、電流および温度に基づいて、各バッテリセル10の充電量を算出し、主制御部300(図1)に与える。
また、マイコン203は、バッテリセル10ごとに充電しきい値および放電しきい値を決定し、決定された充電しきい値および放電しきい値をしきい値調整部204に与える。ここで、充電しきい値は、充電時における各バッテリセル10の端子電圧の許容上限値であり、放電しきい値は、放電時における各バッテリセル10の端子電圧の許容下限値である。
しきい値調整部204は、マイコン203から与えられた各バッテリセル10の充電しきい値および放電しきい値に対応する電圧を判定部205に与える。判定部205は、複数のバッテリセル10にそれぞれ対応する複数のコンパレータおよび信号出力回路を含む。各コンパレータは、対応するバッテリセル10のプラス電極10aおよびマイナス電極10bに接続される一対の端子部TE1間電圧(端子電圧)をしきい値調整部204から与えられた電圧と比較する。信号出力回路は、複数のコンパレータの比較結果に基づいて充電停止信号および放電停止信号を出力する。
この場合、複数のバッテリセル10の充電時に、いずれかのバッテリセル10の端子電圧が、対応する充電しきい値よりも高くなると、判定部205からバッテリECU101に充電停止信号が与えられる。また、複数のバッテリセル10の放電時に、いずれかのバッテリセル10の端子電圧が、対応する放電しきい値よりも低くなると、判定部205からバッテリECU101に放電停止信号が与えられる。
バッテリECU101は、判定部205からの充電停止信号または放電停止信号に応答して、コンタクタ102をオフする。それにより、複数のバッテリセル10の充電または放電が停止される。
(4)検出回路20の動作
(4−1)第1の動作例
各バッテリセル10の充放電時には、各バッテリセル10の内部抵抗による電圧降下が発生する。それにより、充電時には各バッテリセル10の端子電圧が開放電圧よりも内部抵抗による電圧降下分高くなり、放電時には各バッテリセル10の端子電圧が開放電圧よりも内部抵抗による電圧降下分低くなる。
各バッテリセル10の内部抵抗の値は、各バッテリセル10の温度により変動する。図6は、各バッテリセル10の内部抵抗の値と各バッテリセル10の温度との関係を示す図である。
図6に示すように、各バッテリセル10の内部抵抗の値は、各バッテリセル10の温度が低いほど大きくなる。それにより、各バッテリセル10の温度が低いほど、各バッテリセル10の充放電時に、より大きな電圧降下が発生する。すなわち、各バッテリセル10の温度が低いほど、充電時における各バッテリセル10の端子電圧がより高くなり、放電時における各バッテリセル10の端子電圧がより低くなる。
したがって、充電しきい値が一定であると、各バッテリセル10の温度が低いほど、各バッテリセル10の開放電圧がより低い状態で各バッテリセル10の充電が停止される。また、放電しきい値が一定であると、各バッテリセル10の温度が低いほど、各バッテリセル10の開放電圧がより高い状態で各バッテリセル10の放電が停止される。したがって、各バッテリセル10の温度が低いほど、各バッテリセル10の充放電範囲が狭くなる。その結果、各バッテリセル10の本来的な容量を最大限に使用することができない。
なお、携帯電話等のモバイル機器のバッテリの充電は、通常、屋内で行われる。その場合、比較的温度が高い状態でバッテリの充電が行われるので、充電時において上記の問題がほとんど生じない。
一方、本実施の形態のバッテリシステム500は電動車両に搭載されるので、各バッテリセル10の充電は、通常、屋外で行われる。そのため、温度が低い状態で各バッテリセル10の充電が行われることが多く、充電時において上記の問題が生じやすい。
そこで、第1の動作例においては、各バッテリセル10の温度に応じて、各バッテリセル10に対応する充電しきい値および放電しきい値が調整される。
例えば、マイコン203が、温度と充電しきい値との関係を示す充電しきい値情報および温度と放電しきい値との関係を示す放電しきい値情報を記憶する。マイコン203は、サーミスタ11から与えられた温度ならびに記憶される充電しきい値情報および放電しきい値情報に基づいて、バッテリセル10ごとに温度に応じた充電しきい値および放電しきい値を決定する。この場合、マイコン203は、複数のサーミスタ11のうち各バッテリセル10に最も近いサーミスタ11により検出された温度を各バッテリセル10の温度として用いる。
図7は、マイコン203により記憶される温度と充電しきい値との関係(充電しきい値情報)の一例を示す図であり、図8は、マイコン203により記憶される温度と放電しきい値との関係(放電しきい値情報)の一例を示す図である。図7および図8において、横軸は温度を示し、縦軸は充電しきい値または放電しきい値を示す。
図7に示すように、各バッテリセル10の温度が低いほど、充電しきい値が高く設定される。また、図8に示すように、各バッテリセル10の温度が低いほど、放電しきい値が低く設定される。したがって、各バッテリセル10の温度が低いほど、各バッテリセル10の端子電圧がより高くなるまで充電が継続され、各バッテリセル10の端子電圧がより低くなるまで放電が継続される。
ここでは、充電電流および放電電流がそれぞれ一定であるものとする。その場合、充電しきい値は、各バッテリセル10の開放電圧の許容上限値よりも内部抵抗による電圧降下分高くなるように温度ごとに設定され、放電しきい値は、各バッテリセル10の開放電圧の許容下限値よりも内部抵抗による電圧降下分低くなるように温度ごとに設定される。
開放電圧の許容上限値は、各バッテリセル10が過充電されないような電圧の上限値に設定され、温度によらず一定である。開放電圧の許容下限値は、各バッテリセル10が過放電されないような電圧の下限値に設定され、温度によらず一定である。なお、図7の充電しきい値情報および図8の放電しきい値情報は、例えば実験またはシミュレーション等によって得られる。
これにより、温度によって各バッテリセル10の内部抵抗の値が変動しても、各バッテリセル10の開放電圧が許容上限値および許容下限値に達するまで各バッテリセル10の充電および放電が継続される。したがって、各バッテリセル10の充放電範囲を一定に制御することができる。その結果、各バッテリセル10の本来的な容量を最大限に使用することができる。すなわち、各バッテリセル10の実質的な容量を向上させることができる。
(4−2)第2の動作例
充放電時における電圧降下の大きさは、各バッテリセル10に流れる電流の大きさに比例する。それにより、各バッテリセル10に流れる電流の大きさによって各バッテリセル10の端子電圧が変動する。
特に、各バッテリセル10に電流がほとんど流れていない状態では、各バッテリセル10の内部抵抗による電圧降下がほとんど生じない。そのため、その状態で、各バッテリセル10の温度が低い(内部抵抗が大きい)場合に各バッテリセル10の充電しきい値を高くかつ放電しきい値を低く設定すると、各バッテリセル10の過充電および過放電が発生する可能性がある。
そこで、第2の動作例においては、各バッテリセル10の温度および各バッテリセル10に流れる電流に応じて、各バッテリセル10に対応する充電しきい値および放電しきい値が調整される。
例えば、マイコン203が、サーミスタ11から与えられた温度および電流センサ210から与えられた電流に基づいて、次式(1)により充電しきい値を算出し、次式(2)により放電しきい値を算出する。
充電しきい値=T1+I×TCO …(1)
放電しきい値=T2−I×TCO …(2)
式(1),(2)において、T1は定数であり、例えば各バッテリセル10の開放電圧の許容上限値である。T2は定数であり、例えば各バッテリセル10の開放電圧の許容下限値である。Iは電流センサ210により検出される電流である。TCOは温度ごとに設定された係数であり、予めマイコン203に記憶される。
図9は、マイコン203に記憶される温度と係数TCOとの関係を示す図である。図9において、横軸は温度を示し、縦軸は係数TCOを示す。
図9に示すように、各バッテリセル10の温度が低いほど、係数TCOが大きく設定される。この場合、マイコン203は、複数のサーミスタ11のうち各バッテリセル10に最も近いサーミスタ11により検出された温度を各バッテリセル10の温度として用いる。
上式(1)により、各バッテリセル10に流れる電流が大きいほど充電しきい値が高く設定され、各バッテリセル10の温度が低いほど充電しきい値が高く設定される。また、上式(2)により、各バッテリセル10に流れる電流が大きいほど放電しきい値が低く設定され、各バッテリセル10の温度が低いほど放電しきい値が低く設定される。
したがって、各バッテリセル10に流れる電流が大きくかつ各バッテリセル10の温度が低いほど、各バッテリセル10の端子電圧がより高くなるまで充電が継続され、各バッテリセル10の端子電圧がより低くなるまで放電が継続される。
これにより、充放電時の温度および電流の大きさが異なっても、各バッテリセル10の充放電範囲を一定に制御することができる。その結果、各バッテリセル10の本来的な容量を最大限に使用することができる。すなわち、各バッテリセル10の実質的な容量を向上させることができる。
また、各バッテリセル10に電流がほとんど流れていない状態でも、各バッテリセル10の過充電および過放電の発生を防止することができる。
(4−3)第3の動作例
第3の動作例においては、各バッテリセル10の内部抵抗の値に応じて、各バッテリセル10に対応する充電しきい値および放電しきい値が調整される。
ここで、図10〜図12を用いて、全てのバッテリセル10の内部抵抗の合成値の算出方法について説明する。図10〜図12には、全てのバッテリモジュール100(図1)の全てのバッテリセル10、コンタクタ102および負荷(例えばモータ)との接続状態が模式的に示される。
図10に示すように、全てのバッテリセル10は直列に接続されている。各バッテリセル10は、内部抵抗RIを有する。
コンタクタ102は、端子部TE11,TE12、スイッチSW1,SW2およびプリチャージ抵抗PRを有する。コンタクタ102の端子部TE11に、一端部のバッテリセル10のプラス電極10aが電源線501を介して接続されている。コンタクタ102の端子部TE12に、電源線501を介して負荷70の一端が接続されている。端子部TE11と端子部TE12の間に、スイッチSW1が接続されている。また、端子部TE11と端子部TE12との間に、スイッチSW1と並列にスイッチSW2およびプリチャージ抵抗PRの直列回路が接続されている。
他端部のバッテリセル10のマイナス電極10bは、電源線501およびスイッチSW3を介して端子部TE20に接続されている。端子部TE20は、電源線505を介して負荷70の他端に接続されている。端子部TE12と端子部TE20との間にコンデンサCNが接続されている。
図1のバッテリECU101によりスイッチSW1〜SW3のオンオフが制御される。各バッテリセル10の放電(各バッテリセル10から負荷70への電力の供給)および各バッテリセル10の充電(負荷70から各バッテリセル10への電力の供給)が行われない場合には、スイッチSW1〜SW3がオフされる。
各バッテリセル10の放電開始時または充電開始時には、図11(a)および図11(b)に示すように、スイッチSW2,SW3がオンされる。
図11(a)に示すように、放電開始時には、複数のバッテリセル10からプリチャージ抵抗PRを介してコンデンサCNおよび負荷70に電流が流れる。また、図11(b)に示すように、充電開始時には、負荷70からコンデンサCNに電流が流れるとともにプリチャージ抵抗PRを介して複数のバッテリセル10に電流が流れる。
この場合、コンデンサCNおよびプリチャージ抵抗PRにより形成されるRC積分回路の働きにより、スイッチSW2,SW3がオンされた直後に、複数のバッテリセル10と負荷70との間で瞬間的に大電流が流れることが防止される。
複数のバッテリセル10と負荷70との間の電流が安定すると、図12(a)および図12(b)に示すように、スイッチSW2がオフされるとともにスイッチSW1がオンされる。この場合、コンデンサCNが十分に充電された状態である。それにより、図12(a)に示すように、放電時には、複数のバッテリセル10から負荷70に電流が流れる。また、図12(b)に示すように、充電時には、負荷70から複数のバッテリセル10に電流が流れる。
全てのバッテリセル10の内部抵抗の合成値は、例えば次の方法で算出される。
放電時において、図11に示すようにスイッチSW2,SW3がオンされた直後には、コンデンサCNの充電量が0である。そのため、端子部TE12と端子部TE20との電位差がほぼ0になり、端子部TE12と端子部TE20との間で短絡が発生した状態になる。これにより、放電時において、スイッチSW2,SW3がオンされた直後には、次式(3)が成立する。
=(R+R)I …(3)
式(3)において、Eは、全てのバッテリセル10の開放電圧の合計である。Iは、電流センサ210により検出される電流である。Rは、プリチャージ抵抗PRの値であり、既知である。Rは、全てのバッテリセル10の内部抵抗RIの合成値である。
スイッチSW1〜SW3がオフされた状態(図10の状態)では、各バッテリセル10に電流が流れていないので、内部抵抗RIによる電圧降下が発生しない。そのため、スイッチSW1〜SW3がオフされた状態で検出回路20(図5)のマイコン203により算出される各バッテリセル10の端子電圧は、各バッテリセル10の開放電圧と等しい。これにより、スイッチSW1〜SW3がオフされた状態でマイコン203により算出される各バッテリセル10の端子電圧に基づいて、全てのバッテリセル10の開放電圧の合計Eが得られる。
したがって、バッテリセル10の開放電圧の合計E、プリチャージ抵抗PRの値Rおよび電流センサ210により検出される電流Iに基づいて、上式(3)により、全てのバッテリセル10の内部抵抗RIの合成値Rを算出することができる。
また、次の方法で全てのバッテリセル10の内部抵抗の合成値Rを算出することもできる。
上記のように、充電時には、各バッテリセル10の端子電圧が、開放電圧よりも内部抵抗RIによる電圧降下分高くなり、放電時には、各バッテリセル10の端子電圧が、開放電圧よりも内部抵抗RIによる電圧降下分低くなる。各バッテリセル10の内部抵抗RIによる電圧降下の大きさは、各バッテリセル10の内部抵抗RIの値と各バッテリセル10に流れる電流との積である。
それにより、スイッチSW2,SW3がオンされた状態(図11の状態)およびスイッチSW1,SW3がオンされた状態(図12の状態)において、充電時には次式(4)が成立し、放電時には次式(5)が成立する。
=E+I …(4)
=E−I …(5)
式(4),(5)において、Vは、マイコン203により算出される全てのバッテリセル10の端子電圧の合計である。式(4)または式(5)により、全てのバッテリセル10の内部抵抗RIの合成値Rを算出することができる。
このようにして算出された全ての内部抵抗RIの合成値Rに基づいて、マイコン203が、例えば次式(6)により充電しきい値を算出し、次式(7)により放電しきい値を算出する。
充電しきい値=T3+R×K1 …(6)
放電しきい値=T4−R×K1 …(7)
式(6),(7)において、T3は定数であり、例えば各バッテリセル10の開放電圧の許容上限値である。T4は定数であり、例えば各バッテリセル10の開放電圧の許容下限値である。K1は係数である。
図13は、例えば上記の方法で算出された全てのバッテリセル10の内部抵抗の合成値Rと、式(6)により算出される充電しきい値との関係を示す図である。図14は、例えば上記の方法で算出された全てのバッテリセル10の内部抵抗の合成値Rと、式(7)により算出される放電しきい値との関係を示す図である。図13および図14において、横軸は内部抵抗の合成値Rを示し、縦軸は充電しきい値または放電しきい値を示す。
図13に示すように、内部抵抗の合成値Rが大きいほど充電しきい値が高く調整される。また、図14に示すように、内部抵抗の合成値Rが大きいほど放電しきい値が低く調整される。したがって、内部抵抗の合成値Rが大きいほど、各バッテリセル10の端子電圧がより高くなるまで充電が継続され、各バッテリセル10の端子電圧がより低くなるまで放電が継続される。
これにより、温度によって各バッテリセル10の内部抵抗の値が変動しても、各バッテリセル10の開放電圧が許容上限値および許容下限値に達するまで各バッテリセル10の充電および放電が継続される。したがって、各バッテリセル10の充放電範囲を一定に制御することができる。その結果、各バッテリセル10の本来的な容量を最大限に使用することができる。すなわち、各バッテリセル10の実質的な容量を向上させることができる。
なお、各バッテリセル10の端子電圧および各バッテリセル10に流れる電流に基づいて各バッテリセル10の内部抵抗RIの値を個別に算出し、算出した各バッテリセル10の内部抵抗RIの値に応じて各バッテリセル10の充電しきい値および放電しきい値を個別に調整してもよい。
(4−4)第4の動作例
上記のように、充放電時における電圧降下の大きさは、各バッテリセル10に流れる電流の大きさに比例する。それにより、各バッテリセル10に流れる電流の大きさによって各バッテリセル10の端子電圧が変動する。
そこで、各バッテリセル10の内部抵抗の値および各バッテリセル10に流れる電流に応じて、各バッテリセル10に対応する充電しきい値および放電しきい値を調整してもよい。
例えば、マイコン203が、次式(8)により充電しきい値を算出し、次式(9)により放電しきい値を算出する。
充電しきい値=T5+(R×K2+I×K3) …(8)
放電しきい値=T6−(R×K2+I×K3) …(9)
式(8),(9)において、T5は定数であり、例えば各バッテリセル10の開放電圧の許容上限値である。T6は定数であり、例えば各バッテリセル10の開放電圧の許容下限値である。K2およびK3は係数である。
図15は、全てのバッテリセル10の内部抵抗の合成値Rと式(8)により算出される充電しきい値との関係を示す図である。図16は、全てのバッテリセル10の内部抵抗の合成値Rと式(9)により算出される放電しきい値との関係を示す図である。図15および図16において、横軸は内部抵抗の合成値Rを示し、縦軸は充電しきい値または放電しきい値を示す。
なお、図15には、電流センサ210により検出される電流IがTaである場合の充電しきい値および電流センサ210により検出される電流IがTbである場合の充電しきい値が示され、図16には、電流センサ210により検出される電流IがTaである場合の放電しきい値および電流センサ210により検出される電流IがTbである場合の放電しきい値が示される。ここで、TbはTaよりも大きい。
図15に示すように、内部抵抗の合成値Rが大きいほど充電しきい値が高く設定され、電流センサ210により検出される電流Iが大きいほど充電しきい値が高く設定される。また、図16に示すように、内部抵抗の合成値Rが大きいほど放電しきい値が低く設定され、電流センサ210により検出される電流Iが大きいほど放電しきい値が低く設定される。
したがって、内部抵抗の合成値Rが大きくかつ電流センサ210により検出される電流Iが大きいほど、各バッテリセル10の端子電圧がより高くなるまで充電が継続され、各バッテリセル10の端子電圧がより低くなるまで放電が継続される。
これにより、各バッテリセル10の内部抵抗RIの値および充放電時の電流の大きさが異なっても、各バッテリセル10の充放電範囲を一定に制御することができる。その結果、各バッテリセル10の本来的な容量を最大限に使用することができる。すなわち、各バッテリセル10の実質的な容量を向上させることができる。
また、各バッテリセル10に電流がほとんど流れていない状態でも、各バッテリセル10の過放電および過充電の発生を防止することができる。
(5)さらに他の動作例
各バッテリセル10の内部抵抗RIの値は、各バッテリセル10の充電量によって変動する。具体的には、各バッテリセル10の充電容量(残存容量)が多いほど各バッテリセル10の内部抵抗RIの値が小さくなる。
そこで、各バッテリセル10に対応する充電しきい値および放電しきい値を決定するためのパラメータとして、上記の各バッテリセル10の温度、内部抵抗および各バッテリセル10に流れる電流に加えて、各バッテリセル10の充電容量を用いてもよい。
また、各バッテリセル10の温度が低い場合には、充電の開始時に、各バッテリセル10に瞬間的に大電流が流れて各バッテリセル10の端子電圧が瞬間的に充電しきい値より高くなることがある。同様に、放電の開始時に、各バッテリセル10に瞬間的に大電流が流れて各バッテリセル10の端子電圧が瞬間的に放電しきい値より低くなることがある。
そこで、充電の開始時に、所定時間(例えば数秒)各バッテリセル10に対応する充電しきい値を無限大に設定してもよい、同様に、放電の開始時に、所定時間(例えば数秒)各バッテリセル10に対応する放電しきい値を無限小(例えば0)に設定してもよい。
この場合、充電の開始時に各バッテリセル10の端子電圧が瞬間的に充電しきい値より高くなることが防止されるとともに、放電の開始時に各バッテリセル10の端子電圧が瞬間的に放電しきい値より低くなることが防止される。それにより、充電の開始直後に充電が停止されることが防止されるとともに、放電の開始直後に放電が停止されることが防止される。
(6)変形例
上記実施の形態では、複数のバッテリセル10に対して1つのサーミスタ11が設けられるが、バッテリセル10ごとに1つのサーミスタ11が取り付けられてもよい。その場合、各バッテリセル10の温度をより正確に検出することができる。
また、上記実施の形態では、モータ等の負荷70から各バッテリセル10に電力が供給されることにより各バッテリセル10が充電されるが、これに限らず、例えば外部の発電装置からバッテリセル10に電力が供給されることにより各バッテリセル10が充電されてもよい。
また、検出回路20のマイコン203、しきい値調整部204および判定部5は、電子回路等のハードウェアにより実現してもよく、あるいはこれらの構成要素のうち一部または全てをCPU(中央演算処理装置)等のハードウェアとプログラム等のソフトウェアにより実現してもよい。
[2]第2の実施の形態
以下、第2の実施の形態に係る電動車両について説明する。本実施の形態に係る電動車両は、第1の実施の形態に係るバッテリシステム500を備える。なお、以下では、電動車両の一例として電動自動車を説明する。
図17は、図1のバッテリシステム500を備える電動自動車の構成を示すブロック図である。図17に示すように、本実施の形態に係る電動自動車600は、図1の主制御部300およびバッテリシステム500、電力変換部601、モータ602、駆動輪603、アクセル装置604、ブレーキ装置605、ならびに回転速度センサ606を含む。モータ602が交流(AC)モータである場合には、電力変換部601はインバータ回路を含む。
本実施の形態において、バッテリシステム500は、電力変換部601を介してモータ602に接続されるとともに、主制御部300に接続される。上述のように、主制御部300には、バッテリシステム500を構成するバッテリECU101(図1)から複数のバッテリモジュール100(図1)の充電量が与えられる。また、主制御部300には、アクセル装置604、ブレーキ装置605および回転速度センサ606が接続される。主制御部300は、例えばCPUおよびメモリ、またはマイクロコンピュータからなる。
アクセル装置604は、電動自動車600が備えるアクセルペダル604aと、アクセルペダル604aの操作量(踏み込み量)を検出するアクセル検出部604bとを含む。運転者によりアクセルペダル604aが操作されると、アクセル検出部604bは、運転者により操作されていない状態を基準としてアクセルペダル604aの操作量を検出する。検出されたアクセルペダル604aの操作量が主制御部300に与えられる。
ブレーキ装置605は、電動自動車600が備えるブレーキペダル605aと、運転者によるブレーキペダル605aの操作量(踏み込み量)を検出するブレーキ検出部605bとを含む。運転者によりブレーキペダル605aが操作されると、ブレーキ検出部605bによりその操作量が検出される。検出されたブレーキペダル605aの操作量が主制御部300に与えられる。
回転速度センサ606は、モータ602の回転速度を検出する。検出された回転速度は、主制御部300に与えられる。
上述のように、主制御部300には、バッテリモジュール100の充電量、アクセルペダル604aの操作量、ブレーキペダル605aの操作量、およびモータ602の回転速度が与えられる。主制御部300は、これらの情報に基づいて、バッテリモジュール100の充放電制御および電力変換部601の電力変換制御を行う。
例えば、アクセル操作に基づく電動自動車600の発進時および加速時には、バッテリシステム500から電力変換部601にバッテリモジュール100の電力が供給される。
さらに、主制御部300は、与えられたアクセルペダル604aの操作量に基づいて、駆動輪603に伝達すべき回転力(指令トルク)を算出し、その指令トルクに基づく制御信号を電力変換部601に与える。
上記の制御信号を受けた電力変換部601は、バッテリシステム500から供給された電力を駆動輪603を駆動するために必要な電力(駆動電力)に変換する。これにより、電力変換部601により変換された駆動電力がモータ602に供給され、その駆動電力に基づくモータ602の回転力が駆動輪603に伝達される。
一方、ブレーキ操作に基づく電動自動車600の減速時には、モータ602は発電装置として機能する。この場合、電力変換部601は、モータ602により発生された回生電力をバッテリモジュール100の充電に適した電力に変換し、バッテリモジュール100に与える。それにより、バッテリモジュール100が充電される。
[3]請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応関係
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
上記実施の形態においては、判定部205が端子電圧検出部の例であり、サーミスタ11が温度検出部の例であり、判定部205、バッテリECU101およびコンタクタ102が制御部の例であり、マイコン203およびしきい値調整部204が調整部の例であり、電流センサ210が電流検出部の例であり、マルチプレクサ201、A/D変換部202およびマイコン203が内部抵抗検出部の例であり、電動自動車600が電動車両の例である。
請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の要素を用いることもできる。
本発明は、電力を駆動源とする種々の移動体、またはモバイル機器等に有効に利用することができる。
10 バッテリセル
11 サーミスタ
20 検出回路
101 バッテリECU
100 バッテリモジュール
102 コンタクタ
202 A/D変換部
203 マイコン
204 しきい値調整部
205 判定部
210 電流センサ
500 バッテリシステム
600 電動自動車
602 モータ
603 駆動輪

Claims (6)

  1. バッテリセルと、
    前記バッテリセルの端子電圧を検出する端子電圧検出部と、
    前記バッテリセルの温度を検出する温度検出部と、
    前記端子電圧検出部により検出される端子電圧が充電しきい値に達するまで前記バッテリセルが充電されるように前記バッテリセルの充電を制御する制御部と、
    前記温度検出部により検出される温度に基づいて前記充電しきい値を調整する調整部とを備えることを特徴とするバッテリシステム。
  2. 前記制御部は、前記端子電圧検出部により検出される端子電圧が放電しきい値に達するまで前記バッテリセルが放電されるように前記バッテリセルの放電を制御し、
    前記調整部は、前記温度検出部により検出される温度に基づいて前記放電しきい値を調整することを特徴とする請求項1記載のバッテリシステム。
  3. バッテリセルと、
    前記バッテリセルの端子電圧を検出する端子電圧検出部と、
    前記バッテリセルの内部抵抗を検出する内部抵抗検出部と、
    前記端子電圧検出部により検出される端子電圧が充電しきい値に達するまで前記バッテリセルが充電されるように前記バッテリセルの充電を制御する制御部と、
    前記内部抵抗検出部により検出される内部抵抗に基づいて前記充電しきい値を調整する調整部とを備えることを特徴とするバッテリシステム。
  4. 前記制御部は、前記端子電圧検出部により検出される端子電圧が放電しきい値に達するまで前記バッテリセルが放電されるように前記バッテリセルの放電を制御し、
    前記調整部は、前記内部抵抗検出部により検出される内部抵抗に基づいて前記放電しきい値を調整することを特徴とする請求項3記載のバッテリシステム。
  5. 前記バッテリセルに流れる電流を検出する電流検出部をさらに備え、
    前記調整部は、前記電流検出部により検出される電流に基づいて前記充電しきい値を補正することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のバッテリシステム。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のバッテリシステムと、
    前記バッテリシステムの前記バッテリセルからの電力により駆動されるモータと、
    前記モータの回転力により回転する駆動輪とを備えることを特徴とする電動車両。
JP2009173149A 2009-07-24 2009-07-24 バッテリシステムおよび電動車両 Active JP5512181B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009173149A JP5512181B2 (ja) 2009-07-24 2009-07-24 バッテリシステムおよび電動車両

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009173149A JP5512181B2 (ja) 2009-07-24 2009-07-24 バッテリシステムおよび電動車両

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011028987A true JP2011028987A (ja) 2011-02-10
JP5512181B2 JP5512181B2 (ja) 2014-06-04

Family

ID=43637515

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009173149A Active JP5512181B2 (ja) 2009-07-24 2009-07-24 バッテリシステムおよび電動車両

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5512181B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014127324A (ja) * 2012-12-26 2014-07-07 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 電池モジュール
JP2014127325A (ja) * 2012-12-26 2014-07-07 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 電池モジュール
JP2016073057A (ja) * 2014-09-29 2016-05-09 トヨタ自動車株式会社 電動車両
JP2016220327A (ja) * 2015-05-18 2016-12-22 日野自動車株式会社 電気自動車の制御装置及び自動車用バッテリの制御方法
CN107181017A (zh) * 2017-04-24 2017-09-19 北京长城华冠汽车科技股份有限公司 一种电动汽车动力电池温控系统和方法
JP2019146462A (ja) * 2018-02-23 2019-08-29 株式会社デンソーテン 監視システムおよび監視方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA2806673A1 (en) 2010-08-18 2012-02-23 Greatpoint Energy, Inc. Hydromethanation of a carbonaceous feedstock

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0898428A (ja) * 1994-09-19 1996-04-12 Atex Co Ltd バッテリの充電方法
JPH08163790A (ja) * 1994-12-01 1996-06-21 Sony Corp 充電方法及び充電装置
JPH1118315A (ja) * 1997-06-27 1999-01-22 Yuasa Corp 無人搬送車用アルカリ蓄電池の充電制御システム
JP2001325994A (ja) * 2000-05-15 2001-11-22 Matsushita Electric Ind Co Ltd 無人搬送車及びその電池管理システム
JP2004248405A (ja) * 2003-02-13 2004-09-02 Fuji Heavy Ind Ltd 車両のバッテリ管理装置

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0898428A (ja) * 1994-09-19 1996-04-12 Atex Co Ltd バッテリの充電方法
JPH08163790A (ja) * 1994-12-01 1996-06-21 Sony Corp 充電方法及び充電装置
JPH1118315A (ja) * 1997-06-27 1999-01-22 Yuasa Corp 無人搬送車用アルカリ蓄電池の充電制御システム
JP2001325994A (ja) * 2000-05-15 2001-11-22 Matsushita Electric Ind Co Ltd 無人搬送車及びその電池管理システム
JP2004248405A (ja) * 2003-02-13 2004-09-02 Fuji Heavy Ind Ltd 車両のバッテリ管理装置

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014127324A (ja) * 2012-12-26 2014-07-07 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 電池モジュール
JP2014127325A (ja) * 2012-12-26 2014-07-07 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 電池モジュール
JP2016073057A (ja) * 2014-09-29 2016-05-09 トヨタ自動車株式会社 電動車両
JP2016220327A (ja) * 2015-05-18 2016-12-22 日野自動車株式会社 電気自動車の制御装置及び自動車用バッテリの制御方法
CN107181017A (zh) * 2017-04-24 2017-09-19 北京长城华冠汽车科技股份有限公司 一种电动汽车动力电池温控系统和方法
JP2019146462A (ja) * 2018-02-23 2019-08-29 株式会社デンソーテン 監視システムおよび監視方法
JP7051488B2 (ja) 2018-02-23 2022-04-11 株式会社デンソーテン 監視システムおよび監視方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5512181B2 (ja) 2014-06-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5512181B2 (ja) バッテリシステムおよび電動車両
US9783037B2 (en) Vehicle
JP5964814B2 (ja) バッテリシステム、電動車両、移動体、電力貯蔵装置および電源装置
US8493031B2 (en) Equalization device, battery system and electric vehicle including the same, equalization processing program, and equalization processing method
US8497661B2 (en) Equalization device, equalization processing program, battery system, electric vehicle and equalization processing method
US20100271036A1 (en) Battery module, battery system and electric vehicle
US20110156618A1 (en) Battery system and electric vehicle including the same
JP5274110B2 (ja) 車両用の電源装置
US20130057219A1 (en) Power supply apparatus for vehicle and vehicle provided with same
EP2190101A1 (en) Power supply system
KR20100117505A (ko) 배터리 모듈, 배터리 시스템 및 전동 차량
JP2011049155A (ja) バッテリシステムおよびそれを備えた電動車両
JP5498149B2 (ja) 二次電池装置および車両
JP2007259612A (ja) 電源制御装置
KR20100020477A (ko) 배터리팩 및 배터리 시스템
JPWO2014024452A1 (ja) バッテリシステム及びこのバッテリシステムを備える電動車両並びに蓄電装置
WO2011135868A1 (ja) バッテリモジュール、それを備えた移動体、電力貯蔵装置、電源装置および電気機器
JP2006073364A (ja) 組電池の容量調整装置及び組電池の容量調整方法
JP2005114401A (ja) 組電池の異常判定装置および組電池の異常判定方法
JP2011024303A (ja) 充放電制御装置
WO2012026093A1 (ja) バッテリモジュール、バッテリシステム、電動車両、移動体、電力貯蔵装置および電源装置
JP2007205977A (ja) 二次電池の監視装置
JP2005278242A (ja) 組電池の容量調整装置および容量調整方法
EP2325919A2 (en) Battery system and electric vehicle including the same
JP5517965B2 (ja) 電池システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120625

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130815

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130820

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131010

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140225

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140326

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5512181

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150