JP2011027254A - 遊星歯車機構 - Google Patents

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Abstract


【課題】 高い変速比を達成でき、かつ小型化が達成できる遊星歯車機構を提供すること。
【解決手段】 本発明の遊星歯車機構1は、ハウジングHと、偏心軸を中心とする偏心部22を有し、ハウジングHに対して入出力軸線を中心に回転可能に設けられた入力軸2と、偏心部22を介して入力軸2に対して偏心揺動し、偏心軸を中心に回転する揺動面板3と、揺動面板3に形成された第2外歯歯車と内接噛合する第2内歯歯車が設けられ、ハウジングHに対して入出力軸線を中心に回転可能に設けられた出力軸7とを備えている。ハウジングHには、揺動面板3に形成された第1外歯歯車と内接噛合する第1内歯歯車が形成され、入力軸2の回転により、各々の外歯歯車と内歯歯車とが噛合する円周上の位置が変化し、入力軸2の回転が減速されて揺動面板3が回転され、その回転がさらに減速されて出力軸7に取り出される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、遊星歯車機構に関する。
モータの回転等を減速するために、遊星歯車機構をもつ減速機が用いられている。この遊星歯車機構としては、第1軸と、第1軸に設けた偏心体を介してこの第1軸に対して偏心回転可能な状態で取付けられた外歯歯車と、外歯歯車が内接噛合する内歯歯車と、外歯歯車に外歯歯車の自転成分のみを伝達する手段を介して連結された第2軸と、を備えた遊星歯車機構が広く知られている。そして、この遊星歯車機構の具体的な例として、サイクロイド差動遊星歯車機構が知られている。
サイクロイド差動遊星歯車機構を用いた減速機は、一般的な歯車のインボリュート歯形の遊星減速機構に比べて、一段で高い減速比がとれるうえ、噛み合い率が高く高効率が得られる反面、偏心揺動回転から出力を取り出すため機構が複雑となり、高コストとなる傾向があった。
一般的なサイクロイド差動遊星歯車機構は、ピン歯車を内歯車としてエピトロコイド外歯歯車を内接偏心揺動させ、内ピンを介して出力を得ている。そして、偏心によるアンバランスを打ち消すために、偏心の位相と逆の位相に同じ構造の外歯歯車を追加したり、偏心方向を120°ずらした状態の位相の同じ構造の2枚の外歯歯車を追加している(特許文献1参照)。
しかしながら、従来のサイクロイド差動遊星歯車機構は、高い変速比(減速比)が得られないという問題があった。このため、従来の機構を有する減速機でより高い減速比(例えば100以上)を実現するためには、入力軸の前又は出力軸の後にもう1段の減速機構又は減速ユニットを追加しなければならず、大幅なコストアップや設置スペースの増大を招いてしまった。
具体的には、エピトロコイド歯車を構成するためには、内歯車を多数のピンで構成する必要がある。そして、内周に配置可能なピンの本数は、特に小型の減速機の場合、多くなる必要がある。しかし、ピンの本数を増やすためには、ピンの径を細くする必要がある。このような選択は現実的には無理があり、結果として高減速比の構造を実現出来なくなっていた。
特開2002−266955号公報
本発明は上記実状に鑑みてなされたものであり、高い変速比を達成でき、かつ小型化が達成できる遊星歯車機構を提供することを本発明の課題とする。
上記課題を解決するために本発明者等は、遊星歯車機構について検討を重ねた結果、本発明をなすに到った。
すなわち、請求項1に係る本発明の遊星歯車機構は、内周面に第1内歯歯車が形成された第1部材と、内周面に第2内歯歯車が形成されるとともに、入出力軸線を中心に第1部材に対して相対回転可能な第2部材と、環状に形成され、外周面に第1内歯歯車と噛合可能な第1外歯歯車および第2内歯歯車と噛合可能な第2外歯歯車を備え、第1外歯歯車の歯数は第1内歯歯車の歯数よりも少なく、第2外歯歯車の歯数は第2内歯歯車の歯数よりも少なく形成されており、第1部材および第2部材に対して揺動することにより、第1外歯歯車の円周上の一部のみが第1内歯歯車と噛合し、第2外歯歯車の円周上の一部のみが第2内歯歯車と噛合するように形成された揺動部材と、入出力軸線に対して偏心した外周面を有する偏心部を備えるとともに、偏心部が揺動部材の内周面を支持し入出力軸線を中心に回転することによって揺動部材を揺動させる、または、揺動部材が揺動することにより入出力軸線を中心に回転させられる第3部材と、を備え、第3部材に駆動力を入力して揺動部材を揺動させるとともに回転させ、第1外歯歯車と第1内歯歯車とが噛合する円周上の位置および第2外歯歯車と第2内歯歯車とが噛合する円周上の位置を移動させることにより、第1部材および第2部材のうちの少なくとも一方に減速された駆動力を出力させる、または、第1部材および第2部材のうちの少なくとも一方に駆動力を入力して、第1外歯歯車と第1内歯歯車とが噛合する円周上の位置および第2外歯歯車と第2内歯歯車とが噛合する円周上の位置を移動させ、揺動部材を揺動させるとともに回転させることにより、第3部材に増速された駆動力を出力させることを特徴とする。
請求項2に係る本発明の遊星歯車機構は、請求項1において、第1外歯歯車と第1内歯歯車の一方は、入出力軸線方向に伸びる第1ピンよりなることを特徴とする。
請求項3に係る本発明の遊星歯車機構は、請求項1〜2の何れか1項において、第2外歯歯車と第2内歯歯車の一方は、入出力軸線方向に伸びる第2ピンよりなることを特徴とする。
請求項4に係る本発明の遊星歯車機構は、請求項2〜3の何れか1項において、各外歯歯車と各内歯歯車の他方は、トロコイド歯形で形成されていることを特徴とする。
請求項5に係る本発明の遊星歯車機構は、請求項1〜4の何れか1項において、第1外歯歯車の中心軸と第2外歯歯車の中心軸は、同軸に設けられていることを特徴とする。
請求項6に係る本発明の遊星歯車機構は、請求項2において、第1ピンは、ピン本体と、ピン本体に回転可能な状態で外装されたカラーと、を有することを特徴とする。
請求項7に係る本発明の遊星歯車機構は、請求項3において、第2ピンは、ピン本体と、ピン本体に回転可能な状態で外装されたカラーと、を有することを特徴とする。
請求項8に係る本発明の遊星歯車機構は、請求項1〜7の何れか1項において、偏心部と揺動部材との間には第1支持軸受けが配されていることを特徴とする。
請求項9に係る本発明の遊星歯車機構は、請求項1〜8の何れか1項において、第2部材は、その一部が第3部材の軸心部に内挿され、第3部材と、第2部材の第3部材に内挿された部分の間には、第2支持軸受けが配されていることを特徴とする。
請求項10に係る本発明の遊星歯車機構は、請求項1〜9において、第2支持軸受けは、第3部材の偏心部と、第2部材の第3部材に内挿された部分の間に配されていることを特徴とする。
請求項11に係る本発明の遊星歯車機構は、請求項1〜10の何れか1項において、第3部材を入力軸とし、第2部材を出力軸とする減速機構であることを特徴とする。
請求項12に係る本発明の遊星歯車機構は、請求項2および3において、第1部材は、第2部材および第3部材を回転可能に支持するハウジングであって、第2部材は、第3部材に入力された駆動力を減速して出力する出力軸であり、第1内歯歯車は第1部材から突出した第1ピンにより形成され、第2外歯歯車は揺動部材から突出した第2ピンにより形成されたことを特徴とする。
請求項13に係る本発明の遊星歯車機構は、請求項2および3において、第1部材は、第2部材および第3部材を回転可能に支持するハウジングであって、第2部材は、第3部材に入力された駆動力を減速して出力する出力軸であり、第1外歯歯車は揺動部材から突出した第1ピンにより形成され、第2内歯歯車は第2部材から突出した第2ピンにより形成されたことを特徴とする。
請求項14に係る本発明の遊星歯車機構は、請求項1〜13の何れか1項において、第3部材は、偏心部のアンバランス回転を打ち消すカウンターバランサを有することを特徴とする。
請求項15に係る本発明の遊星歯車機構は、請求項14において、カウンターバランサは、第3部材を部分的に刳り抜いた軽量孔であることを特徴とする。
請求項16に係る本発明の遊星歯車機構は、請求項1〜15の何れか1項において、第2部材は第3支持軸受けを介して、第1部材により回転可能に支持されており、第3支持軸受けの内輪を第2部材と一体に形成したことを特徴とする。
請求項17に係る本発明の遊星歯車機構は、請求項1〜16の何れか一項において、第3部材は、電動モータにより駆動され、電動モータのケースは、第1部材または第2部材と一体的に形成され、電動モータの出力軸と第3部材とが一体的に形成されたことを特徴とする。
請求項18に係る本発明の遊星歯車機構は、共通の入出力軸線を中心として、入力軸および出力軸を回転可能に支持する固定されたハウジングと、入力軸および出力軸のうちの一方であって、入出力軸線に対して偏心した偏心軸を中心とする偏心部を有する第1軸と、入力軸および出力軸のうちの他方であって、第2内歯歯車が設けられた第2軸と、偏心部に支持される筒状部と、ハウジングに形成された入出力軸線を中心とする第1内歯歯車に係合する第1外歯歯車と、第2内歯歯車と係合する第2外歯歯車と、が形成され、第1外歯歯車の歯数は第1内歯歯車の歯数よりも少なく、第2外歯歯車の歯数は第2内歯歯車の歯数よりも少なく形成されており、偏心軸に対して回転するとともに、ハウジングおよび第2軸に対して揺動することにより、第1外歯歯車の円周上の一部のみが第1内歯歯車と噛合し、第2外歯歯車の円周上の一部のみが第2内歯歯車と噛合するように形成された揺動部材と、を備えた遊星歯車機構において、第1内歯歯車は、ハウジングから突出し入出力軸線方向に伸びる第1ピンよりなり、第2外歯歯車は、揺動部材から突出し入出力軸線方向に伸びる第2ピンよりなり、第1軸に駆動力を入力して揺動部材を揺動させるとともに回転させ、第1外歯歯車と第1内歯歯車とが噛合する円周上の位置および第2外歯歯車と第2内歯歯車とが噛合する円周上の位置を移動させることにより、第2軸に減速された駆動力を出力させる、または、第2軸に駆動力を入力して、第1外歯歯車と第1内歯歯車とが噛合する円周上の位置および第2外歯歯車と第2内歯歯車とが噛合する円周上の位置を移動させ、揺動部材を揺動させるとともに回転させることにより、第1軸に増速された駆動力を出力させることを特徴とする。
請求項19に係る本発明の遊星歯車機構は、共通の入出力軸線を中心として、入力軸および出力軸を回転可能に支持する固定されたハウジングと、入力軸および出力軸のうちの一方であって、入出力軸線に対して偏心した偏心軸を中心とする偏心部を有する第1軸と、入力軸および出力軸のうちの他方であって、第2内歯歯車が設けられた第2軸と、偏心部に支持される筒状部と、ハウジングに形成された入出力軸線を中心とする第1内歯歯車に係合する第1外歯歯車と、第2内歯歯車と係合する第2外歯歯車と、が形成され、第1外歯歯車の歯数は第1内歯歯車の歯数よりも少なく、第2外歯歯車の歯数は第2内歯歯車の歯数よりも少なく形成されており、偏心軸に対して回転するとともに、ハウジングおよび第2軸に対して揺動することにより、第1外歯歯車の円周上の一部のみが第1内歯歯車と噛合し、第2外歯歯車の円周上の一部のみが第2内歯歯車と噛合するように形成された揺動部材と、を備えた遊星歯車機構において、第1外歯歯車は、揺動部材から突出し入出力軸線方向に伸びる第1ピンよりなり、第2内歯歯車は、第2軸から突出し入出力軸線方向に伸びる第2ピンよりなり、第1軸に駆動力を入力して揺動部材を揺動させるとともに回転させ、第1外歯歯車と第1内歯歯車とが噛合する円周上の位置および第2外歯歯車と第2内歯歯車とが噛合する円周上の位置を移動させることにより、第2軸に減速された駆動力を出力させる、または、第2軸に駆動力を入力して、第1外歯歯車と第1内歯歯車とが噛合する円周上の位置および第2外歯歯車と第2内歯歯車とが噛合する円周上の位置を移動させ、揺動部材を揺動させるとともに回転させることにより、第1軸に増速された駆動力を出力させることを特徴とする。
請求項1に係る本発明の遊星歯車機構は、入出力軸の一方である第3部材が回転すると、第3部材に設けられた偏心部を介して揺動部材が偏心揺動するとともに、偏心軸を中心に回転運動を生じる。そして、揺動部材には第1部材に形成された第1内歯歯車と係合(外接噛合)する第1外歯歯車が形成されており、第1外歯歯車と第1内歯歯車の歯数により決定される変速比に応じた速度に、入出力軸線(第3部材の中心軸)を中心とした回転運動の回転速度が変速される。
そして、揺動部材には、入出力軸の他方である第2部材に設けられた第2内歯歯車と係合(外接噛合)する第2外歯歯車も形成されている。揺動部材は第1歯車群(第1外歯歯車と第1内歯歯車)により変速された速度で偏心揺動回転しており、この偏心揺動回転の回転速度は、第2外歯歯車と第2内歯歯車の歯数により決定される変速比に応じた速度に変速される。ここで、第2外歯歯車は、揺動部材に形成されており、第2歯車群(第2外歯歯車と第2内歯歯車)により変速された回転は、第2内歯歯車を介して第2部材に取り出される。このように、本発明の遊星歯車機構は、第3部材が回転したときに第1歯車群と第2歯車群の両歯車群で変速した回転速度を第2部材から取り出す。揺動部材は、第3部材とは反対方向に回転し、第2部材は揺動部材とは反対方向に回転する。また、本発明の遊星歯車機構では、第2部材の回転を第3部材に変速して出力することもできる。その場合には、第2部材、第2内歯歯車、第2外歯歯車、第1内歯歯車、第1外歯歯車、揺動部材、第3部材の順に回転が伝達され変速される。
このように、本発明の遊星歯車機構は、第1と第2の一方の歯車群で変速した回転速度を、他方の歯車群でさらに変速する構成となっている。このことから、第1歯車群と第2歯車群の変速比を調節することで、高い変速比を得られる。なお、各歯車群のそれぞれを構成する外歯歯車と内歯歯車の歯数を調節することで、それぞれの歯車群における変速比(減速比)を決定することができる。
また、本発明の遊星歯車機構は、変速を行う二つの歯車群を一体に有する構成となっており、小型でも高トルクで高減速比の減速機を実現でき、装置の小型化に貢献することができる効果を発揮する。特に、第1と第2の外歯歯車が揺動部材に一体に形成されたことで、揺動部材の軸方向の長さを短くすることができ、遊星歯車機構の体格を小さくできる効果を発揮する。
本発明の遊星歯車機構は、揺動部材にもうけられた第1と第2の外歯歯車とそれぞれが係合する内歯歯車の係合面(歯車の噛み合う噛合面)のみに高い加工精度が要求される。換言すると、それ以外の部材に高い加工精度が要求されなくなっている。このように、本発明の遊星歯車機構は、コストを低減できる効果を発揮する。
さらに、従来の遊星歯車機構では外歯歯車に内ピンを貫通する内ピン穴が必要となっており、外歯歯車自身の外径の縮径に限界があったが、本発明の遊星歯車機構は揺動部材(外歯歯車と同等に機能する)に二つの外歯歯車を設けることで、内ピン穴のような大きなスペースを要求する部品を用いなくなっている。この結果、外径を小型化できる効果を発揮する。
請求項2及び3に係る本発明の遊星歯車機構によると、一つの歯車群の一方の歯車をピンにより形成できる。これにより、一方の歯車を簡単に製造できる。さらに、ピンは、高精度の部品を低コストで製造できるため、本発明の遊星歯車機構は、コストを低減できる効果を発揮する。ここで、請求項2及び3において各ピンが、入出力軸線方向にのびることで、相手歯車と噛合することができるものとなる。各ピンは、揺動面に対して垂直な方向に伸びることがより好ましい。
請求項4に係る本発明の遊星歯車機構によると、一つの歯車群の他方の歯車をトロコイド歯形とすることで、歯車群を構成する外歯歯車と内歯歯車との噛み合いを大きくすることができる。なお、トロコイド歯形としては、外歯歯車はエピトロコイド歯形が好ましく、内歯歯車はハイポトロコイド歯形が好ましい。
請求項5に係る本発明の遊星歯車機構によると、二つの歯車群の二つの外歯歯車が同軸にもうけられることで、偏心揺動回転する揺動部材を二つの歯車群で共用することができ、部品点数の増加を抑えることができる。
請求項6及び7に係る本発明の遊星歯車機構によると、第1ピンと第2ピンのそれぞれが、ピン本体とカラーとから構成される。すなわち、ピンの相手歯車との噛合面をカラーの表面が形成する。そして、カラーは、ピン本体に対して回転可能な状態で配されることから、ピンと相手歯車とが噛合した時に、噛合面の滑りをカラーの回転により吸収することができ、高効率での噛み合いを達成できる。
さらに、カラーの外径を調節することで、噛み合いのバックラッシュを簡単に調節することができる。
請求項8に係る本発明の遊星歯車機構によると、偏心部と揺動部材との間には第1支持軸受けが配されていることで、偏心部の偏心回転を揺動部材の揺動回転に変換することができる。また、揺動部材に加わる径方向の応力を偏心部が受けることができる。
請求項9に係る本発明の遊星歯車機構によると、第3部材と第2部材との軸方向位置が重なり合い、両者の間に第2支持軸受けが配されることで、第1及び第2外歯歯車が、噛合する第1及び第2内歯歯車から受ける径方向内方へ向かう応力(噛み合い時の反力)が、揺動部材、第1支持軸受け、第3部材の偏心部及び第2支持軸受けを介して第2部材に伝達される。第2部材は、伝達された応力(反力)を受け止めることで、各歯車群における回転の伝達がロスなく行われる。
請求項10に係る本発明の遊星歯車機構によると、第3部材の偏心部と第2部材の間に第2支持軸受けが配されることで、偏心部が受ける径方向内方に向かう応力を、第2部材で受け止めることができる。
請求項11に係る本発明の遊星歯車機構によると、低コストかつ小型化された機構で変速をできることから、第3部材からの入力を第2部材に減速して出力する減速機構であることが好ましい。本発明の遊星歯車機構は、上記のように、低コストかつ小型化が可能であるため、ロボット等においてモータの出力を減速する減速機として用いることがより好ましい。
請求項12に係る本発明の遊星歯車機構によると、第1内歯歯車は第1部材から突出した第1ピンにより形成されたことにより、これと噛合する第1外歯歯車を揺動部材の外周端に切削により形成することができるため、第1外歯歯車を設ける場合に、揺動部材を貫通切削により容易に形成することができる。
また、第2外歯歯車は揺動部材から突出した第2ピンにより形成されたことにより、第2外歯歯車が第1外歯歯車よりも小径であっても、切削加工により形成する場合と異なり、揺動部材を袋状に加工する必要がなく、その製造が容易となる。
請求項13に係る本発明の遊星歯車機構によると、第1外歯歯車は揺動部材から突出した第1ピンにより形成されたことにより、これと噛合する第1内歯歯車を第1部材に切削により形成することができるため、第1内歯歯車を設ける場合に、ハウジングとしての第1部材の壁を貫通切削することにより形成することができ、その製造が容易となる。
また、第2内歯歯車は第2部材から突出した第2ピンにより形成されたことにより、第2部材に第2内歯歯車を形成する場合に、第2部材を袋状に加工する必要がなく、その製造が容易となる。
請求項14に係る本発明の遊星歯車機構によると、第3部材が偏心部のアンバランス回転を打ち消すカウンターバランサを有することで、偏心部により生じたアンバランス回転を打ち消すことができ、遊星歯車機構の振動を抑えることができる。なお、カウンターバランサは、偏心部のアンバランス回転を打ち消すことができる形状、位置であれば、その構成が特に限定されるものではない。
請求項15に係る本発明の遊星歯車機構によると、カウンターバランサが第3部材を部分的に刳り抜いた軽量孔であることにより、部品点数を増やすことなく、第3部材の偏心アンバランス荷重を解消することができる。
請求項16に係る本発明の遊星歯車機構によると、第3支持軸受けの内輪を第2部材と一体に形成したことにより、部品点数を低減し、低コストの遊星歯車機構にすることができる。
請求項17に係る本発明の遊星歯車機構によると、電動モータのケースは、第1部材または第2部材と一体的に形成され、電動モータの出力軸と第3部材とが一体的に形成されたことにより、部品点数を低減し、低コストの遊星歯車機構にすることができる。
請求項18に係る本発明の遊星歯車機構は、入出力軸の一方である第1軸が回転すると、第1軸に設けられた偏心部を介して揺動部材が偏心揺動するとともに、偏心軸を中心に回転運動を生じる。そして、揺動部材にはハウジングから突出した第1ピンにより形成された第1内歯歯車と係合(外接噛合)する第1外歯歯車が形成されており、第1外歯歯車と第1内歯歯車の歯数により決定される変速比に応じた速度に、入出力軸線(第1軸の中心軸)を中心とした回転運動の回転速度が変速される。
そして、揺動部材には第2ピンが突出し、第2ピンにより、入出力軸の他方である第2軸に設けられた第2内歯歯車と係合(外接噛合)する第2外歯歯車も形成されている。揺動部材は第1歯車群(第1外歯歯車と第1内歯歯車)により変速された速度で偏心揺動回転しており、この偏心揺動回転の回転速度は、第2外歯歯車と第2内歯歯車の歯数により決定される変速比に応じた速度に変速される。ここで、第2外歯歯車は、揺動部材に形成されており、第2歯車群(第2外歯歯車と第2内歯歯車)により変速された回転は、第2内歯歯車を介して第2軸に取り出される。このように、本発明の遊星歯車機構は、第1軸が回転したときに第1歯車群と第2歯車群の両歯車群で変速した回転速度を第2軸から取り出す。揺動部材は、第1軸とは反対方向に回転し、第2軸は揺動部材とは反対方向に回転する。また、本発明の遊星歯車機構では、第2軸の回転を第1軸に変速して出力することもできる。その場合には、第2軸、第2内歯歯車、第2外歯歯車、第1内歯歯車、第1外歯歯車、揺動部材、第1軸の順に回転が伝達され変速される。
このように、本発明の遊星歯車機構は、第1と第2の一方の歯車群で変速した回転速度を、他方の歯車群でさらに変速する構成となっている。このことから、第1歯車群と第2歯車群の変速比を調節することで、高い変速比を得られる。なお、各歯車群のそれぞれを構成する外歯歯車と内歯歯車の歯数を調節することで、それぞれの歯車群における変速比(減速比)を決定することができる。
また、第1内歯歯車はハウジングから突出した第1ピンにより形成されたことにより、これと噛合する第1外歯歯車を揺動部材の外周端に切削により形成することができるため、第1外歯歯車を設ける場合に、揺動部材を貫通切削により容易に形成することができる。
また、第2外歯歯車は揺動部材から突出した第2ピンにより形成されたことにより、第2外歯歯車が第1外歯歯車よりも小径であっても、切削加工により形成する場合と異なり、揺動部材を袋状に加工する必要がなく、その製造が容易となる。
請求項19に係る本発明の遊星歯車機構は、入出力軸の一方である第1軸が回転すると、第1軸に設けられた偏心部を介して揺動部材が偏心揺動するとともに、偏心軸を中心に回転運動を生じる。そして、揺動部材からは第1ピンが突出し、第1ピンにより、ハウジングに形成された第1内歯歯車と係合(外接噛合)する第1外歯歯車が形成されており、第1外歯歯車と第1内歯歯車の歯数により決定される変速比に応じた速度に、入出力軸線(第1軸の中心軸)を中心とした回転運動の回転速度が変速される。
そして、揺動部材には、入出力軸の他方である第2軸から突出した第2ピンにより形成された第2内歯歯車と係合(外接噛合)する第2外歯歯車が形成されている。揺動部材は第1歯車群(第1外歯歯車と第1内歯歯車)により変速された速度で偏心揺動回転しており、この偏心揺動回転の回転速度は、第2外歯歯車と第2内歯歯車の歯数により決定される変速比に応じた速度に変速される。ここで、第2外歯歯車は、揺動部材に形成されており、第2歯車群(第2外歯歯車と第2内歯歯車)により変速された回転は、第2内歯歯車を介して第2軸に取り出される。このように、本発明の遊星歯車機構は、第1軸が回転したときに第1歯車群と第2歯車群の両歯車群で変速した回転速度を第2軸から取り出す。揺動部材は、第1軸とは反対方向に回転し、第2軸は揺動部材とは反対方向に回転する。また、本発明の遊星歯車機構では、第2軸の回転を第1軸に変速して出力することもできる。その場合には、第2軸、第2内歯歯車、第2外歯歯車、第1内歯歯車、第1外歯歯車、揺動部材、第1軸の順に回転が伝達され変速される。
このように、本発明の遊星歯車機構は、第1と第2の一方の歯車群で変速した回転速度を、他方の歯車群でさらに変速する構成となっている。このことから、第1歯車群と第2歯車群の変速比を調節することで、高い変速比を得られる。なお、各歯車群のそれぞれを構成する外歯歯車と内歯歯車の歯数を調節することで、それぞれの歯車群における変速比(減速比)を決定することができる。
また、第1外歯歯車は揺動部材から突出した第1ピンにより形成されたことにより、これと噛合する第1内歯歯車を設ける場合に、ハウジングを貫通切削することにより形成することができ、その製造が容易となる。
また、第2内歯歯車は第2軸から突出した第2ピンにより形成されたことにより、第2軸に第2内歯歯車を形成する場合に、第2軸を袋状に加工する必要がなく、その製造が容易となる。
実施形態1の減速装置の構成を示した断面図である。 図1のA−A断面における断面図である。 図1のB−B断面における断面図である。 実施形態1の減速装置のカウンターバランサを示した図である。 実施形態1の減速装置の構成を示した模式図である。 実施形態2の減速装置の構成を示した断面図である。 図6のC−C断面における断面図である。 図6のD−D断面における断面図である。 図6のE−E断面における断面図である。
<実施形態1>
以下、図1乃至図5に基づき、実施形態1について説明する。図1に、本実施形態の遊星歯車機構が採用された減速装置を示す。本実施形態では、入力軸2に入力されたモータMの駆動力が、減速されて出力軸7に出力される減速装置1を示した。なお、入力軸の回転と歯車の位相を示すために、図1中のA−A断面を図2に、図1中のB−B断面を図3にそれぞれ示した。
本実施形態の減速装置1は、モータM、ハウジングH、入力軸2、揺動面板3、第1ピン4、第2ピン5、内歯歯車6、出力軸7、を有する。
モータM(本発明の電動モータに該当する)は、回転を出力する部材である。本実施形態においてモータMは、特に限定されるものではない。
ハウジングH(本発明の第1部材に該当する)は、モータMに固定され、減速装置1の外周形状の一部を形成する部材である。また、ハウジングHは、モータMの回転軸MJ、入力軸2(本発明の第3部材および第1軸に該当する)、揺動面板3(本発明の揺動部材に該当する)、第1ピン4、第2ピン5、内歯歯車6、出力軸7(内歯歯車6を含んだ構成が、本発明の第2部材および第2軸に該当する)等の部材を、回転可能な状態で収容・支持する部材である。ハウジングHは、入力軸2と出力軸7とを、両軸線(入出力軸線であり図においてφにて示す)が一致して共通となる状態で回転可能に支持する。
入力軸2は、モータMの回転軸MJに固定された略筒状の部材である。入力軸2は、モータMの回転軸MJに外挿固定された縮径部20と、縮径部20の先端側に位置し縮径部20よりも内径と外径が拡径した筒状の拡径部21と、を有している。なお、縮径部20と拡径部21の径の変化は、図1に示したように、徐々に(階段状に)内径及び外径が変化するように形成されている。
縮径部20は、ハウジングHとの間に入力軸支持軸受け80を介して、回転可能な状態で配されている。
拡径部21は、径方向の外周面が、入力軸2の軸心に対して偏心した偏心形状をなす偏心部22を備えている。つまり、入力軸2が入出力軸線を中心に回転すると、偏心部22も入出力軸線を中心として回転をし、偏心部22の外周面を揺動させる。偏心部22の外周面は、入出力軸線に対して異なる位置にある偏心軸(図においてeφにて示す)を中心とした真円状に形成されている。
入力軸2は、縮径部20のハウジングHに支持された部分よりもモータMに近接した位置に、カウンターバランサ23が設けられている。カウンターバランサ23は、偏心部22により生じるアンバランス回転を打ち消すように配されている。具体的には、カウンターバランサ23は、図4に示したように、偏心部22の偏心形状と逆の位相となるように組み付けられている。なお、図4は、出力軸7側からモータM方向を見たときに、揺動面板3とカウンターバランサ23との位相差がわかるように示した概略図である。
揺動面板3は、第1支持軸受け81を介して拡径部21(の偏心部22)に外挿された円盤状の部材である。本実施形態において、揺動面板3は、第1支持軸受け81を介して拡径部21(の偏心部22)に外挿される筒状部30と、筒状部30のモータMに近接する側の端部で軸方向に垂直に広がる円盤状の円盤部31と、を有する。筒状部30は、第1支持軸受け81を介して、偏心部22により支持されている。揺動面板3には、外周面において、ハウジングHに形成された入出力軸を中心とする第1内歯歯車に係合する第1外歯歯車32と、第2内歯歯車6と係合する第2外歯歯車と、が形成されている。揺動面板3は、偏心軸に対して回転すると共に、それぞれの内歯歯車と外歯歯車との係合により偏心軸が入出力軸線の回りを回転する。
揺動面板3の円盤部31の端部には、周方向に沿ってエピトロコイド型の外歯歯車32が、所定のピッチ(本実施形態では歯数が29)で形成されている。この外歯歯車32は、本発明の第1外歯歯車に相当する。
また、揺動面板3の円盤部31には、複数本(本実施形態では23本)の第2ピン5が等間隔(等ピッチ)で固定されている。第2ピン5は、揺動面板3の円盤部31の一方の表面に、モータMから離れる方向(入出力軸線方向)に突出して固定されている。このピン5により、本発明の第2外歯歯車に相当する外歯歯車が形成されている。
第2ピン5は、図1に示したように、揺動面板3に固定された円柱状のピン本体50と、ピン本体50に回転可能な状態で外挿された円筒状のカラー51と、から構成される。
揺動面板3の円盤部31の外歯歯車32は、その円周上の一部のみが内歯歯車に噛合している。この内歯歯車は、本発明の第1内歯歯車に相当する。内歯歯車は、ハウジングHに固定された第1ピン4により内周面に形成される。第1ピン4は、入力軸2及び出力軸7の軸方向と平行(入出力軸線方向)にのびた状態で固定されている。第1ピン4は、複数本(本実施形態では、噛み合う外歯の歯数より1本多い30本)が、等間隔(等ピッチ)で固定されている。第1ピン4は、揺動面板3が揺動回転運動をしたときに、円盤部31の端部に形成された外歯歯車32と係合する(噛み合う)。外歯歯車32(第1外歯歯車)と第2ピン5による第2外歯歯車は、いずれも偏心軸を中心として形成され、互いに同軸上に設けられている。
第1ピン4は、図1に示したように、ハウジングHに固定された円柱状のピン本体40と、ピン本体40に回転可能な状態で外挿された円筒状のカラー41と、から構成される。
揺動面板3の円盤部31に固定された第2ピン5の径方向外方(円盤部31の遠心方向)には、第2ピン5により形成された外歯歯車に、その円周上の一部のみが内接噛合する内歯歯車6が形成されている。内周面に歯を有する内歯歯車6は、本発明の第2内歯歯車に相当する。内歯歯車6は、出力軸7に固定されている。内歯歯車6は、ハイポトロコイド型の内歯が所定のピッチ(本実施形態では歯数が、噛み合う外歯の歯数より1本多い24)で形成されている。
出力軸7は、円盤状の円盤状部70と、円盤状部70からモータMに近接する方向に突出した入力軸2の拡径部21の軸心に挿入される挿入部71と、から構成される。出力軸7は、ハウジングHに、出力軸支持軸受け83により入出力軸線を中心に回転可能な状態で支持されている。
出力軸7は、挿入部71が入力軸2の拡径部21の軸心に挿入されているが、この挿入部71は、拡径部21の内周面と第2支持軸受け82を介して配置されている。
つづいて、本実施形態の減速装置1の動作を説明する。
まず、モータMを作動させる。モータMの回転軸MJを介して入力軸2が回転する。入力軸2が回転すると、入力軸2を構成する偏心部22が回転し、その外周面が揺動する(偏心回転)。このとき、入力軸2には、カウンターバランサ23が設けられているため、偏心部22が偏心回転により生じる回転のアンバランスが打ち消される。
偏心部22の偏心回転は、第1支持軸受け81を介して揺動面板3を偏心揺動させるとともに、偏心軸を中心に回転運動(偏心揺動運動)させる。このとき、揺動面板3は、円盤部31の外周にエピトロコイド型の外歯が形成されており、外歯歯車の円周上の一部のみが第1ピン4と噛合する。揺動面板3はハウジングHに対して揺動し、この外歯と、ハウジングHに固定された第1ピン4とが噛合する円周上の位置が移動することで、揺動面板3は、偏心軸を中心として入力軸2の回転方向とは反対方向に、減速されて回転される。なお、減速比は、噛み合う歯車の歯数により決定される。
そして、回転が減速した揺動面板3には、第2ピン5が固定されており、それぞれの第2ピン5は、揺動面板3とともに偏心揺動回転する。第2ピン5は、内歯歯車6とその円周上の一部のみが噛み合っており、この第2ピン5と、内歯歯車6とが噛合する円周上の位置が移動することで、その歯数差により、回転速度が(相対的に)減速される。このことは、上記の第1外歯歯車と第1内歯歯車とからなる第1歯車群における減速と同様である。
そして、第2ピン5が揺動面板3に固定されており、減速された回転は、内歯歯車6を入出力軸線を中心に揺動面板3の回転方向とは反対方向に回転させる。この回転は、内歯歯車6が固定された出力軸7に伝達され、出力軸7により揺動面板3の回転をさらに減速した、入力軸2の回転方向と同方向の回転として取り出される。
このように、本実施形態の減速装置1は、入力軸2の回転を二つの歯車群で変速し、出力軸7から取り出す。そして、二つの歯車群のそれぞれにおいて、高い減速比で減速でき、その結果として、より高い減速比で出力回転を得られる。すなわち、本発明の減速装置1は、小型で高トルクで高減速比の減速装置となっている。
本実施形態の減速装置1は、揺動面板3にもうけられた外歯歯車32と、内歯歯車の当接面を形成する第1ピン4と、揺動面板3に固定された第2ピン5と、内歯歯車6の噛合面のみに高い加工精度が要求される。すなわち、それ以外の部分に高い加工精度が要求されなくなっている。つまり、加工コストを低減できる効果を発揮する。
さらに、従来の遊星歯車機構では外歯歯車に内ピンを貫通する内ピン穴が必要となっており、外歯歯車自身の外径の縮径に限界があったが、本発明の遊星歯車機構は揺動面板(外歯歯車と同等に機能する)に二つの外歯歯車を設けることで、内ピン穴のような大きなスペースを要求する部品を用いなくなっている。この結果、外径を小型化できる効果を発揮する。
本実施形態の減速装置1では、二つの外歯歯車が同軸な状態で一つの揺動面板3に形成されたことで、同じ偏心揺動回転を生じる。このため、簡単な構成とすることができ、部品点数の増加を抑えることができる効果を発揮する。
また、本実施形態の減速装置1の遊星歯車機構では、入力軸2がモータM側に偏心部22のアンバランス回転を打ち消すカウンターバランサ23を有したことで、偏心部22により生じたアンバランス回転をこのカウンターバランサ23で打ち消している。すなわち、本実施形態の減速装置1の遊星歯車機構では、減速装置1が振動することが抑えられている。さらに、本実施形態の減速装置1の遊星歯車機構では、簡単な形状のカウンターバランサ23を用いることができることから、加工コストを低減できる効果を発揮する。
また、本実施形態の減速装置1の遊星歯車機構では、第1ピン4,第2ピン5が、相手歯車32,6等の歯車と噛合う噛合面が、ピン本体40,50に外挿されたカラー41,51により形成されており、第1ピン4,第2ピン5と相手歯車32,6とが噛合した時に、歯面の滑りをカラー41,51の回転により吸収することができ、高効率での噛み合いを達成できる。
さらに、本実施形態の減速装置1の遊星歯車機構では、カラー41,51の外径を調節することで、噛み合いのバックラッシュを簡単に調節することができる。つまり、加工コストを低減できる効果を発揮する。
加えて、本実施形態の減速装置1の遊星歯車機構では、二つの歯車群において、それぞれの内歯歯車が噛合する相手歯車から受ける径方向内方に向かう反力は、揺動面板3,第1支持軸受け81,入力軸2の拡径部21,第2支持軸受け82を介して出力軸7の挿入部71にかかる。つまり、各歯車群において内歯歯車4,6と外歯歯車32,5とが噛み合う力がロスなく用いられる。
(減速比)
第1実施形態においては、第1外歯歯車(揺動面板3の円盤部31の外周の歯車32)、第1内歯歯車(ピン4により形成される歯車)、第2外歯歯車(ピン5により形成される歯車)、第2内歯歯車(内歯歯車6)のそれぞれの歯数は、表1に示した通りである。
Figure 2011027254
第1実施形態の減速装置1の減速機構を模式的に示すと、図5に示した通りとなる。そして、それぞれの歯数から減速比を求めると、下記数式の通りとなる。
Figure 2011027254
なお、z2は第1内歯歯車の歯数、z1は第1外歯歯車の歯数、z4は第2外歯歯車の歯数、z3は第2内歯歯車の歯数である。また、ninは入力軸2の回転数、noutは出力軸7の回転数である。
第1実施形態の減速装置1は、表1に示したそれぞれの歯車の歯数から116.00と高い減速比でモータMの回転を減速できることが確認できる。
第1実施形態の減速装置1において、第2外歯歯車と第2内歯歯車の歯数をそれぞれ一つずつ大きなものとすると(z3を25に、z4を24にすると)、減速比は145.00と、第1実施形態の場合よりも更に大きくなる。表1に第1変形形態例として併せて示した。
また、第1変形形態例から、第1外歯歯車と第1内歯歯車の歯数をそれぞれ一つずつ小さなものに替えるとともに、第2外歯歯車と第2内歯歯車の歯数をそれぞれ一つずつ大きなものとすると(z1を28に、z2を29に、z3を26に、z4を25にすると)、減速比は242.67と、更に大きくなる。表1に第2変形形態例として併せて示した。
上記のように、本実施形態の減速装置1の遊星歯車機構では、各歯車の歯数を変更することで、簡単に減速比を調節することができる。すなわち、簡単な構成でありながら、高い減速比を達成できる効果を発揮できる。
なお、各歯車群を構成する各歯車のそれぞれの歯数は、特に限定されるものではなく、減速装置1において求められている減速比が得られる歯数の組み合わせを適宜選択できる。
<実施形態1の変形形態>
上記の実施形態においては、第1外歯歯車及び第2内歯歯車をトロコイド型の歯車で、第1内歯歯車及び第2外歯歯車をピンにより形成していたが、各歯車のそれぞれにおいては、ピンとトロコイド型の歯車とが噛み合う組み合わせならば、下記表2に示した組み合わせのいずれでもよい。
Figure 2011027254
上記したように、各実施形態の減速装置1は、モータMの回転を体格が小さな装置で減速している。すなわち、本発明の遊星歯車機構は、特に、小型のロボット等において用いることが好ましい。
<実施形態1の別の変形形態>
上記の実施形態においては、本発明の歯車機構を、入力軸2に入力されたモータMの駆動力が、減速されて出力軸7に出力される減速装置1に適用した例を示したが、出力軸7に入力された駆動力が、増速されて入力軸2に出力される増速装置に適用してもよい。
<実施形態2>
次に、図6乃至図9に基づき、実施形態2による減速装置1Kについて、上述した減速装置1との相違点のみを説明する。図6に示すように、モータM1(本発明の電動モータに該当する)のケースC1(本発明の第1部材に該当する)は、減速装置1Kのハウジングと一体的に形成されている。ケースC1は、減速装置1Kのハウジングを兼ねており、出力軸支持軸受け803(本発明の第3支持軸受けに該当する)を介して出力軸700(本発明の第2部材に該当する)を回転可能に支持している。出力軸支持軸受け803の内輪は、出力軸700と一体的に形成されている。
また、モータM1からはアウトプットシャフト200(本発明の第3部材および電動モータの出力軸に該当する)が突出しており、アウトプットシャフト200は減速装置1Kの入力軸を兼ねるべく、入力軸と一体的に形成されている。アウトプットシャフト200の先端部には、入出力軸線(図においてφにて示す)に対して外周面が偏心した偏心部202が形成されている。偏心部202の半径方向内方部には、出力軸700の挿入部701が挿入されており、偏心部202の内周面と挿入部701との間には第2支持軸受け802が介装されている。
アウトプットシャフト200には、アウトプットシャフト200の偏心部202により生じたアンバランス回転を打ち消すために、カウンターバランサ203が形成されている。カウンターバランサ203は、アウトプットシャフト200を部分的に刳り抜いた軽量孔により形成されている。軽量孔は、偏心部202において、外周面が入出力軸線を中心として外方へ突出しているため重量が大きい部位と、同じ円周上の位置に形成されている(図7示)。
アウトプットシャフト200の偏心部202の外周面には、第1支持軸受け801を介して揺動面板300が装着されている。揺動面板300(本発明の揺動部材に該当する)は、入出力軸線を中心としたアウトプットシャフト200の回転により、偏心部202とともに揺動可能に形成されている。
揺動面板300の外周部の一側の側面からは、23個の第1ピン400がモータM1に向けて入出力軸線方向に突出している。第1ピン400の先端部にはカラー401が装着されている。第1ピン400の先端部は、実施形態1のものと同様の第1外歯歯車を形成している(図8示)。
モータM1のケースC1には、半径方向内方へと延びた支持部C1aが形成され、支持部C1aの内周面には、実施形態1のものと同様の内歯歯車C1bが設けられている。内歯歯車C1bは、第1外歯歯車よりも1歯多い24の歯を備えており、実施形態1のものと同様のハイポトロコイド型の第1内歯歯車を形成している。内歯歯車C1bの円周上の一部は、カラー401を介して、第1ピン400の先端部と噛合している(第1歯車群を形成している)。
一方、出力軸700の一側の側面からは、30個の第2ピン500がモータM1に向けて入出力軸線方向に突出している。第2ピン500の先端部にはカラー501が装着されている。第2ピン500の先端部は、半径方向において、揺動面板300の外周端と対向するように位置しており、実施形態1のものと同様の第2内歯歯車を形成している(図9示)。
また、揺動面板300の外周面には、実施形態1のものと同様のエピトロコイド型の外歯歯車302が設けられている。外歯歯車302は、第2内歯歯車よりも1歯少ない29個の歯を備えており、実施形態1のものと同様の第2外歯歯車を形成している。外歯歯車302の円周上の一部は、カラー501を介して、第2ピン500の先端部と噛合している(第2歯車群を形成している)。
その他の構成については、実施形態1による減速装置1と同様であるため、これ以上の説明は省略する。
次に、減速装置1Kの動作を説明する。モータM1を作動させると、アウトプットシャフト200が回転する。アウトプットシャフト200が回転すると、アウトプットシャフト200を構成する偏心部202が偏心回転する。偏心部202の偏心回転は、第1支持軸受け801を介して揺動面板300を揺動運動(偏心揺動運動)させるとともに、偏心軸を中心に揺動面板300を回転させる。
揺動面板300が揺動しながら回転運動すると、揺動面板300にもうけられた第1外歯歯車および第2外歯歯車も揺動しながら回転運動する。このとき、第1ピン400(第1外歯歯車)の円周上の一部のみが内歯歯車C1b(第1内歯歯車)と噛合しており、揺動面板300の揺動および回転運動により、第1外歯歯車と第1内歯歯車とが噛合する円周上の位置が移動することで、揺動面板300が偏心軸を中心に回転する回転速度が減速される。揺動面板300は、アウトプットシャフト200とは反対方向に回転する。なお、減速比は、第1外歯歯車と第1内歯歯車とが噛み合う歯車の歯数により決定される。
そして、回転が減速した揺動面板300には、外歯歯車302(第2外歯歯車)が形成されており、揺動面板300とともに偏心揺動回転する。外歯歯車302は第2ピン500(第2内歯歯車)と噛合しており、この第2ピン500と、外歯歯車302とが噛合する円周上の位置が移動することで、その歯数差により、第2ピン500が設けられた出力軸700の回転速度が(相対的に)減速される。このことは、上記の第1外歯歯車と第1内歯歯車とからなる第1歯車群における減速と同様である。出力軸700は、揺動面板300とは反対方向に回転する。この結果、出力軸700において、入出力軸線を中心としてさらに減速された回転が取り出される。
実施形態2によれば、第1外歯歯車は揺動面板300から突出した第1ピン400により形成されたことにより、これと噛合する第1内歯歯車をケースC1に切削により形成することができるため、第1内歯歯車を設ける場合に、ハウジングとしてのケースC1の壁(支持部C1a)を貫通切削することにより形成することができ、その製造が容易となる。
また、第2内歯歯車は出力軸700から突出した第2ピン500により形成されたことにより、出力軸700に第2内歯歯車を形成する場合に、出力軸700を袋状に加工する必要がなく、その製造が容易となる。
また、カウンターバランサ203がアウトプットシャフト200を部分的に刳り抜いた軽量孔であることにより、部品点数を増やすことなく、アウトプットシャフト200の偏心アンバランス荷重を解消することができる。
また、出力軸支持軸受け803の内輪を出力軸700と一体に形成したことにより、部品点数を低減し、低コストの遊星歯車機構にすることができる。
また、モータM1のケースC1が減速装置1Kのハウジングと一体的に形成され、モータM1のアウトプットシャフト200と減速装置1Kの入力軸とが一体的に形成されたことにより、実施形態1に示した入力軸支持軸受け80を廃止することができ、部品点数を低減し、低コストの減速装置1Kにすることができる。
<実施形態2の変形形態>
出力軸支持軸受け803の内輪は、必ずしも出力軸700と一体的に形成する必要はなく、出力軸700に対して独立して内輪を設けてもよい。
減速装置1Kにおいて、出力軸700を回転不能に固定するとともに、ケースC1を入出力軸線を中心に回転可能にしてもよい。また、出力軸700およびケースC1をともに入出力軸線を中心に回転可能にし、それぞれに所定の比率で減速回転を出力してもよい。
実施形態1による減速装置1において、入力軸2にカウンターバランサ23としての軽量孔を設けてもよい。
実施形態1による減速装置1において、出力軸支持軸受け83の内輪を出力軸7と一体的に形成してもよい。
実施形態1による減速装置1において、入力軸2をモータMの回転軸MJと一体に形成し、ハウジングHをモータMのケースと一体に形成してもよい。
1,1K:減速装置
2:入力軸 20:縮径部
21:拡径部 22,202:偏心部
23,203:カウンターバランサ
3,300:揺動面板 30:筒状部
31:円盤部 32,302:外歯歯車
4,400:第1ピン 40:ピン本体
41,401:カラー
5,500:第2ピン 50:ピン本体
51,501:カラー
6,C1b:内歯歯車
7,700:出力軸 70:円盤状部
71,701:挿入部
80:入力軸支持軸受け 81,801:第1支持軸受け
82,802:第2支持軸受け
83,803:出力軸支持軸受け
200:アウトプットシャフト
C1:ケース
M,M1:モータ
φ:入出力軸線 eφ:偏心軸

Claims (19)

  1. 内周面に第1内歯歯車が形成された第1部材と、
    内周面に第2内歯歯車が形成されるとともに、入出力軸線を中心に前記第1部材に対して相対回転可能な第2部材と、
    環状に形成され、外周面に前記第1内歯歯車と噛合可能な第1外歯歯車および前記第2内歯歯車と噛合可能な第2外歯歯車を備え、前記第1外歯歯車の歯数は前記第1内歯歯車の歯数よりも少なく、前記第2外歯歯車の歯数は前記第2内歯歯車の歯数よりも少なく形成されており、前記第1部材および前記第2部材に対して揺動することにより、前記第1外歯歯車の円周上の一部のみが前記第1内歯歯車と噛合し、前記第2外歯歯車の円周上の一部のみが前記第2内歯歯車と噛合するように形成された揺動部材と、
    前記入出力軸線に対して偏心した外周面を有する偏心部を備えるとともに、前記偏心部が前記揺動部材の内周面を支持し前記入出力軸線を中心に回転することによって前記揺動部材を揺動させる、または、前記揺動部材が揺動することにより前記入出力軸線を中心に回転させられる第3部材と、
    を備え、
    前記第3部材に駆動力を入力して前記揺動部材を揺動させるとともに回転させ、前記第1外歯歯車と前記第1内歯歯車とが噛合する円周上の位置および前記第2外歯歯車と前記第2内歯歯車とが噛合する円周上の位置を移動させることにより、前記第1部材および前記第2部材のうちの少なくとも一方に減速された駆動力を出力させる、
    または、
    前記第1部材および前記第2部材のうちの少なくとも一方に駆動力を入力して、前記第1外歯歯車と前記第1内歯歯車とが噛合する円周上の位置および前記第2外歯歯車と前記第2内歯歯車とが噛合する円周上の位置を移動させ、前記揺動部材を揺動させるとともに回転させることにより、前記第3部材に増速された駆動力を出力させることを特徴とする遊星歯車機構。
  2. 請求項1において、
    前記第1外歯歯車と前記第1内歯歯車の一方は、前記入出力軸線方向に伸びる第1ピンよりなることを特徴とする遊星歯車機構。
  3. 請求項1〜2の何れか1項において、
    前記第2外歯歯車と前記第2内歯歯車の一方は、前記入出力軸線方向に伸びる第2ピンよりなることを特徴とする遊星歯車機構。
  4. 請求項2〜3の何れか1項において、
    各前記外歯歯車と各前記内歯歯車の他方は、トロコイド歯形で形成されていることを特徴とする遊星歯車機構。
  5. 請求項1〜4の何れか1項において、
    前記第1外歯歯車の中心軸と前記第2外歯歯車の中心軸は、同軸に設けられていることを特徴とする遊星歯車機構。
  6. 請求項2において、
    前記第1ピンは、ピン本体と、該ピン本体に回転可能な状態で外装されたカラーと、を有することを特徴とする遊星歯車機構。
  7. 請求項3において、
    前記第2ピンは、ピン本体と、該ピン本体に回転可能な状態で外装されたカラーと、を有することを特徴とする遊星歯車機構。
  8. 請求項1〜7の何れか1項において、
    前記偏心部と前記揺動部材との間には第1支持軸受けが配されていることを特徴とする遊星歯車機構。
  9. 請求項1〜8の何れか1項において、
    前記第2部材は、その一部が前記第3部材の軸心部に内挿され、
    該第3部材と、該第2部材の該第3部材に内挿された部分の間には、第2支持軸受けが配されていることを特徴とする遊星歯車機構。
  10. 請求項9において、
    前記第2支持軸受けは、前記第3部材の前記偏心部と、前記第2部材の該第3部材に内挿された部分の間に配されていることを特徴とする遊星歯車機構。
  11. 請求項1〜10の何れか1項において、
    前記第3部材を入力軸とし、前記第2部材を出力軸とする減速機構であることを特徴とする遊星歯車機構。
  12. 請求項2および3において、
    前記第1部材は、前記第2部材および前記第3部材を回転可能に支持するハウジングであって、
    前記第2部材は、前記第3部材に入力された駆動力を減速して出力する出力軸であり、
    前記第1内歯歯車は前記第1部材から突出した前記第1ピンにより形成され、前記第2外歯歯車は前記揺動部材から突出した前記第2ピンにより形成されたことを特徴とする遊星歯車機構。
  13. 請求項2および3において、
    前記第1部材は、前記第2部材および前記第3部材を回転可能に支持するハウジングであって、
    前記第2部材は、前記第3部材に入力された駆動力を減速して出力する出力軸であり、
    前記第1外歯歯車は前記揺動部材から突出した前記第1ピンにより形成され、前記第2内歯歯車は前記第2部材から突出した前記第2ピンにより形成されたことを特徴とする遊星歯車機構。
  14. 請求項1〜13の何れか1項において、
    前記第3部材は、前記偏心部のアンバランス回転を打ち消すカウンターバランサを有することを特徴とする遊星歯車機構。
  15. 請求項14において、
    前記カウンターバランサは、前記第3部材を部分的に刳り抜いた軽量孔であることを特徴とする遊星歯車機構。
  16. 請求項1〜15の何れか1項において、
    前記第2部材は第3支持軸受けを介して、前記第1部材により回転可能に支持されており、
    前記第3支持軸受けの内輪を前記第2部材と一体に形成したことを特徴とする遊星歯車機構。
  17. 請求項1〜16の何れか一項において、
    前記第3部材は、電動モータにより駆動され、
    前記電動モータのケースは、前記第1部材または前記第2部材と一体的に形成され、
    前記電動モータの出力軸と前記第3部材とが一体的に形成されたことを特徴とする遊星歯車機構。
  18. 共通の入出力軸線を中心として、入力軸および出力軸を回転可能に支持する固定されたハウジングと、
    前記入力軸および前記出力軸のうちの一方であって、前記入出力軸線に対して偏心した偏心軸を中心とする偏心部を有する第1軸と、
    前記入力軸および前記出力軸のうちの他方であって、第2内歯歯車が設けられた第2軸と、
    前記偏心部に支持される筒状部と、前記ハウジングに形成された前記入出力軸線を中心とする第1内歯歯車に係合する第1外歯歯車と、前記第2内歯歯車と係合する第2外歯歯車と、が形成され、前記第1外歯歯車の歯数は前記第1内歯歯車の歯数よりも少なく、前記第2外歯歯車の歯数は前記第2内歯歯車の歯数よりも少なく形成されており、前記偏心軸に対して回転するとともに、前記ハウジングおよび前記第2軸に対して揺動することにより、前記第1外歯歯車の円周上の一部のみが前記第1内歯歯車と噛合し、前記第2外歯歯車の円周上の一部のみが前記第2内歯歯車と噛合するように形成された揺動部材と、
    を備えた遊星歯車機構において、
    前記第1内歯歯車は、前記ハウジングから突出し前記入出力軸線方向に伸びる第1ピンよりなり、
    前記第2外歯歯車は、前記揺動部材から突出し前記入出力軸線方向に伸びる第2ピンよりなり、
    前記第1軸に駆動力を入力して前記揺動部材を揺動させるとともに回転させ、前記第1外歯歯車と前記第1内歯歯車とが噛合する円周上の位置および前記第2外歯歯車と前記第2内歯歯車とが噛合する円周上の位置を移動させることにより、前記第2軸に減速された駆動力を出力させる、
    または、
    前記第2軸に駆動力を入力して、前記第1外歯歯車と前記第1内歯歯車とが噛合する円周上の位置および前記第2外歯歯車と前記第2内歯歯車とが噛合する円周上の位置を移動させ、前記揺動部材を揺動させるとともに回転させることにより、前記第1軸に増速された駆動力を出力させることを特徴とする遊星歯車機構。
  19. 共通の入出力軸線を中心として、入力軸および出力軸を回転可能に支持する固定されたハウジングと、
    前記入力軸および前記出力軸のうちの一方であって、前記入出力軸線に対して偏心した偏心軸を中心とする偏心部を有する第1軸と、
    前記入力軸および前記出力軸のうちの他方であって、第2内歯歯車が設けられた第2軸と、
    前記偏心部に支持される筒状部と、前記ハウジングに形成された前記入出力軸線を中心とする第1内歯歯車に係合する第1外歯歯車と、前記第2内歯歯車と係合する第2外歯歯車と、が形成され、前記第1外歯歯車の歯数は前記第1内歯歯車の歯数よりも少なく、前記第2外歯歯車の歯数は前記第2内歯歯車の歯数よりも少なく形成されており、前記偏心軸に対して回転するとともに、前記ハウジングおよび前記第2軸に対して揺動することにより、前記第1外歯歯車の円周上の一部のみが前記第1内歯歯車と噛合し、前記第2外歯歯車の円周上の一部のみが前記第2内歯歯車と噛合するように形成された揺動部材と、
    を備えた遊星歯車機構において、
    前記第1外歯歯車は、前記揺動部材から突出し前記入出力軸線方向に伸びる第1ピンよりなり、
    前記第2内歯歯車は、前記第2軸から突出し前記入出力軸線方向に伸びる第2ピンよりなり、
    前記第1軸に駆動力を入力して前記揺動部材を揺動させるとともに回転させ、前記第1外歯歯車と前記第1内歯歯車とが噛合する円周上の位置および前記第2外歯歯車と前記第2内歯歯車とが噛合する円周上の位置を移動させることにより、前記第2軸に減速された駆動力を出力させる、
    または、
    前記第2軸に駆動力を入力して、前記第1外歯歯車と前記第1内歯歯車とが噛合する円周上の位置および前記第2外歯歯車と前記第2内歯歯車とが噛合する円周上の位置を移動させ、前記揺動部材を揺動させるとともに回転させることにより、前記第1軸に増速された駆動力を出力させることを特徴とする遊星歯車機構。
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