JP2011026349A - 農薬粒剤 - Google Patents

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秀夫 川中
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Nobuhito Ueda
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Abstract

【課題】優れた特性を有する被覆農薬粒剤及び該被覆農薬粒剤の製造方法を提供すること。
【解決手段】非吸水性の核粒子、該核粒子の周囲に形成された農薬成分を含有する農薬成分保持層、及び該農薬成分保持層の周囲に形成されたポリウレタン樹脂を含有する被覆層から構成されてなる被覆農薬粒剤であって、該農薬成分保持層に含有される農薬成分と異なる農薬成分が、該被覆層に含有されてなるか、該被覆層の外側に設けられた第2農薬成分保持層に含有されてなる被覆農薬粒剤は優れた溶出制御特性を有する。
【選択図】 なし

Description

本発明は農薬粒剤、詳しくはポリウレタンにて被覆された農薬粒剤に関する。
農薬成分の溶出を制御することを目的とした、農薬成分を含有する内核を熱硬化性樹脂で被覆した農薬粒剤が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2)。
特開平10−167904号公報 特開平11−5704号公報
優れた特性を有する被覆農薬粒剤及び該被覆農薬粒剤の製造法を提供することを課題とする。
本発明者等は、ポリウレタン樹脂を被覆層とする被覆農薬粒剤について鋭意検討した。その結果、非吸水性の核粒子の周囲に、農薬成分を含有する農薬成分保持層を形成して、農薬成分を粒子の外側に偏在させた農薬含有粒子を、ポリウレタン樹脂で被覆してなる被覆農薬粒剤が、被覆農薬粒剤として優れた溶出制御特性を有することを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は以下のものである。
〔発明1〕
非吸水性の核粒子;
該核粒子の周囲に形成された、農薬成分を含有する農薬成分保持層;及び
該農薬成分保持層の周囲に形成された、ポリウレタン樹脂を含有する被覆層
から構成されてなることを特徴とする被覆農薬粒剤。
〔発明2〕
非吸水性の核粒子が珪砂である発明1の被覆農薬粒剤。
〔発明3〕
農薬成分がフラメトピルである発明1または発明2に記載の被覆農薬粒剤。
〔発明4〕
非吸水性の核粒子と該核粒子の周囲に形成された農薬成分を含有する農薬成分保持層とを有する農薬含有粒子を転動させながら、ポリウレタン樹脂原料を添加して、農薬成分保持層の周囲にポリウレタン樹脂を含有する被覆層を形成させることを特徴とする被覆農薬粒剤の製造方法。
〔発明5〕
非吸水性の核粒子を転動させながら、農薬成分とバインダー原料とを添加して、該核粒子の周囲に農薬成分を含有する農薬成分保持層を形成し;次いで、ポリウレタン樹脂原料を添加して、該農薬成分保持層の周囲にポリウレタン樹脂を含有する被覆層を形成させることを特徴とする被覆農薬粒剤の製造方法。
本発明の被覆農薬粒剤は、農薬成分の溶出を制御することが可能であり、農薬徐放性の粒剤である。
本発明の被覆農薬粒剤は、非吸水性の核粒子、並びに、該核粒子の周囲に形成された、農薬成分を含有する農薬成分保持層から構成されてなる農薬含有粒子(以下、本農薬含有粒子と記す);及び該農薬成分保持層の周囲に形成された、ポリウレタン樹脂を含有する被覆層から構成されてなるものである。
本発明の被覆農薬粒剤に用いられる非吸水性の核粒子において、非吸水性とは物理的・化学的な吸水作用を問わず、核粒子が水または水蒸気と接触する条件でもほとんど水分を吸収しないという性質を意味する。非吸水性は、乾燥した核粒子を一定時間、水と接触させた際に、核粒子の内部および表面に保持された水分による重量増加分を乾燥時の核粒子重量で除した値である吸水率で表現される。具体的な核粒子の吸水率の測定法としては、一定重量の核粒子に対し十分量の水と接触させた後に、遠心ろ過や吸引ろ過により核粒子間で保持された余分の水分を除き、核粒子の内部及び表面に保持されている水分による重量増加分を求めることにより、該核粒子の吸水率を求めることができる。本発明における非吸水性の核粒子の吸水率は、10重量%以下、好ましくは8重量%以下、更に好ましくは5重量%以下である。尚、水に溶解するような核粒子、及び、水と接触することにより形状が変化するような核粒子は、上記の方法では正しく吸水率を求めることが出来ないが、このような核粒子は、本発明における非吸水性の核粒子には含まれない。
本発明の被覆農薬粒剤に用いられる非吸水性の核粒子(以下、本核粒子と記す。)は、本発明の被覆農薬粒剤において、農薬成分保持層及び被覆層を保持する中心核の役割を果たすものであり、その形状については特に制限されるものではなく、農薬成分保持層を形成させる工程において支障のない形状であればよく、略球形状であるものが好ましい。本核粒子の大きさは平均粒径が通常0.1〜5mm、好ましくは0.1〜3mm、更に好ましくは0.5〜2mmである。本発明において、散布および製造条件の観点から、本核粒子のグラム粒数は通常100〜1500個/g、好ましくは150〜1200個/g、更に好ましくは200〜800個/gである。グラム粒数とは、粒子1g中における平均粒数を意味し、例えばマルチオートカウンター(藤原製作所株式会社製)を用いて粒数を測定し、採取した粒子のグラム数で除することにより求めることができる。また、本核粒子は、物理的な強度等の観点から、実質的に均質で一体であるものが好ましい。
即ち、本核粒子は実質的に水を取り込むような空隙部を有さず、非吸水性の材質よりなる粒状物と言い換えることもできる。
好ましい本核粒子としては、農薬成分を含有する農薬成分保持層を形成させる際の取り扱い易さから、更に非吸油性である核粒子が好ましい。本核粒子としては例えば、珪砂、方解石等の鉱物の粒状物、炭酸カルシウムの粒状物、ガラスビーズ、粘土(カオリン鉱物、モンモリロン石群鉱物等)を焼成して得られる粒状物が挙げられる。
本発明に用いられる農薬成分としては、ポリウレタン樹脂を含有する被覆層を形成する工程での扱い易さから、60℃において固体である化合物が好ましい。本発明の被覆農薬粒剤は、水溶解度の高い(例えば、水溶解度が100〜1000ppm)農薬成分も徐放化することが可能であり、農薬成分としては例えば、カーバメイト系化合物(例えば、ベンジオカルブ)、ウレア系化合物、ネオニコチノイド系化合物、ピメトロジン等の殺虫性化合物;ピラゾール系化合物(例えば、フラメトピル)、ストロビルリン系化合物(例えば、メトミノストロビン)、アミド系化合物(例えば、ジクロシメット)、プロベナゾール、ポリオキソリム等の殺菌性化合物が挙げられる。本発明の被覆農薬粒剤は、水溶性の高い(水溶解度が100mg/L以上)農薬成分も、溶出制御を行うことが可能である。
本発明に用いられる農薬成分の量は、本核粒子の重量に対して、通常0.1〜20重量%の割合である。
本発明の被覆農薬粒剤における、農薬成分を含有する農薬成分保持層(以下、本農薬成分保持層と記す。)は、農薬成分のみでもよいが、通常は農薬成分と農薬成分を保持するバインダーとを含有する。具体的には、(1)本核粒子に溶融させた農薬成分を接触させた後に冷却する、(2)本核粒子に、農薬成分とバインダーとなる物質とを接触させる等の方法により、本核粒子の周囲に本農薬成分保持層を形成させる。
バインダーとして使用し得る素材としては、具体的には、ワックス、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂が挙げられる。
ワックスとしては、例えば、カーボワックス、ヘキストロウ、脂肪酸エステルなどの合成ワックス、カルナウバワックス、ミツロウ、木ロウなどの天然ワックス、パラフィンワックス、ペトロラクタムなどの石油ワックス等が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリスチレンなどのポリオレフィン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリル酸、ポリメタアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステルなどのビニル重合物、ブタジエン重合物、イソプレン重合物、クロロプレン重合物、ブタジエン−スチレン共重合物、エチレン−プロピレン−ジエン共重合物、スチレン−イソプレン共重合物などのジエン系重合物、エチレン−プロピレン共重合物、ブテン−エチレン共重合物、ブテン−プロピレン共重合物、エチレン−酢酸ビニル共重合物、エチレン−アクリル酸共重合物、エチレン−メタアクリル酸共重合物、エチレン−メタアクリル酸エステル共重合物、エチレン−一酸化炭素共重合物、エチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合物などのポリオレフィン共重合物、塩化ビニル−ビニルアセテート共重合物、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合物などの塩化ビニル共重合物等が挙げられる。熱硬化性樹脂としては、例えば、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ウレア・メラミン樹脂、尿素樹脂、シリコン樹脂等が挙げられる。
バインダーとして使用し得る素材としては、非吸水性であり、後記するポリウレタン樹脂を含有する被覆層を形成させる温度における形状が安定である物質が好ましく、具体的にはポリウレタン樹脂が挙げられる。
用いられる場合のバインダーの量は、本核粒子の重量に対して、通常0.1〜20重量%の割合である。
尚、本農薬成分保持層には、本農薬成分保持層の役割を阻害しない範囲で、農薬及びバインダー以外の成分を含んでいてもよい。
本発明の被覆農薬粒剤における、ポリウレタン樹脂を含有する被覆層(以下、本被覆層と記す。)は、ポリウレタン樹脂のみから構成されていてもよいが、農薬成分の溶出を制御するという被覆層の役割を喪失させない範囲で、界面活性剤、固体粉体、本農薬成分保持層に保持される農薬成分と異なる農薬成分が含有されていてもよい。
本発明の被覆農薬粒剤に用いられるポリウレタン樹脂とは、ポリイソシアナートとポリオールとを、有機金属やアミン等の硬化剤の存在下に反応させることによって生成する樹脂である。該硬化剤としては、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジクロライド、ジブチル錫ジラウレート、ジブチルチオ錫酸、オクチル酸第一錫、ジ−n−オクチル錫ジラウレートなどの有機金属、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルジドデシルアミン、N−ドデシルモルホリン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N−エチルモルホリン、ジメチルエタノールアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン、イソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート、オキシイソプロピルバナデート、n−プロピルジルコネート
、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等が挙げられる。ウレタン樹脂のモノマーであるポリイソシアネート及びポリオールは、モノマー単独、溶液等の形態で使用される。
ポリイソシアネートとしては、例えばトルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ナフタレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェイト等を挙げることができ、該ポリイソシアネートは2種以上の混合物であってもよい。また、該ポリイソシアネートに代えて、該ポリイソシアネートの変性体や該ポリイソシアネートのオリゴマーを用いることもできる。変性体としては、例えばアダクト変性体、ビウレット変性体、イソシアヌレート変性体、ブロック変性体、プレポリマー変性体、2量化変性体等が挙げられる。
ポリオールとしては、縮合系ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリアクリル酸ポリオール、ラクトン系ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、天然ポリオール等、あるいは該ポリオールの変性物等が用いられる。
縮合系ポリエステルポリオールは、通常、ポリオールと二塩基酸との縮合反応によって、ポリエーテルポリオールは、通常、環状オキシドの重合反応によって得られる。ポリ(メタ)アクリル酸ポリオールは、通常、ポリ(メタ)アクリル酸とポリオールとの縮合反応、(メタ)アクリル酸とポリオールとの縮合反応または、(メタ)アクリル酸エステルモノマーの重合反応によって得られる。ラクトン系ポリエステルポリオールは通常、多価アルコールを開始剤とするε−カプロラクタムの開環重合によって得られる。ポリカーボネートポリオールはポリオールとジフェニルカーボネート等のカーボネートとの反応によって得られ、この際に用いられるポリオールとしては、通常、メチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレンジオール、トリメチロールプロパン、ポリテトラメチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール等、あるいはこれらのオリゴマー等が挙げられる。天然ポリオールとしては、水酸基を有する天然油脂またはその水素化物(イサノ油、ヒマシ油、ヒマシ油を水素化した硬化ヒマシ油)が挙げられる。二塩基酸としては、通常、アジピン酸、フタル酸等を挙げることができる。かかるポリオールは市販されており、例えば、スミフェン3086、スミフェン3900、スミフェン5200、スミフェンTS、スミフェンTM、スミフェンVN、 SBUポリオール0248、 SBUポリオール0363、SBUポリオール0474、SBUポリオール480J、 SBUポリオール0480、 SBUポリオール0485、 SBUポリオール0487、 SBUポリオール0248、 SBUポリオール0363、 SBUポリオール0262、デスモフェン550U、デスモフェン900U、デスモフェン1600U、デスモフェン1900U(いずれも住友バイエルウレタン株式会社の商品名)等が挙げられる。
使用するポリイソシアネートに由来するイソシアネート基とポリオールに由来する水酸基の当量比、いわゆるNCO/OHは通常0.9〜1.2の間で調製される。
本被覆層に含有するポリウレタン樹脂の量は、本核粒子の重量に対して、通常0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜15重量%、更に好ましくは1.0〜10重量%である。本発明の被覆農薬粒剤に用いられるポリウレタン樹脂の総量も、通常0.1〜20重量%であり、好ましくは0.5〜15重量%である。
本被覆層に含有していてもよい界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンラノリンアルコール、ポリオキシエチレンアルキルフェノールホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリルモノ脂肪酸エステル、ポリオキシプロピレングリコールモノ脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、高級脂肪酸グリセリンエステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アルキロールアミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン等のノニオン界面活性剤;ドデシルアミン塩酸塩などのアルキルアミン塩酸塩、ドデシルトリメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、ジアルキルモルホリニウム塩などのアルキル四級アンモニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ポリアルキルビニルピリジニウム塩等のカチオン性界面活性剤;パルミチン酸ナトリウムなどの脂肪酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテルカルボン酸ナトリウムなどのエーテルカルボン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシンナトリウム、N−ラウロイルグルタミン酸ナトリウムなどの高級脂肪酸のアミノ酸縮合物、高級アルキルスルホン酸塩、ラウリン酸エステルスルホン酸塩などの高級脂肪酸エステルスルホン酸塩、ジオクチルスルホサクシネートのどのジアルキルスルホコハク酸塩、オレイン酸アミドスルホン酸などの高級脂肪酸アミドスルホン酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジイソプロピルナフタレンスルホン酸塩などのアルキルアリールスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩のホルマリン縮合物、ペンタデカンー2―サルフェートなどの高級アルコール硫酸エステル塩、ジポリオキシエチレンドデシルエーテルリン酸エステル等のポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、スチレンーマレイン酸共重合体等のアニオン性界面活性剤;N−ラウリルアラニン、N,N,N―トリメチルアミノプロピオン酸、N,N,N−トリヒドロキシエチルアミノプロピオン酸、N−ヘキシルーN,N―ジメチルアミノ酢酸、1―(2―カルボキシエチル)ピリミジニウムベタイン、レシチン等の両性界面活性剤などが挙げられる。用いられる場合の界面活性剤の量は、ポリウレタン樹脂の重量に対して、通常0.1〜25重量%、好ましくは0.5〜10重量%の割合である。
本被覆層に含有していてもよい固体粉体とは、平均粒子径100μm以下、好ましくは平均粒子径2〜30μmの無機物であり、その材質としては例えば、カオリナイト、ディッカナイト、ナクライト、ハロサイト等のカオリン鉱物、クリソタイル、リザータイト、アンチコライト、アメサイト等の蛇紋石、ナトリウムモンモリロナイト、カルシウムモンモリロナイト、マグネシウムモンモリロナイト等のモンモリロナイト鉱物、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、ハイデライト等のスメクタイト、パイロフィライト、タルク、蝋石、白雲母、フェンジャイト、セリサイト、イライト等の雲母、クリストバライト、クォーツ等のシリカ、アタパルジャイト、セピオライト等の含水珪酸マグネシウム、ドロマイト、炭酸カルシウム微粉末等の炭酸カルシウム、ギプサム、石膏等の硫酸塩鉱物、ゼオライト、沸石、凝灰石、バーミキュライト、ラポナイト、軽石、珪藻土、酸性白土、活性白土などが挙げられる。用いられる場合の固体粉体の量は、ポリウレタン樹脂の重量に対して、通常10〜200重量%、好ましくは20〜100重量%の割合である。
ポリウレタン樹脂は、原料となるポリイソシアネート及び/又はポリオールの種類を適宜選択することにより、その透過性能を調整することが可能である。
本発明のポリウレタン樹脂を含有する被覆層に用いられるポリウレタン樹脂において、農薬成分の水溶性の程度、農薬成分の溶出時期等を考慮して、ポリウレタン樹脂を適宜選択することが可能である。本発明においては、ポリウレタン樹脂の原料となるポリオールが、分岐型ポリオールと直鎖型ポリオールのOH当量比が40:60〜100:0であるポリウレタン樹脂が好ましい。分岐型ポリオールとは、分子中に3個以上の水酸基を有するポリオールであり、分子中に3個の水酸基を有するポリオールが好ましい。直鎖型ポリオールとは、分子中に2個の水酸基を有するポリオールであり、通常は分子の両末端に水酸基を有する。本発明の被覆農薬粒剤は、少ない量のポリウレタン樹脂にて、農薬成分の溶出を制御することができる。
尚、本発明の被覆農薬粒剤の更に外側に、本農薬成分保持層に保持される農薬成分と異なる農薬成分を保持する層(以下、第2農薬成分保持層と記す。)を設けてもよい。第2農薬成分保持層は、通常は農薬成分と農薬成分を保持するバインダーとを含有する。バインダーとして使用し得る素材としては、具体的には、ワックス、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、水溶性高分子、鉱物性微粒子が挙げられる。
本発明の被覆農薬粒剤において、農薬成分保持層の外側に第2の農薬成分を保持させることにより、2種の農薬成分を異なる時期に溶出させることが可能である。
本発明の被覆農薬粒剤は、例えば本農薬含有粒子を転動させながら、ポリウレタン樹脂原料を添加し、更に必要に応じてその他の成分(界面活性剤、固体粉体、本農薬成分保持層に保持される農薬成分と異なる農薬成分)を添加し、農薬成分保持層の周囲にポリウレタン樹脂の被覆層を形成させる(以下、被覆層形成工程と記す。)ことにより、製造することができる。本農薬含有粒子は、例えば本核粒子を転動させながら、農薬成分とバインダー原料を添加して、本核粒子の周囲に農薬成分を含有する農薬成分保持層を形成させる(以下、農薬成分保持層形成工程と記す。)ことにより、製造することができる。
農薬成分保持層形成工程としては、例えば転動状態にある本核粒子に、農薬成分とバインダー原料との混合物を1回であるいは数回に分けて添加する、又は農薬成分とバインダー原料とを数回に分けて交互に添加し、本核粒子の周囲に農薬成分を含有する農薬成分保持層を形成する方法が挙げられる。
バインダー原料としては、溶融させたワックス、溶融させた熱可塑性樹脂、未硬化の液状の熱硬化性樹脂原料が挙げられる。
また、農薬成分保持層形成工程で用いられる農薬成分は、操作性の点から粉体状であることが好ましい。農薬成分を粉体状に粉砕する際には、必要に応じて固体の粉砕助剤を用いることができ、農薬成分保持層には、該粉砕助剤を含有していてもよい。かかる固体の粉砕助剤としては、例えば含水二酸化珪酸、カオリナイト、セリサイト、タルク、モンモリロナイト、ゼオライト、及び酸性白土が挙げられる。固体の粉砕助剤の量は、農薬成分の量に対して、通常1〜70重量%の割合である。
農薬成分を粉砕する方法としては、例えば農薬成分と固体の粉砕助剤とを混合し、この混合物をエアミル粉砕、又はメカノケミカル粉砕する方法が挙げられる。
農薬成分保持層形成工程で用いられるバインダー原料の量は、本核粒子の重量に対して通常0.1〜20重量%の割合であり、農薬成分の量は、本核粒子の重量に対して通常0.1〜20重量%の割合である。
被覆層形成工程としては、例えば転動状態にある本農薬含有粒子に、液状のポリウレタン樹脂原料を1回で添加し、所定温度で所定時間転動状態を維持し、ポリウレタン樹脂からなる被覆層を形成させるか、あるいは、液状のポリウレタン樹脂原料を数回に分けて添加し、その度に所定温度で所定時間転動状態を維持し、所望の厚みのポリウレタン樹脂からなる被服層を形成させて、更に所定温度で所定時間転動状態を維持し、ポリウレタン樹脂を完全硬化させて、本農薬含有粒子の周囲にポリウレタン樹脂からなる被覆層を形成する方法が挙げられる。ポリウレタン樹脂原料を数回に分けて添加する方法が工業的に有利である。
本被覆層にその他の成分(界面活性剤、固体粉体、本農薬成分保持層に保持される農薬成分と異なる農薬成分)を含有させる場合は、できる被覆層を均質性を損なわないように、液状のポリウレタン樹脂原料にその他の成分を均一に混合したものを用いるか、あるいは、液状のポリウレタン樹脂原料の一部を添加し、所定温度で所定時間転動状態を維持するという一連の工程の繰り返しにおいて、その他の成分を少量ずつ数回に分けて添加することが好ましい。
液状のポリウレタン樹脂原料を添加する方法としては、転動状態にある本農薬含有粒子に対して、噴霧または滴下する方法が挙げられる。
被覆層形成工程で用いられるポリウレタン樹脂原料の量は、本核粒子の重量に対して通常0.1〜20重量%である。
本発明において、ポリウレタン樹脂原料となる未硬化ポリウレタンとは、上記のポリイソシアナートとポリオールの混合物であり、両者が全く反応していないもののみならず、該ポリイソシアナートと該ポリオールとの反応物、具体的には3次元化しない程度に予め一部が反応したものも意味する。未硬化ポリウレタンの形態としては溶媒を実質的に含まない無溶媒型、溶媒にポリオールとポリイソシアナートが溶解した溶液型何れでもよいが、無溶媒型で被覆工程温度において扱い易い粘度の液状であるものが好ましい。未硬化ポリウレタンのゲルタイム(JIS K5909)は好ましくは5分以内、さらに好ましくは3分以内である。
本発明の被覆農薬粒剤の更に外側に、第2農薬成分保持層を設ける場合は、上記の農薬成分保持層形成工程に準じた方法で行うことができる。
例えば転動状態にある本発明の被覆農薬粒剤に、農薬成分とバインダー原料を添加し、本発明の被覆農薬粒剤を更に農薬成分とバインダーとからなる第2農薬成分保持層にて被覆する方法が挙げられる。
第2農薬成分保持層を形成する工程で用いられるバインダー原料の量は、本核粒子の重量に対して通常0.1〜20重量%の割合であり、農薬成分の量は、本核粒子の重量に対して通常0.1〜20重量%の割合である。
転動状態にする方法としては、特に装置に制限はなく公知、慣用のものを用いることができるが、例えば、回転パン、回転ドラム等が挙げられる。該転動装置に加温設備が付設されたものは、被覆加工の高精度化や加工時間の調整に好適である。
本発明の被覆農薬粒剤は、含有する農薬成分種や使用目的に応じて、例えば、水田、乾田、育苗箱、畑地、果樹園、桑畑、温室、露地などの農耕地、森林、芝生、ゴルフ場、街路樹、道路、路肩、湿地などの非農耕地、池、貯水池、川、水路、下水道などの水系等で使用することができる。本発明の被覆農薬粒剤の使用にあたっては、本発明の被覆農薬粒剤を単独で施用することもできるし、適宜その用途により他の剤、例えば他の農薬粒剤、粒状肥料、粒状培土、粒状植物栄養剤、粒状植物調製制御剤、粒状ホルモン剤、種子等の粒状農業資材等と混合して用いることもできる。
本発明の被覆農薬粒剤は、農薬粒剤が一般的に施用される方法によって施用することができ、例えば、手で直接散布する方法や、背負い式散粒機、パイプ散粒機、空中散粒機、動力散粒機、育苗箱用散粒機、トラクター搭載型散粒機、多口ホース散粒機、散粒機を搭載した田植機等による方法を挙げることができる。
本発明の被覆農薬粒剤が水田や畑地において使用される場合には、その施用量は1000m2あたり、通常0.1〜10kg、好ましくは0.25〜5kgである。
本発明の被覆農薬粒剤の施用に際しては、本発明の農薬粒剤の徐放化性能を活用できる場面での使用が好適である。例えば、育苗箱施用、田植時施用、育苗期施用、播種期施用、発芽時施用等、通常農薬が施用される時期よりも早期の施用などは、本発明の被覆農薬粒剤が農薬成分が徐放化されたものであるという特性の面から好適である。本発明の被覆農薬粒剤が育苗箱施用(イネが発芽し生育している育苗箱に農薬粒剤を散粒する方法をさす)される場合には、その施用量は育苗箱(通常、面積0.16m2程度)1枚あたり、通常5〜300g、好ましくは25〜100gであり、その際の施用方法としては、例えば手で直接施用する方法、及び育苗箱用散粒機を用いて施用する方法が挙げられる。
また、本発明の被覆農薬粒剤が播種期に施用される場合には、例えば苗床を作成する際に床土と覆土の間に種子と本発明の農薬粒剤との層を形成するように本発明の被覆農薬粒剤が施用される。かかる苗床は通常育苗箱に作成されるものであり、その施用量は育苗箱(通常、面積0.16m2程度)1枚あたり、通常5〜300g、好ましくは25〜100gである。その際の施用方法としては、例えば手で直接施用する方法、ホッパー付き播種機により施用する方法が挙げられる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
参考例1
フラメトピル(25℃における水溶解度:225mg/L)10重量部と含水二酸化珪酸(塩野義製薬製)1重量部とをジュースミキサーでよく混合し、さらに遠心型粉砕機により粉砕し、粉体状の農薬成分(以下、農薬成分Aと記す。)を得た。
参考例2
ジクロシメット(25℃における水溶解度:6.4μg/L)10重量部と含水二酸化珪酸(塩野義製薬製)1重量部とをジュースミキサーでよく混合し、さらに遠心型粉砕機により粉砕し、粉体状の農薬成分(以下、農薬成分Bと記す。)を得た。
参考例3
分岐型ポリエーテルポリオール(住化バイエルウレタン製、商品名:スミフェンTM、OH当量:148g)33.2重量部、直鎖型ポリエーテルポリオール(住化バイエルウレタン製、商品名:スミフェン1600U(、OH当量:500g)28.2重量部及び2,4,6トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール1.0重量部の混合物に、ポリメリックMDI(住化バイエルウレタン製、商品名:スミジュール44V−10、NCO当量:135g)37.6重量部を加え攪拌して、ポリウレタン樹脂原料(以下、ポリウレタン原料Aと記す。)を得た。
参考例4
分岐型ポリエーテルポリオール(住化バイエルウレタン製、商品名:スミフェンTM、OH当量:148g)20.6重量部、直鎖型ポリエーテルポリオール(住化バイエルウレタン製、商品名:スミフェン1600U、OH当量:500g)46.7重量部及び2,4,6トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール1.0重量部の混合物に、ポリメリックMDI(住化バイエルウレタン製、商品名:スミジュール44V−10、NCO当量:135g)37.6重量部を加え攪拌して、ポリウレタン樹脂原料(以下、ポリウレタン原料Bと記す。)を得た。
製造例1
4号珪砂(北日本産業製、グラム粒数:1100〜1200個/g)1000重量部を熱風発生機を付設した温度制御可能な傾斜パン型転動造粒機中で転動させながら、80℃を維持するようにした。
この転動状態の珪砂に、ポリウレタン原料A 0.6重量部を添加し、3分間待った。続けて、ポリウレタン原料A 3.0重量部を添加し、1分後に農薬成分A 6.8重量部を添加し、2分間待つという一連の操作、4回繰返した。その後、更に10分間待ち、農薬含有粒子を得た。
次に、転動状態の農薬含有粒子に、ポリウレタン原料A 3.0重量部を添加し、直後に農薬成分B 6.8重量部を添加し、2分間待つという一連の操作を、3回繰返した。その後、更に10分間待ち、本発明の被覆農薬粒剤を得た。
製造例2
4号珪砂(北日本産業製、グラム粒数:1100〜1200個/g)1000重量部を熱風発生機を付設した温度制御可能な傾斜パン型転動造粒機中で転動させながら、80℃を維持するようにした。
この転動状態の珪砂に、ポリウレタン原料A 0.9重量部を添加し、3分間待った。続けて、ポリウレタン原料A 3.0重量部を添加し、1分後に農薬成分A 6.8重量部を添加し、2分間待つという一連の操作を、4回繰返した。その後、更に10分間待ち、農薬含有粒子を得た。
次に、転動状態の農薬含有粒子に、ポリウレタン原料A 2.5重量部を添加し、3分後に炭酸カルシウム微粉末3.0重量部を添加し、1分間待つという一連の操作を、4回繰返した。その後、更に10分間待った。続けて、ポリウレタン原料A 3.1重量部を添加し、直後に農薬成分B 6.8重量部を添加し、3分間待つという一連の操作を、3回繰返した。その後、更に10分間待ち、本発明の被覆農薬粒剤を得た。
製造例3
4号珪砂(北日本産業製、グラム粒数:1100〜1200個/g)1000重量部を熱風発生機を付設した温度制御可能な傾斜パン型転動造粒機中で転動させながら、80℃を維持するようにした。
この転動状態の珪砂に、ポリウレタン原料A 1.0重量部を添加し、3分間待った。続けて、ポリウレタン原料A 4.0重量部を添加し、1分後に農薬成分A 6.7重量部を添加し、2分間待つという一連の操作を、4回繰返した。その後、更に10分間待ち、農薬含有粒子を得た。
次に、転動状態の農薬含有粒子に、ポリウレタン原料A 2.5重量部を添加し、3分後に炭酸カルシウム微粉末3.0重量部を添加し、1分間待つという一連の操作を、12回繰返した。その後、更に10分間待った。続けて、ポリウレタン原料A 3.2重量部を添加し、直後に農薬成分B 6.4重量部を添加し、3分間待つという一連の操作を、3回繰返した。その後、更に10分間待ち、本発明の被覆農薬粒剤を得た。
製造例4
3号珪砂(グラム粒数:300〜400個/g)1000重量部を熱風発生機を付設した温度制御可能な傾斜パン型転動造粒機中で転動させながら、80℃を維持するようにする。
この転動状態の珪砂に、ポリウレタン原料A 2.5重量部を添加し、3分間待つ。続けて、ポリウレタン原料A 2.5重量部を添加し、1分後に農薬成分A 5.0重量部を添加し、2分間待つという一連の操作を、5回繰返す。その後、更に10分間待ち、農薬含有粒子を得る。
次に、転動状態の農薬含有粒子に、ポリウレタン原料A 2.5重量部を添加し、3分間待つという一連の操作を、4回繰返す。その後、更に10分間待ち、本発明の被覆農薬粒剤を得る。
製造例5
3号珪砂(グラム粒数:300〜400個/g)1000重量部を熱風発生機を付設した温度制御可能な傾斜パン型転動造粒機中で転動させながら、80℃を維持するようにする。
この転動状態の珪砂に、ポリウレタン原料A 2.5重量部を添加し、3分間待る。続けて、ポリウレタン原料A 2.5重量部を添加し、1分後に農薬成分A 5.0重量部を添加し、2分間待つという一連の操作を、5回繰返す。その後、更に10分間待ち、農薬含有粒子を得る。
次に、転動状態の農薬含有粒子に、ポリウレタン原料A 2.5重量部を添加し、3分間待つという一連の操作を、8回繰返す。その後、更に10分間待ち、本発明の被覆農薬粒剤を得る。
製造例6
3号珪砂(グラム粒数:300〜400個/g)1000重量部を熱風発生機を付設した温度制御可能な傾斜パン型転動造粒機中で転動させながら、80℃を維持するようにする。
この転動状態の珪砂に、ポリウレタン原料B 2.5重量部を添加し、3分間待つ。続けて、ポリウレタン原料B 2.5重量部を添加し、1分後に農薬成分A 5.0重量部を添加し、2分間待つという一連の操作を、5回繰返す。その後、更に10分間待ち、農薬含有粒子を得る。
次に、転動状態の農薬含有粒子に、ポリウレタン原料B 2.5重量部を添加し、3分間待つという一連の操作を、4回繰返す。その後、更に10分間待ち、本発明の被覆農薬粒剤を得る。
製造例7
3号珪砂(グラム粒数:300〜400個/g)1000重量部を熱風発生機を付設した温度制御可能な傾斜パン型転動造粒機中で転動させながら、80℃を維持するようにする。
この転動状態の珪砂に、ポリウレタン原料B 2.5重量部を添加し、3分間待つ。続けて、ポリウレタン原料B 2.5重量部を添加し、1分後に農薬成分A 5.0重量部を添加し、2分間待つという一連の操作を、5回繰返す。その後、更に10分間待ち、農薬含有粒子を得る。
次に、転動状態の農薬含有粒子に、ポリウレタン原料B 2.5重量部を添加し、3分間待つという一連の操作を、12回繰返す。その後、更に10分間待ち、本発明の被覆農薬粒剤を得る。
上記の実施例に記載した非吸水性の核粒子である珪砂の吸水率を、下記のようにして測定した。
吸水率測定法
珪砂(乾燥重量)100gを秤量し、ブフナー型ガラスフィルター(サイズ:17G4)上に入れ、この上から水35gを加えて、珪砂の全体が濡れるようにした。その後、真空ポンプ(アルバック機工社製)に接続し、30秒間吸引ろ過を行った。吸引ろ過後の珪素(含水時)の重量を測定し、下記の式により、珪砂の吸水率を算出した。
吸水率(重量%)=100×(含水時重量−乾燥重量)/乾燥重量
1種類の珪砂に対して、3回の測定を行い、吸水率を求めた。上記製造例にて用いた4号珪砂(グラム粒数:1100〜1200個/g)の吸水率は3.3%、3号珪砂(グラム粒数:300〜400個/g)の吸水率は2.9%あった。
本発明の被覆農薬粒剤に含有される農薬成分の溶出挙動について、試験例にて示す。
試験例1
試験用農薬粒剤150mg及び3度硬水300mlを混合し、水温を25±1℃で緩やかに攪拌した。所定時間後にビーカーの中央部より水を1ml採取し、その水に含有される農薬成分量を液体クロマトグラフィーで分析した。その結果から、農薬成分の溶出率を求めた。
結果を表1(フラメトピルの溶出率)、及び表2(ジクロシメットの溶出率)に示す。
Figure 2011026349
Figure 2011026349

(表中の数値は試験に用いた農薬粒剤から溶出したフラメトピルまたはジクロシメットの
溶出率を重量百分率で示したものである。)
水溶性の高い農薬成分も、本発明の被覆農薬粒剤において、溶出制御されていることが
わかる。

Claims (7)

  1. 非吸水性の核粒子;
    該核粒子の周囲に形成された、農薬成分を含有する農薬成分保持層;及び
    該農薬成分保持層の周囲に形成された、ポリウレタン樹脂を含有する被覆層
    から構成されてなる被覆農薬粒剤であって、該農薬成分保持層に含有される農薬成分と異なる農薬成分が、該被覆層に含有されてなるか、該被覆層の外側に設けられた第2農薬成分保持層に含有されてなることを特徴とする被覆農薬粒剤。
  2. 非吸水性の核粒子が珪砂である請求項1記載の被覆農薬粒剤。
  3. 農薬成分がフラメトピルである請求項1または2に記載の被覆農薬粒剤。
  4. 該農薬成分保持層に含有される農薬成分と異なる農薬成分が、該被覆層に含有されてなることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項記載の被覆農薬粒剤。
  5. 該農薬成分保持層に含有される農薬成分と異なる農薬成分が、該被覆層の外側に設けられた第2農薬成分保持層に含有されてなることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項記載の被覆農薬粒剤。
  6. 非吸水性の核粒子と該核粒子の周囲に形成された農薬成分を含有する農薬成分保持層とを有する農薬含有粒子を転動させながら、ポリウレタン樹脂原料および農薬成分保持層に含有される農薬成分と異なる農薬成分を添加して、農薬成分保持層の周囲にポリウレタン樹脂および農薬成分保持層に保持される農薬成分と異なる農薬成分を含有する被覆層を形成させることを特徴とする被覆農薬粒剤の製造方法。
  7. 非吸水性の核粒子と該核粒子の周囲に形成された農薬成分を含有する農薬成分保持層とを有する農薬含有粒子を転動させながら、ポリウレタン樹脂原料を添加して、農薬成分保持層の周囲にポリウレタン樹脂を含有する被覆層を形成させ、次に農薬成分保持層の含有される農薬成分と異なる農薬成分とバインダー原料を添加することを特徴とする被覆農薬粒剤の製造方法。
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