JP2007277429A - ポリオール、ポリウレタン被膜および被覆粒状植物活性物質 - Google Patents

ポリオール、ポリウレタン被膜および被覆粒状植物活性物質 Download PDF

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Abstract

【課題】被覆粒状植物活性物質において、溶出コントロール期間が短く、初期溶出量を充分に抑制し、生分解性が付与され、無溶剤で製造することが可能な被膜を提供する。
【解決手段】ポリオールとして、水酸基当量が大きくかつ粘度の低いポリカプロラクトンのアルキレンオキサイド付加物を用いることにより、上述のような性質を有するポリウレタン被膜が得られる。前記アルキレンオキサイドはプロピレンオキサイドおよび/またはエチレンオキサイドであることが好ましく、また、前記ポリカプロラクトンの1官能基あたりに付加したアルキレンオキサイドの付加数は7以下であることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、主として被覆粒状植物活性物質の製造の際に用いられるポリウレタン被膜形成用のポリオール、該ポリオールを用いて形成されるポリウレタン被膜、および該ポリウレタン被膜で被覆された被覆粒状植物活性物質に関する。
ポリオールとポリイソシアネートとを反応させることにより形成されるポリウレタン被膜で被覆された粒状肥料に関して、ポリオール成分にポリエステルポリオールを用いた被覆粒状肥料(例えば、特許文献1〜3参照。)、ひまし油を用いた被覆粒状肥料であり無溶剤で被覆した被覆粒状肥料(例えば、特許文献4参照。)、架橋密度の異なる2種類乃至それ以上の熱硬化性樹脂を組み合わせるなどにより親水性の異なる2種類乃至それ以上の樹脂を組み合わせて溶出パターンを制御する方法(例えば、特許文献5参照。)等が開示されている。
特開平10−194883号公報 特開平10−29886号公報 特開平10−324587号公報 特開平10−265288号公報 特開平09−208355号公報
溶出コントロール期間が短い被覆粒状植物活性物質(例えば被覆粒状肥料)、特に施用後に一定期間内は溶出が抑制される抑制期間と、その一定期間経過後には速やかに溶出を開始する溶出期間が存在するシグモイドタイプのものについては、抑制期間中の初期溶出量を充分に抑制することが重要な課題とされている。また、近年被覆粒状植物活性物質の被膜には、環境負荷低減のために生分解性の付与と製造時の無溶剤化が望まれている。
生分解性付与のためには、生分解性樹脂であるポリカプロラクトンをポリウレタン被膜製造用のポリオールとして用いる方法がある。この方法において、水酸基当量の大きいカプロラクトンを用いた場合、樹脂の柔軟性が向上し、被膜の透湿性が高くなるため、植物活性物質が早期に溶出することが可能となり、得られる被覆粒状植物活性物質の溶出コントロール期間は短くなる。しかし、水酸基当量を大きくするとポリカプロラクトンの粘度は大きくなるため、無溶剤で被覆を行う場合に、不完全被覆粒子が発生し易くなり初期溶出量が高い被覆粒状植物活性物質となってしまう問題があった。
本発明者らは、ポリカプロラクトンにアルキレンオキサイドを所定の量付加して得られるポリカプロラクトンのアルキレンオキサイド付加物は、水酸基当量が大きく、かつ粘度の低い(例えば25℃で1200mPa・s以下の液状である)ポリオールとなりうることを見出した。このようなポリオールは、無溶剤であっても充分に粘度が低く、粒状植物活性物質を好適に被覆することができるため、得られる被覆粒状植物活性物質のポリウレタン被膜の欠陥は抑制され、初期溶出量をよく制御することができる。しかも、このポリオールは水酸基当量が充分に高いため、溶出コントロール期間が100日以下程度である短期溶出タイプの被覆粒状植物活性物質を製造することができる。
本発明は、下記の(1)〜(10)の事項を包含する。
(1)ポリカプロラクトンのアルキレンオキサイド付加物を含有するポリウレタン製造用
のポリオール。
(2)前記アルキレンオキサイドがプロピレンオキサイドおよび/またはエチレンオキサイドであることを特徴とする第1項に記載のポリオール。
(3)前記ポリカプロラクトンの1官能基あたりに付加したアルキレンオキサイドの数平均付加数が7以下であることを特徴とする第1または2項に記載のポリオール。
(4)前記ポリカプロラクトンがトリオールであることを特徴とする第1〜3項のいずれかに記載のポリオール。
(5)前記ポリカプロラクトンの開始剤がトリオールであることを特徴とする第1〜4項のいずれかに記載のポリオール。
(6)前記ポリカプロラクトンのアルキレンオキサイド付加物の粘度が25℃で1200mPa・s以下であることを特徴とする第1〜5項のいずれかに記載のポリオール。
(7)第1〜6項のいずれかに記載のポリオールを含有するポリオール成分とポリイソシアネート成分とを含有する組成物から形成されることを特徴とする粒状植物活性物質被覆用のポリウレタン被膜。
(8)前記ポリイソシアネート成分がポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートからなることを特徴とする第7項に記載のポリウレタン被膜。
(9)前記ポリイソシアネート成分が25℃で液状であることを特徴とする第7または8項に記載のポリウレタン被膜。
(10)第7〜9項のいずれかに記載のポリウレタン被膜で表面が被覆された粒状植物活性物質である被覆粒状植物活性物質。
本発明によれば、ポリカプロラクトンにアルキレンオキサイドを所定量付加することにより、粘度と水酸基当量のバランスに優れたポリウレタン製造用ポリオールを製造できる。このようなポリオールを用いることにより、作物の育成にとって有用な、初期溶出量がよく抑制された、溶出コントロール期間が短いタイプの生分解性を有する被覆粒状植物活性物質を、無溶剤で製造することが可能となる。
粒状植物活性物質
本発明における植物活性物質とは、農業、林業、園芸等に関連する生物に対して活性を有する物質を意味する。具体的には農作物や有用植物等の植物体の育成、保護の目的で用いられて、増収、農作物の高品質化、病害防除、害虫防除、有害動物防除、雑草防除、更には、農作物の生育促進、生育抑制、矮化等の内、いずれかの効果をもたらす物質であって、具体例としては肥料、農薬、微生物、微生物資材等を挙げることができる。
また、本発明における粒状植物活性物質とは、粒状であるこのような植物活性物質、あるいは、粉体や液体などの植物活性物質を後述する結合剤または担体を用いることなどにより粒状の固形物に含有させたものである。
前記肥料としては、窒素質肥料、燐酸質肥料、加里質肥料のほか、植物必須要素のカルシウム、マグネシウム、硫黄、鉄、微量要素やケイ素等を含有する肥料を挙げることができる。具体的には、窒素質肥料として硫酸アンモニア、尿素、硝酸アンモニアのほか、イソブチルアルデヒド縮合尿素、アセトアルデヒド縮合尿素等が挙げられ、燐酸質肥料としては過燐酸石灰、熔成リン肥、焼成リン肥等が挙げられ、加里質肥料としては硫酸加里、塩化加里、けい酸加里肥料等が挙げられ、その態様としては特に限定はない。
肥料の三要素の合計成分量が30重量%以上の高度化成肥料や配合肥料、有機質肥料、さらに、硝酸化成抑制材や農薬を添加した肥料も本発明に使用することができる。その中でも、尿素であると、球状粒子の入手が容易であり、高精度の溶出制御用に好適に用いる
ことができる。
上記農薬としては病害防除剤、害虫防除剤、有害動物防除剤、雑草防除剤、植物生長調節剤等を挙げることができ、これらであればその種類に制限なく使用することができる。病害防除剤とは、病原微生物の有害作用から農作物等を保護するために用いられる薬剤であり、主として殺菌剤が挙げられる。害虫防除剤とは、農作物等の害虫を防除する薬剤であり、主として殺虫剤が挙げられる。
有害動物防除剤とは、農作物等を加害する植物寄生性ダニ、植物寄生性線虫、野鼠、鳥、その他の有害動物を防除するために用いる薬剤である。雑草防除剤とは農作物や樹木等に有害となる草木植物の防除に用いられる薬剤であり、除草剤とも呼ばれる。植物生長調節剤とは、植物の生理機能の増進または抑制を目的に用いられる薬剤である。その中でも、殺虫作用及び殺菌作用の両方または片方の作用を有する農薬は本発明に好ましく、その種類に制限なく使用することができる。
上記農薬は常温で固体の粉状であることが望ましいが、常温で液体であっても良い。また、農薬が水溶性であっても、水難溶性であっても、水不溶性のものであっても用いることができ、特に限定されるものではない。その中では、接触等により保護すべき植物体内に移行し薬効を示す浸透移行性の農薬が好ましい。下記に利用できる農薬の具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。また、農薬は1種であっても、2種以上の複合成分からなるものであっても良い。
具体的には、(E)−N1−〔(6−クロロ−3−ピリジル)メチル〕−N2−シアノ−N1−メチルアセトアミジン(一般名:アセタミプリド)、1−(6−クロロ−3−ピリジルメチル)−N−ニトロイミダゾリジン−2−イリデンアミン(一般名:イミダクロプリド)、o,o−ジエチル−S−2−(エチルチオ)エチルホスホロジチオエート(一般名:エチルチオメトン)、2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチル−7−ベンゾ〔b〕フラニル=N−ジブチルアミノチオ−N−メチルカーバメート(一般名:カルボスルファン)、(E)−N−(6−クロロ−3−ピリジルメチル)−N−エチル−N'−メチル−2
−ニトロビニリデンジアミン(一般名:ニテンピラム)、(±)−5−アミノ−(2,6−ジクロロ−α,α,α−トリフルオロ−p−トルイル)−4−トリフルオロメチルスルフィニルピラゾール−3−カルボニトリル(一般名:フィプロニル)、ブチル=2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチルベンゾフラン−7−イル=N,N'−ジメチル− N,N'−
チオジカーバメート(一般名:フラチオカルブ)、エチル=N−〔2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチルベンゾフラン−7−イルオキシカルボニル(メチル)アミノチオ〕−N−イソプロピル−β−アラニナート(一般名:ベンフラカルブ)、1−ナフチル−N−メチルカーバメート(一般名:NAC)、(1RS,3SR)−2,2−ジクロロ−N−[1−(4−クロロフェニル)エチル]−1−エチル−3−メチルシクロプロパンカルボキサミド(一般名:カルプロパミド)、(RS)−2−シアノ−N−[(R)−1−(2,4−ジクロロフェニル)エチル]−3,3−ジメチルブチラミド(一般名:ジクロシメット)、5−メチル−1,2,4−トリアゾロ〔3,4−b〕ベンゾチアゾール(一般名:トリシクラゾール)、1,2,5,6−テトラヒドロピロロ〔3,2,1−ij〕キノリン−4−オン(一般名:ピロキロン)、(RS)−5−クロロ−N−(1,3−ジヒドロ−1,1,3−トリメチルイソベンゾフラン−4−イル)−1,3−ジメチルピラゾール−4−カルボキサミド(一般名:フラメトピル)、3−アリルオキシ−1,2−ベンゾイソチアゾール−1,1−ジオキシド(一般名:プロベナゾール)、2−クロロ−4−エチルアミノ−6−イソプロピルアミノ−S−トリアジン(一般名:アトラジン)、1−(2−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イルスルホニル)−3−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル尿素(一般名:イマゾスルフロン)、S−ベンジル=1,2−ジメチルプロピル(エチル)チオカーバメート(一般名:エスプロカルブ)、エチル=(
RS)−2−[4−(6−クロロキノキサリン−2−イルオキシ)フェノキシ]プロピオナート(一般名:キザロホップブチル)、ブチル=(R)−2−[4−(4−シアノ−2−フルオノフェノキシ)フェノキシ]プロピオナート(一般名:シハロホップブチル)、2−メチルチオ−4−エチルアミノ−6−(1,2−ジメチルプロピルアミノ)−S−トリアジン(一般名:ジメタメトリン)、2−メチルチオ−4,6−ビス(エチルアミノ)−S−トリアジン(一般名:シメトリン)、1−(α,α−ジメチルベンジル)−3−(パラトリル)尿素(一般名:ダイムロン)、2−クロロ−N−(3−メトキシ−2−テニル)−2',6'−ジメチルアセトアニリド(一般名:テニルクロール)、α−(2−ナフトキシ)プロピオンアニリド(一般名:ナプロアニリド)、メチル=3−クロロ−5−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イルカルバモイルスルファモイル)−1−メチルピラゾール−4−カルボキシレート(一般名:ハロスルフロンメチル)、エチル=5−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イルカルバモイルスルファモイル)−1−メチルピラゾール−4−カルボキシレート(一般名:ピラゾスルフロンエチル)、S−(4−クロロベンジル)−N,N−ジエチルチオカーバメート(一般名:ベンチオカーブ)、メチル=α−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イルカルバモイルスルファモイル)−o−トルアート(一般名:ベンスルフロンメチル)、2−ベンゾチアゾール−2−イルオキシ−N−メチルアセトアニリド(一般名:メフェナセット)等を挙げることができる。
更に、植物が接触した後に植物によって合成され、植物体内に蓄積する低分子の抗菌性物質であるファイトアレキシンを誘導する物質を挙げることができる。
前記微生物とは農業生産に有用な微生物であり、土壌改良、病害抑止等であるが特に限定されるものではない。また、前記微生物資材とは、微生物によって作成された資材、または微生物を含有する資材である。
本発明における粒状植物活性物質の粒径は特に限定されるものではないが、1〜10mmであることが好ましい。これらは篩いを用いることにより、前記範囲内で任意の粒径を選択することができる。さらに、育苗時の均一分散性を考慮した場合は1〜2mmが好ましい。また、汎用化成肥料との複合をする場合は1〜5mmが好ましく、さらには2〜4mmが好ましい。
本発明で用いる粒状植物活性物質自体の組成は、1種以上の植物活性物質を含有していれば、特に限定されるものではなく、肥料単独で造粒されたものであってもよく、クレー、カオリン、タルク、ベントナイト、炭酸カルシウムなどの担体や、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、澱粉類などの結合剤を用いて造粒したものであっても構わない。また、必要に応じ、例えばポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等の界面活性剤や廃糖蜜、動物油、植物油、水素添加油、脂肪酸、脂肪酸金属塩、パラフィン、ワックス、グリセリンなどを含有したものであっても構わない。
粒状植物活性物質は被覆中に崩れないために圧縮破壊強度が29.4N以上あることが望ましい。被覆中に粒状植物活性物質が破壊、破損により粉立ちすると、発生した粉が被膜中に混入し不完全被覆粒子の発生原因となる。
本発明に使用する粒状植物活性物質の形状は特に限定されるものではないが、球状であることが好ましい。特に、粒子の円形度合いを知るための尺度であり、下記式により求める円形度係数が、0.85以上のものであることが好ましく、より好ましくは0.9以上であり、更に好ましくは0.93以上である。円形度係数の最大値は1であり、1に近づくほど粒子断面は真円に近づき、粒子表面の凹凸が増加するなど粒子形状が真円から崩れるに従って円形度係数は小さくなる。
円形度係数=(4π×粒子の投影面積)/(粒子投影図の輪郭の長さ)2
例えば、使用する粒状植物活性物質のサンプル100個について、円形度測定装置(例えば、株式会社ピアス製 ピアス−IV(PIAS−IV))を用いて測定した円形度係
数の平均値が上記範囲内にある場合は、被膜の欠陥を抑制しやすく、特にシグモイドタイプの抑制期間の溶出が抑制された被覆粒状植物活性物質を製造する上で好適である。
このような粒状植物活性物質の製造方法は特に限定されるものではないが、押出造粒法、流動層式造粒法、転動造粒法、圧縮造粒法、被覆造粒法、吸着造粒法等を用いることができる。本発明においては、これらの造粒法のいずれを使用しても良いが、押し出し造粒法が最も簡便であり好ましい。
ポリウレタン被膜
本発明における被覆粒状植物活性物質は、上述のような粒状植物活性物質の表面がポリウレタン被膜で被覆されたものである。このポリウレタン被膜で被覆する際に、ポリカプロラクトンにアルキレンオキサイド付加した本発明によるポリオールは無溶剤で用いることができ、ポリイソシアネート成分との反応によりポリウレタン被膜を形成する。このような被膜は、生分解性があり、かつ初期溶出量が抑制された溶出コントロール期間が短かい被覆粒状活性物質を無溶剤で製造することを実現しうるものであり、特にシグモイド型の溶出パターンを持つ被覆粒状肥料には有効である。
本発明において、被膜が「生分解性」を有するとは、微生物が関与する環境中(例えば土中)で被膜の強度低下が見られることを言う。
被覆粒状植物活性物質の「溶出コントロール期間」(「溶出期間」ということもある。)とは、含有する植物活性物質成分が25℃の純水に80重量%溶出するのに要する期間のことである。また、この溶出コントロール期間が100日以下である場合、「溶出コントロール期間が短い」という。例えば水稲等に対しては、溶出コントロール期間が100日前後のものがよく使われており、追肥用、短期作葉物等では溶出コントロール期間がより短期のタイプを使用する場面がある。
本発明における「初期溶出量」とは、25℃の純水中に3日間で溶出する植物活性物質成分の量をいう。この初期溶出量は、植物活性物質成分の10重量%以下であることが好ましい作物栽培方法もある。例えば、植物の生育期間に必要な被覆粒状植物活性物質を一度に施用する栽培方法では、初期溶出量が多すぎる(充分に抑制されない)と、施容量が多いために出芽時や苗の移植時等に障害が発生することがある。
本発明における溶剤とは、ポリウレタンの原料となるポリオール成分またはポリイソシアネート成分に、粘度調節および希釈等の目的で添加される、25℃で液状物であるこれら以外の物質を指し、「無溶剤」とは、このような溶剤が添加されていないことをいう。上記溶剤としては、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロキシフラン、プロパン-2-オン、ブタン-2-オン、酢酸エチル等の炭化水素系溶剤や、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン等のハロゲン化溶剤等が例示できる。
本発明における水酸基当量とは、アルキレンオキサイドが付加していてもよいポリカプロラクトンにおける1水酸基あたりの分子量である。
[ポリオール成分]
・ポリカプロラクトン
本発明で用いられるポリカプロラクトンは、開始剤としてのジオール、トリオールなどの多価アルコールにε-カプロラクトンが開環重合する反応により合成されるポリエステ
ルポリオール化合物である。このポリカプロラクトンは脂肪族ポリエステルの中でも生分解性の高い化合物であり、これを用いることにより生分解性の高いポリウレタン被膜が得られる。なお、ポリウレタン原料としての「ポリオール」は、1分子内に水酸基(−OH
)を2個以上含有する化合物をさす。
本発明におけるポリカプロラクトンの重合度は特に制限されるものではないが、重合度が大きいと粘度が高くなる傾向があり、またウレタン化後の生分解速度が速くなるため、所望のポリウレタン被膜の態様に応じて重合度を適宜調節することが望ましい。ポリカプロラクトンの数平均分子量は、例えば300〜3000が好ましく、300〜600がさらに好ましい。ポリカプロラクトンの重合度は、反応させるε−カプロラクトンの量を化学量論的計算に基づいて調節することにより制御することが可能である。
ポリカプロラクトンには、ウレタン結合に用いられる官能基(水酸基)を2個有するジオール型、3個有するトリオール型などがあり、いずれをも適宜用いることができるが、なかでもトリオール型が被覆肥料の溶出コントロールがし易い点で好ましい。
また、ポリカプロラクトンの合成における開始剤としては公知の多価アルコールを使用することができるが、トリメチロールプロパンやグリセリンなどのトリオールを開始剤として用いて、トリオール型のポリカプロラクトンを得るようにすることが好ましい。
以上のようなポリカプロラクトンは、公知の製造方法により合成することが可能であり、また後述する実施例に記載されたような商品としても上市されている。
・アルキレンオキサイドの付加
本発明に係るポリオールは、上述のようなポリカプロラクトンにアルキレンオキサイドを付加して(「アルキレンオキサイドで変性して」ともいう。)得られる、ポリカプロラクトンのアルキレンオキサイド付加物である。ポリカプロラクトンは一般的に、水酸基当量が大きくなるほど粘度も高くなるが、溶出コントロール期間が100日以下と短い被覆粒状植物活性物質の被膜を得るためには、水酸基当量が大きいことが求められる。本発明において、アルキレンオキサイドのポリカプロラクトンへの付加量が所定の範囲内であれば(例えばポリカプロラクトンの1官能基に対するアルキレンオキサイドの数平均付加量が7以下)、アルキレンオキサイドの付加量を増して水酸基当量を大きくさせても、ポリオール成分の粘度を付加前より低下させる効果が得られる。
本発明で用いることのできるアルキレンオキサイドは、水酸基への付加反応において一般的に用いられているものであれば特に制限させるものではなく、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,2-ブチレンオキサイド、スチレンオキサイドなどが挙げられる。これらのアルキレンオキサイドは、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。例えば、プロピレンオキサイドもしくはエチレンオキサイドのいずれかまたはそれら両方を用いることにより、安価に本発明の効果を得ることができる。
本発明においてカプロラクトンに付加させるアルキレンオキサイドは、プロピレンオキサイドであることがより好ましい。エチレンオキサイドで変成すると、得られる被覆粒状植物活性物質の溶出コントロール期間が短くなるという影響が大きいため、溶出コントロール期間が非常に短くなってしまうことがあり、作物の栽培に適した被覆粒状植物活性物質が得られないことがある。
アルキレンオキサイドのポリカプロラクトンへの数平均付加量は、ポリカプロラクトンの1官能基あたり7以下であることが好ましい。この付加量が7以下の場合、得られるポリウレタン被膜の良好な生分解性を保持したまま、ポリオールの粘度低下の効果が得られる。
また、上記付加量が3未満であれば、ポリオール成分は粒状植物活性物質を充分に被覆しやすい粘度となり、シグモイドタイプにおける初期溶出量が抑制し易く、作物の必要成
分を適時に無駄なく溶出することができる被覆粒状植物活性物質が製造できるなどの点でより好ましい。さらに、上記付加量が2未満である場合、100日以下という範囲内で比較的長い溶出期間が得られやすく、粒状植物活性物質をより完全に被覆することができるようになり、初期溶出量を厳密に抑制することができる。
このようなアルキレンオキサイドのポリカプロラクトンへの付加量は、付加反応させる製造工程において、計量槽から反応槽に圧入するアルキレンオキサイドの重量又は容積を化学量論的な計算に基づいて制御することにより調節可能である。また、得られたアルキレンオキサイド付加物については、NMRを用いた測定により数平均付加量を確認することが可能である。
本発明において、アルキレンオキサイドはポリカプロラクトンが持ついずれの水酸基に付加されていても粘度低下等の効果が得られるが、ポリカプロラクトンが持つ水酸基に対して均等に付加されているとその効果が大きいため、より好ましい。
本発明に係るポリオールは、触媒の存在下に、アルキレンオキサイドとポリカプロラクトンを攪拌して付加反応させることにより製造することが可能である。この付加反応における触媒は、特に限定されるものではなく、通常の触媒を用いることができる。具体的に例示すると、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の一般的なアルカリ金属触媒の他、トリエチレンジアミン、N−メチルモルフォリン、N,N−ジメチルモルフォリン、ジアザビシクロウンデセン、2,4,6,−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、トリエチルアミン等のアミン触媒が挙げられ、いずれも本発明において好適に用いられる。
以上のようなアルキレンオキサイドで変性されたポリカプロラクトンは、ポリウレタンを形成する際のポリオール成分として好適に用いることができる。このポリオール成分においては、低粘度化の効果、あるいは得られるポリウレタン被膜の生分解性や溶出コントロール期間の調整などに対する効果を損なわない範囲で、本発明のアルキレンオキサイドで変性されたポリカプロラクトンと、その他のポリオールとを組み合わせて配合することも可能である。
・ポリオール成分の粘度
被覆粒状植物活性物質の製造においては、後述するような滴下または噴霧などの方法により、ポリオール成分およびポリイソシアネート成分を粒状植物活性物質の表面に添加する。ポリカプロラクトンは水酸基当量(1水酸基あたりの分子量)が大きくなると高粘度化する傾向があるが、ポリオール成分およびポリイソシアネート成分の粘度が高いと、粒状植物活性物質の表面を完全に被覆しにくくなるために被膜に欠陥(ピンホールや被膜の薄さ)が生じることがある。このような欠陥を有する被覆粒状植物活性物質が混在すると、特に溶出コントロール期間が短期のシグモイドタイプの被覆粒状植物活性物質においては、初期溶出量の抑制が困難になる。初期溶出量を充分に抑制するためには、ほぼすべての粒状植物活性物質にピンホール等の欠陥のない完全被覆を施す必要がある。
粒状植物活性物質の表面を無溶剤で被覆するためには、本発明のポリオールの原料となるポリカプロラクトンは60℃以下、好ましくは常温(25℃)で液状であるものが望ましく、この場合、アルキレンオキサイドを付加して得られるポリカプロラクトンも同じ温度にて液状である。液状となる温度が低いほど製造時に不完全被覆となるリスクを回避し易くなる。
さらに、この液状のポリオールの粘度は低いことが望ましい。より具体的には、ポリカプロラクトンのアルキレンオキサイド付加物の粘度が25℃で1200mPa・s以下であることが好ましく、粒状植物活性物質を無溶剤で被覆するために好適に用いることがで
きる。このような粘度のポリオールは、用いるポリカプロラクトンの分子量や、付加するアルキレンオキサイドの種類または数平均付加数などを調節することにより製造することが可能である。例えば、分子量が300〜600のジオール型またはトリオール型ポリカプロラクトンに、数平均付加数が3未満となるようプロピレンオキサイドおよび/またはエチレンオキサイドを付加することにより、25℃での粘度が1200mPa・s以下であるポリカプロラクトンのアルキレンオキサイド付加物が得られる。
このような粘度の液状のポリオールを用い、ポリイソシアネート成分と共に肥料粒子に被覆することで、肥料粒子表面に無溶剤でポリウレタン被膜を形成することが可能となり、かつ完全な被膜を形成することができる。
[ポリイソシアネート成分など]
本発明によるアルキレンオキサイドで変性されたポリカプロラクトンを含有するポリオール成分は、公知のポリオールと同様に、ポリイソシアネート成分と反応してポリウレタンを形成する。なお、ポリウレタン原料としての「ポリイソシアネート」は、1分子内にイソシアネート基(−NCO)を2個以上含有する化合物をさす。
本発明で用いられるポリイソシアネートは、特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート((モノメリック)MDI)、ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネートなどの芳香族系ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどの脂肪族系ポリイソシアネート;ならびに、例えばアニリンをホルマリンで縮合して得られるポリメリックMDAをホスゲン化することにより製造されるポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(ポリメリックMDI)などの、上記ポリイソシアネートから誘導される化合物を例示することができ、必要に応じてこれらの混合物を用いることもできる。
これらのポリイソシアネートおよびその誘導体のうち、ヘキサメチレンジイソシアネートならびにポリメリックMDI等の室温で液状のものは、無溶剤被覆が容易なために本発明において好適に用いることができる。なかでもポリメリックMDIは蒸気圧が低く、室温(25℃)で液体であり、無溶剤被覆における取り扱いが容易であるためさらに好ましい。
なお、前記脂肪族系ポリイソシアネートを用いた場合、得られるポリウレタン被膜の生分解性はより良好になる。
また、本発明におけるポリウレタン被膜には、充填材が含有されていても良い。無機物質の充填材には、タルク、クレー、カオリン、ベントナイト、硫黄、白雲母、金雲母、雲母状酸化鉄、金属酸化物、珪酸質、ガラス、アルカリ土類金属の炭酸塩、硫酸塩を例示することができ、また有機物質として小麦粉、米粉、コーンスターチ、米デンプン、片栗粉等を例示することができる。
被覆粒状植物活性物質の製造方法
本発明において、ポリウレタン被膜で粒状植物活性物質の表面を被覆する方法としては、公知慣用の方法を用いることができる。例えば、流動装置や噴流動装置により粒状植物活性物質を流動状態にしたり、回転パン、回転ドラムなどにより粒状植物活性物質を転動状態にしてから、ポリウレタン材料を滴下、噴霧等の方法で粒状植物活性物質に添加することにより、粒状植物活性物質の表面をこのポリウレタン材料からなる組成物で被覆し、ポリウレタン被膜を形成させることが可能であり、被覆粒状植物活性物質を製造することができる。
ポリウレタン材料の滴下、噴霧は、ポリオール成分とポリイソシアネート成分の混合液を滴下または噴霧しても、ポリオール成分とポリイソシアネート成分を混合せずにそれぞれを交互に、あるいは同時に滴下または噴霧してもよい。また、ポリウレタン材料には必要に応じて前述のような充填材などを配合することもできる。
ポリウレタン材料の滴下、噴霧の方法としては、連続滴下、1液または2液ノズルを用いた噴霧、ガスを用いた2流体ノズルなどが使用できる。
本発明において、被覆植物活性物質の重量に対するポリウレタン被膜の重量の割合(以下「被覆率」という。)は、好ましくは1〜20重量%の範囲であり、より好ましくは2〜15重量%の範囲である。このような被覆率は、被覆植物活性物質の製造時にポリウレタン材料の添加量を調節することなどにより制御することが可能である。また被覆率は、製造された被覆粒状植物活性物質のサンプルの重量と、このサンプルの粒状植物活性物質を溶出させることにより残された被膜の重量との比較や、後述する実施例「5.尿素溶出日数の測定」に記載された方法などにより確認することが可能である。
本発明の被覆粒状植物活性物質については、さらに、固結防止または水中での浮上防止のために表面処理を行ってもよい。表面処理剤には界面活性剤や凝集剤のほか、タルク、カオリン、シリカ、ホワイトカーボン等の無機粉体、ポリビニルアルコール、ロジンなどの有機物などが用いられる。
実施例等
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
[合成例1]
滴下導入管及びガス出入口を備えた5Lのステンレス鋼製の撹拌翼付き耐圧反応槽を乾燥した窒素ガスで充分置換した後、該反応槽にポリカプロラクトン(ダイセル化学工業株
式会社製 プラクセル305)を1,650g及びトリエチルアミン27.8gを仕込み
撹拌しながら反応槽の温度を80℃まで昇温した。80℃を保持しながらプロピレンオキサイド522gを2時間連続的に滴下導入管から圧入し、プラクセル305にプロピレンオキサイドを付加反応させた。85℃に昇温、保持し5時間撹拌を続行し反応を完結させた。キョワード700SL(協和化学工業株式会社製 吸着剤)60gを添加し90℃に昇温、保持し2時間撹拌を継続してトリエチルアミンを吸着した。次に100℃に昇温、保持し撹拌を継続しながら1時間真空ポンプにて残存する未反応のプロピレンオキサイド、吸着剤に含まれる水分を脱ガス、脱水処理した。70℃にて反応槽から内容物を取り出し加圧濾過器によりトリエチルアミンを吸着させたキョワード700SLを除去して粘度25℃1,088mPa・s(株式会社東京計器 B形粘度計 ローターNo2 12rpmにて測定)の変成ポリオール1を得た。
[合成例2]
合成例1と同様な工程にてポリカプロラクトン(ダイセル化学工業株式会社製 プラク
セル205)を1,650g及びトリエチルアミン22g仕込み撹拌しながら反応槽の温
度を80℃まで昇温した。80℃を保持しながらエチレンオキサイド554gを2時間連続的に滴下導入管から圧入しプラクセル205にエチレンオキサイドを付加反応させた。85℃に昇温、保持し3時間撹拌を続行し反応を完結させた。キョワード700SL(協和化学工業株式会社製吸着剤)60gを添加し90℃に昇温、保持し2時間撹拌を継続してトリエチルアミンを吸着した。次に100℃に昇温、保持し撹拌を継続しながら1時間真空ポンプにて残存する未反応のエチレンオキサイド、吸着剤に含まれる水分を脱ガス、脱水処理した。70℃にて反応槽から内容物を取り出し加圧濾過器によりトリエチルアミンを吸着させたキョワード700SLを除去して粘度25℃392mPa・s(株式会社
東京計器 B形粘度計 ローターNo1 12rpmにて測定)の変成ポリオール2を得た。
[合成例3]
合成例1と同様な工程にてポリカプロラクトン(ダイセル化学工業株式会社製 プラク
セル305)を1,650g及びトリエチルアミン32.4g仕込み撹拌しながら反応槽
の温度を85℃まで昇温した。85℃を保持しながらプロピレンオキサイド435gとエチレンオキサイド330gを同時に2時間連続的に滴下導入管から圧入しプラクセル305にプロピレンオキサイドとエチレンオキサイドをランダム付加反応させた。90℃に昇温、保持し4時間撹拌を続行し反応を完結させた。キョワード700SL(協和化学工業株式会社製 吸着剤)67gを添加し90℃に保持し2時間撹拌を継続してトリエチルアミンを吸着した。次に100℃に昇温、保持し撹拌を継続しながら1時間真空ポンプにて残存する未反応のプロピレンオキサイド、エチレンオキサイド、吸着剤に含まれる水分を脱ガス、脱水処理した。70℃にて反応槽から内容物を取り出し加圧濾過器によりトリエチルアミンを吸着したキョワード700SLを除去して粘度25℃680mPa・s(株式会社東京計器 B形粘度計 ローターNo2 30rpmにて測定)の変成ポリオール3を得た。
Figure 2007277429
1.水酸基当量の算出
合成例1〜3で得られた変成ポリオール1〜3の水酸基価をJIS K1557ポリウレタン用
ポリエーテル試験方法により測定した。水酸基価とポリカプロラクトンの官能基数からポリカプロラクトンのアルキレンオキサイド付加物の分子量を算出し、分子量を官能基数で除して水酸基1個あたりの分子量を求め、水酸基当量とした。結果を表1に示した。
2.イソシアネート当量の算出
使用したポリイソシアネートのイソシアネート当量をイソシアネート基含有量から算出した。ポリイソシアネートの分子量をm、イソシアネート基の化学式量を42、ポリイソシアネート1分子あたりのイソシアネート基の個数をkとしたとき、上記イソシアネート基含有量(NCO%ともいう)は、(42k/m)×100[%]で表される。また、上記イソシアネート当量は、イソシアネート基1個あたりのポリイソシアネートの分子量であり、m/kで表される。したがって、イソシアネート基の化学式量42を、(NCO%÷100)で除することにより、イソシアネート当量を求めた。結果を表2に示した。
3.比較例1〜4、実施例1〜3の製造方法
粒状尿素(平均粒径3.4mm)920gを、熱風発生機を付設した温度制御可能な傾斜パン型転動機(パン径450mm)に仕込み、20〜45RPMで回転させ該粒状尿素を転動状態にした。該装置を加熱して該粒状尿素の温度を65〜75℃に維持し、転動状態を維持した。ポリウレタン材料として、表2に示した配合でポリオールとポリイソシアネートを混合し、送液ポンプを用いて加温されかつ転動状態にある該粒状尿素にそれぞれ40分間で添加し、被覆率8重量%になるように被覆した。ポリウレタン材料の添加量は、転動機内への付着量などを考慮した上で、ポリオールとポリイソシアネートの合計重量が得られる被覆粒状肥料に対して所定の重量(8重量%)になるように設定した。その後、該粒状尿素の温度を10分間、65〜75℃の範囲に保持することにより被覆粒状肥料を得、比較例1〜4、実施例1〜3とした。
Figure 2007277429
4.比較例5の製造方法
ポリオールとポリイソシアネートの混合重量比を比較例2と同じまま被覆率が6重量%になるように配合量を調節した以外は「3.比較例1〜4、実施例1〜3の製造方法」に準じて比較例5を製造した。
5.尿素溶出日数の測定(初期溶出量および溶出コントロール期間の測定方法)
温度が25℃に保持された200mLの水に、被覆粒状肥料をそれぞれ10gずつ浸漬して静置した。3日後に、水中に溶出した尿素を定量分析(ジメチルアミノベンズアルデヒド法 「詳解肥料分析法 第二改訂版」養賢堂)により求め、使用した被覆粒状肥料10gに含まれる全肥料成分に対する比率を初期溶出量とした。該被覆粒状肥料を再び25℃に保持された200mLの水に浸漬して静置し、1週間毎に同様の分析を行った。この様な測定値から水中に溶出した尿素の重量累計と日数の関係をグラフ化して溶出速度曲線
を作成し、80重量%溶出に要した日数を溶出コントロール期間として求めた。結果を表3に示す。なお、上記「全肥料成分」の重量は、上記「尿素の溶出累計」の重量と、測定終了時の被覆粒状肥料(粒状尿素の一部が残されている)から抽出した尿素の重量とを加算して求めた。
6.土中分解速度の測定(強度低下率の測定方法)
被覆粒状肥料を巾2mmに切断し、水中にて内容物を溶かし、試験体リボンを作成した。このリボン20個を針金に通し、水分60重量%の牛糞堆肥300gを充填した直径5cmの円筒容器中に埋設し、35℃の水蒸気を飽和させたエアーを上方向に通気して保管した。6ヵ月後に取り出してリボンを両側から引っ張って破断したときの強度を測定し(測定値は20粒の平均)、埋設前後の強度の比較から強度低下率を求めた。その結果を表3に示す。
7.ポリオールの粘度の測定
株式会社東京計器製B型粘度計を用い、記述条件のローター、回転数で各ポリオールの粘度を25℃で測定し、結果を表3に示した。
Figure 2007277429
実施例1〜3により、ポリカプロラクトンをアルキレンオキサイド付加重合で変成することで粘度を1200mPa・s以下に低下させたポリオールを用いると、無溶剤法で被覆しても初期溶出量を低く抑えることができることが示されている。
なお、実施例2に見られるように、ポリカプロラクトンがジオールである、あるいはエチレンオキサイド付加で変成されている場合は溶出がより早くなる傾向にある。溶出期間が所望の範囲にある被覆粒状肥料を得えられるよう溶出期間を制御しやすくするためには、トリオールタイプである、あるいはプロピレンオキサイドが付加したポリカプロラクトンを用いることが好ましい。
比較例1とそれ以外の実施例および比較例との対比からは、ポリカプロラクトンを使用したポリウレタン被膜は生分解性にすぐれていることが見て取れる。
比較例2のように、アルキレンオキサイドが付加されていない、粘度が1200mPa
・s以上のポリオールを使用しても、初期溶出量を低く抑えた被覆粒状肥料を製造することは可能であるが、溶出コントロール期間は100日以上の長期になる。
比較例3では、比較例2と同じ高粘度のポリオールを使用しているが、このポリオールと組み合わせて用いるポリイソシアネートの種類を選択することで、ポリウレタン材料の低粘度化を図っている。しかし、このようなポリウレタン材料を使用した場合、初期溶出量が高く、溶出コントロール期間も短い、溶出制御が不充分な被覆粒状肥料となる。
なお、比較例3で使用したような脂肪族ポリイソシアネートは、強度低下率は良い(すなわち生分解性は高い)が、ウレタン化の速度が遅いために被膜形成時に傷がつきやすく、溶出コントロール期間が非常に短くなることがある。使用するポリイソシアネートは、芳香族ポリイソシアネートであるポリメリックMDIが好ましいといえる。
一方、溶出コントロール期間がより短期のタイプを製造するために、比較例4のように、アルキレンオキサイドが付加していない、水酸基当量の大きなポリオールを使用すると、このポリオールは無溶剤では高粘度なので、初期溶出量率が大きくなる。
また、比較例5で示すように、比較例2よりも被覆率を低く、すなわちポリウレタン被膜を薄くすることにより溶出コントロール期間を短くした場合にも、被覆性能の低下等により初期溶出量が大きくなってしまう。

Claims (10)

  1. ポリカプロラクトンのアルキレンオキサイド付加物を含有するポリウレタン製造用のポリオール。
  2. 前記アルキレンオキサイドがプロピレンオキサイドおよび/またはエチレンオキサイドであることを特徴とする請求項1に記載のポリオール。
  3. 前記ポリカプロラクトンの1官能基あたりに付加したアルキレンオキサイドの数平均付加数が7以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリオール。
  4. 前記ポリカプロラクトンがトリオールであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリオール。
  5. 前記ポリカプロラクトンの開始剤がトリオールであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリオール。
  6. 前記ポリカプロラクトンのアルキレンオキサイド付加物の粘度が25℃で1200mPa・s以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のポリオール。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のポリオールを含有するポリオール成分とポリイソシアネート成分とを含有する組成物から形成されることを特徴とする粒状植物活性物質被覆用のポリウレタン被膜。
  8. 前記ポリイソシアネート成分がポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートからなることを特徴とする請求項7に記載のポリウレタン被膜。
  9. 前記ポリイソシアネート成分が25℃で液状であることを特徴とする請求項7または8に記載のポリウレタン被膜。
  10. 請求項7〜9のいずれかに記載のポリウレタン被膜で表面が被覆された粒状植物活性物質である被覆粒状植物活性物質。
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