JP2003268084A - ポリオール、その製造方法、当該ポリオールから得られるポリウレタン樹脂または発泡体 - Google Patents

ポリオール、その製造方法、当該ポリオールから得られるポリウレタン樹脂または発泡体

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JP2003268084A JP2002077378A JP2002077378A JP2003268084A JP 2003268084 A JP2003268084 A JP 2003268084A JP 2002077378 A JP2002077378 A JP 2002077378A JP 2002077378 A JP2002077378 A JP 2002077378A JP 2003268084 A JP2003268084 A JP 2003268084A
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 本発明に係るポリオールは、ラクチド
類、ラクタム類およびラクトン類の群から選ばれる少な
くとも1種の化合物を、アルキルグルコシド存在下、開
環重合して得られることを特徴とするポリオール。 【効果】 本発明に係るポリウレタン樹脂、ポリウレタ
ンフォームは、生分解性を有するとともに、優れた機械
物性を有し、原料となるポリオールの取り扱いが簡便で
ある。このようなポリウレタン樹脂は、自然環境に放出
された場合に従来技術に比較して安全である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリオール、その
製造方法、ポリウレタン樹脂、ポリウレタン発泡体(ポ
リウレタンフォーム)に関する。詳しくは、生分解性を
有するポリオール、その製造方法、ポリウレタン樹脂、
ポリウレタンフォーム、その用途に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】近年、プラスチック廃棄物による
環境汚染が世界的な問題となっている。この問題の最大
の原因は廃棄物の大部分を占めるポリスチレン、塩化ビ
ニル、ポリプロピレン等のプラスチックが生分解性をも
たない為、埋め立て処理されても土中にそのまま残存す
ることにある。また、焼却するにしても、一般的にプラ
スチック類は燃焼熱量が大きく、燃焼ガスによる大気汚
染の原因ともなる為、通常の焼却設備だけで対応するこ
とは困難である。また、リサイクルは徐々に普及しつつ
あるものの、そもそもリサイクルに対して不適当なプラ
スチック利用分野もかなりの部分を占めている。この様
な現状から、自然環境下で分解可能な生分解性プラスチ
ックの開発が行われている。既に、数多くの生分解性樹
脂が知られており、代表的にはポリグリコール酸やポリ
乳酸、ポリヒドロキシ酪酸、ポリヒドロキシ吉草酸、ポ
リカプロラクトンのようなポリヒドロキシカルボン酸類
や、多価アルコール類と多塩基酸類を重合して得られる
ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンアジペート等
の脂肪族ポリエステル類がよく知られている。また、ポ
リサクシンイミドのようなポリアミノ酸類や、糖蜜やセ
ルロース及びセルロース変性体、キチン、キトサン等の
糖類及びそれらの変性体、ゼラチンやセリシン、リグニ
ン等の蛋白質類変性体由来の樹脂、或いは植物油等由来
の天然高分子類等の利用も検討されつつある。
【0003】しかしながら、前記生分解性樹脂は、従来
の樹脂が使用される多くの用途に対して、物理的性質、
機械的性質、あるいは化学的性質において、従来の樹脂
の代替物として未だ不十分である。中でも特にポリ乳酸
は、無色透明である唯一の生分解性樹脂であり、引張り
強度が強く優れているものの、弾性や伸びに乏しく、脆
いという欠点があった。また、製造に大きな負荷がかか
るものも数多くあることから、様々な工夫が行われてき
た。
【0004】特開平11-255801号公報においては、セル
ロース誘導体から直接生分解性樹脂をうる方法が知られ
ている。しかし、これらの樹脂体は、硬質ウレタンフォ
ームや軟質ウレタンフォームの様に、自在に構造を制御
しながら成形する用途に用いるのは困難であった。この
ため、硬質ポリウレタンフォームや軟質ポリウレタンフ
ォーム等の原料に用いて得られた樹脂が生分解性を有す
る樹脂原料が望まれていた。
【0005】また、従来、ポリウレタンフォームに生分
解性を付与させるために、ポリオール化合物の一部ある
いは全部を生分解性高分子物質に代え、発泡剤の存在下
でイソシアネート化合物と反応させる試みが提案されて
いる。例えば、ポリオール化合物にセルロース等の多糖
粉末を混合し、イソシアネート化合物と反応させる方法
(特開平7−82336号公報)、リグノセルロース物
質または殿粉とポリオール化合物を反応させて液化した
後、イソシアネート化合物と反応させる方法(特開平4
−106128号公報、特開平7−10985号公報、
特開平7−11032号公報、特開平6−136168
号公報)、リグノセルロース物質をフエノール化合物等
を含んだ溶液に溶解液化した後、イソシアネート化合物
と反応させる方法(特開昭63−17961号公報)、
ポリオール化合物にセリシン等のタンパク質を混合し、
イソシアネート化合物と反応させる方法(中村邦雄ら、
繊維学会誌、Vol.51,No.3,P111−117
(1995))などが知られている。
【0006】しかしながら、いずれの方法においてもポ
リオール化合物の調製及び取扱いが煩雑であり、ポリウ
レタン樹脂、フォームを成形する上で、樹脂原料として
調製/取扱いの簡便な常温で液状また室温〜80℃程度
の温度で溶融するものが望まれていた。
【0007】
【発明の目的】本発明は、従来技術の問題点に鑑み、従
来の生分解性樹脂に比べて、物性が改善され、分解性を
有するポリウレタン樹脂またはフォーム、それらの製造
方法及びそれらを製造しうるポリオールを提供すること
を目的としている。また、自然環境に放出された場合に
従来技術に比較して安全であり、更には、反応時の負荷
が小さく、分解性、すなわち、加水分解性及び生分解性
を有する樹脂、発泡体及びその成形品、これらを与える
ポリオールを提供することを目的としている。
【0008】
【発明の概要】本発明者らは、上記問題を解決すべく鋭
意研究し、本発明のラクチド誘導体は、ラクチド類、ラ
クタム類およびラクトン類の群から選ばれる少なくとも
1種の化合物をアルキルグルコシド存在下、必要に応じ
て触媒、溶剤等を用いて開環重合して得られうるポリオ
ールを用いてポリウレタン樹脂およびフォームを製造す
ることにより上記課題を解決することを見出し発明を完
成するに至った。
【0009】即ち本発明は以下の発明を含んでいる。本
発明に係るポリオールは、ラクチド類、ラクタム類およ
びラクトン類の群から選ばれる少なくとも1種の化合物
を、アルキルグルコシド存在下、開環重合して得られる
ことを特徴としている。また、本発明に係るポリオール
は、ラクチド類から選ばれる少なくとも1種の化合物と
ラクタム類および/またはラクトン類の群から選ばれる
少なくとも1種の化合物とをアルキルグルコシド存在
下、開環重合して得られるものでもよい。
【0010】本発明に係るポリオールの製造方法は、ラ
クチド類、ラクタム類およびラクトン類の群から選ばれ
る少なくとも1種の化合物をアルキルグルコシド存在
下、開環重合して製造することを特徴としている。ま
た、本発明に係るポリオールの製造方法は、ラクタム類
およびラクトン類の群から選ばれる少なくとも1種の化
合物と、ラクチド類の群から選ばれる少なくとも1種の
化合物の混合物をアルキルグルコシド存在下、開環重合
して製造することを特徴としている。
【0011】本発明に係るポリオールは、下記一般式
(1)および/または(2)
【0012】
【化2】
【0013】で表されることを特徴としている:ただ
し、式(1)および/または(2)中、R1は炭素数1以
上18以下のアルキル基であり、R2〜R4及びR6のうち少
なくとも1種がラクチド類由来の繰り返し単位、ラクト
ン類由来の繰り返し単位およびラクタム類由来の繰り返
し単位から選ばれる少なくとも1種の繰り返し単位を含
有し、R5が炭素数1以上18以下のアルキレン基を表
す。
【0014】前記R2〜R4及びR6のうち少なくとも1種は
ラクチド類由来の繰り返し単位を含有することが好まし
い。前記R2〜R4及びR6のうち少なくとも1種はラクトン
類由来の繰り返し単位を含有するものでもよい。前記R2
〜R4及びR6のうち少なくとも1種はラクタム類由来の繰
り返し単位を含有するものでもよい。
【0015】前記R2〜R4及びR6のうち少なくとも1種は
該置換基中にラクチド類由来の繰り返し単位並びにラク
トン類および/またはラクタム類由来の繰り返し単位を
含有することが好ましい。前記R2〜R4及びR6のうち少な
くとも1種はラクチド類由来の繰り返し単位を含有し、
少なくとも1種はラクトン類および/またはラクタム類
由来の繰り返し単位を含有するものでもよい。
【0016】本発明に係るポリウレタン樹脂は、ラクチ
ド類、ラクタム類およびラクトン類の群から選ばれる少
なくとも1種の化合物をアルキルグルコシド存在下、開
環重合して得られるポリオールと、ポリイソシアネート
とを反応させて得られることを特徴としている。本発明
に係るポリウレタン樹脂は、ラクチド類から選ばれる少
なくとも1種の化合物とラクタム類および/またはラク
トン類の群から選ばれる少なくとも1種の化合物とをア
ルキルグルコシド存在下、開環重合して得られうるポリ
オールと、ポリイソシアネートとを反応させて得られる
ことを特徴としている。
【0017】本発明に係るポリウレタン発泡体は、ラク
チド類、ラクタム類およびラクトン類の群から選ばれる
少なくとも1種の化合物をアルキルグルコシド存在下、
開環重合して得られるポリオールと、ポリイソシアネー
トとを反応、発泡させて得られることを特徴としてい
る。本発明に係るポリウレタン発泡体は、ラクチド類か
ら選ばれる少なくとも1種の化合物とラクタム類および
/またはラクトン類の群から選ばれる少なくとも1種の
化合物とをアルキルグルコシド存在下、開環重合して得
られうるポリオールと、ポリイソシアネートとを反応、
発泡させて得られることを特徴としている。
【0018】
【発明の具体的説明】本発明のポリオールは、ラクチド
類、ラクタム類およびラクトン類の群から選ばれる少な
くとも1種の化合物をアルキルグルコシド存在下、必要
に応じて触媒、溶剤等を用いて開環重合して得られう
る。以下まずこれらの成分について説明する。
【0019】[ポリオール]本発明の生分解性を有するポ
リオールは、ラクチド類、ラクタム類およびラクトン類
の群から選ばれる少なくとも1種の化合物をアルキルグ
ルコシド存在下、開環重合して得られうるポリオールで
ある。分子中の水酸基に特に限定はないが通常、2ヶ以
上4ヶ以下であるが、アルキルグリコシドの水酸基をア
セチル基などで置換したジオール、トリオール等とし
て、開環重合することにより一分子中により多くの水酸
基を有するポリオールとしてもよい。
【0020】平均分子量に特に限定はないが、通常10
0以上1,0000以下であり、200以上7,000
以下が好ましく、200以上5,000以下が特に好ま
しい。水酸基価に特に限定はないが通常10mgKOH/g以
上1,000mgKOH/g以下であり、20mgKOH/g以上90
0mgKOH/g以下が好ましく、20mgKOH/g以上850mgKO
H/g以下が特に好ましい。
【0021】一分子中にラクチド類、ラクタム類および
ラクトン類のいずれか由来の骨格が好ましくは32質量
%以上98質量%以下、さらに好ましくは38質量%以
上98質量%以下、特に好ましくは38質量%以上88
質量%以下が更に好ましい。特にラクチド類由来の骨格
とラクタム類及び/又はラクトン類由来の骨格が含有さ
れていることが好ましく、そのモル比は10/90〜9
0/10が好ましく、20/80〜50/50が更に好ま
しく、20/80〜 30/70が特に好ましい。
【0022】このようなポリオールは、下記一般式
(1)および/または(2)
【0023】
【化3】
【0024】で表されるポリオールである。ただし、前
記式(1)および/または(2)中、R1は好ましくは炭
素数1以上18以下、さらに好ましくは炭素数1以上1
2以下、特に好ましくは1以上8以下のアルキル基であ
ることが望ましい。また、R2〜R4及びR6のうち少なくと
も1種がラクチド類由来の繰り返し単位、ラクトン類由
来の繰り返し単位およびラクタム類由来の繰り返し単位
から選ばれる少なくとも1種の繰り返し単位を含有して
いる。
【0025】すなわち、R2〜R4及びR6は、好ましくは、
少なくとも1種はラクチド類由来の繰り返し単位を含有
することが望ましい。また、前記R2〜R4及びR6は、好ま
しくは、少なくとも1種はラクトン類由来の繰り返し単
位を含有してもよい。さらに、前記R2〜R4及びR6は、好
ましくは、少なくとも1種はラクタム類由来の繰り返し
単位を含有してもよい。
【0026】このうち、前記R2〜R4及びR6のうち少なく
とも1種がこの置換基中にラクチド類由来の繰り返し単
位並びにラクトン類および/またはラクタム類由来の繰
り返し単位を含有することが望ましい。さらに、前記R2
〜R4及びR6のうち少なくとも1種がラクチド類由来の繰
り返し単位を含有し、少なくとも1種がラクトン類およ
び/またはラクタム類由来の繰り返し単位を含有しても
よい。このうち、少なくとも1種がラクチド類由来の繰
り返し単位により構成され、少なくとも1種がラクトン
類および/またはラクタム類由来の繰り返し単位により
構成されていることが望ましい。
【0027】前記式(1)または(2)中、R5は炭素数
1以上18以下、好ましくは炭素数12以下、さらに好
ましくは8以下のアルキレン基が望ましい。前記式
(1)(α誘導体)で表されるポリオールと、前記式
(2)(β誘導体)で表されるポリオールとはα体、β
体の異性体同士であり、本発明では、それぞれ単独でま
たは複数を併用して用いることができる。
【0028】<アルキルグルコシド類>本発明に用いら
れるアルキルグルコシド類は下記一般式(1)で表され
るものであればいずれでもよい。このようなポリオール
は、下記一般式(1a)(α誘導体)および/または
(2a)(β誘導体)
【0029】
【化4】
【0030】で表されるポリオールである。R1は炭素数
1以上18以下のアルキル基が好ましく、炭素数12以
下のアルキル基が更に好ましく、炭素数8以下が特に好
ましい。R5は炭素数1以上18以下のアルキレン基が好
ましく、炭素数12以下のアルキレン基が更に好まし
く、炭素数8以下が特に好ましい。
【0031】R2'〜R4'及びR6'は、少なくともいずれか
2つが水素原子であり、水素原子と異なるものは、アル
キルグリコシドの水酸基がアセチル基などで置換されて
いてもよい。これらの化合物の中で特にメチル−α−D
−グルコシド、メチル−β−D−グルコシドから得られ
るラクチド誘導体が常温で液状又は室温〜80℃の温度
で溶融できるので好ましい。
【0032】<ラクチド類、ラクタム類、ラクトン類>
本発明で用いることのできるラクチド類、ラクタム類、
ラクトン類は、具体的には、下記の結合を有するラクチ
ド類、ラクタム類、ラクトン類であることが望ましい。
【0033】
【化5】
【0034】なお、Rm、Rn、Rx、Ryはアルキレ
ン基等を表す。以下に具体的に説明する。 (ラクチド類)本発明で用いられるラクチド類として
は、具体的には、脂肪族ヒドロキシカルボン酸の2分子
環状エステルであることが望ましい。より具体的には、
乳酸の2分子環状エステルであるラクチド類、すなわち
L−ラクチド、D−ラクチド、D,L−ラクチド、MESO
−ラクチド;グリコール酸の2分子環状エステルである
グリコリド;エチルグリコール酸の2分子環状エステル
であるジエチルグリコリド;ジメチルグリコール酸等の
2分子環状エステルであるジメチルグリコリド、α,α
−ジメチルグリコリド等が挙げられる。
【0035】このなかでもグリコリド、L−ラクチドが
好ましい。 (ラクタム類)本発明に用いられるラクタム類としては
環内に -CONH- 基を持ち、アミド窒素の他に環内ヘテロ
原子を持たない単環式化合物で生分解性を有するものが
挙げられる。具体的には、例えばペンタノ-4-ラクタム
、4-ペンタンラクタム、5-メチル-2-ピロリドン、5-メ
チル-2-ピロリジノン 、ヘキサノ-6-ラクタム、6-ヘキ
サンラクタム 、ε-カプロラクタム、アゼパン-2-オ
ン、ヘキサヒドロ-2H-アゼピン-2-オン等が挙げられ
る。
【0036】このなかでもε-カプロラクタムが、好ま
しい。 (ラクトン類)本発明に用いるラクトン類としては、ヒ
ドロキシカルボン酸から誘導され,環内に -CO-O- 基を
持つ単環式化合物であり、生分解性を有するものが望ま
しい。具体的には、例えばβ―プロピオンラクトン、δ
―バレロラクトン、ドデカノラクトン、β−プロピオラ
クトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、ε
―カプロラクトン、α、α―ジメチルーβ―プロピオラ
クトン、βエチルーδ―バレロラクトン、αメチルーε
―カプロラクトン、β―メチルーε―カプロラクトン、
γ―メチルーε―カプロラクトン、3,3,5―トリメ
チルーε―カプロラクトン3,5,5−トリメチルーε
―カプロラクトン、エナントラクトン、ペンタノ-4-ラ
クトン、5-メチルテトラヒドロフラン-2-オン、ジヒド
ロ-5-メチル-2(3H)-フラノン、4-ペンタノリド、フェナ
ントレン-1,10:9,8-ジカルボラクトン、フェナントロ
[1,10-bc:9,8-b'c']ジフラン-2,10-ジオン、1,10:9,8-
フェナントレンビスカルボラクトン、2H-クロメン-2-オ
ン、2H-1-ベンゾピラン-2-オン、クマリン、D-グルコノ
-1,5-ラクトン、D-グルコン酸 δ-ラクトン、β-D-グル
コフラヌロノ-6,3-ラクトン、β-D-グルコフラヌロン酸
γ-ラクトン、 L-マンナロ-1,4:6,3-ジラクトン 、L-
マンナル酸 ジ-γ-ラクトン等が挙げられる。このなか
でもβ―プロピオンラクトン、γ−ブチロラクトン、δ
−バレロラクトン、ε―カプロラクトンが、好ましい。
【0037】<触媒>本発明のポリオールの製造反応に
おいて用いる触媒としては、通常環状エステルの開環反
応に用いられる触媒であればいずれでも用いることがで
きる。例えば、ナトリウムやカリウムなどのアルカリ金
属及びそのアルコキシドなど誘導体;トリエチルアルミ
ニウムで代表されるアルキルアルミニウム及びその誘導
体、チタン酸テトラブチル等のアルコキシチタン化合
物、2−エチルヘキサン酸すず等のオクチル酸スズ、ジ
ブチルスズラウレート等の有機金属化合物;塩化スズな
どの金属ハロゲン化物等が挙げられる。この中でも 2
−エチルヘキサン酸すず、二塩化すずが、取扱い上安全
性が高く、収率の点からも好ましい。
【0038】<溶剤>本発明のポリオールの製造には必
要に応じて溶剤を用いることができる。原料であるアル
キルグルコシド類、ラクチド類、ラクタム類、ラクトン
類を溶解するものであればいずれでも用いることができ
る。例えば、メタノール、エタノール、プロパノールの
ような低分子アルコール、およびアセトンのようなケト
ン、およびこれらの混合物が挙げられる。さらに、ポリ
オール類を用いることもできる。溶剤を用いる場合は、
ポリウレタンの原料となる活性水素化合物をもちいるこ
とが好ましい。特に、ポリエーテルポリオール、ポリエ
ステルポリオール、これらからえられうるポリマーポリ
オール等をもちいることが好ましく、生分解性を有する
活性水素化合物を用いることが特に好ましい。
【0039】<その他添加剤>本発明のポリオールの製
造では、必要に応じて開環重合時または開環重合終了
後、酸化防止剤、着色抑制剤等の安定剤、ウレタン化触
媒、可塑剤、充填剤、滑剤、耐電防止剤等の添加剤をポ
リオールに添加することができる。 <開環重合の条件>本発明のポリオールは、ラクチド
類、ラクタム類、ラクトン類の群から選ばれる少なくと
も1種の化合物をアルキルグルコシド、必要に応じて触
媒、溶剤、その他添加剤の存在下、開環重合することに
よって得ることができる。
【0040】製造されたポリオールを液状にするにはラ
クチド類とラクタム類及び/又はラクトン類とを共存さ
せて開環重合するか、ラクチド類又はラクタム類及び/
若しくはラクトン類のいずれかを開環重合し、他方を開
環重合することが好ましい。開環重合に際してはラクチ
ド類、ラクタム類、ラクトン類の必要量を予め添加して
おき、開環重合しても、それぞれを分割し、適宜順番を
決めて添加してもよい。また開環重合開始時にはそれら
のいずれかを開環重合し、一定時間経過後多の化合物を
添加してもよい。
【0041】ポリオールを製造する時には触媒を添加す
ることが好ましい。重合温度に特に限定はないが通常、
0℃〜300℃であり、好ましくは40℃〜200℃
で、特に好ましくは50〜150℃である。反応圧力に
も特に限定はないが通常、1〜10kg/cm2G、好ましくは
1〜5kg/cm2Gである。
【0042】反応時間にも特に限定はないが通常3時間
以下好ましくは1時間以下、更に好ましくは40分以下
である。反応装置もいずれの反応装置を用いてもよい
が、通常の攪拌翼を有する反応器、必要に応じてスタテ
ィックミキサーを有する管型反応器、単軸または2軸等
の複数軸の押出機やニーダ等をもちいることができ、反
応もバッチ、セミバッチ、連続のいずれの方法またはそ
れらを組み合わせてもよい。
【0043】また、本発明のポリオールを得るに際して
用いる原料および窒素、反応器等については十分に乾燥
させておくことが望ましい。 [ポリウレタン樹脂、発泡体]本発明で得られるポリウレ
タン樹脂、発泡体は本願発明のポリオールとポリイソシ
アネート化合物、必要に応じて他の活性水素化合物、触
媒、発泡剤、架橋剤、硬化促進剤、光安定剤、可塑剤、
酸化防止剤、熱安定化剤、充填剤、着色防止剤、顔料。
その他添加剤等の共存下反応させることにより製造する
ことができる。
【0044】本発明のポリウレタン樹脂、発泡体またそ
の成形物は加水分解性を有するので、所望の目的に使用
済み後、酸又はアルカリ水溶液中で加水分解することが
でき、また自然環境下で微生物の作用により生分解され
る。生分解性を有するポリウレタン樹脂、発泡体とは、
加水分解性と生分解性を有するものである。
【0045】すなわち、本発明のポリウレタン樹脂は、
酸又はアルカリの存在下に加水分解する分解性を有する
ばかりでなく、自然環境下において微生物の加水分解酵
素により加水分解する、いわゆる生分解性を有する。し
たがって、本発明のポリウレタン樹脂は、所望の目的、
例えば、成形品として使用した後に、加水分解して破棄
又はリサイクル使用が可能であったリ、また、例え、自
然環境に放棄されることがあったとしても地球環境を損
なうことのない、生分解性を有するポリウレタン樹脂で
ある。このような分解性を有するだけではなく、樹脂と
して、良好な強度、伸びや弾性を有する。生分解性樹脂
樹脂としての指標としては、 自然環境下でのフィール
ド・テスト、実験室内で微生物を使用する方法、および
特定酵素・微生物を用いる方法に大分される。既に発効
中の試験方法を含め、(1)フィールド・テスト(2)
特定酵素・微生物法(3)活性汚泥法を含む好気的水系
試験、(4)好気的コンポスト法(5)好気的土壌系試
験(6)嫌気的試験法が挙げられる。
【0046】本発明から得られたサンプルに関しては、
好気的水系試験方法として、国際規格FDIS1485
1の中で、自然環境下での分解を反映する標準試験法と
して採用されている閉鎖系酸素消費量測定装置を用いて
判断することができる。その他の方法として、ISO/
FDIS14852として採用された、土壌懸濁液、コ
ンポスト懸濁液を用いて、二酸化炭素発生量を測定する
方法も有効である。FDIS14851と14852の
試験期間は、フラットに達するまで、最大6ヶ月であ
り、終了時の対象物質の分解度60%以上で試験は、有
効とされる。
【0047】<その他活性水素化合物>本発明において
は、本発明のポリオールの他に必要に応じて通常のポリ
ウレタン樹脂、発泡体の製造に用いられる活性水素化合
物を用いることができる。活性水素化合物としてはアミ
ン化合物のごとく窒素原子上に活性水素を有する化合物
やポリオール化合物のごとく酸素原子上に活性水素を有
する化合物をもちいることができる。
【0048】窒素原子上に活性水素原子を有する活性水
素化合物の具体例としては、例えばメチルアミン、エチ
ルアミン、ノルマル-プロピルアミン、イソプロピルア
ミン、ノルマル-ブチルアミン、イソブチルアミン、sec
-ブチルアミン、tert-ブチルアミン、シクロヘキシルア
ミン、ベンジルアミン、β-フェニルエチルアミン、ア
ニリン、o-トルイジン、m-トルイジンまたはp-トルイ
ジン等の炭素数1ないし20個の脂肪族または芳香族一級
アミン類であり、ジメチルアミン、メチルエチルアミ
ン、ジエチルアミン、ジ-ノルマル-プロピルアミン、エ
チル-ノルマル-ブチルアミン、メチル-sec-ブチルアミ
ン、ジペンチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、n-メ
チルアニリンまたはジフェニルアミン等の炭素数2ない
し20個の脂肪族または芳香族二級アミン類であり、エチ
レンジアミン、ジ(2-アミノエチル)アミン、ヘキサメ
チレンジアミン、4,4'-ジアミノジフェニルメタン、ト
リ(2-アミノエチル)アミン、n,n'-ジメチルエチレン
ジアミン、n,n'-ジエチルエチレンジアミンまたはジ(2
-メチルアミノエチル)アミン等の炭素数2ないし20個の
2ないし3個の一級もしくは二級アミノ基を有する多価ア
ミン類であり、ピロリジン、ピペリジン、モルホリンま
たは1,2,3,4-テトラヒドロキノリン等の炭素数4ないし2
0個の飽和環状二級アミン類であり、3-ピロリン、ピロ
ール、インドール、カルバゾール、イミダゾール、ピラ
ゾールまたはプリン等の炭素数4ないし20個の不飽和環
状二級アミン類であり、ピペラジン、ピラジンまたは1,
4,7-トリアザシクロノナン等の炭素数4ないし20個の2な
いし3個の二級アミノ基を含む環状の多価アミン類であ
り、アセトアミド、プロピオンアミド、n-メチルプロピ
オンアミド、n-メチル安息香酸アミドまたはn-エチルス
テアリン酸アミド等の炭素数2ないし20個の無置換また
はn-一置換の酸アミド類であり、2-ピロリドンまたはε
-カプロラクタム等の5ないし7員環の環状アミド類であ
り、こはく酸イミド、マレイン酸イミドまたはフタルイ
ミド等の炭素数4ないし10個のジカルボン酸のイミド類
である。
【0049】本願発明の方法における活性水素化合物の
うち、酸素原子上に活性水素原子を有する活性水素化合
物としては、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、
1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタ
ンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサ
ンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ジ
グリセリン、ペンタエリスリトールまたはジペンタエリ
スリトール等の炭素数2ないし20個の2ないし8個の水酸
基を有する多価アルコール類であり、グルコース、ソル
ビトール、デキストロース、フラクトースまたはシュク
ロース等の糖類またはその誘導体であり、フェノール、
2-ナフトール、2,6-ジヒドロキシナフタレンまたはビス
フェノールA等の炭素数6ないし20個の1ないし3個の水
酸基を有する芳香族化合物類であり、ポリエチレンオキ
シド、ポリプロピレンオキシドまたはそれらのコポリマ
ー等であって2ないし8個の末端を有しその末端に1ない
し8個の水酸基を有するポリアルキレンオキシド類であ
る。
【0050】また、上記活性水素化合物やカルボン酸等
の開始剤とエチレンオキサイド、プロピレンオキサイ
ド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付
加重合して得られたポリオキシアルキレンポリエーテル
やテレフタル酸等から得られるポリエステルポリオール
等を挙げることができる。このなかでも自身が生分解性
を有する化合物が好ましく、例えば糖類等が挙げられ
る。より具体的に糖類とは、単糖類、二糖類、オリゴ
糖、多糖類、及び/又はそれらの誘導体、変性体を指
し、例えば単糖類の具体例としては、エリトロース、ト
レオース、リボース、アラビノース、キシロース、リキ
ソース、アロース、アルトロース、グルコース、マンノ
ース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース、
フルクトース、グルコピラノース、グルコフラノース、
ガラクトフラノース、アラビノピラノース、フルクトピ
ラノース、2−デオキシリボース、キシルロース、リブ
ロース、セドヘプツロース、ラムノース、フコース、グ
ルコサミン、ガラクトサミン 等が挙げられる。これら
は光学異性体の存在比を問わず、これらの1種又は2種
以上からなる二糖類、多糖類であってもよく、エノール
化体、酸化体、還元体、グリコシド等の変性体であって
もよく、また、それらの混合物や糖蜜であってもよい。
本発明で使用される糖類には、もちろんこれらが長鎖を
形成したセルロース、硝酸セルロース、酢酸セルロー
ス、エチルセルロース、セルロイド、ビスコースレーヨ
ン、再生セルロース、セロファン、キュプラ、銅アンモ
ニアレーヨン、キュプロファン、ベンベルグ、ヘミセル
ロース、澱粉、アラビアゴム、グアーガム、ローカスト
ビーンガム、アカシアガム、キチン、キトサン等やその
変性体でもよく、ポリオールとして使用しうる糖類であ
れば特に限定されるものではない。
【0051】<ポリイソシアネート化合物>本願発明に
用いられるイソシアネート化合物としては、ポリウレタ
ンの製造に用いるものであれば用いることができる。こ
れらのイソシアネートは、単独でも複数を併用してもよ
く、それらのヌレート変性、プレポリマー変性、ウレト
ジオン変性等の変性をした変性体を用いてもよく、複数
のポリイソシアネートや変性体をそれぞれ併用してもよ
い。
【0052】脂肪族ポリイソシアネート化合物として
は、1、6−ジイソシアナトヘキサン(HDI)等をあ
げることができる。脂環族ポリイソシアネート化合物と
しては、2、5−または2、6−ビスイソシアナトメチ
ル−ビシクロ[2、2、1]ヘプタン(NBDI)、3、
3、5−トリメチル−1−イソシアナト−5−イソシア
ナトメチルシクロヘキサン(IPDI)、1、6−ビス
イソシアナトメチルシクロヘキサン(H6−XDI)、
1、6−ジイソシアナトヘキサン(HDI)、ビス
(4、4’イソシアナトシクロヘキシル)メタン(H12
−MDI)をあげることができる。
【0053】芳香族に少なくとも2ヶのイソシアネート
基が直接結合する化合物としては、具体的に、4,4’
−ジフェニルメタンジイソシアナート(4,4’−MD
I)、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート
(2,4’−MDI)、2,4−トルエンジイソシアナ
ート(2,4−TDI)、2,6−トルエンジイソシア
ナート(2,6−TDI)およびこれらの2量体、3量
体または多量体、あるいはそれらの混合物である粗製T
DI、粗製MDIと称されるもの、並びにこれらの混合
物が挙げられる。
【0054】芳香族基に直接結合しない少なくとも2個
のNCO基を有するイソシアネート化合物としては、
1、6−ビスイソシアナトメチルベンゼン(XDI)等
をあげることができる。このなかでも生分解性の向上及
び/又は透明性の向上の為には脂肪族ポリイソシアネー
ト化合物、脂環族ポリイソシアネート化合物が好まし
く、多環式脂環族がさらに好ましく、2、5−および
2、6−ビスイソシアナトメチル−ビシクロ[2、2、
1]ヘプタン(NBDI)(a−1)、NBDIから得
られる変性体(a−2)を少なくとも20質量%含むこ
とが特に好ましい。(a−1)/(a−2)の好ましい
混合質量比率は99/1〜60/40である。
【0055】多環式ポリイソシアネートとしては下記式
(3)〜(8)で表されるようなノルボルナン環を有す
る多環式ポリイソシアネートが好ましく、そのなかでも
下記式(3)で表されるものが好ましい。
【0056】
【化6】
【0057】前記式(3)で表されるイソシアネート
は、NBDIのイソシアナトメチル基の2,5−置換体
と2,6−置換体のそれぞれ単独又は混合物を表すもの
である。NBDIの変性体としては、例えば、式(4)
で表されるNBDIのイソシアヌレート体、またはその
ブロック体が挙げられる。
【0058】
【化7】
【0059】また下記式(5)で表されるNBDIのウ
レトジオン体、又はそのブロック体、
【0060】
【化8】
【0061】下記式(6)で表されるNBDIのビュレ
ット体、又はそのブロック体、
【0062】
【化9】
【0063】下記式(7)で表されるNBDIのトリメ
チロールプロパンアダクト体、又はそのブロック体、
【0064】
【化10】
【0065】下記一般式(8)で表されるNBDIのポ
リカルボジイミド体(Zは1以上の整数)
【0066】
【化11】
【0067】などが挙げられる。これらは、合成又は入
手の容易さから好ましいが、これらに限定されるもので
はなく、また、NBDI及び/又はその変性体の2種以
上を併用してもよい。 <触媒>触媒としては、通常ウレタン発泡に用いられる
公知の触媒すべてを使用することができる。
【0068】例えば、トリメチルアミノエチルピペラジ
ン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、N−メチ
ルモルフォリン、N−エチルモルフォリン、トリエチレ
ンジアミン、テトラメチルヘキサメチレンジアミン、ジ
メチルシクロヘキシルアミン、ジアゾビシクロウンデセ
ン、1,3,5−トリス(ジメチルアミノプロピル)ヘ
キサヒドロ−s−トリアジン等のトリアジン類、2−エ
チルアジリジン等のアジリジン類等のアミン系化合物、
3級アミンのカルボン酸塩等の4級アンモニウム化合
物、アリルグリシジルエーテル、ポリアルキレングリコ
ールジグリシジルエーテル、スチレンオキサイド等のア
ルカリ金属塩、ナフテン酸鉛、オクチル酸鉛等の鉛化合
物、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート
等の錫化合物、ナトリウムメトキシド等のアルコラート
化合物、カリウムフェノキシド等のフェノラート化合
物、塩化鉄、塩化亜鉛、臭化亜鉛、塩化錫等の金属ハロ
ゲン化物、アセチルアセトン金属塩等の金属錯化合物等
を挙げることができる。
【0069】これらの触媒は、単独または、2種以上併
用して用いることができ、その使用量は、ポリオール1
00質量部に対して、0.001〜15.0質量部が適
当である。 <発泡剤>本発明において、ポリウレタンフォームを製
造する際には発泡剤を用いることができ、このような発
泡剤としてはウレタンの発泡体の製造に供することがで
きるものであれば、水、二酸化炭素、炭化水素類、ハイ
ドロクロロフロロカーボン類、ハイドロフロロカーボン
類、ハイドロフロロエーテル類いずれを用いても良い
が、水、二酸化炭素などの環境負荷の少ない発泡剤を使
用することが好ましい。
【0070】水はポリイソシアナートと反応して二酸化
炭素を発生することにより発泡剤として使用され、ポリ
オール100質量部に対して、0.5質量部〜10質量
部が好ましく、さらに好ましくは2質量部〜8質量部が
適当である。これら発泡剤は、単独で使用してもよい
が、複数を併用して用いてもよい。例えば水と二酸化炭
素、水とメタン、エタン、プロパン、ペンタン、イソペ
ンタン、シクロペンタン等低沸点炭化水素類、水とハロ
ゲン化炭化水素等を併用することができる。
【0071】<架橋剤>ポリウレタン樹脂、フォームの
製造においては、架橋剤は特に使用しなくてもよいが、
使用する場合には水酸基価200〜1800mgKOH/gの化合物
が用いられる。例えばグリセリン等の脂肪族多価アルコ
ール類、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等
のアルカノールアミン類等が用いられる。また水酸基価
200〜1800mgKOH/gのポリオキシアルキレンポリオール
が用いられる他、従来公知の架橋剤が0.5部〜10部
の間で任意の量使用できる。
【0072】<整泡剤>ポリウレタン樹脂、フォームの
製造には、整泡剤を用いることもできる。整泡剤として
は、従来公知の含珪素有機系の界面活性剤が用いられ
る。例えば、日本ユニカ−(株)製のSZ−1127、
SZ−1142、SZ−1605、SZ−1642、S
Z−1649、SZ−1655、L−580、L−57
40、L−5420、L−5421等、東レ・ダウコー
ニング・シリコーン(株)製のSF−2961、SF−
2962、SF−2969、SF−2935F、SF−
2938F、SF−2940F、SF−2945F、S
F−2908、SRX−294A、SRX−274C、
SH−190、SH−192、SH−193等、信越化
学工業(株)製のF−327、F−345、F−30
5、X−20−1328等が適当である。これらの整泡
剤の使用量は、ポリオールと有機ポリイソシアネートの
総和100質量部に対して0.01〜10質量部であ
る。
【0073】<ポリウレタン樹脂、発泡体製造用溶媒>
ポリウレタン樹脂、フォームの製造に必要には応じて溶
媒を使用することができ、使用できる溶媒としては、例
えば、水、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレ
ン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、塩化メチ
レン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、ト
リクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエ
タン、テトラクロロエチレン、テトラヒドロフラン、
1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、
N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロ
リドン、1,3−ジメチル−2−イミドゾリジノン、ジ
メチルスルホキシド、スルホラン等が挙げられるが特に
制限はない。
【0074】<樹脂の製造条件>本願発明においては、
反応温度は使用する前記ポリオールや生成するポリウレ
タン樹脂の種類にも依存する為、特に限定されないが、
通常無溶媒下では溶融条件下で行うので、60〜250
℃の温度域で反応が行われる。また、溶媒存在下では通
常室温〜溶媒の沸点の領域で反応が行われる。本発明に
おいては、ポリオールとNBDIを反応させて、実質的
にポリマー鎖末端がイソシアネート基であるプレポリマ
ーを調製した後に、更に反応を行って分解性を有するポ
リウレタン樹脂とすることもできる。例えば、直鎖状の
脂肪族ポリエステルポリオールとNBDIを反応させ、
実質的にイソシアネート基末端としてから、水の存在下
にウレタン発泡体としたり、カルボジイミド化触媒の存
在下に生分解性ポリカルボジイミドとしたりすることも
できる。発泡体とすることによりの分解性または生分解
性を有する発泡ポリウレタンを得ることができる。
【0075】<ポリウレタン樹脂>以上のようにして得
られる本発明のポリウレタン樹脂あるいはポリウレタン
フォームは、前記ポリオールとNBDIとの反応により
生成するウレタン結合以外にも、例えば、ウレア結合や
アミド結合、カルボジイミド結合、アロファネート結
合、ビュレット結合、イソシアヌレート結合、ウレトン
イミン結合、イミド結合等を樹脂構造中に有していても
よいが、特に限定されるものではない。これらの結合
は、使用するNBDI及び/又はその変性体の種類や、
前記ポリオールが有する官能基の種類、或いは反応条件
等により任意に選択することができる。例えば、イソシ
アヌレート結合を有する分解性及び生分解性を有するポ
リウレタン樹脂を得る為には、NBDIのイソシアヌレ
ート体を原料として使用したり、或いは予めポリオール
とNBDIとを反応させて末端官能基をイソシアネート
基とした後にイソシアヌレート化触媒の存在下に反応さ
せることによりイソシアヌレート結合を有する分解性及
び生分解性ポリウレタン樹脂とすることもできる。特に
本発明において、得られる分解性を有するポリウレタン
樹脂は、生分解性樹脂として、従来の生分解性樹脂には
ない硬さを備えているにもかかわらず、同時に弾性や柔
軟性にも優れており、また、カルボジイミド結合やイミ
ド結合等のような特定の結合様式においては耐熱性、耐
薬品性を付与することから分解性及び生分解性樹脂とし
て新たな用途の開発を図ることもできる。
【0076】<ポリウレタン樹脂製造用硬化促進剤>ポ
リウレタン樹脂をバインダーとして用いる場合、硬化促
進剤をポリウレタン樹脂の製造に用いることができる。
このようなポリウレタン樹脂としては、ポリウレタンバ
インダーの硬化を促進するものであればいずれでもよく
特に限定はない。
【0077】好ましくは、アミン又はポリオールの少な
くとも一方と、触媒を含有し、その使用量が前記ウレタ
ンプレポリマー100質量部に対し、5〜50質量部で
ある。又アミンとポリオールからなり、その当量比(ア
ミン/ポリオール)が0/10を越え9/1以下である
ことが好ましく、アミン又はポリオールの少なくとも一
方またはその混合物を主成分とすることが更に好まし
い。9/1以下で反応が早く、可使時間を十分確保する
ことができる。又他に触媒を必須とし、必要に応じて着
色剤、可塑剤、溶剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、無機
充填剤等を使用してもよい。触媒はその反応活性により
おのおの添加量の最適値が異なるが、目安として硬化促
進剤100質量部中に0.01〜10質量部が好まし
い。特に10質量部以下で反応が早すぎ、可使時間が短
くなることを避けることができる。更に硬化促進剤に含
まれる触媒が、鉛化合物を含むことが特に好ましい。又
触媒として錫化合物を併用してもよい。
【0078】<用途>本発明のポリウレタン樹脂は、生
分解性樹脂として、強靭でありながら、同時に弾性や柔
軟性を備えているので、様々な用途に使用することがで
きる。従って、本発明のポリウレタン樹脂は、ポリマー
フィルムやポリマーシート、チューブ、ポリウレタンフ
ォーム、繊維としての一般的加工により得られる用途の
他に、例えば、短繊維、長繊維、不織布、多孔性基材、
排便袋、ゴミ袋、土嚢、保温ケース、食品トレー、ラッ
プフィルム、箸、スプーン、フォーク、コップ、スポン
ジ、ボトル、吸水シート、保湿シート、農業用マルチン
グフィルム、ディスクケース用基材、ポリマーステープ
ル、カード基材、ブリスターパック、たばこ煙用フィル
ター、紙等のコーティング剤、ラミネート、涙道せき止
め用ロッド、紙力剤、感熱紙や感圧紙用のマイクロカプ
セル、医薬用マイクロカプセル、徐放製剤、肥料や土壌
改良剤用マイクロカプセル、縫合糸、縫合糸クリップ、
注射筒、使い捨て衣料、外科用器具、複合半透膜、骨折
等治療用支持体または骨接合材、移植用装具または移植
片、釣り糸、魚網、疑似餌、骨壷、ネイルポリッシャ
ー、浴用軽石、園芸用器材、防臭剤マイクロカプセル又
は容器及び包装、芳香剤マイクロカプセル又は容器及び
包装、ラベル用収縮フィルム、接着剤、ホットメルト接
着剤、回収古紙収納容器、梱包用バンド、接着テープ、
緩衝材、コイン包装用フィルム、塗装用マスキングフィ
ルム、眼鏡フレーム等に使用することができる。このよ
うな用途に本発明のポリウレタン樹脂の有する分解性、
特に、生分解性と樹脂としての優れた物性を活かして広
く適用できる。
【0079】本発明においては、特に脂肪族ヒドロキシ
カルボン酸とNBDIとの反応で得られる生分解性を有
するポリウレタン樹脂は、その強靭さと透明性から、包
装材料としてポリマーフィルム、ポリマーシート、ディ
スクケース基材、カード基材の材料として優れている。
また、本発明のポリウレタン樹脂は、繊維にした場合の
しなやかな質感のため服飾繊維や不織布としての利用に
適している。
【0080】ポリマーフィルムやポリマーシート、ディ
スクケース用基材或いはカード基材等の成形物を製造す
るにあたっては、その方法としては、例えば、溶液キャ
スト法、カレンダー法等が挙げられる。溶液キャスト法
で行う場合は、溶媒として例えば、クロロホルム、塩化
メチレン、ベンゼン、アセトニトリル、アセトン、トル
エン、キシレン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメ
チルスルホキシド、1−メチル−2−ピロリドン、1,
3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等を用いて溶液と
した後、平滑な面上にキャストし、溶媒を除去すること
により行われるが、使用される溶剤は特に限定されるも
のではない。
【0081】また、溶融押し出し成形をする場合には、
公知のTダイ法、インフレーション法等が適用される。
押し出し温度は、製造する樹脂の種類によって溶融温度
が異なるので特に限定されないが、通常100〜280
℃の温度範囲である。成形温度が低いと、成形安定性が
得難く、また過負荷に陥り易い。逆に成形温度が高い
と、ポリマーが分解する場合があり、分子量低下、強度
低下、着色等を起こすことがある。
【0082】本発明に係るポリマーフィルムやポリマー
シート等は、未延伸のものでも延伸されたものでもよい
が、剛度、成形加工性、機械強度、硬さ、衝撃強度、寸
法安定性、耐折り曲げ性等の向上の為には得られたフィ
ルム又はシート等を一軸延伸又は二軸延伸することが好
ましい。一軸延伸する場合には、縦方向又は横方向に通
常1.1〜5倍延伸する。二軸延伸の場合は、一軸目の
延伸と二軸目の延伸を逐次行っても、同時に行ってもよ
い。延伸温度は、用いるポリウレタン樹脂の構造・構成
により異なる為、特に制限はないが、ポリマーのTg
(ガラス転移温度)乃至(Tg+50℃)の範囲が好ま
しい。この温度範囲よりも高温になると、延伸による強
度向上が認められない場合が有る。また、得られる成形
物は成形後に、Tg以上融点未満の温度で熱処理を行っ
てもよい。熱処理時間は通常1秒〜30分間である。
【0083】
【発明の効果】本発明に係るポリウレタン樹脂、ポリウ
レタンフォームは、生分解性を有するとともに、優れた
機械物性を有し、原料となるポリオールの取り扱いが簡
便である。このようなポリウレタン樹脂は、自然環境に
放出された場合に従来技術に比較して安全である。
【0084】
【実施例】以下に本願発明の実施例を示し、本発明の態
様を明らかにするが、本発明はこれら実施例に限定され
るものではない。 <ポリオールの合成例原料>ポリオールの合成に下記化
合物を用いた。 ・ε-カプロラクトン(ダイセル化学工業(株)製) ・メチル-α-D-グルコシド(ナカライテスク製) ・2-エチルヘキサン酸すず(II)(SnEht2、和光
純薬工業(株)製) ・L-ラクチド(ピューラック社製) (ε-カプロラクトンの蒸留)ナシ形フラスコに、順に
クライゼン形連結管、リービッヒ冷却管、三足蒸留分岐
管、ナス形フラスコを連結し、また、三足蒸留分岐管は
真空一定装置へと連結した。クライゼン管にはキャピラ
リー、温度計をセットした。
【0085】あらかじめ120℃に設定したオイルバス
中に未精製ε-カプロラクトンの入ったナシ形フラスコ
を沈め、ナシ形フラスコ内の圧力を徐々に11〜12m
mHgへと減圧した。蒸気温度が一定となったところ
で、蒸気温度97〜102℃のものを本留分として回収
した。本留分の入ったナス形フラスコに乾燥窒素を大量
に吹き込んで窒素置換し密栓をして、使用するまで4℃
の冷蔵庫内で保管した。
【0086】(ポリオールの調製)気乾状態のメチル-
α-D-グルコシドを質量既知の200ml容四つ口フラ
スコに秤り取り、12時間以上60℃で真空乾燥し室温
まで冷却後、絶乾メチル-α-D-グルコシドの質量を測
定し、その絶乾質量に対して1〜20倍の質量の精製し
たε-カプロラクトン及び/あるいはL-ラクチドを秤り
入れた。
【0087】撹拌機を取り付け、あらかじめ150℃に
設定しておいたオイルバス中に沈め、乾燥窒素気流下で
30分間撹拌した。ただし、L-ラクチドを含むもの
は、L-ラクチドが粉体であるためL-ラクチドが溶解し
てから攪拌を開始した。その後、2-エチルヘキサン酸
すず(II)を、メチル-α-D-グルコシドとε-カプロラ
クトン及び/あるいはL-ラクチドの合計質量に対して
1/300の質量比で加え、150分反応させた。
【0088】反応時間経過後、直ちにフラスコをオイル
バスから引き上げて反応を停止させ、サンプル管にフラ
スコの内容物を移し、乾燥窒素を大量に吹き込んで窒素
置換し、4℃の冷蔵庫内で保管した。 <水酸基価の同定方法>実施例で製造したポリオールの
水酸基価を下記の通り測定した。測定に用いた化合物は
下記の通りである。 ・無水フタル酸(特級、ナカライテスク製) ・イミダゾール(特級、ナカライテスク製) ・1規定水酸化ナトリウム水溶液(容量分析用、ナカラ
イテスク製) ・1,4-ジオキサン(特級、ナカライテスク製) (水酸基価の測定)実施例から得られたポリオールを用
いて、ポリウレタン発泡体を調製する際に用いるイソシ
アネート質量を算出するため、水酸基価の測定を行っ
た。測定方法は、以下の通りである。
【0089】ビーカーに得られたポリオール約1gを精
秤し、フタル化剤25mlを正確に加えた。フタル化剤
は、無水フタル酸150gを1,4-ジオキサン100
0mlに十分溶解させた後、イミダゾール24.2gを
加えて溶解させたものを用いた。ガラス製沸騰石を2個
程度入れラップで中央がくぼむようにしてふたをし、1
10〜130℃のホットプレート上において、沸騰を開
始してからさらに20分間煮沸させてフタル化反応を行
った。その後、水浴中で室温まで冷却してから、1,4
-ジオキサン50ml、脱イオン水25mlを加えてよ
く撹拌した。
【0090】内容物が完全に溶解したところで、京都電
子工業(株)製、電位差自動滴定装置AT−510を用
いて1規定水酸化ナトリウム水溶液をビュレットから滴
下し、pHメーターによるpH8.5〜12の変曲点で
終点判断する滴定を行った。また、フタル化剤のみを煮
沸したブランクの滴定も併せて行い、以下の計算式にし
たがって水酸基価を求めた。なお、測定は1つのサンプ
ルにつき2回ずつ行い、その平均値をデータとして用い
た。
【0091】
【数1】
【0092】<分子量分布の同定例>実施例から得られ
たポリオールを用いて、以下の手順でゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフィー(GPC)による分子量分布の
測定を行った。0.05gの資料を秤り取り、溶媒とし
てテトラヒドロフランを10ml加えて試料が溶解する
まで静置し、東ソー(株)製ゲルパーミエーションクロ
マトグラフHLC8020を用いて、分子量分布の測定
を行った。なお、測定条件は以下のとおりである。 ・カラム:TSKgel G2000HHR及びTSKg
el G1000HHRを二本連結して使用。(カラムサ
イズ:7.8mmID×300mm;排除限界:TSK
gel G2000HHR:1×104、TSKgel
G1000HHR:1×103) ・流速:1ml/min ・移動相:テトラヒドロフラン[安定剤含有](液体ク
ロマトグラフィー用) ・試料濃度:0.5%(W/V) ・試料注入量:100μl ・カラム温度:40℃ ・検出器:RI ・標準較正試料:ポリエチレングリコール <示差走査熱量計(DSC)による熱分析例>DSC測
定は、セイコー電子工業(株)製、DSC6200/E
XSTAR6000を使用した。図1のプログラムにし
たがって、昇温にともなう吸発熱を測定した。測定条件
は以下の通りである。ガラス転移温度(Tg)は、DS
Cサーモグラムのベースラインシフトの中間点、融点
(Tm)は、吸熱および発熱ピークの頂点の温度とし
た。
【0093】 試料質量:約10mg パン:アルミニウム密閉パン 雰囲気ガス:窒素 ガス流量:40ml/min
【0094】
【実施例1】200ml容の四つ口フラスコに60℃で
12時間以上真空乾燥させたメチル-α-D-グルコシド
(MG)42.03g、及びε-カプロラクトン(C
L)84.10gを仕込み、150℃に設定したオイル
バスにつけ、30分間、150rpmで攪拌した。その
後、2-エチルヘキサン酸すず(II)を0.500g加
え、150分間150℃、150rpmで反応を行い、
ポリオールを調製した。このポリオールの水酸基価は4
09.93mgKOH/gであり、数平均分子量は40
4、質量平均分子量は523であった。
【0095】
【実施例2】気乾状態のメチル-α-D-グルコシドを2
00ml容の四つ口フラスコに20.17g秤り取り、
12時間60℃で真空乾燥を行った。これを室温まで冷
却して、絶乾質量を量ったところ20.15gであっ
た。この絶乾メチル-α-D-グルコシドに、精製したε-
カプロラクトンを80.63g加え、150℃に設定し
たオイルバス中、150rpmで30分間攪拌した。そ
の後、2-エチルヘキサン酸すず(II)を0.375g
加え、150分間150℃、150rpmで反応を行
い、ポリオールを調製した。このポリオールの水酸基価
は234.83mgKOH/gであり、数平均分子量は
353、質量平均分子量は767であった。
【0096】<ポリオール調製時の経過観察/MG−C
L>メチル-α-D-グルコシドの水酸基を開始点とし
て、ε-カプロラクトンを単一で開環重合させたポリオ
ール調製時の場合の反応経過は以下のようであった。メ
チル-α-D-グルコシド/ε-カプロラクトンの液比が1
/2より大きい場合は、反応前の攪拌の段階でメチル-
α-D-グルコシドがε-カプロラクトンに溶解した。触
媒を加えると液比1/2の場合もメチル-α-D-グルコ
シドがε-カプロラクトンに溶解し、すべての反応物が
琥珀色に呈色した。反応が進むにしたがって、液比が高
い場合は、やや白濁してきた。反応後は、液比が1/1
から1/3の場合は、常温で琥珀色の液体のままであっ
たが、他のものは白濁して固化した。特に、液比が5以
上の場合は、非常に凝固性が高かった。しかし、系の温
度を60℃以上に昇温した場合、液状化した。
【0097】<分子量特性/MG−CL>メチル-α-D
-グルコシドの水酸基を開始点として、ε-カプロラクト
ンを単一で開環重合させたポリオールの分子量特性を以
下に示した。GPC測定によって得られた重量平均分子量
(Mw)を表1に示す。
【0098】
【表1】
【0099】ε-カプロラクトン/メチル-α-D-グルコ
シドの比率、すなわち、液比が大きくなるにつれて分子
量が大きくなることが明らかとなった。それらに対応し
た分子量分布曲線を横軸に保持時間をとった形で図2〜
4に示した。曲線のプロフィールから、ε-カプロラク
トンの比率が大きくなるにつれ、個々に分離されていた
低分子量物のピークが消失し、単一のピークに近づいて
いくということが示された。
【0100】すなわち、メチル-α-D-グルコシド/ε-
カプロラクトンの液比が1/2と小さく、メチル-α-D
-グルコシドに導入された鎖の長さも平均値として小さ
い場合、クロマトグラムに微細なピーク集団が認められ
た。これは、低分子量物の場合、メチル-α-D-グルコ
シドに導入されるε-カプロラクトンの数が、1つ違う
だけでも分子の慣性半径サイズに与えられる影響が大き
く、それぞれがはっきりと分離されたピークとして示さ
れたものと言える。メチル-α-D-グルコシド/ε-カプ
ロラクトンの液比が1/5(図3)、さらには、1/2
0(図4)と大きくなるにつれ、得られるポリオールは
高分子量化するため、導入されるε-カプロラクトンモ
ノマー数の増減に対して、分子の慣性半径の違いが僅少
となる。従って、いくら理論段数の高いカラムを用いた
としてもGPCのカーブとして個々に分離しきれなくな
る。結果として、クロマトグラム上で分離されて現れて
いた低分子量区分が消失して行き、シングルピークに近
付いて行く、ということが、図2〜4の比較からわか
る。
【0101】なお、上記の議論は、ここで行った開環重
合は、メチル-α-D-グルコシドの水酸基と2-エチルヘ
キサン酸すず(II)の両者が、触媒系を形成して進むも
のであり、反応系に水が存在しない場合、選択的にメチ
ル-α-D-グルコシドの水酸基を起点とした開環重合の
みが進行し、ホモポリマーを生じない、という前提で行
ったものである。
【0102】<熱的特性/MG−CL>メチル-α-D-
グルコシドの水酸基を開始点として、ε-カプロラクト
ンを単一で開環重合させたポリオールの熱的特性を以下
に示した。図5にMGにCLのみを重合させたポリオー
ルのDSC測定結果を示した。また、表1にこれらのT
gおよびTmを示した。これらの結果から、メチル-α-
D-グルコシド/ε-カプロラクトンの液比が1/2、1
/5の場合と1/10、1/15、1/20の場合とで
は、熱的な性質が大きく異なることが理解できる。液比
が1/2の場合は、Tgは観測できるものの、結晶状態
であることを示す融解ピークは見られない。液比が1/
5の場合においてもほとんど融解ピークは認められな
い。
【0103】一方、液比が1/10を越えると45℃か
ら50℃あたりに2つの融解ピークが見られた。融解ピ
ークの温度は、液比の増加とともに上昇し、また液比が
高くなるにしたがって2つのピークのうち、温度の低い
ものが見られなくなった。一方、Tgはだんだん低くな
っていった。これらのうち、融解ピークはCLの溶融に
対応していることが確認できる。これらの結果から、液
比が1/2および1/5のも場合は、MGに導入される
CL鎖長が短く、その凝集結晶化は起こらず、これらに
由来する融解ピークが現れないものと言える。
【0104】一方、液比が1/10以上のものは導入C
L鎖長が充分大きく、結晶化が起こると言える。この考
えは、液比が高くなるとTgやTmがポリカプロラクト
ン(PCL)(Tg:−60℃付近、Tm:60℃付
近)に近づいていくことからも理解できる。融解ピーク
が2つ現れたことについては、以下のように考えた。G
PCの測定結果からは、液比が1/10以上になると分
子量分布をもったほぼ単一のピークが現れた。したがっ
て、分子量に幅のある集合体が生成していると言える。
一方、溶融ピークが2つ現れる事から、2通りの異なる
結晶構造が生成物の中に存在すると考えられる。しか
も、低温側のピークは液比がより大きくなると弱くな
り、液比1/20ではショルダーとなることから、導入
鎖が長くなると低温側のピークをもたらす区分が相対的
に少量になると言える。それが低温側であることから、
凝集状態が他者に比べて緩んだ結晶区分の溶融に基づく
ものと考えられる。こう考えると、導入されるCL鎖の
うちMGに近接して存在している区分は、MGにより離
れて存在している区分に比べ、結晶化が妨げられた状態
になっていること、その量は、当然、導入鎖長が長くな
る程、相対的に少なくなりピークとして弱く現れるもの
と推察できる。
【0105】
【実施例3】200ml容の四つ口フラスコに60℃で
12時間以上真空乾燥させたメチル-α-D-グルコシド
20.56g、及びL-ラクチド(LACD)102.
56gを仕込み、150℃に設定したオイルバスに30
分間つけてL-ラクチドを溶解させた。その後、2-エチ
ルヘキサン酸すず(II)を0.489g加え、150分
間150℃、150rpmで反応を行い、ポリオールを
調製した。このポリオールの水酸基価は未測定ながら、
数平均分子量は480、質量平均分子量は798であっ
た。
【0106】<ポリオール調製時の経過観察/MG−L
ACD>メチル-α-D-グルコシドの水酸基を開始点と
して、L-ラクチドを単一で開環重合させたポリオール
調製時の場合の反応経過は以下のようであった。メチル
-α-D-グルコシド/L-ラクチドの液比が1/2の場合
と1/5の場合について示した。触媒添加前は、150
℃加温下でもメチル-α-D-グルコシドはL-ラクチドに
完全に溶解していなかったが、触媒添加後、溶液が琥珀
色になるにつれて溶解した。どちらの液比の場合も反応
中の粘度上昇は大きく、反応後、生成物は常温では琥珀
色のまま固まった。しかし、系の温度を60℃以上に昇
温した場合、液状化した。
【0107】<分子量特性/MG−LACD>メチル-
α-D-グルコシドの水酸基を開始点として、L-ラクチ
ドを単一で開環重合させたポリオールの分子量特性を以
下に示した。MGの水酸基へLACDのみを開環重合さ
せた生成物についての分子量分布を図6と図7に示し
た。
【0108】この図には、メチル-α-D-グルコシド/
L-ラクチドの液比が1/2のものと1/5のものが示
されているが、この2種からだけでも液比が上がると、
前出のMGとCLの反応同様、分子量分布は単一のピー
クに近づいていくことが認められ、それらの場合と同様
な考察ができる。MGとCLのみの場合と比較するとピ
ークの分裂の液比依存性がよりシャープであると言え
る。液比の増加と共に、単一ピーク化が急激に進む。こ
の結果はLACDを用いた場合の方が、反応が進みやす
いことを示しており、モノマー種以外CLの場合と同一
の反応条件をとった場合でも、より分離し難い慣性半径
サイズが近接している分子種を生じているものと考えら
れる。
【0109】
【実施例4】200ml容の四つ口フラスコに60℃で
12時間以上真空乾燥させたメチル-α-D-グルコシド
20.46g、L-ラクチド25.25g、及びε-カプ
ロラクトン77.69gを仕込み、150℃に設定した
オイルバス中、150rpmで30分間攪拌した。その
後、2-エチルヘキサン酸すず(II)を0.49g加
え、150分間150℃、150rpmで反応を行い、
ポリオールを調製した。このポリオールの水酸基価は2
24.06mgKOH/gであり、数平均分子量は25
7、質量平均分子量は888であった。
【0110】<ポリオール調製時の経過観察/MG−C
L/LACD>メチル-α-D-グルコシドの水酸基を開
始点として、ε-カプロラクトン及びL-ラクチド混合物
を開環共重合させたポリオール調製時の場合の反応経過
は以下のようであった。これらの場合も、メチル-α-D
-グルコシド/(ε-カプロラクトン及びL-ラクチド混
合物)の液比が1/2の場合と1/5の場合を示した。
なお、ε-カプロラクトンとL-ラクチドの比率は、モル
比で50:50、70:30、及び80:20の例につ
いて記述した。これらはメチル-α-D-グルコシドにL-
ラクチドをグラフト重合させたものと同様に、反応中に
琥珀色に呈色した。常温まで冷却したところ、ε-カプ
ロラクトンとL-ラクチドのモル比率が50:50の場
合は、液比が1/2の場合及び1/5の場合ともに固化
したが、ε-カプロラクトンとL-ラクチドのモル比率が
70:30、80:20の場合は、液状になった。特
に、ε-カプロラクトンとL-ラクチドのモル比率が8
0:20の場合は、前述の実施例の中で最も粘度が低い
ものとなった。
【0111】さらにL-ラクチドの割合が高くなると、
粘度が上昇し、常温で固化が認められるようになる。つ
まり、ε-カプロラクトンとL-ラクチドのモル比率が7
0:30、80:20の場合は、調製したポリオールが
低粘度で、室温で他の試薬との適切な混合が可能であ
り、フォーム調製用ポリオールとして好適で有ると言え
る。
【0112】<分子量特性/MG−CL/LACD>メ
チル-α-D-グルコシドの水酸基を開始点として、ε-カ
プロラクトン及びL-ラクチド混合物を開環共重合させ
たポリオールの分子量特性を以下に示した。MGとCL
/LACD混合物との質量比が1/5の場合、生成物の
分子量分布のプロフィールを図8に示した。
【0113】液比が充分大きいため、この系においても
MGとCLあるいはLACDを単独で用いた場合とほぼ
同様に、そのプロフィールは単一のピークとして現れて
いる。LACD及びCLのモノマーのピークは小さいの
で、これらはともに反応によってほとんど消費されてい
ると考えられる。これまでの場合と同様に、MGとCL
/LACD混合物との液比が1/5のため、MGの水酸
基を開始点として重合するCL/LACDコポリマーの
鎖長は充分大きく、形態は多様化しているが、慣性半径
サイズが近接しているため区別し難くなった生成物がま
とまって単一ピーク状に出ているものと言える。
【0114】<熱的特性/MG−LACD又はMG−C
L/LACD>メチル-α-D-グルコシドの水酸基を開
始点として、L−ラクチドを単一で開環重合させたポリ
オールまたは、ε-カプロラクトン及びL-ラクチド混合
物を開環共重合させたポリオールの熱的特性を以下に示
した。図9にMG−LACDポリオールについてのDS
C測定結果を示した。今回は、First Heati
ngのデータがないため、これだけのデータで詳しく述
べることは難しい。ポリラクチド(PLA)のTgが約
65℃であり、融点が約172℃であることを考え合わ
せると、LACDのMGへの導入量が少ないため、融解
ピークは現れず、Tgも50℃以下と、低温側に現れて
いる。
【0115】図10は、すべて液比が1/5である場合
のDSC測定結果を比較したものであり、導入鎖構成モ
ノマーの異なるものが比較されている。CLとLACD
が共重合している場合は、仕込みのCL/LACDモル
比率が50/50の結果である。図10からは、この共
重合系のTgがCL鎖のみが導入された生成物とLAC
Dのみが導入された生成物、それぞれのTgのちょうど
中間値となっていることが確認できた。
【0116】<NMR測定結果からの分子構造解析例>
図4に示したGPCチャート上に現れるピークがほぼ単
一であったMG/CL比が1/20の条件で調製された
生成物をNMR測定に供し、得られたNMRスペクトル
を図11に、帰属表を表2に示した。 CL由来の1Hのピークは大きく現れており、MG由来の
ピークは小さく現れている。ここからも液比1/20で
調製した生成物はCL鎖が大変リッチに導入されている
ことが確認できる。
【0117】
【表2】
【0118】<ポリウレタン発泡体の調製>発泡体を調
製するために必要な配合物としては、メチル-α-D-グ
ルコシドの水酸基を開始点とした各種開環重合ポリオー
ル組成物(MG−CL、MG−LACD、MG−CL/
LACDを総じてROP−MGと表記する)と、ポリイ
ソシアネートのほか、酸性の各ROP−MGを中和する
ための水酸化ナトリウム、−NCOと反応して二酸化炭
素を排出する発泡剤としての水、発泡及びウレタン/ウ
レア結合反応を促進するための発泡触媒、各成分間の混
合性と泡の安定化を促す整泡剤などがある。これらのう
ち、ポリイソシアネートの使用量は、系中の水の量とR
OP−MG中の水酸基含有量から化学量論的に算出し
た。ポリイソシアネートの使用量を決定する式を以下に
示した。
【0119】
【数2】
【0120】ここで、Wwaterは加えた水の質量であ
り、Xpolは、加えたポリオールの質量、OHvpol
ポリオールの水酸基価、E%は、所望の[NCO]/
[OH]当量比%、NCO%は、用いるポリイソシアネ
ート類のNCO%であり、適用するポリイソシアネート
類の必要量をYNCOとして算出した。なお、実際にポリ
ウレタンフォームを調製する際には、ポリイソシアネー
ト同士が自己付加することも考慮に入れ、−OH基と等
量の−NCO基より多くの−NCO基を含むポリイソシ
アネート類を加えて反応させた。本実施例では、E%を
110%として、10%過剰の−NCO基を所望の[N
CO]/[OH]当量比%とした。このE%を通常慣用
的にイソシアネートインデックスという。つまり、イソ
シアネートインデックス110で発泡体を調製したこと
になる。
【0121】<発泡操作例> ・蒸留水(発泡剤として作用する) ・ジブチルチンジラウレート(DBTDL)(反応触
媒) ・テトラメチルヘキサメチレンジアミン(TMHDA)
(反応触媒) ・整泡剤(SH−193、X−20−1328) ・ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネート M
−200(MDI) (三井武田ケミカル(株)製)調製したメチル−α−D
−グルコシド(MG)由来のポリオールを紙製カップに
所定量はかり取り、それに所定量の蒸留水、発泡触媒、
整泡剤を加え、薬さじを用いてよく混ぜ合わせた。その
後、所定量のMDIをすばやく秤り取って加え、15秒
間、約15000rpmで撹拌した。
【0122】撹拌後、この混合物を200×200×2
00(mm)の上部が開いている木箱に入れ、その後静
置してオープンモールドフォームを得た。ライズタイム
(撹拌の開始から発泡の停止までの時間)を測定した。
調製した発泡体の圧縮試験をJIS規格(K7220)
に従って測定した。試験に用いた発泡体は50×50×
50(mm)の立方体とし、ロードセルの圧縮速度は5
(mm/min)とした。本実施例では、発泡体の圧縮
強度、または10%変形時応力、および弾性率を測定し
た。
【0123】また、生分解性試験に供する発泡体を得る
ため、上記の手順と同様の操作を行い、攪拌後すばやく
約75×160×80(mm)の蓋のついた型に入れ、
上部から圧力をかけて24時間放置してクローズドモール
ドフォームを得た。これを20×20×20(mm)の
大きさに切り出して、生分解性試験の試料とした。な
お、発泡体調製時の添加物組成について、MDIの量に
ついてはの前述の(1)式から算出し、触媒や整泡剤、
蒸留水の量については実際に発泡を試みながら調節し
た。
【0124】
【実施例5】MG−CL(比1/4)ポリオール60g
に触媒TMHDA0.72g、蒸留水3.60g、整泡
剤X−20−1328を2.40g加え、薬さじを用い
てよく混ぜ合わせた。これらにMDIを175gすばや
く加え、15秒間、約15000rpmで攪拌した。こ
れをすばやく200×200×200(mm)の上部が
開いた木箱に入れフリー発泡させた。このポリウレタン
フォームの密度は56.85kg/m3、圧縮強度は2
44.6kPa(⊥)、109.6kPa(//)、弾性
率は5011kPa(⊥)、2753kPa(//)であ
った。
【0125】
【実施例6】MG−CL(比1/2)ポリオール70g
に触媒TMHDA0.50g、蒸留水4.20g、整泡
剤−20−1328を2.80g加え、薬さじを用いて
よく混ぜ合わせた。これらにMDIを133.2gすば
やく加え、15秒間、約15000rpmで攪拌した。
これをすばやく200×200×200(mm)の上部
が開いた木箱に入れフリー発泡させた。このポリウレタ
ンフォームの密度は29.06kg/m3、圧縮強度は
159.7kPa(⊥)、92.84kPa(//)、弾
性率は7583kPa(⊥)、1592kPa(//)で
あった。
【0126】
【実施例7】MG−CL/LACD(比1/5(CL/
LACD=75.5/24.5))ポリオール61gに
触媒TMHDA0.70g、蒸留水2.95g、整泡剤
−20−1328を3.45g加え、薬さじを用いてよ
く混ぜ合わせた。これらにMDIを96.0gすばやく
加え、15秒間、約15000rpmで攪拌した。これ
をすばやく200×200×200(mm)の上部が開
いた木箱に入れフリー発泡させた。このポリウレタンフ
ォームの密度は36.66kg/m3、圧縮強度は26
7.5kPa(⊥)、108.6kPa(//)、弾性率
は11200kPa(⊥)、2222kPa(//)であ
った。
【0127】<土中埋設試験例>得られた発泡体(クロ
ーズドモールドフォーム)から約20×20×20(m
m)の立方体試料を3つずつ得た。また、対照試料とし
てポリカプロラクトン(PCL)、ポリプロピレン(P
P)の熱圧成形シートから長さ約80mm、幅約5m
m、厚さ約0.4mmの短冊状の試片を3本ずつ切り出
した。これらを温度20℃、相対湿度60%の恒温恒湿
室内で48時間以上調湿した後、試料の幅、高さ、奥行
きおよび質量を測定した。
【0128】図12に示すように、上述のようにして調
製した試片のうち、発泡体は土中に等間隔になるように
並べ、また、PCLとPPのシートはポリエチレン製ネ
ット(40mesh)で作製した皿の上に等間隔になる
ように並べ、41cm×32cm×14cmのポリプロ
ピレン製バット中の土壌(見かけの体積配合比;培養
土:腐葉土:バーミキュライト=8:1:1)に、試料
の下部が深さ4cmのところにくるように埋設した。
【0129】このようにして調製した生分解性試験槽
を、土壌の含水率を50%に調節し、温度30℃、相対
湿度80%に調整された(株)日本医科器械製作所製恒
温恒湿室NK式LP−IH中に静置した。この試験槽
に、1週間ごとに含水率が50%になるように、土壌に
水道水を散布して、所定期間試験を行った。試験期間終
了後、土中より掘り出し、水道水で洗浄し、さらに蒸留
水で洗浄して恒温恒湿室にて48時間以上調湿後、質量
を測定し、他の試験に供した。
【0130】MG−CLポリオールのMG/CL比を様
々変化させ、実施例8を参照に、得られたクローズドフ
ォームを用いて土中埋設試験を行った。現在、試料を埋
設してから半年近くが経過している。本願で開示できる
のは3ヶ月経過時に土中より掘り出したものまでであ
る。1〜3ヶ月間土中に埋設していたものと埋設してい
ないものを比較すると、外見上は特に変わっているよう
には見受けられない。
【0131】表3に埋設した試料の質量減少を示した
が、PCLを除き、質量が増加している。これは、以下
のように考えられる。PCLは環境中で易分解性である
とされており、1ヶ月の段階で少しではあるが分解が始
まっており、3ヶ月目ぐらいから生分解が加速している
と思われる。ただし、それは外見では判断できない程度
の軽微なものである。
【0132】一方、他のものは質量が増加している。こ
のうち、PPについては非常にわずかな差であり、誤差
もしくは汚れが取りきれていないということが考えられ
る。3種の発泡体はすべて質量が増加しているが、これ
は土中埋設の際についた汚れが取りきれていないという
ことと、発泡体を分解する微生物が付着したことによる
ものであるということの2通りの可能性が考えられる。
今後掘り出される試験体の観察を続けることにより判断
できるであろう。また、微生物がフォーム表面に付着し
ているならば、走査型電子顕微鏡(SEM)を使うこと
によってフォーム表面の構造の変化として観察が可能で
あろう。
【0133】<吸水試験例>調製した発泡体の吸水試験
を以下の要領で行った。約20×20×20(mm)の
気乾状態のポリウレタンフォームを3つずつ取り出し、
これらの質量(W1)を測定し、これを60℃に設定し
た送風乾燥器中で24時間乾燥させた。乾燥後のフォー
ムの質量(W2)を測定し、これを2000ml容のビ
ーカーに重りをつけて沈めた。沈めてから24時間後、
フォームを取り出し、表面の水分を軽くふき取って、質
量(W3)を測定した。さらに、これを60℃に設定し
た送風乾燥器で24時間乾燥させ、質量(W4)を測定
した。これら結果から次式を用いて吸水率、および水へ
の溶出率を決定した。
【0134】
【数3】
【0135】ポリウレタンフォームはその用途に応じ
て、要求される吸水性に違いがある。そこで、調製した
ポリオールの吸水性を測定した。また、同時に水への溶
出量も測定した。その結果も表3に示した。調製されたフ
ォームは水をはじき、ほとんど吸水性がないように見え
たにもかかわらず、吸水率は見た目の印象以上に大きな
値となった。
【0136】一方、溶出成分は僅少である。ポリオール
が低分子であり、未反応のものは水中へ溶出することが
考えられたが、この結果から未反応のポリオールはほと
んどなく、大部分がイソシアネートと結合していると思
われる。なお、MG/CL液比が1/20で調製された
ポリオールを用いた発泡体が、溶出率が一番高いという
結果は、フォーム調製の際、収縮が起こりがちであると
いう事実からも理解できるものである。収縮が起こるの
は、フォームのセルの形成が不十分である、すなわち、
未反応物の存在を示唆している。それらが溶出してきた
ということは十分考えられる。この場合、フォーム調製
時の条件を工夫することにより、より高反応率の発泡体
を調製でき、溶出成分をより少なくすることができる。
【0137】
【表3】
【0138】<閉鎖系酸素消費量の測定例>OECD3
02Cに準じて、基礎培養液に試料濃度30ppm(W
/V)、標準活性汚泥100ppm(W/V)[9.5
5×107cells/mL]を添加し、pH7.0と
なるように活性汚泥懸濁液を調製した。それを用いて、
25℃での生物化学的酸素要求量を104日間に渡って
測定した。試料が完全に酸化されるのに必要な理論酸素
消費量に対する実測の酸素消費量の割合により、生分解
度を決定し、生分解性を評価した。
【0139】土中埋設試験を行った試料のうち、MG/
CL=1/2と1/5のポリオールを用いた発泡体につ
いては、閉鎖系酸素消費量の測定も行った。試験期間1
04日間での分解度は、それぞれ41.4%、15.6
%であった(表4、図13)。試料は、いずれの場合も
疎水性が強く、試験開始後数日間は液面にサンプルが浮
いた状態であった。装置の都合上、104日間で試験を
打ち切ったが、MG/CL=1/2を用いた発泡体試料
は、引き続いての分解度の上昇が見こまれる。対応する
規格JIS K6950では、プラトーに達するまで最
大180日間の試験期間が許され、その時までに60%
の分解度を示した場合、生分解性材料として有効である
とされている。
【0140】その意味では、MG/CL=1/2を用い
た発泡体試料は、3次元硬化プラスチックであるにもか
かわらず、ある程度の生分解性に達しており、興味深
い。なお、本実施例の結果から、用いたポリオールの平
均分子量が大きいほど、すなわち、MGに導入されたC
Lの割合が高いほど、生分解度は小さくなると推察され
る。これは、PCL鎖の凝集構造が強まるため、微生物
の攻撃が行われがたくなるためであると考えられる。
【0141】その意味では、例えば、CL/LACDラ
ンダム共重合体鎖をMGに導入することで凝集構造の形
成を抑制する事ができ、より高い生分解度をもつフォー
ムを調製することは充分期待できる。事実、ポリオール
段階において、CL単独でのMGの導入ではポリオール
がMG/CL比1/5においては、室温において固化し
てしまったが、共重合体の導入により室温で固化せず、
低粘度のものが得られている。
【0142】
【表4】
【0143】<ポリウレタンフォームの機械物性>本発
明の実施例5、6において、得られたポリウレタンフォ
ームはMGにCLのみを重合させたポリオール、および
MGにCLとLACDをランダム共重合させたポリオー
ルから得られた2つの系のポリウレタンフォームであ
る。MGにLACD鎖だけを導入したものは、常温で固
化してしまっており、昇温した場合、減粘化されたが、
容易な条件下では、発泡体の調製が困難であった。この
ことはMGとLACDからなるポリオールのTgが50
℃付近と高いことによっても理解できる。
【0144】ポリオールを調製する際のMDIの量は計
算で求め、水の量は物性に大きな影響を与えるものであ
るが、本願実施例では、ポリオール質量の6%とした。
しかし、触媒の濃度によって反応速度が大きく変化し、
これが物性にも大きな影響を与えている。本願実施例に
示した発泡体の調製方法では、ライズタイムが早いもの
で40秒程度、遅いものでは130秒程度となったた
め、同様な処方でも物性に大きな差が出たと考えられ
る。特にCL鎖のみを導入したポリオールから調製した
ポリウレタンフォームのうちいくつかは物性試験をする
ための調湿期間に大きく収縮してしまった。従って、圧
縮試験に供することができなかった。圧縮試験が可能で
あった発泡体の試験結果を以下の表5に示した。
【0145】
【表5】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は示差走査熱量計による吸発熱を示す概
略図である。
【図2】 図2はグラフト化されたメチルグルコースの
GPCクロマトグラムを示す。
【図3】 図3はグラフト化されたメチルグルコースの
GPCクロマトグラムを示す。
【図4】 図4はグラフト化されたメチルグルコースの
GPCクロマトグラムを示す。
【図5】 図5はグラフト化されたメチルグルコースの
DSCサーモグラムを示す。
【図6】 図6はグラフト化されたメチルグルコースの
GPCクロマトグラムを示す。
【図7】 図7はグラフト化されたメチルグルコースの
GPCクロマトグラムを示す。
【図8】 図8はグラフト化されたメチルグルコースの
GPCクロマトグラムを示す。
【図9】 図9はグラフト化されたメチルグルコースの
DSCサーモグラムを示す。
【図10】 図10はグラフト化されたメチルグルコー
スのDSCサーモグラムを示す。
【図11】 図11はグラフト化されたメチルグルコー
スの1H−NMR測定チャートを示す。
【図12】 図12は土中埋設生分解性試験装置の概略
図である。
【図13】 図13はポリウレタンフォームの生分解性
特性を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08G 69/44 C08G 69/44 // C08L 101/16 C08L 101/16 (72)発明者 柴 田 雅 昭 千葉県袖ヶ浦市長浦580−32 三井武田ケ ミカル株式会社内 Fターム(参考) 4J001 DA01 DA03 DA04 DB01 DB05 DC03 DD05 DD20 EA02 EA04 EA05 EA06 EA44 EE06D EE24D EE27D EE38A EE87D FA03 FB01 FC01 GA01 GA13 JB01 JB15 JB50 4J029 AA02 AB01 AB04 AD10 AE17 EA01 EA02 EA05 EB03 ED03 JB232 4J034 BA03 BA07 CA03 CA04 CA05 CA13 CA15 CA17 CB04 CB05 CB07 CB08 CC02 CC03 CC08 CC12 CC13 CC23 CC26 CC34 CC37 CC44 CC45 CC52 CC54 CC62 CC65 CC67 DA01 DB03 DB07 DF01 DF11 DF12 DG03 DG04 DG05 DG14 DL02 DL09 EA07 EA08 HA01 HA07 HB06 HB07 HB08 HC03 HC12 HC17 HC22 HC34 HC35 HC45 HC46 HC47 HC52 HC54 HC61 HC64 HC65 HC67 HC71 HC73 JA14 KA01 KB04 KD12 KE02 NA01 NA02 NA03 NA08 QB19 QC01 QD04 RA01 RA02 RA03 RA05 RA08 4J200 AA02 AA03 AA09 BA02 BA05 BA11 BA17 BA18 BA29 BA35 CA01 CA09 DA02 DA05 DA17 DA19 DA22 DA23 DA24 DA25 EA11

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラクチド類、ラクタム類およびラクトン
    類の群から選ばれる少なくとも1種の化合物を、アルキ
    ルグルコシド存在下、開環重合して得られることを特徴
    とするポリオール。
  2. 【請求項2】 ラクチド類から選ばれる少なくとも1種
    の化合物とラクタム類および/またはラクトン類の群か
    ら選ばれる少なくとも1種の化合物とをアルキルグルコ
    シド存在下、開環重合して得られることを特徴とするポ
    リオール。
  3. 【請求項3】 ラクチド類、ラクタム類およびラクトン
    類の群から選ばれる少なくとも1種の化合物をアルキル
    グルコシド存在下、開環重合して製造することを特徴と
    するポリオールの製造方法。
  4. 【請求項4】 ラクタム類およびラクトン類の群から選
    ばれる少なくとも1種の化合物と、ラクチド類の群から
    選ばれる少なくとも1種の化合物の混合物をアルキルグ
    ルコシド存在下、開環重合して製造することを特徴とす
    るポリオールの製造方法。
  5. 【請求項5】 下記一般式(1)および/または(2) 【化1】 で表されるポリオール(ただし、式(1)および/また
    は(2)中、R1は炭素数1以上18以下のアルキル基で
    あり、R2〜R4及びR6のうち少なくとも1種がラクチド類
    由来の繰り返し単位、ラクトン類由来の繰り返し単位お
    よびラクタム類由来の繰り返し単位から選ばれる少なく
    とも1種の繰り返し単位を含有し、R5が炭素数1以上1
    8以下のアルキレン基を表す)。
  6. 【請求項6】 前記R2〜R4及びR6のうち少なくとも1種
    がラクチド類由来の繰り返し単位を含有することを特徴
    とする請求項5に記載のポリオール。
  7. 【請求項7】 前記R2〜R4及びR6のうち少なくとも1種
    がラクトン類由来の繰り返し単位を含有することを特徴
    とする請求項5に記載のポリオール。
  8. 【請求項8】 前記R2〜R4及びR6のうち少なくとも1種
    がラクタム類由来の繰り返し単位を含有することを特徴
    とする請求項5に記載のポリオール。
  9. 【請求項9】 前記R2〜R4及びR6のうち少なくとも1種
    が該置換基中にラクチド類由来の繰り返し単位並びにラ
    クトン類および/またはラクタム類由来の繰り返し単位
    を含有することを特徴とする請求項5に記載のポリオー
    ル。
  10. 【請求項10】 前記R2〜R4及びR6のうち少なくとも1
    種がラクチド類由来の繰り返し単位を含有し、少なくと
    も1種がラクトン類および/またはラクタム類由来の繰
    り返し単位を含有することを特徴とする請求項5に記載
    のポリオール。
  11. 【請求項11】 ラクチド類、ラクタム類およびラクト
    ン類の群から選ばれる少なくとも1種の化合物をアルキ
    ルグルコシド存在下、開環重合して得られるポリオール
    と、 ポリイソシアネートとを反応させて得られることを特徴
    とするポリウレタン樹脂。
  12. 【請求項12】 ラクチド類から選ばれる少なくとも1
    種の化合物とラクタム類および/またはラクトン類の群
    から選ばれる少なくとも1種の化合物とをアルキルグル
    コシド存在下、開環重合して得られうるポリオールと、 ポリイソシアネートとを反応させて得られることを特徴
    とするポリウレタン樹脂。
  13. 【請求項13】 ラクチド類、ラクタム類およびラクト
    ン類の群から選ばれる少なくとも1種の化合物をアルキ
    ルグルコシド存在下、開環重合して得られるポリオール
    と、ポリイソシアネートとを反応、発泡させて得られる
    ことを特徴とするポリウレタン発泡体。
  14. 【請求項14】 ラクチド類から選ばれる少なくとも1
    種の化合物とラクタム類および/またはラクトン類の群
    から選ばれる少なくとも1種の化合物とをアルキルグル
    コシド存在下、開環重合して得られうるポリオールと、
    ポリイソシアネートとを反応、発泡させて得られること
    を特徴とするポリウレタン発泡体。
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