JP2794197B2 - 植物病害防除方法 - Google Patents

植物病害防除方法

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、水稲栽培の病害防除方法に関する。
さらに詳しくは、シート状の殺菌成形物を稲育苗箱底
面に敷くことにより、苗箱の底から土壌の漏出を防ぐと
同時に、育苗期間中の稚苗及び/または移植後イネに発
生する病害を防除する方法に関する。
近年、病害虫防除剤の進歩は著しく、高い効力を示す
薬剤の開発が見られる。然しながら施用方法としては、
田畑における、粉剤、粒剤または液剤などの散布・散粒
等があるが、多大な労力を要する上に、目的以外の場所
へ薬剤が飛散することで予期せざる環境への影響が問題
となったり、散布者等が薬剤を吸入するといった健康上
の問題をひき起す場合がある。
従来より浸透移行性を有する薬剤を用いた粒剤の開発
は、散布時の労力を削減したが、他方、その効果に確実
性が欠ける場合がある。また、水稲栽培における、粒剤
の育苗箱施用は、水田に入ることなく薬剤処理ができる
が、薬剤の処理時期が田植直前に限られ農家にとって繁
忙期であり、十分に時間をかけ均一に処理することは困
難である。一般に、育苗箱施用に際し必要とされる時間
は、例えば、苗箱一枚にむらなく均一に処理をするのに
概ね3分かかり、1反歩植えるには苗箱20枚を要するの
で、約1時間を要することになる。更に、苗を田植機に
のせる際に薬剤が落下しないようにするための灌水を行
う必要がある。その上、むらなく、均一に処理されない
場合には、薬害をおこしたり、十分な効果を示さない場
合がある。また、茎葉部が、露、雨または灌水等で濡れ
ていると多量の薬剤が附着することで薬害を生じること
もある。
薬剤を、育苗用培土に混和することも行われている
が、労力を要する上に、薬剤によっては著しい薬害をも
たらす。
一方、肥料または農薬を担持したシート状成型物によ
り、肥料または農薬を簡便にかつ効果的に施用できるこ
とは既に知られている(特開昭51−114228,特開昭52−1
45158)。
特開平1−19002には、水溶液に農薬有効成分化合物
を含浸又は担持させた農薬成形物について記載されてい
る。該公報明細書によれば、該農薬成形物は、簡便且つ
省力的に施用でき、特に育苗箱中での病害防除に有効に
作用する旨記載されている。然しながら、この農薬成形
物は、担持したシートが水溶性であるため必要以上に速
く、活性成分が溶出するため、その種類によっては、苗
箱期間名の稚苗に対し、薬害を起こす場合もある。ま
た、一般的に育苗用培土は、薬剤の吸着が弱く育苗期間
中に灌水等によって有効成分が流亡してしまうこともあ
り更に、本田へ移植した後のイネの病害虫防除には、そ
れらが発生する時期まで効力を維持することが出来ず十
分な効果を示さない場合がある。
また例えば、北日本地域での稲作のように移植後2ヶ
月以上を経て、いもち病が発生する場合は、従来の育病
箱施用方法では十分な薬剤の残効性を維持することは困
難であり、十分な効果をあげることはできないと言われ
ている。
本発明者等は、上記問題点を解決することを目的に研
究を行った。その結果、非水溶性の紙または鉱物質シー
トに、殺菌性化合物1重量部に対して水溶性糊料1〜10
重量部を混和した組成物を塗布したシート状殺菌成形
物、または、該非水溶性の紙または該鉱物質シートを製
造する際に、上記混合比を有する水溶性糊料と殺菌性化
合物1種または2種以上を混和した該組成物を混入して
成形したシート状殺菌成形物を、稲育苗箱の底面に敷く
ことにより、培土の漏出を防ぎ、且つイネの病害を防除
する方法を見いだした。
本発明方法は、水溶性糊料に殺菌性化合物を保持させ
て、薬剤を徐々に溶出せしめ、防除に必要な薬量を苗箱
生育稚苗に吸収させ薬剤の効果を長く維持させることに
特徴がある。
本発明によれば、糊量の濃度および種類を組合せるこ
とにより、比較的容易に薬剤の溶出抑制ができ、防除に
必要な量の薬剤が育苗期間中の稚苗に吸収され育苗期間
中の病害を防除することができる上に、更に残存した薬
剤は、糊料や紙または鉱物質シートと共に移植時に、苗
根圏に確実に移行処理される。従って、本発明の防除方
法に従えば、薬剤を土壌表面に処理した場合と比較し
て、薬剤が主としてイネ根圏に処理されるため苗に高い
率で吸収され、非常に効率的に且つ的確に利用すること
ができる上に、水田田面水に溶出して流亡することがほ
とんどなく、公害防止の見地からも好ましい処理方法と
言える。
本発明方法に用いる非水溶性の紙または鉱物質のシー
ト等は、特に、酸性あるいはアルカリ性の強いものでな
ければ、いずれも利用可能であるが、移植時に、該紙ま
たは鉱物質シートも田畑へ移行する場合は環境保全の意
味から微生物分解を受けやすい、和紙、馬糞紙またはCP
ボール等かあるいは、水田土壌に放出されても問題のな
い鉱物質のものが望ましい。
非水溶性の紙または鉱物質シートの例としては、 馬糞紙、CPボール、和紙、障子紙、硫酸紙、あるい
は、硬質のコート紙をあげることができる。また鉱物質
マツトとしてはケイ酸カルシウム繊維マツト、例えばパ
ワーマツト(全農製)など肥料成分を含んだものも使用
可能である。
本発明において水溶性糊料の例としては、にかわ、澱
粉糊、アラビア糊、カゼイン、PVA(ポリビニルアルコ
ール)、CMC(カルボキシメチルセルロース)又は酢酸
ビニル系樹脂等をあげることができる。
特に、にかわまたはカゼインを混入することで殺菌性
化合物の溶出を抑制することができる。
本発明において、殺菌性化合物の溶出を抑制あるい
は、防除効果を増強させる目的で各種界面活性剤、安定
化剤等の補助剤を併用しても良い。
本発明に使用される殺菌性化合物は、下記式 式中、Xは、ハロゲン原子または低級ハロアルキル基を
示し、 R1は、低級アルキル基を示し、そしてR2及びR3はそれぞ
れ、水素原子または低級アルキル基を示す、 で表わされる化合物を挙げることができる、その具体例
としては、 N−(4−クロロ−α−メチルベンジル)2,2−ジクロ
ロ−1−イソプロピルシクロプロパンカルボキサミド、 N−(4−トリフルオロメチル−α−メチルベンジル)
2,2−ジクロロ−1−イソプロピルシクロプロパンカル
ボキサミド、 N−(4−ブロモ−α−メチルベンジル)2,2−ジクロ
ロ−1−イソプロピルシクロプロパンカルボキサミド、 N−(4−クロロ−α−メチルベンジル)2,2−ジクロ
ロ−1−メチル−(トランス)−3−メチルシクロプロ
パンカルボキサミド、 N−(4−クロロ−α−メチルベンジル)2,2−ジクロ
ロ−1−エチル−(トランス)−3−メチルシクロプロ
パンカルボキサミド、 N−(4−クロロ−α−メチルベンジル)2,2−ジクロ
ロ−1,3,3−トリメチルシクロプロパンカルボキサミ
ド、そして、 N−(4−クロロ−α−メチルベンジル)2,2−ジクロ
ロ−1−エチル−3,3−ジメチルシクロプロパンカルボ
キサミド、 を挙げることができる。また、 従来使用されている農薬有効成分である、イソプロチ
オラン、カスガマイシン、トリシクラゾール、チオフア
ネートメチル、チアベンダゾール、ヒドロキシイソキサ
ゾール、ベノミル、ピロキロン、メタスルホカルブ、TP
N、メタラキシル、プロベナゾール、IBP、ペンシクロン
等の化合物も例示することができる。
なお、上記の農薬名は、「農薬ハンドブツク1985年
版」昭和61年1月30日発行、(社)日本植物防疫協会発
行および「The Pesticide Manual 8th edition」(ザ
ペスト サイドマニユアル 8版)The British Crop P
rotection Council発行(1987年)記載の一般名であ
る。
本発明の防除方法は、水稲用殺虫剤を用いることで、
水稲害虫の防除方法としても応用することができる。
該殺菌性化合物は、該化合物をそのまま利用するか、
また、粉剤、微粒剤、粒剤、水和剤またはマイクロカプ
セル等に製剤したものを利用してもよい。
水溶性糊料と殺菌性化合物の混合比は、殺菌製化合物
1重量部に対して水溶性糊料1〜10重量部が良い、水溶
性糊料が10重量部より多い場合は、塗布が困難であった
り、1重量部より少ない場合は、シート上にうまく保持
できない場合がある。そして殺菌性化合物の含量は、一
般的な育苗箱の底面積1800cm2(30cm×60cm)当り0.1g
〜50g、好ましくは、0.5g〜10gである。
次に、本発明を実施例及び試験例によって説明するが
本発明は、下記実施例及び試験例によって限定されるも
のではない。
製造例1. 薬剤 有効成分50%含む 水和剤 8g 糊料 CMC 2.5%水溶液 11g 澱粉糊 5%水溶液 11g 上記薬剤及び糊料を十分に攪拌し薬剤を均一に糊料に
分散せしめる。その後、水で2倍に希釈した後、CPボー
ル(30cm×60cm)に均一にローラーを用いて塗布した。
風乾後、有効成分を担持した、シート状の殺菌成形物を
得た。
製造例2. 薬剤 トリシクラゾールを20%含有する水和剤 10g 糊料 にかわ 2.5%水溶液 30g 上記薬剤を溶解し攪拌し半量を和紙(障子紙30×60c
m)に均一に噴霧し風乾させた後残りの半量をふたたび
噴霧する。
風乾後、上記薬剤を担持したシート状殺菌成形物を得
た。
生物試験: 上記製造例1で得た殺菌成形物を育苗箱の底面に敷
き、イネ育苗用培土を用いて常法に従い、イネ籾を播種
育苗した(品種クサブエ)。播種20日後、クボタ製田植
機にマツト状イネ苗を、本発明の殺菌成形物をつけたま
ま着装した。
田植機を移動させないで運転し田植機のツメでボール
紙ごとかき取られて来るイネ株をバツトで受け、そのま
ま、水田状とした100cm2ワグナーポットに1ポット1株
の割合で田植した。移植後、20〜35℃の温室で通常の育
苗状態で管理し移植してから40日目と60日目に、常法に
従いいもち病菌胞子浮遊液を噴霧接種し、温度23〜25
℃、相対湿度100%の接種室内に24時間保った。その
後、温度20〜28℃のガラス温室に移し、接種7日後、鉢
当りの罹病程度を下記の基準により類別評価し、更に防
除価(%)を求めた。
罹病度 病斑面積歩合(%) 0 0 0.5 2未満 1 2〜5未満 2 5〜10未満 3 10〜20未満 4 20〜30未満 5 40以上 本試験は1区3鉢の結果である。
尚、比較には、常法により粒剤の苗箱処理を行い上記
と同じ方法により、移植、管理、接種を行った。
試験結果: 本願発明方法は、従来法である5%粒剤を用いた育苗
箱施用といずれも顕著な差異はなく、更に本願発明方法
は、60日目の効力が安定したのに比べ、粒剤の育苗箱施
用では、反覆間にフレが見られ平均してやや効力が低か
った。
結果を第1表に示す。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A01N 25/34 CA(STN) WPIDS(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非水溶性の紙または非水溶性の鉱物質シー
    トに、殺菌性化合物1重量部に対して水溶性糊料1〜10
    重量部からなる混合組成物を塗布したシート状殺菌成形
    物か、または、該非水溶性の紙または該非水溶性の鉱物
    質シートを製造する際に、上記混合比を有する水溶性糊
    料と殺菌性化合物からなる該混合組成物を混入して成形
    したシート状殺菌成形物を、育苗箱の底面に敷くことに
    より苗箱中で生育中の稚苗及び/または移植後のイネの
    病害を防除することを特徴とするイネの病害防除方法。
  2. 【請求項2】水溶性の糊料が、にかわ、澱粉糊、アラビ
    ア糊、カゼイン、PVA、酢酸ビニル系糊またはCMCから選
    ばれる1種または2種以上から成る請求項(1)記載の
    防除方法。
  3. 【請求項3】殺菌性化合物の含量がシート状殺菌成形物
    1800cm2(30×60cm)あたり0.1gから50gである請求項
    (1)記載の防除方法。
  4. 【請求項4】殺菌性化合物が 式 式中、Xは、ハロゲン原子または低級ハロアルキル基を
    示し、 R1は、低級アルキル基を示し、そしてR2及びR3はそれぞ
    れ、水素原子または低級アルキル基を示す、 で表わされる請求項(1)記載の防除方法。
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