JP2004203667A - 粒状被覆肥料およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】肥料成分溶出後における被膜の自然崩壊性を維持しつつ、肥料成分をより遅延的に溶出させることが可能な粒状被覆肥料を提供する。
【解決手段】粒状肥料がポリエステルポリエーテルポリオール成分とポリイソシアネート成分とを反応することにより形成されるポリウレタン被膜で被覆されてなる粒状被覆肥料であって、該ポリエステルポリエーテルポリオール成分が、(a)硬化ひまし油と(b)炭素数3〜6の多価アルコールのポリプロピレンオキシド付加物からなるポリエーテルポリオールとの混合ポリエステルポリエーテルポリオールであり、(a)と(b)との重量比が20:80〜80:20であり、ポリエステルポリエーテルポリオール成分とポリイソシアネート成分との反応における該ポリイソシアネート成分に由来するNCO基の、該ポリエステルポリエーテルポリオール成分に由来するOH基に対する当量比が0.9〜1.2である粒状被覆肥料。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ウレタン樹脂により被覆された緩効性(徐放性と言うこともある)粒状被覆肥料に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
近年、農業就労者の高年齢化、就労者数の減少、兼業農家の増加から、より省力型で植物の成長にあわせ所定の時期に溶出させるために種々の肥効調整型被覆肥料が提案されている。
一方、被覆被膜の原料としてひまし油を用いた場合には、肥料施用時において被覆被膜が土壌中で自然崩壊することが期待されるために、ひまし油とポリイソシアネートとを反応させてポリウレタン被膜とした被覆肥料が知られているが、肥料の溶出を遅延的に制御するという点では満足できるものではなかった。この点について改良された被覆肥料も提案されているものの、未だ充分なものとはいえないのが現状であった(例えば特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−213685公報
【0004】
【課題を解決するための手段】
かかる状況下、本発明者は、被覆肥料について鋭意検討を重ねた結果、特定のポリエステルポリエーテルポリオールを用いることにより、被覆被膜の自然崩壊性を維持しつつ、より優れた肥料成分の溶出遅延性能が得られることを見出し本発明に至った。
すなわち本発明は、粒状肥料がポリエステルポリエーテルポリオール成分とポリイソシアネート成分とを反応することにより形成されるポリウレタン被膜で被覆されてなる粒状被覆肥料であって、
該ポリエステルポリエーテルポリオール成分が、(a)硬化ひまし油と(b)炭素数3〜6の多価アルコールのポリプロピレンオキシド付加物からなるポリエーテルポリオールとの混合ポリエステルポリエーテルポリオールであり、(a)と(b)との重量比が20:80〜80:20であり、ポリエステルポリエーテルポリオール成分とポリイソシアネート成分との反応における該ポリイソシアネート成分に由来するNCO基の、該ポリエステルポリエーテルポリオール成分に由来するOH基に対する当量比が0.9〜1.2である粒状被覆肥料(以下、本被覆肥料と記す。)及び、その製造方法(以下、本方法と記す。)に関するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
次に、本発明を詳しく説明する。
本肥料に使用され得る粒状肥料は、肥料成分を含有する粒状物である。肥料成分は、水稲などの植物栽培において養分を与えるために土壌に施される窒素、リン、カリウム、珪素、マグネシウム、カルシウム、マンガン、ホウ素、鉄等の種々の元素を含有する成分であり、具体例としては、尿素、硝酸アンモニウム、硝酸苦土アンモニウム、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸ソーダ、硝酸カルシウム、硝酸カリウム、石灰窒素、ホルムアルデヒド加工尿素肥料(UF)、アセトアルデヒド加工尿素肥料(CDU)、イソブチルアルデヒド加工尿素肥料(IBDU)、グアニール尿素(GU)等の窒素質肥料;過リン酸石灰、重過リン酸石灰、熔成リン肥、腐植酸リン肥、焼成リン肥、重焼リン、苦土過リン酸、ポリリン酸アンモニウム、メタリン酸カリウム、メタリン酸カルシウム、苦土リン酸、硫リン安、リン硝安カリウム、塩リン安等のリン酸質肥料;塩化カリウム、硫酸カリウム、硫酸カリソーダ、硫酸カリ苦土、重炭酸カリウム、リン酸カリウム等のカリウム質肥料;珪酸カルシウム等の珪酸質肥料;硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム等のマグネシウム質肥料;生石灰、消石灰、炭酸カルシウム等のカルシウム質肥料;硫酸マンガン、硫酸苦土マンガン、鉱さいマンガン等のマンガン質肥料;ホウ酸、ホウ酸塩等のホウ素質肥料;鉄鋼スラグ等の含鉄肥料等の肥料取締法に定められる普通肥料(複合肥料を含む)等を挙げることができる。中でも窒素(N)、リン(P)およびカリウム(K)より選ばれる肥料成分の一種以上、特にこれら三種全ての肥料成分を含有するものが好ましい。その具体例としては、NPK成分型(N−P−KO)肥料が挙げられ、かかる肥料としては、例えば、5−5−7(N−P−KOの重量比率を意味する。以下同じ。)、12−12−16等の1型平上り型、5−5−5、14−14−14等の2型水平型、6−6−5、8−8−5等の3型平下がり型、4−7−9、6−8−11等の4型上り型、4−7−7、10−20−20等の5型上り平型、4−7−4、6−9−6等の6型山型、6−4−5、14−10−13等の7型谷型、6−5−5、18−11−11等の8型下がり平型、7−6−5、14−12−9等の9型下がり型、3−20−0、18−35−0等の10型NP型、16−0−12、18−0−16等の11型NK型、0−3−14、0−15−15等の12型PK型等を挙げることができる。
【0006】
また、粒状肥料は除草剤、殺虫剤等の農薬成分を含有することができる。該農薬成分は、例えば粒状肥料表面に付着した状態、あるいは粒状肥料内部または全体に分散した状態で存在し得る。農薬成分を含有する粒状肥料は、例えば含有せしめる農薬成分の水、有機溶剤等の溶液、あるいは界面活性剤等がさらに添加されたエマルジョン液を、肥料粒子表面に散布し、肥料粒子内部に浸透させ、同時、またはその後に溶媒を蒸散等により除去することによって製造できる。
また、粒状肥料の粒径は、製造上の観点から、1〜5mm程度が好ましい。
【0007】
本被覆肥料におけるポリウレタン被膜は、ポリイソシアネ−ト成分とポリエステルポリエーテルポリオ−ル成分との反応によって形成される熱硬化性樹脂からなる被膜であって、粒状肥料を被覆してなる。
【0008】
ポリイソシアネ−ト成分はNCO基を複数有する化合物であり、例えばトルエンジイソシアネ−ト(以下、TDIと略称することがある)、ジフェニルメタンジイソシアネ−ト(MDIと略称することがある)、ナフタレンジイソシアネ−ト、トリジンイソシアネ−ト、ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、イソホロンジイソシアネ−ト、キシリレンジイソシアネ−ト等を挙げることことができ、必要に応じてこれらの混合物を用いることができる。なかでも、MDI、TDIまたはこれらから誘導されるオリゴマ−体(ポリメリックMDI、ポリメリックTDI等)が好適に用いられる。
【0009】
本発明における混合ポリエステルポリエーテルポリオール成分は、(a)硬化ひまし油と(b)炭素数3〜6の多価アルコールのポリプロピレンオキシド付加物からなるポリエーテルポリオールとの混合物である。また、(a)と(b)との重量比は20:80〜80:20であり、好ましくは30:70〜70:30、さらに好ましくは40:60〜60:40である。
【0010】
硬化ひまし油は、ひまし油を水素添加することにより得られる固体の飽和脂肪酸トリグリセリドであり、該飽和脂肪酸部分の約90%が12−ヒドロキシステアリン酸に由来する酸部分であり、約10%がステアリン酸に由来する酸部分である。
【0011】
炭素数3〜6の多価アルコールのポリプロピレンオキシド付加物からなるポリエーテルポリオールにおける多価アルコールとしては炭素数3〜6のジオール、トリオール、テトラオールを挙げることができる。具体的には、ジオールとしては、例えばエチレングリコール、1、3−プロパンジオール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1、4−ブタンジオール、イソプレングリコール、1、5−ペンタンジオール、ヘキシレングリコール、2、2−ジエチル−1、3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1、3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール等を挙げることができ、特に 1、3−プロパンジオール、プロピレングリコールなどの炭素数3のジオールが好ましい。トリオールとしては、例えばグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール等が好ましい。テトラオールとしては、例えばペンタエリスリトールを挙げることができる。
【0012】
中でも、
▲1▼炭素数3〜6のトリオールに該トリオールに対して5〜6当量のプロピレンオキサイドを付加したもの、
▲2▼炭素数3のジオールに該ジオールに対して15〜17当量のプロピレンオキサイドを付加したもの、
▲3▼炭素数5のテトラオールに該テトラオールに対して4〜5当量のプロピレンオキサイドを付加したもの、
あるいは前記▲1▼、▲2▼及び▲3▼から選ばれる2種類以上の混合物が好ましい。
【0013】
使用するポリイソシアネート成分に由来するNCO基のポリエステルポリエーテルポリオール成分に由来するOH基に対する当量比、いわゆるNCO/OHは0.9〜1.2の間で調整される。
【0014】
ポリウレタン被膜は、例えば転動状態の粒状肥料に、ポリイソシアネート成分とポリエステルポリエーテルポリオール成分との混合物を反応(硬化)させることにより粒状肥料表面に形成させることができる。
ここでポリイソシアネート成分とポリエステルポリエーテルポリオール成分との混合物とは、両者が全く反応していないもののみならず、3次元化しない程度に予め一部が反応したものをも意味するものであり、また、ポリイソシアネート成分及びポリエステルポリエーテルポリオール成分の他に後述する溶媒や触媒、その他の成分を含有するものも含まれる。本明細書においては、該混合物を未硬化ウレタン樹脂と呼ぶことがある。また、硬化ひまし油とポリイソシアネート成分とが一部反応したものと、前記炭素数3〜6の多価アルコールのポリプロピレンオキシド付加物からなるポリエーテルポリオールとポリイソシアネート成分とが一部反応したものとの混合物も本明細書における未硬化ウレタン樹脂に含まれる。未硬化ウレタン樹脂の形態としては溶媒を実質的に含まない無溶剤型、溶媒にポリエステルポリエーテルポリオール成分とポリイソシアネート成分とが溶解した溶液型等何れでも良いが、特に無溶剤型で、かつ加工温度において液状であるものが好適である。
【0015】
未硬化ウレタン樹脂の硬化促進の目的で、触媒を未硬化ウレタン樹脂に添加し、該触媒共存下に反応を行うことが有用な技術である。該触媒として具体的には、トリエチレンジアミン、N−メチルモルフォリン、N,N−ジメチルモルフォリン、ジアザビシクロウンデセン、イミダゾール、エチルメチルイミダゾール、ジアザビシクロオクタン、2,4,6,−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノ−ル等のアミン系触媒;尿素等のアンモニア誘導体;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ性化合物;ジブチルスズラウレート、ジブチルスズマレート等の有機スズ化合物が挙げられる。中でもアミン系触媒が好適に用いられる。該触媒はそのまま、あるいは水溶液または水懸濁液として使用に供される。固体触媒については粉砕微粉体化したものを使用するのが好ましい。
【0016】
触媒を使用する場合の触媒の量は、未硬化ウレタン樹脂のゲルタイム(JISK 5909に準じて測定)が5分以内、さらに好ましくは3分以内となるように調整することが好ましく、ポリイソシアネート成分及びポリエステルポリエーテルポリオール成分の総重量に対し、通常0.05〜5重量%程度である。
【0017】
また、ポリウレタン被膜は、本被覆肥料の性能において許容される範囲で、必要に応じて酸化チタン、ベンガラ等の着色のための顔料や染料;タルク、カオリン、シリカ、カ−ボンブラック、樹脂粉末、クレー等の充填剤としての無機/有機粉粒体;界面活性剤等を含有していてもよい。これらを未硬化ウレタン樹脂中に予め混合したのち反応することによりポリウレタン被膜中に含有させることができる。
【0018】
本被覆肥料は、例えば粒状肥料の表面に未硬化ウレタン樹脂を被覆し、次いで未硬化ウレタン樹脂を反応(硬化)させることにより得られる。
未硬化ウレタン樹脂の粒状肥料の表面への被覆方法としては、例えば流動装置や噴流動装置により流動状態にしたり、回転パン、回転ドラムにより転動状態にした粒状肥料に、未硬化ウレタン樹脂を噴霧、滴下等等により添加混合する方法を挙げることができる。
粒状肥料の表面に被覆された未硬化ウレタン樹脂を反応(硬化)させる方法としては、前記と同様に流動状態あるいは転動状態とした未硬化ウレタン樹脂で被覆された粒状肥料を、例えば熱風に晒す等により60〜80℃程度に加熱する方法を挙げることができる。
また、未硬化ウレタン樹脂の均一性を高めるために、予めポリエステルポリエーテルポリオール成分と触媒とを85℃〜95℃程度に加熱混合しておき、粒状肥料投入時に該混合物とポリイソシアネート成分とを混合することにより未硬化ウレタン樹脂として、本混合物の噴霧、滴下等を行うこともできる。また、未硬化ウレタン樹脂の粒状肥料の表面への被覆を、粒状肥料を未硬化ウレタン樹脂の反応条件下、例えば前記熱風に晒しつつ行うことが、被膜の均一性、粒子同士の粘着による被膜破損の防止、硬化の短時間化等の点で好ましい。
また、流動状態または転動状態とした粒状肥料の表面に、粒状肥料に対してポリウレタン被膜の厚さが1〜10μmとなる量の未硬化ウレタン樹脂を被覆し、硬化させた後、該未硬化ウレタン樹脂の被覆及び硬化を繰り返して、多層被覆させ、所定被覆量となるまでポリウレタン被膜を被覆させる方法が、硬化途中の樹脂同士の増粘による粒状肥料同士の塊状物の発生防止や、被膜の剥がれ防止等の点で工業的に製造するうえでは好ましい。
本被覆肥料におけるポリウレタン被膜の量は、粒状肥料に対して通常6〜16重量%程度である。
【0019】
【実施例】
以下実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
【0020】
粒状被覆肥料の評価方法を以下に示す。
1.ゲルタイム(熱硬化温度)はJISのK 5909に準じて測定。
2.溶出挙動測定
被検体試料をサンプル瓶に7.50g計り取り水100mlを加えた後、25℃で保存して、所定時間経過後、0.5ml分取し、発色用試薬で発色させ、分光光度計にて水中の尿素肥料濃度を追跡して被覆肥料外部への肥料の溶出量を測定して溶出状況を確認する。
【0021】
実施例1
粒状尿素(平均粒径3.1mm)5kgを、熱風発生機を付設した温度制御可能な転動型のコート装置に仕込み、20〜30RPMで回転させ、粒状尿素を転動状態にした。該装置を加熱し、仕込んだ粒状尿素の温度を70℃に維持し、また、転動状態を維持し、次いでポリエステルポリエーテルポリオール成分として90℃で溶解した硬化ひまし油[水酸基価156mgKOH/g、豊国製油(株)製、商品名:硬化ひまし油]7.6g、炭素数6のトリメチロールプロパンにトリメチロールプロパンに対して5〜6当量のプロピレンオキサイドを付加したもの(水酸基価372mgKOH/g、以下、ポリオールAと記す。)7.6g、及びアミン触媒として2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノ−ル0.1gの混合物を、ポリイソシアネート成分として室温状態のポリメリックMDI[NCO基:31% 住化バイエルウレタン(株)製、商品名:スミジュ−ル44V10]9.7gと攪拌混合して得た未硬化ウレタン樹脂を、速やかに70℃で転動状態にある前記粒状尿素に添加し、温度条件および転動状態を維持した。該未硬化ウレタン樹脂は混合、添加時において液状であった。
【0022】
なお、本実施例で用いた未硬化ウレタン樹脂のゲルタイムは70℃において2分20秒であった。また、投入した未硬化ウレタン樹脂量は、仕込み肥料に対して0.5重量%であり、この平均粒径の粒状肥料を被覆した場合、ポリウレタン被膜の膜厚は約3.1μmとなる。目視観察では、投入した未硬化ウレタン樹脂は約30秒でほぼ均一に粒状肥料表面を被覆していることが確認された。未硬化ウレタン樹脂投入3分後に試料の一部を取り出したところ、被膜は殆ど粘着性を失った状態であった。
3分毎に前記ポリウレタン被膜形成工程を15回繰り返し、粒状肥料に対して8重量%被覆を行った。その後、該粒状被覆肥料を73℃で3分維持し、樹脂を完全硬化させた。得られた粒状被覆肥料の25℃の水中での、尿素肥料の溶出割合の経時変化(被覆直後(0日)から10日毎の溶出率)を追跡した(溶出率が80%を超えるまで継続して測定)。結果を表2に示す。
【0023】
実施例2
使用するポリメリックMDI、硬化ひまし油、ポリオールA及びアミン触媒の量を、表1に記載の通りとした以外は、実施例1と同様の操作で粒状被覆肥料を作製した。
得られた粒状被覆肥料を用いて溶出試験を行い、尿素肥料の溶出割合の経時変化を追跡した。結果を表2に示す。
【0024】
比較例1
粒状尿素(平均粒径3.1mm)5kgを、熱風発生機を付設した温度制御可能な転動型のコート装置に仕込み、20〜30RPMで回転させ粒状尿素を転動状態にした。該装置を加熱して仕込んだ粒状尿素の温度を70℃に維持し、また、転動状態を維持し、次いで、ポリオール成分としてポリエステルポリオ−ルである90℃で溶解したひまし油[水酸基価161mgKOH/g、豊国製油(株)製、商品名:工業用1号ひまし油]7.6g、ポリオールA7.6g、及びアミン触媒として2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノ−ル0.1gの混合物を、ポリイソシアネート成分として室温状態のポリメリックMDI[NCO基:31% 住化バイエルウレタン(株)製、商品名:スミジュ−ル44V10]9.8gと攪拌混合して得た未硬化ウレタン樹脂を、速やかに70℃で転動状態にある前記粒状尿素に添加し、温度条件および転動状態を維持し、3分間かけて硬化させた。
【0025】
3分毎に前記ポリウレタン被膜形成工程を15回繰り返し、粒状肥料に対して8重量%被覆を行った。その後、該粒状被覆肥料を73℃で3分維持し、樹脂を完全硬化させた。得られた粒状被覆肥料の25℃の水中での、尿素肥料の溶出割合の経時変化(被覆直後(0日)から10日毎の溶出率)を追跡した(溶出率が80%を超えるまで継続して測定)。結果を表2に示す。
【0026】
比較例2
使用するポリメリックMDI、ひまし油、ポリオールA及びアミン触媒の量を、表1に記載の通りとした以外は、比較例1と同様の操作で粒状被覆肥料を作製した。得られた粒状被覆肥料を用いて溶出試験を行い、尿素肥料の溶出割合の経時変化を追跡した。結果を表2に示す。
【0027】
【表1】
Figure 2004203667
【0028】
【表2】
Figure 2004203667
【0029】
【発明の効果】
本発明によれば、肥料成分溶出後における被膜の自然崩壊性を維持しつつ、肥料成分をより遅延的に溶出させることが可能な粒状被覆肥料を提供できる。

Claims (4)

  1. 粒状肥料がポリエステルポリエーテルポリオール成分とポリイソシアネート成分とを反応することにより形成されるポリウレタン被膜で被覆されてなる粒状被覆肥料であって、
    該ポリエステルポリエーテルポリオール成分が、(a)硬化ひまし油と(b)炭素数3〜6の多価アルコールのポリプロピレンオキシド付加物からなるポリエーテルポリオールとの混合ポリエステルポリエーテルポリオールであり、(a)と(b)との重量比が20:80〜80:20であり、ポリエステルポリエーテルポリオール成分とポリイソシアネート成分との反応における該ポリイソシアネート成分に由来するNCO基の、該ポリエステルポリエーテルポリオール成分に由来するOH基に対する当量比が0.9〜1.2である粒状被覆肥料。
  2. 流動状態または転動状態にある粒状肥料に、下記成分(1)、成分(2)及び成分(3)からなり、成分(2)に由来するCNO基の成分(1)に由来するOH基に対する当量比が0.9〜1.2である混合物を添加混合し、該流動状態または転動状態を維持することにより該粒状肥料に該混合物を被覆し、硬化させることを特徴とするポリウレタン被膜で被覆された粒状被覆肥料の製造方法。
    成分(1) (a)硬化ひまし油と(b)炭素数3〜6の多価アルコールのポリプロピレンオキシド付加物からなるポリエーテルポリオールとの混合ポリエステルポリエーテルポリオールであり、(a)と(b)との重量比が20:80〜80:20。
    成分(2) ポリイソシアネート。
    成分(3) 触媒。
  3. 硬化させた後、さらに前記混合物の添加混合及び該転動状態の維持による該混合物の被覆、硬化を少なくとも1回繰り返す請求項2に記載の方法。
  4. 該混合物の硬化が60〜80℃の条件下に行われる請求項2または3に記載の方法。
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