JP2011025721A - 双輪型ベビーカーの車輪取付構造及び該構造を備えたベビーカー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】双輪の内輪19と外輪21が回転自在に取り付けられた車軸23を揺動可能に保持することにより、該車軸23に保持された前記内輪19と前記外輪21が上下逆方向に動けるようにしたことを特徴とする双輪型ベビーカーの車輪の取付構造。また、揺動の角度が上下に各3°以上であることを特徴とする双輪型ベビーカーの車輪の取付構造。
【選択図】 図1
Description
なお、本明細書において、「前」とは通常の状態におけるベビーカーの進行方向をいい、「後」とはその逆をいう。
このような構造の双輪型ベビーカーにおいて、走行時にフレームへ振動が伝わるのを緩和する手段として、車軸保持部をフレームに対して上下動可能に設置し、上下動部にバネを設置して該バネによって振動を吸収するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
直進安定性を向上させるために双輪の内輪径を外輪径よりも小径にして左右の双輪の前部が内側を向くように、つまりトーインとなるように設置したものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
この点、上述の従来のベビーカーにおいては、振動抑制についてはバネなどの緩衝部材を設けるようにし、直進安定性についてはトーイン配置になるようにしている。
<振動抑制の問題>
緩衝部材を設置して振動吸収する構造は、走行路の凹凸によって生ずる振動を吸収するための構造である。したがって、平坦な走行路ではそもそも振動が生じないはずである。しかしながら、発明者がより良いベビーカーの開発を進める過程において、緩衝部材を装着したベビーカーを平坦な走行路で走行させたときに原因不明の振動が生ずる現象が見られた。そこで、発明者はこの原因を究明すべく研究を進めたところ、双輪を構成する内輪と外輪のタイヤ形状に起因することを突き止めた。この点を、図15、図16に基づいて説明する。
なお、図15、図16は説明を容易にするための模式図であり、内輪、外輪の側面を内輪と外輪を並べて記載すると共に内輪、外輪の中心を車軸に相当する線で結んで示したものである。
ある製造方法によると、タイヤをホイールに挿入する際、タイヤを複数の爪(例えば5つの爪)で内側から押し広げるようにする。このため、爪によって押し広げられた部分が少し出っ張ることになり、タイヤが真円にならず略五角形になる場合がある。このような五角形のタイヤの場合、前述の楕円の場合と同じ現象が生ずる。
本発明の解決すべき課題は、タイヤ自体の形状に起因するかどうかは別にして、走行時に生ずる振動を可及的に防止して振動が生じない快適なベビーカーを得ることである。
双輪型のベビーカーにおいては、前述したように、前輪は360°水平旋回自在に設置され、後輪は水平旋回しないようになっているのが一般的である。後輪を水平旋回しないようにしているのは直進走行性を確保するためである。
図17は、後輪の設置部を模式的に示す説明図であり、後輪を平面視した状態を示している。後輪を支持する支持部と後脚フレームとが接合されているが、この接合部分は、図17(a)に示すように、通常、後輪を真正面に向けて設置して、例えばリベットなどで固定するようにしている。
そのため、後脚フレームが正しく真正面を向くように管理されて製造されているが、組み立て時の誤差などにより、後脚フレームが真正面を向かない場合が生じているのが現状である。
そこで、本発明の解決するべき他の課題は、仮にフレーム軸が真正面を向いていないような場合であっても、直進安定性を害することのないベビーカーを得ることである。
後脚3の下部から前脚5の上部に亘ってシートを保持するためのシート杆13が設置されている。
後輪15の取付構造は、端部に内輪19、外輪21が取り付けられた車軸23を保持する車軸保持部材25と、後脚3に連結されると共に車軸保持部材25を支持する支持部材27とを備えて構成されている。なお、図3〜図14において、部品間の区別を明確にするため、車軸保持部材25に薄い色を付けて示している。
後脚挿入孔29は前後に円弧状面部29aを有し、該円弧状面部29a間の両側に平面部29bを有している。挿入室31は、底面が開口し、上面には天井面33(図5参照)が設けられ、平断面は後方側が開口する略コ字状の形状をしている(図6参照)。挿入室31の前方両側には上下に延びるガイド溝35が形成されている。また、挿入室31の側面には、車軸23が挿入される上下に延びる長丸状の開口部37が設けられている(図4参照)。
そして、図5に示すように、端部材41を挿入孔に挿入した状態において、両方の平面部29bには隙間S1が形成されるようになっており、その結果、後脚3に対して支持部材27は水平方向に所定角度(左右に3°〜5°)回動可能になっている。
いる。
矩形状部43と車軸保持部材25の天井面33との間には、図7に示すように、バネ49が装着されており、バネ49の上方にはクッションゴム51が設置されている。これらバネ49とクッションゴム51が緩衝材となって車輪の上下方向の振動を緩和する。
ストッパ部材55は、足などによって操作される操作レバー57と、車輪のスポーク部に係止して車輪の回転を止める突起部59と、2枚のブラケット部53に形成された穴61に挿入された回動軸63を備えている(図4参照)。
ストッパ部材55は、回動軸63によって支持されて、図4の矢印の方向に回動できる。そして、下方に回動したときには、突起部59が車輪に係止して車輪の回転を止めるように構成されている。
なお、ストッパ部材55には突起65が形成されており、走行する際には突起65がブラケット部53に形成した穴67に係止してその位置が保持され、また突起部59で車輪の回転を停止する際には突起65がブラケット部53に形成された穴69に係止してその位置が保持される。
ストッパ部材55を車軸保持部材25に取り付けることより、車軸保持部材25が上下動したとしても、ストッパ部材55と車輪との相対位置が変化しないので、ストッパ部材55の突起部59を車輪に確実に係止させることができる。
図6、図8に示すように、支持部材27と車軸保持部材25との間には隙間S2、S3が形成されており、車軸保持部材25は支持部材27に対して揺動することができる。そのため、車軸保持部材25に保持された車軸がθ2の角度で揺動でき、図9、図10に示すように、内輪19側が外輪21側よりも上になったり、図11、図12に示すように、外輪21側が内輪19側よりも上になったりすることができる。
仮に内輪19及び/又は外輪21の形状が真円でなかった場合、その形状に起因して走行時に車軸23と共に車軸保持部材25が揺動するが、その揺動は支持部材27と独立してすることができ、支持部材27に伝達されず、それ故に振動が後脚3に伝達されない。つまり、従来のように車軸保持部材25が支持部材27に対して揺動できないとすれば、車輪の形状に起因して生ずる振動がそのまま後脚3に伝達されてフレームが振動することになるが、本実施の形態では、車軸保持部材25が支持部材27に対して揺動することで、車軸23の揺動が支持部材27に伝達されないのである。
図12は片方の後輪部分の平面図であり、この状態は進行方向に対して後輪15が真直ぐになっている状態である。また、図13は、図12の状態から端部材41を図中反時計回りにθ1°だけ水平回動した状態を示し、図14は、図12の状態から図中時計回りにθ1°だけ水平回動した状態を示す。
しかも、後輪15は前輪のように360°旋回自在ではなく、所定の角度(片側方向へ3°〜5°づつの角度)のみの回動可能であり、直進走行性を害することがない。
例えば、車軸保持部材25と支持部材27との間には揺動できる隙間を設けず、支持部材27と後脚3との連結部に支持部材27が後脚3に対して揺動できるように設置するような構造であってもよい。
もっとも、本実施の形態においては、車軸保持部材25を支持部材27に対して揺動できるようにしていることから、車軸23の近傍に揺動部が設けられた構造になっていることから、隙間を小さくしても揺動角度を大きくとることができ好適である。
したがって、支持部材27が後脚3に対して水平回動可能である構造のみを搭載したベビーカーの構造は以下のように表現することができる。
車軸23を保持する車軸保持部材25と、後脚フレームに取り付けられると共に前記車軸保持部材25を支持する支持部材27とを有し、前記支持部材27は、前記後脚フレームに所定角度だけ水平方向回動可能に取り付けられていることを特徴とする双輪型ベビーカーの車輪の取付構造。
3 後脚
4 連結部材
5 前脚
7 押棒
9 第1交差杆
11 第2交差杆
13 シート杆
15 後輪
17 前輪
19 内輪
21 外輪
23 車軸
25 車軸保持部材
27 支持部材
29 後脚挿入孔
29a 円弧状面部
29b 平面部
31 挿入室
33 天井面
35 ガイド溝
37 開口部
39 パイプ
41 端部材
43 矩形状部
45 車軸挿入孔
47 凸条部
49 バネ
51 クッションゴム
53 ブラケット部
55 ストッパ部材
57 操作レバー
59 突起部
61 穴
63 回動軸
65 突起
67 穴
69 穴
Claims (9)
- 双輪の内輪と外輪が回転自在に取り付けられた車軸を揺動可能に保持することにより、該車軸に保持された前記内輪と前記外輪が上下逆方向に動けるようにしたことを特徴とする双輪型ベビーカーの車輪の取付構造。
- 前記揺動の角度が上下に各3°以上であることを特徴とする請求項1記載の双輪型ベビーカーの車輪の取付構造。
- 前記車軸を保持する車軸保持部材と、脚フレームに取り付けられると共に前記車軸保持部材を支持する支持部材とを有し、前記車軸保持部材と前記支持部材との間に隙間を形成することによって前記車軸保持部材が前記支持部材に対して揺動できるようにしたことを特徴とする請求項1又は2記載の双輪型ベビーカーの車輪の取付構造。
- 前記支持部を、前記車軸保持部材が前記支持部材に支持された状態で上下動可能に構成し、前記車軸保持部材と前記支持部材との間に弾性体を設定したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の双輪型ベビーカーの車輪の取付構造。
- 前記車軸保持部材に、前記内輪及び外輪に係止してこれら内輪及び外輪の回転を止めるストッパを設けたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の双輪型ベビーカーの車輪の取付構造。
- 後輪側に設けられた前記支持部材は、前記後脚フレームに所定角度だけ水平方向回動可能に取り付けられていることを特徴とする請求項3乃至5のいずれかに記載の双輪型ベビーカーの車輪の取付構造。
- 回動角度が左右に各3°〜5°の範囲に設定されていることを特徴とする請求項6記載の双輪型ベビーカーの車輪の取付構造。
- 前記後脚フレームの端部を前記支持部材に形成した孔に挿入することによって前記支持部材を前記後脚フレームに水平方向回動可能に設置する構造であって、前記後脚フレームの端部の軸方向直交断面形状が前後に円弧状部を有する形状であり、前記支持部材には前記後脚フレームの端部が挿入可能な孔が設けられ、該孔の形状が前記後脚フレーム端部の前後に形成された円弧状部に沿う円弧状部を備えていることを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載の双輪型ベビーカーの車輪の取付構造。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の双輪型ベビーカーの車輪の取付構造を備えたことを特徴とするベビーカー。
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