JP2011023297A - 色素増感型光電変換素子 - Google Patents

色素増感型光電変換素子 Download PDF

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Abstract

【課題】複数の金属線が網目状に編まれてなる網目状構造の作用極を有する色素増感型光電変換素子において、その光電変換効率を向上するとともに、その重量を軽量化した光電変換素子を提供する。
【解決手段】導電性を有するとともに線状をなす複数の第1基材8および第2基材9が網目状に編まれてなる領域から構成される作用極を備える色素増感型光電変換素子1であって、前記作用極の受光面側にのみ多孔質酸化物半導体層13が形成されていることを特徴とする色素増感型光電変換素子1。
【選択図】図2

Description

本発明は、色素増感型太陽電池などに用いられる光電変換素子に関する。より詳しくは、光電変換効率に優れた構造を有する色素増感型光電変換素子に関する。
色素増感型太陽電池は、スイスのグレッツェルらのグループなどから提案されたもので、高い変換効率を得られる光電変換素子として着目されている(例えば、非特許文献1を参照)。
色素増感型太陽電池は、シリコン系の従来型の太陽電池と比較して大幅な低価格化が可能とされているが、発電部に使用される導電性基板の価格が低価格化の障害となっている。従来構造の色素増感型太陽電池においては、特に光が入射する側の電極(窓電極)には、可視光の透過性と高い伝導性が要求されるため、ガラス基板やプラスチック基板上にスズドープ酸化インジウムやフッ素ドープ酸化スズといった透明導電性金属酸化物を塗布した基板が用いられてきた。したがって、このような透明導電性基板を用いていない、全く新しい構造の色素増感型太陽電池が実現するならば、太陽電池の大幅な低価格化が可能であるとして研究開発が進められている。
これらの解決手段として、金属線を発電部の作用極に用いる新規な素子構造(特許文献1、2、3、4参照)が提案されている。しかし、これらの構造においては、作用極に金属線を採用したがゆえに、大面積の太陽電池モジュールの構成が困難となり、本来、色素増感型光電変換素子が有する、大面積化が容易であるという利点を損なう結果となった。そのため、上記の利点を損なうことのない素子構造の開発が必要とされている。
大面積素子を可能とする構造として、特許文献5に記載されたようなものがある。この構造は、例えば作用極をなす金属線を、複数の金属線が網目状に編まれてなる網目状構造としたものであって、このような構造の作用極を用いることによって、大面積素子を構成するとともに、フレキシブルな構造の色素増感型光電変換素子の提供を可能とするものである。
特開2008−181690号公報 特開2008−181691号公報 特開2005−196982号公報 特表2005−516370号公報 特開2008−311121号公報
O'Regan B., Graetzel M., Alow cost, high-efficiency solar cell based on dye-sensitized colloidal TiO2 films, Nature, 1991年, 353号, 737-739ページ
色素増感型光電変換素子の作用極を複数の金属線が網目状に編まれてなる網目状構造とした場合、作用極には色素を担持する酸化チタン等からなる多孔質酸化物半導体層が形成される。しかしながら、図4に示すように、多孔質酸化物半導体層で作用極を覆うことにより、作用極と対極とがその多孔質酸化物半導体層によって隔てられ、作用極と対極との物理的な距離が離れてしまうので光電変換効率が低下するという問題がある。また、太陽電池セルが大面積化する傾向にある今日、その重量の低減が望まれている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、複数の金属線が網目状に編まれてなる網目状構造の作用極に多孔質酸化物半導体層が形成されてなる発電極を有する色素増感型光電変換素子であって、その光電変換効率を向上するとともに、その重量を軽量化し、さらに低コスト化も図れる光電変換素子を提供する。
本発明の請求項1に記載の色素増感型光電変換素子は、導電性を有するとともに線状をなす複数の第1基材および第2基材が網目状に編まれてなる領域から構成される作用極を備える色素増感型光電変換素子であって、前記作用極の受光面側にのみ多孔質酸化物半導体層が形成されていることを特徴とする。
本発明の請求項2に記載の色素増感型光電変換素子は、請求項1において、前記多孔質酸化物半導体層が、前記作用極の受光面側の表面プロファイルに沿った形状であることを特徴とする。
本発明の色素増感型光電変換素子によれば、前記領域からなる作用極の受光面側にのみ多孔質酸化物半導体層を形成し、対極に向き合う側には該多孔質酸化物半導体層を形成しないことにより、従来の色素増感型光電変換素子よりも、作用極と対極との距離が短くなり、光電変換効率を向上させることができる。さらに、作用極の単位面積あたりに形成される多孔質酸化物半導体層の重量を半減させて軽量化することができ、該単位面積あたりの多孔質酸化物半導体層の形成に要するコストを減らすことができる。
また、前記多孔質酸化物半導体層が、前記作用極の受光面側の表面プロファイルに沿った形状である場合、受光面における該多孔質酸化物半導体層の厚さがより均一になり、また該受光面の表面積が拡がるため、光電変換効率をより向上させることができる。
本発明に係る色素増感型光電変換素子の一例の概略構成図である。 本発明に係る色素増感型光電変換素子の一例の概略断面図である。 本発明に係る色素増感型光電変換素子の一例の概略分解斜視図である。 従来の色素増感型光電変換素子の一例の概略断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明に係る色素増感型光電変換素子の一例について詳細に説明する。
図1〜3に示すように、本発明に係る色素増感型光電変換素子1は、平面視矩形の発電部2と該発電部2の外部に設けられた集電部3とから構成されており、発電部2において発生した電子が、発電部2の一辺より延在する集電用配線4を介して集電部3において集電される構成である。
発電部2は、平面視矩形の網目状構造の作用極5と、平面視矩形の板状の対極6とがセパレータ10を介して重ね合わされるように構成されている。作用極5は、導電性を有する複数の第1基材8と複数の第2基材9とが編まれることによって矩形の網目状構造からなる領域をなしている。これら第1基材8と第2基材9とはともに線状をなす。
図3に示すように、作用極5の受光面側Aには、色素を担持した多孔質酸化物半導体層13が形成されている。発電極7は、作用極5と多孔質酸化物半導体層13とから構成される。該多孔質酸化物半導体層13は、電解質18を含浸している。一方、作用極5が対極6に向き合う側Bには、多孔質酸化物半導体層は形成されていない。
一方、図4に示すように、従来の光電変換素子100において、基材108及び基材109が網目状に編まれてなる領域からなる作用極105には、その両面に多孔質酸化物半導体層113が形成されている。その結果、作用極105と対極106とが多孔質酸化物半導体層113及びセパレーター110で隔てられる構成となる。
本発明の色素増感型光電変換素子1の特徴は、上記のように、発電極7において作用極5の受光面側Aに多孔質酸化物半導体層13が形成され、作用極5が対極6に向き合う側B(以下、非受光面側Bということがある)には多孔質酸化物半導体層が形成されないことである。このような構成とすることで、作用極5の非受光面側Bにおいて、複数の第1基材8および複数の第2基材9と対極6との距離を、従来(図4)よりも短くすることができる。その結果、本発明の色素増感型光電変換素子1の光電変換効率を向上させることができる。そのメカニズムとしては、該距離を短くすることにより、ヨウ素/ヨウ化物イオン等の酸化還元対が作用極5の非受光面側Bと対極6との間を効率良く移動できるため、多孔質酸化物半導体層13に担持された色素に対する対極6からの電子の供給がより速やかに行われることが考えられる。
このように、前記受光面側Aにのみ多孔質酸化物半導体層13を形成して、前記非受光面側Bには形成しないので、発電極7の重量における多孔質酸化物半導体層13の占める重量を従来のおおよそ半分に低減することができる。また、発電極7の製造コストにおける多孔質酸化物半導体層13の形成に要するコストを従来のおおよそ半分にすることができる。よって、本発明の色素増感型光電変換素子1は、従来(図4)の色素増感型光電変換素子よりも軽量性に優れ、製造コストの観点からも優れている
つぎに、図1〜3に示すように、対極6は、板状の導電性基材であり、セパレータ10を挟んで作用極5と重ね合わされている。また対極6は、集電部3と対となる接続部6aを有しており、この接続部6aは、発電部2の外側に延出している。
作用極5と対極6、およびその間に挿入されているセパレータ10は、2枚のフィルム14により挟まれており、2枚のフィルム14内は電解質18で満たされている。発電部2は4辺において、熱圧着部12によって封止されており、これにより電解質18がフィルム14内に封入されている。
また、作用極5を構成する複数の第1基材8の全てが、作用極5より延長されることで外方へ引き出され集電用配線4となり、外部において集電部3を有している。
前記集電部3は、集電用配線4を構成する第1基材8と、導電性を有する複数の外周基材31(外周基材)とから構成されている。外周基材31は線状をなしており、集電用配線4と網目状に編まれてなる部位をなす構造を有している。また、外周基材31は、その両端側がこの網目状に編まれてなる部位から長手方向に延在している。
以下、各構成要素について、詳細に説明する。
図1〜3で例示した色素増感型光電変換素子1では、第1基材8、第2基材9、および外周基材31は直径0.05mmのチタン(Ti)からなるワイヤである。作用極5は、所定本数の第1基材8および第2基材9が互いに網目状に編まれてなる構造を有している。第1基材8と第2基材9とは、重複部において互いが十分接触するように編まれ、矩形をなす網目状構造を有している。
前記網目状構造の単位面積あたりの隙間面積(開口率)としては特に制限されず、例えば0%以上20%以下でよい。
図1〜3に示した発電部2において、周囲の4辺のうち側方に位置する辺をそれぞれ第1辺20、第2辺21とし、上下に位置する辺をそれぞれ第3辺22、第4辺23とすると、各第2基材9は、第3辺22から第4辺23まで延在しているとともに、複数の第2基材9が第1辺20から第2辺21まで、所定本数列設されている。
複数の第1基材8は、第3辺22から第4辺23まで所定本数列設されているとともに、第1辺20から集電部3まで延在している。つまり、作用極5を構成する基材のうち第1基材8の全ては、矩形をなす発電部2の一辺より発電部2から延長されるように、外部に引き出されている。第1基材8のうち、第2辺21と集電部3との間の部分は、集電用配線4となり、作用極5にて発生した電子は、この集電用配線4を介して集電部3に集められる。
延長された第1基材8は、所定位置で外周基材31と互いに交差するように網目状に編まれることで、集電構造を形成する。外周基材31は、第1基材8と編まれることによって網目状構造をなすように、3本以上からなることが好ましい。外周基材31は、集電部3からその長手方向に延在しており、この延在部の任意の位置で集電が実施される。
第1基材8および第2基材9の材料としてはTiに限ることはなく、タングステン(W)や白金(Pt)など耐食性の高い金属およびそれらの合金も使用可能である。また、導電性を有し、かつ、電解質18に対して電気化学的に不活性な材質からなる線状基材を、例えば、Tiなどによって被覆したTi被覆金属線なども第1機材8および第2基材9として用いられる。
第1基材8よび第2基材9の太さ(直径)としては、例えば、10μm〜10mmとするのが好ましい。ただし、柔軟性を十分に発揮させるためには、これらの基材の太さは細いほどよい。
前記Ti被覆金属線としては、例えばTi被覆銅(Cu)線が挙げられる。導電性の高いCu線からなる中心線を、耐食性の高いTiで被覆することにより、該ワイヤで構成される作用極5の内部抵抗を抑えると同時に、該ワイヤの電解液による腐食を抑制することができる。
前記Ti被覆Cu線の製造方法としては、公知の方法で行うことができる。例えば、Tiを押出成型等によってパイプ状に形成すると共に、Cuを押出成型等によって線状に形成し、これらTiパイプとCu線を同時に走行させつつTi製パイプの内部にCu線を挿入し、これらを絞って、両者間を密着させて、Ti被覆Cu線を得ることができる。
このような線引き加工法により作製されたTi被覆Cu線は、スパッタ法やめっき加工法等によって製造されたものよりも被覆層の密着性に優れ、その製造コストを低く抑えることができる。
前記網目状に編まれてなる領域の製織方法としては、図3に例示した平織りに限定されず、綾織り、朱子織り等の一般的な布の製織方法と同様の方法を適用できる。その平織りは、織り機上で、第2基材9からなる複数の縦線が一本ずつ交互に上下に分けられ、その上下に分かれた複数の縦線の間に第1基材8からなる横糸が通され、筬で打ち込まれる工程が1サイクルとなる。次のサイクルでは、複数の縦線の上下を前回のサイクルと入れ換えて再び一本ずつ交互に上下に分けられて、その間に横線が通され、筬で打ち込まれる。
このようにして、第1基材8および第2基材9が網目状に編まれてなる網目状構造の領域からなる作用極5を得ることができる。
前記作用極5の受光面側Aにのみ形成される多孔質酸化物半導体層13の材料としては、酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ニオブ(Nb)、酸化タングステン(WO)等の半導体が挙げられ、これらのなかでも容易に入手可能であり優れた電気伝導特性を有することから、酸化チタンが好ましい。
多孔質酸化物半導体層13を前記受光面側Aに形成する方法としては、公知の方法が適用できる。
例えば、多孔質酸化物半導体を溶媒に懸濁したものをスクリーン印刷法によって、前記受光面側Aに塗布することができる。この場合、塗布量及び塗布圧力を厳密に調整できるので、前記受光面側Aの表面プロファイル(網目状構造を構成する縦線と横線とによって形成される凹凸形状)に沿って薄く塗布することができる。塗布後乾燥し、さらに500℃程度の高温で焼結することによって、前記受光面側Aに形成される多孔質酸化物半導体層13からなる受光面(表面)が、前記受光面側Aの表面プロファイルに沿った形状で形成される。
このような形状で形成された前記受光面の場合、平板状の受光面(表面)よりも光電変換効率を向上させることができるので好ましい。
光電変換効率が向上する理由としては、前記受光面側Aの表面プロファイルに沿った形状の受光面において、多孔質酸化物半導体層13の厚さがより均一になり、相対的に厚い部分が無いためであること、さらに、その受光面は凹凸形状であるので、平坦な受光面よりも表面積が広いこと、が考えられる。なお、前記相対的に厚い部分では、色素から作用極5へ電子が移動する際の多孔質酸化物半導体層13による抵抗が増してしまい、光電変換効率が相対的に低くなる傾向がある。また、該多孔質酸化物半導体層13が薄すぎる部分では、担持される色素量が少ないので作用極5へ移動する電子自体が少なくなり、光電変換効率が低くなる傾向がある。この2つのトレードオフの関係において、該多孔質酸化物半導体層13の厚さとしては、5μm以上40μm以下が好ましく、10μm以上30μm以下がより好ましく、15μm以上20μm以下が最も好ましい。
また、多孔質酸化物半導体層13を前記受光面側Aに形成する別の方法としては、ドクターブレード法が挙げられる。
多孔質酸化物半導体を溶媒に懸濁してペースト状にしたものを、前記受光面側Aに塗布して、ドクターブレード法によって平板状に展ばして成膜する。これを乾燥し、さらに500℃程度の高温で焼結することによって、多孔質酸化物半導体層13を形成することができる。
前記受光面側Aに形成される多孔質半導体層13の厚さとしては、前記基材の太さによって適宜調整すればよく、例えば1μm〜50μmの厚さで行うことができる。
なお、多孔質半導体層13は、集電配線4には形成されない。
前記受光面側Aに形成される多孔質半導体層13の表面には、少なくともその一部に増感色素が担持され、電解質18が含浸されている。
その増感色素としては、例えば、N719、N3、ブラックダイなどのルテニウム錯体、ポルフィリン、フタロシアニン等の含金属錯体をはじめ、エオシン、ローダミン、メロシアニン等の有機色素などを適用することができ、これらの中から用途、使用半導体に適した励起挙動をとるものを適宜選択すれば良い。
また、多孔質酸化物半導体層13内には、電解液が含浸されており、この電解液も前記電解質18の一部を構成している。この場合、多孔質酸化物半導体層13内の電解質18は、多孔質酸化物半導体層13内に電解液を含浸させてなるものか、または、多孔質酸化物半導体層13内に電解液を含浸させた後に、この電解液を適当なゲル化剤を用いてゲル化(擬固体化)して、多孔質酸化物半導体層13と一体に形成されてなるもの、あるいは、イオン液体をベースとしたもの、さらには、酸化物半導体粒子及び導電性粒子を含むゲル状の電解質などが用いられる。
上記電解液としては、ヨウ素、ヨウ化物イオン、ターシャリーブチルピリジンなどの電解質成分が、エチレンカーボネートやメトキシアセトニトリルなどの有機溶媒やイオン液体に溶解されてなるものが用いられる。
この電解液をゲル化する際に用いられるゲル化剤としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンオキサイド誘導体、アミノ酸誘導体などが挙げられる。
また、揮発性電解質溶液に代えて、一般に色素増感型太陽電池に用いられるものであれば、溶媒がイオン液体であるものやゲル化したものだけではなく、p型無機半導体や有機ホール輸送層といった固体であっても制限なく使用可能である。
上記イオン液体としては、特に限定されるものではないが、室温で液体であり、例えば、四級化された窒素原子を有する化合物をカチオンとした常温溶融塩が挙げられる。
常温溶融塩のカチオンとしては、四級化イミダゾリウム誘導体、四級化ピリジニウム誘導体、四級化アンモニウム誘導体などが挙げられる。
常温溶融塩のアニオンとしては、BF ,PF ,(HF) 、ビストリフルオロメチルスルホニルイミド[N(CFSO ]、ヨウ化物イオンなどが挙げられる。
イオン液体の具体例としては、四級化イミダゾリウム系カチオンとヨウ化物イオンまたはビストリフルオロメチルスルホニルイミドイオンなどからなる塩類を挙げることができる。
上記酸化物半導体粒子としては、物質の種類や粒子サイズなどは特に限定されるものではないが、イオン液体を主体とする電解液との混和性に優れ、この電解液をゲル化させるようなものが用いられる。また、酸化物半導体粒子は、電解質18の半導電性を低下させることがなく、電解質18に含まれる他の共存成分に対する科学的安定性に優れることが必要である。特に、電解質18がヨウ素/ヨウ化物イオンや、臭素/臭化物イオンなどの酸化還元対を含む場合であっても、酸化物半導体粒子は、酸化反応による劣化を生じないものが好ましい。
このような酸化物半導体粒子としては、TiO、SnO、SiO、ZnO、Nb、In、ZrO、Al、WO、SrTiO、Ta、La、Y、Ho、Bi、CeOからなる群から選択される1種または2種以上の混合物が好ましく、その平均粒径は2nm〜1000nm程度が好ましい。
上記導電性微粒子としては、導電体や半導体など、導電性を有する粒子が用いられる。
また、導電性粒子の種類や粒子サイズなどは特に限定されるものではないが、イオン液体を主体とする電解液との混和性に優れ、この電解液をゲル化するようなものが用いられる。さらに、電解質18に含まれる他の共存成分に対する化学的安定性に優れることが必要である。
特に、電解質18がヨウ素/ヨウ化物イオンや、臭素/臭化物イオンなどの酸化還元対を含む場合であっても、酸化反応による劣化を生じないものが好ましい。
このような導電性微粒子としては、カーボンを主体とする物質からなるものが挙げられ、具体例としては、カーボンナノチューブ、カーボンファイバ、カーボンブラックなどの粒子を例示できる。これらの物質の製造方法はいずれも公知であり、また、市販品を用いることもできる。
対極6は、導電性を有する板状をなし、その表面が不導態となるTi板から構成される。また、対極6は、表面にPtからなる触媒膜(不図示)を有している。
対極6の構成は、上述したようなPt被膜Ti板に限るものではなく、Pt板、またはPtを被膜した金属板であってよい。あるいは、カーボン板、またはカーボンを被膜した金属板であってよい。
対極6の厚みは約40μm、膜の厚みは30nmとするとよいが、電流を流すことができ、触媒能を発揮できる厚みであればこれに限定されることはない。
作用極5と対極6との間には、作用極5と対極6との短絡を防止するために、非導電性の材料からなるセパレータ10が挿入されている。セパレータ10は作用極5と対極6とが直接接触することを防いで電気的に絶縁できるものであり、且つ、作用極5と対極6との間を前記酸化還元対が移動できるものであれば、その形状や材質は特に制限されない。例えば、樹脂製の多孔質平膜を好適に用いることができる。セパレータ10の材質としては、ポリエチレンなどのポリオレフィンが好適であり、厚さは20μm以下であることが好ましいが、電解液に耐え、作用極5と対極6とを絶縁可能であれば、これらに限定はされない。
さらに作用極5、対極6、およびセパレータ10は、PETを基板とする高ガスバリアフィルムで形成されたフィルム14に挟まれる構成となっており、これにより電解質18を封止している。
フィルム14は、作用極5の網目状構造部分、および対極6と略同形状の矩形形状をなしており、その4辺において熱圧着部12が形成されている。
上述したような構成の光電変換素子1は、集電部3に電気機器などを接続導体を介して接続した場合、透光性のフィルム14を介して太陽光などの光線を入射させると、発電部2において発生した電子のうち、第1基材8に発生した電子の全てを取り出すことが可能となるため、光電変換効率が著しく向上する。
また、発電部2は、網目状構造の作用極5、薄板状の対極6、およびPETからなるフィルム14の組合せであるため、フレキシブル性に優れた光電変換素子の製造が可能となる。また、光電変換素子1の薄型化も可能となる。
また、第1基材8と第2基材9とからなる作用極5を互いに交差するように網目状に編む際、同時に第1集電部3を網目状に編むことによって、より短時間で作用極5と集電部3を形成することが可能となる。
また、複数の第1外周基材31のそれぞれが、複数の第1基材8と網目状に編まれることで、第1基材8および/または第1外周基材31の一部に断線が発生した場合においても、他の部分によって集電が実施されるため、より信頼性の高い集電が可能となる。
また、第1基材8の両側から集電することが可能となるため、より光電変換効率が向上するという効果が得られる。
上述した色素増感型光電変換素子1は、第1基材8の一端が延在され集電部3が形成されているが、該集電部3は複数設けることができる。例えば、第1基材8の両端を延在して2つの集電部3が発電部2を挟むように設けてもよく、第2基材9の一端又は両端を延在して、同様に集電部3を設けてもよい。複数の集電部3を設けることにより、第1基材8及び第2基材9に発生した電子の取り出し効率を高めて、光電変換素子1の光電変換効率を高めることができる。
[実施例1]
図1〜3に示す構造の光電変換素子を実施例1として、以下のとおり作製した。
まず、直径0.050mmのTi線を縦線及び横線として使用して、開口率が0.5%である密な網目状構造を平織りで製織した。縦横のTi線が網目状に編まれてなる矩形の領域(作用極)のサイズは5cm×5cmとし、Ti線の本数は縦横それぞれ900本とした。
集電部を構成するTi線の本数はそれぞれ180本とし、集電部の幅は1cmとした。
つづいて、作用極の受光面側にのみTiOペースト(触媒化成製;PST−21NR)をスクリーン印刷法によって、塗膜の厚みが7μmとなるように、前記受光面側の表面プロファイルに沿って塗布した。つぎに、これを乾燥させ、再び塗布して成膜するという一連の工程を3回繰り返した。
つぎに、TiOを成膜した作用極を、電気炉で500℃、1時間焼結して、その網目状の凹凸に沿った形状の多孔質TiO層が形成された作用極からなる発電極を得た。その多孔質TiO層の厚さは15μmであった。
得られた前記発電極を、ルテニウム色素(Solaronix社製、RutheAlum535-bisTBA、一般にはN719と呼ばれる)の0.3mM、アセトニトリル/tert-ブタノール=1:1溶液に浸漬し、室温で24時間放置して前記多孔質TiO層の表面にルテニウム色素を担持した。色素溶液から引き上げた後、上記混合溶媒で洗浄した。
一方、三元RFスパッタ装置を用いて5cm×5cmの矩形Ti板上にPtを蒸着させたものを対極とした。
そして、発電極の多孔質TiO層が形成されていない面を対極に向かい合わせて、厚さ12μmのセパレータを介して重ね合わせた。
つづいて、PETを基板とする高ガスバリアフィルムを2枚重ね、この2枚のフィルムの間に発電極および対極を挟んでPETフィルム外周部を熱圧着により結合し、発電部のセルを形成した。
セル内に、メトキシアセトニトリルを溶媒とする揮発性電解質を注入した。最後に電解液注入部を熱圧着することによって、発電部を封止した。
なお、セルの側面を封止する際、集電部および作用極と集電部をつなぐ集電配線を、セルの外へ引き出してから、セルを封止した。
[比較例1]
比較例1として、作用極の両面(一方の面および他方の面)に多孔質TiO層が形成されたこと以外は、実施例1と同じ構成をもつ色素増感型光電素子を作製した。前記作用極の両面に形成された、網目状の凹凸に沿った形状の多孔質TiO層は、それぞれ15μmの厚さであった。
<光電変換効率の評価>
以上のようにして作製された実施例1および比較例1の各色素増感型光電変換素子のセルに対して、ソーラーシミュレータ(AM1.5、100mW/cm)を用いて光を照射し、電流電位曲線を測定し、その光電変換効率を求めた。
その結果、実施例1の光電変換効率は3.5%であり、比較例1の光電変換効率は3.0%であった。
以上の結果から、本発明に係る実施例1の色素増感型光電変換素子は、比較例1の色素増感型光電変換素子に比べて、光電変換効率に優れることが明らかである。
また、本発明に係る実施例1の色素増感型光電変換素子の作用極に形成された多孔質TiO層の重量は、比較例1の色素増感型光電変換素子の作用極に形成された多孔質TiO層の重量のおおよそ半分であるため、単位面積あたりの発電極の重量について、実施例1の方が比較例1よりも軽くなることは明らかである。したがって、本発明に係る実施例1の色素増感型光電変換素子は、比較例1の色素増感型光電変換素子に比べて、軽量性に優れることが明らかである。
また、実施例1のセルを折り曲げてみたところ、光電変換効率は変動することがなく、一定値を維持した。
このことから、本発明に係る実施例1の色素増感型光電変換素子は、屈曲性(フレキシブル性)に富むことが確認された。
本発明は、金属線を電極に用いた光電変換素子に広く適用可能である。
1…色素増感型光電変換素子、2…発電部、3…集電部、4…集電用配線、5…作用極、6…対極、7…発電極、8…第1基材、9…第2基材、10…セパレータ、12…熱圧着部、13…多孔質酸化物半導体層、14…フィルム、15…網目状構造部、18…電解質、31…外周基材、100…色素増感型変換素子、105…作用極、106…対極、108…第1基材、109…第2基材、110…セパレーター、112…熱圧着部、113…多孔質酸化物半導体層、114…フィルム、118電解質。

Claims (2)

  1. 導電性を有するとともに線状をなす複数の第1基材および第2基材が網目状に編まれてなる領域から構成される作用極を備える色素増感型光電変換素子であって、
    前記作用極の受光面側にのみ多孔質酸化物半導体層が形成されていることを特徴とする色素増感型光電変換素子。
  2. 前記多孔質酸化物半導体層が、前記作用極の受光面側の表面プロファイルに沿った形状であることを特徴とする請求項1に記載の色素増感型光電変換素子。
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