JP2008021581A - 色素増感型光電変換素子 - Google Patents

色素増感型光電変換素子 Download PDF

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Abstract

【課題】高効率な色素増感型光電変換素子を提供する。
【解決手段】導電性支持体と色素を含む多孔質半導体層から構成される光電変換層と、ホール輸送層と、対極とからなる色素増感型光電変換素子において、該光電変換層が2層以上の多孔質半導体層からなる多層構造を有し、かつ該多層構造の半導体層のうちの受光面側から離れた半導体層にアスペクト比が6以上の酸化物半導体が含有されていることを特徴とする色素増感型光電変換素子。
【選択図】図1

Description

本発明は色素増感型光電変換素子に関する。
1991年にグレッツェルらが発表した色素増感型太陽電池素子は、ルテニウム錯体によって分光増感されたチタニア多孔質薄膜を作用電極とする湿式太陽電池であり、シリコン太陽電池並みの性能が得られることが報告されている(非特許文献1)。この方法は、チタニア等の安価な酸化物半導体を高純度に精製することなく用いることができるため、安価な色素増感型太陽電池素子を提供でき、しかも色素の吸収がブロードであるため、可視光線の広波長領域の光を電気に変換できるという利点があり、シリコン系太陽電池に代わる新たな太陽電池として注目を集めている。
チタニアを光電極の半導体として用いた単一色素による色素増感型太陽電池素子においては、入射光として酸化チタンの光吸収端である約400nmから900nm〜1000nmまでの波長を全て吸収し電気エネルギーに変換した際に最高の光電変換効率が得られることが知られているが、現状最高性能を与えるルテニウム錯体を用いても600nm以上の長波長領域では吸光係数が小さくかつ光電変換の内部量子収率が低いため、有効な光電変換効率が得られていない。
光電変換効率を向上させるための方法の一つとして、色素を、波長600nm〜1000nmの入射光に対する吸光係数を改善した色素に置き換えることが考えられるが、現在このような色素が入手できる環境には至っていない。
また、酸化物半導体電極の膜厚を厚くすることで色素吸着面積を増大し、長波長領域での色素分子の低い光吸収特性を補完することが考えられるが、半導体膜形成時にクラックを生じ膜が崩壊する危険が高まる。
さらに、光散乱理論によれば粒子径が波長の1/2になる際、光は最も効果的に散乱されることが知られており、これに従えば、光電変換効率の改善を要する波長600〜1000nmの入射光の酸化物半導体電極内での光散乱を最も効果的に誘発するためには酸化物半導体の粒子径を300〜500nmにすることが望ましいと考えられ、酸化物半導体膜を積層構造とし、光入射面から離れた層に300〜500nmの粒子や二次粒子径として300〜500nmのナノ粒子を混入させることで光散乱の効果を促進することが試みられている(特許文献1〜4)。
しかしながら、300〜500nmのナノ粒子は表面積が小さく、半導体膜の表面積の総和が小さくなるため、色素吸着面積が低下する。さらに、半導体膜の膜厚が増加することにより、半導体膜に注入された電子が電解質中のホール輸送体と再結合する確率が増加するため、光電変換の内部量子収率の低下が引き起こされる。
特開2002−352868号公報 特開2002−352870号公報 特開2003−59549号公報 特開2003−217688号公報 オレガン(B. O’Regan)、グレツェル(M.Gratzel),「ネイチャー(Nature)」,(英国),1991年,353巻,p.737
このように、色素増感型太陽電池素子に用いられる酸化物半導体電極において酸化物半導体電極を積層構造とした場合、光入射面から離れた層には十分な光散乱性と表面積、および十分な電子伝導性が求められていた。
本発明はこのような実状に鑑み成されたものであり、光入射面から離れた酸化物半導体層にアスペクト比の大きな酸化物半導体粒子が含有されることにより、前記課題を解決することができたものである。
すなわち本発明は、導電性支持体と色素を含む多孔質半導体層から構成される光電変換層と、ホール輸送層と、対極とからなる色素増感型光電変換素子において、該光電変換層が2層以上の多孔質半導体層からなる多層構造を有し、かつ該多層構造の半導体層のうちの受光面側から離れた半導体層にアスペクト比が6以上の酸化物半導体が含有されていることを特徴とする色素増感型光電変換素子に関する。
また本発明は、前記酸化物半導体の長さが100nmよりも長いことを特徴とする前記記載の色素増感型光電変換素子に関する。
また本発明は、前記酸化物半導体がナノチューブ形状を有することを特徴とする前記記載の色素増感型光電変換素子に関する。
また本発明は、前記酸化物半導体の比表面積が50m/g以上であることを特徴とする前記記載の色素増感型光電変換素子に関する。
色素増感型太陽電池素子に用いられる酸化物半導体電極において酸化物半導体電極を積層構造とした場合、光入射面から離れた酸化物半導体層にアスペクト比の大きな酸化物半導体粒子が含有されることにより、十分な光散乱性と表面積、および電子伝導性をもつ半導体層を形成することができ、変換効率を向上させることができる。
以下に本発明について詳述する。
本発明の色素増感型光電変換素子は、導電性支持体(導電性基板)と色素を含む多孔質半導体層で構成された光電変換層、ホール輸送層(電荷輸送層)、および対向電極(対極)から少なくとも構成される。
導電性支持体は、通常、支持体(基板)上に電極層を有するものである。基板としては、特に限定されず、材質、厚さ、寸法、形状等は目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属、無色あるいは有色ガラス、網入りガラス、ガラスブロック等が用いられる他、無色あるいは有色の樹脂でも良い。かかる樹脂としては、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリアミド、ポリスルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、トリ酢酸セルロース、ポリメチルペンテンなどが挙げられる。なお、本発明における基板とは、常温において平滑な面を有するものであり、その面は平面あるいは曲面であってもよく、また応力によって変形するものであってもよい。
また、電極として作用する導電膜の材料は特に限定されないが、例えば、金、銀、クロム、銅、タングステン、チタンなどの金属や金属薄膜、金属酸化物からなる導電膜などが挙げられる。金属酸化物としては、例えば、錫や亜鉛などの金属酸化物に、他の金属元素を微量ドープしたIndium Tin Oxide(ITO(In:Sn))、Fluorine doped Tin Oxide(FTO(SnO:F))、Aluminum doped Zinc Oxide(AZO(ZnO:Al))などが好適なものとして用いられる。
導電膜の膜厚は、通常100〜10000μm、好ましくは500〜3000μmである。また、表面抵抗(抵抗率)は適宜選択されるところであるが、通常0.5〜500Ω/sq、好ましくは1〜50Ω/sqである。
導電膜の形成法は特に限定されるものではなく、用いる金属や金属酸化物の種類により公知の方法を適宜採用することができる。通常、真空蒸着法、イオンプレーティング法、CVD法、あるいはスパッタリング法などが用いられる。いずれの場合も基板温度が20〜700℃の範囲内で形成されるのが望ましい。
本発明において、光電変換層は2層以上の多孔質半導体層からなる多層構造を有する。ここで多層構造とは、同一または異種の多孔質半導体層を積層させた構造のことである。
多孔質半導体層を構成する材料はn型半導体であれば特に限定されず、TiO、SnO、ZnO、Nb、ZrO、CeO、WO、SiO、Al、SrTiOなどの酸化物もしくはこれらの複合酸化物が好適なものとして用いられる。
多孔質半導体層の受光面側に位置する第1層では、吸着する色素の吸光係数が大きくかつ光電変換の内部量子収率が高い領域の光を効率よく吸収し、かつ第1層で吸収されない光はこの層でなるべく散乱されることなく、受光面から離れた第2層目以降へ光を到達させることが好ましい。すなわち、第1層多孔質半導体層は小さい粒径の半導体粒子で形成することで、光の回折角が小さいために多孔質半導体層を透過する光量の大きな減少を抑えることができる。
第1層を構成する膜状の多孔質半導体層を基板上に形成する方法としては、公知の方法が挙げられる。具体的には、基板上に半導体粒子を含有する懸濁液を塗布し、乾燥および焼成する方法、基板上に所望の原料ガスを用いたCVD法またはMOCVD法などにより半導体膜を成膜する方法、原料固体を用いたPVD法、蒸着法、スパッタリング法、およびゾル−ゲル法、電析法のような電気化学的手法などが挙げられる。これらの中でも半導体粒子を含有する懸濁液を用いる方法が好ましい。
第1層の膜厚は特に限定されるものではないが、透過性、変換効率などの観点から0.5〜20μm程度が好ましい。半導体微粒子としては、市販されているもののうち適当な平均粒径、例えば1〜500nm程度の平均粒径を有するものが挙げられる。
導電性支持体上に第1層の多孔質半導体層を形成した後、その上に第2層の多孔質半導体層を形成する。第2層では、光を散乱させることにより、第2層で電流を多く取り出すことができるようになる。本発明においては、第2層にアスペクト比が6以上、好ましくは20以上、より好ましくは100以上の酸化物半導体粒子が含有されている。アスペクト比は直径に対する長さの比であり、アスペクト比が大きな酸化物半導体粒子が第2層中でランダムに配向することで、光散乱性を大きくすることが可能である。
また、アスペクト比の大きな酸化物半導体粒子は、その長軸方向の電子伝導性に優れるため、色素から注入された電子は効率よく第1層付近に輸送され、膜厚が増加することによる内部量子収率の低下を減少させることが可能である。
さらに、酸化物半導体粒子がナノチューブ構造を持つことで、より広大な比表面積が期待できる。
アスペクト比が大きな酸化物半導体の製造方法としては、酸化物半導体粒子を高濃度のアルカリ中で処理する方法や、鋳型となる物質を共存させてゾル−ゲル法により得る方法や金属を陽極酸化する方法などが知られている。中でもチタンもしくはチタンを主成分とする合金を電解酸化することで、アスペクト比の大きなチタニアナノチューブを効率よく得ることができる。
チタンまたはチタンを主成分とする合金(以下、チタン合金という。)としては、酸素、鉄、窒素、水素等で材質を調整した工業用純チタンや、ある程度のプレス成形性を有するチタン合金を用いることができ、JIS(日本工業規格)1種、2種、3種、4種の各種工業用純チタンや、ニッケル、ルテニウム、タンタル、パラジウム等を添加して耐食性を向上させた合金、アルミニウム、バナジウム、モリブデン、錫、鉄、クロム、ニオブ等を添加した合金等をその一例として挙げることができる。チタンまたはチタン合金の結晶型としては、単結晶、多結晶にかかわらず、α型、α+β型、β型を用いることができる。また形状に関しては、チタンまたはチタン合金そのものが板状、ロッド状、メッシュ状等の様々な形状に加え、板、ロッド、メッシュといった形状の異種導電性材料表面にチタンまたはチタン合金を膜として成長させたもの、板、ロッド、メッシュといった形状の半導体もしくは絶縁性材料表面にチタンまたはチタン合金を膜として成長させたもの等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
電解酸化とは、電解質溶液中でチタンもしくはチタン合金を陽極、前記導電性基板を陰極とし、電圧をかけることにより、陽極表面上にチタンの酸化物を形成する技術であり、電解酸化処理中にチタンもしくはチタン合金が陽極である状態が一度でもあればよく、陽極と陰極を交互に実施する場合も含む。
電解酸化は、通常、印加電圧が5〜200V、好ましくは10〜150V、より好ましくは14〜110Vであり、電流密度が0.2〜2000mA/cm、好ましくは0.5〜500mA/cmの範囲で、時間は1分〜24時間、好ましくは5分〜10時間行われる。電解中、これらの印加電圧や電流密度を変化させることも可能であり、この際は周波数が1×10−6Hz〜1×10Hzのパルスを印加して電解を行う。
また、陽極酸化時の電解質溶液の温度は0〜50℃が好ましく、より好ましくは0〜40℃である。
電解酸化に用いられる電解質溶液としては、チタンもしくはチタン合金をアノード分極した際に、チタンもしくはチタン合金を溶解させることができる溶解力が必要である。本発明において用いる電解質溶液には、ハロゲン原子を含有するイオンが含まれることが必須である。ここでいうハロゲン原子を含有するイオンとは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素の原子のいずれかを含有するイオンであり、具体的には、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、過塩素酸イオン、塩素酸イオン、臭素酸イオン、ヨウ素酸イオン、亜塩素酸イオン、亜臭素酸イオン、次亜塩素酸イオン、次亜臭素酸イオン、次亜ヨウ素酸イオン等が挙げられる。これらのイオンは、単独でもよいし、二種以上の混合物として用いることも可能である。
ハロゲン原子としては塩素原子が特に好ましい。塩素原子を用いることにより、長手方向の長さが1μm以上、好ましくは2〜100μmのチタニアナノチューブを得ることができる。また、ナノチューブの外径は、通常5〜50nmであり、好ましくは10〜30nmであり、肉厚は、通常2〜20nmであり、好ましくは3〜10nmである。また、前記ナノチューブの比表面積は、50m/g以上であり、好ましくは70m/g以上である。
これらのイオンを含む電解質溶液としては、水系、非水系のいずれも使用可能であるが、水系が好ましい。具体的には、ハロゲン原子を含有するイオンを形成する酸もしくは塩の水溶液が用いられる。その濃度は、酸もしくは塩として、0.0001〜10容量%が好ましく、より好ましくは0.0005〜5容量%、さらに好ましくは0.0005〜1容量%の範囲である。
電解質溶液には、ハロゲン原子を含有するイオンを形成する酸もしくは塩とは異種の酸性化合物あるいは塩基性化合物を含有させても良い。このような異種の酸性化合物、塩基性化合物を含有させることにより、陽極酸化速度を促進または抑制するといった、反応速度を制御することができる。
かかる酸性化合物としては、前述のハロゲン化物もしくはその酸化体イオンの酸の他、硫酸、硝酸、酢酸、過酸化水素、シュウ酸、リン酸、クロム酸、グリセロリン酸等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
かかる塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、アンモニア等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
その濃度は、ハロゲン原子含有イオンに対して、モル比で0.001〜1000の範囲が好ましく、より好ましくは0.01〜50、さらに好ましくは0.04〜5の範囲で用いられる。
電解質溶液には、水溶性のチタン化合物を含有させても良い。水溶性のチタン化合物は一般的に水溶液中で加水分解してチタニアを生成するため、これを含有させることにより、電気泳動により形成したチタン酸化物層の表面に、さらに加水分解によりチタニアが生成することで、構造を強固にすることができる。
かかる水溶性のチタン化合物としては、チタンイソプロポキシド等のチタンアルコキシド、三塩化チタン、四塩化チタン、フッ化チタン、テトラフルオロチタン酸アンモニウム、硫酸チタン、硫酸チタニル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。その濃度は、ハロゲン原子含有イオンに対して、モル比で0.001〜1000の範囲が好ましく、より好ましくは0.01〜50、さらに好ましくは0.04〜5の範囲で用いられる。
また、電解質溶液には、チタニア微粒子を含有させても良い。チタニア微粒子を含有させることにより、生成したチタン酸化物とチタニア微粒子が混合して電気泳動によりチタン酸化物層を形成し、より多孔質のチタン酸化物層を得ることができる。
かかるチタニア微粒子としては、粒径が0.5〜100nmのものが好ましく、より好ましくは2〜30nmのものが使用される。具体的には、チタン鉱石から液相法により調製したものや、気相法、ゾル・ゲル法、液相成長法で合成したものを挙げることができる。ここで、気相法とは、チタン鉱石を、硫酸等の強酸で、加熱加水分解して得られる含水酸化チタンを800℃〜850℃で焼成してチタニアを製造する方法である。液相法とは、塩化チタンに酸素及び水素を接触させて、チタニアを製造する方法である。ゾル・ゲル法とは、チタンアルコキシドをアルコール水溶液中で加水分解させてゾルを生成させ、さらに、該ゾルに加水分解触媒を加えて、放置してゲル化させ、該ゲル化物を焼成してチタニアを製造する方法である。液相成長法とは、フッ化チタンやテトラフルオロチタン酸アンモニウム、硫酸チタニル等の加水分解でチタニアを得る方法である。
第2層を構成する膜状の多孔質半導体層を、第1層を構成する膜状の多孔質半導体層の上に形成する方法としては、第1層上にアスペクト比が6以上の高アスペクト比酸化物半導体を含有する懸濁液を塗布し、乾燥および焼成する方法が挙げられる。また、懸濁液中には高アスペクト比酸化物半導体粒子と、1〜500nm程度の平均粒径を有する酸化物半導体微粒子を共存させることも可能である。懸濁液中のこれらの比率を制御することで、第2層に含まれる高アスペクト比酸化物半導体粒子の量を制御することが可能であり、すなわち光散乱性を制御することができる。具体的には高アスペクト比酸化物半導体の量が多くなるにつれて光散乱性は増加し、第2層を構成する多孔質半導体中の高アスペクト比酸化物半導体粒子の含有割合を3質量%以上とすることで光散乱の効果が得られ、好ましくは5質量%以上である。上限については特に限定されず、高アスペクト比酸化物半導体粒子の含有割合を100質量%とすることも好適に採用される。
なお、第2層の膜厚は特に限定されるものではないが、光散乱性、変換効率などの観点から0.5〜20μm程度が好ましい。
同様にして第2層を構成する膜状の多孔質半導体層の上に、さらに大きな光散乱性を有する第3層目以降を形成することも可能である。形成する層の数は特に限定されるものではない。
形成した半導体層は、半導体同士の電子的接触の強化と、導電性基板との密着性を向上させる目的で加熱処理を施すことが好ましい。加熱処理温度としては100℃〜600℃が好ましく、より好ましくは250℃〜550℃である。また、各層を形成した後に加熱処理を施しても、複数の層を形成した後に加熱処理を施してもよい。
本発明においては、半導体層の光吸収効率を向上すること等を目的として、半導体層を色素で修飾(吸着、含有など)させたものが用いられる。
色素は、可視域や近赤外域に吸収特性を有し、半導体層の光吸収効率を向上(増感)させる色素であれば特に限定されないが、金属錯体色素、有機色素、天然色素、半導体が好ましい。また、半導体層への吸着性を付与するために、色素の分子中にカルボキシル基、ヒドロキシル基、スルホニル基、ホスホニル基、カルボキシルアルキル基、ヒドロキシアルキル基、スルホニルアルキル基、ホスホニルアルキル基などの官能基を有するものが好適に用いられる。
金属錯体色素としては、ルテニウム、オスミウム、鉄、コバルト、亜鉛、水銀の錯体(例えば、メリクルクロムなど)や、金属フタロシアニン、クロロフィル等を用いることができる。また、有機色素としては、シアニン系色素、ヘミシアニン系色素、メロシアニン系色素、キサンテン系色素、トリフェニルメタン系色素、金属フリーフタロシアニン系色素等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。色素として用いることができる半導体としては、i型の光吸収係数が大きなアモルファス半導体や直接遷移型半導体、量子サイズ効果を示し、可視光を効率よく吸収する微粒子半導体が好ましい。通常、各種の半導体や金属錯体色素や有機色素の一種、または光電変換の波長域をできるだけ広くし、かつ変換効率を上げるため、二種類以上の色素を混合することができる。また目的とする光源の波長域と強度分布に合わせるように、混合する色素とその割合を選ぶことができる。
色素を半導体層に吸着させる方法としては、例えば、溶媒に色素を溶解させた溶液を、半導体層上にスプレーコートやスピンコートなどにより塗布した後、乾燥する方法により形成することができる。この場合、適当な温度に基板を加熱しても良い。または半導体層を溶液に浸漬して吸着させる方法を用いることもできる。浸漬する時間は色素が十分に吸着すれば特に制限されることはないが、好ましくは10分〜30時間、より好ましくは1〜20時間である。また、必要に応じて浸漬する際に溶媒や基板を加熱しても良い。溶液にする場合の色素の濃度としては、1〜1000mmol/L、好ましくは10〜500
mmol/L程度である。
用いる溶媒は特に制限されるものではないが、水及び有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノールなどのアルコール類、アセトニトリル、プロピオニトリル、メトキシプロピオニトリル、グルタロニトリルなどのニトリル類、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレンなどの芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素、シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、2−ブタノンなどのケトン類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ニトロメタン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホアミド、ジメトキシエタン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、スルホラン、ジメトキシエタン、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、ジメチルアセトアミド、メチルピロリジノン、ジメチルスルホキシド、ジオキソラン、スルホラン、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリプロピル、リン酸エチルジメチル、リン酸トリブチル、リン酸トリペンチル、リン酸トリへキシル、リン酸トリヘプチル、リン酸トリオクチル、リン酸トリノニル、リン酸トリデシル、リン酸トリス(トリフフロロメチル)、リン酸トリス(ペンタフロロエチル)、リン酸トリフェニルポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールなどが挙げられる。
色素間の凝集等の相互作用を低減するために、界面活性剤としての性質を持つ無色の化合物を色素吸着液に添加し、半導体層に共吸着させてもよい。このような無色の化合物の例としては、カルボキシル基やスルホ基を有するコール酸、デオキシコール酸、ケノデオキシコール酸、タウロデオキシコール酸等のステロイド化合物やスルホン酸塩類等が挙げられる。
未吸着の色素は、吸着工程後、速やかに洗浄により除去するのが好ましい。洗浄は湿式洗浄槽中でアセトニトリル、アルコール系溶媒等を用いて行うのが好ましい。
色素を吸着させた後、アミン類、4級アンモニウム塩、少なくとも1つのウレイド基を有するウレイド化合物、少なくとも1つのシリル基を有するシリル化合物、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等を用いて、半導体層の表面を処理してもよい。好ましいアミン類の例としては、ピリジン、4−t−ブチルピリジン、ポリビニルピリジン等が挙げられる。好ましい4級アンモニウム塩の例としては、テトラブチルアンモニウムヨージド、テトラヘキシルアンモニウムヨージド等が挙げられる。これらは有機溶媒に溶解して用いてもよく、液体の場合はそのまま用いてもよい。
光電変換素子の対向電極(対極)は、導電性材料からなる単層構造でもよいし、導電層と基板とから構成されていてもよい。基板としては、特に限定されず、材質、厚さ、寸法、形状等は目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属、無色あるいは有色ガラス、網入りガラス、ガラスブロック等が用いられる他、樹脂でも良い。かかる樹脂としては、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリアミド、ポリスルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、トリ酢酸セルロース、ポリメチルペンテンなどが挙げられる。また、電荷輸送層上に直接導電性材料を塗布、メッキ又は蒸着(PVD、CVD)して対極を形成しても良い。
導電性材料としては、白金、金、ニッケル、チタン、アルミニウム、銅、銀、タングステン等の金属や、炭素材料、導電性有機物等の比抵抗の小さな材料が用いられる。
また、対極の抵抗を下げる目的で金属リードを用いても良い。金属リードは白金、金、ニッケル、チタン、アルミニウム、銅、銀、タングステン等の金属からなるのが好ましく、アルミニウム又は銀からなるのが特に好ましい。
電荷輸送層は、色素の酸化体に電子を補充する機能を有する電荷輸送材料を含有する。本発明で用いる電荷輸送材料は、イオンが関わる電荷輸送材料であっても、固体中のキャリア移動が関わる電荷輸送材料であってもよい。イオンが関わる電荷輸送材料としては、酸化還元対イオンが溶解した溶液、酸化還元対の溶液をポリマーマトリックスのゲルに含浸したゲル電解質組成物、固体電解質組成物等が挙げられ、固体中のキャリア移動が関わる電荷輸送材料としては、電子輸送材料や正孔輸送材料等が挙げられる。これらの電荷輸送材料は複数併用してもよい。
イオンがかかわる電荷輸送材料としての電解液は、電解質、溶媒及び添加物から構成されることが好ましい。電解液に用いる電解質の例としては、ヨウ素とヨウ化物(LiI、NaI、KI、CsI、CaI等の金属ヨウ化物、テトラアルキルアンモニウムヨーダイド、ピリジニウムヨーダイド、イミダゾリウムヨーダイド等の4級アンモニウム化合物ヨウ素塩等)の組み合わせ、臭素と臭化物(LiBr、NaBr、KBr、CsBr、CaBr、CaBr等の金属臭化物、テトラアルキルアンモニウムブロマイド、ピリジニウムブロマイド等の4級アンモニウム化合物臭素塩等)の組み合わせ、フェロシアン酸塩−フェリシアン酸塩やフェロセン−フェリシニウムイオン等の金属錯体、ポリ硫化ナトリウム、アルキルチオール−アルキルジスルフィド等のイオウ化合物、ビオロゲン色素、ヒドロキノン−キノン等が挙げられる。中でも、Iと、LiI又はピリジニウムヨーダイド、イミダゾリウムヨーダイド等の4級アンモニウム化合物ヨウ素塩とを組み合わせた電解質が好ましい。電解質は混合して用いてもよい。
溶媒としては、一般に電気化学セルや電池に用いられる溶媒であればいずれも使用することができる。具体的には、無水酢酸、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、プロピレンカーボネート、ニトロメタン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホアミド、エチレンカーボネート、ジメトキシエタン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、スルホラン、ジメトキシエタン、プロピオンニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、ジメチルアセトアミド、メチルピロリジノン、ジメチルスルホキシド、ジオキソラン、スルホラン、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリプロピル、リン酸エチルジメチル、リン酸トリブチル、リン酸トリペンチル、リン酸トリへキシル、リン酸トリヘプチル、リン酸トリオクチル、リン酸トリノニル、リン酸トリデシル、リン酸トリス(トリフフロロメチル)、リン酸トリス(ペンタフロロエチル)、リン酸トリフェニルポリエチレングリコール、及びポリエチレングリコール等が使用可能である。特に、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルスルホキシド、ジメトキシエタン、アセトニトリル、γ−ブチロラクトン、スルホラン、ジオキソラン、ジメチルホルムアミド、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、メトキシプロピオニトリル、ジメチルアセトアミド、メチルピロリジノン、ジメチルスルホキシド、ジオキソラン、スルホラン、リン酸トリメチル、リン酸トリエチルが好ましい。また、常温溶融塩類も用いることができる。ここで、常温溶融塩とは、常温において溶融している(即ち液状の)イオン対からなる塩であり、通常、融点が20℃以下であり、20℃を越える温度で液状であるイオン対からなる塩を示すものである。溶媒はその1種を単独で使用しても良いし、また2種以上を混合して使用しても良い。
また、4−t−ブチルピリジン、2−ピコリン、2,6−ルチジン等の塩基性化合物を前述の溶融塩電解質組成物や電解液に添加することが好ましい。塩基性化合物を電解液に添加する場合の好ましい濃度範囲は0.05〜2mol/Lである。溶融塩電解質組成物に添加する場合、塩基性化合物はイオン性基を有することが好ましい。溶融塩電解質組成物全体に対する塩基性化合物の配合割合は、好ましくは1〜40質量%であり、より好ましくは5〜30質量%である。
ポリマーマトリックスとして使用できる材料としては、高分子マトリックス単体で、あるいは可塑剤の添加や、支持電解質の添加、または可塑剤と支持電解質の添加によって固体状態またはゲル状態が形成されれば特に制限は無く、一般的に用いられるいわゆる高分子化合物を用いることができる。
上記高分子マトリックスとしての特性を示す高分子化合物としては、ヘキサフロロプロピレン、テトラフロロエチレン、トリフロロエチレン、エチレン、プロピレン、アクリロニトリル、塩化ビニリデン、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレート、スチレン、フッ化ビニリデンなどのモノマーを重合または共重合して得られる高分子化合物を挙げることができる。またこれらの高分子化合物は単独で用いても良く、また混合して用いても良い。これらの中でも、特にポリフッ化ビニリデン系高分子化合物が好ましい。
また、イオン伝導性電解質の代わりに、有機固体正孔輸送材料、無機固体正孔輸送材料、或いはこの両者を組み合わせた材料を使用することもできる。
好ましく使用できる有機正孔輸送材料の例としては、トリフェニレン誘導体類、オリゴチオフェン化合物、ポリピロール、ポリアセチレン及び/又はその誘導体、ポリ(p−フェニレン)及び/又はその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)及び/又はその誘導体、ポリチエニレンビニレン及び/又はその誘導体、ポリチオフェン及び/又はその誘導体、ポリアニリン及び/又はその誘導体、ポリトルイジン及び/又はその誘導体等の導電性高分子を挙げることができる。また、ドーパントレベルをコントロールするために、トリス(4−ブロモフェニル)アミニウムヘキサクロロアンチモネートのようなカチオンラジカルを含有する化合物を正孔輸送材料に添加してもよい。また、金属酸化物半導体表面のポテンシャル制御(空間電荷層の補償)を行うために、Li[(CFSON]のような塩を添加してもよい。
無機正孔輸送材料としてはp型無機化合物半導体を用いることができ、そのバンドギャップは好ましくは2eV以上、より好ましくは2.5eV以上である。また、p型無機化合物半導体のイオン化ポテンシャルは、色素の正孔を還元するためには色素吸着電極のイオン化ポテンシャルより小さいことが必要である。使用する色素によってp型無機化合物半導体のイオン化ポテンシャルの好ましい範囲は異なるが、好ましくは4.5〜5.5eV、より好ましくは4.7〜5.3eVである。好ましいp型無機化合物半導体は1価の銅を含む化合物半導体であり、その例としては、CuI、CuSCN、CuInSe、Cu(In,Ga)Se、CuGaSe、CuO、CuS、CuGaS、CuInS、CuAlSe等が挙げられる。中でも、CuI及びCuSCNが好ましく、CuIが最も好ましい。他のp型無機化合物半導体の例としては、GaP、NiO、CoO、FeO、Bi、MoO、Cr等が挙げられる。
電荷輸送層は2通りの方法のいずれかにより形成できる。1つ目の方法は半導体層と対極を貼り合わせておき、その間隙に液状の電荷輸送層を挟み込む方法である。2つ目の方法は半導体層上に直接電荷輸送層を付与する方法で、対極はその後付与することになる。
前者の方法の場合、電荷輸送層を挟み込む際には、浸漬等による毛管現象を利用する常圧プロセス、または常圧より低い圧力にして間隙の気相を液相に置換する真空プロセスを利用できる。
後者の方法において湿式の電荷輸送層を用いる場合は、通常未乾燥のまま対極を付与しエッジ部の液漏洩防止措置を施す。またゲル電解質組成物を用いる場合には、これを湿式で塗布した後で重合等の方法により固体化してもよい。固体化は対極を付与する前に行っても後に行ってもよい。
固体電解質組成物や固体正孔輸送材料を用いる場合には、真空蒸着法やCVD法等のドライ成膜処理で電荷輸送層を形成し、その後対極を付与することもできる。有機正孔輸送材料は真空蒸着法、キャスト法、塗布法、スピンコート法、浸漬法、電解重合法、光電解重合法等により電極内部に導入することができる。無機固体化合物はキャスト法、塗布法、スピンコート法、浸漬法、電解析出法、無電解メッキ法等により電極内部に導入することができる。
以下に実施例を挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
《ナノチューブ形状のチタニアの作製》
1cm×5cmの純度99.9%のチタンを0.3%過塩素酸水溶液中で、30V定電圧で電解酸化することによりチタニアを得た。このチタニアは、SEMおよびTEMを用いて、チューブ構造を有し、直径が約20nm、肉厚が約5nm、長さが10μm程度(アスペクト比500程度)であることを確認した。また、窒素吸着による比表面積は220m/gであった。
《ナノチューブペーストの作製》
得られたチタニアナノチューブ3gを300mlの0.1mol/L硝酸中で撹拌することで分散させた。分散後エタノールを加え、遠心分離処理により固液分離し、洗浄を行った。この操作を3回繰り返し、最後にナノチューブを20mlのテルピネオール中に分散させ、増粘材としてエチルセルロースを加え、チタニアナノチューブペーストを得た。ペースト化後のチタニア形状は、直径が約20nm、肉厚が約5nm、長さが5μm程度(アスペクト比250程度)であることをSEMで確認した。また、このペーストを乾燥・450℃にて焼成後、BET法で比表面積を測定したところ、130m/gであった。
《チタニア電極の作製》
表面抵抗値10Ω/sqのSnO:Fガラス(ガラス基板上にSnO:F膜を形成した透明導電性ガラス)上にナノサイズチタニアペースト(Solaronix社製Ti−Nanoxide TSP)を、アプリケータを用いてギャップ約120μmで塗布して80℃で乾燥させた。その上に、上記の通り調整したチタニアナノチューブペーストを、アプリケータを用いてギャップ約80μmで塗布して80℃で乾燥させた。乾燥後のチタニア積層膜の厚さは約16μmであった。得られたチタニア膜を520℃で2時間焼成し、0.5mm×0.5mmのサイズになるようにSnO:Fガラスから削りとった。
《光電変換特性評価》
得られたチタニア膜をルテニウム色素(Rutenium535−bisTBA:SOLARONIX社製)/エタノール溶液(3.0×10−4mol/L)に15時間浸し、色素層を形成した。得られた基板とPt薄膜のついたガラスのPt面を合わせ、0.3mol/Lのヨウ化リチウムと0.03mol/Lのヨウ素を含むアセトニトリル溶液を毛細管現象によって染み込ませ、周辺をエポキシ接着剤で封止した。なお、透明導電基板の導電層部分と対向電極にはリード線を接続した。
このようにして得たセルに疑似太陽光(1kW/m)を照射し、電流電圧特性を測定したところ、良好な光電変換特性(変換効率7.6%)を得た。
[実施例2]
《ナノチューブ・粒子混合ペーストの作製》
実施例1で得られたナノチューブペーストとナノサイズチタニアペーストを重量比で3:7の割合で混合し、脱泡混練機にて脱泡して、ナノチューブ・粒子混合ペーストを得た。このペーストを乾燥・450℃にて焼成後、BET法で比表面積を測定したところ、95m/gであった。
《チタニア電極の作製》
SnO:Fガラス上にナノサイズチタニアペーストを、アプリケータを用いてギャップ約120μmで塗布して80℃で乾燥させた。その上に、上記の通り調整したナノチューブ・粒子混合ペーストを、アプリケータを用いてギャップ約80μmで塗布して80℃で乾燥させた。乾燥後のチタニア積層膜の厚さは約17μmであった。得られたチタニア膜を520℃で2時間焼成し、0.5mm×0.5mmのサイズになるようにSnO:Fガラスから削りとった。
《光電変換特性評価》
得られたチタニア膜をルテニウム色素/エタノール溶液(3.0×10−4mol/L)に15時間浸し、色素層を形成した。得られた基板とPt薄膜のついたガラスのPt面を合わせ、0.3mol/Lのヨウ化リチウムと0.03mol/Lのヨウ素を含むアセトニトリル溶液を毛細管現象によって染み込ませ、周辺をエポキシ接着剤で封止した。なお、透明導電基板の導電層部分と対向電極にはリード線を接続した。
このようにして得たセルに疑似太陽光(1kW/m)を照射し、電流電圧特性を測定したところ、良好な光電変換特性(変換効率7.2%)を得た。
[実施例3]
《チタニア電極の作製》
SnO:Fガラス上にナノサイズチタニアペーストを、アプリケータを用いてギャップ約120μmで塗布して80℃で乾燥させた。その上に、実施例1の通り調整したナノチューブ・粒子混合ペーストを、アプリケータを用いてギャップ約80μmで塗布して80℃で乾燥させた。さらにその上に実施例1の通り調整したナノチューブペーストを、アプリケータを用いてギャップ約80μmで塗布して80℃で乾燥させた。乾燥後のチタニア積層膜の厚さは約21μmであった。得られたチタニア膜を520℃で2時間焼成し、0.5mm×0.5mmのサイズになるようにSnO:Fガラスから削りとった。
《光電変換特性評価》
得られたチタニア膜をルテニウム色素/エタノール溶液(3.0×10−4mol/L)に15時間浸し、色素層を形成した。得られた基板とPt薄膜のついたガラスのPt面を合わせ、0.3mol/Lのヨウ化リチウムと0.03mol/Lのヨウ素を含むアセトニトリル溶液を毛細管現象によって染み込ませ、周辺をエポキシ接着剤で封止した。なお、透明導電基板の導電層部分と対向電極にはリード線を接続した。
このようにして得たセルに疑似太陽光(1kW/m)を照射し、電流電圧特性を測定したところ、良好な光電変換特性(変換効率7.8%)を得た。
[実施例4]
《チタニア電極の作製》
SnO:Fガラス上にナノサイズチタニアペーストを、アプリケータを用いてギャップ約120μmで塗布して80℃で乾燥させた。その上に、実施例1の通り調整したナノチューブ・粒子混合ペーストを、アプリケータを用いてギャップ約80μmで塗布して80℃で乾燥させた。さらにその上に実施例1の通り調整したナノチューブペーストを、アプリケータを用いてギャップ約80μmで塗布して80℃で乾燥させた。さらにその上に散乱性チタニアペースト(Solaronix社製Ti−Nanoxide 300)を、アプリケータを用いてギャップ約60μmで塗布して80℃で乾燥させた。乾燥後のチタニア積層膜の厚さは約25μmであった。得られたチタニア膜を520℃で2時間焼成し、0.5mm×0.5mmのサイズになるようにSnO:Fガラスから削りとった。
《光電変換特性評価》
得られたチタニア膜をルテニウム色素/エタノール溶液(3.0×10−4mol/L)に15時間浸し、色素層を形成した。得られた基板とPt薄膜のついたガラスのPt面を合わせ、0.3mol/Lのヨウ化リチウムと0.03mol/Lのヨウ素を含むアセトニトリル溶液を毛細管現象によって染み込ませ、周辺をエポキシ接着剤で封止した。なお、透明導電基板の導電層部分と対向電極にはリード線を接続した。
このようにして得たセルに疑似太陽光(1kW/m)を照射し、電流電圧特性を測定したところ、良好な光電変換特性(変換効率7.9%)を得た。
[比較例1]
《チタニア電極の作製》
SnO:Fガラス上にナノサイズチタニアペーストを、アプリケータを用いてギャップ約120μmで塗布して80℃で乾燥させた。その上に、散乱性チタニアペーストを、アプリケータを用いてギャップ約60μmで塗布して80℃で乾燥させた。乾燥後のチタニア積層膜の厚さは約15μmであった。得られたチタニア膜を520℃で2時間焼成し、0.5mm×0.5mmのサイズになるようにSnO:Fガラスから削りとった。
《光電変換特性評価》
得られたチタニア膜をルテニウム色素/エタノール溶液(3.0×10−4mol/L)に15時間浸し、色素層を形成した。得られた基板とPt薄膜のついたガラスのPt面を合わせ、0.3mol/Lのヨウ化リチウムと0.03mol/Lのヨウ素を含むアセトニトリル溶液を毛細管現象によって染み込ませ、周辺をエポキシ接着剤で封止した。なお、透明導電基板の導電層部分と対向電極にはリード線を接続した。
このようにして得たセルに疑似太陽光(1kW/m)を照射し、電流電圧特性を測定したところ、変換効率は6.6%であった。
[比較例2]
《チタニア電極の作製》
SnO:Fガラス上にナノサイズチタニアペーストを、アプリケータを用いてギャップ約120μmで塗布して80℃で乾燥させた。その上に、散乱性を有するナノサイズチタニアペースト(Solaronix社製Ti−Nanoxide DSP)を、アプリケータを用いてギャップ約80μmで塗布して80℃で乾燥させた。さらにその上に散乱性チタニアペーストを、アプリケータを用いてギャップ約60μmで塗布して80℃で乾燥させた。乾燥後のチタニア積層膜の厚さは約21μmであった。得られたチタニア膜を520℃で2時間焼成し、0.5mm×0.5mmのサイズになるようにSnO:Fガラスから削りとった。
《光電変換特性評価》
得られたチタニア膜をルテニウム色素/エタノール溶液(3.0×10−4mol/L)に15時間浸し、色素層を形成した。得られた基板とPt薄膜のついたガラスのPt面を合わせ、0.3mol/Lのヨウ化リチウムと0.03mol/Lのヨウ素を含むアセトニトリル溶液を毛細管現象によって染み込ませ、周辺をエポキシ接着剤で封止した。なお、透明導電基板の導電層部分と対向電極にはリード線を接続した。
このようにして得たセルに疑似太陽光(1kW/m)を照射し、電流電圧特性を測定したところ、変換効率は6.7%であった。
本発明の色素増感型光電変換素子の光電変換層の一例を示す概略断面図である。
符号の説明
1 基板
2 透明導電膜
3 第1層多孔質半導体層
4 第2層多孔質半導体層

Claims (4)

  1. 導電性支持体と色素を含む多孔質半導体層から構成される光電変換層と、ホール輸送層と、対極とからなる色素増感型光電変換素子において、該光電変換層が2層以上の多孔質半導体層からなる多層構造を有し、かつ該多層構造の半導体層のうちの受光面側から離れた半導体層にアスペクト比が6以上の酸化物半導体が含有されていることを特徴とする色素増感型光電変換素子。
  2. 前記酸化物半導体の長さが100nmよりも長いことを特徴とする請求項1に記載の色素増感型光電変換素子。
  3. 前記酸化物半導体がナノチューブ形状を有することを特徴とする請求項1または2に記載の色素増感型光電変換素子。
  4. 前記酸化物半導体の比表面積が50m/g以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の色素増感型光電変換素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011233507A (ja) * 2010-04-05 2011-11-17 Osaka Gas Co Ltd 多孔質酸化チタン塗膜が形成された基板
KR101302790B1 (ko) * 2011-10-31 2013-09-02 삼화전기주식회사 이산화티탄 나노튜브층을 포함하는 염료감응 태양전지용 광전극 및 이의 제조방법
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