JP2013203578A - 高結晶性高比表面積酸化チタン構造体 - Google Patents

高結晶性高比表面積酸化チタン構造体 Download PDF

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Abstract

【課題】アスペクト比が大きく、比表面積が非常に高く、溶液中への分散性がよく、電子伝導性が高い形状で、且つ、色素増感太陽電池に使用すると変換効率を向上できる酸化チタン構造体及びその簡便な製造方法を提供する。
【解決手段】アナターゼ型の酸化チタン結晶を含有し、平均幅が10nm以上、平均アスペクト比が10以上の板状又はロッド状の形状を有し、且つ、比表面積が50m/g以上である、酸化チタン構造体。該酸化チタン構造体は、例えば、平均幅が10nm以上、平均アスペクト比が10以上の板状又はロッド状の形状を有する板状又はロッド状酸化チタンを、有機溶媒を50重量%以上含む溶液と、100〜250℃で接触させる工程を備える方法により製造できる。
【選択図】なし

Description

本発明は、色素増感太陽電池、光触媒、センサー、樹脂強化材、金属イオン担持体等に用いられる酸化チタン構造体及びその製造方法に関する。
酸化チタンは、色素増感太陽電池、光触媒等に用いられている。特に、色素を修飾した酸化チタン等を活性電極に用いた色素増感太陽電池(例えば、特許文献1参照)は、安価で容易に製造できる太陽電池として注目を集めている。なかでも、色素増感太陽電池に用いる場合には、活性表面積を大きくするために比表面積を大きくすることが試みられているが、酸化チタンの平均粒子径を小さくして比表面積を大きくすると、界面抵抗が大きくなってしまう。
光触媒として酸化チタンナノ粒子を使用する場合も同様で、粒径を小さくし比表面積を大きくした場合にクラックが生じやすいうえに、小さい粒子が密に詰まっている膜では比表面積に相当する活性が得られないことがあるため、比表面積の小さい大粒径(例えば200nm)のものが使われることもあった。
このように、いずれの用途の場合であっても、微粒子状の酸化チタンを使用するには問題点が存在する。一方、中空状で大きいアスペクト比を有する酸化チタンナノチューブも知られている(特許文献2及び3)。
特公平8−15097号公報 特許第3983533号 特許第3513738号
従来の酸化チタンナノチューブは、多孔質として比表面積を上昇させることが困難であり、この傾向は、水酸化ナトリウム水溶液を用いた水熱合成法を採用する場合には特に顕著であった。また、従来の酸化チタンナノチューブは、耐熱性にも劣るため熱処理によりチューブ形状を保てない等の欠点があった。このため、例えば色素増感太陽電池に使用した場合には光電変換効率を十分に向上させることができず、また、光触媒に使用した場合にも触媒活性を十分に向上させることができなかった。
そこで、本発明は、アスペクト比が大きく、比表面積が非常に高く、溶液中への分散性がよく、電子伝導性が高い形状で、且つ、色素増感太陽電池に使用すると変換効率を向上できる酸化チタン構造体及びその簡便な製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を鑑み、鋭意検討した結果、特定の板状又はロッド状の酸化チタンを、有機溶媒を特定量含む溶液と、特定温度で接触させることで、上記課題を解決した酸化チタン構造体が得られることを見出し、その後さらに研究を重ね、本発明を完成させた。すなわち、本発明は以下の構成を包含する。
項1.アナターゼ型の酸化チタン結晶を含有し、平均幅が10nm以上(特に20〜500nm、さらには40〜200nm)、平均アスペクト比が10以上(特に10〜10000、さらには20〜5000)の板状又はロッド状の形状を有し、且つ、比表面積が50m/g以上である、酸化チタン構造体。
項2.アナターゼ型の酸化チタン結晶を80重量%以上含有する、項1に記載の酸化チタン構造体。
項3.前記酸化チタン結晶が多結晶体である、項1又は2に記載の酸化チタン構造体。
項4.向かい合う長辺同士が平行である、項1〜3のいずれかに記載の酸化チタン構造体。
項5.長手方向の平均長さが500nm以上(特に1〜100μm、さらには2〜20μm)である、項1〜4のいずれかに記載の酸化チタン構造体。
項6.アルカリ金属の含有量が2000ppm以下である、項1〜5のいずれかに記載の酸化チタン構造体。
項7.アナターゼ型の酸化チタン結晶を含有し、平均幅が10nm以上、アスペクト比が10以上の板状又はロッド状の形状を有し、且つ、比表面積が50m/g以上である、酸化チタン構造体の製造方法であって、
(3)平均幅が10nm以上、平均アスペクト比が10以上の板状又はロッド状の形状を有する板状又はロッド状酸化チタンを、有機溶媒を50重量%以上含む溶液と、100〜250℃で接触させる工程
を備える、製造方法。
項8.前記工程(3)の前に、
(1)3〜20mol/Lのアルカリ水溶液と、平均粒子径が50nm以下の酸化チタンとを、160℃より高い温度で接触させる工程、及び
(2)工程(1)で得られた酸化チタン構造体を水、酸及びイオン交換樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種と接触させ、平均幅が10nm以上、平均アスペクト比が10以上の板状又はロッド状の形状を有する板状又はロッド状酸化チタンを調製する工程
を備える、項7に記載の製造方法。
項9.前記工程(1)において、アルカリが水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムを含有する、項8に記載の製造方法。
項10.前記工程(1)において、アルカリが水酸化ナトリウムを含有する、項8又は9に記載の製造方法。
項11.前記工程(3)において、有機溶媒がアルコール類である、項7〜10のいずれかに記載の製造方法。
項12.前記アルコール類が炭素数6以下の脂肪族アルコールである、項11に記載の製造方法。
項13.前記アルコール類が1−プロパノール、1−ブタノール及びエタノールよりなる群から選ばれる少なくとも1種である、項11又は12に記載の製造方法。
項14.前記工程(2)において、酸が、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、フッ酸、酢酸、クエン酸、ギ酸及びシュウ酸よりなる群から選ばれる少なくとも1種である、項8〜13のいずれかに記載の酸化チタン構造体の製造方法。
項15.(3)平均幅が10nm以上、平均アスペクト比が10以上の板状又はロッド状の形状を有する板状又はロッド状酸化チタンを、有機溶媒を50重量%以上含む溶液と、100〜250℃で接触させる工程
を備える、板状又はロッド状酸化チタンを多孔質化する方法。
項16.前記工程(3)の前に、
(1)3〜20mol/Lのアルカリ水溶液と、平均粒子径が50nm以下の酸化チタンとを、160℃より高い温度で接触させる工程、及び
(2)工程(1)で得られた酸化チタン構造体を水、酸及びイオン交換樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種と接触させ、平均幅が10nm以上、平均アスペクト比が10以上の板状又はロッド状の形状を有する板状又はロッド状酸化チタンを調製する工程
を備える、項15に記載の方法。
項17.前記工程(1)において、アルカリが水酸化ナトリウムを含有する、項16に記載の方法。
項18.項1〜6のいずれかに記載の酸化チタン構造体、又は項7〜14のいずれかに記載の製造方法により得られた酸化チタン構造体を含む、多孔質酸化チタン膜。
項19.さらに、平均粒子径が1〜500nm(特に5〜100nm)の酸化チタン微粒子を含む、項18に記載の多孔質酸化チタン膜。
項20.導電性基板上に、色素が担持された項18又は19に記載の多孔質酸化チタン膜が形成されている電極。
項21.項20に記載の電極を備える、光電変換素子。
項22.項1〜6のいずれかに記載の酸化チタン構造体、又は項7〜14のいずれかに記載の製造方法により得られた酸化チタン構造体を用いた光触媒。
本発明によれば、アスペクト比が大きく、比表面積が非常に高く、溶液中への分散性がよく、電子伝導性が高い形状で、且つ、色素増感太陽電池に使用すると変換効率を向上できる酸化チタン構造体及びその簡便な製造方法を提供できる。
実施例1の酸化チタン構造体の表面形状を示す電子顕微鏡(TEM)写真である。 比較例1の酸化チタン構造体の表面形状を示す電子顕微鏡(TEM)写真である。 比較例2の酸化チタン構造体の表面形状を示す電子顕微鏡(TEM)写真である。
1.酸化チタン構造体
本発明の酸化チタン構造体は、アナターゼ型の酸化チタン結晶を含有し、平均幅が10nm以上、アスペクト比が10以上の板状又はロッド状の形状を有し、且つ、比表面積が50m/g以上の構造体である。
本発明において、「酸化チタン」とは、二酸化チタン(TiO)のみを指すものではなく、三酸化二チタン(Ti);一酸化チタン(TiO);Ti、Ti等に代表される二酸化チタンから酸素欠損した組成のもの等も含むものである。また、末端OH基に代表されるように一部酸化チタンの合成に起因するTi−O−Ti以外の基を含んでいてもよい。
本発明において、「板状」とは、幅(短辺)に対して長さ(長辺)が大きく、表面の大半が平面である構造体である。ただし、表面が必ずしも完全な平面である必要はなく、一部曲面を含んでいてもよい。また、本発明において、「ロッド状」とは、幅(短辺)に対して長さ(長辺)が大きく、表面の大半が曲面である構造体である。ただし、表面が必ずしも完全な曲面である必要はなく、一部平面を含んでいてもよい。これら「板状」と「ロッド状」とは、必ずしも明確な区別があるわけではないが、「板状」と「ロッド状」とを総合すると、幅(短辺)に対して長さ(長辺)が大きい中実の構造体である。なお、中実の構造体とは、ナノチューブ等のような中空の構造体を除くことを意味する。さらに、本発明の酸化チタン構造体の表面には、多少の凹凸を有していてもよい。
本発明の酸化チタン構造体は、単結晶体でも多結晶体でもよいが、通常は多結晶体が好ましい。
<形状>
酸化チタン構造体の平均幅は、酸化チタン構造体が互いに絡み合わないため分散性に優れる点から、10nm以上、好ましくは20nm以上、より好ましくは40nm以上である。なお、平均幅が20nm以上の構造体については、従来は比表面積が小さい構造体しか製造できなかったが、本発明によれば、このように平均幅が大きい構造体についても、比表面積が大きい構造体を製造できる点で有用である。一方、光触媒等表面で反応を行う用途、色素増感太陽電池で表面に色素を担持させる目的のある場合等に好適に用いるためには、比表面積を高くするのが好ましいことから、本発明の酸化チタン構造体の平均幅は、500nm以下程度が好ましく、200nm以下程度がより好ましい。
本発明の酸化チタン構造体の平均アスペクト比(幅に対する長さの比、長さ/幅)は10以上、好ましくは20以上である。アスペクト比が10未満では、高導電性、高強度等、高アスペクト比に起因する物性が得られない。また、塗布した場合の膜性を良好にするために、本発明の酸化チタン構造体の平均アスペクト比は、10000以下程度が好ましく、5000以下程度がより好ましい。
酸化チタン構造体の長手方向の平均長さは、導電性に優れ、塗膜を形成した場合又は樹脂に混合した場合に強度が向上する点から、500nm以上が好ましく、1μm以上がより好ましく、2μm以上がさらに好ましい。また、塗布した場合の膜性を良好にするために、本発明の酸化チタン構造体の長手方向の平均長さは、100μm以下程度が好ましく、20μm以下程度がより好ましい。
本発明の酸化チタン構造体は、直線的で折れ曲がりの少ないものが、酸化チタン構造体同士が絡み合いにくく、分散性を向上させる観点から好ましい。具体的には、電子顕微鏡観察(SEM又はTEM)による酸化チタン構造体像の長さをLとし、その酸化チタン構造体を伸ばした時の長さをLとした場合に、L/Lが0.7以上となる形状特性が好ましい。
また、本発明の酸化チタン構造体は、向かい合う長辺同士が平行であることが好ましい。本明細書において、「平行」とは、完全に平行である必要はなく、略平行であるものも含まれる。具体的には、酸化チタン構造体の端部100nmを除いて、向かい合う長辺のなす角が0〜10°であることが好ましい。
酸化チタン構造体の形状(平均幅、平均アスペクト比、長手方向の平均長さ、L/L及び向かい合う長辺のなす角)は、例えば、電子顕微鏡(SEM又はTEM)観察等により測定することができる。
<結晶構造>
本発明の酸化チタン構造体は、アナターゼ型の酸化チタン結晶を含有する。
本発明の酸化チタン構造体は、色素増感太陽電池、光触媒等の用途に使用する場合には、光に対する活性が高いアナターゼ型の結晶を多く含むことが好ましい。具体的には、アナターゼ型の酸化チタン結晶の含有量は80〜100重量%が好ましく、90〜100重量%がより好ましい。ただし、必ずしも100重量%がアナターゼ型の酸化チタン結晶である必要はなく、他の結晶構造、例えば、ブルッカイト型、TiO(B)型、ルチル型等を含んでいてもよく、非晶質構造、例えばアモルファス状酸化チタンを含んでいてもよい。ただし、光に対する活性の点から、アモルファス状酸化チタンはできるだけ少ないほうが好ましく、本発明の酸化チタン構造体は、酸化チタン結晶からなることが好ましい。アナターゼ型の酸化チタン結晶以外の好ましい結晶構造は、ブルッカイト型又はTiO(B)型である。なお、後述の本発明の製造方法にしたがえば、酸化チタン構造体中にはアナターゼ型の酸化チタン結晶が80重量%以上と最も多く生成するが、TiO(B)型の酸化チタン結晶が次に生成されやすい。酸化チタン構造体の結晶構造は、例えば、X線回折、電子線回折、ラマン分光分析等により測定することができる。
<その他>
本発明の酸化チタン構造体は、比表面積が50m/g以上、好ましくは70m/g以上である。本発明では、特に、従来は比表面積を上昇させることが困難な平均幅が大きい酸化チタン構造体であっても、比表面積を大きくすることができる点で有用である。比表面積が50m/g未満の場合、色素増感太陽電池に使用する場合には色素を多量に担持できないために、入射した光を効率よく吸収できない。また、光触媒に使用する場合には十分な光触媒能を得られない。比表面積は、大きいほうが好ましく、上限値は特に制限されないが、3000m/g程度である。比表面積は、BET法等により測定できる。
本発明の酸化チタン構造体中のアルカリ金属(特にナトリウム)の含有量は、色素増感太陽電池に使用する場合は、活性を確保する点から、2000ppm以下が好ましく、500ppm以下がより好ましい。なお、耐熱性を必要とする場合は、Naが多いほうが好ましいことがあるため、アルカリ金属含有量は、目的等に応じて適宜設定できる。アルカリ金属の含有量は、イオンクロマトグラフ法、ICP発光分光分析法等により測定できる。
本発明の酸化チタン構造体は、より大きな電流が得られる点から、10MPa下での粉体抵抗は3×10Ω・m以下が好ましく、1×10Ω・m以下がより好ましい。粉体抵抗は、小さいほうが好ましく、下限値は特に制限されないが、0.1Ω・m程度である。なお、酸化チタン構造体の粉体抵抗の測定方法は、特に限定されないが、例えば、10MPaの圧力で厚さ0.3mmの平板状に加工し、ペレット間に電圧1Vを印加して流れる電流値を測ることにより測定することができる。
従来の酸化チタンナノチューブ(アルカリ水溶液と酸化チタンとの接触温度が低いもの)は、500〜900℃程度の高温領域では形状が崩壊し、粒子状となってしまうため、比表面積及びアスペクト比を維持できないが、本発明の酸化チタン構造体は、500〜900℃程度の高温領域でも形状が崩れず、比表面積及びアスペクト比を維持できる。つまり、本発明の酸化チタン構造体は、高温においても、高比表面積、溶液中への分散性及び高強度を維持できる。
2.酸化チタン構造体の製造方法及び多孔質化方法
本発明の酸化チタン構造体の製造方法は、
(3)平均幅が10nm以上、アスペクト比が10以上の板状又はロッド状の形状を有する板状又はロッド状酸化チタンを、有機溶媒を50重量%以上含む溶液と、100〜250℃で接触させる工程
を備える。
また、本発明の酸化チタン構造体の製造方法は、前記工程(3)の前に、
(1)3〜20mol/Lのアルカリ水溶液と、平均粒子径が50nm以下の酸化チタンとを、160℃より高い温度で接触させる工程、及び
(2)工程(1)で得られた酸化チタン構造体を水、酸及びイオン交換樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種と接触させ、平均幅が10nm以上、平均アスペクト比が10以上の板状又はロッド状の形状を有する板状又はロッド状酸化チタンを調製する工程
を備えることが好ましい。
特に、前記工程(1)〜(3)をこの順に全て行うことが好ましい。
<工程(1)>
本発明の酸化チタン構造体の製造方法は、
(1)3〜20mol/Lのアルカリ水溶液と、平均粒子径が50nm以下の酸化チタン(A)とを、160℃より高い温度で接触させる工程
を備える。
工程(1)では、具体的には、これに限定されるわけではないが、3〜20mol/Lのアルカリ水溶液中に、平均粒子径が50nm以下の酸化チタン(A)を添加し、その後、160℃より高い温度に加熱することが好ましい。
アルカリ水溶液としては、原料の酸化チタンの表面を溶解し、反応を促進する点から、アルカリ金属の水酸化物の水溶液が好ましい。なお、アルカリとして、2種類以上のアルカリを含む水溶液としてもよく、例えば、水酸化カリウム、水酸化リチウム等を水酸化ナトリウムと併用できる。特に、アルカリとしては、高アスペクト比の構造体を合成するためには、水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウムが好ましく、水酸化ナトリウムが特に好ましい。なお、水酸化ナトリウムを使用した場合には平均幅が大きい構造体が生成する傾向にあり、水酸化カリウムを使用した場合には平均幅が小さい構造体が生成する傾向にある。本発明では、幅が大きい構造体であっても、比表面積を十分に大きくできる点に特に有用性があるので、水酸化ナトリウムを使用した場合であっても、比表面積を十分に大きくできる点に特に有用性がある。
なお、アルカリとしては、水酸化ナトリウムを50重量%以上、特に70重量%以上が好ましい。
アルカリ水溶液の濃度は、原料の酸化チタンの表面を溶解し、かつ反応液の流動性を保つことにより、アスペクト比の大きい板状酸化チタン結晶からなるからなる酸化チタン構造体を、長時間かけることなく作製できる点から、3〜20mol/Lが好ましく、5〜15mol/L程度がより好ましい。なお、2種類以上のアルカリを含む水溶液を使用する場合には、アルカリ水溶液の濃度は3〜30mol/L、好ましくは5〜20mol/L程度である。
使用する酸化チタンの形態は、特に制限はない。公知又は市販の酸化チタン微粒子をそのまま使用してもよいし、粒径が大きい場合は遊星ボールミル、ペイントシェーカー等を用いて乾式又は湿式で粉砕して用いてもよい。
使用する酸化チタンの平均粒子径は、より低温、より短時間で本発明の酸化チタン構造体を製造できる点から、50nm以下が好ましく、30nm以下がより好ましい。使用する酸化チタンの平均粒子径が大きすぎると、本発明の酸化チタン構造体を製造するのが困難である。酸化チタン(A)の平均粒子径は、小さいほうが好ましく、下限値は特に設定されないが、通常3nm程度である。酸化チタンの平均粒子径は、例えば、電子顕微鏡(SEM又はTEM)観察等により測定することができる。
アルカリ水溶液中に添加する酸化チタンの量は、特に制限されないが、反応液の流動性と生産性とのバランスを取る観点から、0.01〜1mol/L程度が好ましく、0.05〜0.5mol/Lがより好ましい。
アルカリ水溶液と酸化チタンとを接触させる温度は、160℃より高い温度が好ましい。接触温度の上限値は、特に制限はないが、通常水の臨界点である374℃である。具体的には、180〜370℃程度が好ましく、200〜300℃程度がより好ましい。接触温度が低すぎると本発明の酸化チタン構造体を製造することはできず、酸化チタン(A)が凝集した塊状の構造体、又は幅が非常に小さい酸化チタン構造体が絡み合い、全体として塊状の構造体しか製造できない傾向がある。つまり、高アスペクト比かつ高分散性の酸化チタン構造体は得られない傾向がある。特許文献2及び3では、160℃以上とするとチューブ状のものが生成されにくくなる(特許文献2の[0024]及び特許文献3の[0024])とされているが、逆に、低温で接触させると、酸化チタン構造体同士が絡み合ってしまうため、高アスペクト比且つ高分散性の酸化チタン構造体は得られない傾向がある。また、接触温度が高すぎると、使用するエネルギー量と安全性の面で望ましくない傾向がある。
アルカリ水溶液と酸化チタンとを接触させる時間は、特に制限はなく、1〜24時間程度が好ましい。
本発明では、使用する酸化チタンの平均粒子径、接触温度及び接触時間の好ましい範囲には相関関係があり、平均粒子径が大きめの酸化チタンを使用する場合には、接触温度を高めとすることが好ましい。例えば、平均粒子径7nmの酸化チタンを用いて接触時間を12時間とした場合には、接触温度を160℃より高い温度とすることが好ましいが、平均粒子径25nmの酸化チタンを用いて接触時間を12時間とした場合には、接触温度を185℃以上とすることが好ましい。
<工程(2)>
本発明の酸化チタン構造体の製造方法においては、上記の工程(1)の後、さらに、
(2)工程(1)で得られた酸化チタン構造体を水、酸及びイオン交換樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種と接触させる工程
を備えることが好ましい。
具体的には、水又は酸を使用する場合には、例えば、工程(1)で得られた酸化チタン構造体を、水又は酸性水溶液中に添加することが好ましい。また、イオン交換樹脂を使用する場合には、イオン交換樹脂を充填したカラムに生成物を含む液を通過させてもよく、イオン交換樹脂と混合して撹拌するだけでもよい。
アルカリ水溶液としてアルカリ金属の水酸化物を用いた場合には、工程(1)で得られる酸化チタン構造体中に、アルカリ金属が含まれることがあるが、この工程により、酸化チタン構造体中に含まれるアルカリ金属を取り除くことができる。
酸としては、アルカリ金属イオンとプロトンを交換できるプロトン酸が好ましい。具体的には、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、フッ酸、酢酸、クエン酸、ギ酸、シュウ酸等の一般的な無機酸又は有機酸が挙げられる。これらの酸は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。
イオン交換樹脂としては、例えば、ダイヤイオン(三菱化学(株)製;登録商標)、アンバーライト(ローム・アンド・ハース社製)等の陽イオン交換樹脂等が挙げられる。これらのイオン交換樹脂は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。
水、酸及びイオン交換樹脂のなかでも、工程(1)で得られた酸化チタン構造体中に含まれるアルカリ金属を短時間で取り除くことができる点から、酸を用いることが好ましく、塩酸、硝酸、酢酸、シュウ酸等がより好ましい。ただし、酸を用いる場合には、工程(1)で得られた酸化チタン構造体を酸と接触させた後、酸化チタン構造体を水洗して酸を除去することが好ましい。
工程(1)で得られた酸化チタン構造体と水、酸及びイオン交換樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種とを接触させる時間は、1〜48時間程度が好ましく、充分にアルカリ金属を除去する必要がある場合は8時間以上がより望ましい。
これらの工程(1)及び(2)を経て得られる酸化チタン構造体は、平均幅が10nm以上、平均アスペクト比が10以上の板状又はロッド状の形状を有する板状又はロッド状酸化チタンである。
<工程(3)>
本発明の酸化チタン構造体の製造方法においては、
(3)平均幅が10nm以上、平均アスペクト比が10以上の板状又はロッド状の形状を有する板状又はロッド状酸化チタンを、有機溶媒を50重量%以上含む溶媒と、100〜250℃で接触させる工程
を備える。
この板状又はロッド状酸化チタンは、工程(1)及び(2)を経て作製したものを用いてもよいし、別途作製したものを用いてもよい。
使用する反応溶液については、有機溶媒の比率が高いほど、比表面積が高くなる傾向にある。ただし、反応溶液が、必ずしも完全に有機溶媒からなる、つまり、有機溶媒の含有量が100重量%である必要はなく、多少水分、酸等を含んでいてもよい。酸としては、上記説明したものが挙げられる。水分を含む場合で、かつ酸を含む場合はアナターゼ型結晶が生成しやすくなるが、有機溶媒のみの場合と比べて比表面積が下がる傾向にある。一方、中性の水が多い場合は形状が崩れ比表面積がさらに小さくなる。このことから、必要とする機能に応じて、有機溶媒の含有量を調整することが好ましいが、具体的には、反応溶液中の有機溶媒の含有量は、50〜100重量%が好ましく、70〜100重量%がより好ましい。
平均幅が10nm以上、平均アスペクト比が10以上の板状又はロッド状の形状を有する板状又はロッド状酸化チタンは、一般的に行われる熱風乾燥、減圧乾燥等により乾燥を行ってもよく、水分を含んだ状態のままでもよいが、有機溶媒のみの反応系で工程(3)を行いたい場合は、乾燥を行うことが好ましい。
有機溶媒としては、アルコール類を含むことが好ましく、炭素数が6以下の脂肪族アルコール類を含むことがより好ましい。この中でも、メタノール、エタノール、1−プロパノール、1−ブタノール、2−プロパノール等が好ましく、1−プロパノールが特に好ましい。
反応温度は100℃以上、好ましくは150℃以上である。反応温度が100℃未満では、アナターゼ型の酸化チタン結晶が生成されず、また、比表面積を十分に向上させることができない。また、光電変換効率を向上させることができない。一方、反応温度は250℃以下、好ましくは230℃以下である。反応温度が250℃より高いと、比表面積を向上させることができない。また、光電変換効率を向上させることができない。なお、反応温度が高いほど、比表面積が極大となる時間は早い。
反応時間は特に制限されるわけではないが、1〜48時間が好ましく、3〜24時間がより好ましい。反応時間が長いほどアナターゼ型結晶の比率が100%に近づくが、比表面積は一旦極大値を取ったのちに再度小さくなるため、適宜調整することが好ましい。
なお、反応は加圧に耐えうる容器中で行うことが好ましい。
このようにして得られる酸化チタン構造体は、上記の「1.酸化チタン構造体」にて説明したような特性を有するものである。
3.多孔質酸化チタン膜
本発明の多孔質酸化チタン膜は、本発明の酸化チタン構造体を含む。なお、本発明の多孔質酸化チタン膜は、必ずしも本発明の酸化チタン構造体のみからなる必要はなく、例えば、平均粒子径が1〜500nm、特に5〜100nmの酸化チタン微粒子;公知の酸化チタンナノチューブ;公知の酸化チタンナノロッド;公知の酸化チタンナノファイバー;酸化チタンナノ粒子のチューブ状集合体等の高アスペクト比を有する酸化チタン構造体等を含んでいてもよい。
特に、本発明の酸化チタン構造体と酸化チタン微粒子とを混合する場合には、本発明の多孔質酸化チタン膜の強度を向上させ、クラック等の不良を抑制できる。
なお、本発明の多孔質酸化チタン膜中に、本発明の酸化チタン構造体と他の成分とを含ませる場合には、本発明の多孔質酸化チタン膜は、「本発明の酸化チタン構造体と他の成分とを含む層からなるもの」であってもよいし、「他の成分を含む層と、本発明の酸化チタン構造体を含む層の少なくとも2層からなるもの」であってもよい。もちろん、3層以上の構成を有していてもよい。
本発明の多孔質酸化チタン膜中に、本発明の酸化チタン構造体とその他の成分とを含ませる場合、本発明の酸化チタン構造体の含有量を加える目的や組み合わせるその他の成分の種類によって異なるが、導電性及び強度を向上させるために、本発明の酸化チタン構造体の含有量を、0.1〜95重量%程度が好ましく、1〜90重量%程度がより好ましい。光の拡散効果を強くしたい場合は本発明の酸化チタン構造体の比率を大きくし(例えば5〜95重量%程度)、皮膜の透明性をできるだけ保持したい場合や、比表面積を大きくする必要がありかつ組み合わせるその他の成分の比表面積の方が大きい場合は、本発明の酸化チタン構造体の比率を少なめに(例えば1〜20重量%程度)すればよい。
本発明の多孔質酸化チタン膜の製造方法としては、特に制限されるわけではないが、例えば、本発明の酸化チタン構造体を含む膜形成用組成物を作製し、適当な基板上に当該膜形成用組成物を塗布及び乾燥させることが好ましい。また、乾燥させた後、得られた膜に、必要に応じて加熱処理を施して焼成させてもよい。
基板としては、特に制限はなく、常温においてほぼ平滑な面を有するものが使用でき、その面は平面又は曲面のいずれでもよく、また応力によって変形するものであってもよい。使用できる基板の具体例としては、例えば、各種ガラス;PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)等の透明樹脂等が挙げられる。また、色素増感太陽電池用の負極材料として本発明の多孔質酸化チタン膜を用い、かつ対極側から光を取り入れる構造の場合は必ずしも基板が透明である必要はなく、導電性のあるアルミニウム、チタン、クロム、ステンレス等を使用しても良い。
塗布方法は特に制限はなく、スクリーン印刷、ディップコート、スプレーコート、スピンコート、スキージ法等の常法を採用できる。
また、乾燥条件及び焼成条件は特に制限はなく、乾燥温度を60〜250℃程度、焼成温度を250〜800℃程度とすることが好ましい。
本発明の多孔質酸化チタン膜の作製に当たっては、得られる膜の膜厚が0.5〜50μm程度となるように塗布することが好ましい。
なお、本発明の多孔質酸化チタン膜を、酸化チタン微粒子を含む層と、本発明の酸化チタン構造体を含む層の2層を有するものとする場合には、例えば、酸化チタン微粒子を含む膜形成用組成物を基板上に塗布及び乾燥した後、酸化チタン微粒子を含む層の上に、本発明の酸化チタン構造体を含む膜形成用組成物を塗布及び乾燥することが好ましい。もちろん、3層以上からなる多孔質酸化チタン膜を形成する場合には、塗布及び乾燥工程を3回以上に分けて行うことが好ましい。
4.電極
本発明の電極を形成する際には、上述の多孔質酸化チタン膜を、導電性の樹脂基板又はガラス基板の上に形成することが好ましい。
樹脂基板としては、導電性の樹脂基板であれば特に制限されないが、例えば、ポリエチレンナフタレート樹脂基板(PEN樹脂基板)、ポリエチレンテレフタレート樹脂基板(PET樹脂基板)等のポリエステル;ポリアミド;ポリスルホン;ポリエーテルサルホン;ポリエーテルエーテルケトン;ポリフェニレンサルファイド;ポリカーボネート;ポリイミド;ポリメチルメタクリレート;ポリスチレン;トリ酢酸セルロース;ポリメチルペンテン等が挙げられる。
ガラス基板としても特に制限はなく、公知又は市販のものを使用でき、無色又は有色ガラス、網入りガラス、ガラスブロック等のいずれでもよい。
この樹脂基板又はガラス基板としては、板厚が0.05〜10mm程度のものを使用できる。
本発明では、多孔質酸化チタン膜は、樹脂基板又はガラス基板の表面上に直接形成されていてもよいが、透明導電膜を介して形成されていてもよい。
透明導電膜としては、例えば、スズドープ酸化インジウム膜(ITO膜)、フッ素ドープ酸化スズ膜(FTO膜)、アンチモンドープ酸化スズ膜(ATO膜)アルミニウムドープ酸化亜鉛膜(AZO膜)、ガリウムドープ酸化亜鉛膜(GZO膜)等が挙げられる。これらの透明導電膜を介することで、発生した電流を外部にとりだすことが容易となる。これらの透明導電膜の膜厚は、0.02〜10μm程度とするのが好ましい。
本発明の電極としては、例えば、以下に示す2態様が挙げられる。
<態様1>
樹脂基板又はガラス基板上に、本発明の多孔質酸化チタン膜を、透明導電膜を介して形成し、本発明の電極とすることができる。なお、樹脂基板、ガラス基板及び透明導電膜は上述したとおりのものである。
具体的には、以下のように、電極を形成すればよい。
まず、樹脂基板又はガラス基板上に、真空蒸着法、イオンプレーティング法、CVD法、スパッタリング法、ゾルーゲル法、ナノ粒子コンポジット等により透明導電膜を形成する。これにより得られる基板の表面抵抗は、50Ω/sq.以下とすることが好ましい。
そして、その上に、上述の膜形成用組成物を塗布及び乾燥し、必要に応じて加熱させることが好ましい。樹脂基板を使用する場合には、乾燥条件及び加熱条件は、150℃以下とすることが好ましい。
この際、得られる膜の膜厚が2〜40μm程度となるように塗布することが、クラック抑制及び基板との密着性の観点から好ましい。
<態様2>
樹脂基板又はガラス基板上に、本発明の多孔質酸化チタン膜を直接形成し、さらにその上に、多孔質金属膜を形成して本発明の電極としてもよい。なお、樹脂基板及びガラス基板は上述したとおりのものである。また、樹脂基板又はガラス基板上に、本発明の多孔質酸化チタン膜を形成する際には、上記態様1と同様の方法を採用することができる。
態様2で使用できる多孔質金属膜としては、ヨウ素イオン、臭素イオン等の電解液中に含まれるイオンに侵されない(反応しない)金属であれば特に限定されないが、例えば、チタン、タングステン、白金、金等が挙げられる。これらの多孔質金属膜を形成することで、発生した電流を外部にとりだすことが容易となる。これらの多孔質金属膜の表面低効率は、特に限定されないが、10Ω/sq.以下であればよく、膜厚も特に限定されないが、150nm以上とするのが好ましい。
樹脂基板又はガラス基板上に形成された多孔質酸化チタン膜のさらに上に、多孔質金属膜を形成するには、スパッタ法等の薄膜形成法により形成すればよい。
5.光電変換素子及び色素増感太陽電池
本発明の光電変換素子は、本発明の電極の多孔質酸化チタン膜の上に対向電極(対極)を形成し、これら電極間を、ヨウ素及びヨウ化物又は臭素及び臭化物を含むアセトニトリル溶液、エチレンカーボネート溶液、又はプロピレンカーボネート溶液、及びそれらの混合溶液等の電解液で満たすことにより作製できる。また、本発明の色素増感太陽電池は、当該光電変換素子をモジュール化するとともに、所定の電気配線を設けることによって得られる。
このように、本発明の電極を負極として用いることにより、発生した電子を速やかに負極側の導電ガラスに運ぶことができる。また、負極材料として酸化チタン微粒子を使用した場合と比較し、光を拡散しやすくし、光利用効率を向上させることができる。また、負極に適度な隙間を形成し、電解液の拡散を容易にすることができる。さらに、負極の多孔質酸化チタン膜の強度を向上させ、リーク電流等の要因となるクラックを防止することもできる。
対極は、導電性材料からなる単層構造でもよいし、導電層と基板とから構成されていてもよい。基板としては、特に限定されず、材質、厚さ、寸法、形状等は目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属、無色又は有色ガラス、網入りガラス、ガラスブロック等が用いられる他、樹脂でも良い。かかる樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアミド、ポリスルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、トリ酢酸セルロース、ポリメチルペンテン等が挙げられる。また、電荷輸送層上に直接導電性材料を塗布、メッキ又は蒸着(PVD、CVD)して対極を形成してもよい。
なお、本発明の電極を対極として用いることもできる。本発明の電極を対極として使用すれば、触媒の有効面積の拡大、電解液の拡散の促進、対極の触媒層の強度の向上等の効果が期待できる。
導電性材料としては、白金、金、ニッケル、チタン、アルミニウム、銅、銀、タングステン等の金属や、炭素材料、導電性有機物等の比抵抗の小さな材料が用いられる。
また、対極の抵抗を下げる目的で金属リードを用いても良い。金属リードは白金、金、ニッケル、チタン、アルミニウム、銅、銀、タングステン等の金属からなるのが好ましく、アルミニウム又は銀からなるのが特に好ましい。
本発明では、対極を形成する前に、本発明の電極の光吸収効率を向上すること等を目的として、多孔質酸化チタン膜に色素を担持(吸着、含有など)させることが好ましい。
色素は、可視域や近赤外域に吸収特性を有し、半導体層の光吸収効率を向上(増感)させる色素であれば特に限定されないが、金属錯体色素、有機色素、天然色素、半導体等が好ましい。また、多孔質酸化チタン膜への吸着性を付与するために、色素の分子中にカルボキシル基、ヒドロキシル基、スルホニル基、ホスホニル基、カルボキシルアルキル基、ヒドロキシアルキル基、スルホニルアルキル基、ホスホニルアルキル基等の官能基を有するものが好適に用いられる。
金属錯体色素としては、例えば、ルテニウム、オスミウム、鉄、コバルト、亜鉛、水銀の錯体(例えば、メリクルクロム等)や、金属フタロシアニン、クロロフィル等を用いることができる。また、有機色素としては、例えば、シアニン系色素、ヘミシアニン系色素、メロシアニン系色素、キサンテン系色素、トリフェニルメタン系色素、金属フリーフタロシアニン系色素等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。色素として用いることができる半導体としては、i型の光吸収係数が大きなアモルファス半導体や直接遷移型半導体、量子サイズ効果を示し、可視光を効率よく吸収する微粒子半導体が好ましい。通常、各種の半導体や金属錯体色素や有機色素の一種、又は光電変換の波長域をできるだけ広くし、かつ変換効率を上げるため、二種類以上の色素を混合することができる。また、目的とする光源の波長域と強度分布に合わせるように、混合する色素とその割合を選ぶことができる。
色素を多孔質酸化チタン膜に吸着させる方法としては、例えば、溶媒に色素を溶解させた溶液を、多孔質酸化チタン膜上にスプレーコートやスピンコート等により塗布した後、乾燥する方法により形成することができる。この場合、適当な温度に基板を加熱してもよい。また、多孔質酸化チタン膜を溶液に浸漬して吸着させる方法を用いることもできる。浸漬する時間は色素が充分に吸着すれば特に制限されることはないが、好ましくは10分〜30時間、より好ましくは1〜20時間である。また、必要に応じて浸漬する際に溶媒や基板を加熱しても良い。溶液にする場合の色素の濃度としては、1〜1000mmol/L、好ましくは10〜500mmol/L程度である。
用いる溶媒は特に制限されるものではないが、水及び有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノール等のアルコール類;アセトニトリル、プロピオニトリル、メトキシプロピオニトリル、グルタロニトリル等のニトリル類;ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン等の芳香族炭化水素;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素;シクロヘキサン等の脂環式炭化水素;アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、2−ブタノン等のケトン類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ニトロメタン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホアミド、ジメトキシエタン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、スルホラン、ジメトキシエタン、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、ジメチルアセトアミド、メチルピロリジノン、ジメチルスルホキシド、ジオキソラン、スルホラン、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリプロピル、リン酸エチルジメチル、リン酸トリブチル、リン酸トリペンチル、リン酸トリへキシル、リン酸トリヘプチル、リン酸トリオクチル、リン酸トリノニル、リン酸トリデシル、リン酸トリス(トリフフロロメチル)、リン酸トリス(ペンタフロロエチル)、リン酸トリフェニルポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
色素間の凝集等の相互作用を低減するために、界面活性剤としての性質を持つ無色の化合物を色素吸着液に添加し、多孔質酸化チタン膜に共吸着させてもよい。このような無色の化合物の例としては、カルボキシル基やスルホ基を有するコール酸、デオキシコール酸、ケノデオキシコール酸、タウロデオキシコール酸等のステロイド化合物やスルホン酸塩類等が挙げられる。
未吸着の色素は、吸着工程後、速やかに洗浄により除去するのが好ましい。洗浄は湿式洗浄槽中でアセトニトリル、アルコール系溶媒等を用いて行うのが好ましい。
色素を吸着させた後、アミン類、4級アンモニウム塩、少なくとも1つのウレイド基を有するウレイド化合物、少なくとも1つのシリル基を有するシリル化合物、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等を用いて、多孔質酸化チタン膜の表面を処理してもよい。好ましいアミン類の例としては、ピリジン、4−t−ブチルピリジン、ポリビニルピリジン等が挙げられる。好ましい4級アンモニウム塩の例としては、テトラブチルアンモニウムヨージド、テトラヘキシルアンモニウムヨージド等が挙げられる。これらは有機溶媒に溶解して用いてもよく、液体の場合はそのまま用いてもよい。
6.他の用途
本発明の酸化チタン構造体は、色素増感太陽電池以外にも、光触媒、センサー、樹脂強化材、金属イオン担持体等に用いることができる。その際、上記の「3.多孔質酸化チタン膜」等と同様に、本発明の酸化チタン構造体を単独で用いてもよいし、本発明の酸化チタン構造体と酸化チタン微粒子等とを混合して用いてもよい。
本発明の酸化チタン構造体と酸化チタン微粒子等とを混合して用いれば、強度を向上させ、クラック等の不良を抑制することができる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらのみに限定されるものではない。
実施例1
平均粒子径が7nmの酸化チタン微粒子0.5gを40gの蒸留水を加え撹拌した後、16gのNaOHを加えさらに5分間撹拌した(酸化チタンの濃度:0.16mol/L、アルカリ水溶液の濃度:10mol/L)。この混合液をPTFEライニングしたSUS316製圧力容器に入れて250℃加熱炉中で12時間静置したところ、白色の沈殿が得られた。
この沈殿を500mlの蒸留水中で激しく撹拌した後、減圧濾過するという操作を3回繰り返した後、1Mの塩酸500g中で24時間撹拌した。さらに得られた物質を500mlの蒸留水中で撹拌した後減圧濾過するという操作を5回繰り返し、得られた白色のケーキを150℃で減圧乾燥したところ、0.48gの白色の物質が得られた。
この物質をSEM及びTEMで観察したところ、酸化チタン多結晶からなる、平均幅65nm、平均長さ5μmの大きいアスペクト比(平均アスペクト比:77)を有する直線的で折れ曲がりの少なく(L/L:0.7以上)、向かい合う長辺同士が平行(なす角が0〜10°)の板状の物質であることがわかった。また、多結晶体であることが確認された。
得られた酸化チタン構造体をBET法にて比表面積を測定したところ30m/gであった。また、ICP発光分光分析法にてアルカリ金属(ナトリウム)含有量を測定したところ検出限界以下(500ppm以下)であった。
この物質を、40gの1−プロパノール中に混合し、再度PTFEライニングしたSUS316製圧力容器に入れて200℃加熱炉中で12時間静置したところ、白色の沈殿が得られた。得られた白色の沈殿を150℃で減圧乾燥した。
この物質をTEMで観察した結果を図1に示す。図1からは、酸化チタンナノ構造体が、結晶化しながら多孔質化しており、この構造体は酸化チタン多結晶からなることが理解できる。また、この構造体は、平均幅70nm、平均長さ5μmの大きいアスペクト比(平均アスペクト比:71)を有する直線的で折れ曲がりの少なく(L/L:0.7以上)、向かい合う長辺同士が平行(なす角が0〜10°)の板状の物質であり、電子伝導性が高いことが示唆された。また、1個1個の構造体が独立しており、分散性に優れることも分かった。
この物質を、X線結晶構造解析を行ったところ、アナターゼ型結晶が95重量%程度であることがわかった。さらにBET比表面積を測定したところ、120m/gと処理前より大幅に増大していることがわかった。ICP発光分光分析法にてアルカリ金属(ナトリウム)含有量を測定したところ検出限界以下(500ppm以下)であった。
実施例2
平均粒子径が25nmの酸化チタン微粒子0.5gを40gの蒸留水を加え撹拌した後、24gのNaOHを加えさらに5分間撹拌した(酸化チタンの濃度:0.16mol/L、アルカリ水溶液の濃度:15mol/L)。この混合液をPTFEライニングしたSUS316製圧力容器に入れて250℃加熱炉中で12時間静置したところ、白色のケーキが得られた。
この沈殿を500mlの蒸留水中で激しく撹拌した後、減圧濾過するという操作を3回繰り返した後、1Mの塩酸500g中で24時間撹拌した。さらに得られた物質を500mlの蒸留水中で撹拌した後減圧濾過するという操作を5回繰り返し、得られた白色のケーキを150℃で減圧乾燥したところ、0.49gの白色の物質が得られた。
この物質をSEM及びTEMで観察したところ、酸化チタン多結晶からなる、平均幅70nm、平均長さ10.5μmの大きいアスペクト比(平均アスペクト比:150)を有する直線的で折れ曲がりの少なく(L/L:0.7以上)、向かい合う長辺同士が平行(なす角が0〜10°)の板状の物質であることがわかった。
得られた酸化チタン構造体をBET法にて比表面積を測定したところ27m/gであった。また、ICP発光分光分析法にてアルカリ含有量を測定したところ検出限界以下(500ppm以下)であった。
この物質を、40gの1−ブタノール中に混合し、再度PTFEライニングしたSUS316製圧力容器に入れて230℃加熱炉中で6時間静置したところ、白色の沈殿が得られた。得られた白色の沈殿を150℃で減圧乾燥した。
この物質をTEMで観察したところ、酸化チタンナノ構造体が、結晶化しながら多孔質化しており、この構造体は酸化チタン多結晶からなっていた。また、この構造体は、平均幅75nm、平均長さ4.5μmの大きいアスペクト比(平均アスペクト比:60)を有する直線的で折れ曲がりの少なく(L/L:0.7以上)、向かい合う長辺同士が平行(なす角が0〜10°)の板状の物質であり、電子伝導性が高いことが示唆された。また、1個1個の構造体が独立しており、分散性に優れることも分かった。
この物質を、X線結晶構造解析を行ったところ、アナターゼ型結晶が90重量%程度であることがわかった。さらにBET比表面積を測定したところ、90m/gと処理前より大幅に増大していることがわかった。ICP発光分光分析法にてアルカリ金属(ナトリウム)含有量を測定したところ検出限界以下(500ppm以下)であった。
実施例3
平均粒子径が25nmの酸化チタン微粒子0.5gを40gの蒸留水を加え撹拌した後、25gの90wt%KOHを加えさらに5分間撹拌した(酸化チタンの濃度:0.16mol/L、アルカリ水溶液の濃度:10mol/L)。この混合液をPTFEライニングしたSUS316製圧力容器に入れて250℃加熱炉中で12時間静置したところ、白色のケーキが得られた。
この沈殿を500mlの蒸留水中で激しく撹拌した後、減圧濾過するという操作を3回繰り返した後、1Mの塩酸500g中で90℃に加温しながら72時間撹拌した。さらに得られた物質を500mlの蒸留水中で撹拌した後減圧濾過するという操作を5回繰り返し、得られた白色のケーキを150℃で減圧乾燥したところ、0.49gの白色の物質が得られた。
この物質をSEM及びTEMで観察したところ、平均幅15nm、平均長さ7.5μmの大きいアスペクト比(平均アスペクト比:500)を有するワイヤー状の物質であることがわかった。
得られた酸化チタン構造体をBET法にて比表面積を測定したところ220m/gであった。
この物質を、40gのエタノール中に混合し、再度PTFEライニングしたSUS316製圧力容器に入れて240℃加熱炉中で12時間静置したところ、白色の沈殿が得られた。得られた白色の沈殿を150℃で減圧乾燥した。
この物質をTEMで観察したところ、この構造体は酸化チタン多結晶からなっていた。また、この構造体は、平均幅20nm、平均長さ6μmの大きいアスペクト比(平均アスペクト比:300)を有する直線的で折れ曲がりの少なく(L/L:0.7以上)、向かい合う長辺同士が平行(なす角が0〜10°)の板状の物質であり、電子伝導性が高いことが示唆された。また、1個1個の構造体が独立しており、分散性に優れることも分かった。
この物質を、X線結晶構造解析を行ったところ、アナターゼ型結晶が60重量%程度であることがわかった。さらにBET比表面積を測定したところ、180m/gと処理前に近い比表面積を維持していることがわかった。また、ICP発光分光分析法にてアルカリ含有量を測定したところ検出限界以下(500ppm以下)であった。
比較例1
1−プロパノールを0.1Mの硝酸水溶液にする以外は、実施例1と同様に実験を行った。
その結果得られた物質をTEMで観察した結果を図2に示す。図2からは、酸化チタンナノ構造体が、結晶化はしているものの、多孔質になっていないことがわかる。また、この構造体は、平均幅200nm、平均長さ4μm、平均アスペクト比:20であった。
この物質を、X線結晶構造解析を行ったところ、アナターゼ型結晶が98重量%程度であることがわかった。さらにBET比表面積を測定したところ、25m/gと逆に低下していた。
比較例2
1−プロパノールの処理を50℃で行う以外は、実施例1と同様に実験を行った。
その結果得られた物質をTEMで観察した結果を図3に示す。図3からは、多結晶ではあるが、アナターゼ型結晶は発生しておらず、また、多孔質になっていないことがわかる。また、この構造体は、平均幅65nm、平均長さ5μm、平均アスペクト比:77であった。
その結果得られた物質をX線結晶構造解析を行ったところ、アナターゼ型結晶は全く含まれていなかった、さらにBET比表面積を測定したところ、30m/gと変化がなかった。
比較例3
1−プロパノールの処理を260℃で行う以外は、実施例1と同様に実験を行った。
その結果得られた物質をTEMで観察したところ、平均幅100nm、平均長さ4μm、平均アスペクト比:40であった。
この物質を、X線結晶構造解析を行ったところ、アナターゼ型結晶が100重量%であることがわかった。しかしながら、BET比表面積を測定したところ、20m/gと低下していた。
比較例4
エタノールを水に変える以外は、実施例3と同様に実験を行った。
この物質を、X線結晶構造解析を行ったところ、アナターゼ型結晶が100重量%であることがわかった。しかしながら、BET比表面積を測定したところ、10m/gと低下していた。また、SEM観察を行ったところ、形状が崩壊しており、粒子形状に変化していた。
実験例:色素増感太陽電池
<実施例1の酸化チタン構造体>
水熱合成法によって得られた酸化チタンナノ粒子(平均粒子径15nm)8.6g、実施例1で得られた酸化チタン構造体0.4g、エチルセルロース4.5g、α−テルピネオール36.5g、エタノール50gを混合し、5分間超音波分散を行った後、40℃70hPaで3時間濃縮を行い、酸化チタンペースト50gを得た。
このペーストをシート抵抗15Ω/sq.の導電性ガラス基板の上に5mm角×厚み10μmに塗布し、125℃で乾燥した。
この塗膜を500℃空気中で1h焼成し、多孔質の酸化チタン膜を得た。
得られた酸化チタン膜をルテニウム色素(Rutenium535-bisTBA:SOLARONIX社製)/t−ブチルアルコール・アセトニトリル(1:1)溶液(濃度:3.0×10−4mol/L)に20時間浸漬し、酸化チタンに色素を担持させた。
この電極を、Ptスパッタを行った導電ガラス(ジオマテック(株)製)に厚み30μmで酸化チタン層を囲うような形に切り抜いたアイオノマー製フィルムを介して張り合わせ、中に0.1mol/Lのヨウ化リチウム、1.0mol/Lのよう化エチルメチルイミダゾリウム、0.03mol/Lのヨウ素、0.5mol/Lの4−tert−ブチルピリジンをアセトニトリルに溶解させた電解液を封入した。
セルに疑似太陽光(1kW/m)を照射し、電流電圧特性を測定したところ、8.6%の光電変換効率を得た。
<酸化チタン構造体なし>
実施例1で得られた酸化チタン構造体0.4gを使用せず、水熱合成法によって得られた酸化チタンナノ粒子(平均粒子径15nm)を9.0g使用したこと以外は、上記実施例1の酸化チタン構造体を用いた場合と同様に実験を行った。
セルに疑似太陽光(1kW/m)を照射し、電流電圧特性を測定したところ、8.0%の光電変換効率を得た。
<比較例1の酸化チタン構造体>
酸化チタン構造体を比較例1で得られたものに変更すること以外は、実施例1と同様にして実験を行った。
セルに疑似太陽光(1kW/m)を照射し、電流電圧特性を測定したところ、8.1%の光電変換効率を得た。
<比較例2の酸化チタン構造体>
酸化チタン構造体を比較例2で得られたものに変更すること以外は、実施例1と同様にして実験を行った。
セルに疑似太陽光(1kW/m)を照射し、電流電圧特性を測定したところ、7.9%の光電変換効率を得た。

Claims (22)

  1. アナターゼ型の酸化チタン結晶を含有し、平均幅が10nm以上、平均アスペクト比が10以上の板状又はロッド状の形状を有し、且つ、比表面積が50m/g以上である、酸化チタン構造体。
  2. アナターゼ型の酸化チタン結晶を80重量%以上含有する、請求項1に記載の酸化チタン構造体。
  3. 前記酸化チタン結晶が多結晶体である、請求項1又は2に記載の酸化チタン構造体。
  4. 向かい合う長辺同士が平行である、請求項1〜3のいずれかに記載の酸化チタン構造体。
  5. 長手方向の平均長さが500nm以上である、請求項1〜4のいずれかに記載の酸化チタン構造体。
  6. アルカリ金属の含有量が2000ppm以下である、請求項1〜5のいずれかに記載の酸化チタン構造体。
  7. アナターゼ型の酸化チタン結晶を含有し、平均幅が10nm以上、平均アスペクト比が10以上の板状又はロッド状の形状を有し、且つ、比表面積が50m/g以上である、酸化チタン構造体の製造方法であって、
    (3)平均幅が10nm以上、アスペクト比が10以上の板状又はロッド状の形状を有する板状又はロッド状酸化チタンを、有機溶媒を50重量%以上含む溶液と、100〜250℃で接触させる工程
    を備える、製造方法。
  8. 前記工程(3)の前に、
    (1)3〜20mol/Lのアルカリ水溶液と、平均粒子径が50nm以下の酸化チタンとを、160℃より高い温度で接触させる工程、及び
    (2)工程(1)で得られた酸化チタン構造体を水、酸及びイオン交換樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種と接触させ、平均幅が10nm以上、平均アスペクト比が10以上の板状又はロッド状の形状を有する板状又はロッド状酸化チタンを調製する工程
    を備える、請求項7に記載の製造方法。
  9. 前記工程(1)において、アルカリが水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムを含有する、請求項8に記載の製造方法。
  10. 前記工程(1)において、アルカリが水酸化ナトリウムを含有する、請求項8又は9に記載の製造方法。
  11. 前記工程(3)において、有機溶媒がアルコール類である、請求項7〜10のいずれかに記載の製造方法。
  12. 前記アルコール類が炭素数6以下の脂肪族アルコールである、請求項11に記載の製造方法。
  13. 前記アルコール類が1−プロパノール、1−ブタノール及びエタノールよりなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項11又は12に記載の製造方法。
  14. 前記工程(2)において、酸が、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、フッ酸、酢酸、クエン酸、ギ酸及びシュウ酸よりなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項8〜13のいずれかに記載の酸化チタン構造体の製造方法。
  15. (3)平均幅が10nm以上、平均アスペクト比が10以上の板状又はロッド状の形状を有する板状又はロッド状酸化チタンを、有機溶媒を50重量%以上含む溶液と、100〜250℃で接触させる工程
    を備える、板状又はロッド状酸化チタンを多孔質化する方法。
  16. 前記工程(3)の前に、
    (1)3〜20mol/Lのアルカリ水溶液と、平均粒子径が50nm以下の酸化チタンとを、160℃より高い温度で接触させる工程、及び
    (2)工程(1)で得られた酸化チタン構造体を水、酸及びイオン交換樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種と接触させ、平均幅が10nm以上、平均アスペクト比が10以上の板状又はロッド状の形状を有する板状又はロッド状酸化チタンを調製する工程
    を備える、請求項15に記載の方法。
  17. 前記工程(1)において、アルカリが水酸化ナトリウムを含有する、請求項16に記載の方法。
  18. 請求項1〜6のいずれかに記載の酸化チタン構造体、又は請求項7〜14のいずれかに記載の製造方法により得られた酸化チタン構造体を含む、多孔質酸化チタン膜。
  19. さらに、平均粒子径が1〜500nmの酸化チタン微粒子を含む、請求項18に記載の多孔質酸化チタン膜。
  20. 導電性基板上に、色素が担持された請求項18又は19に記載の多孔質酸化チタン膜が形成されている電極。
  21. 請求項20に記載の電極を備える、光電変換素子。
  22. 請求項1〜6のいずれかに記載の酸化チタン構造体、又は請求項7〜14のいずれかに記載の製造方法により得られた酸化チタン構造体を用いた光触媒。
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