JP2011020372A - 多層フィルム - Google Patents

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JP2011020372A JP2009167854A JP2009167854A JP2011020372A JP 2011020372 A JP2011020372 A JP 2011020372A JP 2009167854 A JP2009167854 A JP 2009167854A JP 2009167854 A JP2009167854 A JP 2009167854A JP 2011020372 A JP2011020372 A JP 2011020372A
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Abstract

【課題】
層間接着性に優れた、エチレン系重合体層と、プロピレン系重合体及びエチレン系重合体とを含む層からなる多層フィルムを提供する。
【解決手段】
少なくとも(A)層と(A)層に隣接する(B)層の2層からなる多層フィルムであって、(A)層がエチレン系重合体(A)、(B)層がエチレン系重合体(B)及びプロピレン系重合体(C)から成る組成物で構成され、下記(a)〜(b)要件を満たすことを特徴とする多層フィルムを用いる。
(a)エチレン系重合体(B)のJIS K7121(1987年)により測定された結晶化温度[TC、PE(℃)]とプロピレン系重合体(C)のJIS K7121(1987年)により測定された結晶化温度[TC、PP(℃)]が下式(1)を満たす。
C、PE>TC、PP−10 (1)
(b)(B)層に用いられる組成物中に含まれるエチレン系重合体(B)の含有量が1重量%以上、7重量%未満である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、層間接着性に優れた、エチレン系重合体層とエチレン系重合体とプロピレン系重合体とを含む層からなる多層フィルムに関するものである。
エチレン系重合体やプロピレン系重合体などのオレフィン系重合体は、食品分野、医療分野、電子材料分野などの包装フィルム材料として広く用いられている。この中で、エチレン系重合体は柔軟性、耐水性(耐水蒸気バリア性)、ヒートシール性などに優れており、プロピレン系重合体は耐熱性や剛性、耐油性、透明性などに優れている。
近年、包装材料に対する要求性能が高度化し、耐熱性と柔軟性など相反する性質が求められるようになってきた。このような相反するフィルム物性を満たすため、従来よりプロピレン系重合体とエチレン系重合体を共押出成形により積層する方法が用いられてきた。しかし、プロピレン系重合体とエチレン系重合体は相溶性に劣るため共押出成形に供した際の層間接着性に劣るといった問題があった。層間接着力を高めるために、超低密度ポリエチレンをエチレン系重合体として使用する手法や直鎖状低密度ポリエチレンにプロピレン系重合体を添加する手法が提案されている(例えば、特許文献1〜4参照。)。これらの方法は、高圧法低密度ポリエチレンに比べ層間接着性を高めることができるものの、エチレン系重合体の密度及び溶融張力が低く、耐熱性及びフィルム成形性に劣るといった問題があった。
また、メタロセン触媒により合成された低圧法エチレン単独重合体、若しくはエチレン・α−オレフィン共重合体をエチレン系重合体として用いる手法が提案されている(例えば、特許文献5参照。)。この方法は高圧法低密度ポリエチレンやチーグラー・ナッタ触媒により合成された直鎖状ポリエチレンに比べ層間接着性を高めることができるものの、十分な層間接着強度が得られていない。
特開平06−210730号公報 特開平10−076616号公報 特開平08−500550号公報 特開平09−048099号公報 特開2005−504669号公報
本発明は、上記のような状況を鑑みなされたものであって、層間接着性に優れた、エチレン系重合体層とプロピレン系重合体及びエチレン系重合体を含む層からなる多層フィルムを提供するものである。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の多層フィルムが、優れた層間接着性を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、少なくとも(A)層と(A)層に隣接する(B)層の2層からなる多層フィルムであって、(A)層がエチレン系重合体(A)、(B)層がエチレン系重合体(B)及びプロピレン系重合体(C)から成る組成物で構成され、エチレン系重合体(B)のJIS K7121(1987年)により測定された結晶化温度[TC、PE(℃)]とプロピレン系重合体(C)のJIS K7121(1987年)により測定された結晶化温度[TC、PP(℃)]が下式(1)を満たし、(B)層に用いられる組成物中に含まれるエチレン系重合体(B)の含有量が1重量%以上、7重量%未満であることを特徴とする多層フィルムに関するものである。
C、PE>TC、PP−10 (1)
さらに、(A)層に用いられるエチレン系重合体(A)が低圧法エチレン単独重合体(A)、若しくはエチレン・α−オレフィン共重合体(A)から構成されることを特徴とする多層フィルムに関するものである。
また、(A)層に用いられるエチレン系重合体(A)が、JIS K6922−1(1997年)により測定した密度(以下単に密度と略す)が890kg/m以上970kg/m以下であり、JIS K6922−1(1997年)により測定したメルトマスフローレート(以下単にMFRと略す)が0.1g/10分以上200g/10分以下であり、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)/固有粘度計によって評価した収縮因子(以下単にg’値と略す)が0.1以上0.97未満である低圧法エチレン単独重合体(A’)、若しくはエチレン・α−オレフィン共重合体(A’)であることを特徴とする多層フィルムに関するものである。
また、(A)層に用いられるエチレン系重合体(A)のJIS K7121(1987年)により測定された結晶化温度がTC、PE(℃)と等しいことを特徴とする多層フィルムに関するものである。
また、多層フィルムが共押出ラミネート成形により基材と貼り合わされていることを特徴とする多層フィルムに関するものである。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明の多層フィルムを構成するエチレン系重合体(A)は本発明の目的が達成される限りにおいて特に限定はなく、低圧法エチレン単独重合体、高圧法低密度ポリエチレン、エチレン・α−オレフィン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸エチル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体などが挙げられるが、(B)層との接着性に優れることからエチレン・α−オレフィン共重合体(A)、低圧法エチレン単独重合体(A)が好ましい。
このようなエチレン・α−オレフィン共重合体(A)に用いるα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセンなどを挙げることができ、これらの1種または2種以上が用いられる。
このようなエチレン・α−オレフィン共重合体(A)を得るための方法は特に限定するものではなく、チーグラー・ナッタ触媒やフィリップス触媒、メタロセン触媒を用いた高・中・低圧イオン重合法などを例示することができる。このような共重合体は、市販品の中から便宜選択することができるが、(B)層との接着性に優れるため、メタロセン触媒を用いた重合法により得られたエチレン・α−オレフィン共重合体が特に好ましい。
また、低圧法エチレン単独重合体(A)は、従来公知の低圧イオン重合法により得ることができる。
また、このようなエチレン・α−オレフィン共重合体(A)及び低圧法エチレン単独重合体(A)は、下記(i)〜(iii)を満たすエチレン・α−オレフィン共重合体(A’)及び低圧法エチレン単独重合体(A’)を用いると、多層フィルムの成形性に優れるため好ましい。
(i)密度が890kg/m以上970kg/m以下である。
(ii)MFRが0.1g/10分以上200g/10分以下である。
(iii)g’値が0.1以上0.97未満である。
このようなエチレン・α−オレフィン共重合体(A’)及び低圧法エチレン単独重合体(A’)は、好ましくは特開2004−346304号公報、特開2005−248013号公報、特開2006−321991号公報、特開2007−169341号公報に記載されている、マクロモノマー存在下に、あるいはマクロモノマー合成と同時に、エチレンおよび任意に炭素数3以上のオレフィンを重合する方法を用いて製造することができる。
例えば、マクロモノマー存在下に、あるいはマクロモノマー合成と同時に、一般式(2)
Figure 2011020372
で表される遷移金属化合物[成分(i)]を主成分とする触媒を用いて、エチレンおよび任意に炭素数3以上のオレフィンを重合する方法を用いて製造することができる。成分(i)中のMはチタニウム原子、ジルコニウム原子またはハフニウム原子であり、Xは例えば各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基である。
における炭素数1〜20の炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ノルボルニル基、フェニル基、スチリル基、ビフェニリル基、ナフチル基、トリル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ジメチルフェニル基、ジエチルフェニル基、ジプロピルフェニル基、ジブチルフェニル基、ジフェニルフェニル基、トリメチルフェニル基、トリエチルフェニル基、トリプロピルフェニル基、トリブチルフェニル基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、ジフェニルメチル基、ジフェニルエチル基、ジフェニルプロピル基、ジフェニルブチル基、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ブタジエニル基、ペンテニル基、ペンタジエニル基、ヘキセニル基、ヘキサジエニル基等が挙げられる。
また、成分(i)におけるRは一般式(3)、(4)または(5)
Figure 2011020372
で表され、置換基Rは例えば各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基である。
成分(i)中のRの具体的としては、例えばシクロペンタジエニル基、メチルシクロペンタジエニル基、ジメチルシクロペンタジエニル基、トリメチルシクロペンタジエニル基、テトラメチルシクロペンタジエニル基、エチルシクロペンタジエニル基、ジエチルシクロペンタジエニル基、トリエチルシクロペンタジエニル基、テトラエチルシクロペンタジエニル基、プロピルシクロペンタジエニル基、ジプロピルシクロペンタジエニル基、トリプロピルシクロペンタジエニル基、テトラプロピルシクロペンタジエニル基、ブチルシクロペンタジエニル基、ジブチルシクロペンタジエニル基、トリブチルシクロペンタジエニル基、テトラブチルシクロペンタジエニル基、フェニルシクロペンタジエニル基、ジフェニルシクロペンタジエニル基、ナフチルシクロペンタジエニル基、メトキシシクロペンタジエニル基、トリメチルシリルシクロペンタジエニル基、インデニル基、メチルインデニル基、ジメチルインデニル基、トリメチルインデニル基、テトラメチルインデニル基、ペンタメチルインデニル基、ヘキサメチルインデニル基、エチルインデニル基、ジエチルインデニル基、トリエチルインデニル基、テトラエチルインデニル基、ペンタエチルインデニル基、ヘキサエチルインデニル基、プロピルインデニル基、ジプロピルインデニル基、トリプロピルインデニル基、テトラプロピルインデニル基、ペンタプロピルインデニル基、ヘキサプロピルインデニル基、ブチルインデニル基、ジブチルインデニル基、トリブチルインデニル基、テトラブチルインデニル基、ペンタブチルインデニル基、ヘキサブチルインデニル基、フェニルインデニル基、ジフェニルインデニル基、ベンゾインデニル基、ナフチルインデニル基、メトキシインデニル基、トリメチルシリルインデニル基等を挙げることができる。
成分(i)におけるRは一般式(6)
Figure 2011020372
で表され、置換基Rは例えば各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基である。
具体的なRとしては、例えばフルオレニル基、メチルフルオレニル基、ジメチルフルオレニル基、トリメチルフルオレニル基、テトラメチルフルオレニル基、ペンタメチルフルオレニル基、ヘキサメチルフルオレニル基、ヘプタメチルフルオレニル基、オクタメチルフルオレニル基、エチルフルオレニル基、ジエチルフルオレニル基、トリエチルフルオレニル基、テトラエチルフルオレニル基、ペンタエチルフルオレニル基、ヘキサエチルフルオレニル基、ヘプタエチルフルオレニル基、オクタエチルフルオレニル基、プロピルフルオレニル基、ジプロピルフルオレニル基、トリプロピルフルオレニル基、テトラプロピルフルオレニル基、ペンタプロピルフルオレニル基、ヘキサプロピルフルオレニル基、ヘプタプロピルフルオレニル基、オクタプロピルフルオレニル基、ブチルフルオレニル基、ジブチルフルオレニル基、トリブチルフルオレニル基、テトラブチルフルオレニル基、ペンタブチルフルオレニル基、ヘキサブチルフルオレニル基、ヘプタブチルフルオレニル基、オクタブチルフルオレニル基、フェニルフルオレニル基、ジフェニルフルオレニル基、ベンジルフルオレニル基、ジベンジルフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジメチルアミノフルオレニル基、ビス(ジメチルアミノ)フルオレニル基、メトキシフルオレニル基、ジメトキシフルオレニル基等を挙げることができる。
また成分(i)におけるR、Rを架橋する架橋基Rは一般式(7)
Figure 2011020372
で表され、置換基Rは例えば各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基である。Yは周期表14族の原子であり、具体的には例えば炭素原子、ケイ素原子、ゲルマニウム原子、錫原子等が挙げられ、その中でも好ましくは炭素原子、ケイ素原子等であり、mは1から5の整数である。
一般式(7)の具体例としては、例えばメチレン基、エチリデン基、エチレン基、プロピリデン基、プロピレン基、ブチリデン基、ブチレン基、ペンチリデン基、ペンチレン基、ヘキシリデン基、イソプロピリデン基、メチルエチルメチレン基、メチルプロピルメチレン基、メチルブチルメチレン基、ビス(シクロヘキシル)メチレン基、メチルフェニルメチレン基、ジフェニルメチレン基、フェニル(メチルフェニル)メチレン基、ジ(メチルフェニル)メチレン基、ビス(ジメチルフェニル)メチレン基、ビス(トリメチルフェニル)メチレン基、フェニル(エチルフェニル)メチレン基、ジ(エチルフェニル)メチレン基、ビス(ジエチルフェニル)メチレン基、フェニル(プロピルフェニル)メチレン基、ジ(プロピルフェニル)メチレン基、ビス(ジプロピルフェニル)メチレン基、フェニル(ブチルフェニル)メチレン基、ジ(ブチルフェニル)メチレン基、フェニル(ナフチル)メチレン基、ジ(ナフチル)メチレン基、フェニル(ビフェニル)メチレン基、ジ(ビフェニル)メチレン基、フェニル(トリメチルシリルフェニル)メチレン基、ビス(トリメチルシリルフェニル)メチレン基、ビス(ペンタフルオロフェニル)メチレン基、シランジイル基、ジシランジイル基、トリシランジイル基、テトラシランジイル基、ジメチルシランジイル基、ビス(ジメチルシラン)ジイル基、ジエチルシランジイル基、ジプロピルシランジイル基、ジブチルシランジイル基、ジフェニルシランジイル基、シラシクロブタンジイル基、シラシクロヘキサンジイル基等を挙げることができる。
一般式(2)で表される具体的な化合物としては、Mをジルコニウム原子、Xを塩素原子とし、架橋基Rをジフェニルメチレン基とすると、例えばジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2−メチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−メチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジメチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジメチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジメチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリメチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリメチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリメチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラメチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−エチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−イソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2−フェニル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−フェニル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−トリメチルシリル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−メチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−エチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−イソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−フェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−トリメチルシリル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−メチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−イソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−フェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(1−インデニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2−メチル−1−インデニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−メチル−1−インデニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−フェニル−1−インデニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(1−インデニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(1−インデニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2−メチル−1−インデニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−メチル−1−インデニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、等を例示することができる。また上記遷移金属化合物のXをフッ素原子、臭素原子またはヨウ素原子に置換した化合物も例示することができる。また、上記遷移金属化合物のRをメチレン基、エチレン基、イソプロピリデン基、メチルフェニルメチレン基、ジメチルシランジイル基、ジフェニルシランジイル基、シラシクロブタンジイル基、シラシクロヘキサンジイル基に置換した化合物も例示することができる。さらに、上記遷移金属化合物のMをチタン原子またはハフニウム原子に置換した化合物も例示することもできる。これらの化合物は複数混合して用いることもできる。
成分(i)を主成分とする触媒としては、成分(i)と活性化助触媒[成分(iii)]を接触させることにより得られる触媒を例示することができる。
成分(iii)としては、公知のものはすべて使用することができ、その中でも特に粘土鉱物、有機化合物で処理された粘土鉱物、アルミノオキサン、イオン性化合物、ルイス酸、塩化マグネシウム、表面処理された無機酸化物もしくは無機ハロゲン化物等が好ましい。
炭素数3以上のオレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテンもしくはビニルシクロアルカン等のα−オレフィン、ノルボルネンもしくはノルボルナジエン等の環状オレフィン、ブタジエンもしくは1,4−ヘキサジエン等のジエンまたはスチレンを例示することができる。また、これらのオレフィンを2種類以上混合して用いることもできる。
マクロモノマーとは、末端にビニル基を有するオレフィン重合体であり、好ましくはエチレンを重合することによって得られる末端にビニル基を有するエチレン重合体、またはエチレンと炭素数3以上のオレフィンを共重合することによって得られる末端にビニル基を有するエチレン共重合体であり、さらに好ましくは炭素数3以上のオレフィンに由来する分岐以外の分岐のうち、メチル分岐、エチル分岐、プロピル分岐、ブチル分岐、ペンチル分岐等の短鎖分岐が、主鎖メチレン炭素1,000個当たり0.01個未満であると共に、長鎖分岐(すなわち、13C−NMR測定で検出されるヘキシル基以上の分岐)が、主鎖メチレン炭素1,000個当たり0.01個未満である、末端にビニル基を有する直鎖状エチレン重合体または直鎖状エチレン共重合体である。
炭素数3以上のオレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテンもしくはビニルシクロアルカン等のα−オレフィン、ノルボルネンもしくはノルボルナジエン等の環状オレフィン、ブタジエンもしくは1,4−ヘキサジエン等のジエンまたはスチレンを例示することができる。また、これらのオレフィンを2種類以上混合して用いることもできる。
マクロモノマーとして末端にビニル基を有するエチレン重合体または末端にビニル基を有するエチレン共重合体を用いる場合、その直鎖状ポリエチレン換算の数平均分子量(Mn)は、2,000以上であり、好ましくは3,000以上であり、さらに好ましくは5,000以上である。
本発明におけるマクロモノマーの製造方法に関して特に限定はないが、例えば特開2005−281676号公報、特開2006−28326号公報、特開2006−315999号公報、特開2007−169340号公報、特開2007−246433号公報、特開2008−50278号公報に記載の方法を用いて製造することができる。
具体的なマクロモノマーの製造方法としては、例えば、一般式(8)
Figure 2011020372
で表される遷移金属化合物[成分(ii)]を主成分とする触媒を用いて、エチレンおよび任意に炭素数3以上のオレフィンを重合する方法を用いて製造することができる。
成分(ii)中のMはチタニウム原子、ジルコニウム原子またはハフニウム原子であり、Xは例えば各々独立して水素原子、ハロゲン、炭素数1〜20の炭化水素基である。
における炭素数1〜20の炭化水素基としては、例えばXと同じものを挙げることができる。
また、成分(ii)におけるRおよびRは一般式(9)、(10)または(11)
Figure 2011020372
で表され、それぞれ同じでも異なっていてもよく、Mとともにサンドイッチ構造を形成する。一般式(9)、(10)または(11)におけるR10は例えば各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基である。
一般式(9)、(10)または(11)におけるR10の炭素数1〜20の炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ノルボルニル基、フェニル基、スチリル基、ビフェニリル基、ナフチル基、トリル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ジメチルフェニル基、ジエチルフェニル基、ジプロピルフェニル基、ジブチルフェニル基、ジフェニルフェニル基、トリメチルフェニル基、トリエチルフェニル基、トリプロピルフェニル基、トリブチルフェニル基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、ジフェニルメチル基、ジフェニルエチル基、ジフェニルプロピル基、ジフェニルブチル基、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ブタジエニル基、ペンテニル基、ペンタジエニル基、ヘキセニル基、ヘキサジエニル基等が挙げられる。
一般式(8)中のRおよびRの具体的としては、例えばシクロペンタジエニル基、メチルシクロペンタジエニル基、ジメチルシクロペンタジエニル基、トリメチルシクロペンタジエニル基、テトラメチルシクロペンタジエニル基、エチルシクロペンタジエニル基、ジエチルシクロペンタジエニル基、トリエチルシクロペンタジエニル基、テトラエチルシクロペンタジエニル基、プロピルシクロペンタジエニル基、ジプロピルシクロペンタジエニル基、トリプロピルシクロペンタジエニル基、テトラプロピルシクロペンタジエニル基、ブチルシクロペンタジエニル基、ジブチルシクロペンタジエニル基、トリブチルシクロペンタジエニル基、テトラブチルシクロペンタジエニル基、フェニルシクロペンタジエニル基、ジフェニルシクロペンタジエニル基、ナフチルシクロペンタジエニル基、メトキシシクロペンタジエニル基、トリメチルシリルシクロペンタジエニル基、インデニル基、メチルインデニル基、ジメチルインデニル基、トリメチルインデニル基、テトラメチルインデニル基、ペンタメチルインデニル基、ヘキサメチルインデニル基、エチルインデニル基、ジエチルインデニル基、トリエチルインデニル基、テトラエチルインデニル基、ペンタエチルインデニル基、ヘキサエチルインデニル基、プロピルインデニル基、ジプロピルインデニル基、トリプロピルインデニル基、テトラプロピルインデニル基、ペンタプロピルインデニル基、ヘキサプロピルインデニル基、ブチルインデニル基、ジブチルインデニル基、トリブチルインデニル基、テトラブチルインデニル基、ペンタブチルインデニル基、ヘキサブチルインデニル基、フェニルインデニル基、ジフェニルインデニル基、ベンゾインデニル基、ナフチルインデニル基、メトキシインデニル基、トリメチルシリルインデニル基等を挙げることができる。
また一般式(8)におけるR、Rを架橋する架橋基Rは一般式(12)、(13)または(14)
Figure 2011020372
で表され、置換基R11は例えば各々独立して水素原子、ハロゲン、炭素数1〜20の炭化水素基である。また、Yは周期表14族の原子であり、具体的には例えば炭素原子、ケイ素原子、ゲルマニウム原子、錫原子等が挙げられ、その中でも好ましくは炭素原子、ケイ素原子であり、nは1から5の整数である。
一般式(12)、(13)または(14)のR11における炭素数1〜20の炭化水素基としては、例えばR10と同じものを挙げることができる。
一般式(12)の具体例としては、例えばメチレン基、エチリデン基、エチレン基、プロピリデン基、プロピレン基、ブチリデン基、ブチレン基、ペンチリデン基、ペンチレン基、ヘキシリデン基、イソプロピリデン基、メチルエチルメチレン基、メチルプロピルメチレン基、メチルブチルメチレン基、ビス(シクロヘキシル)メチレン基、メチルフェニルメチレン基、ジフェニルメチレン基、フェニル(メチルフェニル)メチレン基、ジ(メチルフェニル)メチレン基、ビス(ジメチルフェニル)メチレン基、ビス(トリメチルフェニル)メチレン基、フェニル(エチルフェニル)メチレン基、ジ(エチルフェニル)メチレン基、ビス(ジエチルフェニル)メチレン基、フェニル(プロピルフェニル)メチレン基、ジ(プロピルフェニル)メチレン基、ビス(ジプロピルフェニル)メチレン基、フェニル(ブチルフェニル)メチレン基、ジ(ブチルフェニル)メチレン基、フェニル(ナフチル)メチレン基、ジ(ナフチル)メチレン基、フェニル(ビフェニル)メチレン基、ジ(ビフェニル)メチレン基、フェニル(トリメチルシリルフェニル)メチレン基、ビス(トリメチルシリルフェニル)メチレン基、ビス(ペンタフルオロフェニル)メチレン基、シランジイル基、ジシランジイル基、トリシランジイル基、テトラシランジイル基、ジメチルシランジイル基、ビス(ジメチルシラン)ジイル基、ジエチルシランジイル基、ジプロピルシランジイル基、ジブチルシランジイル基、ジフェニルシランジイル基、シラシクロブタンジイル基、シラシクロヘキサンジイル基、ジビニルシランジイル基、ジアリルシランジイル基、(メチル)(ビニル)シランジイル基、(アリル)(メチル)シランジイル基等を挙げることができる。
本発明で用いられる一般式(8)で表される具体的な化合物としては、Mをジルコニウム原子、Xを塩素原子とすると、例えばメチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(フェニル)メチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、メチレンビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデンビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(フェニル)メチレンビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレンビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、メチレン(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、エチレン(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、メチレンビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデンビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(フェニル)メチレンビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレンビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、メチレン(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレン(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジエチルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(n−プロピル)シランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジイソプロピルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジシクロヘキシルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p−トリル)シランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジビニルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジアリルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(ビニル)シランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(アリル)(メチル)シランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(エチル)(メチル)シランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(n−プロピル)シランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(イソプロピル)シランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(シクロヘキシル)(メチル)ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(フェニル)シランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシランジイルビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジエチルシランジイルビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(n−プロピル)シランジイルビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジイソプロピルシランジイルビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジシクロヘキシルシランジイルビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシランジイルビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(エチル)(メチル)シランジイルビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(n−プロピル)シランジイルビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(イソプロピル)シランジイルビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(シクロヘキシル)(メチル)ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(フェニル)シランジイルビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジエチルシランジイル(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(n−プロピル)シランジイル(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジイソプロピルシランジイル(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジシクロヘキシルシランジイル(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(エチル)(メチル)シランジイル(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(n−プロピル)シランジイル(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(イソプロピル)シランジイル(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(シクロヘキシル)(メチル)(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(フェニル)シランジイル(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシランジイルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジエチルシランジイルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(n−プロピル)シランジイルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジイソプロピルシランジイルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジシクロヘキシルシランジイルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシランジイルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(エチル)(メチル)シランジイルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(n−プロピル)シランジイルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(イソプロピル)シランジイルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(シクロヘキシル)(メチル)ビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(フェニル)シランジイルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジエチルシランジイル(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(n−プロピル)シランジイル(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジイソプロピルシランジイル(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジシクロヘキシルシランジイル(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシランジイル(2−メチルシクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシランジイル(3−メチルシクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシランジイル(3−イソプロピルシクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシランジイル(2,3−ジメチルシクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシランジイル(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシランジイル(2,3,4−トリメチルシクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシランジイル(2,3,5−トリメチルシクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル)(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル)(7−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル)(7−エチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル)(7−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル)(4,7−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル)(2−メトキシ−7−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル)(2−ジメチアミノ−7−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル)(2−トリメチルシリル−7−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシランジイル(テトラメチルシクロペンタジエニル)(7−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシランジイル(テトラメチルシクロペンタジエニル)(2,7−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル)(4−イソプロピル−7−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル)(4−フェニル−7−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル)(4−メトキシ−7−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル)(4−ジメチルアミノ−7−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル)(4−トリメチルシリル−7−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル)(2,4,7−トリメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル)(3,4,7−トリメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル)(2,3,4,7−テトラメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシランジイル(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(2,4,7−トリメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシランジイル(3,4−ビス(トリメチルシリル)シクロペンタジエニル)(2,4,7−トリメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシランジイル(テトラメチルシクロペンタジエニル)(4,7−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシランジイル(テトラメチルシクロペンタジエニル)(4−フェニル−7−メチルインデニル
)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシランジイル(テトラメチルシクロペンタジエニル)(2,4,7−トリメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシランジイル(テトラメチルシクロペンタジエニル)(2,4,7−トリメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン−1,3−ジイル−ビスシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル−ビスシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(1,1,3,3−テトラフェニルジシロキサン−1,3−ジイル−ビスシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(1,1−ジメチル−1−シラエタン−1,2−ジイル−ビスシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(1,1−ジイソプロピルチル−1−シラエタン−1,2−ジイル−ビスシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(1,1−ジフェニル−1−シラエタン−1,2−ジイル−ビスシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(プロパン−1,3−ジイル−ビスシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(1,1,3,3−テトラメチルプロパン−1,3−ジイル−ビスシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジイル−ビスシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(ブタン−1,4−ジイル−ビスシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(ペンタン−1,5−ジイル−ビスシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(1,1,2,2−テトラメチルジシラン−1,2−ジイル−ビスシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(1,1,2,2−テトラフェニルジシラン−1,2−ジイル−ビスシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド等を例示することができる。また上記遷移金属化合物のXをフッ素原子、臭素原子またはヨウ素原子に置換した化合物も例示することができる。さらに、上記遷移金属化合物のMをチタン原子またはハフニウム原子に置換した化合物も例示することができる。これらの化合物は複数混合して用いることもできる。
成分(ii)を主成分とする触媒としては、成分(ii)と成分(iii)を接触させることにより得られる触媒を例示することができる。
このようなエチレン・α−オレフィン共重合体(A)及び低圧法エチレン単独重合体(A)の具体的な製造方法は特に限定はないが、成分(ii)を主成分とする触媒を用いてエチレンおよび任意に炭素数3以上のオレフィンを重合しマクロモノマーを合成した後、得られたマクロモノマー存在下、成分(i)を主成分とする触媒を用いてエチレンおよび任意に炭素数3以上のオレフィンを重合しポリエチレン系樹脂を製造する方法、成分(i)および成分(ii)を主成分とする触媒を用いてエチレンおよび任意に炭素数3以上のオレフィンを重合し、マクロモノマーの合成と同時にエチレン系重合体を製造する方法を例示することができる。
このようなエチレン・α−オレフィン共重合体(A’)及び低圧法エチレン単独重合体(A’)の製造は、気相重合、スラリー重合、溶液重合の何れの方法でも行うことができるが、スラリー重合で行った場合、優れた粒子形態のエチレン系重合体を製造することができる。
マクロモノマーの合成およびエチレン系重合体の製造における、重合温度、重合時間、重合圧力、モノマー濃度などの重合条件について特に制限はないが、重合温度は−100〜120℃、生産性を考慮すると20〜120℃、さらには60〜120℃の範囲で行うことが好ましい。重合時間は10秒〜20時間の範囲で通常行われ、重合圧力は常圧〜300MPaの範囲で行うことができる。また、重合時に水素などを用いて分子量の調節を行うことも可能である。重合はバッチ式、半連続式、連続式のいずれの方法でも行うことが可能であり、重合条件を変えて2段階以上に分けて行うことも可能である。
このようなエチレン・α−オレフィン共重合体(A’)及び低圧法エチレン単独重合体(A’)は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(以下GPCと略す)を用いて、以下に示す条件下で測定し、単分散ポリスチレンでユニバーサルな検量線を測定し、直鎖のポリエチレンの分子量として計算した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が2〜7の範囲内であると、成形品の機械強度と安定した押出成形性を両立できるため好ましい。
機種:ウォーターズ 150C ALC/GPC
溶媒:1,2,4−トリクロロベンゼン
流速:1mL/分
温度:140℃
測定濃度:30mg/30mL
注入量:100μL
カラム:東ソー製 TSKgel GMH HR−H 3本
また、このようなエチレン・α−オレフィン共重合体(A’)及び低圧法エチレン単独重合体(A’)は、GPC/固有粘度計によって評価した収縮因子(以下単にg’値と略す)が0.1以上0.97未満であると成形性に優れるため好ましく、さらに好ましくは0.3以上0.95未満、最も好ましくは0.4以上0.9未満である。なお、本発明におけるg’値とは、長鎖分岐の程度を表すパラメータであり、上記GPCにより求めた分子量30万(g/mol)の成分の固有粘度法により測定された本エチレン系重合体の固有粘度と、分岐が全くない直鎖状ポリエチレンの同じ分子量における固有粘度との比である。
また、このようなエチレン・α−オレフィン共重合体(A’)及び低圧法エチレン単独重合体(A’)は、長鎖分岐数が、1000個の炭素原子当たり0.01個以上3個以下であると、安定した押出成形が可能となるため好ましい。なお、長鎖分岐数とは、13C−NMR測定で検出されるヘキシル基以上(炭素数6以上)の分岐の数である。
また、エチレン系重合体(A)のJIS K7121(1987年)により測定された結晶化温度が(B)層を構成するエチレン系重合体(B)のJIS K7121(1987年)により測定された結晶化温度と等しいと(B)層との接着性が向上するため好ましい。
本発明の多層フィルムを構成するエチレン系重合体(A)のMFRが0.1〜100g/10分であると多層フィルムを成形する際に加工が容易になるため好ましく、より好ましくは3〜50g/10分の範囲である。
本発明の多層フィルムを構成するエチレン系重合体(A)の密度が915〜970kg/m、より好ましくは930〜970kg/m、最も好ましくは945〜970kg/mの範囲であると、多層フィルムの耐熱性に優れる。
また、本発明を構成するエチレン系重合体(A)には、高圧法低密度ポリエチレンやポリプロピレンなどの他のポリオレフィンを配合してもよく、これらの他のポリオレフィンの配合比は1〜30重量%がラミネート成形性の点から好ましい。
さらに、本発明を構成するエチレン系重合体(A)には、必要に応じて、酸化防止剤、光安定剤、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤等、ポリオレフィン樹脂に一般に用いられている添加剤を本発明の目的を損なわない範囲で添加してもかまわない。
本発明の(A)層の厚みは、本発明の目的が達成される限りにおいて特に限定はなく、柔軟性に優れ、破損などの問題が小さいことから、1μm〜5mmの厚みであることが好ましく、経済性の観点から、5μm〜100μmの範囲が最も好適である。
本発明の多層フィルムを構成するエチレン系重合体(B)は、該エチレン系重合体のJIS K7121(1987年)により測定された結晶化温度[TC、PE(℃)]と(B)層を構成するプロピレン系重合体(C)のJIS K7121(1987年)により測定された結晶化温度[TC、PP(℃)]が下式(1)を満たすようなエチレン系重合体(B)が用いられる。下式(1)を満たさない場合、(A)層と(B)層の層間接着強度が低下することから好ましくない。
C、PE>TC、PP−10 (1)
さらに、本発明の多層フィルムを構成するエチレン系重合体(B)の(B)層を構成する組成物中における含有量は、(A)層との接着性に優れることから、1重量%以上、7重量%未満である。更に(A)層との接着性に優れることから、エチレン系重合体(B)の(B)層中における含有量は2〜5重量%が好ましい。エチレン系重合体(B)の(B)層中における含有量が1重量%未満、若しくは7重量%以上では、(A)層との接着性が低下することから好ましくない。
このようなエチレン系重合体(B)としては低圧法エチレン単独重合体、高圧法低密度ポリエチレン、エチレン・α−オレフィン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸エチル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体などが挙げられるが、エチレン・α−オレフィン共重合体(B)、低圧法エチレン単独重合体(B)が、(A)層との接着性に優れることから、特に好ましい。
エチレン・α−オレフィン共重合体(B)に用いるα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセンなどを挙げることができ、これらの1種または2種以上が用いられる。
このようなエチレン・α−オレフィン共重合体(B)を得るための方法は特に限定するものではなく、チーグラー・ナッタ触媒やフィリップス触媒、メタロセン触媒を用いた高・中・低圧イオン重合法などを例示することができる。このような共重合体は、市販品の中から便宜選択することができるが、(A)層との接着性に優れるため、メタロセン触媒を用いた重合法により得られたエチレン・α−オレフィン共重合体が特に好ましい。
また、本発明を構成する低圧法エチレン単独重合体(B)は、従来公知の低圧イオン重合法により得ることができる。
また、このようなエチレン・α−オレフィン共重合体(B)及び低圧法エチレン単独重合体(B)は、下記(ii)〜(iii)を満たすエチレン・α−オレフィン共重合体(B’)及び低圧法エチレン単独重合体(B’)を用いると、多層フィルムの成形性に優れるため好ましい。
(i)密度が890kg/m以上970kg/m以下である。
(ii)MFRが0.1g/10分以上200g/10分以下である。
(iii)g’値が0.1以上0.97未満である。
このようなエチレン・α−オレフィン共重合体(B’)及び低圧法エチレン単独重合体(B’)は、前記のエチレン・α−オレフィン共重合体(A’)及び低圧法エチレン単独重合体(A’)と同様の手法で製造することができる。
本発明の多層フィルムを構成するエチレン系重合体(B)のMFRが0.1〜100g/10分であると多層フィルムを成形する際に加工が容易になるため好ましく、より好ましくは3〜50g/10分の範囲である。
本発明の(B)層を構成するプロピレン系重合体(C)は、本発明の目的が達成される限りにおいて特に限定はなく、プロピレンの単独重合体、若しくはプロピレンと50mol%以下のエチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン等のα―オレフィンとの共重合体を例示することができる。これらのプロピレン系重合体(C)は、1種単独又は2種以上の組み合わせで用いてもよい。
また、プロピレン系重合体(C)のメルトマスフローレート(JIS K7210(1999年)、荷重2.16kg、温度230℃、)は特に限定はされないが、0.5〜70g/10分であるとフィルム成形性に優れるため好ましく、さらに好ましくは1〜60g/10分の範囲である。
このようなプロピレン系重合体(C)は、株式会社プライムポリマー社より商品名プライムポリプロ、日本ポリプロ株式会社より商品名ノバテックPP、ウィンテック、ニューコン、ニューストレン、住友化学株式会社より商品名ノーブレン、エクセレン、スミチックなどが販売されている。
また、(B)層を構成するエチレン系重合体(B)とプロピレン系重合体(C)から成る組成物には、その他のオレフィン系重合体を含んでいてもよい。ポリオレフィン樹脂と称されているものでよく、このようなポリオレフィン樹脂とは、高圧法低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、エチレン・無水マレイン酸共重合体、エチレンとプロピレン、1−ブテンなど炭素数3〜12のα−オレフィン共重合体、ポリ1−ブテン、ポリ1−ヘキセン、ポリ4−メチル−1−ペンテン等が挙げられ、これらポリオレフィン樹脂は、1種単独又は2種以上の組み合わせで用いてもよい。この中で、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・α−オレフィン共重合体が(A)層との接着性の観点から好ましい。
さらに、(B)層を構成するエチレン系重合体(B)とプロピレン系重合体(C)から成る組成物には、必要に応じて、酸化防止剤、光安定剤、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤等、ポリオレフィン樹脂に一般に用いられている添加剤を本発明の目的を損なわない範囲で添加してもかまわない。
本発明の(B)層の厚みは、本発明の目的が達成される限りにおいて特に限定はなく、柔軟性に優れ、破損などの問題が小さいことから、1μm〜5mmの厚みであることが好ましく、経済性の観点から、5μm〜100μmの範囲が最も好適である。
(B)層を構成するエチレン系重合体(B)とプロピレン系重合体(C)の混合方法は任意であり、溶融混合法、エチレン系重合体(B)のペレットとプロピレン系重合体(C)のペレットを固体状態で混合するドライブレンド法のいずれでもよい。ただし、品質の安定を求める場合には、溶融混合方法が好ましい。溶融混合は、たとえば、バンバリーミキサーなどのインターナルミキサー、加圧ニーダー、ロール混練機などのバッチ式混合機、単軸/二軸押出機などの連続式混合機によって行われる。溶融混合法における混合温度は、使用する材料の溶融温度以上であれば特に限定を受けないが、熱劣化を抑制し、安定した品質の樹脂組成物を得るために150℃以上250℃以下で行うことが望ましい。
本発明の多層フィルムの(A)層と(B)層の層間接着強度は、引張試験機(島津製作所製オートグラフDCS−500)を用い、剥離速度を100mm/分とし、試験片の巾を50mmとして測定した値で0.7N以上であると、得られる多層フィルムの(A)層と(B)層が良好な層間接着性を示すことから好ましい。
本発明の多層フィルムを構成する、エチレン系重合体(A)からなる(A)層とエチレン系重合体(B)及びプロピレン系重合体(C)からなる(B)層とは、共押出インフレーション成形機や共押出Tダイ成形機などを使用した共押出成形法などにより積層することができる。
本発明の多層フィルムは、少なくとも(A)層と、(A)層と隣接する層に(B)層が積層されてなることを特徴とするものであり、(A)層と(B)層の2成分のみからなるものだけでなく他の成分、例えば(C)層を含んでいてもよい。具体的には、(A)層/(B)層、(A)層/(B)層/(A)層、(B)層/(A)層/(B)層、(A)層/(B)層/(B)層、(A)層/(A)層/(B)層、(A)層/(B)層/(C)層、(B)層/(A)層/(C)層、(C)層/(B)層/(A)層/(B)層/(C)層、(A)層/(B)層/(C)層/(B)層/(A)層、(B)層/(A)層/(C)層/(A)層/(B)層などが例示される。
(C)層としては、合成高分子重合体から形成される層や織布、不織布、金属箔、紙類、セロファン等が挙げられる。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド系樹脂、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、アイオノマー等のポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリブテン、アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリウレタン、セルロース系樹脂など合成高分子重合体から形成される層等が挙げられる。
さらに、本発明の多層フィルムは、押出ラミネート成形法やドライラミネート成形法、プレス成形法などにより他のフィルムや基材と貼り合わせることができる。他のフィルムや基材と貼り合わせる場合には、生産性や他のフィルムや基材との接着性に優れることから、共押出Tダイ成形法により多層フィルムを溶融状態で他のフィルムや基材と貼り合わせる、いわゆる共押出ラミネート成形法が好ましい。共押出ラミネート成形を行う際には、基材との接着性を向上させるため、180℃〜350℃、より好ましくは200℃〜300℃の温度でダイより押出すことが好ましい。また、共押出ラミネート成形を行う際には、基材接着性向上の観点から溶融フィルムの少なくとも基材と接する面は、空気もしくはオゾンガスにより酸化されていることが好ましい。なお、オゾンガスの処理量としては、ダイより押出されたフィルム1m当たり0.5mg以上であることが好ましい。また、基材との接着性を高めるため、基材の接着面に対してアンカーコート剤処理、コロナ放電処理、フレーム処理、プラズマ処理などの公知の表面処理を施してもよい。
基材としては、合成高分子重合体フィルム及びシート、織布、不織布、金属箔、紙類、セロファン等が挙げられる。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド系樹脂、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、アイオノマー等のポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリブテン、アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリウレタン、セルロース系樹脂など合成高分子重合体からなるフィルム及びシート等が挙げられる。更に、これらの高分子重合体フィルム及びシートはさらにアルミ蒸着、アルミナ蒸着、二酸化珪素蒸着、アクリル処理されたものでもよい。また、これらの高分子重合体フィルム及びシートはさらにウレタン系インキ等を用い印刷されたものでもよい。金属箔としては、アルミ箔、銅箔などが例示でき、また、紙類としてはクラフト紙、上質紙、伸張紙、グラシン紙、カップ原紙や印画紙原紙等の板紙などが挙げられる。
本発明の多層フィルムは、スナック菓子、インスタントラーメン等の乾燥食品、スープ、味噌、漬物、ソース、飲料等の水物飲食品包装、薬、輸液バッグ等の医薬用製品、シャンプー、化粧品、おむつのバックシートなどのトイレタリー用品、印画紙支持体、紙製カップ及び蓋、離型紙及び離型テープ、易解離性フィルム、紙製セミレトルトパックなど広範囲にわたりフィルム、容器、テープ、支持体として用いることができる。
本発明の多層フィルムは、耐熱性、柔軟性にすぐれるだけでなく、層間接着性に優れたエチレン系重合体層とプロピレン系重合体及びエチレン系重合体とを含む層からなる多層フィルムである。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例におけるエチレン系重合体及びプロピレン系重合体の諸物性は、以下に示す方法により測定した。
(1)密度
密度は、JIS K6922−1(1997年)に準拠して測定した。
(2)エチレン系重合体のメルトマスフローレート(MFR)
MFRは、JIS K6922−1(1997年)に準拠して測定した。
(3)プロピレン系重合体のメルトマスフローレート(MFR−P)
MFR−Pは、JIS K7210(1999年)に準拠して荷重2.16kg、温度230℃の条件で測定した。
(4)結晶化温度(DSC)
JIS K7121(1987年)に準拠し、測定した。
(5)長鎖分岐数
長鎖分岐数は、Varian製 VNMRS−400型核磁気共鳴装置を用いて、13C−NMRによって炭素数6(ヘキシル基)以上の分岐数を測定した。溶媒はテトラクロロエタン−dである。主鎖メチレン炭素1000個当たりの個数として下記式(15)から求めた。なお、式中、IAαはヘキシル基以上の分岐のα−炭素ピーク(化学シフト:34.6ppm)の積分強度であり、IAtotは主鎖メチレン炭素のピーク(30.0ppm)の積分強度である。
長鎖分岐数=IAα/(3×IAtot) (15)
(6)分子量分布
分子量分布(Mw/Mn)は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によって測定した。GPC装置としては東ソー(株)製 HLC−8121GPC/HTを用い、カラムとしては東ソー(株)製 TSKgel GMHhr−H(20)HTを用い、カラム温度を140℃に設定し、溶離液として1,2,4−トリクロロベンゼンを用いて測定し、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)を求めた。測定試料は1.0mg/mlの濃度で調製し、0.3ml注入して測定した。なお、分子量の検量線は、分子量既知のポリスチレン試料を用いて校正したものであり、MwおよびMnは直鎖状ポリエチレン換算の値として求めた。
(7)収縮因子(g’値)
収縮因子(g’値)は、GPCによって分別したポリエチレンの固有粘度([η])を測定する手法で、実施例にて用いたポリエチレン系樹脂(A)の分子量30万における[η]を、分岐が全くない直鎖状ポリエチレンの同一分子量における[η]で除した値である。GPC装置としては東ソー(株)製 HLC−8121GPC/HTを用い、カラムとしては東ソー(株)製 TSKgel GMHhr−H(20)HTを用い、カラム温度を145℃に設定し、溶離液として1,2,4−トリクロロベンゼンを用いて測定した。測定試料は2.0mg/mLの濃度で調製し、0.3mL注入して測定した。粘度計は、Viscotek社製 キャピラリー差圧粘度計210Rを用いた。
(8)層間接着性
実施例により得られた多層フィルムの、エチレン系重合体からなる(A)層とエチレン系重合体及びプロピレン系重合体からなる(B)層の層間接着強度を引張試験機(島津製作所製 オートグラフDCS−500)にて測定した。剥離速度は100mm/分、試験片の巾は50mmとした。
また実施例に使用されるエチレン・α−オレフィン共重合体(A2)、エチレン・α−オレフィン共重合体(B2)、エチレン単独重合体(B3)は以下に示す製造法により製造されたものである。
さらに、変性ヘクトライトの調製、触媒の調製、ポリエチレン系重合体の製造および溶媒精製は、全て不活性ガス雰囲気下で行った。変性ヘクトライトの調製、触媒の調製、ポリエチレン系重合体の製造に用いた溶媒等は、全て予め公知の方法で精製、乾燥、脱酸素を行ったものを用いた。ジメチルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、プロパン―1,3−ジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル)(4,7−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロライド、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン−1,3−ジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(1−インデニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリドは公知の方法により合成、同定したものを用いた。トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.714M)は東ソー・ファインケム(株)製を用いた。
[エチレン・α−オレフィン共重合体(A2)の製造方法]
[変性ヘクトライトの調製]
水3リットルにエタノール3リットルと37%濃塩酸100ミリリットルを加えた後、得られた溶液にN,N−ジメチル−オクタデシルアミン330g(1.1mol)を添加し、60℃に加熱することによって、塩酸塩溶液を調製した。この溶液にヘクトライト1kgを加えた。この懸濁液を60℃で、3時間撹拌し、上澄液を除去した後、60℃の水50Lで洗浄した。その後、60℃、10−3torrで24時間乾燥し、ジェットミルで粉砕することによって、平均粒径5.2μmの変性ヘクトライトを得た。
[触媒(p1)の調製]
前記[変性ヘクトライトの調製]で調製したヘクトライト500gをヘキサン1.7リットルに懸濁させ、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル)(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロライド8.25g(20.0mmol)とトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.714M)2.8リットル(2mol)の混合液を添加し、60℃で3時間攪拌した後、静置して上澄み液を除去、さらにトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.15M)を添加し、室温で一晩攪拌することにより、触媒スラリー(100g/L)を得た。
[マクロモノマーの製造]
内容積540リットルの重合器に、ヘキサン300リットルおよび1−ブテンを7.6リットル導入し、オートクレーブの内温を85℃に昇温した。このオートクレーブに前記触媒(p1)を131ミリリットル添加し、エチレンガスをエチレン分圧を1.2MPaになるまで導入して重合を開始した。また、重合温度を85度に制御した。重合中は分圧を1.2MPaに保たれるようにエチレンガスを連続的に導入した。重合開始90分後に重合器の内圧を脱圧し、マクロモノマーを得た。この重合器から抜き出したマクロモノマーのMn=10,950、Mw/Mn=2.61であった。また、長鎖分岐は検出されなかった。
[エチレン・α−オレフィン共重合体(A2)の製造]
上記で製造したマクロモノマーが含まれる内容積540リットルの重合器に、1−ブテンを5.6リットルとトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.714mol/L)0.75リットルとジフェニルメチレン(1−インデニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド 3.75mmolを導入し、オートクレーブの内温を85℃に昇温した。エチレンガスを分圧が0.2MPaになるまで導入して重合を開始した。重合中、分圧が0.2MPaに保たれるようにエチレンガスを連続的に導入した。また、重合温度を85℃に制御した。重合開始90分後に、オートクレーブの内圧を脱圧した後、内容物を吸引ろ過した。乾燥後、57kgのエチレン・α−オレフィン共重合体が得られた。得られたエチレン・α−オレフィン共重合体(A2)の密度は924kg/m、MFRは15g/10分、長鎖分岐数は1000炭素原子当り0.13個、g’は0.89、結晶化温度は103℃であった。
[エチレン・α−オレフィン共重合体(B2)の製造方法]
[触媒(p2)の調製]
前記変性ヘクトライト500gをヘキサン1.8リットルに懸濁させ、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.714M)2.9リットルを添加し、室温で1時間攪拌することにより、変性ヘクトライトとトリイソブチルアルミニウムの接触生成物を得た。一方、ジメチルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド6.97g(20mmol)をトルエンに溶解させたものを添加して触媒前駆体スラリー(100g/L)とした。
上記で調製した触媒前駆体スラリーにジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル)(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロライドに対して10mol%のイソプロピリデン(1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド1.21g(2.22mmol)を添加して室温で6時間撹拌した。静置して上澄み液を除去、さらにトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.15M)を添加して最終的に100g/Lの触媒スラリーを得た。
[エチレン・α−オレフィン共重合体(B2)の製造]
内容積540リットルの重合器に、1−ブテンを0.22リットルと触媒(p2)を135ミリリットル導入し、オートクレーブの内温を85℃に昇温した。エチレン/水素混合ガス(水素22,000ppm)を分圧が0.2MPaになるまで導入して重合を開始した。重合中、分圧が0.2MPaに保たれるようにエチレンガスを連続的に導入した。また、重合温度を85℃に制御した。重合開始90分後に、オートクレーブの内圧を脱圧した後、内容物を吸引ろ過した。乾燥後、54kgのポリエチレン系樹脂粉末を得た。得られたエチレン・α−オレフィン共重合体(B2)の密度は948kg/m、MFRは30g/10分、長鎖分岐数は1000炭素原子当り0.15個、g’は0.82、結晶化温度は113℃であった。
[エチレン単独重合体(B3)の製造方法]
[エチレン単独重合体(B3)の製造]
1−ブテンを添加しなかった以外は[エチレン・α−オレフィン共重合体(B2)の製造方法]と同様の方法で重合を行い、50kgのエチレン単独重合体(B3)を得た。得られたエチレン単独重合体(B3)の密度は963kg/m、MFRは15g/10分、長鎖分岐数は1000炭素原子当り0.12個、g’は0.88、結晶化温度は114℃であった。
実施例1
エチレン系重合体(A)として、MFRが8g/10分、密度が920kg/m、結晶化温度が101℃であるエチレン・α−オレフィン共重合体(東ソー(株)製 商品名ニポロンL M55)(A1)を、エチレン系重合体(B)として、MFRが8g/10分、密度が953kg/m、結晶化温度が116℃であるエチレン・α−オレフィン共重合体(東ソー(株)製 商品名ニポロンハード 2400)(B1)を、プロピレン系樹脂としてMFRが25g/10分、密度が900kg/m、結晶化温度が111℃であるプロピレン系重合体(日本ポリプロ製 商品名ノバテックPP FL03H)(C1)を用いた。
まず、(A1)を直径90mmφのスクリューを有する単軸押出機(ムサシノキカイ(株)製)に、(B1)5重量%、(C1)95重量%となるようにドライブレンドした混合樹脂を直径65mmφのスクリューを有する単軸押出機(ムサシノキカイ(株)製)へと供給し、320℃の温度でTダイから共押出し、坪量75g/mである紙基材上に50m/分の引き取り速度、115mmのエアギャップ長さで、(A)層の厚みが20μm、(B)層の厚みが20μmとなるように共押出ラミネートを行い、紙基材、エチレン・α−オレフィン共重合体(A1)、エチレン・α−オレフィン共重合体(B1)及びプロピレン系重合体(C1)の混合層の順に積層されてなる多層フィルムを得た。この多層フィルムの層間接着強度を評価した。接着性評価の結果を表1に示す。
実施例2
エチレン系重合体(A)として、エチレン・α−オレフィン共重合体(A2)を使用した以外は実施例1と同様にして、ラミネート成形を行い、多層フィルムの層間接着強度を評価した。接着性評価の結果を表1に示す。
実施例3
エチレン系重合体(B)として、エチレン・α−オレフィン共重合体(B2)を使用した以外は実施例2と同様にして、ラミネート成形を行い、多層フィルムの層間接着強度を評価した。接着性評価の結果を表1に示す。
実施例4
エチレン系重合体(B)として、エチレン単独重合体(B3)を使用し、(B3)2重量%及び(C1)98重量%となるようにドライブレンドした以外は実施例2と同様にして、ラミネート成形を行い、多層フィルムの層間接着強度を評価した。接着性評価の結果を表1に示す。
実施例5
エチレン系重合体(B)として、エチレン単独重合体(B3)を使用した以外は実施例2と同様にして、ラミネート成形を行い、多層フィルムの層間接着強度を評価した。接着性評価の結果を表1に示す。
実施例6
エチレン系重合体(B)として、エチレン・α−オレフィン共重合体(A2)を使用した以外は実施例2と同様にして、ラミネート成形を行い、多層フィルムの層間接着強度を評価した。接着性評価の結果を表1に示す。
実施例7
エチレン系重合体(A)として、エチレン・α−オレフィン共重合体(B2)を使用した以外は実施例3と同様にして、ラミネート成形を行い、多層フィルムの層間接着強度を評価した。接着性評価の結果を表1に示す。
実施例8
エチレン系重合体(A)として、エチレン単独重合体(B3)を使用した以外は実施例5と同様にして、ラミネート成形を行い、多層フィルムの層間接着強度を評価した。接着性評価の結果を表1に示す。
Figure 2011020372
比較例1
(B)層の樹脂として、エチレン系重合体(B)を用いずプロピレン系重合体(C1)のみを使用した以外は実施例2と同様にして、ラミネート成形を行い、多層フィルムの層間接着強度を評価した。接着性評価の結果を表2に示す。層間接着強度は不十分であった。
比較例2
(B)層の樹脂として、(B3)10重量%及び(C1)90重量%となるようにドライブレンドした以外は実施例4と同様にして、ラミネート成形を行い、多層フィルムの層間接着強度を評価した。接着性評価の結果を表2に示す。層間接着強度は不十分であった。
比較例3
エチレン系重合体(B)として、MFRが20g/10分、密度が920kg/m、結晶化温度が101℃であるエチレン・1−ブテン共重合体(東ソー(株)製 ニポロン−L M65)(B4)を使用した以外は実施例2と同様にして、ラミネート成形を行い、多層フィルムの層間接着強度を評価した。接着性評価の結果を表2に示す。層間接着強度は不十分であった。
比較例4
エチレン系重合体(B)として、MFRが2g/10分、密度が913kg/m、結晶化温度が96℃であるエチレン・1−ヘキセン共重合体(東ソー(株)製 ニポロン−Z ZF220)(B5)を使用した以外は実施例2と同様にして、ラミネート成形を行い、多層フィルムの層間接着強度を評価した。接着性評価の結果を表2に示す。層間接着強度は不十分であった。
Figure 2011020372

Claims (5)

  1. 少なくとも(A)層と(A)層に隣接する(B)層の2層からなる多層フィルムであって、(A)層がエチレン系重合体(A)、(B)層がエチレン系重合体(B)及びプロピレン系重合体(C)から成る組成物で構成され、下記(a)〜(b)の要件を満たすことを特徴とする多層フィルム。
    (a)エチレン系重合体(B)のJIS K7121(1987年)により測定された結晶化温度[TC、PE(℃)]とプロピレン系重合体(C)のJIS K7121(1987年)により測定された結晶化温度[TC、PP(℃)]が下式(1)を満たす。
    C、PE>TC、PP−10 (1)
    (b)(B)層に用いられる組成物中に含まれるエチレン系重合体(B)の含有量が1重量%以上、7重量%未満である。
  2. 前記エチレン系重合体(A)が低圧法エチレン単独重合体(A)、若しくはエチレン・α−オレフィン共重合体(A)であることを特徴とする請求項1に記載の多層フィルム。
  3. 前記エチレン系重合体(A)が下記(i)〜(iii)を満たす低圧法エチレン単独重合体(A’)、若しくはエチレン・α−オレフィン共重合体(A’)であることを特徴とする請求項1に記載の多層フィルム。
    (i)JIS K6922−1(1997年)により測定した密度が890kg/m以上970kg/m以下である。
    (ii)JIS K6922−1(1997年)により測定したメルトマスフローレート(以下MFRと略す)が0.1g/10分以上200g/10分以下である。
    (iii)ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)/固有粘度計によって評価した収縮因子(以下g’値と略す)が0.1以上0.97未満である。
  4. 前記エチレン系重合体(A)のJIS K7121(1987年)により測定された結晶化温度がTC、PE(℃)と等しいことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の多層フィルム。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の多層フィルムが共押出ラミネート成形により基材と貼り合わされていることを特徴とする多層フィルム。
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