JP2014124794A - 積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 積層体の生産性に優れ、耐水性、耐熱性に優れ、さらにカップ成形の容易な積層体を提供する。
【解決手段】 少なくとも(A)層/基材層/(B)層の構成を含む積層体であって、(A)層、(B)層が密度945〜955kg/m、MFR10〜50g/10分であるエチレンと炭素数3から6のα−オレフィンを共重合してなるエチレン−α−オレフィン共重合体(a)50〜90重量%と、密度915〜930kg/m、MFR1〜10g/10分の高圧法低密度ポリエチレン(b)10〜50重量%からなり、下記要件(I)〜(II)を満たす樹脂組成物から構成される積層体。
(I)密度932〜953kg/m
(II)MFR3〜43g/10分
【選択図】 なし

Description

本発明は、カップ成形性と耐熱性を両立した積層体に関するものである。
コーヒーや紅茶等の飲料容器、フライドポテトや串カツ等の揚げ物を入れる容器として、紙カップが一般的に使用されている。紙カップとして、押出ラミネート加工によってポリエチレン等の樹脂層を積層した紙カップがよく使用されるが(例えば、特許文献1参照)、通常、内側のみに樹脂層を積層している。そのため、耐水性が不十分であり、カップの外側に結露が発生した場合などに、カップの外側より水分が染み込み、剛性が低下し、手で持っている部分が変形する恐れがあった。特に、揚げ物を入れた紙カップをポリ袋等で包んだ場合に、揚げ物から生じる水蒸気によってカップの外側より水分が染み込んだり、冷めた飲料を湯せんにより加熱した際にお湯が染み込み、剛性が低下する問題があった。
一方、高級化志向により、両面ラミネート紙カップが使用されてきている(例えば、特許文献2、3参照)。両面ラミネート紙カップは、デザイン面で高級化されるだけでなく、外側への水分の染み込みを防止できるようになった。しかし、通常、両面ラミネート紙カップの樹脂層には、ラミネート加工性に優れる低密度ポリエチレンが使用されており、耐熱性が不足する恐れがあった。特に高温の揚げ物を入れた際に、樹脂層にピンホールが生じて油が染み込んでしまったり、シワが入ることで樹脂層の外観が悪化する問題や、湯せん時に剛性が低下する問題があった。
低密度ポリエチレンの代わりに、融点の高い高密度ポリエチレンを使用することで耐熱性を向上する方法が考えられるが、高密度ポリエチレンは成形加工性に劣るため押出ラミネート加工による積層体を得ることが困難であった。そこで高密度ポリエチレンに高圧法低密度ポリエチレンを混合して押出ラミネートを行う方法が用いられている。しかし、この方法では、ホットタック性が十分でなく、カップ成形の際に、ヒートシール部位が剥離し易くなったり、温度条件の設定が難しいなどの問題が生じる場合があった。
一方、ラミネート加工性に優れた材料として、長鎖分岐を有するエチレン−α−オレフィン共重合体に低密度ポリエチレンを混合した樹脂組成物を用いた積層体が提案されている(例えば、特許文献4参照)。この樹脂組成物のうち、密度の高いものを紙カップに使用することで、耐熱性を向上する方法が考えられるが、基材の両面に積層した場合に、耐熱性とカップ成形性との両立が可能であるかどうかは明らかでなかった。
特開昭61−83037号公報 特開平7−156936号公報 特開平8−217051号公報 特開2009−293014号公報
本発明は、上記のような状況を鑑みなされたものであって、積層体の生産性に優れ、耐水性、耐熱性に優れ、さらにカップ成形の容易な積層体を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定のエチレン系重合体を用いた積層体が、優れた耐熱性、カップ成形性を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、少なくとも(A)層/基材層/(B)層をこの順に有するものであり、(A)層及び(B)層が密度945kg/m以上955kg/m以下、JIS K6922−1(1998年)に記載された方法で測定したメルトフローレート(以下MFRと記す)10g/10分以上50g/10分以下であるエチレンと炭素数3から6のα−オレフィンを共重合してなり、長鎖分岐を有するエチレン−α−オレフィン共重合体(a)50〜90重量%及び密度915kg/m以上930kg/m以下、MFR1g/10分以上10g/10分以下の高圧法低密度ポリエチレン(b)10〜50重量%((a)と(b)の合計は100重量%)を含み、下記要件(I)〜(II)を満たす樹脂組成物から構成される、積層体に関するものである。
(I)密度932kg/m以上953kg/m以下
(II)MFR3g/10分以上43g/10分以下
また、(A)層/基材層/(B)層を積層する方法が、押出ラミネート成形法であることを特徴とする積層体に関するものである。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明の(A)層及び(B)層を構成する樹脂組成物に含まれるエチレン−α−オレフィン共重合体(a)は、エチレンから導かれる繰り返し単位と炭素数3〜6のα−オレフィンから導かれる繰り返し単位からなるエチレン−α−オレフィン共重合体である。炭素数3〜6のα−オレフィンとしては、例えばプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン等が挙げられる。これら炭素数3〜6のα−オレフィンの少なくとも2種類を併用してもよい。
本発明の(A)層及び(B)層を構成する樹脂組成物に含まれるエチレン−α−オレフィン共重合体(a)は、JIS K6922−1(1998年)に記載された方法で測定した密度が945kg/m以上955kg/m以下のものである。ここで、密度が945kg/m未満の場合、押出ラミネート用樹脂組成物の耐熱性が劣るため好ましくない。一方、955kg/mを超える場合、該エチレン−α−オレフィン共重合体の融解温度は高く、押出ラミネート用樹脂組成物は耐熱性、剛性に優れるものとなる反面、ホットタック性が悪化し好ましくない。なお密度の測定は、JIS K6922−1(1998年)に準拠して密度勾配管法で測定することができる。
本発明の(A)層及び(B)層を構成する樹脂組成物に含まれるエチレン−α−オレフィン共重合体(a)は、MFRが、10g/10分以上50g/10分以下、好ましくは10g/10分以上50g/10分以下のものである。ここで、MFRが10g/10分未満である場合、押出ラミネート用樹脂組成物とする際の押出機の負荷が大きくなり、生産性が低下すると共に、ドローダウン(引取速度の上限)が劣り好ましくない。一方、50g/10分を超える場合、ネックイン(溶融膜の幅落ち)が大きくなり、押出ラミネート成形性に劣る可能性がある。
本発明の(A)層及び(B)層を構成する樹脂組成物に含まれるエチレン−α−オレフィン共重合体(a)は、構造中に長鎖分岐を有するものであることが好ましい。構造中に長鎖分岐を有することでエチレン−α−オレフィン共重合体(a)の溶融張力が高くなり、押出ラミネート用押出ラミネート用樹脂組成物のラミネート加工性が向上する。さらに、炭素数6以上の長鎖分岐を炭素数1,000個あたり0.01〜0.04個有すると、ラミネート加工時のネックインとドローダウンのバランスに優れ、(B)層を薄膜化した場合の成形安定性に優れるため好ましい。なお、長鎖分岐数とは、13C−NMR測定で検出されるヘキシル基以上(炭素数6以上)の分岐の数である。
さらに本発明の(A)層及び(B)層を構成する樹脂組成物に含まれるエチレン−α−オレフィン共重合体(a)は、下記要件(iii)〜(v)を満たすマクロモノマーの存在下に、あるいは該マクロモノマーの合成と同時に、エチレン、マクロモノマーおよび任意に炭素数3〜6のオレフィンを重合することにより得られるポリエチレン系重合体であることが望ましい。
(iii)エチレンを重合、又はエチレンと炭素数3〜6のオレフィンを共重合して得られ、末端にビニル基を有する
(iv)数平均分子量(Mn)が2,000以上
(v)重量平均分子量(Mw)と数平均分子量の比Mw/Mnが2〜5
マクロモノマーとは、末端にビニル基を有するオレフィン重合体であり、好ましくはエチレンを重合することによって得られる末端にビニル基を有するエチレン重合体、またはエチレンと炭素数3〜6のオレフィンを共重合することによって得られる末端にビニル基を有するエチレン共重合体である。
炭素数3〜6のオレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテンもしくはビニルシクロアルカン等のα−オレフィン、ブタジエンもしくは1,4−ヘキサジエン等のジエンを例示することができる。また、これらのオレフィンを2種類以上混合して用いることもできる。
マクロモノマーとして、末端にビニル基を有するエチレン重合体または末端にビニル基を有するエチレン共重合体を用いる場合、その直鎖状ポリエチレン換算の数平均分子量(Mn)は、好ましくは2,000以上であり、さらに好ましくは5,000以上であり、さらに好ましくは10,000以上である。直鎖状ポリエチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは4,000以上であり、さらに好ましくは10,000以上であり、さらに好ましくは15,000より大きい。マクロモノマーの分子量を大きくすることでエチレン−α−オレフィン共重合体(a)に導入される長鎖分岐の長さが長くなり、溶融張力が上昇することで、ネックインが小さくなる。
また、重量平均分子量(Mw)とMnの比(Mw/Mn)は、好ましくは2以上5以下であり、さらに好ましくは2以上4以下であり、さらに好ましくは2以上3.5以下である。マクロモノマーの分子量分布を狭くすることによりエチレン−α−オレフィン共重合体(a)に導入される長鎖分岐の長さがほぼ一定となり、溶融張力が上昇し、ネックインが小さくなる。
なお、Mw/Mnは、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によって標準ポリエチレン換算値である重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)を測定することにより算出することが可能である。Mw/Mnがこの範囲にある場合、樹脂中の低分子量成分の含有比率が少ないため、低分子量成分の滲出に由来するラミネート成形時のロール汚染やラミネート成形品の表面のべたつきおよびヒートシール不良などの弊害が抑制され、同時に押出負荷が必要以上に高くなってラミネート加工時の押出量が制限されることもない。
本発明の(A)層及び(B)層を構成する樹脂組成物に含まれるエチレン−α−オレフィン共重合体(a)は、如何なる方法により得られたものであってもよく、例えば後述する本願実施例の製造条件そのもの、あるいは条件因子の微調整によって任意に作り分けることが可能である。
エチレンとα−オレフィンの共重合に用いる触媒は特に限定されるものではなく、チーグラー触媒、フィリップス触媒、メタロセン触媒などが使用できるが、好ましくはメタロセン触媒により重合されたものである。
メタロセン触媒を用いて、エチレン−α−オレフィン共重合体(a)を製造する場合、用いるメタロセン触媒は、メタロセン錯体、活性化助触媒、および必要に応じて有機アルミニウム化合物を構成成分として有し、マクロモノマーの合成と同時に、マクロモノマー、エチレン及び任意に炭素数3〜6のオレフィンの共重合を行うことが好ましい。
マクロモノマーの合成と、マクロモノマー、エチレン及び任意に炭素数3〜6のオレフィンの共重合をするメタロセン触媒としては、メタロセン錯体に、非架橋型ビス(インデニル)ジルコニウム錯体、非架橋型ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム錯体、架橋型ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム錯体、架橋型ビス(インデニル)ジルコニウム錯体、架橋型(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウム錯体、架橋型(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウム錯体もしくは架橋型(インデニル)(フルオレニル)ジルコニウム錯体を用いた触媒であることが好ましい。
メタロセン錯体の具体例としては、例えばビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル)(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル)(4,7−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル)(2,4,7−トリメチルインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド等のジクロライドおよび上記遷移金属化合物のジメチル体、ジエチル体、ジヒドロ体、ジフェニル体、ジベンジル体を例示することができる。また上記遷移金属化合物のジルコニウム原子をチタン原子またはハフニウム原子に置換した化合物も例示することもできるが、これらに限定されるものではない。これらのうち、1種または複数種を用いてもよい。
メタロセン触媒の構成成分として用いる活性化助触媒は、メタロセン錯体、またはメタロセン錯体と有機アルミニウム化合物の反応物を、オレフィンの重合が可能な活性種に変換する役割を果たす化合物を示し、メタロセン錯体からカチオン性化合物を生成させる化合物であることが好ましく、生成したカチオン性化合物は、オレフィンを重合することが可能な重合活性種として作用する。活性化助触媒は、重合活性種を形成した後、生成したカチオン性化合物に対して弱く配位または相互作用するものの、該活性種と直接反応しない化合物を提供する化合物である。
活性化助触媒の具体的な例として、メチルアルミノキサンなどのアルキルアルミノキサン、シリカゲル担持アルキルアルミノキサン、トリス(ペンタフルオエオフェニル)ホウ素などのトリス(フッ素化アリール)ホウ素、N,N−ジメチルアンモニウム−テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素などのテトラキス(フッ素化アリール)ホウ素塩などのホウ素化合物、これらのシリカゲル担持物、および粘土鉱物、有機化合物で処理した粘土鉱物などを挙げることができるが、これら活性化助触媒の中で有機化合物にて処理した粘土鉱物を用いることが好ましい。
活性化助触媒として、有機化合物で処理した粘土鉱物を用いる場合、用いる粘土鉱物は、スメクタイト群に属する粘土鉱物が好ましく、具体例としてモンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、ヘクトライトなどを挙げることができる。また、これら粘土鉱物を複数混合して用いることも可能である。
なお、有機化合物処理とは、粘土鉱物層間に有機イオンを導入し、イオン複合体を形成することを示す。
有機化合物処理で用いられる有機化合物としては、N,N−ジメチル−n−オクタデシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチル−n−エイコシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチル−n−ドコシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルオレイルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルベヘニルアミン塩酸塩、N−メチル−ビス(n−オクタデシル)アミン塩酸塩、N−メチル−ビス(n−エイコシル)アミン塩酸塩、N−メチル−ジオレイルアミン塩酸塩、N−メチル−ジベヘニルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルアニリン塩酸塩などのアルキルアンモニウム塩を例示することができる。
メタロセン触媒は、メタロセン錯体を活性化助触媒と反応させる方法等のメタロセン触媒の調製方法に特に制限はない。
なお、メタロセン触媒は、触媒の調製時、メタロセン錯体の活性化や溶媒中の不純物の除去など、必要に応じてトリエチルアルミニウムやトリイソブチルアルミニウムなどのアルキルアルミニウムを用いてもよい。
本発明の押出ラミネート用ポリエチレン樹脂組成物の成分であるエチレン−α−オレフィン共重合体(a)を製造する際には、重合温度−100〜120℃で行うことが好ましく、特に生産性を考慮すると20〜120℃が好ましく、さらには60〜120℃の範囲で行うことが好ましい。また、重合時間は10秒〜20時間の範囲が好ましく、重合圧力は常圧〜300MPaの範囲で行うことが好ましい。重合性単量体としては、エチレンと炭素数3〜6のα−オレフィンであり、エチレンと炭素数3〜6のα−オレフィンの供給割合として、エチレン/炭素数3〜6のα−オレフィン(モル比)が、1〜200、好ましくは3〜100、さらに好ましくは5〜50の供給割合を用いることができる。また、重合時に水素などを用いて分子量の調節を行うことも可能である。重合はバッチ式、半連続式、連続式のいずれの方法でも行うことが可能であり、重合条件を変えて2段階以上に分けて行うことも可能である。また、エチレン系共重合体は、重合終了後に従来既知の方法により重合溶媒から分離回収され、乾燥して得ることができる。
重合はスラリー状態、溶液状態または気相状態で実施することができ、特に、重合をスラリー状態で行う場合にはパウダー粒子形状の整ったエチレン系共重合体を効率よく、安定的に生産することができる。
本発明の(A)層及び(B)層を構成する樹脂組成物に含まれるエチレン−α−オレフィン共重合体(a)の長鎖分岐数は、マクロモノマーの末端ビニル数を増加させることによって増加できる。マクロモノマーの末端ビニル数は、メタロセン錯体の選択により制御することができる。
同様に、本発明の押出ラミネート用ポリエチレン樹脂組成物の成分であるエチレン−α−オレフィン共重合体(a)のMw/Mnは、メタロセン錯体の選択により制御することができる。
本発明の(A)層及び(B)層を構成する樹脂組成物に含まれる高圧法低密度ポリエチレン(b)は、従来公知の高圧ラジカル重合法により得ることができ、本発明の範囲において適宜選択される。
本発明の(A)層及び(B)層を構成する樹脂組成物に含まれる高圧法低密度ポリエチレン(b)は、JIS K6922−1(1998年)の方法で測定した密度が915kg/m以上930kg/m以下、好ましくは915kg/m以上925kg/m以下のものである。密度が915kg/m未満の場合は、本発明の押出ラミネート用樹脂組成物の耐熱性が低下する恐れがある。また密度が930kg/mより大きい場合は、高圧法低密度ポリエチレンの融解温度が高く、押出ラミネート用樹脂組成物は耐熱性、剛性に優れるものとなる反面、ラミネート加工性が劣るものとなる。
本発明の(A)層及び(B)層を構成する樹脂組成物に含まれる高圧法低密度ポリエチレン(b)は、JIS K6922−1(1998年)の方法で測定したMFRが1g/10分以上10g/10分以下、好ましくは1g/10分以上5g/10分以下のものである。ここで、MFRが1g/10分未満である場合、押出ラミネート用樹脂組成物のラミネート加工時の押出負荷が大きくなり生産性が低下すると共に、ドローダウンに劣るため好ましくない。一方、10g/10分を超える場合、溶融張力が小さくなりラミネート加工時のネックインが大きくなるため好ましくない。
上記要件を満たすエチレン−α−オレフィン共重合体(a)および高圧法低密度ポリエチレン(b)を特定量ブレンドした(A)層及び(B)層を構成する樹脂組成物は、押出ラミネートにより積層体とした際の耐熱性とホットタック性のバランスに優れたものとなる。本発明の(A)層及び(B)層を構成する樹脂組成物は、エチレン−α−オレフィン共重合体(a)50〜90重量%、好ましくは50〜70重量%、および高圧法低密度ポリエチレン(b)50〜10重量%、好ましくは50〜30重量%を含むものである。高圧法低密度ポリエチレン(b)の配合量が10重量%未満では、押出ラミネート用樹脂組成物の溶融張力が小さくなり、ラミネート加工時のネックインが大きくなるため好ましくなく、一方配合量が50重量%を超える場合は押出ラミネート用樹脂組成物の密度が低くなり、積層体の耐熱性、剛性に劣るものとなるため好ましくない。
本発明の(A)層及び(B)層を構成する樹脂組成物は、JIS K6922−1(1998年)に記載された方法で測定した密度が932kg/m以上953kg/m以下であり、好ましくは932kg/m以上945kg/m以下である。密度が932kg/m未満の場合、(A)層、(B)層の耐熱性が劣る場合があり好ましくない。一方密度が953kg/mを超える場合はホットタック性が劣る場合があり好ましくない。
本発明の(A)層及び(B)層を構成する樹脂組成物は、JIS K6922−1(1998年)の方法で測定したMFRが3g/10分以上43g/10分以下であり、好ましくは7g/10分以上30g/10分以下であり、さらに好ましくは7g/10分以上15g/10分以下である。MFRが3g/10分未満の場合、ラミネート加工時のドローダウンが劣る場合があり好ましくない。一方MFRが43g/10分を超える場合はラミネート加工時のネックインが大きくなり好ましくない。
本発明の(A)層及び(B)層を構成する樹脂組成物には、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、必要に応じて、安定剤、滑剤、難燃剤、分散剤、充填剤、発泡剤、発泡核剤、架橋剤、紫外線防止剤、酸化防止剤、着色剤などを含有させることができる。また、他の熱可塑性樹脂と混合して用いることができる。
本発明の押出ラミネート用樹脂組成物は、通常樹脂組成物とする際の方法を用いることができ、例えば溶融・混合方法として、単軸押出機や二軸押出機を用いた押出混練、ロール混練など公知の方法を挙げることができ、該方法で溶融混練することにより得ることができる。
本発明の積層体は、少なくとも(A)層/基材層/(B)層をこの順に有するものである。また、(A)層、(B)層の表面には、印刷などを施しても良い。また、基材層と(A)層または(B)層の間には、バリア層などを設けることができる。しかし、積層体を構成する層を少なくできることから、積層体は、(A)層/基材層/(B)層の構成が好ましい。
本発明の積層体において、(A)層、基材層、(B)層を積層する方法としては、押出ラミネート成形法やドライラミネート成形法、プレス成形法などを挙げることができる。中でも、生産効率が高く、さらに成形された積層体の品質を安定させやすいため、押出ラミネート成形法が好ましい。押出ラミネート成形法としては、シングルラミネート加工法、タンデムラミネート加工法、サンドウィッチラミネート加工法、共押出ラミネート加工法などを例示することができる。
このような本発明の積層体を構成する基材として、クラフト紙、クルパック紙、上質紙、グラシン紙、板紙などの天然パルプを主成分とする紙などを例示することができ、中でもカップ成形時の剛性、経済性の観点から板紙が好ましい。また、基材は、従来公知の技術により着色インキなどで印刷されていてもかまわない。基材に板紙を使用する場合、カップ成形性やカップ成形した際の剛性の観点から、坪量は150〜500g/m、より好ましくは200〜400g/mであることが好ましい。
また、押出ラミネート加工において、(A)層または(B)層の材料を溶融状態で押出し層とした直後に、該層の基材接着面を含酸素気体又は含オゾン気体に曝し、基材と貼り合わせる手法を用いると、基材層との接着性に優れることから好ましい。含オゾン気体により熱可塑製樹脂と基材との接着性を向上させる場合は、オゾンガスの処理量としては、ダイより押出された熱可塑製樹脂よりなるフィルム1m当たり0.5mg以上のオゾンを吹き付けることが好ましい。
本発明の積層体は、(A)層または(B)層と基材層との接着性をさらに向上させるため、ポリエチレン系樹脂が発泡しない程度の温度、例えば30℃〜60℃の温度で10時間以上熱処理することができる。また必要に応じて、基材の接着面に対してコロナ処理、フレーム処理、プラズマ処理などの公知の表面処理を施してもよい。また、必要であれば基材にアンカーコート剤を塗布しても良い。
また、本発明の積層体において、(A)層、(B)層の厚みは、本発明の目的が達成される限りにおいて特に限定はないが、10μm〜200μmの厚みであることが好ましく、経済性の観点から、10μm〜60μmの範囲が最も好適である。
本発明の積層体は、コーヒー、スープなどの高温飲料用の紙カップ等の、耐熱性、カップ成形性を求められる容器に好適に使用される。特に湯せんを求められる容器の場合に好適である。
本発明の積層体は、ホットタック性に優れ、耐熱性に優れた積層体である。
以下、実施例および比較例により本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〜密度の測定〜
密度は、JIS K6922−1(1998年)に準拠して密度勾配管法で測定した。
〜MFRの測定〜
MFRは、JIS K6922−1(1998年)に準拠してメルトインデクサーで測定した。
〜長鎖分岐数の測定〜
エチレン−α−オレフィン共重合体(a)の長鎖分岐数は、Varian製 VNMRS−400型核磁気共鳴装置を用いて、13C−NMRによってヘキシル基以上の長鎖分岐の数を測定した。溶媒はテトラクロロエタン−dである。主鎖メチレン炭素1,000個当たりの個数として、「マクロモレキュールズ(Macromolecules)」第31巻、25号、8677〜8683ページ(1998年)に記載の下記式(4)から求めた。
長鎖分岐数=IAα/(3×IAtot) (4)
[式中、IAαはヘキシル基以上の長鎖分岐のα−炭素ピーク(化学シフト:34.6ppm)の積分強度であり、IAtotは主鎖メチレン炭素のピーク(30.0ppm)の積分強度である。]
〜分子量および分子量分布の測定〜
マクロモノマーおよびエチレン−α−オレフィン共重合体(a)の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)および重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によって測定した。GPC装置としては東ソー(株)製 HLC−8121GPC/HTを用い、カラムとしては東ソー(株)製 TSKgel GMHhr−H(20)HTを用い、カラム温度を140℃に設定し、溶離液として1,2,4−トリクロロベンゼンを用いて測定した。測定試料は1.0mg/mlの濃度で調製し、0.3ml注入して測定した。分子量の検量線は、分子量既知のポリスチレン試料を用いて校正されている。なお、MwおよびMnは直鎖状ポリエチレン換算の値として求めた。
〜ネックイン〜
(A)層、(B)層の樹脂組成物を90mmφのスクリューを有する押出ラミネーター((株)ムサシノキカイ製)の押出機へ供給し、315℃の温度で開口幅600mmのTダイより押出し、基材の引取り速度を200m/分として、坪量50g/mのクラフト紙基材上に押出ラミネート用樹脂組成物が20μmの厚さになるよう押出ラミネートした際の、Tダイ開口幅と押出ラミネート用樹脂組成物のコート幅との差をネックインとし、その値を測定した。ネックインは小さいほど良く、79mm以下を○、80mm以上を×と評価した。
〜ドローダウン〜
(A)層、(B)層の樹脂組成物を90mmφのスクリューを有する押出ラミネーター((株)ムサシノキカイ製)の押出機へ供給し、315℃の温度で開口幅600mmのTダイより押出し、基材の引取り速度を200m/分として、坪量50g/mのクラフト紙基材上に押出ラミネート用樹脂組成物が10μmの厚さになるよう押出ラミネートした際に、フィルム端部の安定性を評価した。フィルム端部が安定するほど良く、フィルム端部が安定していた場合を○、フィルム端部が不安定となり左右に振れていた場合を△、フィルム端部が左右に大きく振れて成膜できなかった場合を×と評価した。
〜耐熱性(ピンホール)〜
実施例により得られた積層体を20cm×30cmに切り出し、115℃に加熱した小型オーブン(Werner Mathis AG製)中で150秒間静置した後、取り出して空気中で室温まで冷却した。冷却後の積層体をサンプル取りし、(B)層表面のピンホール発生の有無を確認した。ピンホール発生がない場合を○、ピンホールが発生した場合を×と評価した。
〜ホットタック性〜
実施例により得られた積層体をホットタックテスター(テスター産業(株)製)を用いて、30mm幅に切り出した積層体を(A)面、(B)層面が内側で接するように2枚を重ね、両面加熱、エアー圧力0.2MPa、シール時間2秒間で幅10mm、長さ300mmのシールバーでヒートシールを行った直後に、積層体の端につけた錘の荷重(各45g)でT剥離(180°)を行った。シール温度100〜200℃(10℃間隔)で測定し、シール部分のうち、剥離した距離を計測した。剥離距離が90mm以下であった上限温度と下限温度を差し引いた値をシール可能温度範囲とした。シール可能温度範囲が広いほどカップ成形性に優れ、シール可能温度範囲40℃以上を○、30℃以下を×と評価した。
合成例1[エチレン−α−オレフィン共重合体(a−1)の製造]
(1)粘土の変性
蒸留水6リットルに、濃塩酸150g、メチルジオレイルアミン(ライオン株式会社製(商品名)アーミンM2O)642g(1.2mol)及び合成ヘクトライト(Rockwood Additives社製(商品名)ラポナイトRD)1kgを添加させた後、60℃に昇温させてその温度を保持したまま1時間攪拌した。このスラリーを濾別後、60℃の蒸留水6リットルで2回洗浄し、85℃の乾燥機内で12時間乾燥させることにより1.4kgの有機変性粘土を得た。この有機変性粘土はジェットミル粉砕して、メジアン径を15μmとした。
(2)触媒懸濁液の調製
温度計と還流管が装着された5リットルのフラスコを窒素置換した後に(1)で得られた変性粘土500gとヘキサンを3.1リットル入れ、次いでビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド7.06g、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−tert−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド1.09g及び20%トリイソブチルアルミニウム1.4リットルを添加して60℃で3時間攪拌した。45℃まで冷却した後に上澄み液を抜き取り、4リットルのヘキサンにて5回洗浄後、ヘキサンを4リットル加えて触媒懸濁液を得た(固形重量分:11.0wt%)。
(3)エチレン−α−オレフィン共重合体(a−1)の製造
内容積540Lの重合器に、ヘキサンを145kg/時、エチレンを30kg/時、ブテン−1を1.1kg/時、水素を50NL/時およびポリマー生産量が30kg/時になるように上記(2)で調製した触媒懸濁液を連続的に供給し、全圧を3,000kPa、重合器内温を80℃に保ちながら連続的に重合反応を行った。重合器から連続的にスラリー抜き出し、未反応の水素、エチレン、ブテン−1を除去した後、分離、乾燥の工程を経てエチレン−α−オレフィン共重合体(a−1)粉末を得た。これを200℃に設定した50mm径の単軸押出機を使用して溶融混練し、ペレタイズすることでエチレン−α−オレフィン共重合体(a−1)ペレットを得た。得られたエチレン−α−オレフィン共重合体(a−1)ペレットの密度は945kg/m、MFRは35g/10分、長鎖分岐数は1,000炭素原子当り0.03個、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnは2.5であった。
合成例2[エチレン−α−オレフィン共重合体(a−2)の製造]
(1)粘土の変性
(2)触媒懸濁液の調製
合成例1と同様に実施した。
(3)エチレン−α−オレフィン共重合体(a−2)の製造
内容積540Lの重合器に、ヘキサンを145kg/時、エチレンを30kg/時、ブテン−1を0.4kg/時、水素を60NL/時およびポリマー生産量が30kg/時になるように上記(2)で調製した触媒懸濁液を連続的に供給し、全圧を3,000kPa、重合器内温を80℃に保ちながら連続的に重合反応を行った。重合器から連続的にスラリー抜き出し、未反応の水素、エチレン、ブテン−1を除去した後、分離、乾燥の工程を経てエチレン−α−オレフィン共重合体(a−2)粉末を得た。これを200℃に設定した50mm径の単軸押出機を使用して溶融混練し、ペレタイズすることでエチレン−α−オレフィン共重合体(a−2)ペレットを得た。得られたエチレン−α−オレフィン共重合体(a−2)ペレットの密度は955kg/m、MFRは38g/10分、長鎖分岐数は1,000炭素原子当り0.02個、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnは2.3であった。
合成例3[エチレン−α−オレフィン共重合体(a−3)の製造]
(1)粘土の変性
(2)触媒懸濁液の調製
合成例1と同様に実施した。
(3)エチレン−α−オレフィン共重合体(a−3)の製造
内容積540Lの重合器に、ヘキサンを145kg/時、エチレンを30kg/時、ブテン−1を1.0kg/時、水素を35NL/時およびポリマー生産量が30kg/時になるように上記(2)で調製した触媒懸濁液を連続的に供給し、全圧を3,000kPa、重合器内温を80℃に保ちながら連続的に重合反応を行った。重合器から連続的にスラリー抜き出し、未反応の水素、エチレン、ブテン−1を除去した後、分離、乾燥の工程を経てエチレン−α−オレフィン共重合体(a−3)粉末を得た。これを200℃に設定した50mm径の単軸押出機を使用して溶融混練し、ペレタイズすることでエチレン−α−オレフィン共重合体(a−3)ペレットを得た。得られたエチレン−α−オレフィン共重合体(a−3)ペレットの密度は945kg/m、MFRは11g/10分、長鎖分岐数は1,000炭素原子当り0.03個、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnは2.5であった。
合成例4[エチレン−α−オレフィン共重合体(a−4)の製造]
(1)粘土の変性
(2)触媒懸濁液の調製
合成例1と同様に実施した。
(3)エチレン−α−オレフィン共重合体(a−4)の製造
内容積540Lの重合器に、ヘキサンを145kg/時、エチレンを30kg/時、ブテン−1を1.6kg/時、水素を45NL/時およびポリマー生産量が30kg/時になるように上記(2)で調製した触媒懸濁液を連続的に供給し、全圧を3,000kPa、重合器内温を80℃に保ちながら連続的に重合反応を行った。重合器から連続的にスラリー抜き出し、未反応の水素、エチレン、ブテン−1を除去した後、分離、乾燥の工程を経てエチレン−α−オレフィン共重合体(a−4)粉末を得た。これを200℃に設定した50mm径の単軸押出機を使用して溶融混練し、ペレタイズすることでエチレン−α−オレフィン共重合体(a−4)ペレットを得た。得られたエチレン−α−オレフィン共重合体(a−4)ペレットの密度は940kg/m、MFRは35g/10分、長鎖分岐数は1,000炭素原子当り0.03個、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnは2.5であった。
合成例5[エチレン−α−オレフィン共重合体(a−5)の製造]
(1)粘土の変性
(2)触媒懸濁液の調製
合成例1と同様に実施した。
(3)エチレン−α−オレフィン共重合体(a−5)の製造
内容積540Lの重合器に、ヘキサンを145kg/時、エチレンを30kg/時、ブテン−1を0.2kg/時、水素を65NL/時およびポリマー生産量が30kg/時になるように上記(2)で調製した触媒懸濁液を連続的に供給し、全圧を3,000kPa、重合器内温を80℃に保ちながら連続的に重合反応を行った。重合器から連続的にスラリー抜き出し、未反応の水素、エチレン、ブテン−1を除去した後、分離、乾燥の工程を経てエチレン−α−オレフィン共重合体(a−5)粉末を得た。これを200℃に設定した50mm径の単軸押出機を使用して溶融混練し、ペレタイズすることでエチレン−α−オレフィン共重合体(a−5)ペレットを得た。得られたエチレン−α−オレフィン共重合体(a−5)ペレットの密度は960kg/m、MFRは35g/10分、長鎖分岐数は1,000炭素原子当り0.02個、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnは2.3であった。
合成例6[エチレン−α−オレフィン共重合体(a−6)の製造]
[変性ヘクトライトの調製]
水3リットルにエタノール3リットルと37%濃塩酸100ミリリットルを加えた後、得られた溶液にN,N−ジメチル−オクタデシルアミン330g(1.1mol)を添加し、60℃に加熱することによって、塩酸塩溶液を調製した。この溶液にヘクトライト1kgを加えた。この懸濁液を60℃で、3時間撹拌し、上澄液を除去した後、60℃の水50Lで洗浄した。その後、60℃、10−3torrで24時間乾燥し、ジェットミルで粉砕することによって、平均粒径5.2μmの変性ヘクトライトを得た。
[ポリエチレン製造触媒の調製]
前記[変性ヘクトライトの調製]で調整した変性ヘクトライト500gをヘキサン1.8リットルに懸濁させ、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.714M)2.9リットルを添加し、室温で1時間撹拌することにより、変性ヘクトライトとトリイソブチルアルミニウムの接触生成物を得た。一方、ジメチルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド6.97g(20mmol)をトルエンに溶解させたものを添加し、室温で一晩撹拌することにより、触媒スラリー(100g/L)を得た。
[マクロモノマーの製造]
内容積540リットルの重合器に、ヘキサン300リットルおよび1−ブテンを7.6リットル導入し、オートクレーブの内温を85℃に昇温した。このオートクレーブに前記ポリエチレン製造触媒を135ミリリットル添加し、エチレンガスをエチレン分圧が1.2MPaになるまで導入して重合を開始した。また、重合温度を85℃に制御した。重合中は分圧が1.2MPaに保たれるようにエチレンガスを連続的に導入した。重合開始90分後に重合器の内圧を脱圧し、マクロモノマーを得た。この重合器から抜き出したマクロモノマーのMn=10,950、Mw/Mn=2.61であり、Z=0.57であった。
[エチレン系重合体の製造]
上記で製造したマクロモノマーが含まれる内容積540リットルの重合器に、1−ブテンを0.22リットルとトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.714mol/L)0.75リットルとジフェニルメチレン(1−インデニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド 3.75mmolを導入し、オートクレーブの内温を85℃に昇温した。エチレン/水素混合ガス(水素:22,000ppm)を分圧が0.2MPaになるまで導入して重合を開始した。重合中、分圧が0.2MPaに保たれるようにエチレン/水素混合ガスを連続的に導入した。また、重合温度を85℃に制御した。重合開始90分後にオートクレーブの内圧を脱圧した後、内容物を吸引ろ過した。乾燥後、54kgのポリエチレン系樹脂が得られた。得られたポリエチレン系樹脂の密度は948kg/m、MFRは30g/10分、長鎖分岐数は1,000炭素原子当り0.15個であった。
Figure 2014124794
下記実施例および比較例で(A)層、(B)層の樹脂組成物に用いた高圧法低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンの特性を表2に示す。
Figure 2014124794
実施例1
合成例1に示したエチレン−α−オレフィン共重合体(a−1)60重量%、高圧ラジカル重合法で得られた低密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ペトロセン 360;密度919kg/m、MFR1.6g/10分)(以下、(b−1)という。)40重量%をタンブラーミキサーにて予備混合した後、シリンダー温度180℃に調整した単軸押出機((株)プラコー製、型式 PDA−50)で溶融混練、造粒し、(A)層及び(B)層に用いる樹脂組成物のペレットを得た。
上記の(A)層及び(B)層に用いる樹脂組成物を用いて、評価方法に示した方法によりネックインの測定を行った。さらに、(A)層に用いる樹脂組成物のペレットを直径90mmφのスクリューを有する単軸押出ラミネーター((株)ムサシノキカイ製)へ供給し、315℃の温度でTダイより押し出し、坪量300g/mである紙基材上にライン速度150m/分で30μmの厚さになるよう押出ラミネート成形を行った。さらに、この積層体のポリエチレン系樹脂層に対する基材層の裏側に(B)層に用いる樹脂組成物を20μmの厚さになるように同じ押出ラミネーターを用いて成形を行い、(A)層、基材層、(B)層の順に積層されてなる積層体を得た。なお、冷却ロールはセミミラーロールとし、基材に(A)層及び(B)層をラミネートする直前に、基材表面に33W・分/mの条件でコロナ放電処理を施した。この積層体を用いて、ホットタック性の測定、耐熱性の測定を行った。結果を表3に示す。
実施例2
(A)層及び(B)層に用いる樹脂組成物の配合比率を、a−1を90重量%、b−1を10重量%に変更した以外は実施例1と同様にして樹脂組成物のペレットを得た。得られたペレットを用いて、実施例1と同様にラミネート成形し評価を行った。これらの評価結果を表3に示す。
実施例3
(A)層及び(B)層に用いる樹脂組成物の配合比率を、a−1を50重量%、b−1を50重量%に変更した以外は実施例1と同様にして樹脂組成物のペレットを得た。得られたペレットを用いて、実施例1と同様にラミネート成形し評価を行った。これらの評価結果を表3に示す。
実施例4
(A)層及び(B)層に用いる樹脂組成物に含まれるエチレン−α−オレフィン共重合体としてa−1の代わりに合成例2に示したエチレン−α−オレフィン共重合体a−2を使用した以外は実施例1と同様にして樹脂組成物のペレットを得た。得られたペレットを用いて、実施例1と同様にラミネート成形し評価を行った。これらの評価結果を表3に示す。
実施例5
(A)層及び(B)層に用いる樹脂組成物に含まれるエチレン−α−オレフィン共重合体としてa−1の代わりに合成例3に示したエチレン−α−オレフィン共重合体a−3を使用した以外は実施例2と同様にして樹脂組成物のペレットを得た。得られたペレットを用いて、実施例1と同様にラミネート成形し評価を行った。これらの評価結果を表3に示す。
実施例6
(A)層及び(B)層に用いる樹脂組成物に含まれる高圧法低密度ポリエチレンとしてb−1の代わりに高圧法低密度ポリエチレンb−2(東ソー(株)製 商品名ペトロセン 213;密度918kg/m、MFR8g/10分)を使用した以外は実施例3と同様にして樹脂組成物のペレットを得た。得られたペレットを用いて、実施例1と同様にラミネート成形し評価を行った。これらの評価結果を表3に示す。
Figure 2014124794
比較例1
(A)層及び(B)層に用いる樹脂組成物に含まれるエチレン−α−オレフィン共重合体としてa−1の代わりに重合例4に示したエチレン−α−オレフィン共重合体a−4を使用した以外は実施例1と同様にして樹脂組成物のペレットを得た。得られたペレットを用いて、実施例1と同様にラミネート成形し評価を行った。これらの評価結果を表4に示す。
得られた積層体は、ピンホールが発生し、耐熱性に劣った。
比較例2
(A)層及び(B)層に用いる樹脂組成物に含まれるエチレン−α−オレフィン共重合体としてa−1の代わりに重合例5に示したエチレン−α−オレフィン共重合体a−5を使用した以外は実施例1と同様にして樹脂組成物のペレットを得た。得られたペレットを用いて、実施例1と同様にラミネート成形し評価を行った。これらの評価結果を表4に示す。
得られた積層体は、シール可能温度範囲が狭く、ホットタック性に劣った。
比較例3
(A)層及び(B)層に用いる樹脂組成物に含まれる高圧法低密度ポリエチレン(b)としてb−1の代わりに高圧法低密度ポリエチレンb−3(東ソー(株)製 商品名ペトロセン 212;密度919kg/m、MFR13g/10分)を使用した以外は実施例1と同様にして樹脂組成物のペレットを得た。得られたペレットを用いて、実施例1と同様にラミネート成形し評価を行った。これらの評価結果を表4に示す。
得られた(A)層及び(B)層に用いる樹脂組成物は、ネックインが大きく、ラミネート加工性に劣るものであった。
比較例4
(A)層及び(B)層に用いる樹脂組成物に高圧法低密度ポリエチレン(b)を配合せず、配合比率をa−2を100重量%に変更した以外は実施例1と同様にして樹脂組成物のペレットを得た。得られたペレットを用いて、実施例1と同様にラミネート成形し評価を行った。これらの評価結果を表4に示す。
(A)層及び(B)層に用いる樹脂組成物は、ネックインが大きく、ラミネート加工性に劣るものであった。また、得られた積層体は、シール可能温度範囲が狭く、ホットタック性にも劣った。
比較例5
(A)層及び(B)層に用いる樹脂組成物にエチレン−α−オレフィン共重合体(a)を配合せず、配合比率をb−1を100重量%に変更した以外は実施例1と同様にして樹脂組成物のペレットを得た。得られたペレットを用いて、実施例1と同様にラミネート成形し評価を行った。これらの評価結果を表4に示す。
(A)層及び(B)層に用いる樹脂組成物は高速延展性に劣り、積層体を得ることができず、ラミネート加工性に劣った。
比較例6
(A)層及び(B)層に用いる樹脂組成物の配合比率をa−1を60重量%、b−1を25重量%、高密度ポリエチレン(C)(東ソー(株)製 商品名ニポロンハード 商品名ニポロンハード 1000;密度966kg/m、MFR20g/10分)(以下、(c−1)という。)を15重量%に変更した以外は実施例1と同様にして樹脂組成物のペレットを得た。得られたペレットを用いて、実施例1と同様にラミネート成形し評価を行った。これらの評価結果を表4に示す。
得られた積層体は、シール可能温度範囲が狭く、ホットタック性に劣るものであった。
比較例7
(A)層及び(B)層に用いる樹脂組成物にエチレン−α−オレフィン共重合体(a)を配合せず、配合比率をb−1を40重量%、c−1を60重量%に変更した以外は実施例1と同様にして樹脂組成物のペレットを得た。得られたペレットを用いて、実施例1と同様にラミネート成形し評価を行った。これらの評価結果を表4に示す。
得られた(A)層及び(B)層に用いる樹脂組成物は、ネックインが大きく、ラミネート加工性に劣るものであった。また、得られた積層体は、シール可能温度範囲が狭く、ホットタック性に劣るものであった。
比較例8
(A)層及び(B)層に用いる樹脂組成物に含まれるエチレン−α−オレフィン共重合体としてa−1の代わりに重合例5に示したエチレン−α−オレフィン共重合体a−6を使用した以外は実施例1と同様にして樹脂組成物のペレットを得た。得られたペレットを用いて、実施例1と同様にラミネート成形し評価を行った。これらの評価結果を表4に示す。
得られた(B)層に用いる樹脂組成物は、高速延展性に劣り、薄膜成形時のラミネート加工性がやや劣るものであった。
Figure 2014124794

Claims (6)

  1. 少なくとも(A)層/基材層/(B)層の構成をこの順に有する積層体であって、(A)層及び(B)層が密度945kg/m以上955kg/m以下、JIS K6922−1(1998年)に記載された方法で測定したメルトフローレート(以下MFRと記す)10g/10分以上50g/10分以下であるエチレンと炭素数3から6のα−オレフィンを共重合してなり、長鎖分岐を有するエチレン−α−オレフィン共重合体(a)50〜90重量%及び密度915kg/m以上930kg/m以下、MFR1g/10分以上10g/10分以下の高圧法低密度ポリエチレン(b)10〜50重量%((a)と(b)の合計は100重量%)を含み、下記要件(I)〜(II)を満たす樹脂組成物から構成される積層体。
    (I)密度932kg/m以上953kg/m以下
    (II)MFR3g/10分以上43g/10分以下
  2. エチレン−α−オレフィン共重合体(a)が、下記要件(i)を満たすことを特徴とする、請求項1に記載の積層体。
    (i)炭素数6以上の長鎖分岐を、炭素数1,000個あたり0.01〜0.04個有する
  3. エチレン−α−オレフィン共重合体(a)が、要件(ii)を満たすことを特徴とする、請求項1又は2に記載の積層体。
    (ii)重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnが2〜5
  4. エチレン−α−オレフィン共重合体(a)が、下記要件(iii)〜(v)を満たすマクロモノマーの存在下に、あるいは該マクロモノマーの合成と同時に、エチレン、マクロモノマーおよび任意に炭素数3〜6のオレフィンを重合することにより得られるポリエチレン系重合体であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の積層体。
    (iii)エチレンを重合、又はエチレンと炭素数3以上のオレフィンを共重合して得られ、末端にビニル基を有する
    (iv)数平均分子量(Mn)が2,000以上
    (v)重量平均分子量(Mw)と数平均分子量の比Mw/Mnが2〜5
  5. (A)層/基材層/(B)層を積層する方法が、押出ラミネート成形法であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の積層体。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の積層体を用いた耐熱カップ。
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