JP2011018939A - Nandフラッシュ・メモリを製造するための単一トンネル・ゲート酸化方法 - Google Patents

Nandフラッシュ・メモリを製造するための単一トンネル・ゲート酸化方法 Download PDF

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Abstract

【課題】選択トランジスタと浮遊ゲート・メモリ・トランジスタのゲート酸化物(24)を単一の酸化工程で製造する、NANDメモリ・ストリングを製造するための単一トンネル・ゲート酸化方法を開示する。
【解決手段】選択ゲート・トランジスタと浮遊ゲート・メモリ・トランジスタは、85Å〜105Åの厚さの酸化物を有する。単一トンネル・ゲート手法の場合は、NANDメモリ・ストリングを適切に機能させるためにミデアムドープ・ソース/ドレイン領域(62)注入条件を慎重に選択する必要がある。1つの実施形態において、ミデアムドープ・ソース/ドレイン領域は、ヒ素が1013〜1014/cm2の濃度にドープされる。
【選択図】図6

Description

(技術分野)
本発明は、一般に、集積回路及びそのような回路の製造方法に関し、より詳しくは、NANDフラッシュ・メモリ・セル及びその製造方法に関する。
(背景技術)
NAND構造メモリ・ストリングは、2つの選択ゲート間に直列に接続されたいくつかの浮遊ゲート・メモリ・トランジスタ(一般に、8個か16個)を有する。メモリ・トランジスタが占める領域は、コア領域と呼ばれる。メモリ・トランジスタの制御ゲートは、NANDメモリ・アレイを構成するために、ワード線によって他の並列NANDストリングに接続されている。並列NANDストリングは、コア・フィールド酸化物領域によって分離される。
NANDフラッシュ・メモリ・ストリングは、一般に、シリコン基板上に選択トランジスタのゲート酸化物を最初に熱的に成長させる「デュアル・ゲート酸化」法を使用して製造される。次に、選択トランジスタ領域が、フォトレジストでマスクされ、コア領域内のゲート酸化物が、一般にバッファ酸化物エッチング・プロセスでエッチングされてシリコン基板が露出される。
次に、フォトレジストが除去され、2つの選択ゲート・トランジスタと16の浮遊ゲート・メモリ・トランジスタの最終ゲート酸化物厚さを定義するゲート酸化物が熱的に成長される。図1に示したように、この手法により、150Å〜180Åの厚さの選択トランジスタ・ゲート酸化物と、85Å〜105Åの厚さのメモリ・トランジスタ・ゲート酸化物とが得られる。
図1は、選択トランジスタ領域12とコア・トランジスタ領域13を示す。Pウェル11の上に成長された酸化物層14は、選択トランジスタ領域12の方がコア・トランジスタ領域13よりも厚い。選択ゲート酸化物は、ソース/ドレイン領域17とPウェル11の間のバンド間トンネル電流を防ぐために、コア・トンネル酸化物よりも厚い。選択ゲート酸化物が厚くても選択ゲートが機能するように、ソース/ドレイン領域17にドープしなければならない。
特開平07−302499号公報 特開平10−041487号公報 特開平11−330424号公報 国際公開第99/054931号
選択ゲート酸化物をコア・トンネル酸化物より厚くすると、NANDストリングの製造工程がいくつか増える。処理工程が増えると、デバイスの製造コストが高くなる。さらに、そのような工程の増加はNANDストリングの信頼性に悪影響を及ぼすことがある。例えば、マスク工程とエッチング工程によって、NANDストリングの表面に汚染物質が残ったり、NANDストリングに欠陥が生じたりすることがある。そのような汚染物質と欠陥は、コア・トンネル酸化物を劣化させ、その結果、メモリ・セルの信頼性を低下させることがある。また、マスク工程は、マスク工程に固有の不正確さによって、選択ゲート領域の他に誤差領域をマスクすることが必要になるので、NANDストリングに必要なスペースの量が増える。
(発明の開示)
本発明は、選択トランジスタ及び浮遊ゲート・メモリ・トランジスタのゲート酸化物を1つの酸化工程で製造する、NANDメモリ・ストリングを製造するための単一トンネル・ゲート酸化方法を提供する。この酸化方法は、乾式、湿式、又は窒化のいずれでもよい。2つのゲート・トランジスタと浮遊ゲート・メモリ・トランジスタは、同じ厚さ(85Å〜105Å)の酸化物を有する。1つの実施形態において、ミデアムドープされるソース/ドレイン領域は、ヒ素が1013〜1014/cm2の濃度にドープされる。
この方法から、NANDメモリ・アレイを製造するためのいくつかの利点が得られる。第1に、マスク工程がなくなり、熱サイクルがなくなり、それに関連するクリーニング工程がなくなるため、デバイスの製造が簡略化され、それによりコストが下がり、より小さいデバイスの製造が可能になる。また、マスク工程がなくなるため、ストリングを分離するコア・フィールド酸化物層の分離特性が改善され、それによりプログラム障害が減少しかつコア・メモリ・セル内の浮遊ゲートと制御ゲートの間の結合率が向上する。さらに、単一トンネル・ゲート酸化方法によって形成されたNANDストリングは、より低い電圧でプログラム又は消去することができる。さらに、単一トンネル・ゲート酸化方法に使用されるミデアムドープされたソース/ドレイン領域により、バンド間トンネル電流が減少する。
図1は従来技術によるNANDフラッシュ・メモリの選択ゲートとメモリ・セルを示す図である。 図2は本発明の実施形態の製造における段階を示すNANDフラッシュ・メモリの選択ゲートとメモリ・セルの簡略化した断面図(その1)である。 図3は本発明の実施形態の製造における段階を示すNANDフラッシュ・メモリの選択ゲートとメモリ・セルの簡略化した断面図(その2)である。 図4は本発明の実施形態の製造における段階を示すNANDフラッシュ・メモリの選択ゲートとメモリ・セルの簡略化した断面図(その3)である。 図5は本発明の実施形態の製造における段階を示すNANDフラッシュ・メモリの選択ゲートとメモリ・セルの簡略化した断面図(その4)である。 図6は本発明の実施形態の製造における段階を示すNANDフラッシュ・メモリの選択ゲートとメモリ・セルの簡略化した断面図(その5)である。 図7は本発明の実施形態の製造における段階を示すNANDメモリ・アレイの一部分の簡略化した平面図(その1)である。 図8は本発明の実施形態の製造における段階を示すNANDメモリ・アレイの一部分の簡略化した平面図(その2)である。 図9は本発明の実施形態の製造における段階を示すNANDメモリ・アレイの一部分の簡略化した平面図(その3)である。 図10は本発明の実施形態の製造における段階を示すNANDメモリ・アレイの一部分の簡略化した平面図(その4)である。 図11は本発明の実施形態の製造における段階を示すNANDメモリ・アレイの一部分の簡略化した平面図(その5)である。
(発明を実施するための最良の形態)
図2は、製造の初期の段階における単一NANDストリングの選択ゲート領域12とコア・メモリ・セル13を示す、本発明の実施形態の簡略化した断面図である。また、NANDストリングは、示されたコア・メモリ・セル13と直列に接続されたいくつか以上のコア・メモリ・セルと、そのいくつか以上のコア・メモリ・セルの最後のセルに接続された付加的な選択ゲートとを含む。さらに、NANDストリングは、NANDアレイを形成するために、他のいくつかの並列なNANDストリングに接続される。示した部分は、基板20に形成されたNウェル21に形成されたPウェル22を含む。NANDアレイ全体は、Pウェル22内に形成される。Pウェル22の上に酸化物層24が形成される。酸化物層24の領域12の部分は、選択ゲート酸化物である。酸化物層24の領域13の部分は、メモリ・セル13のトンネル酸化物である。選択ゲート酸化物とトンネル酸化物は、同じ厚さである。1つの実施形態において、酸化物層24は、厚さが85Å〜105Åである。酸化物層24は、湿式酸化又は乾式酸化によって形成されてもよく、湿式酸化か乾式酸化の後の窒化物形成によって形成されてもよい。図7は、NANDアレイの一部分の平面図を示す。酸化物層24は、基板20内のPウェル(図示せず)の上に形成されている。NANDストリング間のコア・フィールド酸化物層が定義された後で、酸化物層24が形成される。
次に、図3を参照して、酸化物層24の上に、第1のポリシリコン層30が形成される。第1のポリシリコン層30は、メモリ・セル・トランジスタの浮遊ゲートを構成する。図8は、NANDアレイの一部分の平面図を示す。図3の第1のポリシリコン層30は、NANDストリング80間にメモリ・セルの浮遊ゲートを定義する領域82をマスクすることによって形成される。第1のポリシリコン層をエッチングし、コア・フィールド酸化物層の上に形成されたポリシリコンを除去し、次に、チャネル・ストップの注入を行う。1つの実施形態において、第1のポリシリコン層30は化学気相成長により形成される。
次に図4に移り、第1のポリシリコン層30の上に分離層40が形成される。分離層40は、コア・メモリ・セルの浮遊ゲートを、コア・メモリ・セルの制御ゲートから分離する。1つの実施形態において、分離層40は、最初に高温の化学気相成長酸化によって酸化物層を成膜し、次に窒化物層を成膜し、次に窒化物層の上に湿式酸化によって第2の酸化物層を成膜することによって形成されたONO層である。別の実施形態においては、分離層40は、窒化物層である。図8は、分離層90がNANDアレイの上に形成されたNANDアレイの一部分の上面図を示す。
図5は、分離層40上に第2のポリシリコン層50を形成した後の選択ゲートとコア・メモリ・セルを示す。第2のポリシリコン層50は、選択トランジスタとコア・メモリ・トランジスタの制御ゲートを定義する。また、第2のポリシリコン層50は、様々なNANDストリングの選択ゲートを接続する選択線と、様々なNANDストリングのコア・メモリ・セルを接続するワード線とを定義する。図10は、NANDアレイ上に第2のポリシリコン層100を形成した後のNANDアレイの一部分の平面図を示す。
図6は、酸化物層24、第1のポリシリコン層30、分離層40及び第2のポリシリコン層50の部分60をエッチングしてPウェル22を露出させた後の図5の構造を示す。次に、選択トランジスタ12とコア・メモリ・セル13とによって共用されるミデアムドープ・ソース/ドレイン領域にイオン注入される。NANDフラッシュ・セルのプログラム動作を劣化させ選択ゲート酸化物を破損させる可能性のあるバンド間トンネル電流を最少にするために、ミデアムドープ・ソース/ドレイン領域への注入条件を慎重に選択する必要である。
1つの実施形態において、ミデアムドープ・ソース/ドレイン領域は、ヒ素が1013〜1014/cm2の濃度にドープされる。NANDストリングは、コア・メモリ・セルの数に1を加えたものと等しい数のミデアムドープ・ソース/ドレイン領域を有する。例えば、NANDストリングが、16のコア・メモリ・セルと2つの選択トランジスタを有する場合、NANストリングは、共用する17のミデアムドープ・ソース/ドレイン領域62を有する。
図11は、第2のポリシリコン層、分離層、第1のポリシリコン層及び酸化物層をエッチングした後のNANDアレイの一部分の平面図を示す。ミデアムドープ・ソース/ドレイン領域112は、層がエッチングされた場所を示す。残りの第2のポリシリコン層は、選択トランジスタの制御ゲートとメモリ・セルを構成する。さらに、残りの第2のポリシリコン層は、選択線110とワード線114とを形成する。
1つの実施形態において、選択トランジスタ12の第1のポリシリコン層30A(図6)と第2のポリシリコン層50Aとは短絡され、第1のポリシリコン層30に形成された浮遊ゲート及び第2のポリシリコン層50に形成された制御ゲートの代わりに単一の制御ゲートが形成される。
このNANDメモリ・アレイの製造方法によって、いくつかの利点が得られる。単一トンネル・ゲート酸化方法によって、1つの主なマスク工程、1つの熱サイクル、及びそれと関連するクリーニング及びエッチング工程がなくなる。従って、単一トンネル・ゲート酸化方法を使用することにより、前述したデュアル・ゲート酸化方法を使用する場合よりNANDメモリ・アレイの製造コストが低減される。また、マスク工程をなくすことによりマスク工程に必要な許容スペースがなくなり、従って、単一トンネル・ゲート酸化手法を使用することにより、より小さいNANDストリングを製造することができる。
また、マスク工程とそれに関連するバッファ酸化物エッチング工程をなくすことにより、NANDストリング間の絶縁性能が高まる。前述したように、アレイ内のNANDストリングは、コア・フィールド酸化物層によって分離されている。デュアル・ゲート方法で厚い選択ゲート酸化物を形成するためにコア領域がシリコンにエッチバックされるとき、コア・フィールド酸化物の一部分も除去される。コア・フィールド酸化物が薄いほど、NANDストリング間の絶縁完全性が低下することになる。絶縁完全性が低下すると、ストリングのプログラム障害に対して弱くなることがある。
選択ゲート酸化物が薄いほど選択ゲート・トランジスタの駆動電流が多くなるので、単一トンネル・ゲート酸化方法を使用して製造されるNANDストリングの選択ゲートを活動化するために必要なしきい値電圧は低くなる。さらに、単一トンネルゲート酸化方法によって形成されたNANDメモリ・アレイは、インハウス耐性循環試験、読み取り障害試験、及びデータ保持試験によって実証されるように、デュアル・ゲート方法によって形成されるNANDメモリ・アレイよりも信頼性と耐久性が高い。
さらに、単一トンネル・ゲート酸化方法によって形成されたNANDメモリ・アレイにより、浮遊ゲートと制御ゲートの結合率が改善される。この結合率は、浮遊ゲートと制御ゲートとを分離する誘電体層の両側の電圧降下を指す。制御ゲートに電圧が印加されたとき、浮遊ゲートと制御ゲートとを分離する誘電体層の両側に第1の電圧降下があり、トンネル酸化物層の両側に第2の電圧降下がある。トンネル酸化物層の電圧降下によって、プログラム又は消去の際にトンネル酸化物を通るトンネル電流の量が決まるので、トンネル酸化物層の両側の電圧降下を最小にし、浮遊ゲートと制御ゲートを分離する誘電体層の両側の電圧降下を最小にすることが望ましい。トンネル酸化物を通るトンネル電流の量が増えるほど、メモリ素子をプログラム又は消去するのに必要な時間が短くなる。トンネル・ゲート酸化方法におけるマスク工程とそれに関連する工程がなくなると、NANDストリングを分離するコア・フィールド酸化物のプロファイルが変化し、これは、結合率に好ましい影響を与え、電圧が一定の場合にメモリ素子をプログラム又は消去するのに必要な時間が短くなる。
本発明を、いくつかの好ましい実施形態において説明したが、当業者に明らかな他の実施形態も本発明の範囲内である。従って、本発明の適用範囲は特許請求の範囲によってのみ定義されるものである。

Claims (10)

  1. 基板(20)と、
    第1の導電型の第1の領域(22)と、
    前記第1の領域上に形成された選択ゲート酸化物層(24)と、
    前記第1の領域に形成された第2の導電型の第2の領域(62)とを含む選択トランジスタ(12)と、
    前記第1の領域に形成されたメモリ・セル酸化物層(24)と、
    前記第1の領域に形成された第2の導電型の第3の領域(62)とを含むメモリ・セル(13)とを有し、
    前記選択ゲート酸化物層とメモリ・セル酸化物層とが、実質的に同じ厚さである、NANDフラッシュ・メモリ。
  2. 前記メモリ・セルは、 前記メモリ・セル酸化物層の上方に形成された浮遊ゲート(30)と、
    前記浮遊ゲートの上方に形成された分離層(40)と、
    前記分離層の上に形成された制御ゲート(50)とをさらに有する、請求項1に記載のNANDフラッシュ・メモリ。
  3. 前記分離層(40)は、 前記浮遊ゲートと接する第1の酸化物層(40)と、
    前記第1の酸化物層の上方に形成された窒化物層(40)と、 前記窒化物層の上方に形成された第2の酸化物層(40)とを有する、請求項2に記載のNANDフラッシュ・メモリ。
  4. 前記選択トランジスタは、制御ゲート(50)をさらに有する、請求項1に記載のNANフラッシュ・メモリ。
  5. 前記第2の領域(62)及び前記第3の領域(62)は、1013乃至1014/cm2の濃度にドープされている、請求項1に記載のNANDフラッシュ・メモリ。
  6. 前記選択ゲート酸化物層(24)及び前記メモリ・セル酸化物層(24)は、85Å乃至105Åの厚さを有する、請求項1に記載のNANDフラッシュ・メモリ。
  7. 基板(20)と、 前記基板(22)に形成された第1の導電型の第1の領域と、
    前記第1の領域に形成された複数のNANDストリングであって、前記各NANDストリングは2つの選択トランジスタを含み、前記各選択トランジスタは選択トランジスタ酸化物層(24)を含む前記NANDストリングと、
    前記2つの選択トランジスタ間に直列に接続された複数のメモリ・セルであって、前記各メモリ・セルがトンネル酸化物層(24)を含み、前記各選択トランジスタ酸化物層と前記各トンネル酸化物層とが実質的に同じ厚さである前記複数のメモリ・セルと、 前記メモリ・セルと、
    選択ゲート又は追加のメモリ・セルとにより共用される第2の導電型の複数の領域(62)とを含み、
    第1のNANDストリングの第1のメモリ・セルが、ワード線(114)により第2のNANDストリングの第1のメモリ・セルに接続された、NANDフラッシュ・メモリ・アレイ。
  8. 前記第1のNANDストリングが、コア・フィールド酸化物層(82)により第2のNANDストリングから分離された、請求項7に記載のNANDフラッシュ・メモリ。
  9. 半導体基板(20)の上方に第1の導電型の第1の領域(22)を形成する工程と、
    選択ゲート領域及びメモリ・セル領域の第1の導電型の前記第1の領域の上に第1の酸化物層(24)を形成する工程と、
    前記第1の領域に、前記選択ゲート領域及び前記メモリ・セル領域により共用される第2の導電型の第2の領域(62)を形成する工程とを含み、
    前記選択ゲート領域内の前記第1の酸化物層の厚さが、前記メモリ・セル領域内の前記第1の酸化物層の厚さと実質的に同じであることを特徴とする、NANDフラッシュ・メモリの製造方法。
  10. 前記第1の酸化物層の上方に第1のポリシリコン層(30)を形成する工程と、 第1のポリシリコン層の上方に分離層(40)を形成する工程と、
    前記分離層の上方に第2のポリシリコン層(50)を形成する工程とをさらに有する、請求項9に記載の方法。
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