JP2011018908A - 基板処理装置および半導体装置の製造方法 - Google Patents

基板処理装置および半導体装置の製造方法 Download PDF

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秀宏 柳川
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Abstract

【課題】ボートの個体差によるウエハ移載ミスの発生を防止する。
【解決手段】第一ボート21Aと第二ボートが使用されるCVD装置において、ボートが載置された状態でウエハ移載装置によるウエハのボートへの移載作業が実施される待機台33の上面にはボート識別手段のボート検出装置72の有無検出部73と識別用検出部74とが設置され、第一ボート21Aには有無検出部73と識別用検出部74とに対応した被検出子79、79が突設され、第二ボートには有無検出部73に対応した被検出子79だけが突設される。ボート検出装置72が両被検出子79、79を検出した時は第一ボート21Aと、一方の被検出子79だけを検出した時は第二ボートと判断される。第一ボート21Aか第二ボートかを識別することで、個体差に対応した条件でウエハ移載装置を制御できるため、ウエハ移載ミスの発生を防止できる。
【選択図】図12

Description

本発明は、基板処理装置および半導体装置の製造方法に関し、特に、二台以上のボートが使用される基板処理装置に係り、例えば、半導体装置の製造方法において半導体素子を含む半導体集積回路が作り込まれる基板としての半導体ウエハ(以下、ウエハという。)にアニール処理や酸化膜形成処理、拡散処理および成膜処理等の熱処理を施すのに利用して有効なものに関する。
半導体装置の製造方法においてウエハにアニール処理や酸化膜形成処理、拡散処理および成膜処理等の熱処理を施すのにバッチ式縦形ホットウオール形熱処理装置 (furnace 。以下、熱処理装置という。)が、広く使用されている。
従来のこの種の熱処理装置として、特許文献1に記載されているものがある。この熱処理装置においては、ウエハ移載装置とプロセスチューブの真下空間との間にボート交換装置が配置されており、ボート交換装置の回転テーブルの上に一対(二台)のボートが載置され、回転テーブルを中心として一対のボートが180度ずつ回転することにより、未処理のボートと処理済みのボートとが交換されるようになっている。すなわち、この熱処理装置においては、ウエハ群を保持した一方のボート(第一ボート)がプロセスチューブの処理室で処理されている間に、他方のボート(第二ボート)に新規のウエハをウエハ移載装置によって移載されるようになっている。
特許第2681055号公報
しかしながら、二台以上のボートを使用する熱処理装置においては、例えば、エッチング処理による洗浄後の各ボート等には個体差が有るため、ウエハ移載装置によるウエハのボートへの移載作業に際して移載ミスが発生するという問題点があることが本発明者によって明らかにされた。
本発明の目的は、各ボートの個体差を起因とする基板移載ミスの発生を防止することができる基板処理装置および半導体装置の製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、各ボートの位置を認識することができる基板処理装置および半導体装置の製造方法を提供することにある。
前記した課題を解決するための手段のうち代表的なものは、次の通りである。
(1)処理室を形成したプロセスチューブと、前記処理室に出入りして複数枚の基板を搬入搬出する少なくとも二台のボートと、前記複数枚の基板を前記ボートに対して前記処理室の外部において授受する基板移載装置とを備えている基板処理装置であって、前記各ボートを載置する複数のステージを有し、該複数のステージそれぞれに前記各ボートを識別するボート識別手段を備えている基板処理装置。
(2)処理室を形成したプロセスチューブと、前記処理室に出入りして複数枚の基板を搬入搬出する少なくとも二台のボートと、前記複数枚の基板を前記ボートに対して前記処理室の外部において授受する基板移載装置とを備えた基板処理装置を使用し、複数のステージそれぞれに備えられたボート識別手段が載置された各ボートを識別する工程と、
その検出結果に基づき前記基板を処理する工程と、
を含む半導体装置の製造方法。
前記した手段によれば、ボート識別手段によるボートの識別結果によって基板移載装置を制御することができるため、各ボートの個体差を起因とする移載ミスの発生を防止することができる。また、ボート識別手段によるボートの識別結果によってプロセスチューブによる処理も制御することができる。さらに、ボート識別手段を複数箇所に配置することにより、各ボートの位置を認識することができる。
本発明の一実施の形態であるCVD装置を示す平面断面図である。 その斜視図である。 処理済みボートの冷却中を示す斜視図である。 同じく平面断面図である。 熱処理ステージの処理中を示す縦断面図である。 同じくボート搬出後を示す縦断面図である。 ボート移送装置を示す斜視図である。 クリーンユニットを示す斜視図である。 ウエハ移載装置を示す各側面図であり、(a)は短縮時を示し、(b)は伸長時を示している。 制御システムを示すブロック図である。 ボート識別手段を示しており、(a)は待機台の平面図、(b)は(a)のb−b線に沿う正面断面図、(c)は(b)のc−c線に沿う断面図、(d)はボートのベースの底面図、(e)は(d)のe−e線に沿う断面図である。 その作用を説明するための図であり、(a)は一部切断正面図、(b)は(a)のb−b線に沿う平面断面図、(c)は(a)のc−c線に沿う断面図、(d)は(a)のd−d線に沿う断面図である。
以下、本発明の一実施の形態を図面に即して説明する。
本実施の形態において、本発明に係る基板処理装置は、バッチ式縦形ホットウオール形拡散・CVD装置(以下、単にCVD装置という。)として構成されており、本発明に係る半導体装置の製造方法の基板処理方法は、ウエハにアニール処理や酸化膜形成処理、拡散処理および成膜処理等の拡散・CVD処理を施すのに使用される拡散・CVD方法(以下、単にCVD方法という。)として構成されている。
図1に示されているように、本実施の形態に係るCVD方法が実施されるCVD装置1は、平面視が長方形の直方体の箱形状に形成された筐体2を備えている。筐体2の左側側壁の後部(左右前後は図1を基準とする。)にはクリーンユニット3が設置されており、クリーンユニット3は筐体2の内部にクリーンエアを供給するようになっている。筐体2の内部における後部の略中央には熱処理ステージ4が設定され、熱処理ステージ4の左脇の前後には空のボートを仮置きして待機させる待機ステージ(以下、待機ステージという。)5および処理済みボートを仮置きして冷却するステージ(以下、冷却ステージという。)6が設定されている。筐体2の内部における前部の略中央にはウエハローディングステージ7が設定されており、その手前にはポッドステージ8が設定されている。ウエハローディングステージ7の左脇にはノッチ合わせ装置9が設置されている。以下、各ステージの構成を順に説明する。
図5および図6に示されているように、熱処理ステージ4の上部には石英ガラスが使用されて下端が開口した円筒形状に一体成形されたプロセスチューブ11が、中心線が垂直になるように縦に配されている。プロセスチューブ11の筒中空部はボートによって同心的に整列した状態に保持された複数枚のウエハが搬入される処理室12を形成しており、プロセスチューブ11の下端開口は被処理基板としてのウエハを出し入れするための炉口13を構成している。したがって、プロセスチューブ11の内径は取り扱うウエハの最大外径よりも大きくなるように設定されている。
プロセスチューブ11の下端面はマニホールド14の上端面にシールリング15を挟んで当接されており、マニホールド14が筐体2に支持されることにより、プロセスチューブ11は垂直に支持された状態になっている。マニホールド14の側壁の一部には排気管16が処理室12に連通するように接続されており、排気管16の他端は処理室12を所定の真空度に真空排気するための真空排気装置(図示せず)に接続されている。マニホールド14の側壁の他の部分にはガス導入管17が処理室12に連通するように接続されており、ガス導入管17の他端は原料ガスや窒素ガス等のガスを供給するためのガス供給装置(図示せず)に接続されている。
プロセスチューブ11の外部にはヒータユニット18がプロセスチューブ11を包囲するように同心円に設備されており、ヒータユニット18は筐体2に支持されることにより垂直に据え付けられた状態になっている。ヒータユニット18は処理室12内を全体にわたって均一に加熱するように構成されている。
熱処理ステージ4におけるプロセスチューブ11の真下には、プロセスチューブ11の外径と略等しい円盤形状に形成されたキャップ19が同心的に配置されており、キャップ19は送りねじ機構によって構成されたエレベータ20によって垂直方向に昇降されるようになっている。キャップ19は中心線上にボート21を垂直に立脚して支持するように構成されている。
本実施の形態において、ボート21は二台が交互にキャップ19に乗せられて支持され、プロセスチューブ11に搬入搬出されるようになっている。二台のボート21、21は設計的には同一に構成されているが、例えば、加工誤差や組立誤差およびエッチング処理による洗浄等による個体差を備えている。但し、二台のボート21、21は設計的には同一に構成されているので、二台のボートを区別して説明する必要がある場合を除いて、一方を代表として説明する。
図5および図6に示されているように、ボート21は上下で一対の端板22および23と、両端板22、23間に架設されて垂直に配設された複数本(本実施の形態では三本)の保持部材24とを備えており、各保持部材24に長手方向に等間隔に配されて互いに同一平面内において開口するようにそれぞれ刻設された複数条の保持溝25間にウエハWを挿入されることにより、複数枚のウエハWを水平にかつ互いに中心を揃えた状態に整列させて保持するように構成されている。ボート21の下側端板23の下には断熱キャップ部26が形成されており、断熱キャップ部26の下面には断熱キャップ部26の外径よりも小径の円柱形状に形成された支柱27が垂直方向下向きに突設されている。断熱キャップ部26の下面における支柱27の下面には後記するボート移送装置のアームが挿入されるスペースが形成されており、支柱27の下面における外周辺部によってアームを係合するための係合部28が構成されている。
図1に示されているように、待機ステージ5と冷却ステージ6との間にはボート21を熱処理ステージ4と待機ステージ5および冷却ステージ6との間で移送するボート移送装置30が設備されている。図7に示されているように、ボート移送装置30はスカラ形ロボット(selective compliance assembly robot arm 。SCARA)によって構成されており、水平面内で約90度ずつ往復回動する一対の第一アーム31および第二アーム32を備えている。第一アーム31および第二アーム32はいずれも円弧形状に形成されており、ボート21の支柱27の外側に挿入された状態で断熱キャップ部26の係合部28に下から係合することにより、ボート21全体を垂直に支持するようになっている。
図1および図7に示されているように、待機ステージ5にはボート21を垂直に支持する待機台33が設置されており、第一アーム31はボート21を待機台33と熱処理ステージ4のキャップ19との間で移送するように構成されている。冷却ステージ6には冷却台34が設置されており、第二アーム32はボート21を冷却台34と熱処理ステージ4のキャップ19との間で移送するように構成されている。
図1に示されているように、筐体2内にクリーンエア35を供給するクリーンユニット3はクリーンエア35を待機ステージ5および冷却ステージ6に向けて吹き出すように構成されている。すなわち、図8に示されているように、クリーンユニット3はクリーンエア35を吸い込む吸込ダクト36を備えており、吸込ダクト36の下端部には吸込ファン37が設置されている。吸込ファン37の吐出口側には吹出ダクト38が前後方向に延在するように長く敷設されており、吹出ダクト38の筐体2の内側面における吸込ダクト36の前後の両脇にはクリーンエア35を待機ステージ5および冷却ステージ6にそれぞれ向けて吹き出す吹出口39、39が大きく開設されている。
他方、図1に示されているように、筐体2の内部における後側の右隅には排気用ファン40が設置されており、排気用ファン40はクリーンユニット3の吹出口39、39から吹き出されたクリーンエア35を吸い込んで筐体2内の外部に排出するようになっている。
図1〜図4に示されているように、ウエハローディングステージ7にはスカラ形ロボットによって構成されたウエハ移載装置41が設置されており、ウエハ移載装置41はウエハWをポッドステージ8と待機ステージ5との間で移送してポッドとボート21との間で移載するように構成されている。
すなわち、図9に示されているように、ウエハ移載装置41はベース42を備えており、ベース42の上面にはロータリーアクチュエータ43が設置されている。ロータリーアクチュエータ43の上には第一リニアアクチュエータ44が設置されており、ロータリーアクチュエータ43は第一リニアアクチュエータ44を水平面内で回転させるように構成されている。第一リニアアクチュエータ44の上には第二リニアアクチュエータ45が設置されており、第一リニアアクチュエータ44は第二リニアアクチュエータ45を水平移動させるように構成されている。第二リニアアクチュエータ45の上には取付台46が設置されており、第二リニアアクチュエータ45は取付台46を水平移動されるように構成されている。取付台46にはウエハWを下から支持するツィーザ47が複数枚(本実施の形態においては五枚)、等間隔に配置されて水平に取り付けられている。図1〜図4に示されているように、ウエハ移載装置41は送りねじ機構によって構成されたエレベータ48によって昇降されるようになっている。
ポッドステージ8にはウエハWを搬送するためのキャリア(ウエハ収納容器)としてのFOUP(front opning unified pod。以下、ポッドという。)50が一台ずつ載置されるようになっている。ポッド50は一つの面が開口した略立方体の箱形状に形成されており、開口部にはドア51が着脱自在に装着されている。ウエハのキャリアとしてポッドが使用される場合には、ウエハが密閉された状態で搬送されることになるため、周囲の雰囲気にパーティクル等が存在していたとしてもウエハの清浄度は維持することができる。したがって、CVD装置が設置されるクリーンルーム内の清浄度をあまり高く設定する必要がなくなるため、クリーンルームに要するコストを低減することができる。そこで、本実施の形態に係るCVD装置においては、ウエハのキャリアとしてポッド50を使用している。なお、ポッドステージ8にはポッド50のドア51を開閉するためのドア開閉装置(図示せず)が設置されている。
図10はCVD装置の制御システムを示すブロック図である。図10に示されている制御システム60はいずれもコンピュータによって構築されたメインコントローラと複数のサブコントローラとによって構成されている。サブコントローラとしては、処理室の温度を制御する温度制御サブコントローラ61と、処理室の圧力を制御する圧力制御サブコントローラ62と、原料ガスやキャリアガスおよびパージガス等のガス流量を制御するガス制御サブコントローラ63と、各種のエレベータやボート移送装置およびウエハ移載装置等の機械を制御する機械制御サブコントローラ64とが構築されており、これらサブコントローラはメインコントローラ66に制御ネットワーク65によって接続されている。
メインコントローラ66には表示手段および入力手段(ユーザ・インタフェース)としてのコンソール(制御卓)67およびレシピ等を記憶する記憶装置68が接続されている。コンソール67はディスプレイとキーボードおよびマウスとを備えており、ディスプレイにレシピの内容(項目名や制御パラメータの数値等)表示するとともに、キーボードやマウスによって作業者の指令を伝達するように構成されている。
本実施の形態において、メインコントローラ66には各ボートを識別するボート識別手段のボート識別部71が構築(プログラミング)されており、ボート識別部71にはボート識別のための検出装置(以下、ボート検出装置という。)72が接続されている。ボート識別部71はボート検出装置72の検出結果に基づいて各ボートを識別するように構成されており、メインコントローラ66はボート識別部71の識別結果に基づいて、各ボートに対応した指令を各サブコントローラに指令するようになっている。
本実施の形態において、ボート検出装置72は待機台33、冷却台34およびキャップ19にそれぞれ設置されており、各ボート検出装置72がメインコントローラ66のボート識別部71にそれぞれ接続されている。なお、本実施の形態において、待機台33、冷却台34およびキャップ19にそれぞれ設置された各ボート検出装置72の構成は実質的には同一であるので、ボート検出装置72については図11および図12に示されている待機台33に設置されたものを代表にして説明する。
図11および図12に示されているように、ボート検出装置72は待機台33の上面に没設された位置合わせ溝の底に設置されている。すなわち、待機台33の上面には断面が逆台形の細長い溝形状に形成された位置合わせ溝81が三条、待機台33の上面の中心点を中心にして放射状(略Y字形状)に配置されて没設されており、ボート検出装置72はそのうちの一条の位置合わせ溝81の底面における周辺部に配置されている。各位置合わせ溝81はボート21のベース29の下面に突設された三個の位置合わせ突起82をそれぞれ嵌入し得るように形成されている。すなわち、三個の位置合わせ突起82は位置合わせ溝81の逆台形に対応した錐面を有する台形円錐形状にそれぞれ形成されており、ベース29の下面の中心点を中心にした同心円上において三条の位置合わせ溝81に嵌入するように周方向に等間隔である120度置きにそれぞれ配置されている。ベース29の下面の外周部には内周面に雌テーパ形状部84を有した位置合わせリング部83が同心円に下向きに突設されており、位置合わせリング部83の雌テーパ形状部84は待機台33の外周面と嵌合するように設定されている。
図11および図12に示されているように、ボート検出装置72は待機台33の上にボート21が有るかを検出するボート有無検出部(以下、有無検出部という。)73と、待機台33の上に乗ったボート21を識別するためのボート識別用検出部(以下、識別用検出部という。)74とを備えており、有無検出部73および識別用検出部74は同様に構成されている。すなわち、有無検出部73および識別用検出部74はいずれも、位置合わせ溝81の底に形成された保持穴75と、保持穴75に上下方向に摺動自在に保持されたプラグ76と、プラグ76を上方に常時付勢するスプリング77と、プラグ76の上下動を検出するリミットスイッチ78とを備えており、プラグ76がボート21のベース29の下面に突設された被検出子79を検出することにより、リミットスイッチ78を開閉させるようになっている。ちなみに、プラグ76は弗素樹脂等の耐熱性および耐摩耗性を有した材料によって形成されている。
図11(e)および図12に示されているように、ベース29の下面に突設された被検出子79はねじ構造に構成されており、石英や炭化シリコン(SiC)によって形成されたベース29の下面に着脱自在に取り付けられるようになっている。そして、本実施の形態においては、識別用検出部74に対応する外側の被検出子79は一方のボート(以下、第一ボートとする。)21Aには取り付けられているが、他方のボート(以下、第二ボートとする。)21Bには取り付けられていない。したがって、識別用検出部74が被検出子79を検出した時には第一ボート21Aと判断することができ、識別用検出部74が被検出子79を検出しない時には第二ボート21Bと判断することができる。
以下、前記構成に係るCVD装置を使用した本発明の一実施の形態である半導体装置の製造方法におけるCVD方法を、一対のボートの運用方法を主体にして説明する。
以下のCVD方法は予め指定された成膜プロセスのレシピを実行する制御シーケンスによって実施されるものであり、指定されたレシピが記憶装置68からメインコントローラ66のRAM等に展開されて、各サブコントローラ62〜64に指令されることによって実施される。
まず、第一ボート21Aが待機ステージ5の待機台33にボート移送装置30によって移載され、ポッド50に収納されたウエハWが第一ボート21Aにウエハ移載装置41によって移載(チャージ)される。すなわち、図1および図2に示されているように、第一ボート21Aが待機ステージ5の待機台33にボート移送装置30によって移送されて載置される。他方、図1に示されているように、複数枚のウエハWが収納されたポッド50はポッドステージ8に供給され、図2に示されているように、ポッドステージ8に供給されたポッド50はドア51をドア開閉装置によって開放される。
そして、図9において、(a)に示された状態から(b)に示されているように、第二リニアアクチュエータ45および取付台46がポッド50の方向に移動されてツィーザ47がポッド50内に挿入され、ポッド50内のウエハWを受け取る。続いて、ツィーザ47は(a)に示された位置に後退する。次に、ロータリーアクチュエータ43が反転して、第二リニアアクチュエータ45および取付台46が待機ステージ5の方向に移動されて、ツィーザ47が保持したウエハWを第一ボート21Aの保持溝25に受け渡す。ウエハWを第一ボート21Aに移載したウエハ移載装置41は第二リニアアクチュエータ45および取付台46を一度後退させた後に再び反転して、ツィーザ47をポッド50側に向けた図9(a)の状態になる。
この際、図12(a)に示されているように、待機台33においては有無検出部73および識別用検出部74の両方がベース29の両方の被検出子79、79を検出した状態になっているため、制御システム60のボート識別部71は第一ボート21Aと判断し、その判断結果をメインコントローラ66に送信する。すなわち、ボート識別部71は有無検出部73と識別用検出部74との両方から検出信号が送信されて来た場合には第一ボート21Aが待機台33の上に有ると判断する。そして、メインコントローラ66は第一ボート21Aに対応した制御条件を機械制御サブコントローラ64に指令し、ウエハ移載装置41の前述したウエハ移載作業を制御させる。第一ボート21Aに対応した制御条件としては、例えば、ウエハWを保持するための保持溝25のピッチや、三方向の保持溝25が規定する中心点がある。
ここで、第一ボート21Aが待機台33に載置された状態において、第一ボート21Aのベース29に突設された三個の位置合わせ突起82が待機台33に放射状に没設された三条の位置合わせ溝81にそれぞれ嵌入しているため、第一ボート21Aは待機台33に正確に軸心合わせされるとともに、向きが予め指定された方向を向いた状態になっている。すなわち、第一ボート21Aの三本の保持部材24が規定するウエハ挿入方向の向きはウエハ移載装置41のツィーザ47の進退方向を正確に一致した状態になっている。したがって、ウエハ移載装置41による移載作業は適正に実行されることになる。
待機ステージ5にて指定の枚数のウエハWが第一ボート21Aに装填されると、第一ボート21Aは待機ステージ5から熱処理ステージ4へボート移送装置30の第一アーム31によって図4に示されているように移送され、キャップ19の上に移載される。すなわち、第一アーム31は第一ボート21Aの支柱27の外側に挿入して断熱キャップ部26の係合部28に下から係合することによって第一ボート21Aを垂直に支持した状態で、約90度回動することによって、第一ボート21Aを待機ステージ5から熱処理ステージ4へ移送しキャップ19の上に受け渡す。そして、第一ボート21Aをキャップ19に移載した第一アーム31は待機ステージ5に戻る。
ここで、キャップ19にもボート検出装置72および位置合わせ溝81が待機台33と同様に配設されているため、キャップ19に移載された第一ボート21Aは正確に位置合わせされ、ボート識別部71によって有無を確認されるとともに識別されることになる。そして、メインコントローラ66は第一ボート21Aに対応した制御条件を温度制御サブコントローラ61、圧力制御サブコントローラ62およびガス制御サブコントローラ63に指令する。第一ボート21Aに対応した制御条件としては、例えば、ウエハWを保持するための保持溝25のピッチや三方向の保持溝25が規定する中心点に対応したガス供給制御がある。
図5に示されているように、キャップ19に垂直に支持された第一ボート21Aはエレベータ20によって上昇されてプロセスチューブ11の処理室12に搬入される。第一ボート21Aが上限に達すると、キャップ19の上面の外周辺部がマニホールド14の下面にシールリング15を挟んで着座した状態になってマニホールド14の下端開口をシール状態に閉塞するため、処理室12は気密に閉じられた状態になる。
処理室12がキャップ19によって気密に閉じられると、処理室12が所定の真空度に排気管16によって真空排気され、ヒータユニット18によって所定の処理温度(例えば、800〜1000℃)をもって全体にわたって均一に加熱される。処理室12の温度が安定すると、処理ガスが処理室12にガス導入管17を通じて所定の流量供給される。これによって、所定の成膜処理が施される。
この第一ボート21Aに対する成膜処理の間に、第二ボート21Bが待機ステージ5の待機台33の上にボート移送装置30によって移載され、ポッド50のウエハWが第二ボート21Bにウエハ移載装置41によってチャージされる。この際、第二ボート21Bのベース29に突設された三個の位置合わせ突起82が待機台33に放射状に没設された三条の位置合わせ溝81にそれぞれ嵌入するため、第二ボート21Bは待機台33に正確に軸心合わせされるとともに、向きが予め指定された方向を向いた状態になっている。つまり、ウエハ移載装置41によるウエハWの第二ボート21Bへの移載作業は適正に実行される。
ここで、第二ボート21Bのベース29には識別用検出部74に対応した被検出子79が取り付けられていないため、ボート検出装置72において有無検出部73は被検出子79を検出するが、識別用検出部74は被検出子79を検出しない状態になる。このため、制御システム60のボート識別部71は第二ボート21Bと判断し、その判断結果をメインコントローラ66に送信する。すなわち、ボート識別部71は検出信号が有無検出部73だけから送信されて来た場合には第二ボート21Bが待機台33の上に有ると判断する。そして、メインコントローラ66は第二ボート21Bに対応した制御条件を機械制御サブコントローラ64に指令し、ウエハ移載装置41の前述したウエハ移載(チャージ)作業を制御させることになる。
翻って、第一ボート21Aに対するプロセスチューブ11での所定の処理時間が経過すると、図6に示されているように、第一ボート21Aを支持したキャップ19がエレベータ20によって下降されて、第一ボート21Aがプロセスチューブ11の処理室12から搬出される。プロセスチューブ11の処理室12から搬出された第一ボート21A(保持されたウエハW群を含む)は高温の状態になっている。
続いて、図3に示されているように、処理室12から搬出された高温状態の処理済みの第一ボート21Aはプロセスチューブ11の軸線上の熱処理ステージ4から冷却ステージ6へ、ボート移送装置30の第二アーム32によって直ちに移送されて移載される。この際、第二アーム32は処理済みの第一ボート21Aの支柱27の外側に挿入して断熱キャップ部26の係合部28に下から係合することによって、処理済みの第一ボート21Aを垂直に支持した状態で約90度回動することにより、処理済みの第一ボート21Aを熱処理ステージ4のキャップ19の上から冷却ステージ6の冷却台34の上へ移送し載置する。
ここで、冷却台34にもボート検出装置72および位置合わせ溝81が待機台33と同様に配設されているため、冷却台34に移載された第一ボート21Aは正確に位置合わせされ、ボート識別部71によって有無を確認されるとともに識別されることになる。
図4に示されているように、冷却ステージ6はクリーンユニット3のクリーンエア吹出口39の近傍に設定されているため、冷却ステージ6の冷却台34に移載された高温状態の第一ボート21Aはクリーンユニット3の吹出口39から吹き出すクリーンエア35によってきわめて効果的に冷却される。
冷却台34において例えば150℃以下に冷却された第一ボート21Aは、ボート移送装置30によって熱処理ステージ4を経由して待機ステージ5に移送される。すなわち、ボート移送装置30の第二アーム32は第一ボート21Aの支柱27の外側に挿入して断熱キャップ部26の係合部28に下から係合することによって第一ボート21Aを垂直に支持した状態で、約90度回動することにより、第一ボート21Aを冷却ステージ6から熱処理ステージ4へ移送する。第一ボート21Aが熱処理ステージ4に移送されると、ボート移送装置30の第一アーム31が約90度回転されて熱処理ステージ4に移動され、熱処理ステージ4の第一ボート21Aを受け取る。第一ボート21Aを受け取ると、第一アーム31は元の方向に約90度逆回転して第一ボート21Aを熱処理ステージ4から待機ステージ5に移送して、待機台33に移載する。待機台33に移載された状態において、第一ボート21Aの三本の保持部材24はウエハ移載装置41側が開放した状態になる。
第一ボート21Aが待機台33に戻されると、ウエハ移載装置41は待機台33の第一ボート21Aから処理済みのウエハWを受け取ってポッドステージ8のポッド50に移載して行く。この際も、図12(a)に示されているように、有無検出部73および識別用検出部74の両方がベース29の両方の被検出子79、79を検出した状態になるため、制御システム60のボート識別部71は第一ボート21Aと判断し、その判断結果をメインコントローラ66に送信する。そして、メインコントローラ66は第一ボート21Aに対応した制御条件を機械制御サブコントローラ64に指令し、ウエハ移載装置41に第一ボート21Aからポット50へのウエハの移載(ディスチャージ)作業を制御させる。
また、第一ボート21Aのベース29に突設された三個の位置合わせ突起82が待機台33に放射状に没設された三条の位置合わせ溝81にそれぞれ嵌入するため、第一ボート21Aは待機台33に正確に軸心合わせされるとともに、向きが予め指定された方向を向いた状態になる。したがって、ウエハ移載装置41による第一ボート21Aからポット50へのウエハのディスチャージ作業は適正に実行されることになる。
全ての処理済みウエハWがポッド50に戻されると、待機台33の上の第一ボート21Aには、次に処理すべき新規のウエハWがウエハ移載装置41によって移載(チャージ)されて行く。
以降、前述した作用が第一ボート21Aと第二ボート21Bとの間で交互に繰り返されることにより、多数枚のウエハWがCVD装置1によってバッチ処理されて行く。
前記実施の形態によれば、次の効果が得られる。
1) ボート識別手段のボート検出装置72からの検出信号に基づいてボート識別部71が第一ボート21Aか第二ボート21Bかを識別することにより、メインコントローラ66はウエハ移載装置41の制御条件を第一ボート21Aおよび第二ボート21Bに対応させてそれぞれ適宜に指令することができるため、第一ボート21Aと第二ボート21Bとの個体差を起因とするウエハ移載装置41の移載ミスの発生を防止することができる。
2) ボート識別手段のボート検出装置72からの検出信号に基づいてボート識別部71が第一ボート21Aか第二ボート21Bかを識別することにより、メインコントローラ66は温度制御サブコントローラ61、圧力制御サブコントローラ62およびガス制御サブコントローラ63の制御条件を第一ボート21Aおよび第二ボート21Bに対応させてそれぞれ適宜に指令することができるため、CVD方法の品質および信頼性を高めることができる。
3) また、制御条件を変更調整することにより、ウエハに対する成膜(処理)条件を変更することができるため、第一ボート21Aと第二ボート21Bとの間で異なるロットを扱うように設定することもでき、一台のCVD装置1によって種々の成膜を実行することができる。
4) ボート検出装置72を待機台33、冷却台34およびキャップ19にそれぞれ配設することにより、第一ボート21Aおよび第二ボート21Bの現在の存在場所を認識することができる。例えば、停電復旧後の成膜処理開始時に第一ボート21Aおよび第二ボート21Bがどの場所に有るかを確認することができるため、第一ボート21Aおよび第二ボート21Bが継続すべき作業を間違いなく正しく迅速に実行させることができる。
5) なお、有無検出部73に基づいてボートの移動の履歴をソフト的に保存しておくことにより、ボート21の所在場所は認識することができる。但し、この場合には、ボート21の所在場所の認識は推測になるため、誤作動や事故を発生する危惧がある。しかし、前記4)によれば、実際の第一ボート21Aおよび第二ボート21Bを検出することにより、第一ボート21Aの所在場所および第二ボート21Bの所在場所を推測を介在せずに認識することができるため、誤作動や事故の発生を未然に回避することができる。
6) 被検出子79をボート21に着脱自在に取り付けられるように構成することにより、第一ボート21Aと第二ボート21Bとの間で構造上の差異を設定しなくても済むため、製造コストの増加を防止することができる。
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々に変更が可能であることはいうまでもない。
例えば、ボート識別手段のボート検出装置は、待機ステージ、冷却ステージおよび熱処理ステージにそれぞれ配設するに限らず、ウエハ移載作業が実施されるステージ(前記実施の形態においては待機ステージ)に少なくとも配設すればよい。
また、ボート識別手段のボート検出装置をボート移送装置のアームにも配設することにより、ボート移送途中においてもボートの所在場所を認識することができる。
ボート識別手段の被検出子は、ねじ構造に構成するに限らず、ボートに着脱自在に取り付けられるベースの外形をそれぞれ相違させる構造等に構成してもよい。
CVD装置はアニール処理や酸化膜形成処理、拡散処理および成膜処理等のCVD方法全般に使用することができる。
前記実施の形態ではウエハに処理が施される場合について説明したが、被処理基板はホトマスクやプリント配線基板、液晶パネル、コンパクトディスクおよび磁気ディスク等であってもよい。
以上説明したように、本発明によれば、各ボートを識別することができるため、各ボートの個体差を起因とする基板の移載ミスの発生を未然に防止することができる。
W…ウエハ(基板)、1…CVD装置(基板処理装置)、2…筐体、3…クリーンユニット、4…熱処理ステージ、5…待機ステージ、6…冷却ステージ、7…ウエハローディングステージ、8…ポッドステージ、9…ノッチ合わせ装置、11…プロセスチューブ、12…処理室、13…炉口、14…マニホールド、15…シールリング、16…排気管、17…ガス導入管、18…ヒータユニット、19…キャップ、20…エレベータ、21…ボート、21A…第一ボート、21B…第二ボート、22…上側端板、23…下側端板、24…保持部材、25…保持溝、26…断熱キャップ部、27…支柱、28…係合部、29…ベース、30…ボート移送装置、31…第一アーム、32…第二アーム、33…待機台、34…冷却台、35…クリーンエア、36…吸込ダクト、37…吸込ファン、38…吹出ダクト、39…吹出口、40…排気用ファン、41…ウエハ移載装置、42…ベース、43…ロータリーアクチュエータ、44…第一リニアアクチュエータ、45…第二リニアアクチュエータ、46…取付台、47…ツィーザ、48…エレベータ、50…ポッド、51…ドア、60…制御システム、61…温度制御サブコントローラ、62…圧力制御サブコントローラ、63…ガス制御サブコントローラ、64…機械制御サブコントローラ、65…制御ネットワーク、66…メインコントローラ、67…コンソール(制御卓)、68…記憶装置、71…ボート識別部、72…ボート検出装置、73…ボート有無検出部、74…ボート識別用検出部、75…保持穴、76…プラグ、77…スプリング、78…リミットスイッチ、79…被検出子、81…位置合わせ溝、82…位置合わせ突起、83…位置合わせリング部、84…雌テーパ形状部。

Claims (2)

  1. 処理室を形成したプロセスチューブと、前記処理室に出入りして複数枚の基板を搬入搬出する少なくとも二台のボートと、前記複数枚の基板を前記ボートに対して前記処理室の外部において授受する基板移載装置とを備えている基板処理装置であって、前記各ボートを載置する複数のステージを有し、該複数のステージそれぞれに前記各ボートを識別するボート識別手段を備えている基板処理装置。
  2. 処理室を形成したプロセスチューブと、前記処理室に出入りして複数枚の基板を搬入搬出する少なくとも二台のボートと、前記複数枚の基板を前記ボートに対して前記処理室の外部において授受する基板移載装置とを備えた基板処理装置を使用し、複数のステージそれぞれに備えられたボート識別手段が載置された各ボートを識別する工程と、
    その検出結果に基づき前記基板を処理する工程と、
    を含む半導体装置の製造方法。
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