JP2011013465A - 画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】画像品質及び画像形成速度を低下させることなく、消費電力を低減させる。
【解決手段】 光走査装置、4つの画像形成ステーション、転写ベルト、転写ローラ、定着装置2050、及び放電発生装置2055などを備え、定着装置2050は、トナー画像が転写されている記録紙の表面に、トナーに含まれる樹脂を溶解又は膨潤させることによって軟化させる軟化剤が含まれた泡状定着液を塗布するとともに、圧力を加えて、トナー画像を記録紙に定着する。そして、放電発生装置2055は、定着装置2050でトナー画像が定着された記録紙の表面に、放電生成物を付与する。この場合には、定着液が残留している記録紙の表面に放電生成物が吸着し、軟化剤の軟化作用が低下する。これにより、記録紙の表面の粘着性が低下し、高速出力が可能となる。
【選択図】図6

Description

本発明は、画像形成装置及び画像形成方法に係り、更に詳しくは、トナーを溶解又は膨潤させる定着液を用いた画像形成装置及び画像形成方法に関する。
プリンタ、ファクシミリ及び複写装置などのような画像形成装置は、紙、布、及びプラスチックシートのような記録媒体に、画像情報に基づいて文字や記号を含む画像を形成する装置である。特に、電子写真方式の画像形成装置は、普通紙に高精細な画像を高速で形成することができるため、広く使用されている。この電子写真方式の画像形成装置では、記録媒体上のトナーを加熱して溶融させ、溶融したトナーを加圧することによって、トナーを記録媒体上に定着させる熱定着方式の定着装置が広く用いられている。この場合、画像形成装置における消費電力の約半分以上は、トナーを加熱することに消費されている。
ところで、近年、環境問題対策の観点から、画像形成装置に対する低消費電力(省エネルギー)化への要求が高まってきた。そこで、定着装置において、トナーを加熱する温度を今までよりも極端に低下させたり、あるいはトナーの加熱を必要としない定着方法が考えられた。特に、トナーを全く加熱することなくトナーを記録媒体に定着させる非加熱定着方法が低消費電力の点で有利である。
例えば、特許文献1には、トナーを溶解又は膨潤可能で、水に不溶又は難溶な有機化合物が、水に分散混合された水中油滴型の定着剤を、未定着のトナーが所定位置に配設された被定着物の表面から噴霧または滴下してトナーを溶解または膨潤させたのち、被定着物を乾燥させるトナーの湿式定着方法が開示されている。
また、特許文献2には、トナーを溶解又は膨潤させる定着液を該トナーに付与して、該トナーを記録材上に定着させる定着手段を備えた画像形成装置が開示されている。
また、特許文献3には、トナーを溶解し、かつシリコーンオイルと相溶性を有する溶剤100容量部に対し、シリコーンオイル8〜120容量部を混合してなる相溶状態の未定着トナー画像の定着用溶液が開示されている。
また、特許文献4には、トナーを溶解又は膨潤させる定着液がトナーにのみ付着し、該トナーが担持されていない記録材表面部分には付着しないように、定着液を付与する定着装置が開示されている。
また、特許文献5には、樹脂の少なくとも一部を溶解又は膨潤させることで樹脂を含有する樹脂微粒子を軟化させる軟化剤を含有した定着液を媒体上の樹脂微粒子に塗布して該樹脂微粒子を媒体に定着する定着装置であって、フォーム状の定着液を生成するフォーム状定着液生成手段と、生成されたフォーム状の前記定着液を媒体上の樹脂微粒子に塗布する塗布手段とを具備する定着装置が開示されている。
ところで、ある種の有機物をオゾンによって除去する技術が考案されている。
例えば、特許文献6には、主として無機材料で構成された粉末と、脂肪族炭酸エステル系樹脂を含む結合材とを含有する組成物を所定の形状に成形し、成形体を得る成形体形成工程と、該成形体を、オゾンを含有する雰囲気に曝すことにより、成形体中から脂肪族炭酸エステル系樹脂を分解・除去する脱脂工程とを有する脱脂体の製造方法が開示されている。
また、特許文献7には、炭酸アルキレンを有効成分とする洗浄液を収容する洗浄槽と、洗浄槽に近接配置され、底部にオゾン散気管が配設されたオゾン処理槽と、洗浄槽の下部及び上部側壁とオゾン処理槽との下部及び上部側壁を通してそれぞれ両槽を接続する循環配管と、を有する有機被膜除去装置が開示されている。
しかしながら、電子写真方式の画像形成装置にトナー画像を記録紙に定着させる際に、トナーに含まれる樹脂の少なくとも一部を溶解又は膨潤させる定着液を用いた場合、複数枚の記録紙を連続して出力すると、排紙トレイにストックされた記録紙同士が貼りついてしまうおそれがあった。
本発明は、第1の観点からすると、樹脂の少なくとも一部を溶解あるいは膨潤させる定着液を用いて、媒体に付着した微粒子を該媒体に定着させる画像形成装置において、定着された前記微粒子に放電生成物を付与する放電発生装置を設けたことを特徴とする画像形成装置である。
これによれば、画像品質及び画像形成速度を低下させることなく、消費電力を低減させることが可能となる。
本発明は、第2の観点からすると、樹脂を含む微粒子が付着している媒体に、樹脂の少なくとも一部を溶解あるいは膨潤させる定着液を塗布して前記微粒子を定着し、媒体上に画像を形成する画像形成方法において、定着された前記微粒子に放電生成物を付与する工程を更に含むことを特徴とする画像形成方法である。
これによれば、画像品質及び画像形成速度を低下させることなく、消費電力を低減させることが可能となる。
本発明の一実施形態に係るカラープリンタの概略構成を説明するための図である。 定着装置を説明するための図である。 定着液供給装置を説明するための図である。 膜厚調整用ブレードを説明するための図である。 膜厚調整用ブレードの作用を説明するための図である。 放電発生装置を説明するための図である。 評価試験に用いた泡状定着液を説明するための図である。 泡状定着液を用いたときの評価試験の結果を説明するための図である。 放電発生装置の変形例1を説明するための図である。 変形例1の放電発生装置の一部を拡大した図である。 放電発生装置の変形例2を説明するための図である。 液状定着液を用いたときの評価試験の結果を説明するための図である。 評価試験に用いた液状定着液を説明するための図である。
以下、本発明の一実施形態を図1〜図8に基づいて説明する。図1には、一実施形態に係る画像形成装置としてのカラープリンタ2000の概略構成が示されている。
このカラープリンタ2000は、4色(ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)を重ね合わせてフルカラーの画像を形成するタンデム方式の多色カラープリンタであり、光走査装置2010、4つの感光体ドラム(2030a、2030b、2030c、2030d)、4つのクリーニングユニット(2031a、2031b、2031c、2031d)、4つの帯電装置(2032a、2032b、2032c、2032d)、4つの現像ローラ(2033a、2033b、2033c、2033d)、4つのトナーカートリッジ(2034a、2034b、2034c、2034d)、転写ベルト2040、転写ローラ2042、定着装置2050、給紙コロ2054、放電発生装置2055、レジストローラ対2056、排紙ローラ2058、給紙トレイ2060、排紙トレイ2070、通信制御装置2080及び上記各部を統括的に制御するプリンタ制御装置2090などを備えている。
なお、ここでは、XYZ3次元直交座標系において、各感光体ドラムの長手方向に沿った方向をY軸方向、4つの感光体ドラムの配列方向に沿った方向をX軸方向として説明する。
通信制御装置2080は、ネットワークなどを介した上位装置(例えばパソコン)との双方向の通信を制御する。
各感光体ドラムはいずれも、その表面に感光層が形成されている。すなわち、各感光体ドラムの表面がそれぞれ被走査面である。なお、各感光体ドラムは、不図示の回転機構により、図1における面内で矢印方向に回転するものとする。
感光体ドラム2030aの表面近傍には、感光体ドラム2030aの回転方向に沿って、帯電装置2032a、現像ローラ2033a、クリーニングユニット2031aが配置されている。
感光体ドラム2030a、帯電装置2032a、現像ローラ2033a、トナーカートリッジ2034a、及びクリーニングユニット2031aは、組として使用され、ブラックの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Kステーション」ともいう)を構成する。
感光体ドラム2030bの表面近傍には、感光体ドラム2030bの回転方向に沿って、帯電装置2032b、現像ローラ2033b、クリーニングユニット2031bが配置されている。
感光体ドラム2030b、帯電装置2032b、現像ローラ2033b、トナーカートリッジ2034b、及びクリーニングユニット2031bは、組として使用され、シアンの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Cステーション」ともいう)を構成する。
感光体ドラム2030cの表面近傍には、感光体ドラム2030cの回転方向に沿って、帯電装置2032c、現像ローラ2033c、クリーニングユニット2031cが配置されている。
感光体ドラム2030c、帯電装置2032c、現像ローラ2033c、トナーカートリッジ2034c、及びクリーニングユニット2031cは、組として使用され、マゼンタの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Mステーション」ともいう)を構成する。
感光体ドラム2030dの表面近傍には、感光体ドラム2030dの回転方向に沿って、帯電装置2032d、現像ローラ2033d、クリーニングユニット2031dが配置されている。
感光体ドラム2030d、帯電装置2032d、現像ローラ2033d、トナーカートリッジ2034d、及びクリーニングユニット2031dは、組として使用され、イエローの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Yステーション」ともいう)を構成する。
各帯電装置は、対応する感光体ドラムの表面をそれぞれ均一に帯電させる。
光走査装置2010は、上位装置からの多色の画像情報(ブラック画像情報、シアン画像情報、マゼンタ画像情報、イエロー画像情報)に基づいて、各色毎に変調された光束を、対応する帯電された感光体ドラムの表面にそれぞれ照射する。これにより、各感光体ドラムの表面では、光が照射された部分だけ電荷が消失し、画像情報に対応した潜像が各感光体ドラムの表面にそれぞれ形成される。ここで形成された潜像は、感光体ドラムの回転に伴って対応する現像ローラの方向に移動する。
トナーカートリッジ2034aにはブラックトナーが格納されており、該トナーは現像ローラ2033aに供給される。トナーカートリッジ2034bにはシアントナーが格納されており、該トナーは現像ローラ2033bに供給される。トナーカートリッジ2034cにはマゼンタトナーが格納されており、該トナーは現像ローラ2033cに供給される。トナーカートリッジ2034dにはイエロートナーが格納されており、該トナーは現像ローラ2033dに供給される。
なお、各トナーは、樹脂が含まれる微粒子である。
各現像ローラは、回転に伴って、対応するトナーカートリッジからのトナーが、その表面に薄く均一に塗布される。そして、各現像ローラの表面のトナーは、対応する感光体ドラムの表面に接すると、該表面における光が照射された部分にだけ移行し、そこに付着する。すなわち、各現像ローラは、対応する感光体ドラムの表面に形成された潜像にトナーを付着させて顕像化させる。ここでトナーが付着した像(トナー画像)は、感光体ドラムの回転に伴って転写ベルト2040の方向に移動する。
各クリーニングユニットは、対応する感光体ドラムの表面に残ったトナー(残留トナー)を除去する。残留トナーが除去された感光体ドラムの表面は、再度対応する帯電装置に対向する位置に戻る。
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各トナー画像は、所定のタイミングで転写ベルト2040上に順次転写され、重ね合わされる。
給紙トレイ2060には記録紙が格納されている。この給紙トレイ2060の近傍には給紙コロ2054が配置されており、該給紙コロ2054は、記録紙を給紙トレイ2060から1枚づつ取り出し、レジストローラ対2056に搬送する。該レジストローラ対2056は、所定のタイミングで記録紙を転写ベルト2040と転写ローラ2042との間隙に向けて送り出す。これにより、転写ベルト2040上のトナー画像が記録紙に転写される。すなわち、記録紙上に画像に対応したトナー層が形成される。ここで転写された記録紙は、定着装置2050に送られる。
定着装置2050は、定着液によって記録紙上のトナーに含まれる樹脂を軟化させるとともに、圧力を加えてトナー層を記録紙に定着させる。
ここでは、この定着装置2050は、一例として図2に示されるように、定着液供給装置2051、塗布ローラ2052a、加圧ローラ2052b及び膜厚調整用ブレード2053などを有している。ここでは、記録紙は、+Z側の面にトナー画像が転写されており、+X方向に進行している。なお、以下では、記録紙における+Z側の面を「表面」、−Z側の面を「裏面」ともいう。
塗布ローラ2052aは、Y軸方向を長手方向とし、Y軸に平行な軸回りに反時計方向に回転する。加圧ローラ2052bは、Y軸方向を長手方向とし、Y軸に平行な軸回りに時計方向に回転する。
塗布ローラ2052aと加圧ローラ2052bは、Z軸方向に関して互いに接しており、それらの間を記録紙が通過するように配置されている。ここでは、塗布ローラ2052aの−Z側に加圧ローラ2052bが配置されている。以下では、便宜上、塗布ローラ2052aと加圧ローラ2052bが接している部分を「加圧部」ともいう。
定着液供給装置2051は、塗布ローラ2052aの+Z側に配置されている。この定着液供給装置2051は、一例として図3に示されるように、定着液容器2051、液搬送用ポンプ2051、気液混合容器2051及び微小泡生成装置2051などを有している。
定着液容器2051内には、定着液2051が収容されている。この定着液2051は、液搬送用ポンプ2051によって、液搬送用パイプ2051を介して気液混合容器2051に搬送される。
定着液2051は、希釈媒としての水、トナーに含まれる樹脂を軟化させる軟化剤、起泡剤、増泡剤及びpH調整剤を含有している。
発明者等は、トナーに含まれる樹脂の代表であるポリエステル樹脂やスチレン・アクリル樹脂に対し、エステル基を持つ有機溶剤が、樹脂軟化性に優れていることを見出している。そこで、本実施形態では、上記エステル基を持つ有機溶剤が軟化剤として定着液2051に含有されている。
(1)上記エステル基を持つ有機溶剤が飽和脂肪族エステルを含む場合:
この場合には、軟化剤の保存安定性(酸化、加水分解などに対する耐性)を向上させることができる。また、飽和脂肪族エステルは、人体に対する安全性が高く、多くの飽和脂肪族エステルは、トナーに含まれる樹脂を1秒以内で溶解又は膨潤させることができる。更に、飽和脂肪族エステルは、記録紙上のトナー層の粘着感を低下させることができる。これは、飽和脂肪族エステルが、溶解又は膨潤したトナー層の表面に油膜を形成するためであると考えられる。
上記飽和脂肪族エステルは、一般式が「R1COOR2」で表される化合物を含み、R1は炭素数が11以上14以下のアルキル基であり、R2は炭素数が1以上6以下の直鎖型もしくは分岐型アルキル基である。この場合には、トナーに含まれる樹脂に対する溶解性又は膨潤性を向上させることができる。また、この化合物の臭気指数は、10以下であり、不快臭及び刺激臭を有さない。なお、臭気指数とは、官能測定である三点比較式臭袋法による臭気指数(10×log(物質の臭気が感じられなくなるまでの物質の希釈倍率))のことである。ところで、R1及びR2の炭素数がそれぞれ上記の範囲よりも少ないと臭気が発生し、上記の範囲よりも多いと軟化能力が低下する。
例えば、脂肪族モノカルボン酸エステルとして、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、トリデシル酸エチル、トリデシル酸イソプロピル、ミリスチン酸エチル、及びミリスチン酸イソプロピル等が挙げられる。これらの脂肪族モノカルボン酸エステルの多くは、油性溶媒に溶解するが、水には溶解しない。そこで、定着液の希釈媒が水性のときには、グリコール類を溶解助剤として定着液に含有させ、脂肪族モノカルボン酸エステルを溶解又はマイクロエマルジョンの形態とする。
(2)上記エステル基を持つ有機溶剤が、脂肪族ジカルボン酸エステルを含む場合:
この場合には、より短い時間でトナーに含まれる樹脂を溶解又は膨潤させることができる。例えば、60ppm程度の高速印字では、未定着のトナー層に定着液が塗布されてからトナー層が記録紙に定着するまでの時間を、0.1秒以内とすることができる。なお、この時間は、1秒以内であることが望ましいとされている。
さらに、少量でも、トナーに含まれる樹脂を溶解又は膨潤させることができるため、定着液に含まれる軟化剤の量を低減することができる。
上記脂肪族ジカルボン酸エステルは、一般式が「R3(COOR4)」で表される化合物を含み、R3は炭素数が3以上8以下のアルキレン基であり、R4は炭素数が3以上5以下の直鎖型又は分岐型アルキル基である。この場合には、トナーに含まれる樹脂に対する溶解性又は膨潤性を向上させることができる。また、この化合物の臭気指数は、10以下であり、不快臭及び刺激臭を有さない。ところで、R3及びR4の炭素数がそれぞれ上記の範囲よりも少ないと臭気が発生し、上記の範囲よりも多いと軟化能力が低下する。
脂肪族ジカルボン酸エステルとしては、例えば、コハク酸2エチルヘキシル、アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソデシル、セバシン酸ジエチル、及びセバシン酸ジブチル等が挙げられる。これらの脂肪族ジカルボン酸エステルの多くは、油性溶媒に溶解するが、水には溶解しない。そこで、定着液の希釈媒が水性のときには、グリコール類を溶解助剤として定着液に含有させ、脂肪族ジカルボン酸エステルを溶解又はマイクロエマルジョンの形態とする。
(3)上記エステル基を持つ有機溶剤が、脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルを含む場合:
この場合には、記録紙に対するトナー層の定着性を向上させることができる。
上記脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルは、一般式が「R5(COOR6−O−R7)」で表される化合物を含み、R5は炭素数が2以上8以下のアルキレン基であり、R6は炭素数が2以上4以下のアルキレン基であり、R7は炭素数が1以上4以下のアルキル基である。この場合には、トナーに含まれる樹脂に対する溶解性又は膨潤性を向上させることができる。また、この化合物の臭気指数は、10以下であり、不快臭及び刺激臭を有さない。ところで、R5、R6及びR7の炭素数がそれぞれ上記の範囲よりも少ないと臭気が発生し、上記の範囲よりも多いと軟化能力が低下する。
脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルとしては、例えば、コハク酸ジエトキシエチル、コハク酸ジブトキシエチル、アジピン酸ジエトキシエチル、アジピン酸ジブトキシエチル、及びセバシン酸ジエトキシエチル等が挙げられる。これらの脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルの多くは、油性溶媒に溶解するが、水には溶解しない。そこで、定着液の希釈媒が水性のときには、グリコール類を溶解助剤として定着液に含有させ、脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルを溶解又はマイクロエマルジョンの形態とする。
なお、上記エステル基を持つ有機溶剤として、炭酸エチレンや炭酸プロピレンなどの環状エステル、及びクエン酸エステルを用いても良い。
起泡剤には、アニオン系界面活性剤を用いることができる。そして、アニオン系界面活性剤のなかで、特に脂肪酸塩が望ましい。脂肪酸は、それぞれアルキル基の炭素数が12、14、16及び18であるラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸及びステアリン酸の中から組合せて用いられる。また、塩は、ナトリウム塩、カリウム塩、及びアミン塩が良く、特に、トリエタノールアミン塩やジエタノールアミン塩が望ましい。
増泡剤には、脂肪酸アルカノールアミドを用いることができる。なお、脂肪酸アルカノールアミドには、(1:1)型及び(1:2)型があるが、(1:1)型が適している。また、増泡剤として、多価アルコール類、特に、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール及びグリセリンなどを単独もしくは混合して用いることができる。
pH調整剤は、定着液のpHを7から10の弱アルカリ性に維持するために用いられ、アミン類が適している。
気液混合容器2051には、空気取り入れ口2051が設けられている。そして、気液混合容器2051に定着液2051が供給されると、空気取り入れ口2051に負圧が発生し、空気取り入れ口2051から空気が気液混合容器2051内に導入される。ここでは、泡径が0.5mm〜1mm程度の大きな泡が極めて短時間(0.1秒以下)で生成される。このように、泡径が0.5mm〜1mm程度の大きな泡は、単なる撹拌や液層内への送風等により比較的容易に、しかも、極めて短時間で生成することができる。
さらに、気液混合容器2051には、複数の微小な孔が形成されている微小孔シート2051が設けられている。そして、定着液2051と空気の混合物が微小孔シート2051を通過する。微小孔シート2051を通過した定着液2051中には、泡径のそろった複数の大きな泡が含まれている。なお、微小孔シート2051における孔径は、30μm〜100μm程度が好ましい。
微小泡生成装置2051は、気液混合容器2051からの大きな泡が含まれている定着液2051が供給され、該大きな泡をせん断力によって微小な泡に変化させる。
ここでは、微小泡生成装置2051は、閉じた二重円筒を有し、内側の円筒8Aが回転可能となっている。気液混合容器2051からの大きな泡が含まれている定着液2051は、外側の円筒8Bに供給され、内側の円筒8Aと外側の円筒8Bの隙間(ここが流路となる)を通過するときに、回転している内側の円筒8Aによりせん断力を受けるようになっている。このせん断力により、定着液2051中の大きな泡は微小な泡へと変化し、外側の円筒8Bに設けられた泡の出口より、塗布ローラ2052aに供給される。
以下では、便宜上、泡を含まない定着液を「液状定着液」ともいい、微小な泡となった定着液を「泡状定着液」ともいう。
ところで、発明者等は、種々の実験等から、トナーの大きさが5μm〜10μm程度の場合、記録紙上のトナー層を乱すことなく泡状定着液をトナー層に付与するには、泡状定着液の泡径が、5μm〜50μmの範囲内にあることが必要であるという知見を得た。
微小な泡を生成するための液搬送速度V(mm/秒)は、外側の円筒8Bの内径をd1(mm)、外側の円筒8Bの長手方向の長さをL(mm)、内側の円筒8Aの外径をd2(mm)、内側の円筒8Aの回転数をR(rpm)とすると、次の(1)式で決定されることがわかった。
V=L×π×(d1−d2)/4/(1000/R) ……(1)
例えば、d1が10mm、d2が8mm、Lが50mm、回転数が1000rpmとすると、液搬送速度Vは約1400mm/秒(=1.4cc/秒)となる。
A4の記録紙を定着するために必要な泡状定着液が3ccであるとすると、液状定着液から必要量の泡状定着液を生成するのに要する時間は約2秒ですみ、極めて素早く、所望の泡径を有する泡状定着液を生成可能である。なお、内側の円筒8Aにらせん状の溝を設けて、内側の円筒8A内での液搬送性を良くしてもよい。
このように、液状定着液を、一旦大きな泡を含む定着液へと変化させ、続いて該大きな泡を含む定着液を泡状定着液に変化させることで、液状定着液を極めて短時間に泡径が5μm〜50μm程度の微小な泡を含む泡状定着液を生成させることができる。
また、泡状定着液の密度(泡密度)は、0.01g/cm〜0.1g/cm程度の範囲が望ましい。
ところで、塗布ローラ2052aに対するトナーの著しいオフセット付着を防止するには、塗布ローラ2052aと記録紙が接触する際のニップ時間が、定着液がトナー層を浸透して記録紙に到達するまでの時間よりも長いことが重要である。なお、オフセット付着とは、記録紙上のトナーが記録紙側から塗布ローラ側に移行し、塗布ローラの表面に付着することをいう。
塗布ローラ2052aと記録紙の接触開始点から分離開始点までの間の部分は、ニップ部と呼ばれている。そして、上記ニップ時間は、塗布ローラ2052aと記録紙の接触開始から分離開始までの時間をいう。また、塗布ローラ2052aと記録紙の接触開始点から分離開始点までの間の部分における、搬送方向に関する記録紙の長さは、ニップ幅と呼ばれている。さらに、ニップ部に加えられる圧力は、ニップ圧と呼ばれ、ニップ部への加重をニップ部の面積で割った値である。そして、上記ニップ時間は、記録紙の搬送速度とニップ幅に応じて設定される。
加圧ローラ2052bは、樹脂の弾性多孔質体(以下、「スポンジ部材」という)でできている。これにより、容易にニップ幅を変えることができる。なお、スポンジ部材に代えて弾性ゴム部材を用いることも可能であるが、スポンジ部材は、弾性ゴム部材よりも弱い力で変形させることができるため、塗布ローラ2052aの加圧力を過剰に高くすることなく、長いニップ幅を確保することができる。
ところで、定着液には樹脂を溶解又は膨潤させる軟化剤が含まれているため、加圧ローラ2052bに定着液が付着すると、スポンジ部材の樹脂が溶解又は膨潤する恐れがある。そこで、スポンジ部材の樹脂には、軟化剤に対して安定した樹脂が用いられている。なお、軟化剤に対して安定した性質を有する可とう性フィルムで加圧ローラ2052bを覆うことも可能であり、この場合には、スポンジ部材の樹脂に軟化剤で劣化する樹脂を用いることができる。スポンジ部材の樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、及びポリアミドなどを用いることができる。また、上記可とう性フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、四フッ化エチレン・バーフロロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)などを用いることができる。
また、トナー層の定着には、定着液がトナー層におけるトナー同士の間隙に浸透していくことが必要である。トナー層に液状定着液が塗布された場合、毛管現象によって定着液はトナー同士の間隙に浸透していく。一方、トナー層に泡状定着液が塗布された場合、発明者等の詳細な観察によると、泡は柔軟な連続体のような挙動を示し、トナー同士の間隙に浸透した泡をその上側の泡が押しながら連続的に泡がトナー同士の隙間を埋めていくことで浸透している。そして、泡膜の厚みがトナー層の厚みよりも薄いと、泡を押す力が途中で止まってしまい、泡は記録紙まですばやく到達できないことも観察された。そこで、トナー層より泡状定着液層のほうを厚くする必要があると考えられる。
また、トナー層に塗布された泡状定着液がトナー層におけるトナー同士の間隙に浸透し、記録紙に到達するまでの時間(浸透時間)は、トナーの粒径が5μm前後である場合、50ミリ秒から300ミリ秒の範囲内にある。そこで、ニップ時間は、最低でも浸透時間を確保する必要がある。
定着液供給装置2051からの泡状定着液は、塗布ローラ2052aの+Z側の面上に供給され、塗布ローラ2052aの回転に伴って、前記加圧部に向かって移動する。
膜厚調整用ブレード2053は、塗布ローラ2052aの−X側に配置され、一例として図4に示されるように、ブレード先端と塗布ローラ2052aの表面との間隔が所定の間隔となるように調整されている。そして、膜厚調整用ブレード2053は、一例として図5に示されるように、塗布ローラ2052aに付着している泡状定着液の膜厚を所定の厚さにする。この所定の厚さは、泡状定着液に含まれる気泡の大きさ及び加圧力、並びに定着前のトナー層の厚さに応じて設定される。
膜厚調整用ブレード2053で膜厚制御された泡状定着液は、塗布ローラ2052aの回転に伴って、加圧部に向かって移動する。
加圧部では、搬送されてきた記録紙の表面に泡状定着液が塗布されるとともに、Z軸方向の圧力が記録紙に印加される。
そして、トナー層を形成しているトナーは、該トナーに含まれている樹脂の少なくとも一部が定着液に含まれる軟化剤によって溶解あるいは膨潤されて軟化し、記録紙の表面に定着される。
図1に戻り、放電発生装置2055は、定着装置2050の+X側に配置され、定着装置2050でトナー画像が定着された記録紙の表面に、放電生成物を付与する。なお、放電生成物とは、オゾンや窒素酸化物などの活性物質及びそれらの反応生成物の総称をいう。
例えば、窒素酸化物は反応生成物として硝酸化合物を生成する。この硝酸化合物やオゾンは、水分に吸着しやすい性質がある。そこで、定着液が残留している記録紙の表面に放電生成物が吸着する。
放電生成物は、定着液に含まれる軟化剤の軟化作用を低下させる。これにより、記録紙の表面に残留している定着液の粘着性を低下させることができる。
ここでは、一例として図6に示されるように、放電発生装置2055として、コロトロン帯電装置が用いられている。
コロトロン帯電装置は、いわゆるコロナ放電を生じる装置であり、開放部分をもつ円筒形状あるいは角筒形状に成形されたアルミニウム等の金属製ケース2055aのほぼ中心部分に、コロナ電極2055bとして直径50μm程度のタングステンワイヤが架空されている。
コロナ電極2055bには、直流電圧、交流電圧、あるいは直流電圧に交流電圧が重畳された電圧が印加される。金属製ケース2055aは、接地されている。なお、金属製ケース2055bは、直流電圧が印加されても良い。また、コロナ電極2055bに交流電圧を印加する場合には、その周波数が高いほど放電量を多くすることができ、その結果、放電生成物を多く発生させることができる。ここでは、一例として、2kHz、150Vの交流電圧をコロナ電極2055bに印加している。
金属製ケース2055bは、その開放部分が、搬送ガイド上の記録紙の表面に対向するように配置されている。これにより、コロナ放電で発生した放電生成物を記録紙の表面に供給することができる。コロトロン帯電装置は、装置の構成が簡素で安価であるという利点がある。
また、放電発生装置2055の−Z側に配置され、定着装置2050を通過した記録紙が載置される搬送ガイドは、接地されている。
ここで、電子写真方式のカラー複写機(リコー社製 CX2500)を用い、マゼンタ色のトナー層の上にイエロー色のトナー層を有する全面べた画像(紙上のトナー量は500mg/A4)の未定着のカラー画像が形成されたPPC用紙(リコーT−6200)を作製した。
そして、放電発生装置2055がない場合と、放電発生装置2055がある場合とについて、PPC用紙上のトナーのいわゆるタック力をタッキネステスタ(株式会社レスカ製)を用いて評価した。ここでは、定着液塗布後の画像部(PPC用紙上のトナー)にステンレス鋼製の円柱形プローブ(φ8.0mm)を圧縮荷重100gfで20sec押付けた後、120mm/minの速度で引抜き、その引抜き時にかかる応力を測定した。この評価に用いられた定着液の組成が図7に示されている。
そして、応力が0.0〜4.0kPaのときを「○(非画像部と同等、又はタックほぼ無し)」、応力が4.1〜10.0kPaのときを「×(タック小)」、応力が10.1kPa以上のときを「××(タック大)」と評価した。この評価結果が図8に示されている。図8からも明らかなように、放電発生装置2055は、タック力を低下させるのに大きく寄与している。
図1に戻り、放電発生装置2055を通った記録紙は、排紙ローラ2058を介して排紙トレイ2070に送られ、排紙トレイ2070上に順次スタックされる。
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る画像形成装置2000において、本発明の画像形成方法が実施されている。
以上説明したように、本実施形態に係る画像形成装置2000によると、光走査装置2010、4つの画像形成ステーション、転写ベルト2040、転写ローラ2042、定着装置2050、放電発生装置2055及び上記各部を統括的に制御するプリンタ制御装置2090などを備えている。
定着装置2050は、トナー画像が転写されている記録紙の表面に、トナーに含まれる樹脂を溶解又は膨潤させる軟化剤が含まれた泡状定着液を塗布するとともに、圧力を加えて、トナー画像を定着する。
そして、放電発生装置2055は、定着装置2050でトナー画像が定着された記録紙の表面に、放電生成物を付与する。
この場合には、定着液が残留している記録紙の表面に放電生成物が吸着し、定着液に含まれている軟化剤の軟化作用が低下する。これにより、記録紙表面におけるタック感(粘着感)を低下させることができる。そこで、複数枚の画像を連続して出力する際に、排紙トレイにストックされた記録紙同士が貼りつくのを抑制することができる。従って、画像品質及び画像形成速度を低下させることなく、消費電力を従来よりも大幅に低減させることが可能となる。
また、定着液供給装置2051は、泡状定着液を塗布ローラ2052aに供給している。この場合には、液状定着液を記録紙に塗布する場合と比較して、定着液の使用量を少なくすることができる。その結果、軟化剤の塗布量が少なくなり、記録紙が放電発生装置2055を通過するのに要する時間を短くすることができる。すなわち、記録紙の搬送速度を速くすることが可能である。また、放電発生装置2055での必要な放電量を低減することができる。さらに、記録紙上の未定着トナーが塗布ローラ2052aに付着すること(オフセット)を防止することができる。そして、定着液の使用量が少ないため、定着液を補給(補充)するタイミングを遅らせることができ、ランニングコストの低下を図ることが可能である。
また、定着液供給装置2051は、液状定着液を一旦大きな泡を含む定着液へと変化させ、続いて該大きな泡を含む定着液を泡状定着液に変化させている。この場合には、液状定着液を直接泡状定着液に変化させる場合に比べ、極めて短時間に所望の大きさの微小な泡を生成することができる。
また、定着液供給装置2051では、気泡を含有しない状態で定着液を保存し、定着液が必要なときに泡状定着液としている。この場合には、予め泡状定着液を作成して保存しておく場合に比べて、定着液供給装置を小型化することができる。
なお、上記実施形態では、定着液供給装置2051で泡径のそろった複数の大きな泡を生成する際に、微小孔シート2051を用いる場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、前記微小孔シート2051に代えて、孔径が30μm〜100μm程度の複数の微小な孔が形成されている焼結セラミックス板、不織布及び発泡樹脂シートを用いても良い。要するに、連泡構造の多孔質部材であれば良い。
また、別の大きな泡の生成方法としては、供給された定着液2051と空気取り入れ口2051からの空気を羽根状の攪拌子で攪拌し、定着液2051に気泡を巻き込みながら大きな泡を生成させる構成や、供給された定着液2051に空気供給ポンプ等でバブリングを行い大きな泡を生成する構成としても良い。
また、上記実施形態では、放電発生装置2055として、コロトロン帯電装置を用いる場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、前記コロトロン帯電装置に代えて、スコロトロン帯電装置を用いても良い。
また、一例として図9に示されるように、前記コロトロン帯電装置に代えて、Z軸方向に関して互いに対向する2本のローラ(2055A−1、2055A−2)を有する放電発生装置2055Aを用いても良い。ここでは、2本のローラ(2055A−1、2055A−2)の間で放電が生じるように電圧が印加される。この場合であっても、上記実施形態と同様な効果を得ることができる。
この場合には、定着層と2050からの記録紙は、2本のローラ(2055A−1、2055A−2)の間に搬送され、記録紙の表面に放電生成物が付与される。ここでは、放電部に記録紙が搬送されるため、記録紙の表面に残留している定着液に放電生成物を効率良く付与することができる。また、記録紙の表面では、トナー部分に多くの定着液が残留しており、放電発生装置2055Aを用いると、トナーの表層が放電部に最も近接することになり(図10参照)、より効果的に記録紙の表面の粘着性を低下させることができる。
また、この場合には、2本のローラが近接しているため、印加電圧を低くすることができる、また、微小な領域で放電するため、その領域ではエネルギーが集中しており、放電生成物は活性状態にあると考えられる。このため、定着液に含まれる軟化剤の軟化作用を低減する効果も考えられる。
なお、この場合に、ローラ2055A−1の汚れが悪影響を及ぼすときは、一例として図11に示されるように、ローラ2055A−1の位置を+Z側にシフトさせ、ローラ2055A−1が記録紙の表面に接触しないようにしても良い。
また、上記実施形態において、定着装置2050を通過した記録紙を排紙トレイ2070に搬送するための搬送ローラに、放電発生装置の機能を持たせても良い。この場合には、部品点数の増加及びコストの上昇を抑制することができる。
また、上記実施形態では、泡状定着液が塗布ローラ2052aに供給される場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、オフセットを考慮する必要がない場合には、液状定着液が塗布ローラ2052aに供給されても良い。この場合には、定着液供給装置2051では、気液混合容器2051及び微小泡生成装置2051は不要である。また、定着液に起泡剤は不要である。
この場合に、上記実施形態と同様にしてPPC用紙上のトナーのタック力を評価した結果が、図12に示されている。また、このときに用いた定着液の組成が図13に示されている。
また、上記実施形態では、膜厚調整用ブレード2053を用いて、塗布ローラ2052aに付着している泡状定着液の膜厚を調整する場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、前記膜厚調整用ブレード2053に代えて、ワイヤーバーを用いても良い。
また、上記実施形態では、塗布ローラ2052aを用いて記録紙の表面に定着液を塗布する場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、前記塗布ローラ2052aに代えて、ニップ幅をより広く設定することが可能なベルト構造体を用いても良い。この場合には、ニップ時間が同じであれば、記録紙の搬送速度をより高速化することができる。そして、ベルト構造体に使用する材料も定着液に対して劣化しない材料であれば良い。
以上説明したように、本発明の画像形成装置及び画像形成方法によれば、画像品質及び画像形成速度を低下させることなく、消費電力を低減させるのに適している。
2000…カラープリンタ(画像形成装置)、2050…定着装置、2055…放電発生装置、2055A…放電発生装置、2055A−1…ローラ(帯電ローラ)、2055A−2…ローラ(帯電ローラ)。
特許第3290513号公報 特許第4185742号公報 特開昭59−119364号公報 特開2004−109747号公報 特開2007−219105号公報 特開2006−265660号公報 特開2005−144351号公報

Claims (7)

  1. 樹脂の少なくとも一部を溶解あるいは膨潤させる定着液を用いて、媒体に付着した微粒子を該媒体に定着させる画像形成装置において、
    定着された前記微粒子に放電生成物を付与する放電発生装置を設けたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記放電発生装置は、コロナ帯電装置であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記放電発生装置は、前記媒体がそれらの間を通過する一対の帯電ローラを有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  4. 前記一対の帯電ローラの間を前記媒体が通過する際、前記一対の帯電ローラにおける一方の帯電ローラは、前記媒体上の前記微粒子に接触することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記定着液は起泡剤を含有し、
    前記定着液を泡化する泡化装置を更に備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  6. 前記放電生成物は、オゾンや窒素酸化物などの活性物質及びそれらの反応生成物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  7. 樹脂を含む微粒子が付着している媒体に、樹脂の少なくとも一部を溶解あるいは膨潤させる定着液を塗布して前記微粒子を定着し、媒体上に画像を形成する画像形成方法において、
    定着された前記微粒子に放電生成物を付与する工程を更に含むことを特徴とする画像形成方法。
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