JP2011013391A - 重合トナーの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】バスケット型遠心濾過機の稼働効率を維持しつつ、排出シュートの内壁にウエットケーキが付着して排出口を閉塞させることを防止することができる重合トナーの製造方法を提供する。
【解決手段】濾布面に残留した残留層に、加圧ガスを噴射して、1)掻取刃が残留層に接する点と回転バスケットの回転軸の中心点とを結ぶ線分と、加圧ガスが残留層に当たる点と回転バスケットの回転軸の中心点とを結ぶ線分とのなす角度(θ)が、掻取方向に対して270°以上360°未満の範囲内にあり、2)加圧ガスを噴射する噴射口の中心点と加圧ガスが残留層に当たる点とを結ぶ線分と、当該加圧ガスが残留層に当たる点における接線とのなす角度(θ)が、20°以上90°未満の範囲内にあり、3)ウエットケーキを排出する前後に、排出シュートを加振し、及び/又は加圧ガスを排出シュートの内壁に沿って噴射することを特徴とする重合トナーの製造方法である。
【選択図】図2

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、及び静電印刷法等において静電潜像を現像するために用いられる重合トナー(以下、単に「トナー」と称することがある。)の製造方法に関する。
トナーの主構成要素である着色樹脂粒子の製造方法は、乾式法と湿式法に大別される。
乾式法としては、粉砕法等が挙げられ、結着樹脂を着色剤及びその他の添加物等と溶融混練し、粉砕し、分級することにより着色樹脂粒子を製造する方法である。
これに対して、湿式法としては、重合法、溶解懸濁法等が挙げられ、水系分散媒体中で着色樹脂粒子を製造する方法である。
粉砕法で得られる着色樹脂粒子が不定形であるのに対して、重合法、溶解懸濁法等の湿式法で得られる着色樹脂粒子は、形状が球形に近く、小粒径でシャープな粒径分布をもつ。
湿式法の中でも、重合法によれば、トナーの粒径制御が容易で、小粒径の球形で粒度分布がシャープな重合トナーを製造することができる。
重合法としては、例えば、重合性単量体と着色剤を含有する重合性単量体組成物を水系分散媒体中で分散させて液滴を形成し、当該液滴を重合し、着色樹脂粒子を得る懸濁重合法や、乳化させた重合性単量体を重合し、樹脂微粒子を得て、着色剤等と凝集させ、着色樹脂粒子を得る乳化重合凝集法などが挙げられる。
重合法によるトナー(重合トナー)は、着色樹脂粒子水分散液から着色樹脂粒子を固液分離する工程、固液分離された湿潤状態の着色樹脂粒子(ウエットケーキ)を洗浄する工程、洗浄された着色樹脂粒子を含む水分散液を脱水してウエットケーキを形成する工程(脱水工程)、及び脱水されたウエットケーキを乾燥する工程を経て製造される。
近年、上記脱水工程において、被処理液の供給量が、総計で10〜100tにまで上る場合には、脱水操作の稼働効率を長期に亘って維持させながら、長期安定操業が可能な重合トナーの製造方法の開発が求められ、一般に、大容量の被処理液に対する脱水処理能力が高いことで知られるバスケット型遠心濾過機を用いた脱水操作について様々な検討がなされている。
例えば、公知のバスケット型遠心濾過機においては、図1の縦断面図に示すように、原液供給管を経て高速回転する回転バスケット内に供給された被処理液は、遠心力の作用で回転バスケット内の半径方向に集液され、液分は回転バスケット内周面に張設された濾布を通過して回転バスケットの外部に排出され、固形分は濾布面に沈降堆積されてウエットケーキ層が形成される。濾布面に形成されたウエットケーキは、掻取刃によって掻取られ、排出シュートを通じて機外に排出される。
掻取刃による掻取においては、掻取刃で濾布を損傷しないように、薄いウエットケーキ層を残して、ウエットケーキの掻き取りを行いながら濾過操作を進行させるが、長期に亘って濾過操作を進行させると、残留したウエットケーキ層が遠心力で締め固められて難濾過性の固い層(以下、「残留層」と称す。)が形成され、液分の通過経路(間隙)が確保され難くなり、濾過抵抗が大きくなって単位時間当たりの脱水処理能力が低下してしまう原因になっていた。
従来においては、上記のように難濾過性の残留層が形成されて、脱水処理能力が低下してくると、バスケット型遠心濾過機の運転を停止し、回転バスケットの濾布面に固着している残留層を、ナイフ、スクレーパー等を使用して手作業によって除去する方法がとられていた。しかしながら、このような手作業による残留層の除去作業には、多大の労力と時間を要し、脱水操作の稼働効率を長期に亘って維持させられず、生産効率の低下を招いていた。
特許文献1においては、難濾過性の残留層を除去する方法として、掻取刃の裏面側に、加圧ガスを噴射するガス噴射管を噴射ガスが掻取刃の刃先に沿って噴射するように固定して設けたことを特徴とするケーキ掻取除去装置が開示されている。
特開平10−180143号公報
しかしながら、特許文献1では、脱水操作の稼働効率を長期に亘って維持させながら、長期安定操業が可能な重合トナーの製造方法にも適用可能なレベルにあるかどうかの検討は行われていない。
本発明は、上記実状を鑑みて成し遂げられたものであり、本発明の目的は、脱水工程において、バスケット型遠心濾過機の稼働効率を長期に亘って維持しつつ、排出回収工程においては、排出シュートを通じてウエットケーキが排出される際、当該ウエットケーキが、排出シュートの内壁に付着して排出口を閉塞させることを防止し、含水率が低いウエットケーキを効率良く回収し、長期安定操業が可能な重合トナーの製造方法を提供することにある。
本発明者は、特許文献1では、十分な検討が行われていなかった、バスケット型遠心濾過機による脱水操作を経て、長期安定操業が可能な重合トナーの製造方法についての検討を十分に行ない、上記目的を達成すべく鋭意検討したところ、脱水工程において、加圧ガスの噴射角度を特定することにより、濾布面から難濾過性の残留層を好適に剥離させることができ、排出回収工程においては、排出シュートを加振し、及び/又は排出シュートの内壁に沿って加圧ガスを噴射することにより、排出口の閉塞を防止することができることを見出し、これらの知見に基づいて本発明を完成するに到った。
すなわち本発明の重合トナーの製造方法は、重合法により着色樹脂粒子を形成して着色樹脂粒子水分散液を得る工程、当該着色樹脂粒子水分散液中の着色樹脂粒子を、分離及び洗浄する分離洗浄工程、当該分離洗浄された着色樹脂粒子を、回転バスケット及び排出シュートを備えたバスケット型遠心濾過機を用いて脱水して、当該遠心濾過機内に湿潤状態の着色樹脂粒子(ウエットケーキ)層を形成する脱水工程、当該ウエットケーキを、排出及び回収する排出回収工程、並びに当該排出回収されたウエットケーキを、乾燥する乾燥工程を含む重合トナーの製造方法であって、
上記脱水工程において、回転バスケットの濾布面に形成されたウエットケーキ層に、回転バスケットの周回方向と対向する方向から掻取刃が当接して、当該ウエットケーキ層を掻き取り、当該掻取刃で掻き取れずに濾布面に残留したウエットケーキ層(残留層)に、加圧ガスを噴射して、当該残留層を剥離するにあたって、
1)掻取刃が残留層に接する点と回転バスケットの回転軸の中心点とを結ぶ線分と、加圧ガスが残留層に当たる点と回転バスケットの回転軸の中心点とを結ぶ線分とのなす角度(θ)が、掻取方向に対して270°以上360°未満の範囲内にあり、
2)加圧ガスを噴射する噴射口の中心点と加圧ガスが残留層に当たる点とを結ぶ線分と、当該加圧ガスが残留層に当たる点における接線とのなす角度(θ)が、20°以上90°未満の範囲内にあり、
上記排出回収工程において、上記脱水工程を経て得られるウエットケーキを、排出シュートを通じて機外へ排出及び回収するにあたって、
3)ウエットケーキを排出する前後に、排出シュートを加振し、及び/又は、排出シュートの内壁に設けた噴射口から加圧ガスを排出シュートの内壁に沿って噴射することを特徴とするものである。
前記重合トナーの製造方法において、前記掻取刃の裏面側に、加圧ガスを噴射する噴射口を備えた噴射ノズルを設置し、当該噴射口から噴射される加圧ガスの圧力が、0.1〜1.5MPaであることが好ましい。
前記重合トナーの製造方法において、前記脱水工程において、着色樹脂粒子水分散液中の着色樹脂粒子を凝集させた後に、バスケット型遠心濾過機を用いて脱水し、
上記凝集後かつバスケット型遠心濾過機による脱水工程前の着色樹脂粒子の個数平均粒径(Dn)と、前記着色樹脂粒子水分散液後かつ分離洗浄工程前の着色樹脂粒子の個数平均粒径(Dn)との比(Dn/Dn)が、1.2〜2.0であることが好ましい。
上記の如き本発明の重合トナーの製造方法によれば、脱水工程において、バスケット型遠心濾過機の稼働効率を長期に亘って維持しつつ、排出回収工程においては、排出シュートを通じてウエットケーキが排出される際、当該ウエットケーキが、排出シュートの内壁に付着して排出口を閉塞させることを防止し、含水率が低いウエットケーキを効率良く回収し、長期安定操業が可能な重合トナーの製造方法が提供される。
図1は、公知のバスケット型遠心濾過機の模式的縦断面図である。 図2Aは、加圧ガスの噴射角度(θ)を示し、図2Bは、加圧ガスの噴射角度(θ)を示す。 図3は、本発明の実施例で用いたバスケット型遠心濾過機の模式的縦断面図である。
本発明の重合トナーの製造方法は、重合法により着色樹脂粒子を形成して着色樹脂粒子水分散液を得る工程、当該着色樹脂粒子水分散液中の着色樹脂粒子を、分離及び洗浄する分離洗浄工程、当該分離洗浄された着色樹脂粒子を、回転バスケット及び排出シュートを備えたバスケット型遠心濾過機を用いて脱水して、当該遠心濾過機内に湿潤状態の着色樹脂粒子(ウエットケーキ)層を形成する脱水工程、当該ウエットケーキを、排出及び回収する排出回収工程、並びに当該排出回収されたウエットケーキを、乾燥する乾燥工程を含む重合トナーの製造方法であって、
上記脱水工程において、回転バスケットの濾布面に形成されたウエットケーキ層に、回転バスケットの周回方向と対向する方向から掻取刃が当接して、当該ウエットケーキ層を掻き取り、当該掻取刃で掻き取れずに濾布面に残留したウエットケーキ層(残留層)に、加圧ガスを噴射して、当該残留層を剥離するにあたって、
1)掻取刃が残留層に接する点と回転バスケットの回転軸の中心点とを結ぶ線分と、加圧ガスが残留層に当たる点と回転バスケットの回転軸の中心点とを結ぶ線分とのなす角度(θ)が、掻取方向に対して270°以上360°未満の範囲内にあり、
2)加圧ガスを噴射する噴射口の中心点と加圧ガスが残留層に当たる点とを結ぶ線分と、当該加圧ガスが残留層に当たる点における接線とのなす角度(θ)が、20°以上90°未満の範囲内にあり、
上記排出回収工程において、上記脱水工程を経て得られるウエットケーキを、排出シュートを通じて機外へ排出及び回収するにあたって、
3)ウエットケーキを排出する前後に、排出シュートを加振し、及び/又は、排出シュートの内壁に設けた噴射口から加圧ガスを排出シュートの内壁に沿って噴射することを特徴とするものである。
重合法としては、懸濁重合法、乳化凝集重合法、及び分散重合法等が挙げられるが、本発明により提供される重合トナーの製造方法においては、懸濁重合法を採用することが好ましい。
以下、懸濁重合法により重合トナーを製造する方法を、代表例として挙げて説明する。
(1)着色樹脂粒子水分散液を得る工程
本工程では、(1−1)重合性単量体組成物の調製工程、(1−2)懸濁液を得る工程(液滴形成工程)、及び(1−3)重合工程を含み、当該各工程を経て、所望の着色樹脂粒子水分散液を得ることができる。
(1−1)重合性単量体組成物の調製工程
先ず、重合性単量体、着色剤、さらに必要に応じて添加される帯電制御剤、及び離型剤等のその他の添加物を混合、溶解又は分散して重合性単量体組成物の調製を行なう。重合性単量体組成物を調製する際には、例えば、メディア式分散機を用いて行なう。
重合性単量体とは、重合可能な官能基を有するモノマーのことをいい、重合性単量体が重合して結着樹脂となる。重合性単量体の主成分として、モノビニル単量体を用いることが好ましい。
モノビニル単量体としては、例えば、スチレン;ビニルトルエン、及びα−メチルスチレン等のスチレン誘導体;アクリル酸、及びメタクリル酸;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、及びアクリル酸ジメチルアミノエチル等のアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、及びメタクリル酸ジメチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル;アクリルアミド、及びメタクリルアミド;エチレン、プロピレン、及びブチレン等のオレフィン;等が挙げられる。これらのモノビニル単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記モノビニル単量体のうち、スチレン、スチレン誘導体、アクリル酸エステル、及びメタクリル酸エステルが特に好適に用いられる。
重合性単量体の一部として、トナーの保存性(耐ブロッキング性)を改善するために、上記モノビニル単量体と共に、任意の架橋性の重合性単量体を用いることができる。架橋性の重合性単量体とは、2つ以上の重合可能な官能基を有するモノマーのことをいう。
架橋性の重合性単量体としては、一般に、トナー用の架橋性の重合性単量体として用いられているものであれば、特に限定されず、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、及びこれらの誘導体等の芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジメタクリレート、及びジエチレングリコールジメタクリレート等の二官能性のエチレン性不飽和カルボン酸エステル;N,N−ジビニルアニリン、及びジビニルエーテル等のヘテロ原子含有ジビニル化合物;トリメチロールプロパントリメタクリレート、及びジメチロールプロパンテトラアクリレート等の3個以上のビニル基を有する化合物;等が挙げられる。これらの架橋性の重合性単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明では、架橋性の重合性単量体を、モノビニル単量体100重量部に対して、通常、0.1〜5重量部、好ましくは0.3〜2重量部の割合で用いることが望ましい。
また、重合性単量体の一部として、トナーの保存性と低温定着性とのバランスを向上させるために、上記モノビニル単量体と共に、任意のマクロモノマーを用いることができる。
マクロモノマーとは、分子鎖の末端に重合可能な炭素−炭素不飽和結合を有し、数平均分子量(Mn)が、通常1,000〜30,000の反応性のオリゴマーまたはポリマーのことをいう。マクロモノマーとして、重合性単量体を重合して得られる重合体(結着樹脂)のガラス転移温度(Tg)よりも高いTgを有するオリゴマーまたはポリマーを用いることが好ましい。
本発明では、マクロモノマーを、モノビニル単量体100重量部に対して、通常0.01〜10重量部、好ましくは0.03〜5重量部、さらに好ましくは0.1〜2重量部の割合で用いることが望ましい。
着色剤としては、カラートナー(通常、ブラックトナー、シアントナー、イエロートナー、及びマゼンタトナーの4種類のトナーが用いられる。)を製造する場合、ブラック着色剤、シアン着色剤、イエロー着色剤、及びマゼンタ着色剤をそれぞれ用いることができる。
ブラック着色剤としては、カーボンブラック、チタンブラック、並びに酸化鉄亜鉛、及び酸化鉄ニッケル等の磁性粉等の顔料を用いることができる。
シアン着色剤としては、例えば、銅フタロシアニン顔料、その誘導体、及びアントラキノン顔料等の化合物が用いられる。具体的には、C.I.Pigment Blue2、3、6、15、15:1、15:2、15:3、15:4、16、17:1、及び60等が挙げられる。
イエロー着色剤としては、例えば、モノアゾ顔料、及びジスアゾ顔料等のアゾ顔料、縮合多環顔料等の化合物が用いられる。具体的には、C.I.Pigment Yellow3、12、13、14、15、17、62、65、73、74、83、93、97、120、138、155、180、181、185、及び186等が挙げられる。
マゼンタ着色剤としては、例えば、モノアゾ顔料、及びジスアゾ顔料等のアゾ顔料、縮合多環顔料等の化合物が用いられる。具体的には、C.I.Pigment Red31、48、57:1、58、60、63、64、68、81、83、87、88、89、90、112、114、122、123、144、146、149、150、163、170、184、185、187、202、206、207、209、251、及びC.I.Pigment Violet19等が挙げられる。
これらの着色剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明では、着色剤を、重合性単量体100重量部に対して、通常、1〜10重量部の割合で用いることが望ましい。
その他の添加物として、トナーの帯電性を向上させるために、正帯電性又は負帯電性の帯電制御剤を用いることができる。
帯電制御剤としては、一般にトナー用の帯電制御剤として用いられているものであれば、特に限定されないが、帯電制御剤の中でも、結着樹脂(又は重合性単量体)との相溶性が高く、安定した帯電性(帯電安定性)をトナー粒子に付与させることができることから、正帯電性又は負帯電性の帯電制御樹脂が好ましく用いられ、正帯電性トナーを得る観点からは、正帯電性の帯電制御樹脂がより好ましく用いられる。
正帯電性の帯電制御樹脂としては、藤倉化成社製の市販品等を用いることができ、例えば、FCA−161P(:商品名、スチレン/アクリル樹脂)、FCA−207P(:商品名、スチレン/アクリル樹脂)、及びFCA−201−PS(:商品名、スチレン/アクリル樹脂)等が挙げられる。
負帯電性の帯電制御樹脂としては、藤倉化成社製の市販品等を用いることができ、例えば、FCA−626N(:商品名、スチレン/アクリル樹脂)、FCA−748N(:商品名、スチレン/アクリル樹脂)、及びFCA−1001N(:商品名、スチレン/アクリル樹脂)等が挙げられる。
本発明では、帯電制御剤を、重合性単量体100重量部に対して、通常、0.3〜10重量部、好ましくは0.5〜8重量部の割合で用いることが望ましい。
その他の添加物として、トナーの定着ロールからの剥離性を向上させるために、離型剤を用いることができる。
離型剤としては、一般にトナー用の離型剤として用いられているものであれば、特に限定されず、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、及び低分子量ポリブチレン等のポリオレフィンワックス;キャンデリラ、カルナウバ、ライス、木ロウ、及びホホバ等の天然ワックス;パラフィンワックス、マイクロクリスタリン、及びペトロラタム等の石油ワックス;モンタン、セレシン、及びオゾケライト等の鉱物ワックス;フィッシャートロプシュワックス等の合成ワックス;ペンタエリスリトールテトラミリステート、ペンタエリスリトールテトラパルミテート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、及びペンタエリスリトールテトララウレート等のペンタエリスリトールエステル、並びに、ジペンタエリスリトールヘキサミリステート、ジペンタエリスリトールヘキサパルミテート、及びジペンタエリスリトールヘキサラウレート等のジペンタエリスリトールエステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル等の多価アルコールエステル化合物;等が挙げられる。これらの離型剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明では、離型剤を、重合性単量体100重量部に対して、通常、0.1〜30重量部、好ましくは1〜20重量部の割合で用いることが望ましい。
その他の添加物として、結着樹脂の分子量や分子量分布を調整するために、分子量調整剤を用いることができる。
分子量調整剤としては、一般にトナー用の分子量調整剤として用いられているものであれば、特に限定されず、例えば、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、及び2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタン−4−チオール等のメルカプタン類;テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、N,N'−ジメチル−N,N'−ジフェニルチウラムジスルフィド、及びN,N'−ジオクタデシル−N,N'−ジイソプロピルチウラムジスルフィド等のチウラムジスルフィド類;等が挙げられる。これらの分子量調整剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明では、分子量調整剤を、重合性単量体100重量部に対して、通常、0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部の割合で用いることが望ましい。
(1−2)懸濁液を得る工程(液滴形成工程)
上記(1−1)重合性単量体組成物の調製工程により得られた重合性単量体組成物を、水系分散媒体中に懸濁させて懸濁液(重合性単量体組成物分散液)を得る。ここで、懸濁とは、水系分散媒体中で重合性単量体組成物の液滴を形成させることを意味する。液滴形成のための分散処理は、例えば、インライン型乳化分散機(荏原製作所社製、商品名:マイルダー)、高速乳化・分散機(プライミクス社製、商品名:T.K.ホモミクサー MARK II型)等の強攪拌が可能な装置を用いて行なうことができる。
水系分散媒体としては、水単独でもよいが、低級アルコール、及び低級ケトン等の水に溶解可能な溶剤を併用することもできる。
液滴形成において、着色樹脂粒子の粒径コントロール、及び円形度を向上させるために、水系分散媒体中に分散安定化剤を含有させて用いることが好ましい。
分散安定化剤としては、例えば、硫酸バリウム、及び硫酸カルシウム等の硫酸塩;炭酸バリウム、炭酸カルシウム、及び炭酸マグネシウム等の炭酸塩;リン酸カルシウム等のリン酸塩;酸化アルミニウム、及び酸化チタン等の金属酸化物、並びに、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、及び水酸化第二鉄等の金属水酸化物などの金属化合物;ポリビニルアルコール、メチルセルロース、及びゼラチン等の水溶性高分子化合物;アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、及び両性界面活性剤等の有機高分子化合物;等が挙げられる。これらの中でも、金属水酸化物が好ましく、特に、pH領域が、通常pH7.
5〜11で用いられる水酸化マグネシウムが好ましい。
上記分散安定化剤の中でも、酸溶液に溶解する難水溶性の金属水酸化物(難水溶性無機化合物)のコロイドを含有する分散安定化剤が好ましく用いられる。上記分散安定化剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
分散安定化剤の添加量は、重合性単量体100重量部に対して0.1〜20重量部であることが好ましく、0.2〜10重量部であることがより好ましい。
重合性単量体組成物の重合に用いられる重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、及び過硫酸アンモニウム等の無機過硫酸塩;4,4’−アゾビス(4−シアノバレリック酸)、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物;ジ−t−ブチルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、及びt−ブチルパーオキシイソブチレート等の有機過酸化物;等が挙げられる。これらの中でも、有機過酸化物が好ましく用いられる。
重合開始剤は、重合性単量体組成物を、分散安定化剤を含有する水系分散媒体中に分散させた後、液滴形成前の段階で添加されてもよいが、重合性単量体組成物に直接添加されてもよい。
重合開始剤の添加量は、重合性単量体100重量部に対して、0.1〜20重量部であることが好ましく、0.3〜15重量部であることがより好ましく、1.0〜10重量部であることがさらに好ましい。
(1−3)重合工程
上記(1−2)懸濁液を得る工程(液滴形成工程)により得られた、所望の懸濁液(重合性単量体組成物の液滴を含有する水系分散媒体)を、加熱し、重合を開始し、着色樹脂粒子の水分散液が得られる。
本発明における重合温度は、50℃以上であることが好ましく、60〜98℃であることがより好ましい。また、本発明における重合時間は、1〜20時間であることが好ましく、2〜15時間であることがより好ましい。
なお、重合性単量体組成物の液滴を安定に分散させた状態で重合を行うために、本重合工程においても上記(1−2)懸濁液を得る工程(液滴形成工程)に引き続き、攪拌による分散処理を行いながら重合反応を進行させてもよい。
重合工程により得られる着色樹脂粒子を、コア層とし、その外側にコア層と異なるシェル層を作ることで得られる、コアシェル構造(または、「カプセル型」ともいう。)を有する着色樹脂粒子としてもよい。
コアシェル構造を有する着色樹脂粒子は、低軟化点の物質よりなるコア層を、それより高い軟化点を有する物質であるシェル層で被覆することにより、トナーの定着温度の低温化と保存時の凝集防止とのバランスをとることができる。
上記コアシェル型の着色樹脂粒子を製造する方法としては、特に制限はなく従来公知の方法によって製造することができる。in situ重合法や相分離法が、製造効率の観点から好ましい。
in situ重合法によるコアシェル型の着色樹脂粒子の製造法を以下に説明する。
着色樹脂粒子が分散している水系分散媒体中に、シェル層を形成するための重合性単量体(シェル用重合性単量体)とシェル用重合開始剤を添加し、重合を行なうことでコアシェル型の着色樹脂粒子を得ることができる。
シェル用重合性単量体としては、前述の重合性単量体と同様のものを用いることができる。その中でも、スチレン、メチルメタクリレート等のTgが80℃を超える重合体が得られる単量体を、単独であるいは2種以上組み合わせて使用することが好ましい。
シェル用重合性単量体の重合に用いるシェル用重合開始剤としては、過硫酸カリウム、及び過硫酸アンモニウム等の過硫酸金属塩;2,2'−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)、及び2,2'−アゾビス−(2−メチル−N−(1,1−ビス(ヒドロキシメチル)2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)等の水溶性のアゾ化合物;等の重合開始剤を挙げることができる。
シェル用重合開始剤の添加量は、シェル用重合性単量体100重量部に対して0.1〜30重量部であることが好ましく、1〜20重量部であることがより好ましい。
シェル層の重合温度は、50℃以上であることが好ましく、60〜95℃であることがより好ましい。また、シェル層の重合時間は、1〜20時間であることが好ましく、2〜15時間であることがより好ましい。
上記(1)着色樹脂粒子水分散液を得る工程を経て得られる着色樹脂粒子においては、高画質の画像形成を行なう観点から、後述する分離洗浄工程前の体積平均粒径(Dv)は、2〜10μmであることが好ましく、3〜9μmであることがより好ましい。また、個数平均粒径(Dn)は、1.7〜8.4μmであることが好ましく、2.5〜7.5μmであることがより好ましい。
上記着色樹脂粒子の体積平均粒径(Dv)及び個数平均粒径(Dn)が、上記下限未満である場合には、トナーの流動性が低下し、カブリ等による画質の劣化が起り易くなり、印字性能に悪影響を及ぼす場合がある。一方、上記着色樹脂粒子の体積平均粒径(Dv)及び個数平均粒径(Dn)が、上記上限を超える場合には、高精細な画像形成が難しくなり、得られる画像の解像度が低下し易くなり、印字性能に悪影響を及ぼす場合がある。
なお、前記体積平均粒径(Dv)、及び個数平均粒径(Dn)は、粒径測定機を用いて測定される値であり、例えば、ベックマン・コールター社製の粒径測定機(商品名:マルチサイザー)を用いて測定することができる。
(2)分離洗浄工程
本工程では、(2−2)洗浄装置による分離・洗浄工程、及び(2−3)着色樹脂粒子の再分散液を得る工程を含み、好ましくは(2−1)酸による分散安定化剤の除去工程を含み、当該各工程を経て、所望の洗浄を行なうことができる。
なお、上記(2−2)〜(2−3)の一連の工程は、必要に応じて複数回繰り返し行なうこともできる。
(2−1)酸による分散安定化剤の除去工程
上記(1)着色樹脂粒子水分散液を得る工程を経て得られる着色樹脂粒子水分散液中に、残存する不要な分散安定化剤を除去するために、酸を添加することにより、分散安定化剤の除去洗浄を行なうことが好ましい。
酸に可溶な分散安定化剤を用いた場合には、着色樹脂粒子水分散液に、酸を添加することによりpH調整を行ない、着色樹脂粒子水分散液中に残存する不要な分散安定化剤を水系に溶解させて除去することができる。
酸に可溶な分散安定化剤を用いた場合に添加する酸としては、特に限定されず、例えば、硫酸、塩酸、及び硝酸等の無機酸;蟻酸、及び酢酸等の有機酸;等が挙げられ、これらの中でも、分散安定化剤の除去効率が高く、製造設備への負担が小さいことから、硫酸が特に好ましく用いられる。
酸を添加して調整される着色樹脂粒子水分散液のpHは、4〜7であることが好ましく、5〜6.5であることがより好ましい。
上記着色樹脂粒子水分散液のpHが、上記下限未満である場合には、着色樹脂粒子水分散液の酸性度の高まりにより、洗浄に多量の洗浄水を必要とする場合がある。一方、上記着色樹脂粒子水分散液のpHが、上記上限を超える場合には、分散安定化剤の除去が困難になる場合がある。
(2−2)洗浄装置による分離・洗浄工程
上記(2−1)酸による分散安定化剤の除去工程を経て得られる着色樹脂粒子を、分離・洗浄を行なう洗浄装置として、例えば、ベルトフィルター等を用いて、固液分離し、イオン交換水等の洗浄水により、洗浄を行ない、湿潤状態の着色樹脂粒子(ウエットケーキ)を形成させることが好ましい。
本工程において、分離・洗浄を行なう装置としてベルトフィルターを用いた場合には、上記(2−1)工程を経て得られる着色樹脂粒子を、当該ベルトフィルターに供給して、固液分離し、湿潤状態の着色樹脂粒子(ウエットケーキ)を形成させた後、当該ウエットケーキに、イオン交換水等の洗浄水を均一に降りかけて供給し、均一洗浄を行なうことにより、所望の湿潤状態の着色樹脂粒子(ウエットケーキ)を形成させることができる。
ベルトフィルターとしては、例えば、住友重機械工業社製の連続式ベルトフィルター(商品名:イーグルフィルター)、アタカ大機社製の真空水平式ベルトフィルター(商品名:ダイキ・ADPECフィルター)、及び月島機械社製の水平ベルトフィルター(商品名:月島−水平ベルトフィルター)等が代表的に挙げられる。
洗浄に用いるイオン交換水等の洗浄水の量は、着色樹脂粒子水分散液中の固形分量に対して、2〜20倍量であることが好ましく、3〜10倍量であることがより好ましく、3〜6倍量であることがさらに好ましい。
上記洗浄水の量が、上記下限未満である場合には、ウエットケーキに含まれる不純物の除去が洗浄によって十分に行われず、トナーの印字性能に悪影響を及ぼす場合がある。一方、上記洗浄水の量が、上記上限を超える場合には、必要以上の洗浄が行われることになり、トナーの生産性を低下させる場合がある。
(2−3)着色樹脂粒子の再分散液を得る工程
上記(2−2)洗浄装置による分離・洗浄工程を経て得られる湿潤状態の着色樹脂粒子(ウエットケーキ)を、イオン交換水に再分散させて、固形分濃度が20重量%の着色樹脂粒子の再分散液を調製した時、当該再分散液を濾過して得られる濾液の電気伝導度が、500μS/cm以下となるまで、着色樹脂粒子の洗浄度を高めた後、当該着色樹脂粒子を、イオン交換水に再分散させて、所定の固形分濃度の着色樹脂粒子の再分散液を得ることが好ましい。
なお、濾液の電気伝導度は、着色樹脂粒子の洗浄度のレベルを判断する際の指標に用いることができる。
着色樹脂粒子の再分散液を濾過して得られる濾液の電気伝導度は、500μS/cm以下であることが好ましく、100μS/cm以下であることがより好ましく、50μS/cm以下であることがさらに好ましい。
上記濾液の電気伝導度が、上記上限を超える場合には、着色樹脂粒子の洗浄度のレベルが低く、着色樹脂粒子の洗浄が不十分であると判断でき、上記(2−2)〜(2−3)の一連の工程を繰り返し行なうことにより、着色樹脂粒子の洗浄度のレベルを高める必要がある。
なお、電気伝導度は、電気伝導度計を用いて測定される値であり、例えば、堀場製作所社製の電気伝導度計(商品名:ES−12)を用いて測定することができる。
本工程において、固形分濃度を20重量%の着色樹脂粒子の再分散液とするのは、着色樹脂粒子の洗浄度の指標である電気伝導度を測定するための条件を特定したものであって固形分濃度が20重量%の着色樹脂粒子の再分散液を、次工程の(3)副生微粒子除去工程に用いることを意味するものではない。
本工程においては、電気伝導度の測定試験の結果から、着色樹脂粒子の洗浄度が所望のレベルに高められたと認められる着色樹脂粒子を、分離洗浄工程の最終段階で得て、イオン交換水を用いて、適切な固形分濃度に再分散させて、着色樹脂粒子の再分散液が得られればよいことを意味する。
なお、上記適切な固形分濃度は、好ましくは15〜35重量%、より好ましくは20〜25重量%として、次工程の(3)副生微粒子除去工程に用いることができる。
一例を挙げると、上記(2−2)工程において、ベルトフィルター上に形成された湿潤状態の着色樹脂粒子(ウエットケーキ)の一部を採取し、イオン交換水に再分散させて、固形分濃度が20重量%の着色樹脂粒子の再分散液とし、当該再分散液を濾過して得られる濾液の電気伝導度が、500μS/cm以下であるならば、ベルトフィルター上に形成された残りの湿潤状態の着色樹脂粒子(ウエットケーキ)は、所望の洗浄度に高められた着色樹脂粒子と判断することができる。
(3)副生微粒子除去工程
本工程では、(3−1)着色樹脂粒子の再分散液のpH調整工程、(3−2)副生微粒子の除去工程、及び(3−3)着色樹脂粒子の再分散液を得る工程を含み、当該各工程を経て、所望の副生微粒子の除去を行なうことができる。
(3−1)着色樹脂粒子の再分散液のpH調整工程
上記(2)分離洗浄工程を経て得られる着色樹脂粒子の再分散液を、アルカリ性にpH調整し、分散を行ない、着色樹脂粒子表面に付着する副生微粒子を、着色樹脂粒子から遊離させることが好ましい。
着色樹脂粒子の再分散液のpH調整後のpHは、9〜12であることが好ましく、9.5〜11.5であることがより好ましい。
上記着色樹脂粒子の再分散液のpH調整後のpHが、上記下限未満である場合には、着色樹脂粒子表面に付着する副生微粒子を、着色樹脂粒子から十分に遊離させることができず、次工程の(4−2)バスケット型遠心濾過機による脱水工程において、濾布に生じる目詰まりの原因となり、脱水効率を低下させ、印字性能にも悪影響が及ぼされる場合がある。一方、上記着色樹脂粒子の再分散液のpH調整後のpHが、上記上限を超える場合には、着色樹脂粒子表面に付着する副生微粒子を、着色樹脂粒子から遊離させることはできるものの、次工程の(4−1)着色樹脂粒子の凝集形成工程において、着色樹脂粒子を凝集させるために、多量の凝集剤が必要となり、脱水効率を低下させる場合がある。
pH調整に用いるアルカリは、着色樹脂粒子の再分散液を、アルカリ性に調整することができるアルカリであれば、特に限定されないが、アルカリ金属水酸化物の水溶液を用いてpH調整することが好ましい。
アルカリ金属水酸化物の水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、及び水酸化リチウム水溶液等が挙げられ、これらの中でも、水酸化ナトリウム水溶液がより好ましく用いられる。
pH調整に用いるアルカリは、低濃度に濃度調整してから用いることが好ましく、アルカリの濃度は、好ましくは0.01〜1.0重量%、より好ましくは0.05〜0.5重量%、さらに好ましくは0.07〜0.3重量%のアルカリを含有する水溶液に濃度調整したものを用いることが好ましい。
なお、pH調整に用いるアルカリの添加量は、アルカリの濃度によって異なるが、アルカリを添加した後の着色樹脂粒子の再分散液のpHが、9〜12になるように添加されれば、その添加量は特に限定されない。
上記pH調整に用いるアルカリの濃度が、上記下限未満である場合には、着色樹脂粒子表面に付着する副生微粒子を、着色樹脂粒子から遊離させるために、多量のアルカリが必要となり、着色樹脂粒子の再分散液の固形分濃度が低下して、液量が増加するために、副生微粒子の除去効率を低下させる場合がある。一方、上記pH調整に用いるアルカリの濃度が、上記上限を超える場合には、所望のpH調整することが難しくなり、副生微粒子の除去効率を低下させる場合がある。
(3−2)副生微粒子の除去工程
上記(3−1)着色樹脂粒子の再分散液のpH調整工程を経て得られる、遊離した副生微粒子を含む着色樹脂粒子の水分散液から、副生微粒子を除去し、所望の湿潤状態の着色樹脂粒子(ウエットケーキ)を得ることが好ましい。
遊離した副生微粒子を含む着色樹脂粒子の水分散液から、副生微粒子を除去する方法は、着色樹脂粒子に悪影響が及ぼされることなく、副生微粒子を好適に除去することができれば、特に限定されないが、粒径が0.6μm未満のいわゆるサブミクロンオーダーを有する微小な副生微粒子を、効率良く除去する観点から、遠心力によって分級を行なう湿式分級装置を用いることが好ましい。
遠心力によって分級を行なう湿式分級装置としては、副生微粒子の除去効率に優れることから、デカンタ型遠心分離機、又は湿式サイクロンを用いることがより好ましく、デカンタ型遠心分離機を用いることが特に好ましい。
デカンタ型遠心分離機を用いて、遊離した副生微粒子を含む着色樹脂粒子の水分散液から、副生微粒子を除去する方法の一例を以下に示す。
デカンタ型遠心分離機は、外側回転筒、及び外側回転筒内に相対回転自在に設けられたスクリューコンベアからなる構造を有する。外側回転筒が高速回転することにより、遠心力を生じさせて、固形分(湿潤状態の着色樹脂粒子)と、液分(副生微粒子を含む水分散液)とに分離させることができ、副生微粒子が好適に除去された湿潤状態の着色樹脂粒子が得られる。
外側回転筒の高速回転によって生じる遠心力は、1000〜4000Gであることが好ましく、1500〜3100Gであることがより好ましい。
上記遠心力が、上記下限未満である場合には、固形分(湿潤状態の着色樹脂粒子)と、液分(副生微粒子を含む水分散液)との分離性が悪くなり、副生微粒子の除去が不十分になる場合がある。一方、上記遠心力が上記上限を超える場合には、着色樹脂粒子に対する機械的衝撃が強過ぎるため、着色樹脂粒子に亀裂や粉砕が生じる等の悪影響が及ぼされ、所望の着色樹脂粒子を得ることができない場合がある。
なお、外側回転筒とスクリューコンベアとの回転数の差は、適宜設定すればよいが、1分間あたり1〜30回転であることが好ましく、5〜20回転であることがより好ましい。
遊離した副生微粒子を含む着色樹脂粒子の水分散液から、副生微粒子の除去を行なった後、着色樹脂粒子1個あたりの副生微粒子の平均個数は、40個以下であることが好ましく、30個以下であることがより好ましく、20個以下であることがさらに好ましい。
上記着色樹脂粒子1個あたりの副生微粒子の平均個数が、上記上限を超える場合には、着色樹脂粒子表面に付着する副生微粒子を、着色樹脂粒子から十分に遊離させることができず、次工程の(4−2)バスケット型遠心濾過機による脱水工程において、濾材に生じる目詰まりの原因となり、脱水効率を低下させ、印字性能にも悪影響が及ぼされる場合がある。
(3−3)着色樹脂粒子の再分散液を得る工程
上記(3−2)副生微粒子の除去工程を経て得られる、副生微粒子の除去が好適に行なわれた湿潤状態の着色樹脂粒子(ウエットケーキ)を、イオン交換水を用いて、適切な固形分濃度に再分散させることが好ましい。
なお、上記適切な固形分濃度は、好ましくは15〜35重量%、より好ましくは20〜25重量%として、次工程の(4)脱水工程に用いることができる。
(4)脱水工程
本工程では、(4−1)着色樹脂粒子の凝集形成工程、及び(4−2)バスケット型遠心濾過機による脱水工程を含み、当該各工程を経て、所望の脱水を行なうことができる。
(4−1)着色樹脂粒子の凝集形成工程
上記(3)副生微粒子除去工程を経て得られる着色樹脂粒子の再分散液に、凝集剤として、酸及び/又はカチオン系高分子凝集剤を添加することにより、着色樹脂粒子の凝集体(フロック)を形成させることが好ましい。
なお、本発明で用いる凝集剤としては、単独で用いる場合には、酸のみが好ましい。
上記(3)副生微粒子除去工程を経て得られる着色樹脂粒子の再分散液に、凝集剤を添加することにより、これまで分散状態にあった着色樹脂粒子が、互いに凝集するようになり、大きなフロック(着色樹脂粒子の凝集体)が形成される。当該着色樹脂粒子の凝集体の凝集状態は、剛直な凝集状態ではなく、着色樹脂粒子の凝集体を水系媒体に再分散させれば、容易に凝集状態が解かれるほど緩い凝集状態(軟凝集状態)にある。
本工程で形成される着色樹脂粒子の凝集体は、このような軟凝集状態にあるため、次工程の(4−2)バスケット型遠心濾過機による脱水工程において、脱水を行なう際、ウエットケーキ内に、水分の通過が可能な経路(間隙)が多数確保されるため、脱水が行なわれ易い状態になり、脱水効率を向上させることができ、含水率が低い湿潤状態の着色樹脂粒子(ウエットケーキ)を効率良く取得することができる。
凝集剤として酸が添加されたときの着色樹脂粒子の再分散液のpHは、2〜6であることが好ましく、4〜6であることがより好ましい。
上記凝集剤として酸が添加された着色樹脂粒子の再分散液のpHが、上記下限未満である場合には、着色樹脂粒子水分散液の酸性度の高まりにより、設備の腐食が生じ易くなる場合がある。一方、上記凝集剤として酸が添加された着色樹脂粒子の再分散液のpHが、上記上限を超える場合には、着色樹脂粒子の凝集体が形成され難くなり、含水率の低い湿潤状態の着色樹脂粒子(ウエットケーキ)が得られ難くなる場合がある。
凝集剤として用いる酸としては、特に限定されず、例えば、硫酸、塩酸、及び硝酸等の無機酸;蟻酸、及び酢酸等の有機酸;等が挙げられる。これらの中でも、凝集剤としての効果が高いことから、硫酸が特に好ましく用いられる。
なお、凝集剤として用いる酸は、1種を単独で用いることもできるが、2種以上を組み合わせて用いても良い。
凝集剤として用いる酸は、低濃度に濃度調整してから用いることが好ましく、酸の濃度は、好ましくは0.05〜1重量%、より好ましくは0.1〜0.5重量%、さらに好ましくは0.1〜0.2重量%の酸を含有する水溶液に濃度調整したものを凝集剤として用いることが好ましい。
なお、酸の添加量は、酸の濃度によって異なるが、酸を添加した後の着色樹脂粒子の再分散液のpHが、2〜6になるように添加されれば、その添加量は特に限定されない。
上記凝集剤として用いる酸の濃度が、上記下限未満である場合には、本工程において、着色樹脂粒子を凝集させるために、多量の凝集剤(酸)が必要となり、着色樹脂粒子の再分散液の固形分濃度が低下し、液量が増加するために、本工程において、脱水時間を多く要し、脱水効率が悪くなる場合がある。一方、上記凝集剤として用いる酸の濃度が、上記上限を超える場合には、着色樹脂粒子の再分散液のpHを、所望のpHに調整することが難しくなり、着色樹脂粒子の凝集体が形成され難くなる場合がある。
凝集剤として用いるカチオン系高分子凝集剤としては、カチオン部を有するカチオン系の高分子凝集剤であれば、特に限定されず、例えば、ジメチルアミノエチルアクリレート系高分子凝集剤(下記式1)(「DAA系」と称することもある。)、ジメチルアミノエチルメタクリレート系高分子凝集剤(下記式2)(「DAM系」と称することもある。)、及びポリビニルアミジン系高分子凝集剤(下記式3)等が挙げられる。これらの中でも、凝集剤としての効果が高いことから、ジメチルアミノエチルアクリレート系高分子凝集剤(「DAA系」)が好ましく用いられる。
なお、本発明で凝集剤として用いるカチオン系高分子凝集剤は、1種を単独で用いることもできるが、2種以上を組み合わせて用いても良い。
Figure 2011013391
Figure 2011013391
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上記式1〜3中、Xは、一価の対アニオンであり、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン等のハロゲンイオン、硝酸イオン、重炭酸イオン、硫酸水素イオン、及び過塩素酸イオン等が挙げられ、これらの中でもハロゲンイオンが好ましい。
なお、上記式1〜3中、m、nは、共重合体の繰返し単位を表す数である。
凝集剤として用いるカチオン系高分子凝集剤の添加量は、着色樹脂粒子100重量部に対して、0.001〜1重量部であることが好ましく、0.002〜0.5重量部であることがより好ましく、0.002〜0.1重量部であることがさらに好ましい。
上記カチオン系高分子凝集剤の添加量が、上記範囲から外れる場合には、着色樹脂粒子の凝集体が形成され難くなり、含水率の低い湿潤状態の着色樹脂粒子(ウエットケーキ)が得られ難くなる場合がある。
上記(4−1)着色樹脂粒子の凝集形成工程を経て得られる凝集後かつバスケット型遠心濾過機による脱水工程前の着色樹脂粒子においては、次工程の(4−2)バスケット型遠心濾過機による脱水工程の脱水効率を向上させる観点から、体積平均粒径(Dv)は、2.4〜16μmであることが好ましく、3.6〜14.4μmであることがより好ましい。また、個数平均粒径(Dn)は、2〜15μmであることが好ましく、3〜13.5μmであることがより好ましい。
なお、前記体積平均粒径(Dv)、及び個数平均粒径(Dn)は、粒径測定機を用いて測定される値であり、例えば、ベックマン・コールター社製の粒径測定機(商品名:マルチサイザー)を用いて測定することができる。
前記個数平均粒子径(Dn)と、前述した個数平均粒子径(Dn)との比(Dn/Dn)は、1.2〜2.0であることが好ましい。
上記個数平均粒径比(Dn/Dn)が、上記下限未満である場合には、着色樹脂粒子の凝集体が十分に形成されず、含水率の低い湿潤状態の着色樹脂粒子(ウエットケーキ)が得られ難くなる場合がある。一方、上記個数平均粒径比(Dn/Dn)が、上記上限を超える場合には、過大な凝集体が形成され過ぎ、バスケット型遠心濾過機への送液に用いる送液用ポンプ等に詰まりが発生する場合がある。
(4−2)バスケット型遠心濾過機による脱水工程
本工程においては、上記(4−1)着色樹脂粒子の凝集形成工程を経て得られる凝集した着色樹脂粒子を含む水分散液を、バスケット型遠心濾過機に供給し、回転バスケットの濾布面に形成されたウエットケーキ層に、回転バスケットの周回方向と対向する方向から掻取刃を当接させて、当該ウエットケーキ層を掻き取り、当該掻取刃で掻き取れずに濾布面に残留したウエットケーキ層(残留層)に、加圧ガスを噴射させて、当該残留層を剥離することで、バスケット型遠心濾過機の稼働効率を長期に亘って維持しつつ、脱水処理を行うことができる。
図3は、本発明で用いるバスケット型遠心濾過機の構成を模式的に示す図である。本発明で用いるバスケット型遠心濾過機には、回転バスケット2、当該回転バスケット内周面に張設した濾布面(濾布4の表面)に形成されるウエットケーキ層を掻き取る掻取刃3、当該掻取刃3で掻き取れずに濾布面に残留したウエットケーキ層(残留層)を加圧ガスによって剥離する噴射ノズル9、当該掻取刃3により掻き取られたウエットケーキ及び加圧ガスにより濾布面から剥離された残留層のウエットケーキを機外に排出する排出シュート5等が主に備えられている。排出シュート5にはエアノッカー10が設けられ、且つ、排出シュート5の内面に噴射ノズル9が設けられている。
本発明で用いるバスケット型遠心濾過機に用いる濾布4の材質としては、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、ナイロン繊維等が挙げられるが、耐酸性及び耐アルカリ性の面から、ポリエステル繊維及び/又はポリプロピレン繊維であることが好ましい。
濾布は、その通気度が0.2〜1.0cc/cm/秒の範囲にあると、生産性の観点から好ましい。また、濾布は、その厚みが0.3〜1.0mmの範囲にあると、耐久性や生産性の観点から好ましい。
図2は、本発明で用いるバスケット型遠心濾過機内における掻取刃と加圧ガス噴射口の配置を説明する模式図である。本発明においては、濾布面から残留層を好適に剥離させる観点から、加圧ガスの噴射角度を以下のように特定した。
1)図2Aに示すように、掻取刃3が残留層6に接する点Xと回転バスケットの回転軸の中心点7とを結ぶ線分と、加圧ガスが残留層6に当たる点Yと回転バスケットの回転軸の中心点7とを結ぶ線分とのなす角度(θ)を、掻取方向Oに対して270°以上360°未満の範囲内とする。ここで、「掻取方向に対して270°以上360°未満の範囲内」とは、回転バスケットの回転軸の中心点7周りの方位角を、掻取刃3が残留層6に接する点Xと回転バスケットの回転軸の中心点7とを結ぶ線分の方位角が0°となり、掻取方向Oに進むほど方位角の値が増加すると考えた時に、その方位角が270°以上360°未満の範囲内であることを意味する。
2)図2Bに示すように、加圧ガスを噴射する噴射口の中心点8と加圧ガスが残留層6に当たる点Yとを結ぶ線分と、当該加圧ガスが残留層6に当たる点における接線Zとのなす角度(θ)を、20°以上90°未満の範囲内とする。ここで、「噴射口の中心点8」とは、噴射口の開口部を正面から見た時の形状の中心点を意味し、「接線Z」とは、回転バスケットの円弧の接線を意味する。
ここで「加圧ガスが残留層に当たる点」とは、加圧ガスが噴射口から噴射されて、残留層に到達したときの点のことを意味する。加圧ガスは、噴射口から勢いよく噴射されると、噴射口の開口部とほぼ同じ断面を持つ平行なガス流となって残留層に到達し、噴射口の開口部とほぼ同じ面積的な広がりを有する到達領域が残留層の表面に形成される。従って、残留層表面のガス流が到達した領域の中で最も中心に位置する点を、「加圧ガスが残留層に当たる点」として特定することができる。
また実際には、加圧ガスが残留層に当たる点または加圧ガスが残留層に当たる領域の中心点を実測により特定することは非常に煩雑である。それゆえ本発明では、噴射口の開口部中心を基点とする仮想線を、加圧ガスの設計上の噴射方向へ延長したときに残留層表面に到達する地点を、「加圧ガスが残留層に当たる点」として特定してもよい。
上記加圧ガスの噴射角度(θ)は、270°以上360°未満の範囲内とし、好ましくは315°以上360°未満の範囲内とする。
また、上記加圧ガスの噴射角度(θ)は、20°以上90°未満の範囲内とし、好ましくは40°以上90°未満の範囲内とする。
上記加圧ガスの噴射角度(θ)及び(θ)が、上記範囲から外れる場合には、濾布面から残留層を好適に剥離させることができず、液分の通過経路(間隙)が確保され難くなり、濾過抵抗が大きくなって単位時間当たりの脱水処理能力が低下してしまう場合がある。
通常、掻取刃は、その刃先が回転バスケットの周回方向に対向するようにウエットケーキ層に当接させる。
本発明においては、濾布面から残留層を好適に剥離させる観点から、加圧ガスを噴射する噴射口を備えた噴射ノズルを、掻取刃の裏面側に設置することが好ましい。ここで「掻取刃の裏面側」とは、残留層が刃先を通過した後に出会う側を意味する。
本発明において、噴射口から噴射される加圧ガスの圧力は、0.1〜1.5MPaであることが好ましく、0.2〜1.0MPaであることがより好ましく、0.3〜0.8MPaであることがさらに好ましい。
上記加圧ガスの圧力が、上記下限未満である場合には、加圧ガスによる噴射衝撃力が十分に得られず、濾布面から残留層を剥離させることができない場合がある。一方、上記加圧ガスの圧力が、上記上限を超える場合には、加圧ガスによる噴射衝撃力が強過ぎて、濾布を損傷させてしまう場合がある。
加圧ガスを噴射する噴射口から当該加圧ガスが残留層に到達するまでの間の距離は、5〜30mmであることが好ましく、7〜15mmであることがより好ましく、9〜13mmであることがさらに好ましい。
上記噴射口と残留層との距離が、上記下限未満である場合には、加圧ガスによる噴射衝撃力が強過ぎて、残留層が飛散し易くなり、ウエットケーキの回収率が低下する場合がある。一方、上記噴射口と残留層との距離が、上記上限を超える場合には、加圧ガスが噴射されても、噴射衝撃力が十分に得られず、濾布面から残留層を剥離させることができない場合がある。
加圧ガスを噴射する噴射口を備えた噴射ノズルは、回転バスケットの奥行(すなわち掻取刃の幅方向)を最大の設置間隔とし、120mm間隔以下となる本数を設置することが好ましく、100mm間隔以下となる本数を設置することがより好ましく、80mm間隔以下となる本数を設置することがさらに好ましい。
上記噴射ノズルを設置する間隔が、上記上限を超える場合には、加圧ガスが当たらない残留層が存在し、濾布面から残留層を好適に剥離させることができない場合がある。
また、加圧ガスの噴射角度が本発明で特定した(θ)及び(θ)となる噴射口を備えた噴射ノズルは、回転バスケットの奥行方向の両端部、すなわち残留層の両端部にも設置することが好ましい。
例えば、残留層の両端部のみに加圧ガスが噴射されないと、残留層の両端部のみ濾過抵抗が大きくなり、この状態が進むと、回転バスケットの異常振動などのトラブル発生の原因になる場合がある。
加圧ガスとしては、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガス、空気等が挙げられるが、コストの面から空気または窒素が好ましい。
掻取刃により掻き取られたウエットケーキ、及び加圧ガスにより濾布面から剥離された残留層のウエットケーキの含水率は、25重量%以下であることが好ましく、20重量%以下であることがより好ましく、15重量%以下であることがさらに好ましい。
上記ウエットケーキの含水率が、上記上限を超える場合には、次工程の(5)排出回収工程において、ウエットケーキが、排出シュートの内壁に付着して排出口を閉塞させてしまう場合がある。
(5)排出回収工程
本工程においては、上記(4−2)バスケット型遠心濾過機による脱水工程を経て得られる、掻取刃により掻き取られたウエットケーキ層、及び加圧ガスにより剥離された残留層のウエットケーキを、排出シュートを通じて機外に排出する際、排出する前後において、排出シュートを加振し、及び/又は排出シュートの内壁に沿って加圧ガスを噴射することによって、ウエットケーキが、排出シュートの内壁に付着して排出口を閉塞させることを防止し、含水率が低いウエットケーキを効率良く回収することができる。
上記(4−2)バスケット型遠心濾過機による脱水工程で得られるウエットケーキを、排出シュートを通じて機外に排出する際、排出シュートの排出口が閉塞されて、ウエットケーキの回収率を低下させてしまう場合がある。本発明の脱水工程で得られるウエットケーキは、比較的含水率が低いものであるが、多少なりとも水分を含むため、排出シュートの内壁に付着してしまう場合がある他、ウエットケーキが有する電荷により静電気力が発生し、排出シュートの内壁に付着してしまう場合もある。
本発明では、ウエットケーキを排出させる前後において、排出シュートを加振させることで、及び/又は加圧ガスを排出シュートの内壁に沿って噴射することで、排出シュートの内壁に付着するウエットケーキであっても、内壁から脱落させることができ、排出口を閉塞させる不具合が解消される他、ウエットケーキの排出を促進させることもできるため、含水率が低いウエットケーキを効率良く回収することができる。
本発明において、排出シュートを加振する方法(すなわち排出シュートを振動させる方法)は、内壁に付着するウエットケーキを脱落させる程度の衝撃振動力を与えられる方法であれば、特に限定されず、例えば、圧縮空気の力によりピストンを駆動するエアノッカー、電力によりハンマーを駆動する電子式ノッカー、ピストンバイブレーター等の衝撃印加装置を用いる方法が代表的に挙げられる。
本発明においては、加振による衝撃振動力を、排出シュートの内壁に付着するウエットケーキに対して効果的に与えられるように、例えば、衝撃印加装置を排出シュートの外壁に1つ以上付設し、排出シュートの排出口の内径、排出されるウエットケーキの量、及び排出されるウエットケーキの含水率等を考慮して、加振を行う位置、加振タイミング、及び加振間隔(回/秒)等を適宜調整し、タイマー等によって周期的に衝撃振動を与えることによって、排出シュートの内壁に付着するウエットケーキを、内壁から脱落させることができる他、ウエットケーキの排出をスムーズに促進させることもできる。
また、本発明においては、加圧ガスを噴射する噴射口を備えた噴出ノズルを、排出シュートの内壁に設置し、排出シュートの内壁に沿って噴射することによっても、上述した排出シュートを加振する場合と同様の効果を得ることができる。加圧ガスを排出シュートの内壁に沿って噴射することにより、排出シュートの内壁に沿ってガス流の層が形成されるので、排出シュート内を移動するウエットケーキが排出シュートの内壁に付着し難くなる。
さらに、加振による衝撃振動力と加圧ガスによる噴射衝撃力とを共に組み合わせると、より高い効果が得られる。
本発明においては、加圧ガスによる噴射衝撃力を、排出シュートの内壁に付着するウエットケーキに対して効果的に与えられるように、例えば、噴射ノズルを排出シュートの内壁に1つ以上設置し、排出シュートの排出口の内径、排出されるウエットケーキの量、及び排出されるウエットケーキの含水率等を考慮して、噴出ノズルの設置位置、噴出ノズルの設置本数、加圧ガスの噴射タイミング、加圧ガスの圧力(MPa)、加圧ガスの噴射時間(秒/回)、及び加圧ガスの噴射回数(回)等を適宜調整することによって、排出シュートの内壁に付着するウエットケーキを、内壁から脱落させることができる他、ウエットケーキの排出をスムーズに促進させることもできる。
本発明において、排出シュートの内壁に沿って噴射口から噴射される加圧ガスの圧力は、0.1〜1.5MPaであることが好ましく、0.2〜1.0MPaであることがより好ましく、0.3〜0.8MPaであることがさらに好ましい。
上記加圧ガスの圧力が、上記下限未満である場合には、加圧ガスによる噴射衝撃力が十分に得られず、内壁に付着するウエットケーキを脱落させることができない場合がある。一方、上記加圧ガスの圧力が、上記上限を超える場合には、加圧ガスによる噴射衝撃力が強過ぎて、ウエットケーキが飛散し易くなり、ウエットケーキの回収率が低下する場合がある。
(6)乾燥工程
上記(5)排出回収工程を経て得られる含水率が低い湿潤状態の着色樹脂粒子(ウエットケーキ)を回収し、着色樹脂粒子を乾燥させることにより、所望の着色樹脂粒子を得ることができる。
上記(5)排出回収工程を経て得られる含水率が低い湿潤状態の着色樹脂粒子(ウエットケーキ)を、乾燥する方法としては、特に限定されず、種々の公知の方法を用いることができ、例えば、真空乾燥法、気流乾燥法、噴霧乾燥法、及び流動層乾燥法等が挙げられる。
本工程で用いる乾燥機としては、所望の着色樹脂粒子が得られる乾燥機であれば、特に限定されず、種々の市販された乾燥機を用いることができ、例えば、真空乾燥法を利用した乾燥機としては、ホソカワミクロン社製の真空乾燥機(商品名:ナウターミキサー)、大川原製作所社製の真空乾燥機(商品名:リボコーン)、神鋼環境ソリューション社製の真空乾燥機(商品名:SVミキサー);気流乾燥法を利用した乾燥機としては、ホソカワミクロン社製の気流乾燥機(商品名:ドライマスターDMR)、セイシン企業社製の気流乾燥機(商品名:フラッシュジェットドライヤー);流動層乾燥法を利用した乾燥機としては、大川原製作所社製の気流層乾燥機(商品名:スリットフロー);等が代表的に挙げられる。
上記公知の乾燥方法に従って、上記(5)排出回収工程を経て得られる含水率が低い湿潤状態の着色樹脂粒子(ウエットケーキ)を乾燥させると、これまで凝集状態にあった着色樹脂粒子は、1個1個の着色樹脂粒子に独立するまで凝集状態が崩壊し、得られる乾燥後の着色樹脂粒子の体積平均粒径(Dv)及び個数平均粒径(Dn)は、それぞれ上記(1)着色樹脂粒子水分散液を得る工程を経て得られる着色樹脂粒子の体積平均粒径(Dv)及び個数平均粒径(Dn)と、ほぼ同じ平均粒径を有する着色樹脂粒子とすることができる。
乾燥により得られる着色樹脂粒子の含水率は、0.4重量%以下であることが好ましく、0.3重量%以下であることがより好ましく、0.2重量%以下であることがさらに好ましい。
上記乾燥した着色樹脂粒子の含水率が、上記上限を超える場合には、カブリ等による画質の劣化が起り易くなり、印字耐久性等の印字性能に悪影響を及ぼす場合がある。
(着色樹脂粒子)
以下において、上記(6)乾燥工程を経て得られる着色樹脂粒子の粒径特性について述べる。
なお、以下で述べる着色樹脂粒子は、コアシェル型のものとそうでないもの両方を含む。
上記(6)乾燥工程を経て得られる着色樹脂粒子においては、高画質の画像形成を行なう観点から、体積平均粒径(Dv)は、2〜10μmであることが好ましく、3〜9μmであることがより好ましい。また、個数平均粒径(Dn)は、1.7〜8.4μmであることが好ましく、2.5〜7.5μmであることがより好ましい。
上記着色樹脂粒子の体積平均粒径(Dv)及び個数平均粒径(Dn)が、上記下限未満である場合には、トナーの流動性が低下し、カブリ等による画質の劣化が起り易くなり、印字性能に悪影響を及ぼす場合がある。一方、上記着色樹脂粒子の体積平均粒径(Dv)及び個数平均粒径(Dn)が、上記上限を超える場合には、高精細な画像形成が難しくなり、得られる画像の解像度が低下し易くなり、印字性能に悪影響を及ぼす場合がある。
着色樹脂粒子の体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比である粒径分布(Dv/Dn)は、高画質の画像形成を行なう観点から、1.0〜1.3であることが好ましく、1.0〜1.2であることがより好ましい。
上記着色樹脂粒子の粒径分布(Dv/Dn)が、上記上限を超える場合には、トナーの流動性が低下し、カブリ等による画質の劣化が起り易くなり、印字性能に悪影響を及ぼす場合がある。
なお、着色樹脂粒子の体積平均粒径(Dv)、及び個数平均粒径(Dn)は、粒径測定機を用いて測定される値であり、例えば、ベックマン・コールター社製の粒径測定機(商品名:マルチサイザー)を用いて測定することができる。
着色樹脂粒子の平均円形度は、高画質の画像形成を行なう観点から、0.975以上であることが好ましく、0.98以上であることがより好ましく、0.985以上であることがさらに好ましい。
上記着色樹脂粒子の平均円形度が、上記下限未満である場合には、トナー印字の細線再現性が低下し易くなり、印字性能に悪影響を及ぼす場合がある。
ここで、「円形度」とは、粒子像と同じ投影面積を有する円の周囲長を、粒子の投影像の周囲長で除した値として定義される。また、本発明における平均円形度は、粒子の形状を定量的に表現する簡便な方法として用いたものであり、着色樹脂粒子の凹凸の度合いを示す指標であり、平均円形度は着色樹脂粒子が完全な球形の場合に1を示し、着色樹脂粒子の表面形状が複雑になるほど小さな値となる。平均円形度は、0.4μm以上の円相当径の粒子について測定された各粒子の円形度(Ci)をn個の粒子について下記計算式1よりそれぞれ求め、次いで、下記計算式2より平均円形度(Ca)を求める。
計算式1:
円形度(Ci)=粒子の投影面積に等しい円の周囲長/粒子投影像の周囲長
Figure 2011013391
上記計算式2において、fiは、円形度(Ci)の粒子の頻度である。
上記円形度及び平均円形度は、例えば、シスメックス社製のフロー式粒子像分析装置「FPIA−2000」、「FPIA−2100」、及び「FPIA−3000」等を用いて測定することができる。
(トナー)
本発明で得られる着色樹脂粒子は、そのままで、あるいは着色樹脂粒子とキャリア粒子(フェライト、及び鉄粉等)により、トナーとしてもよいが、トナーの帯電性、流動性、及び保存性等を調整する観点から、高速撹拌機(例えば、商品名:FMミキサー(三井鉱山社製)等)を用いて、着色樹脂粒子と外添剤を混合して、1成分トナーとしてもよく、着色樹脂粒子と外添剤を混合した後、さらにキャリア粒子を混合して2成分現像剤としてもよい。
外添剤としては、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化錫、炭酸カルシウム、燐酸カルシウム、及び酸化セリウム等からなる無機微粒子;ポリメタクリル酸メチル樹脂、シリコーン樹脂、及びメラミン樹脂等からなる有機微粒子;等が挙げられる。これらの中でも、無機微粒子が好ましく、無機微粒子の中でも、シリカ、及び酸化チタンが好ましく、特にシリカが好適である。上記外添剤は、それぞれ単独で用いることもできるが、2種以上を併用して用いることが好ましい。
本発明では、外添剤を、着色樹脂粒子100重量部に対して、通常、0.1〜6重量部、好ましくは0.2〜5重量部の割合で用いることが望ましい。
ここまで述べてきたように、本発明の重合トナーの製造方法は、脱水工程において、加圧ガスの噴射角度を特定することにより、濾布面から難濾過性の残留層を好適に剥離させることができ、排出回収工程においては、排出シュートを加振し、及び/又は排出シュートの内壁に沿って加圧ガスを噴射することにより、排出シュートを通じてウエットケーキが排出される際、当該ウエットケーキが、排出シュートの内壁に付着して排出口を閉塞させることを防止し、含水率が低いウエットケーキを効率良く回収し、長期安定操業が可能な重合トナーの製造方法である。
以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。なお、部及び%は、特に断りのない限り重量基準である。
本実施例及び比較例において行った試験方法は以下のとおりである。
(1)着色樹脂粒子の粒径特性
(1−1)凝集前の着色樹脂粒子の体積平均粒径(Dv)及び個数平均粒径(Dn)、並びに凝集後の着色樹脂粒子の体積平均粒径(Dv)及び個数平均粒径(Dn
測定試料(凝集前の着色樹脂粒子)を約0.1g秤量し、ビーカーに取り、そのビーカーへ、更に電解液(ベックマンコールター社製、商品名:アイソトンII−PC)を10〜30ml加え、スパチュラで掻き混ぜた後、粒径測定機(ベックマン・コールター社製、商品名:マルチサイザー)を用いて、アパーチャー径;100μm、媒体;アイソトンII−PC、測定粒子個数;100,000個の条件下で、凝集前の着色樹脂粒子の体積平均粒径(Dv)及び個数平均粒径(Dn)をそれぞれ測定した。
同様にして、凝集後の着色樹脂粒子の体積平均粒径(Dv)及び個数平均粒径(Dn)についてもそれぞれ測定した。
(1−2)乾燥後の着色樹脂粒子の体積平均粒径(Dv)及び個数平均粒径(Dn)、並びに粒径分布(Dv/Dn)
測定試料(乾燥後の着色樹脂粒子)を約0.1g秤量し、ビーカーに取り、分散剤としてアルキルベンゼンスルホン酸水溶液(富士フィルム社製、商品名:ドライウエル)0.1mlを加えた。そのビーカーへ、更に専用電解液(ベックマン・コールター社製、商品名:アイソトンII−PC)を10〜30ml加え、20Wの超音波分散機で3分間分散させた後、粒径測定機(ベックマン・コールター社製、商品名:マルチサイザー)を用いて、アパーチャー径;100μm、媒体;アイソトンII−PC、測定粒子個数;100,000個の条件下で、乾燥後の着色樹脂粒子の体積平均粒径(Dv)、及び個数平均粒径(Dn)を測定し、粒径分布(Dv/Dn)を算出した。
(1−3)乾燥後の着色樹脂粒子の平均円形度
容器中に、予めイオン交換水10mlを入れ、その中に分散剤としての界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸)0.02gを加え、更に着色樹脂粒子0.02gを加え、超音波分散機で60W、3分間分散処理を行った。測定時の着色樹脂粒子濃度を3,000〜10,000個/μlとなるように調整し、0.4μm以上の円相当径の着色樹脂粒子1,000〜10,000個についてフロー式粒子像分析装置(シメックス社製、商品名:FPIA−2100)を用いて測定した。測定値から平均円形度を求めた。
円形度は下記計算式1に示され、平均円形度は、その数平均を取ったものである。
計算式1:
(円形度)=(粒子の投影面積に等しい円の周囲長)/(粒子投影像の周囲長)
なお、上記各工程における着色樹脂粒子の粒径特性の結果を、表1に示す。
(2)電気伝導度の測定
分離洗浄工程で得られた濾液について、電気伝導度計(堀場製作所社製、商品名:ES−12)を用いて、濾液の電気伝導度を測定し、下記計算式3により実質の濾液の電気伝導度を求めた。
計算式3:
濾液の電気伝導度(μS/cm)=A−B
A:測定した濾液の電気伝導度(μS/cm)
B:イオン交換水の電気伝導度(μS/cm)
(3)副生微粒子の平均個数
分離洗浄工程後の着色樹脂粒子の再分散液3mlに、10%HSO1mlを添加し、分散安定化剤を完全に溶解させた。この溶液を濾紙(アドバンテック東洋社製、商品名:No.2)に2ml滴下して濾過し、風乾して走査電子顕微鏡(SEM)用のサンプルを調製した。
風乾させた着色樹脂粒子に白金蒸着を行って、電界放射型走査電子顕微鏡(日立製作所社製、商品名:S−4700)を用い、加速電圧を5kVにし、5,000倍に拡大して走査電子顕微鏡(SEM)観察した。
各サンプルについて、ランダムに5視野の画像撮影を行い、各画像において無作為に5個の着色樹脂粒子を選択し、これら25個の着色樹脂粒子表面に観察される副生微粒子の個数をカウントした。これより、着色樹脂粒子1個あたりの副生微粒子の平均個数を算出した。
また、副生微粒子除去工程後の着色樹脂粒子の再分散液についても、同様に着色樹脂粒子1個あたりの副生微粒子の平均個数を算出した。
(4)含水率の測定
バスケット型遠心濾過機による脱水工程において、形成されるウエットケーキを約5g秤量し、アルミニウム皿に採取して、精秤(W(g))し、次いで、105℃に設定した乾燥機に2時間放置し、冷却後の重量を精秤(W(g))し、下記計算式4により含水率(%)を求めた。
Figure 2011013391
(実施例1)
(着色樹脂粒子水分散液を得る工程)
モノビニル単量体としてスチレン81部及びn−ブチルアクリレート19部(得られる共重合体のTg=55℃)、マクロモノマーとしてポリメタクリル酸エステルマクロモノマー(東亜合成化学工業社製、商品名:AA6、得られる重合体のTg=94℃)0.3部、架橋性の重合性単量体としてジビニルベンゼン0.5部、分子量調整剤としてt−ドデシルメルカプタン1.2部、及びブラック着色剤としてカーボンブラック(三菱化学社製、商品名:#25B)7部を混合し、メディア式分散機を用いて湿式粉砕を行なった。
上記湿式粉砕により得られた混合物に、帯電制御剤として帯電制御樹脂(藤倉化成社製、商品名:アクリベース FCA−207P、スチレン/アクリル樹脂)1部、及び離型剤としてジペンタエリスリトールヘキサミリステート(日本油脂社製、商品名:W−663)7部を添加し、混合、溶解して、重合性単量体組成物を得た。
他方、室温下で、イオン交換水170部に塩化マグネシウム15.9部を溶解した水溶液に、イオン交換水50部に水酸化ナトリウム8.9部を溶解した水溶液を、攪拌下で徐々に添加して、水酸化マグネシウムコロイド(難水溶性の金属水酸化物コロイド)分散液を調製した。
一方、メチルメタクリレート(得られる重合体のTg=105℃)1部、及び水65部を、超音波乳化機を用いて、微分散化処理して、シェル用重合性単量体の水分散液を得た。
上記水酸化マグネシウムコロイド分散液(水酸化マグネシウムコロイド量6.5部)に、室温下で、上記重合性単量体組成物を投入し、攪拌した。そこへ重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日本油脂社製、商品名:パーブチルO)5部を添加した後、インライン型乳化分散機(太平洋機工社製、商品名:マイルダー)を用いて、15,000rpmの回転数で懸濁液(重合性単量体組成物分散液)が10回循環するまで、高速剪断攪拌して分散を行ない、重合性単量体組成物の液滴を形成した。
上記重合性単量体組成物の液滴が分散した懸濁液(重合性単量体組成物分散液)を、攪拌翼を装着した反応器内に投入し、90℃に昇温し、重合反応を開始させた。重合転化率が、ほぼ100%に達したときに、前記シェル用重合性単量体の水分散液にシェル用重合開始剤として2,2'−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド)(和光純薬社製、商品名:VA−086、水溶性)0.1部を溶解し、それを反応器に添加し、90℃で4時間反応を継続した後、水冷して反応を停止し、コアシェル型構造を有する着色樹脂粒子水分散液(pH9.3)を得た。
なお、得られた着色樹脂粒子水分散液の一部を採取し、凝集前の着色樹脂粒子の体積平均粒径(Dv)及び個数平均粒径(Dn)を測定したところ、それぞれ6.80μm、及び6.07μmであった。
(分離洗浄工程)
上記着色樹脂粒子水分散液を、室温下で、着色樹脂粒子水分散液のpHが6.0となるまで、攪拌しながら、10%希硫酸水溶液(硫酸を10重量%含有する水溶液)を滴下し、酸洗浄し、pH調整を行なった。
上記pH調整された着色樹脂粒子水分散液(pH6.0)を、以下の条件で、連続式ベルトフィルター(住友重機械工業社製、商品名:イーグルフィルター)に供給して、固液分離し、湿潤状態の着色樹脂粒子(ウエットケーキ)を形成させた後、着色樹脂粒子水分散液中の固形分量に対して、約6倍量のイオン交換水(電気伝導度:5μS/cm)を供給して、洗浄を行ない、ウエットケーキを得た。
<分離洗浄条件>
着色樹脂粒子水分散液の供給量:200kg/hr
濾過面積:1m
ベルトスピード:0.6m/min
真空度:35.7〜42.4kPa
濾材:平織ポリプロピレン(中尾フィルター社製、商品名:PP312B)
濾材の通気度:1.3cc/sec/cm
イオン交換水の供給量:240kg/hr
上記分離洗浄により得られたウエットケーキを、イオン交換水(電気伝導度:5μS/cm)に再分散させて、固形分濃度が20重量%となるように、再分散液を調製し、着色樹脂粒子の再分散液を得た。
なお、得られた着色樹脂粒子の再分散液のpHを測定したところ、pH8.0であった。また、着色樹脂粒子の再分散液の一部を採取し、濾紙(アドバンテック東洋社製、商品名:No.5C)を用いて、濾過して得られた濾液の電気伝導度を測定したところ、250μS/cmであった。
さらに、着色樹脂粒子の再分散液の一部を採取し、着色樹脂粒子表面に観察される副生微粒子の個数をカウントし、着色樹脂粒子1個あたりの副生微粒子の平均個数を算出したところ、120個であった。
(副生微粒子除去工程)
上記着色樹脂粒子の再分散液(pH8.0)を、室温下で、pHが11.0となるまで、攪拌しながら、0.1%NaOH水溶液(NaOHを0.1重量%含有する水溶液)を滴下し、pH調整を行ない、pH調整された着色樹脂粒子の再分散液(pH11.0)を分散させて、着色樹脂粒子表面に付着する副生微粒子を、着色樹脂粒子から遊離させた。
上記遊離した副生微粒子を含む着色樹脂粒子の水分散液(pH11.0)を、以下の条件で、デカンタ型遠心分離機(巴工業社製、商品名:PTM−006型)に供給して、遠心分離させて、副生微粒子の除去を行ない、ウエットケーキを得た。
<遠心分離条件>
遊離した副生微粒子を含む着色樹脂粒子の水分散液の供給量:150kg/hr
遠心力:2000G
外側回転筒とスクリューコンベアとの回転数の差:10min−1
上記副生微粒子の除去を行って得られたウエットケーキを、イオン交換水(電気伝導度:5μS/cm)に再分散させて、固形分濃度が20重量%となるように、再分散液を調製し、着色樹脂粒子の再分散液を得た。
なお、得られた着色樹脂粒子の再分散液のpHを測定したところ、pH9.5であった。また、着色樹脂粒子の再分散液の一部を採取し、着色樹脂粒子表面に観察される副生微粒子の個数をカウントし、着色樹脂粒子1個あたりの副生微粒子の平均個数を算出したところ、2個であった。
(脱水工程)
上記着色樹脂粒子の再分散液(pH9.5)に、凝集剤として、0.1%希硫酸水溶液(硫酸を0.1重量%含有する水溶液)を添加して、着色樹脂粒子の再分散液のpHが4.2となるようにpH調整して、着色樹脂粒子を凝集させた。
なお、凝集させた後の着色樹脂粒子の一部を採取し、凝集後の着色樹脂粒子の体積平均粒径(Dv)及び個数平均粒径(Dn)を測定したところ、それぞれ9.79μm、及び7.53μmであった。
上記凝集した着色樹脂粒子を含む水分散液(pH4.2)を、以下の条件で、図3に示されるバスケット型遠心濾過機に供給して、1バッチ毎に濾布面に形成されるウエットケーキ層を、掻取刃3で掻き取り、70バッチ毎に噴射ノズル9から加圧空気を噴射させて残留層を剥離させる操作を繰り返し行い、計1,120バッチの遠心脱水を行った。
<1バッチ毎の遠心脱水条件>
凝集した着色樹脂粒子を含む水分散液の供給量:150kg/1バッチ
供給時間:90sec/1バッチ
濾材の種類:ポリエステル製濾布(中尾フィルター社製、商品名:TR815C)
濾材の通気度:0.8cc/cm/sec
濾過面積:1.35m
遠心力:1600G
遠心脱水時間:240sec/1バッチ
回転バスケットの奥行:480mm
掻取刃の奥行:460mm
<70バッチ毎の残留層の剥離条件>
残留層の厚み:6mm
噴射ノズルの噴射口と残留層との距離:10mm
噴射ノズルの設置位置:掻取刃の裏面側
噴射ノズルの設置本数:回転バスケットの奥行を最大として75mm間隔に7本
加圧空気の噴射角度(θ):351°
加圧空気の噴射角度(θ):60°
加圧空気の噴射タイミング:70バッチ目毎に噴射
噴射される加圧空気の圧力:0.5MPa
加圧空気の噴射時間:300秒/1回
加圧空気の噴射回数:3回
残留層の両端部における噴射の有無:有
なお、1バッチ目に形成されるウエットケーキ、及び70バッチ毎に形成されるウエットケーキの一部をそれぞれ採取し、1バッチ目のウエットケーキ、及び70バッチ毎のウエットケーキの含水率をそれぞれ測定し、その結果を表3に示す。
(排出回収工程)
上記1バッチ毎に行われる掻取刃3によるウエットケーキ層の掻き取りによって得られるウエットケーキ、及び70バッチ毎に行われる加圧空気による残留層の剥離によって得られるウエットケーキを、以下の条件で、衝撃印加装置として排出シュート5の外壁に付設したエアノッカー10(セイシン企業社製)を駆動させて、排出シュートを加振し、且つ、排出シュートの内壁に付設した噴射ノズルから加圧空気を噴射し、内壁に付着したウエットケーキによる排出シュートの排出口11の閉塞を防止しながら、ウエットケーキの排出を促進させ、排出シュートに排出されたウエットケーキを回収した。
<排出口の閉塞防止操作の条件>
排出シュートの排出口の内径:240mm
エアノッカーの加振タイミング:各バッチ毎に形成されるウエットケーキを排出シュートに排出する前後
エアノッカーの加振間隔:1回/20秒
噴射ノズルの設置本数:排出シュートの中央部よりも上側に5本、下側に2本
[排出シュートの中央部よりも上側にある5本の噴出ノズル]
加圧空気の噴射タイミング:上部側にある噴出ノズルから順次噴射
噴射される加圧ガスの圧力:0.5MPa
加圧空気の噴射時間:5秒/1回
加圧空気の噴射回数:2回
[排出シュートの中央部よりも下側にある2本の噴出ノズル]
加圧空気の噴射タイミング:常時
噴射される加圧空気の圧力:0.5MPa
なお、1バッチ目に形成されるウエットケーキ、及び70バッチ毎に形成されるウエットケーキが、排出シュートにそれぞれ排出された際に、排出シュートの内壁に付着したウエットケーキの厚みをそれぞれ測定し、その結果を表3に示す。
(乾燥工程)
上記排出回収工程により回収されたウエットケーキを、2500kgを量り取り、真空乾燥機(ホソカワミクロン社製、商品名:ナウターミキサー DBX−6000RWV)に投入し、以下の条件で、ウエットケーキの含水率が0.2重量%になるまで乾燥を行ない、着色樹脂粒子を得た。
<乾燥条件>
真空度:28Torr(3.7kPa)
ジャケット温度:47℃
なお、乾燥により得られた着色樹脂粒子の一部を採取し、乾燥後の着色樹脂粒子の体積平均粒径(Dv)及び個数平均粒径(Dn)を測定したところ、それぞれ6.80μm、及び6.07μmであった。
上記乾燥により得られた着色樹脂粒子100部に対して、環状シラザンで疎水化処理された個数平均一次粒径:7nmのシリカ微粒子1部、及びアミノ変性シリコーンオイルで疎水化処理された個数平均一次粒径:35nmのシリカ微粒子1部を添加し、高速攪拌機(三井鉱山社製、商品名:FMミキサー)を用いて、混合攪拌して外添処理を行ない、実施例1の重合トナーを製造した。
(実施例2)
実施例1の残留層の剥離条件において、掻取刃に対する加圧空気の噴射角度(θ)を、351°から354°に変更し、残留層に対する加圧空気の噴射角度(θ)を、60°から70°に変更し、噴射ノズルから噴射される加圧空気の圧力を、0.5MPaから0.4MPaに変更し、加圧空気の噴射時間を、300秒/1回から250秒/1回に変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例2の重合トナーを製造した。
(比較例1)
実施例1の残留層の剥離条件において、噴射ノズルの設置位置を、掻取刃の裏面側から掻取刃と独立した位置に変更し、掻取刃に対する加圧空気の噴射角度(θ)を、351°から170°に変更し、残留層に対する加圧空気の噴射角度(θ)を、60°から90°に変更したこと以外は、実施例1と同様にして比較例1の重合トナーを製造した。
(比較例2)
実施例1の排出回収工程において、排出口の閉塞防止操作を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にして比較例2の重合トナーを製造した。
(比較例3)
実施例1のバスケット型遠心濾過機による脱水工程において、残留層の剥離操作を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にして比較例3の重合トナーを製造した。
なお、比較例3においては、残留層が形成されて、さらに、当該残留層の上に新たなウエットケーキ層が形成された際、脱水処理能力低下に伴い、当該新たなウエットケーキ層の含水率を低下させることが困難となって、25重量%以上の高含水率のウエットケーキしか得られなくなった場合には、バスケット型遠心濾過機の運転を一時停止し、回転バスケットの濾布面に固着している残留層を、ナイフ等を使用して手作業によって除去した後、再び運転を再開した。
(結果)
表1には、各実施例及び比較例で得られる着色樹脂粒子の粒径特性の結果を示す。
表2には、各実施例及び比較例で行われた残留層の剥離操作の条件、及び排出口の閉塞防止操作の条件を示す。
表3には、各実施例及び比較例で行われたバスケット型遠心濾過機による脱水工程において形成されるウエットケーキの含水率、及び排出口の閉塞有無/排出シュート内壁に付着したウエットケーキの厚みの結果を示す。
Figure 2011013391
Figure 2011013391
Figure 2011013391
(結果のまとめ)
表3に記載されている評価結果より、以下のことが分かる。
比較例1の重合トナーの製造方法では、残留層の剥離操作を行う際、加圧空気の噴射角度(θ)及び(θ)を本発明で規定する範囲内としなかったことに起因し、バスケット型遠心濾過機による長期に亘る脱水工程において、含水率が低いウエットケーキを安定的に得ることができなかったため、排出回収工程において、排出シュートの排出口を閉塞させてしまう場合があることが分かった。
比較例2の重合トナーの製造方法では、排出口の閉塞防止操作を行わなかったことに起因し、バスケット型遠心濾過機による長期に亘る脱水工程において、比較的低い含水率のウエットケーキを安定的に得ることができたものの、排出回収工程において、排出シュートの内壁に付着したウエットケーキを、内壁から脱落させることができず、排出シュートの排出口を閉塞させてしまう場合があることが分かった。
比較例3の重合トナーの製造方法では、残留層の剥離操作を行わなかったことに起因し、バスケット型遠心濾過機による長期に亘る脱水工程において、含水率が低いウエットケーキを安定的に得ることができなかったため、排出回収工程において、排出シュートの排出口を閉塞させてしまう場合があることが分かった。
これに対して、実施例1及び2の重合トナーの製造方法では、本発明で規定する残留層の剥離操作、及び排出口の閉塞防止操作を行ったことに起因し、バスケット型遠心濾過機による長期に亘る脱水工程において、含水率が低いウエットケーキを安定的に得ることができ、排出回収工程において、排出シュートの排出口を閉塞させることを防止することができることが分かった。
1…被処理液供給管
2…回転バスケット
3…掻取刃
4…濾布
5…排出シュート
6…残留層
7…回転バスケットの回転軸の中心点
8…加圧ガスを噴射する噴射口の中心点
9…噴射ノズル
10…エアノッカー
11…排出シュートの排出口
X…掻取刃が残留層に接する点
Y…加圧ガスが残留層に当たる点
Z…加圧ガスが残留層に当たる点における接線
O…掻取刃の周回方向
P…回転バスケットの周回方向

Claims (3)

  1. 重合法により着色樹脂粒子を形成して着色樹脂粒子水分散液を得る工程、当該着色樹脂粒子水分散液中の着色樹脂粒子を、分離及び洗浄する分離洗浄工程、当該分離洗浄された着色樹脂粒子を、回転バスケット及び排出シュートを備えたバスケット型遠心濾過機を用いて脱水して、当該遠心濾過機内に湿潤状態の着色樹脂粒子(ウエットケーキ)層を形成する脱水工程、当該ウエットケーキを、排出及び回収する排出回収工程、並びに当該排出回収されたウエットケーキを、乾燥する乾燥工程を含む重合トナーの製造方法であって、
    上記脱水工程において、回転バスケットの濾布面に形成されたウエットケーキ層に、回転バスケットの周回方向と対向する方向から掻取刃が当接して、当該ウエットケーキ層を掻き取り、当該掻取刃で掻き取れずに濾布面に残留したウエットケーキ層(残留層)に、加圧ガスを噴射して、当該残留層を剥離するにあたって、
    1)掻取刃が残留層に接する点と回転バスケットの回転軸の中心点とを結ぶ線分と、加圧ガスが残留層に当たる点と回転バスケットの回転軸の中心点とを結ぶ線分とのなす角度(θ)が、掻取方向に対して270°以上360°未満の範囲内にあり、
    2)加圧ガスを噴射する噴射口の中心点と加圧ガスが残留層に当たる点とを結ぶ線分と、当該加圧ガスが残留層に当たる点における接線とのなす角度(θ)が、20°以上90°未満の範囲内にあり、
    上記排出回収工程において、上記脱水工程を経て得られるウエットケーキを、排出シュートを通じて機外へ排出及び回収するにあたって、
    3)ウエットケーキを排出する前後に、排出シュートを加振し、及び/又は、排出シュートの内壁に設けた噴射口から加圧ガスを排出シュートの内壁に沿って噴射することを特徴とする重合トナーの製造方法。
  2. 前記掻取刃の裏面側に、加圧ガスを噴射する噴射口を備えた噴射ノズルを設置し、当該噴射口から噴射される加圧ガスの圧力が、0.1〜1.5MPaであることを特徴とする請求項1に記載の重合トナーの製造方法。
  3. 前記脱水工程において、着色樹脂粒子水分散液中の着色樹脂粒子を凝集させた後に、バスケット型遠心濾過機を用いて脱水し、
    上記凝集後かつバスケット型遠心濾過機による脱水工程前の着色樹脂粒子の個数平均粒径(Dn)と、前記着色樹脂粒子水分散液かつ分離洗浄工程前の着色樹脂粒子の個数平均粒径(Dn)との比(Dn/Dn)が、1.2〜2.0であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の重合トナーの製造方法。
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