JP2011010190A - 断線異常検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】2本の通信線の電位差を用いた差動信号によって通信がなされる多重通信システムの断線異常を検出する装置において、誤検出を抑制して検出精度を向上させる。
【解決手段】本発明の断線検出回路3は、CAN−Hの電位の異常(断線)によりハイ信号を出力するコンパレータ41、CAN−Lの電位の異常(断線)によりハイ信号を出力するコンパレータ42、バス10がレセッシブ状態でハイ信号を出力するCANレシーバ15a、AND回路43,44を備えている。片側断線時には生じ得ないドミナント状態では、CANレシーバ15aからロー信号が出力されることとなり、このためAND回路43,44からマイコン17への出力信号は必ずロー信号になる。つまり、ドミナント状態においては、マイコン17において断線が判定されることがなく、このため誤判定を抑制できる。
【選択図】図3

Description

本発明は、伝送路が2本の通信線からなる多重通信システムにおける断線異常を検出する断線異常検出装置に関する。
従来、2本の通信線からなる伝送路に複数の通信装置が接続され、その2本の通信線間の電位差を用いた差動信号によって複数の通信装置間で通信が行われる多重通信システムとして、例えば、車両に搭載されるCAN(Controller Area Network)がよく知られている。
CANでは、2本の通信線間に規定値(例えば0.9[V]以上)より大きい電位差がある優勢信号と、2本の通信線間の電位差が規定値未満(例えば0.5[V]未満)である劣勢信号とにより通信がなされる。優勢信号では、2本の通信線の電位が基準電位(例えば2.5[V])に対しプラス側とマイナス側とにそれぞれ同じだけ(例えば1[V]づつ)振れる。劣勢信号では、2本の通信線の電位がともに基準電位となる。また、CANでは、2本の通信線間に規定値以上の電位差がある状態をドミナント状態と言い、2本の通信線間の電位差が規定値未満の状態をレセッシブ状態と言う。
そして、このようなCANにおける伝送路の断線異常を検出する断線検出装置について、特許文献1に開示されている。特許文献1の断線検出装置は、具体的には、2本の通信線の平均電圧を検出し、その平均電圧が所定値以上変動した場合に断線と判定するようになっている。
CANでは前述のように優勢信号と劣勢信号とで通信がなされ、このため2本の通信線の平均電圧は正常時では前述の基準電位(例えば2.5[V])に一致することとなる。一方、断線が生じた場合、例えば2本の通信線の何れかに断線が生じた片側断線のような場合、その断線が生じた通信線の電位が他方の正常な通信線の電位に引っ張られ(この際、2本の通信線間の電位差が規定値未満であるレセッシブ状態となる)、2本の通信線の平均電圧も変動する。特許文献1の断線検出装置は、このような点を利用して、2本の通信線の平均電圧の変動から断線を判定するものである。尚、特許文献1の断線検出装置では、2本の通信線に直列に接続した2つの抵抗器を有するとともにその2つの抵抗器の間の電圧(即ち、2本の通信線の平均電圧)を検出する平均電圧検出回路と、平均電圧検出回路の出力波形を平滑化するローパスフィルタ(LPF)と、LPFの出力電圧をアナログ・デジタル変換する(ADC)と、ADCの出力値(即ち、2本の通信線の平均電圧)及び既知のオフセット電圧を比較して差分を演算し、平均電圧がオフセット電圧に対し所定値以上シフトしているか否かを判定して断線の有無を検出する断線情報保持回路とを備えている。
特開2007−306289号公報
しかしながら、上記のようなCANでは、断線が生じていない正常時であっても、例えばノイズの影響で伝送路の電圧変動が生じる場合がある。
また、車両においては、例えばエアコンやパワーステアリングなどの大きな負荷電流を必要とするアクチュエータの動作によって電流変動が生じることがあり、これに起因して、伝送路に接続する通信装置においてグランド電位が0[V]よりも高電位になってしまういわゆるグランド浮きが生じる場合がある。
各通信装置は自身のグランド電位を基準にして信号(具体的には前述の優勢信号)を送出するため、グランド電位が複数の通信装置間でそもそも異なれば、ある通信装置が優勢信号を送出した際の伝送路の平均電圧と、他の通信装置が優勢信号を送出した際の伝送路の平均電圧とに差が生じてしまう。尚、優勢信号が送出されない間(換言すると、伝送路の信号が劣勢信号と認識される間)は、伝送路の平均電圧は、グランド浮きの問題に関係なく本来の基準電位(例えば2.5[V])に落ち着くこととなる。そうすると、特にドミナント状態において、平均電圧の変動の問題は大きくなるとも言える。
このような点を鑑みると、上記特許文献1の断線検出装置では、断線が生じていない正常時であっても、ノイズの影響或いは上記のようなグランド浮きの影響により伝送路の平均電圧が変動してしまうことに起因して、正常であるにもかかわらず断線であると誤検出してしまうことが懸念される。
このような課題に加えて、車両への搭載性やコストの改善などは常に求められており、性能を低下させることなく構成をより簡素化することが望まれている。
本発明は、こうした問題に鑑みなされたもので、2本の通信線の電位差を用いた差動信号によって通信がなされる多重通信システムの断線異常を検出する断線異常検出装置において、誤検出を抑制して検出精度を向上させることをより簡単な構成で実現することを目的とする。
上記目的を達成するためになされた本願の請求項1に係る断線異常検出装置は、第1通信線と第2通信線とからなる伝送路に複数の通信装置が接続され、第1通信線と第2通信線との間の電位差を用いた差動信号によって複数の通信装置間で通信が行われる多重通信システムに用いられるものであり、判定手段と、無効化手段とを備えている。
判定手段は、第1通信線の電位及び第2通信線の電位に基づき、その第1通信線及び第2通信線の断線異常を判定する。
無効化手段は、第1通信線の電位と第2通信線の電位とを検出して比較し、両者の電位差が所定値以上の場合に判定手段の判定を無効にする。
第1通信線と第2通信線との間の電位差を用いた差動信号によって通信が行われる多重通信システムでは、第1通信線と第2通信線との何れか一方が断線したような片側断線時において、断線した通信線の電位が正常な通信線の電位に引っ張られ、断線した側の通信線の電位は、本来予定されていない電位に変動してしまう。この点に鑑み、判定手段は、具体的には、第1通信線の電位及び第2通信線の電位の変動から断線異常を判定するように構成できる。
ところで、片側断線時は、前述のように断線した通信線の電位が正常な通信線の電位に引っ張られ、第1通信線と第2通信線との間の電位差が所定値未満であるレセッシブ状態となる。断線が生じていない正常時では、ドミナント状態とレセッシブ状態との両方が存在するが、ドミナント状態では、[発明が解決しようとする課題]の欄で説明したように、ノイズやグランド浮きの問題により第1通信線及び第2通信線の電位が変動しやすい。
この点、本発明の断線異常検出装置では、第1通信線及び第2通信線の電位差が所定値以上の場合(即ちドミナント状態の場合)、無効化手段により判定手段の判定が無効にされるため、ドミナント状態時に生じやすい電圧変動(断線以外の原因に基づく電圧変動)によって断線異常と誤判定されてしまうことを抑制することができる。別の言い方をすれば、本発明の断線異常検出装置では、片側断線時に必ず生じる状態(レセッシブ状態)にて断線異常が判定され、片側断線時に生じない状態(ドミナント状態)では断線異常の判定が無効にされるため、誤判定がより効果的に抑制される。そして、第1通信線及び第2通信線の電位差が所定値以上の場合に判定手段の判定を無効にするという簡単な構成でそのような効果を実現できるため有利である。
そして、本願の請求項1に係る発明では、具体的には以下のような回路構成にすると良い。尚、以下の説明において記載する出力レベルとしてのハイレベル或いはローレベルは一例であり、回路の組み方によってそれぞれ逆の出力レベルも採用し得る。
即ち、本願の請求項2に係る発明では、請求項1の発明において、多重通信システムは、第1通信線の電位が基準電位に対しプラス側に振れ、第2通信線の電位が基準電位に対しマイナス側に振れるものであり、判定手段は、第1のコンパレータと、第2のコンパレータと、判定回路とを備えている。
第1のコンパレータは、第1通信線の電位と第1の比較電位とを比較し、その比較結果を出力する。
第2のコンパレータは、第2通信線の電位と第2の比較電位とを比較し、その比較結果を出力する。
判定回路は、第1のコンパレータの出力信号が少なくとも入力される第1の論理回路からの信号(以下、第1の信号と称す)と、第2のコンパレータの出力信号が少なくとも入力される第2の論理回路からの信号(以下、第2の信号と称す)とが入力されるように構成され、第1の信号の出力レベルに基づき第1通信線の断線異常を判定し、第2の信号の出力レベルに基づき第2通信線の断線異常を判定する。
また、無効化手段は、第3のコンパレータと、第1の論理回路と、第2の論理回路と、を備えている。
第3のコンパレータは、第1通信線の電位と第2通信線の電位とを検出して比較し、その比較結果を出力する。
第1の論理回路は、第1のコンパレータからの信号と第3のコンパレータからの信号とが入力されるように構成される。
第2の論理回路は、第2のコンパレータからの信号と第3のコンパレータからの信号とが入力されるように構成される。
このような本発明の作用について説明する。
まず、第1の比較電位は、第1通信線の電位が正常状態でとり得る範囲内の電位(仕様の範囲内の電位)の下限値としておく。第1通信線の電位は本来であれば第1の比較電位以下とはならないが、第1通信線に断線が生じてその第1通信線の電位が第2通信線の電位に引っ張られたならば(マイナス側に引っ張られたならば)、第1通信線の電位は第1の比較電位以下となり得る。第1のコンパレータは、第1通信線の電位が第1の比較電位以下となったことを検出して、異常を表す信号を出力する(例えばハイレベルの信号を出力し得る)。言い換えると、第1通信線に断線異常が生じたことを検出して異常を表す信号(例えばハイレベルの信号)を出力するものである。
次に、第2の比較電位は、第2通信線の電位が正常状態でとり得る範囲内の電位(仕様の範囲内の電位)の上限値としておく。第2通信線の電位は本来であれば第2の比較電位以上とはならないが、第2通信線に断線が生じてその第2通信線の電位が第1通信線の電位に引っ張られたならば(プラス側に引っ張られたならば)、第2通信線の電位は第2の比較電位以上となり得る。第2のコンパレータは、第2通信線の電位が第2の比較電位以上となったことを検出して、異常を表す信号を出力する(例えばハイレベルの信号を出力し得る)。言い換えると、第2通信線に断線異常が生じたことを検出して異常を表す信号(例えばハイレベルの信号)を出力するものである。
判定回路は、第1の論理回路を経由する、第1のコンパレータの出力信号に基づき第1通信線の断線異常を判定する。また、第2の論理回路を経由する、第2のコンパレータの出力信号に基づき第2通信線の断線異常を判定する。
ここで、第3のコンパレータが、第1通信線の電位と第2通信線の電位とを検出して比較し、その比較結果を出力する。その出力信号は第1の論理回路及び第2の論理回路に入力される。
即ち、第1の論理回路には、第1のコンパレータからの信号と第3のコンパレータからの信号とが入力され、第2の論理回路には、第2のコンパレータからの信号と第3のコンパレータからの信号とが入力される。
例えば、第1通信線に断線異常が生じた場合、第1のコンパレータから異常を表す信号(例えばハイレベルの信号)が出力されてその出力信号は第1の論理回路に入力される。また、第1通信線に断線異常が生じたことにより伝送路の状態はレセッシブ状態となり、第3のコンパレータからレセッシブ状態であることを表す信号(例えばハイレベルの信号)が出力されてその出力信号は第1の論理回路に入力される。第1の論理回路の2つの入力系統には、第1のコンパレータからの異常を表す信号(例えばハイレベルの信号)、及び第3のコンパレータからのレセッシブ状態であることを表す信号(例えばハイレベルの信号)が入力され、第1の論理回路からの論理積(AND)をとった出力信号(例えばこの場合、ハイレベルの信号)が判定回路に入力されるように構成し得る。判定回路は、第1の論理回路からの出力信号を受けて第1通信線の断線異常を判定する。つまり、判定回路は、伝送路の状態がレセッシブ状態の際に第1通信線の断線異常を判定(検出)する。
また、第2通信線に断線異常が生じた場合、第2のコンパレータから異常を表す信号(例えばハイレベルの信号)が出力されてその出力信号は第2の論理回路に入力される。また、第2通信線に断線異常が生じたことにより伝送路の状態はレセッシブ状態となり、第3のコンパレータからレセッシブ状態であることを表す信号(例えばハイレベルの信号)が出力されてその出力信号は第2の論理回路に入力される。第2の論理回路の2つの入力系統には、第2のコンパレータからの異常を表す信号(例えばハイレベルの信号)、及び第3のコンパレータからのレセッシブ状態であることを表す信号(例えばハイレベルの信号)が入力され、第2の論理回路からの論理積(AND)をとった出力信号(例えばこの場合、ハイレベルの信号)が判定回路に入力されるように構成し得る。判定回路は、第2の論理回路からの出力信号を受けて第2通信線の断線異常を判定する。つまり、判定回路は、伝送路の状態がレセッシブ状態の際に第2通信線の断線異常を判定(検出)する。
このようにして、第1通信線及び第2通信線のうち何れか一方が断線する片側断線が生じたような場合にはその断線異常が検出される。
次に、例えばドミナント状態において第1通信線の電位が第1の比較電位以下となったような場合について説明する。このような場合、前述のように第1のコンパレータから異常を表す信号(例えばハイレベルの信号)が出力され、その出力信号は第1の論理回路に入力される。
一方、第3のコンパレータからは、ドミナント状態であることによりドミナント状態であることを表す信号(例えばローレベルの信号)が出力され、その出力信号は第1の論理回路に入力される。
第1の論理回路の2つの入力系統には、第1のコンパレータからの異常を表す信号(例えばハイレベルの信号)と、第3のコンパレータからのドミナント状態であることを表す信号(例えばローレベルの信号)とが入力され、第1の論理回路から論理積(AND)をとった信号(例えばこの場合、ローレベルの信号)が出力されるように構成し得る。
この場合、第1のコンパレータから出力される、異常を表す信号の出力レベルは、第1の論理回路を介してキャンセルされる。このため、判定回路においては、第1通信線の断線異常と判定されないようになる。
また、例えばドミナント状態において第2通信線の電位が第2の比較電位以上となったような場合も同様である。このような場合、前述のように第2のコンパレータから異常を表す信号(例えばハイレベルの信号)が出力され、その出力信号は第2の論理回路に入力される。
一方、第3のコンパレータからは、ドミナント状態であることによりドミナント状態であることを表す信号(例えばローレベルの信号)が出力され、その出力信号は第2の論理回路に入力される。
第2の論理回路の2つの入力系統には、第2のコンパレータからの異常を表す信号(例えばハイレベルの信号)と、第3のコンパレータからのドミナント状態であることを表す信号(例えばローレベルの信号)とが入力され、第2の論理回路から論理積(AND)をとった信号(例えばこの場合、ローレベルの信号)が出力されるように構成し得る。
この場合、第2のコンパレータから出力される、異常を表す信号の出力レベルは、第2の論理回路を介してキャンセルされる。このため、判定回路においては、第2通信線の断線異常と判定されないようになる。
このような作用の利点(効果)について説明する。
例えば、断線以外の原因、即ちノイズやグランド浮きの問題によって、第1通信線の電位が第1の比較電位以下となる異常が生じたり第2通信線の電位が第2の比較電位以上となる異常が生じることも想定され、特にドミナント状態でこのような異常は生じやすい。本発明のように、ドミナント状態であることにより断線異常の判定が無効とされれば、上記のような、断線以外の原因による電位の変動に基づいて断線異常であると誤判定してしまうようなことを抑制できる。
別の見方では、第1通信線及び第2通信線の何れかが断線するような片側断線時は、断線した通信線の電位が正常な通信線の電位に引っ張られてレセッシブ状態となるため、ドミナント状態かつ片側断線が生じた状態、というのは想定できないこととなる。つまり、ドミナント状態であるならば片側断線は発生しない(発生していない)ということが言える。或いは、ドミナント状態にて第1通信線の電位が第1の比較電位以下になったり第2通信線の電位が第2の比較電位以上になったりした場合というのは、やはり断線が原因ではないと言える。
従って、ドミナント状態では断線異常を判定しないという本願発明の断線異常検出装置によれば、不要な判定動作が生じることがなく、ひいては誤判定を抑制でき有効である。
また、本願の請求項1に係る発明では以下のように構成しても良い。
例えば請求項3では、請求項1の発明において、多重通信システムは、第1通信線の電位が基準電位に対しプラス側に振れ、第2通信線の電位が基準電位に対しマイナス側に振れるものであり、判定手段は、第1通信線の電位がその第1通信線について予め定められた第1の閾値以下か否かを判断し、その第1の閾値以下であると判断したならば第1通信線の断線異常と判定し、第2通信線の電位がその第2通信線について予め定められた第2の閾値以上か否かを判断し、その第2の閾値以上であると判断したならば第2通信線の断線異常と判定する。
第1の閾値は、前述の第1の比較電位と同趣旨である。また、第2の閾値は、前述の第2の比較電位と同趣旨である。
本発明では、第1通信線の電位が第1の閾値以下で、かつレセッシブ状態であれば、その第1通信線において断線異常が生じたと判定されることとなる。一方、第1通信線の電位が第1の閾値以下であっても、ドミナント状態の場合は断線異常の判定は無効にされる。
第2通信線についても同様である。第2通信線の電位が第2の閾値以上で、かつレセッシブ状態であれば、その第2通信線において断線異常が生じたと判定されることとなる。一方、第2通信線の電位が第2の閾値以上であっても、ドミナント状態の場合は断線異常の判定は無効にされる。
このように、ドミナント状態では断線異常の判定が無効にされる点において、前述のように有効である。
また、本願の請求項3に係る発明では、以下のように構成しても良い。
例えば請求項4では、請求項3の発明において、判定手段は、第1の検出手段と、第2の検出手段とを備えている。
第1の検出手段は、第1通信線の電位が第1の閾値よりも低くなったことを示す信号波形である第1の異常波形の発生を検出する。
第2の検出手段は、第2通信線の電位が第2の閾値よりも高くなったことを示す信号波形である第2の異常波形の発生を検出する。
そして、判定手段は、第1の検出手段により第1の異常波形が検出されたならば第1通信線の断線異常と判定し、第2の検出手段により第2の異常波形が検出されたならば第2通信線の断線異常と判定するようになっている。
本発明では、第1通信線の電位の異常及び第2通信線の電位の異常、ひいては第1通信線の断線及び第2通信線の断線を具体的に信号波形に基づき検出するが、ドミナント状態時に断線異常の判定が無効にされる点は前述した通りであり、その点において前述のように有効である。
また、本願の請求項4に係る発明では、以下のように構成しても良い。
例えば請求項5では、請求項4の発明において、第1の異常波形及び第2の異常波形はエッジ波形であり、判定手段は、第1の検出手段により第1の異常波形が所定回数検出されたならば第1通信線の断線異常と判定し、第2の検出手段により第2の異常波形が所定回数検出されたならば第2通信線の断線異常と判定するようになっている。
前述のように、多重通信システムにおいては、断線以外の原因(例えばノイズやグランド浮きの影響)により、第1通信線或いは第2通信線の電位にいわば突発的に異常が生じる場合がある。
本発明のように、異常波形としてのエッジ波形が所定回数検出された場合に断線異常と判定するような構成によれば、前述のようにノイズやグランド浮きの影響などで突発的に異常波形が発生した場合において断線異常と判定(誤判定)してしまうような事態を抑制することができる。
ところで、CANでは、第1通信線と第2通信線とからなる伝送路としては、両端に終端回路が設けられた主伝送路としての幹線と、その幹線から分岐した複数の支線とからなり、各支線に通信装置が接続される。支線の片側断線が生じた場合には、断線が生じた通信線の電位が正常な通信線の電位に引っ張られるとともに三角パルス状の信号波形が現れることが分かっている。
本発明は、その三角パルス状の信号波形のエッジ(三角の頂点)を検出して断線異常を判定するものである。即ち、支線の片側断線を検出することができる。
また、本願の請求項4に係る発明では、以下のように構成しても良い。
例えば請求項6では、請求項4の発明において、第1の異常波形及び第2の異常波形は方形のパルス波形であり、判定手段は、第1の検出手段により所定のパルス幅を有する第1の異常波形が検出されたならば、第1通信線の断線異常と判定し、第2の検出手段により所定のパルス幅を有する第2の異常波形が検出されたならば、第2通信線の断線異常と判定するようになっている。
CANにおける幹線及び支線の構成は前述した通りである。そして、CANにおいて、幹線の片側断線が生じた場合、通信装置からのフレームの送出に合わせ、そのフレーム1個分の間、断線が生じた通信線の電位が正常な通信線の電位に引っ張られるような形で方形のパルス波形が現れることが分かっている。
本発明は、そのような方形のパルス波形を検出して断線異常を判定するものである。即ち、幹線の片側断線を検出することができる。そして、そのようなパルス波形として、所定のパルス幅(具体的には1フレーム分)を有するパルス波形を検出したことをもって断線異常と判定するようにすれば、ノイズやグランド浮きの影響などで突発的に異常波形が発生した場合において断線異常と判定(誤判定)してしまうような事態を抑制することができる。
そして、本発明は、請求項5の構成と請求項6の構成とを組み合わせて構成することもできる。
例えば請求項7の発明は、請求項4の発明において、第1の異常波形及び第2の異常波形は、エッジ波形或いは方形のパルス波形であり、判定手段は、第1の検出手段により、エッジ波形としての第1の異常波形が所定回数検出された場合、或いは、所定のパルス幅を有する、方形のパルス波形としての第1の異常波形が検出された場合に、第1通信線の断線異常と判定し、第2の検出手段により、エッジ波形としての第2の異常波形が所定回数検出された場合、或いは、所定のパルス幅を有する、方形のパルス波形としての第2の異常波形が検出された場合に、第2通信線の断線異常と判定するようになっている。
これによれば、請求項5,6について説明したのと同様の効果を得ることができる。
次に、請求項8の発明に係る断線異常検出装置は、第1通信線と第2通信線とからなる伝送路に複数の通信装置が接続され、第1通信線と第2通信線との間の電位差を用いた差動信号によって複数の通信装置間で通信が行われる多重通信システムに用いられる。第1通信線の電位は基準電位に対しプラス側に振れ、第2通信線の電位は基準電位に対しマイナス側に振れるものである。
具体的には、断線異常検出装置は、第1のコンパレータと、第2のコンパレータと、判定回路と、第3のコンパレータと、第1の論理回路と、第2の論理回路と、を備えている。
第1のコンパレータは、第1通信線の電位と第1の比較電位とを比較し、その比較結果を出力する。
第2のコンパレータは、第2通信線の電位と第2の比較電位とを比較し、その比較結果出力する。
判定回路は、第1の信号と第2の信号とが入力されるように構成され、第1の信号の出力レベルに基づき第1通信線の断線異常を判定し、第2の信号の出力レベルに基づき第2通信線の断線異常を判定する。
第3のコンパレータは、第1通信線の電位と第2通信線の電位とを検出して比較し、その比較結果を出力する。
第1の論理回路は、第1のコンパレータからの信号と第3のコンパレータからの信号とが入力されるように構成される。
第2の論理回路は、第2のコンパレータからの信号と第3のコンパレータからの信号とが入力されるように構成される。
そして、この断線異常検出装置では、第1の論理回路の出力信号が第1の信号として判定回路に入力され、第2の論理回路の出力信号が第2の信号として判定回路に入力されるように構成されている。
このような本発明によれば、請求項2について説明したのと同様の作用及び効果を得ることができる。
本実施形態の多重通信システム1の概略を示す図面である。 本実施形態のECU101の構成を示す図面である。 本実施形態のECU101が備える断線検出回路3の図面である。 本実施形態のマイコン17のCPU7の動作により実現される処理を表すフローチャートである。 Lライン断線時の信号波形の一例を示す図面である。 Hライン断線時の信号波形の一例を示す図面である。 Hラインの支線断線時の信号波形の一例を示す図面である。 Hラインの幹線断線時の信号波形の一例を示す図面である。 Lラインの支線断線時の信号波形の一例を示す図面である。 Lラインの幹線断線時の信号波形の一例を示す図面である。 第2実施形態の断線検出回路50を示す図面である。 エッジ検出回路55の構成を示す図面である。 パルス検出回路56の構成を示す図面である。 第2実施形態の変形例の回路構成を示す図面である。
以下に、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
[第1実施形態]
図1に示す本実施形態の多重通信システム1は、車両に搭載されるものであり、バス10に、自動車の各部を制御する電子制御装置(以下、ECUという)101,102,103,104がそれぞれ接続されてなるものである。尚、ここでは、多重通信システム1はCANプロトコルにて通信を行うものであるとする。
バス10は、通信線21,22からなる幹線20と、通信線21,22からそれぞれ分岐する通信線31,32からなる支線30とから構成される。ノードとしてのECU101〜104は、それぞれ、支線30に接続される。尚、通信線21,31がCAN−H(以下、Hラインとも記載する)であり、通信線22,32がCAN−L(以下、Lラインとも記載する)である。尚、幹線20の両端には、それぞれ、その幹線20の両端(バス10の両端)での反射を抑制するための終端回路5が接続される。
データを送信するノードは、通信線31,32に反転信号を送出し、データを受信するノードは、通信線31,32の電位差(バス10の信号レベル)を判定する。バス10の信号レベルにはドミナントとレセッシブとがある。CANにおいては、バス10の信号レベル(電位差)が例えば0.9[V]より大きい場合ドミナントと認識され、バス10の信号レベル(電位差)が例えば0.5[V]未満の場合レセッシブと認識される。このような多重通信システム1では、信号レベルに応じた2値信号にてデータがやりとりされる。
図2に示すように、ECU101は、自動車の各部を制御するための制御処理や他のECU102,103,104と通信を行うための処理を実行するマイクロコンピュータ(以下、マイコンと記載する)17と、バス10に接続されて、マイコン17から与えられる送信フレームTXをバス10に出力すると共に、バス10上のデータ(受信フレームRX)をマイコン17に入力するCANトランシーバ15と、外部のセンサ・スイッチ群12からの信号をマイコン17に入力すると共に、マイコン17からの信号を外部のアクチュエータ14に出力する入出力回路13と、外部のバッテリ電源(例えば12[V])を降圧した動作電圧(例えば5[V])を、マイコン17、CANトランシーバ15、入出力回路13に供給する電源回路11とを備えている。
マイコン17は、周知のCPU7、ROM8、RAM9を備えている。また、フレームの送受信(送信フレームTXをCANトランシーバ15に渡したり、受信フレームRXをCANトランシーバ15から受け取る)や、どのフレームを優先的に処理するかを決定する調停制御や、通信エラー処理等を実行するCANコントローラ19を備えている。
CANトランシーバ15は、送信フレームTXのデータに応じてバス10の信号レベルを制御するとともに、逆にバス10の信号レベルから、受信データを表す「1」か「0」かの二値信号からなる受信フレームRXを生成し、CANコントローラ19に入力する。
また、ECU101は、バス10の断線を検出するための断線検出回路3を備えており、図3にその回路構成を示している。
図3に示すように、ECU101は、前述のマイコン17の他、断線検出回路3として、コンパレータ41,42と、AND回路43,44と、CANレシーバ15aとを備えている。CANレシーバ15aは、CANトランシーバ15の一部として構成され、バス10の信号レベルに応じて二値信号を出力する。具体的には、バス10の信号レベルがドミナントの場合はロー信号を出力し、バス10の信号レベルがレセッシブの場合はハイ信号を出力する。
コンパレータ41の+側非反転入力端子には2[V]の電圧が印加され、−側反転入力端子にはHラインの信号が入力される。このコンパレータ41は、Hラインの電位が2[V]以下の場合、ハイ信号を出力する。
コンパレータ42の+側非反転入力端子にはLラインの信号が入力され、−側反転入力端子には3[V]の電圧が印加される。このコンパレータ42は、Lラインの電位が3[V]以上の場合、ハイ信号を出力する。
AND回路43には、コンパレータ41からの信号と、CANレシーバ15aからの信号とが入力される。AND回路43は、入力される2つの信号の出力レベルがともにハイレベルの場合、ハイ信号を出力する。入力される2つの信号の両方又は一方の出力レベルがローレベルの場合には、ロー信号を出力する。AND回路43からの出力信号はマイコン17に入力される。
AND回路44には、コンパレータ42からの信号と、CANレシーバ15aからの信号とが入力される。AND回路44は、入力される2つの信号の出力レベルがともにハイレベルの場合、ハイ信号を出力する。入力される2つの信号の両方又は一方の出力レベルがローレベルの場合には、ロー信号を出力する。AND回路44からの出力信号はマイコン17に入力される。
図4は、マイコン17のCPU7の動作により実現される処理を表すフローチャートである。より詳細には、コンパレータ41,42、AND回路43,44、CANレシーバ15a、及びCPU7の動作により実現される。
バス10の信号レベルがレセッシブであり(S110:YES)、かつコンパレータ41がハイ信号を出力する場合(図3の(1)の箇所の信号の出力レベルがハイレベルの場合)、S120:YESである。この場合、AND回路43からの信号はハイ信号となり(図3の(3)の箇所の信号の出力レベルはハイレベルとなり)、CPU7はHラインの断線と認識する(S140)。そして、CPU7はHラインの断線異常の旨を記憶する(S160)。具体的には、マイコン17におけるRAM9に記憶する。そしてその後、当該処理は終了する。尚、断線異常の旨を、ECU101が備える図示しない不揮発性メモリ(EEPROM)に記憶するようにしても良い。
また、バス10の信号レベルがレセッシブであり(S110:YES)、かつコンパレータ42がハイ信号を出力する場合(図3の(2)の箇所の信号の出力レベルがハイレベルの場合、S130:YESである。この場合、AND回路44からの信号はハイ信号となり(図3の(4)の箇所の信号の出力レベルはハイレベルとなり)、CPU7はLラインの断線と認識する(S150)。そして、CPU7はLラインの断線異常の旨を記憶する(S160)。そしてその後、当該処理は終了する。
つまり、CPU7は、AND回路43からの信号がハイ信号か否かを判断し、ハイ信号であると判断すると、Hラインの断線異常と判定する。また、AND回路44からの信号がハイ信号か否かを判断し、ハイ信号であると判断すると、Lラインの断線異常と判定する。
ここで、図5は、Lラインに断線異常が生じた際のバス10の信号波形の一例を示す図(写真)であり、より具体的には、Hラインが正常である一方Lラインに断線異常が生じた片側断線の際のものである。図6は、Hラインに断線異常が生じた際のバス10の信号波形の一例を示す図(写真)であり、より具体的には、Lラインが正常である一方Hラインに断線異常が生じた片側断線の際のものである。尚、図5、図6の信号波形の写真において、横軸は時間であり、縦軸は電位である。
図5、図6において、基準電位は2.5[V]である。そして、ドミナント状態において、基準電位(2.5[V])よりもプラス側に電位が振れている信号がHラインの信号を表し、基準電位(2.5[V])よりもマイナス側に電位が振れている信号がLラインの信号を表す。
図5に示すように、Lラインの片側断線時は、Lラインの電位はHラインの電位に引っ張られ、Hライン及びLラインの電位差がない(或いは電位差が0.5[V]未満)のレセッシブ状態となる。この際、CANレシーバ15a(図3参照)の出力信号はハイレベルとなる(S110:YES)。
また、Lラインの電位がHラインの電位に引っ張られると、Lラインの電位は基準電位(2.5[V])よりもプラス側に振れる。Hラインの電位は正常時のドミナント状態では3.5[V]となるようになっており、Lラインの電位はその3.5[V]側に引っ張られることで3[V]を超えてしまう。Lラインの電位が3[V]以上になると、コンパレータ42(図3参照)からハイ信号が出力される(S130:YES)。CANレシーバ15aの出力信号及びコンパレータ42の出力信号がともにハイ信号であると、AND回路44(図3参照)の出力信号はハイ信号となり(S150)、マイコン17においてLラインの断線と認識される(S150→S160)。一方、CANレシーバ15aの出力信号がロー信号の場合(つまり、ドミナント状態の場合)、コンパレータ42からの信号がハイ信号であってもAND回路44からの信号はロー信号になる。つまり、断線異常は判定されない。換言すると、CANレシーバ15aからのロー信号及びAND回路44によって、断線異常の判定は無効にされる。
次に、図6に示すように、Hラインの片側断線時は、Hラインの電位はLラインの電位に引っ張られ、Hライン及びLラインの電位差がない(或いは電位差が0.5[V]未満)のレセッシブ状態となる。この際、CANレシーバ15a(図3参照)の出力信号はハイ信号となる(S110:YES)。
また、Hラインの電位はLラインの電位に引っ張られ、基準電位(2.5[V])よりもマイナス側に振れる。Lラインの電位は正常時のドミナント状態では1.5[V]となるようになっており、Hラインの電位はその1.5[V]側に引っ張られることで2[V]を下回ってしまう。Hラインの電位が2[V]以下になると、コンパレータ41(図3参照)の出力信号はハイ信号となる(S120:YES)。CANレシーバ15aの出力信号及びコンパレータ41の出力信号がともにハイ信号であると、AND回路43(図3参照)の出力信号はハイ信号となり(S140)、マイコン17においてHラインの断線と認識される(S140→S160)。一方、CANレシーバ15aの出力信号がロー信号の場合(つまり、ドミナント状態の場合)、コンパレータ41からの信号がハイ信号であってもAND回路43からの信号はロー信号になる。つまり、断線異常は判定されない。換言すると、CANレシーバ15aからのロー信号及びAND回路43によって、断線異常の判定は無効にされる。
図5,6に示すように、片側断線時は、Hライン及びLラインに電位差がない(或いは電位差が例えば0.5[V]未満)のレセッシブ状態となり、逆に言えば、片側断線時はドミナント状態にはならない。本実施形態のECU101、より具体的に断線検出回路3では、レセッシブ状態時のみ断線異常が判定され、ドミナント状態では断線異常の判定が無効とされるため、断線異常の判定を効果的に行うことができる。例えばドミナント状態では、ノイズやグランド浮きの影響によって、バス10における信号レベルの変動が生じやすい。そのような変動が生じやすい状況下で、バス10における信号レベル(より具体的にはHラインの信号レベル、及びLラインの信号レベル)に基づき断線異常を判定したならば誤検出が生じる可能性もあるが、本実施形態では、ドミナント状態時の断線異常の判定を無効にすることで誤検出が生じることを抑制することができる。また、そのような構成を、図3に示すようにコンパレータ41,42、AND回路43,44、及びCANレシーバ15aによる比較的簡単な回路構成で実現することができ、コストの増大や装置の大規模化を抑制することができる。
尚、本実施形態において、コンパレータ41,42,及びマイコン17の構成、また、S110〜S150の処理が判定手段に相当し、CANレシーバ15a,AND回路43,44の構成、また、S110→NOの処理が無効化手段に相当し、Hライン(通信線21,31)が第1通信線に相当し、Lライン(通信線22,32)が第2通信線に相当し、コンパレータ41が第1のコンパレータに相当し、コンパレータ42が第2のコンパレータに相当し、CANレシーバ15aが第3のコンパレータに相当し、AND回路43が第1の論理回路に相当し、AND回路44が第2の論理回路に相当し、閾値としての2[V]が第1の閾値或いは第1の比較電位に相当し、閾値としての3[V]が第2の閾値或いは第2の比較電位に相当している。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
第2実施形態では、詳細は後述するが、断線の発生箇所に応じて検出され得る信号波形が異なることに基づき、断線を検出するものである。このため、断線の発生箇所も特定することができるように構成されている。
まず、断線の発生箇所に応じて検出され得る信号波形が異なる点について説明する。既に述べたように、バス10は、通信線21,22からなる幹線20と、通信線21,22からそれぞれ分岐する通信線31,32からなる支線30とから構成される。通信線21,31がHラインであり、通信線22,32がLラインである。
図7は、Hラインの支線(通信線31)が断線した際のバス10の信号波形を示す。
図8は、Hラインの幹線(通信線21)が断線した際のバス10の信号波形を示す。
図9は、Lラインの支線(通信線32)が断線した際のバス10の信号波形を示す。
図10は、Lラインの幹線(通信線22)が断線した際のバス10の信号波形を示す。
尚、図7〜図10の信号波形の図において、横軸は時間であり、縦軸は電位である。
図7に示すように、Hラインの支線(通信線31)の断線時、そのHラインの支線(通信線31)の電位はLラインの電位に引っ張られて、Hラインの支線(通信線31)の電位が基準電位(例えば2.5[V])に対しマイナス側に振れるとともに、電位差が規定値未満(例えば0.5[V]未満)のレセッシブ状態になる。断線が生じている際(断線中)の信号波形は、エッジが立った三角パルス状の波形となる。
図8に示すように、Hラインの幹線(通信線21)の断線時、そのHラインの幹線(通信線21)の電位はLラインの電位に引っ張られて、電位差が規定値未満(0.5[V]未満)のレセッシブ状態になる。Hラインの幹線(通信線21)の電位は、通信装置からのフフレームの送出に合わせて1フレーム分の期間だけマイナス側(基準電位に対しマイナス側)に引っ張られるように変動する。
図9に示すように、Lラインの支線(通信線32)の断線時、そのLラインの支線(通信線32)の電位はHラインの電位に引っ張られて、Lラインの支線(通信線32)の電位が基準電位(2.5[V])に対しプラス側に振れるとともに、電位差が規定値未満(0.5[V]未満)のレセッシブ状態になる。断線が生じている際(断線中)の信号波形は、エッジが立った三角パルス状の波形となる。
図10に示すように、Lラインの幹線(通信線22)の断線時、そのLラインの幹線(通信線22)の電位はHラインの電位に引っ張られて、電位差が規定値未満(0.5[V]未満)のレセッシブ状態となる。Lラインの幹線(通信線)の電位は、通信装置からのフレームの送出に合わせて1フレーム分の期間だけプラス側(基準電位に対しプラス側)に引っ張られるように変動する。
図11は、第2実施形態の断線検出回路50を示しており、この断線検出回路50は、ECU101に設けられる。
断線検出回路50は、Hライン及びLラインの平均電位(即ち、バス10の平均電位)を検出するための検出回路68と、所定の電源電圧(本例では5[V])を分圧する分圧回路69と、コンパレータ51〜54と、エッジ検出回路55,58と、パルス検出回路56,57と、電源ショートを検出する検出回路59と、電源ショート及びグランドショートを検出する検出回路60と、フリップフロップ回路61〜64と、信号検出のための回路65と、を備えている。
検出回路68により検出されるバス10の平均電位はコンパレータ51〜54の+側非反転入力端子に入力される。そして、コンパレータ51の−側反転入力端子には分圧回路69を介して5[V]を分圧した3.5[V]が印加され、コンパレータ52の−側反転入力端子には分圧回路69を介して5[V]を分圧した3[V]が印加され、コンパレータ53の−側反転入力端子には分圧回路69を介して5[V]を分圧した2[V]が印加され、コンパレータ54の−側反転入力端子には分圧回路69を介して5[V]を分圧した1.5[V]が印加される。
コンパレータ51の出力信号はエッジ検出回路55に入力され、コンパレータ52の出力信号はパルス検出回路56に入力され、コンパレータ53の出力信号はパルス検出回路57に入力され、コンパレータ54の出力信号はエッジ検出回路58に入力される。
エッジ検出回路55,58、及びパルス検出回路56,57については後述する。
検出回路59は、電源ショートを監視し、電源ショートを検出した場合にはその旨を表すハイ信号を出力する。検出回路59の出力信号はエッジ検出回路55に入力される。
検出回路60は、電源ショート及びグランドショートを監視し、電源ショート或いはグランドショートを検出した場合にはその旨を表すハイ信号を出力する。検出回路60の出力信号はエッジ検出回路58に入力される。
フリップフロップ回路61はエッジ検出回路55の出力信号が表す二値情報を保持し、フリップフロップ回路62はパルス検出回路56の出力信号が表す二値情報を保持し、フリップフロップ回路63はパルス検出回路57の出力信号が表す二値情報を保持し、フリップフロップ回路64はエッジ検出回路58の出力信号が表す二値情報を保持する。フリップフロップ回路61〜64のリセット端子は、リセットスイッチ66を介して電源電圧に接続され、リセットスイッチ66がオンするとフリップフロップ回路61〜64のリセット端子に電圧が印加されて保持情報がリセットされる。
エッジ検出回路55,58、パルス検出回路56,57の出力信号は、それぞれ、フリップフロップ回路61〜64を介して、後段の回路65に送出され検出される。最終的に、エッジ検出回路55の出力信号に基づきLラインの支線(通信線32)の断線が検出され得る。また、パルス検出回路56の出力信号に基づきLラインの幹線(通信線22)の断線が検出され得る。また、パルス検出回路57の出力信号に基づきHラインの幹線(通信線21)の断線が検出され得る。また、エッジ検出回路58の出力信号に基づきHラインの支線(通信線31)の断線が検出され得る。図示は省略するが、ECU101のマイコン17において、出力信号(エッジ検出回路55,58の出力信号、パルス検出回路56,57の出力信号)に基づき断線異常が判定及び検出される。
図12は、エッジ検出回路55,58の具体的な構成を表す図面である。尚、ここでは、図12に示す回路はエッジ検出回路55であるものとして説明するが、エッジ検出回路58も同様の構成を備えていることを断っておく。
エッジ検出回路55は、立上がりエッジ検出回路71と、一定パルス検出回路70と、パルス発生検出回路80とを中心に構成される。
立上がりエッジ検出回路71は、前述のコンパレータ51(図11参照)からの信号を受けて、立上がりエッジが検出された場合(つまり、コンパレータ51からハイ信号が出力された場合であり、換言すると、バス10の平均電位が3.5[V]以上になった場合)、ハイレベルのエッジ信号を出力する。そのエッジ信号は後述するカウンタ73のクリア端子とAND回路77とに入力される。
一定パルス検出回路70は、OR回路72と、カウンタ73と、比較器74,75と、AND回路76と、を備えている。
カウンタ73は、8ビットカウンタである。カウンタ73には、周波数1MHz、デューティー50%のクロック信号と、前述の検出回路59(図11参照)からの信号とがOR回路72を介して入力される。カウンタ73は、検出回路59からの信号が、電源ショートが生じていない正常状態であることを表すロー信号ならば、クロック信号を基準にカウント動作(具体的に、クロック信号の立ちあがりに同期して動作)する。検出回路59からの信号が電源ショートが生じていることを表すハイ信号ならば、カウンタ73の入力端子には「1」が継続して入力されることとなり、カウント動作は発生しない。
比較器74は、カウンタ73のカウント値が50以上(尚、本例では、1カウント=1[μsec]である)になるとハイ信号を出力する。
比較器75は、カウンタ73のカウント値が100以上になるとハイ信号を出力する。
比較器74の出力信号はAND回路76に入力され、比較器75の出力信号は反転してAND回路76に入力される。
カウンタ73のカウント値が50未満(50[μsec]未満)では、比較器74,75からAND回路76への信号はそれぞれロー信号,ハイ信号(後者は比較器75からのロー信号が反転したもの)であり、そのAND回路76からの出力信号はロー信号となる。カウント値が50以上(50[μsec]以上)、100未満(100[μsec]未満)では、比較器74,75からAND回路76への信号はそれぞれハイ信号,ハイ信号(後者は比較器75からのロー信号が反転したもの)であり、そのAND回路76からの出力信号はハイ信号となる。カウント値が100以上(100[μsec]以上)では、比較器74,75からAND回路76への信号はそれぞれハイ信号,ロー信号(後者は比較器75からのハイ信号が反転したもの)であり、そのAND回路76からの出力信号はロー信号となる。即ち、一定パルス検出回路70は、50[μsec]で立上がり100[μsec]で立下がるパルスを生成する。AND回路76からの出力信号はAND回路77に入力される一方、AND回路78に反転して入力される。
パルス発生検出回路80は、OR回路81と、カウンタ82と、比較器83と、D−FF回路84と、を備えている。
カウンタ82は4ビットカウンタである。AND回路77の出力信号がOR回路81を介してカウンタ82に入力される。
比較器83は、カウンタ82のカウント値が4になるとハイ信号を出力する。比較器83の出力信号はD−FF回路84に入力される。
D−FF回路84は、比較器83からハイ信号が入力された状態で、AND回路77からハイ信号が入力されると、その入力信号の出力レベルと同じハイ信号を出力する。
パルス発生検出回路80によれば、AND回路77の出力信号が継続して5回ハイ信号になったこと(この趣旨については後述する)を検出し得る。
このようなエッジ検出回路55の作用について説明する。
カウンタ73、及び比較器74,75の機能によってAND回路76からハイ信号が出力され、かつ立上がりエッジ検出回路71からハイレベルのエッジ信号が出力されると(即ち、バス10の平均電位が3.5[V]以上になると)、OR回路81を介してハイ信号がカウンタ82に入力され、カウンタ82がカウント動作する。この際、立上がりエッジ検出回路71からのエッジ信号によりカウンタ73がリセットされ、カウンタ73は初期値0からカウント動作する。そして、再度、AND回路76からハイ信号が出力され、かつ立上がりエッジ検出回路71からハイレベルのエッジ信号が出力されると、カウンタ82がカウント動作する。仮に、バス10の平均電位が、一定パルス検出回路70から出力されるパルスのパルス幅よりも長い期間において3.5[V]以上となったならば、即ち、AND回路76の出力信号がロー信号、立上がりエッジ検出回路71の出力信号がハイレベルのエッジ信号となったならば、AND回路78の入力は、AND回路76の出力が反転したハイ信号と、立上がりエッジ検出回路71からのハイレベルのエッジ信号となる。このため、AND回路78の出力はハイ信号となり、そのハイ信号はカウンタ82のクリア端子に入力され、カウンタ82はクリアされる。
エッジ検出回路55の趣旨は、3.5[V]以上となる、所定間隔のエッジが複数回(本例では5回)発生したことを検出するものである。このような波形は、図9において前述したように、Lラインの支線の断線時に現れる特有の波形である。そして、本第2実施形態の断線検出回路50では、3.5[V]以上となる、所定間隔のエッジが複数回(本例では5回)発生したことをもって、Lラインの支線が断線したと判定される。
また、エッジ検出回路58について、具体的な回路構成はエッジ検出回路55と同様であるため詳しい説明を省略するが、その趣旨は、1.5[V]以下となる、所定間隔のエッジが複数回(本例では5回)発生したことを検出するものである。このような波形は、図7において前述したように、Hラインの支線の断線時に現れる特有の波形である。そして、本第2実施形態の断線検出回路50では、1.5[V]以下となる、所定間隔のエッジが複数回(本例では5回)発生したことをもって、Hラインの支線が断線したと判定される。
支線30(通信線31,32)の断線時には、断線した通信線の電位が正常な通信線の電位に引っ張られ、三角パルス状の波形が現れる。このため、その三角パルス状の波形のエッジを検出することで断線が生じたか否かを判定できるが、エッジ検出回路55,58は、そのような判定を実現するものである。
図13は、パルス検出回路56,57の具体的な構成を表す図面である。尚、ここでは、図13に示す回路はパルス検出回路56であるものとして説明するが、パルス検出回路57も同様の構成を備えていることを断っておく。
図13に示すように、パルス検出回路56は、分周器91と、シフトレジスタ92と、AND回路93と、NOR回路94と、フリップフロップ回路95と、判定回路96と、を備えている。
シフトレジスタ92には、前述のコンパレータ52からの信号が入力される。そして、コンパレータ52からハイ信号が入力されると、シフトレジスタ92は動作を開始する。つまり、バス10の平均電位が3[V]以上になると動作する。
シフトレジスタ92には、1MHzのクロック信号が分周器91を介して1/2に分周されて入力され、シフトレジスタ92はそのクロック信号に同期して動作する。
シフトレジスタ92の先頭ビットの値と2番目のビットの値とは、それぞれAND回路93に入力される。
判定回路96は、フリップフロップ回路95からの信号を検出し、ハイ信号のパルス幅(ハイレベルの期間)が100[μsec]以上で250[μsec]以下かを判定する回路である。具体的には、図示しないカウンタを備え、フリップフロップ回路95からハイ信号が入力されるとカウントを開始し、フリップフロップ回路95からの信号がローレベルになるとカウントを終了して、フリップフロップ回路95からのハイ信号のパルス幅(ハイレベルの期間)を判定する。
シフトレジスタ92が動作を開始して、「0000」から「1100」までシフトした際、AND回路93への2系統の入力はともに「1」(即ち、ともにハイ信号)となり、これによりAND回路93からハイ信号が出力されてフリップフロップ回路95がセットされる。これに伴いフリップフロップ回路95の出力はハイ信号となる。尚、シフトレジスタ92の先頭ビットと次のビットとに着目すると、シフト動作は次のようになる。具体的には、「0,0」→「0,1」→「1,0」→「1,1」のようにシフトする。前述のようなクロック信号で動作する本例のシフトレジスタ92では、そのシフト動作について、時間にして10[μsec]を要するようになっている。つまり、コンパレータ52からハイ信号が入力されても、10[μsec]を経過しなければAND回路93からハイ信号が出力されない。したがって、ハイ信号のパルス幅(ハイレベルの期間)が10[μsec]未満であるようなハイ信号がコンパレータ52から入力されたとしても、そのようなごく短時間の信号は無視されることとなる。尚、詳細な説明は省略するが、バス10の信号レベルはノイズ等によって変動するものである。断線(具体的にはLラインの幹線としての通信線22の断線)が生じてLラインの電位がHラインの電位に引っ張られた際のハイレベルのパルス信号も詳細に分析すると、ごく短い時間ではあるが、閾値である3[V]未満に落ち込む期間もある。そのような落ち込みが生じるとコンパレータ52の出力信号はロー信号となるが、図13のパルス検出回路56では、10[μsec]未満のロー信号はキャンセル(無視)されるようになっている。
パルス検出回路56の趣旨は、3[V]以上となる、所定のパルス幅のパルス信号が発生したことを検出するものである。このような波形は、図10において前述したように、Lラインの幹線の断線時に現れる特有の波形である。そして、本第2実施形態の断線検出回路50では、3[V]以上となる、所定のパルス幅のパルス信号が発生したことをもって、Hラインの幹線が断線したと判定される。
また、パルス検出回路57について、具体的な回路構成はパルス検出回路56と同様であるため詳しい説明を省略するが、その趣旨は、2[V]以下となる、所定のパルス幅のパルス信号が発生したことを検出するものである。このようは波形は、図8において前述したように、Hラインの幹線の断線時に現れる特有の波形である。そして、本第2実施形態の断線検出回路50では、2[V]以下となる、所定のパルス幅のパルス信号が発生したことをもって、Hラインの幹線が断線したと判定される。
このように、本第2実施形態の断線検出回路50では、断線時に現れる特有の信号波形を検出して断線の発生を判定するようになっており、特有の信号波形に基づき、幹線と支線との何れに断線が生じたか、或いはHラインとLラインとの何れに断線が生じたか、という断線の態様も判定することができる。このため、断線箇所の特定に際し有効である。
尚、本実施形態において、マイコン17のCPU7が判定手段に相当し、パルス検出回路57及びエッジ検出回路58が第1の検出手段に相当し、エッジ検出回路55及びパルス検出回路56が第2の検出手段に相当している。
〈変形例〉
次に、第2実施形態の変形例について図14を用いて説明する。
図14に示す本変形例は、第2実施形態の図11の回路構成と図3の回路構成とを組み合わせたものである。具体的には、図3のCANレシーバ15a、AND回路43,44に相当する回路を図11の回路に組み込んだものである。尚、図14においては、エッジ検出回路55,58、及びパルス検出回路56,57より後段の回路(具体的には、回路65)、及び検出回路59,60については記載を省略している。
図14の回路において、AND回路97〜100が図3のAND回路43,44に相当し、コンパレータ15bが図3のCANレシーバ15aに相当する。
コンパレータ15bは、バス10の信号レベルに応じて「1」か「0」かの二値信号を出力する。具体的には、バス10の信号レベルがドミナントの場合はロー信号を出力し、バス10の信号レベルがレセッシブの場合はハイ信号を出力する。
AND回路97には、コンパレータ51からの信号とコンパレータ15bからの信号とが入力される。AND回路97の出力信号はエッジ検出回路55に入力される。
AND回路98には、コンパレータ52からの信号とコンパレータ15bからの信号とが入力される。AND回路98の出力信号はパルス検出回路56に入力される。
AND回路99には、コンパレータ53からの信号とコンパレータ15bからの信号とが入力される。AND回路99の出力信号はパルス検出回路57に入力される。
AND回路100には、コンパレータ54からの信号とコンパレータ15bからの信号とが入力される。AND回路100の出力信号はエッジ検出回路58に入力される。
このような構成によれば、図3と同様に、バス10の信号レベルがドミナントの場合はコンパレータ15bからロー信号が出力されるため、コンパレータ51〜54からの信号の出力レベルに関係なく、AND回路97〜100からハイ信号が出力されることがない。例えば、コンパレータ51〜54からハイ信号が出力された場合でも、バス10の信号レベルがドミナントの場合は、エッジ検出回路55,58、或いはパルス検出回路56,57にハイ信号が出力されることがなく、断線の検出はなされなくなる。換言すると、バス10の信号レベルがドミナントの場合は、断線異常の判定は無効になることとなる。つまり、本変形例では、ドミナント状態時の断線異常の判定を無効にしており、これにより誤検出が生じることを抑制できるようになっている。
尚、本実施形態において、コンパレータ15b、及びAND回路97〜100が無効化手段に相当する。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術範囲内において種々の形態をとることができる。
例えば、上記実施形態において具体的な電圧値を記載したが、その値はあくまで一例であり、仕様等に合わせて他の値もとり得る。
また、上記実施形態の回路構成は一例であり、例えば出力信号のレベルは、一例としての上記実施形態の回路構成によって決定されるに過ぎない。例えば、上記実施形態において、ハイレベルの信号、及びローレベルの信号のその出力レベルがそれぞれ逆転するように回路を組むことも可能である。
また、上記第2実施形態において、ECU101が図11の断線検出回路50を備え、その断線検出回路50がエッジ検出回路55,58、及びパルス検出回路56,57を備える場合について説明したが、例えば支線の断線のみを検出する趣旨のもとでは、断線検出回路50がエッジ検出回路55,58を備える一方でパルス検出回路56,57を備えない構成でも良い。また、幹線の断線のみを検出する趣旨のもとでは、断線検出回路50がパルス検出回路56,57を備える一方でエッジ検出回路55,58を備えない構成でも良い。
1…多重通信システム、3…断線検出回路、5…終端回路、10…バス、11…電源回路、12…センサ・スイッチ群、13…入出力回路、14…アクチュエータ、15…CANトランシーバ、15a…CANレシーバ、15b…コンパレータ、17…マイコン、19…CANコントローラ、20…幹線、21,22…通信線、30…支線、31,32…通信線、41,42…コンパレータ、43,…AND回路、50…断線検出回路、51〜54…コンパレータ、55,58…エッジ検出回路、56,57…パルス検出回路、59,60…検出回路、61〜64…フリップフロップ回路、65…回路、66…リセットスイッチ、68…検出回路、69…分圧回路、70…一定パルス検出回路、71…エッジ検出回路、72…OR回路、73…カウンタ、74,75…比較器、76〜78…AND回路、80…パルス発生検出回路、81…OR回路、82…カウンタ、83…比較器、84…D−FF回路、91…分周器、92…シフトレジスタ、93…AND回路、94…NOR回路、95…フリップフロップ回路、96…判定回路、97〜100…AND回路。

Claims (8)

  1. 第1通信線と第2通信線とからなる伝送路に複数の通信装置が接続され、前記第1通信線と前記第2通信線との間の電位差を用いた差動信号によって前記複数の通信装置間で通信が行われる多重通信システムに用いられ、
    前記第1通信線の電位及び前記第2通信線の電位に基づき、その第1通信線及び第2通信線の断線異常を判定する判定手段と、
    前記第1通信線の電位と前記第2通信線の電位とを検出して比較し、両者の電位差が所定値以上の場合に前記判定手段の判定を無効にする無効化手段と、
    を備えていることを特徴とする断線異常検出装置。
  2. 請求項1に記載の断線異常検出装置において、
    前記多重通信システムは、前記第1通信線の電位が基準電位に対しプラス側に振れ、前記第2通信線の電位が基準電位に対しマイナス側に振れるものであり、
    前記判定手段は、
    前記第1通信線の電位と第1の比較電位との比較結果を出力する第1のコンパレータと、
    前記第2通信線の電位と第2の比較電位との比較結果を出力する第2のコンパレータと、
    前記第1のコンパレータの出力信号が少なくとも入力される第1の論理回路からの信号(以下、第1の信号と称す)と、前記第2のコンパレータの出力信号が少なくとも入力される第2の論理回路からの信号(以下、第2の信号と称す)とが入力され、前記第1の信号の出力レベルに基づき前記第1通信線の断線異常を判定し、前記第2の信号の出力レベルに基づき前記第2通信線の断線異常を判定する判定回路と、を備え、
    前記無効化手段は、
    前記第1通信線の電位と前記第2通信線の電位とを検出して比較し、両者の電位差が前記所定値以上か否かの結果を出力する第3のコンパレータと、
    前記第1のコンパレータからの信号と前記第3のコンパレータからの信号とが入力される前記第1の論理回路と、
    前記第2のコンパレータからの信号と前記第3のコンパレータからの信号とが入力される前記第2の論理回路と、を備えている、
    ことを特徴とする断線異常検出装置。
  3. 請求項1に記載の断線異常検出装置において、
    前記多重通信システムは、前記第1通信線の電位が基準電位に対しプラス側に振れ、前記第2通信線の電位が基準電位に対しマイナス側に振れるものであり、
    前記判定手段は、前記第1通信線の電位がその第1通信線について予め定められた第1の閾値以下か否かを判断し、その第1の閾値以下であると判断したならば前記第1通信線の断線異常と判定し、前記第2通信線の電位がその第2通信線について予め定められた第2の閾値以上か否かを判断し、その第2の閾値以上であると判断したならば前記第2通信線の断線異常と判定することを特徴とする断線異常検出装置。
  4. 請求項3に記載の断線異常検出装置において、
    前記判定手段は、
    前記第1通信線の電位が前記第1の閾値よりも低くなったことを示す信号波形である第1の異常波形の発生を検出する第1の検出手段と、
    前記第2通信線の電位が前記第2の閾値よりも高くなったことを示す信号波形である第2の異常波形の発生を検出する第2の検出手段と、を備え、
    前記第1の検出手段により前記第1の異常波形が検出されたならば前記第1通信線の断線異常と判定し、前記第2の検出手段により前記第2の異常波形が検出されたならば前記第2通信線の断線異常と判定するようになっていることを特徴とする断線異常検出装置。
  5. 請求項4に記載の断線異常検出装置において、
    前記第1の異常波形及び前記第2の異常波形はエッジ波形であり、
    前記判定手段は、前記第1の検出手段により前記第1の異常波形が所定回数検出されたならば前記第1通信線の断線異常と判定し、前記第2の検出手段により前記第2の異常波形が所定回数検出されたならば前記第2通信線の断線異常と判定するようになっていることを特徴とする断線異常検出装置。
  6. 請求項4に記載の断線異常検出装置において、
    前記第1の異常波形及び前記第2の異常波形は方形のパルス波形であり、
    前記判定手段は、前記第1の検出手段により、所定のパルス幅を有する方形のパルス波形としての前記第1の異常波形が検出されたならば前記第1通信線の断線異常と判定し、前記第2の検出手段により、所定のパルス幅を有する方形のパルス波形としての前記第2の異常波形が検出されたならば前記第2通信線の断線異常と判定するようになっていることを特徴とする断線異常検出装置。
  7. 請求項4に記載の断線異常検出装置において、
    前記第1の異常波形及び前記第2の異常波形は、エッジ波形或いは方形のパルス波形であり、
    前記判定手段は、前記第1の検出手段により、エッジ波形としての前記第1の異常波形が所定回数検出された場合、或いは、所定のパルス幅を有する、方形のパルス波形としての前記第1の異常波形が検出された場合に、前記第1通信線の断線異常と判定し、前記第2の検出手段により、エッジ波形としての前記第2の異常波形が所定回数検出された場合、或いは、所定のパルス幅を有する、方形のパルス波形としての前記第2の異常波形が検出された場合に、前記第2通信線の断線異常と判定するようになっていることを特徴とする断線異常検出装置。
  8. 第1通信線と第2通信線とからなる伝送路に複数の通信装置が接続され、前記第1通信線と前記第2通信線との間の電位差を用いた差動信号によって前記複数の通信装置間で通信が行われる多重通信システムに用いられる断線異常検出装置であって、
    前記第1通信線の電位は基準電位に対しプラス側に振れ、前記第2通信線の電位は基準電位に対しマイナス側に振れるものであり、
    前記第1通信線の電位と第1の比較電位との比較結果を出力する第1のコンパレータと、
    前記第2通信線の電位と第2の比較電位との比較結果を出力する第2のコンパレータと、
    第1の信号と第2の信号とが入力され、前記第1の信号の出力レベルに基づき前記第1通信線の断線異常を判定し、前記第2の信号の出力レベルに基づき前記第2通信線の断線異常を判定する判定回路と、
    前記第1通信線の電位と前記第2通信線の電位とを検出して比較し、両者の電位差が所定値未満か否かの判定結果を出力する第3のコンパレータと、
    前記第1のコンパレータからの信号と前記第3のコンパレータからの信号とが入力される第1の論理回路と、
    前記第2のコンパレータからの信号と前記第3のコンパレータからの信号とが入力される第2の論理回路と、を備え、
    前記第1の論理回路の出力信号が前記第1の信号として前記判定回路に入力され、前記第2の論理回路の出力信号が前記第2の信号として前記判定回路に入力されるように構成されていることを特徴とする断線異常検出装置。
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