JP5018396B2 - 通信装置及び通信システム - Google Patents
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Description
また近年、制御の高度化等により、車載ネットワークの装置間でやり取りされるデータ量が増大しているため、高速に通信可能な車載通信システムが要求されている。
"フレックスレイ通信システムプロトコル仕様書バージョン2.1改定版A(FlexRay communications System Protocol Specification Version 2.1 Revision A)"、[online]、フレックスレイコンソーシアム(FlexRay Consortium)、[平成19年7月28日検索]、インターネット<URL:http://www.flexray.com/index.php?sid=d22542b0e881c70b6701a0480ec44a4f&pid=47&lang=de>
このため、各ノードにおいて通信を制御するために設けられる通信コントローラは、自ノードが送信した送信信号を受信(いわゆる折返し受信)して、その折返し受信信号と送信信号とを比較する、という処理を行わない。よって、そのような比較処理により送信異常を検知することができない。
また、各ノードが正常送信できたことを確認するためには、特許文献1の手法を採用したり、自ノードの送信データが正しく受信されたか否かを示す受信結果情報を通信相手のノードから通信線を介して通知してもらう、といった手法を採用することが考えられる。しかし、そのような手法では、正常送信できたことを確認するのに多くの時間が必要となる。
そして、トランシーバは、当該通信装置の送信期間において、通信コントローラから送信信号線を介して入力される送信信号を前記通信線に送出する送信回路と、前記通信線上の信号を受信し、その受信した受信信号を受信信号線を介して通信コントローラへ出力する受信回路とを備えている。
しかも、請求項1の通信装置では、通信コントローラとトランシーバとの間には、通信コントローラからトランシーバへ、ハイとローの一方である特定レベルの送信要求信号を出力するための送信要求信号線が配設されている。
そして、通信コントローラは、当該通信装置の送信期間において、送信要求信号線へ前記特定レベルの送信要求信号を出力するようになっており、トランシーバの送信回路は、送信要求信号線の電圧レベルが前記特定レベルになっている場合に、通信コントローラから送信信号線を介して入力される送信信号を通信線に送出するようになっている。
また、送信要求信号線は、トランシーバにおいて、ハイの電位とローの電位のうち、前記特定レベルとは異なる方の電位に抵抗を介して接続されている。
更に、送信異常検出手段は、送信要求信号線に接続された検出回路と、判定手段とを備えている。そして、検出回路は、送信要求信号線の電圧レベルが前記特定レベルになっている場合に、受信信号線にエッジが発生したか否かを監視して、その監視結果を記憶し、判定手段は、通信コントローラが送信要求信号線への送信要求信号の出力を止めた後で、検出回路の監視結果を参照し、該検出回路によりエッジが検出されていなければ送信異常と判定する。
このような通信装置においては、送信信号線がハイ又はローで固定されてしまう異常や、送信回路自体の故障以外にも、例えば、送信要求信号線が、検出回路との接続点よりもトランシーバ側で断線したとすると、通信コントローラが送信要求信号線へ特定レベルの送信要求信号を出力しても、トランシーバに入力される送信要求信号線の電圧レベルは、上記抵抗の作用により、特定レベルとは異なる方の電位に固定されるため、トランシーバの送信回路は送信信号線から入力される送信信号を通信線に送出しなくなり、受信信号線の電圧レベルも変化しなくなる。このため、通信コントローラが送信要求信号線へ特定レベルの送信要求信号を出力している間に、検出回路が受信信号線のエッジを検出できず、その結果、判定手段により送信異常と判定されることとなる。
また例えば、送信要求信号線が、検出回路との接続点よりも通信コントローラ側で断線したとすると、トランシーバだけでなく、検出回路に入力される送信要求信号線の電圧レベルも、上記抵抗の作用により、特定レベルとは異なる方の電位に固定される。よって、通信コントローラが送信要求信号線へ特定レベルの送信要求信号を出力しても、検出回路がエッジの監視自体を行わず、その結果、判定手段により送信異常と判定されることとなる。
このように、請求項1の通信装置によれば、通信コントローラとトランシーバとの間の送信要求信号線の断線による送信異常も検知することができる。
次に、請求項5の通信装置では、請求項1〜4の通信装置において、送信異常検出手段は、通信コントローラとは独立して設けられている。
図1に示すように、本実施形態の通信システムは、自動車に搭載されるものであり、通信線10を介して接続された複数のノードとしての電子制御装置(以下、ECUという)1,2,…からなる。尚、図1では、2つのECU1,2だけを図示している。また、本実施形態の通信システムは、FlexRayのプロトコルに則った通信システムである。
図2に示すように、マイコン11内には、CPU15の他に、通信コントローラ17とエッジ検出回路19とが設けられている。
通信コントローラ17は、CPU15により送信対象のデータが与えられて、そのデータを記憶する。そして、通信コントローラ17は、自ECUの送信タイミングが到来すると、図3における[送信動作時]の欄の1,2段目に示すように、自ECUの送信期間の間、送信要求信号線TxENへローレベルの送信要求信号を出力する(つまり、送信要求信号線TxENをハイからローにする)と共に、送信信号線TxDへ送信対象のデータを表す送信信号を出力する。尚、本実施形態の通信システムでは、各ECU1,2,…の送信タイミングが重複しないように予め定められており、通信コントローラ17には、自ECUの送信タイミングが記憶されている。
そして、送信回路21は、送信要求信号線TxENの電圧レベルがローになっている場合に、送信信号線TxDを介して入力される送信信号を通信線10に送出する。
そして、送信要求信号線TxENがローの場合において、送信回路21は、送信信号線TxDがハイならば(つまり、入力される送信信号がハイならば)、プラス側線BPの電圧を第1電圧VHにすると共に、マイナス側線BMの電圧を第1電圧VHよりも低い第2電圧VLにする。これが、論理的ハイの送出動作である。また、送信回路21は、送信信号線TxDがローならば(つまり、入力される送信信号がローならば)、プラス側線BPの電圧を第2電圧VLにすると共に、マイナス側線BMの電圧を第1電圧VHにする。これが、論理的ローの送出動作である。
具体的に説明すると、受信回路23は、例えば、プラス側線BPの電圧VPとマイナス側線BMの電圧VMとの差ΔV(=VP−VM)が負の規定値以下であれば、受信信号線RxDの電圧レベルをローにし、差ΔVが上記規定値以下でなければ、受信信号線RxDの電圧レベルをハイにする。そして、この動作により、受信回路23は、通信線10に論理的ローが出力されている場合には、受信信号線RxDをローにし、通信線10に論理的ハイが出力されているか、或いは通信線10に論理的ハイもローも出力されていないアイドル状態の場合には、受信信号線RxDをハイにすることとなる。
まず、CPU15は、通信コントローラ17が送受信可能な状態(本実施形態では、FlexRayであるため、ノーマルアクティブ状態)に遷移したことを確認すると、エッジ検出回路19にリセット信号を出力して、監視結果データをクリアする。尚、通信コントローラ17の中には、その通信コントローラ17の現在状態を示すレジスタ(以下、状態レジスタという)が設けられており、CPU15は、通信コントローラ17がノーマルアクティブ状態であるか否かを、その状態レジスタの値を参照することで判定する。
図4に示すように、CPU15が異常検出処理の実行を開始すると、まずS110にて、送信が完了したか否かを判定し、送信が完了していなければ、そのまま当該異常検出処理を終了するが、送信が完了したと判定したならば、S120に進む。尚、通信コントローラ17の中には、一連の送信動作が完了すると(即ち、送信要求信号線TxENをローからハイに戻すと)そのことを示すデータがセットされるレジスタ(以下、送信完了レジスタという)が設けられており、CPU15は、送信が完了したか否かを、その送信完了レジスタの値を参照することで判定する。
[正常時]
正常時において、送信する場合には、図3における[送信動作時]の欄に示したように、送信要求信号線TxENがローになると共に、送信信号線TxDが通信コントローラ17から出力される送信信号に応じてハイとローとにレベル変化する。
[送信信号線TxDが断線した場合]
送信信号線TxDがトランシーバ13とマイコン11との間で断線した場合、その送信信号線TxDはトランシーバ13内で抵抗25によりプルダウンされているため(FlexRayの仕様による)、図5に示すように、トランシーバ13に入力される送信信号線TxDの電圧レベル(送信信号)はローのままとなる。
そして、図5に示すように、受信信号線RxDは、送信要求信号線TxENがローになってからトランシーバ13内での遅延時間tdだけ遅れて、アイドル状態のハイからローに変化し、送信要求信号線TxENがハイに戻ると上記遅延時間tdと同程度の遅延時間だけ遅れて、ローからアイドル状態のハイに戻ることとなる。
[送信要求信号線TxENが断線した場合]
送信要求信号線TxENがトランシーバ13とマイコン11との間で断線した場合(詳しくは、送信要求信号線TxENが、エッジ検出回路19との接続点よりもトランシーバ13側で断線した場合)、送信要求信号線TxENはトランシーバ13内で抵抗27によりプルアップされているため(FlexRayの仕様による)、図6の最上段における点線で示すように、トランシーバ13に入力される送信要求信号線TxENの電圧レベルはハイのままとなる。尚、図6の最上段における実線で示すように、エッジ検出回路19に入力される送信要求信号線TxENの電圧レベルは、通信コントローラ17の出力レベルと同じになる。つまり、エッジ検出回路19には、通信コントローラ17からの送信要求信号が正常に入力される。
そして、もしエッジ検出回路19をマイコン11の外に設けた場合には、送信要求信号線TxENが、そのエッジ検出回路19との接続点よりも通信コントローラ17側で断線する可能性もある。しかし、その場合には、図7に示すように、トランシーバ13だけでなく、エッジ検出回路19に入力される送信要求信号線TxENの電圧レベルも、上記抵抗27の作用によりハイに固定される。よって、通信コントローラ17が送信要求信号線TxENへローの送信要求信号を出力しても、エッジ検出回路19がエッジの監視自体を行わず、その結果、CPU15が、図4の異常検出処理におけるS120で、エッジ検出回路19が立ち上がりエッジを検出していない(即ち、送信異常が発生している)と判定することとなる。また、仮にエッジ検出回路19がエッジの監視を行ったとしても、図7に示すように、受信信号線RxDはハイのままになるため、やはり上記S120で送信異常と判定されることとなる。
即ち、エッジ検出回路19は、クロック端子(CK)に立ち上がりエッジが入力されるとセット状態になって出力(Q)がハイになるフリップフロップ19aと、送信要求信号線TxENがローの場合にオンして(導通状態になって)受信信号線RxDをフリップフロップ19aのクロック端子に接続させるスイッチ19bと、送信要求信号線TxENに立ち下がりエッジが生じるとパルス信号を出力するワンショット回路19cと、そのワンショット回路19cからのパルス信号とCPU15からのリセット信号との論理和信号を、フリップフロップ19aのリセット端子(R)に出力するオア回路19dとを備えている。尚、ワンショット回路19cが出力するパルス信号の時間幅は、フリップフロップ19aをリセットするのに必要最小限で、トランシーバ13内の遅延時間tdよりは短い時間に設定されている。また、フリップフロップ19aのクロック端子とスイッチ19bとの間の信号ラインは、図示しない抵抗によりグランド電位にプルダウンされている。
また、本発明は、FlexRay以外や車両用以外の通信システムにも適用可能である。例えば、通信コントローラ17が出力する送信要求信号は、ハイアクティブの信号であっても良い。
Claims (6)
- 他の装置と通信線を介して通信する通信装置であって、
送信信号線と受信信号線を介して互いに接続された通信コントローラとトランシーバを備えると共に、
前記トランシーバは、当該通信装置の送信期間において、前記通信コントローラから前記送信信号線を介して入力される送信信号を前記通信線に送出する送信回路と、前記通信線上の信号を受信し、その受信した受信信号を前記受信信号線を介して前記通信コントローラへ出力する受信回路とを備えており、
更に、当該通信装置は、当該通信装置の送信期間において前記受信信号線に電圧レベルの変化であるエッジが発生したか否かを確認し、エッジが発生していなければ送信異常と判定する送信異常検出手段を備え、
前記通信コントローラと前記トランシーバとの間には、前記通信コントローラから前記トランシーバへ、ハイとローの一方である特定レベルの送信要求信号を出力するための送信要求信号線が配設されており、
前記通信コントローラは、当該通信装置の送信期間において、前記送信要求信号線へ前記特定レベルの送信要求信号を出力するようになっていると共に、
前記トランシーバの送信回路は、前記送信要求信号線の電圧レベルが前記特定レベルになっている場合に、前記通信コントローラから前記送信信号線を介して入力される送信信号を前記通信線に送出するようになっており、
更に、前記送信要求信号線は、前記トランシーバにおいて、ハイの電位とローの電位のうち、前記特定レベルとは異なる方の電位に抵抗を介して接続されており、
前記送信異常検出手段は、
前記送信要求信号線に接続され、その送信要求信号線の電圧レベルが前記特定レベルになっている場合に、前記受信信号線にエッジが発生したか否かを監視して、その監視結果を記憶する検出回路と、
前記通信コントローラが前記送信要求信号線への前記送信要求信号の出力を止めた後で、前記検出回路の監視結果を参照し、該検出回路によりエッジが検出されていなければ送信異常と判定する判定手段とを備えていること、
を特徴とする通信装置。 - 請求項1に記載の通信装置において、
前記トランシーバの受信回路が信号を受信しない無通信期間において、該受信回路は前記受信信号線の電圧レベルをハイにするようになっており、
前記送信異常検出手段は、前記エッジとして、ローからハイへの立ち上がりエッジが発生したか否かを確認するようになっていること、
を特徴とする通信装置。 - 請求項1に記載の通信装置において、
前記トランシーバの受信回路が信号を受信しない無通信期間において、該受信回路は前記受信信号線の電圧レベルをローにするようになっており、
前記送信異常検出手段は、前記エッジとして、ハイからローへの立ち下がりエッジが発生したか否かを確認するようになっていること、
を特徴とする通信装置。 - 請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の通信装置において、
前記通信コントローラは、当該通信装置に備えられたマイコンのCPUにより送信対象のデータが与えられ、そのデータを表す送信信号を前記送信信号線へ出力するようになっており、
前記送信異常検出手段は、前記マイコン内に設けられていること、
を特徴とする通信装置。 - 請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載の通信装置において、
前記送信異常検出手段は、前記通信コントローラとは独立して設けられていること、
を特徴とする通信装置。 - 通信線を介して接続された複数のノードが通信する通信システムであって、
前記ノードの少なくとも1つとして、請求項1ないし請求項5の何れか1項に記載の通信装置を備えていること、
を特徴とする通信システム。
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