JP2011006888A - トンネル用避難扉 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】立ち上がり体5の一部に切り欠き部5cを形成し、該切り欠き部5cを跳ね上げ式に開閉する外側扉体7を設ける一方、前記切り欠き部5cに対向する仕切り壁3に避難通路6に続く避難口3cを形成し、該避難口3cを仕切り壁3に沿ってスライド式に開閉する内側扉体12を設けて、前記外側扉体7の開放作動に伴い内側扉体12を開放作動するよう連繋手段を用いて連繋するにあたり、前記連繋手段は、外側扉体7の全開姿勢への変姿に伴い連繋を解除し、外側扉体7の閉鎖作動に伴い連繋を復帰する構成とする。
【選択図】図7
Description
そこで、本発明の出願人は、立上がり体に形成される切り欠き部に跳ね上げ式の外側扉体を設けるとともに、前記切り欠き部に対向する仕切り壁に避難通路に続く避難口を設けて、該避難口に、仕切り壁に沿ってスライド式に開閉する内側扉体を設ける構成としたものを提唱した。そして、このものでは、前記外側扉体を操作具の操作で開放できるように構成するとともに、外側扉体と内側扉体とを連繋手段により連繋して、外側扉体が全開姿勢になることに連動して内側扉体を開放するように構成し、さらに、外側扉体が全開姿勢となった状態では、外側扉体と内側扉体扉との連繋が解除されて、内側扉体に設けた自閉装置により自動的に閉鎖するように構成して、操作性が優れるようにしている。
さらには、前記出願のものにおいて、連繋手段を一端が外側扉体に連結されたたワイヤにより構成しているため、外側扉体の跳ね上げ(開放揺動)に基づくワイヤの変位量を、内側扉体のスライド変位量(開放長さ)としているため、内側扉体のスライド変位量を大きく確保するのが難しいという問題もあり、これらに本発明の解決すべき課題がある。
請求項2の発明において、連繋手段は、外側扉体を構成する揺動支軸の回転に基づいて、移送体を内側扉体のスライド方向に沿って移送せしめる動力伝動機構を備えて構成されている請求項1に記載のトンネル用避難扉である。
請求項3の発明において、動力伝動機構は、外側扉体の揺動支軸の回転速度を増速して移送体の移送量を増大するように構成されている請求項2に記載のトンネル用避難扉である。
請求項4の発明において、連繋手段は、動力伝動機構の移送体と内側扉体とのあいだに設けられ、外側扉体の開閉作動に伴い係脱する一体化手段を備えて構成されている請求項2または3に記載のトンネル用避難扉である。
請求項5の発明において、内側扉体は、自閉装置を備えて構成されており、連繋手段の解除状態において、開放された内側扉体は自動的に閉鎖するように構成されている請求項1乃至4の何れか1項に記載のトンネル用避難扉である。
請求項2、3の発明とすることにより、内側扉体のスライド移動のストロークの自由度を改善することができる。
請求項4の発明とすることにより、連繋手段の構成を簡略化することができる。
請求項5の発明とすることにより、外側扉体を開放して避難者の避難通路への誘導ができるものでありながら、内側扉体が開放されたままにならず、火煙が避難通路側に流入するのを防止できる。
図面において、1はトンネル(坑道)であって、該トンネル1は地中を円形状に刳り抜いて円環状の外壁2を備えて構成されており、円形状空間となったトンネル1内空間は、水平方向を向く仕切り壁3を介して上下二層に区画形成されている。そして、トンネル1内の仕切り壁3の上側部位は、車両や鉄道等交通手段が通行するための空間となっており、仕切り壁3の中央部が車道(本発明の本通路に相当する)4として用いられ、該車道4の左右方向外方には、車道4に対してそれぞれ段差状に立ち上がる立ち上がり体5が形成されている。
一方、仕切り壁3の下側部位には、火災等の非常時に人がトンネル1の外に避難するときに通行するための避難通路6が形成されており、さらに、避難通路6の左右には、上下に仕切る仕切り壁6aにより仕切られて、電線等のケーブルの配線スペースにする等、適宜利用することができる多目的通路6bがそれぞれ区画形成されている。
そして、前記左右の立ち上がり体5には、それぞれ車道4の走行方向において適宜間隔を存して切り欠き部5cが形成されている。これら切り欠き部5cは、後述するように、トンネル1内上側の車道4から下側の避難通路6に避難するための入口部を構成しており、各切り欠き部5cにより構成される入口部にはそれぞれ外側扉体7が開閉自在に設けられ、平常時では入口部(切り欠き部5c)が閉鎖されるように構成されている。
尚前記切り欠き部5cは、外側扉体7の走行方向における長さよりも長い範囲で切り欠かれており、入口部となって外側扉体7により閉鎖される部位の走行方向両側に切り欠かれた切り欠き部5cは、入口部に設けられる外側扉体7、後述する内側扉体12の両者をそれぞれ開閉作動するために必要な部材装置の配設スペースとなっている。これら配設スペースは立ち上がり体5として機能するよう、垂直壁5a、水平壁5bに沿って形成される垂直体5d、水平体5eにより覆蓋されており、以降、これら垂直体5d、水平体5eにより覆蓋される部位は立上がり体5として説明し、垂直体5d、水平体5eにより覆蓋されない部位であり、避難通路6への入口部となる部位を切り欠き部5cとして説明する。
一方、8はウエイト体であって、該ウエイト体8は回転支軸7gの筒軸方向(車両の走行方向)に長尺状に形成されており、図5に示すように、下端部が複数の作動アーム7iに対し、枢軸8aを介して枢支連結されている。これによって、ウエイト体8の全荷重は、作動アーム7iを下動させる方向に作用するように構成されており、その荷重の大きさは、作動アーム7iに連結される外側扉体7を上動可能な大きさに設定されている。
尚、8bはウエイト体8の前方を覆うように設けられるカバー体である。
このように、外側扉体7は、操作具10の操作で開放する構成となっているが、前記操作具10操作によるブレーキ解除レバー9eの解除操作は電気的になされるものではないので、非常事態で停電が発生したとしても外側扉体7を開放作動させることができるように構成されている。
前記避難口3cの走行方向一端側の一端側部位3dと他端側の他端側部位3eでは車道側4における切り欠き位置が異なり、他端側部位3eの方が一層車道4側に突出して(延出して)切り欠かれている。つまり、他端側部位3eにおける車道4側の切り欠き位置は、全閉姿勢の外側扉体7の側片部7d対向部位よりも車道4側に位置しており、避難口3cが外側扉体7の地覆相当片部7fにより覆われる部位にまで延出形成されている。これによって、円環状の外壁2に沿って湾曲状に形成される連絡路11(滑り台)を移動する避難者の上方におけるスペース(避難スペース)が大きく確保されるように構成されている。
前記内側扉体12は水平状の平板形状で、避難口3cの形状に対応して戸先側となる一端側部位12aは幅狭に、戸尻側となる他端側部位12bは幅広状に形成されており、幅広状の他端側部位12bの左右両側縁部には複数の走行ローラ12cが設けられている。一方、避難口3cの他端側部位3eにおける左右の孔縁となる仕切り壁3の段差面3a部位には、内側扉体12の走行ローラ12cを移動自在に案内支持するガイドレール13が設けられている。そして、内側扉体12は、走行ローラ12cがガイドレール13に沿ってスライド移動することにより、平常時の姿勢であって、避難口3cを覆蓋する全閉姿勢と、非常時の姿勢であって、戸尻側に移動して避難口3cを開放する全開姿勢とに変姿するように構成されている。
前記内側扉体12の他端側の端面(戸尻側の端面)には、左右方向中間部に位置して戸尻側に突出する連結体14が一体的に設けられている。前記連結体14は、強磁性材により折曲形成されており、他端側に向けて突出する上下一対の連結片14a、14bが形成されている。そして、上側に位置する上側連結片14aが、連繋手段の構成部材であり本発明の一体化手段としての磁石受け体となっている。
前記チェーンガイド17は、内側扉体12の直上に位置し、かつ、内側扉体12のスライド方向に沿って固定されている。前記チェーンガイド17は、図9に示すように、左右一対の脚片17a、17bと、これら脚片17a、17bの上端縁同士を連結する上片17cとを備え、内側扉体12側である下方が開口する断面コ字形に形成されており、各片17a、17b、17cに囲繞されるチェーンガイド17内の長尺方向一端側(内側扉体12の戸先方向)には、左右一対の駆動スプロケット17dが同一支軸を介して回転自在に支持され、長尺方向他端側(内側扉体12の戸尻方向)には左右一対の従動スプロケット17eが同一支軸を介して回転自在に支持されている。これら各左右の駆動、従動スプロケット17d、17e同士のあいだには、それぞれ左右一対の無端の移送チェーン18が懸回されており、後述するように、一対の駆動スプロケット17dの回転に伴い、一対の移送チェーン18が同期する状態で駆動、従動スプロケット17d、17eのあいだを移送するように構成されており、これら一対の移送チェーン18が本発明の移送体に相当している。尚、移送体としては、駆動、従動回転体のあいだを移送されるものであればよく、例えば、歯付きベルト等とすることも可能である。
ここで、移送チェーン18は、外側扉体7の開放揺動に伴う回転支軸7gの回転に基づいて移送されるが、該移送チェーン18の移送量は、第一〜第六スプロケット16c、17f、17g、17h、17i、17jの外径比により設定される増速比に基づいて、所望の長さに設定することができる。そして、本実施の形態では、外側扉体7の全閉姿勢から全開姿勢への変姿に基づく移送チェーン18の移送ストロークが、内側扉体12が全閉姿勢から全開姿勢に変姿するストロークよりも長くなるように設定されている。
そして、この連繋解除がなされて、外側扉体7が全開姿勢となった状態において、磁石18bは、内側扉体12の上側連結片14aより従動スプロケット17e側に偏寄した部位に位置しており、この状態において、磁石18bは移送チェーン18に連結された状態が保持されるように構成されている。
尚、移送チェーン18(外側扉体7)と連結体14(内側扉体12)とを一体化(連結)する一体化手段として、本実施の形態では、磁石18bと、磁石受け体としての上側連結体14aとしているが、移送チェーン18と連結体14(係合アーム14c)とのあいだに、連結体14(係合アーム14c)がストッパ片3fに当接することにより係合解除(一体化解除)し、移送チェーン18の駆動スプロケット17d側への変位で係合(一体化)するフック構造を用いることも可能である。
前記自閉装置19は、公知の構成のものが用いられている。つまり、自閉装置19は、図6、7に示すように、内側扉体12の係合アーム14cに干渉する作動片19aが連結された作動ワイヤ19bを備えて構成されている。前記作動ワイヤ19bは、全開姿勢の内側扉体12の戸尻側に配設されたメインユニット19cに設けられる巻き取り装置19dから引き出され、全閉姿勢の内側扉体12の係合アーム14cよりも戸先側に設けられた補助プーリ19eを巻き回してメインユニット19cの戸尻側に配設された巻き取りプーリ19fに巻き取られるように構成されている。そして、作動ワイヤ19bに連結される作動片19aは、補助プーリ19eと巻き取りプーリ19fとのあいだであって、図6に示すように、内側扉体12の全閉姿勢において、係合アーム14cに対して戸尻側から当接するように設けられている。ここで、巻き取り装置19dの付勢力は、内側扉体12を閉鎖作動させるのに必要な大きさに設定される一方、巻き取りプーリ19fの付勢力は、作動ワイヤ19bを緊張させるのに必要な大きさに設定されている。これによって、平常時では、作動片19aが内側扉体12を閉鎖方向に押圧することにより内側扉体12を全閉姿勢に維持するとともに、作動ワイヤ19bの緊張状態を維持するように構成されている。
尚、内側扉体12は、全開姿勢に変姿して外側扉体7との連繋が解除された後では、自閉装置19により閉鎖作動途中、または、自閉装置19により全閉姿勢の状態に変姿した後においても手動で開放作動することが可能であり、これによって、後続の避難者が内側扉体12を開放して連絡路11にアクセスすることができるようになっている。尚、手動により内側扉体12が開放操作されて全開姿勢、または、中途開姿勢になった場合でも、内側扉体12は所定タイマ時間経過後に閉鎖して、車道4側の上側空間と避難通路6側の下側空間とが長時間にわたって連通状態にならないように構成されていいる。
また、自閉装置19は電気を用いて作動する機構ではなく、機械的な機構となっているため、非常事態で停電が発生したとしても内側扉体12を自動的に閉鎖作動させることができるように構成されている。
因みに、外側扉体7を全開姿勢から全閉姿勢に変姿させる場合に、内側扉体12の姿勢が全閉姿勢ではなく、全開姿勢、または、中途開姿勢となっていることも想定されるが、この場合に、内側扉体12の上側連結片14aは、チェーンガイド17に沿って移送される磁石18bの移送経路に位置していて、外側扉体7の閉鎖姿勢への変姿の過程で磁石18bが上側連結片14aに磁着することができ、これによって、外側扉体7を全開姿勢から全閉姿勢に変姿させることで、内側扉体12の開閉状態にかかわらず外側扉体7と内側扉体12とを連繋状態に復帰できるように構成されている。
しかも、このものにおいて、非常時における避難終了後に、外側扉体7を全閉姿勢に復帰させる操作を行なうことにより、外側扉体7と内側扉体12とのあいだの連繋手段を自動的に連繋状態に復帰させることができて、従来のもののように、連繋手段を復帰させる操作が別途必要になるようなことがなく、メンテナンス性に優れるうえ、連繋手段の復帰操作を忘れてしまうような不具合を確実に回避することができる。
また、図10に示す第二の実施の形態のようにすることもできる。
図10において、前記第一の実施の形態の構成部材と同様の構成部材を用いて構成されており、これらについては同様の符号を付すことで説明を省略する。
第二の実施の形態において、移送チェーン18に連結される磁石18bは、外側扉体7の全閉姿勢でチェーンガイド17の一端側に位置し、外側扉体7の全開姿勢でチェーンガイド17の他端側に位置することは前記第一の実施の形態と同様である。これに対し、内側扉体12の戸尻側端部に連結される連結体14の第一連結片14aの位置は、全閉姿勢では、外側扉体7の全閉姿勢における磁石18b配設位置よりも戸尻側となり、全開姿勢では、外側扉体7の全開姿勢における磁石18b配設位置よりも戸先側となるように構成されており、外側扉体7が全開姿勢になる過程で内側扉体12と一体化して内側扉体12を全開姿勢とするように構成されている。
これによって、両扉体7、12が全開姿勢のときばかりでなく、全閉姿勢においても、両扉体7、17を連繋する連繋手段が解除状態となるように構成されており、外側扉体7の全開姿勢と全閉姿勢との両者において、内側扉体12を自由に開閉操作できるように構成されている。そして、このものでは、外側扉体7が全閉状態であっても、避難通路6側から内側扉体12にアクセスして内側扉体12を自由に開閉作動させることができ、このようにすることにより、避難扉の設置時やメンテナンス時の利便性が向上する。
2 外壁
3 仕切り壁
3f ストッパ片
3c 避難口
4 車道
5 立ち上がり体
5c 切り欠き部
6 避難通路
7 外側扉体
8 ウエイト体
9 開閉機
10 操作具
12 内側扉体
14 連結体
14a 上側連結片
14c 係合アーム
15 チェーン伝動機構
16 連結器
16c 第一スプロケット
17 チェーンガイド
17d 駆動スプロケット
18 移送チェーン
18b 磁石
19 自閉装置
Claims (5)
- トンネル内を仕切り壁を介して上下に仕切り、仕切り壁の上側に本通路と、該本通路の側部に位置し本通路より高位となる立ち上がり体とを形成する一方、仕切り壁の下側に避難通路を形成したトンネルにおいて、前記立ち上がり体の一部に切り欠き部を形成し、該切り欠き部を跳ね上げ式に開閉する外側扉体を設ける一方、前記切り欠き部に対向する仕切り壁に避難通路に続く避難口を形成し、該避難口を仕切り壁に沿ってスライド式に開閉する内側扉体を設けて、前記外側扉体の開放作動に伴い内側扉体を開放作動するよう連繋手段を用いて連繋するにあたり、前記連繋手段は、外側扉体の全開姿勢への変姿に伴い連繋を解除し、外側扉体の閉鎖作動に伴い連繋を復帰するように構成されているトンネル用避難扉。
- 連繋手段は、外側扉体を構成する揺動支軸の回転に基づいて、移送体を内側扉体のスライド方向に沿って移送せしめる動力伝動機構を備えて構成されている請求項1に記載のトンネル用避難扉。
- 動力伝動機構は、外側扉体の揺動支軸の回転速度を増速して移送体の移送量を増大するように構成されている請求項2に記載のトンネル用避難扉。
- 連繋手段は、動力伝動機構の移送体と内側扉体とのあいだに設けられ、外側扉体の開閉作動に伴い係脱する一体化手段を備えて構成されている請求項2または3に記載のトンネル用避難扉。
- 内側扉体は、自閉装置を備えて構成されており、連繋手段の解除状態において、開放された内側扉体は自動的に閉鎖するように構成されている請求項1乃至4の何れか1項に記載のトンネル用避難扉。
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