JP7032191B2 - トンネル用の避難装置 - Google Patents
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しかし避難口が開口(全開)したままでは、本通路側で発生している煙等が、該開口している避難口を通して避難通路側に浸入する惧れがあり、そこで全開姿勢になった避難扉を、所定の遅延時間(タイマー時間)経過後に全閉姿勢に自動的に強制移動させて避難口を閉鎖するよう全閉作動手段(自閉手段)をさらに設けたものが知られている(例えば特許文献1参照)。
ところでこのように構成したものにおいて、全開した避難扉を全閉作動手段による作動で全閉させる場合に、避難扉が全開作動手段に連結されたままの状態であると、全閉作動手段による避難扉の円滑な全閉作動が損なわれることが想定され、また全開した避難扉を、前記遅延時間に至る前の段階で避難者が手動で閉作動させることが考えられ、このような場合に、避難扉の全閉側への移動に全開作動手段が影響を与えない(邪魔をしない)よう避難扉を全開作動手段から切離す必要があり、この切離しの確実性を確保することが要求される。
そこで前記特許文献1のものでは、全開作動手段に設けた磁石を避難扉に磁着させた状態で、該磁石を全開側に牽引移動させる構成にして避難扉を全開させ、このようにして全開した避難扉を全閉姿勢側に復帰させる際には磁石を避難扉から離間させた状態にし、これによって避難扉の閉鎖作動時に、全開移動手段からの影響(干渉)を受けないようにして避難扉の円滑な全閉姿勢(元位置、元姿勢)側への移動ができるようにしている。
ところでこのような避難扉において、全閉姿勢に復帰移動した避難扉に対し、例えば遅れてくる避難者のためや防災訓練(火災訓練、避難訓練等)後等のため、磁石についても避難扉に磁着した初期の状態に戻する必要があるが、このとき、磁石の避難扉に対する磁着位置がずれて磁着力の弱い状態で磁着してしまうようなことが想定されるだけでなく、磁石に鉄粉等の磁性物質が経時的に磁着蓄積すること等によって磁石の避難扉側への磁着力が次第に弱くなること予想され、このようになると、火災発生等の非常時において避難扉を全開させようとしたとき、磁石が途中で避難扉から外れてしまうようなことが考えられる。
そこでこれを回避するため、避難扉側に設けた受け部材に、全開移動手段側に設けた係止部材を戸先側から係止(戸先側(移動上手側)から戸尻側(下手側)に向けて係止)させた状態、つまり受け部材よりも戸先側に位置する係止部材を、受け部材に対して戸先側から係止し、この状態で係止部材を全開側(戸尻側)に牽引移動させることで避難扉を全開側に移動させて避難口を開口する構成にし、そしてこのような係止方式にすることによって前記磁石を用いた場合に想定される磁着位置のずれ等に起因する問題点の解決を図るようにしたものが提案されている(特許文献2参照。)。
ところがこのものは、係止部材の牽引移動を、該係止部材が吊持される作動チェーンにより行っているが、作動チェーンは、間隔を存して配設されるスプロケットに支架されるものであるためどうしても弛みが存在するが、この弛みは、スプロケットからの距離によって変化するものであり、またスプロケットからの距離が同じであっても、作動チェーン自体の状態(例えば経時的な変化による延びや給油状態等)によって一定ではなく、このため、係止部材が受け部材に係止する係止行程や、係止部材の受け部材からの係止解除がなされる解除行程において、係止部材と受け部材との位置関係が一様ではなく、これが要因になって係止部材の受け部材に対する係止やその解除作動が損なわれることが想定される。そしてこれを回避するには、これらを構成する部材装置の取付け精度を高くして誤差を可及的に小さなものにして製品間のばらつきをなくすことや、頻繁なメンテナンスを行って継時的な変化に対応すること等の各種の対応が要求されるが、これらを各現場ごとに行うことは、施工業者の能力差もあって難しいだけでなく、多大な労力と時間、そして費用が必要になるという問題があり、本発明はこれらを解決せんとすることを目的としたものである。
請求項2の発明は、ガイド部材はガイドレールであって、該ガイドレールは、係止部材の全牽引移動の行程に設けられていることを特徴とする請求項1記載のトンネル用の避難装置である。
請求項3の発明は、係止本体部は、受け部材に係止可能な係止姿勢側に向けて付勢されていることを特徴とする請求項1または2記載のトンネル用の避難装置である。
請求項4の発明は、前記解除行程には、連結部に対して揺動退避した退避姿勢の係止本体部を収納する収納部が設けられ、該収納部の戸先側端縁部が、係止本体部に当接することで該係止本体部を退避姿勢に揺動せしめて係止本体部の受け部材に対する係止解除をするための係止解除手段を構成していることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1記載のトンネル用の避難装置である。
請求項5の発明は、連結部にはガイドレールを転動する第一ローラが設けられ、係止本体部には収納部を転動する第二ローラが設けられていることを特徴とする請求項4記載のトンネル用の避難装置である。
請求項6の発明は、受け部材の戸先側部位には、係止本体部が戸先側から係止する凹陥状のフック状部が形成され、前記ガイドレールは、係止本体部がフック状部の奥深部に係止する状態で移動案内する第一ガイドレール部と、解除行程に至る前段階で前記第一ガイドレール部よりも低くなっていて、フック状部に対する係止本体部の係止が奥深部より下側に変位した状態で移動案内する第二ガイドレール部とを備えて構成されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1記載のトンネル用の避難装置である。
請求項7の発明は、第一ガイドレール部と第二ガイドレール部とは、傾斜状の第三ガイドレール部を介して連結されていることを特徴とする請求項6記載のトンネル用の避難装置である。
請求項8の発明は、収納部には、係止本体部が揺動退避するのを案内する傾斜状の案内部が設けられていることを特徴とする請求項4乃至7の何れか1記載のトンネル用の避難装置である。
請求項2の発明とすることにより、係止部材は、全牽引移動の行程でガイド部材であるガイドレールによって安定した移動案内がなされることになって、より信頼性の高い避難扉の開放作動がなされることになる。
請求項3の発明とすることにより、係止本体部が係止姿勢側に付勢される結果、係止本体部は、連結部に対して揺動自在に設けられているにもかかわらず、受け部材に対する係止が確実になって、より信頼性の高い避難扉の開放作動がなされることになる。
請求項4の発明とすることにより、退避姿勢の係止本体部を収納するために設けた収納部が、該係止本体部に当接して受け部材に対する係止解除をするための係止解除手段を構成している結果、係止解除手段を別途設ける必要がなくなって部品の兼用化が図れ、構造の簡略化に寄与することができる。
請求項5の発明とすることにより、連結部の牽引移動、係止本体部の収納部での移動がローラによるものになって円滑性が向上する。
請求項6の発明とすることにより、係止本体部は、受け部材に設けたフック状部の奥深部に係止する状態で牽引移動されることになって、避難扉の信頼性の高い閉作動を行うことができるが、係止本体部は、フック状部に対する係止解除がなされる前段階で第一ガイドレール部から低い第二ガイドレール部に移動案内されることになって奥深部からの離脱が促され、これによって確実な係止解除がなされ、信頼性が向上する。
請求項7の発明とすることにより、係止本体部の第一ガイドレール部から第二ガイドレール部への移行が、傾斜した第三ガイドレール部を経由して行われることになって円滑になる。
請求項8の発明とすることにより、係止本体部が収納部に当接して退避姿勢に変姿する際に、案内部による案内がなされることになって、退避姿勢への変姿が円滑になる。
図面において、1はトンネル(坑道)であって、該トンネル1は地中(海底や湖底、川底等を含む)を円筒状に刳り抜くこと等により円環状の外壁2を備えて構成されており、円筒状空間となったトンネル1内の空間は、水平方向を向く仕切り体3を介して上下二層に区画形成されている。そしてトンネル1内において、仕切り体3の上側部位のうち左右方向中央部分が車道4となって車両や鉄道等の交通手段が通行するための空間(本発明の「本通路」に相当する)Sとなっており、該車道4の左右方向側方には、外壁2に繋がる状態で車道4に対してそれぞれ段差状に高位になった側道(該側道(歩行通路)は、本実施の形態では左右両側に設けられているが、左右何れか一方のみであってもよい。)5が形成されている。
一方、トンネル1内において、仕切り体3の下側部位のうち左右方向中央部位には、火災等の非常時に人(避難者)がトンネル1から避難してトンネル1外に出るときに通行するための避難通路6が形成され、さらに、該避難通路6の左右両側には、避難通路6が左右方向中央側に位置するよう仕切る上下方向を向いた仕切り壁6aにより仕切られていて、電線等のケーブルの配設スペースにするなどとして適宜利用することができる多目的通路(多目的空間)6bが本実施の形態では形成されたものになっている。因みに、避難通路6と多目的通路6bとは、仕切り壁6aがなく一体(連通)になったものであっても勿論よく、これらトンネル1内の構成は、仕切り体3を介して本通路Sと避難通路6とが仕切られたものであれば、必要において適宜変更したものを実施することができる。
また前記第二扉体9は、前後方向スライド移動式のものであって、前述したように入り口部位7aの左右方向両側に設けた案内レール13に案内されることで、入り口部位7aの開閉をするようになっており、第一、第二扉体8、9の両者が開口姿勢になることで、連絡通路7を経由して本通路Sから避難通路6への避難ができるようになっている。
そして常時は、開閉機14に内装したクラッチ機構付きの図示しないブレーキ装置(制動装置)が制動状態になっており、これにより第一扉体8は閉鎖姿勢に維持されているが、第一、第二機械室10、11のケーシング10a、11aにそれぞれ設けた操作ボックス20の上面(表面)に設けた操作スイッチ20aを操作することでブレーキ装置が制動解除状態になる(クラッチ機構もOFFとなる)。そしてこれによって第一扉体8は、カウンターウエイト19の自重を受けて閉鎖姿勢から跳ね上がり揺動して開口姿勢に変姿するように設定されている。
因みに、開口姿勢の第一扉体8の閉鎖姿勢への復帰(復旧)は、例えば、操作ボックス20内に配された図示しない復旧スイッチを操作して装置全体を電気的に復旧させた後、同じく図示しない閉鎖スイッチを操作することによって行うようにしてもよいが、簡便的には、操作スイッチ20aを長押し操作(長時間操作)をする等の避難時とは異なる意図的な操作をすることで行うようにしてもよい。そして前記復帰する場合には、クラッチ機構がON、ブレーキ装置が制動解除状態になると共に開閉機14が駆動することになり、これによってカウンターウエイト19の自重に勝つ状態で連結ワイヤ18の駆動プーリ17への巻取りがなされ、これによって第一扉体8を閉鎖姿勢に降下移動(復帰移動)せしめることができるようになっている。そしてこの第一扉体8の降下移動に連動して、後述する係止部材31の復帰移動も実行されるように設定されている。
一方、支持フレーム24の戸尻側端縁部に軸支される従動軸30には、前記作動チェーン29の戸尻側端部が巻回される左右一対の従動ギア30aが設けられている。そして前述したように、第一扉体8を開作動すべく回転軸12が回転することに連動してギアボックス22の出力ギア22a、伝動チェーン26、中間軸25、伝動チェーン27を経由して駆動軸28が回転することになり、これによって作動チェーン29は、下側半部が戸先側から戸尻側に向けて移動する無端のチェーン作動を行うようになっている。
そして該第一ローラ32は、支持フレーム24の側板24aから垂下するようにして設けた第一のガイドレール部33を転動する構成になっているが、該第一ガイドレール部33は、後述するように第二扉体9が前後方向に開閉移動する際において、第二扉体9の移動当初の段階から、係止本体部Kが受け部材37からの係止解除される少し前の段階までの行程を車道(路面)に沿うようにして第一ローラ32を下側から支持する状態での直線状に転動(移動)案内するように構成されている。
さらに本実施の形態では、揺動体31eの左右上端部間に支持体31gが設けられているが、該支持体31gには、揺動軸31dに遊嵌状に外嵌支持された復帰弾機(本実施の形態では「捩じり(捻り)弾機」により構成されている。)36の一方の腕部36aが係止されているが、該復帰弾機36の他方の腕部36bは前記第一支軸31cに係止しており、これによって前記第二ローラ35が設けられた揺動体31eが、下方に垂下していて後述するように受け部材37に係止可能な係止姿勢(図10(B)参照)から揺動軸31dを揺動支軸として戸先側に揺動変姿した退避姿勢(図10(D)参照)に変姿した場合に、該揺動体31eを係止姿勢に向けて復帰せしめるよう付勢する構成になっている。尚、本実施の形態では、復帰弾機36が自然状態(付勢力がなくなった状態)になったとき揺動体31eが鉛直状に垂下する設定になっている。
そしてこれらのように構成することで、前記チェーン支持部31aとブラケット31bとにより構成される連結部Rに対して前後方向揺動自在な係止本体部Kが、揺動体31eと後述するように受け部材37に係止する係止部になる第二支軸31fとを備えたものとして構成され、このような連結部Rと係止本体部Kとを備えることで本実施の形態における係止部材31が構成されている。
因みに本実施の形態では、第一ガイドレール部33と第二ガイドレール部38とは、戸尻側が低位になるよう傾斜した第三ガイドレール部39を介して一連状に連結されており、これによって第一ローラ32の第一ガイドレール部33から第二ガイドレール部38への移動が、段差状の急下降がない状態で円滑に行われるように構成されている。
そして係止部材31の戸尻側への牽引移動に伴い、第一ローラ32が第一ガイドレール部33から第三ガイドレール39を経由して第二ガイドレール部38に移動して係止部材31が収納部40に達すると、第三ローラ34が転動面40aを転動することにタイミングを合わせて、揺動体31eが収納部40の戸先側端縁部に当接することになって該揺動体31eは復帰弾機36の付勢力に抗する状態で揺動軸31dを揺動支軸として下部が戸先側に退避揺動することになり、これによって第二支軸31fは、受け部材37から離間することになって係止部材(係止本体部K)31の受け部材37に対する係止が解除される。この解除行程において、作動チェーン29に撓みがあったとして、係止部材31は、本実施の形態では第二ガイドレール部38に支持される状態で案内移動するため、前記撓みに影響されることなく確実で円滑な係止解除がなされることになる。
そしてさらに係止部材31が牽引移動されていくと、揺動体31eは収納部40の当接している戸先側端縁部によりさらなる揺動変位を受けることになって第二ローラ35が転動面40aに乗り上げた水平状の退避姿勢となって係止本体部Kは収容部40に収納された状態になり、この状態になることで、第一扉体8は全開になって係止部材31の牽引移動が停止することになる。
この場合において、前記係止本体部Kからの係止解除がなされた第二扉体9は、慣性により係止本体部Kよりも戸尻側に移動した全開状態になって停止する設定になっている。尚、本実施の形態では、第二扉体9の全開位置には、図示しないストッパが設けられていて該第二扉体9の全閉位置での停止をするようになっている。
前記自閉装置41は、牽引体であるワイヤ41aを巻取りすることで第二扉体9を閉鎖側に移動させることになるが、該ワイヤ41aは、中間プーリ41bを介して第二扉体9に連結されている。そして自閉装置41が前記ワイヤ41aの巻取り作動を行うことにより、第二扉体9は全開姿勢が全閉姿勢に移動するように設定されている。尚、41cはワイヤ41aが弛まないよう巻取るための巻取り具である。
この場合に、自閉装置41から延びるワイヤ41aは、第二扉体9の戸尻側端部側に設けた係止ブラケット41eの先端部に移動自在に貫通(挿通)されているが、該ワイヤ41aの係止ブラケット41eよりも戸尻側部位には係止体41dが設けられている。そして該係止体41dが設けられることで、ワイヤ41aは、係止ブラケット41eに対して戸尻側へは自由に移動するが戸先側へは係止体41dが係止ブラケット41eに当接(係止)することになって第二扉体9と一体移動する構成になっている。そして第二扉体9が開放する場合には、係止ブラケット41eが係止体41dに係止することで自閉装置41からワイヤ41aが繰り出される一方で、該ワイヤ41aは巻取り具41cによって巻取られ、自閉させる場合には、自閉装置41がワイヤ41aの巻取りをする一方で、巻取り具41cからワイヤ41aが繰り出され、そして係止体41dが係止ブラケット41eに当接(係止)する状態になって第二扉体9が閉鎖するように設定されている。
前述したように、操作スイッチ20aを操作したことに伴い、第一、第二扉体8、9が全開することになり、そしてこの後、第一扉体8は、操作スイッチ20aの意図的な操作をしない場合には開放姿勢に維持されるが、第二扉体9は、前記タイマ時間が経過後、自動的に自閉することになる。このように第二扉体9が自閉した後に、避難者が遅れて連絡通路7の入り口部位7aに至った場合、該避難者は、第二扉体9を手動で開放操作して避難することができ、このようにして開放した第二扉体9は、同じくタイマ時間経過後、自閉装置41の作動により自閉するように設定されている。
ところで前記傾斜面での第二扉体9の自重による移動負荷は、路面係止角度によって様々であり、これを自閉装置41で調整することは事実上難しい。そこで本実施の形態では、バランサー装置42を設けることにより、自閉装置41による自閉作動が円滑に行われるように配慮している。
この場合に、バランサー装置42から延出するワイヤ42aは、第二扉体9の戸尻側端部側に設けた支持ブラケット42cに連結されるが、該ワイヤ42aを、前記戸先側が低くなる傾斜であるときには、第二扉体9の戸先側(閉鎖側)への自重移動に制動をかけるよう戸尻側から第二扉体9に連結し、戸先側が高くなる傾斜である場合には、第二扉体の戸尻側(開放側)への自重移動に制動をかけるようワイヤ42aについて、中間プーリ42bを経由する巻回状態を変更して第二扉体9に連結すると共に、制動力の調整(バランス化)をすることにより、第二扉体9の自重移動の負荷を路面の傾斜に影響されることがない状態で自閉装置41による自閉作動を行うことができる。
因みにバランサー装置42については路面が平滑な場合には設ける必要はないが、前記本実施の形態では平滑な路面の設定になったものにおいてバランサー装置42を設けたものとしており、このように構成しても問題はない。
まず、通常状態(火災等の非常事態が発生していない状態)では、第一扉体8、第二扉体9は何れも閉鎖(閉扉)状態になっていて連絡通路7の入り口部位7aは閉鎖されているが、この状態では、係止部材31は受け部材37に対して戸先側に離間した位置に位置している(図11、図15(A)参照)。
この通常状態において、火災等の非常事態が発生する等して操作スイッチ20aが操作されると、前述したようにカウンターウエイト19の自重を受けて回転軸12が回転し、第一、第二扉体8、9が開扉作動をすることになるが、該回転軸12の回転力が、ギアボックス22、伝動チェーン26、27を経由して駆動軸28に伝達されることになり、これによって該駆動軸28が回転すると、作動チェーン29の下側半部が戸尻側に移動することが実行され、係止部材31が戸尻側に移動する。
この係止本体部Kに設けられる第二支軸31fが係止体になってフック状部37bに係止することになる係止行程において、第一ローラ32が第一ガイドレール部33に案内されて移動することになるため、係止部材31は、該係止部材31を牽引移動する作動チェーン29に弛みがあったとしても、この弛みに影響されることなく、第一ガイドレール部33に支持された上下変位のない安定した状態で第二支軸31fによるフック状部37bへの係止がなされることになる。
さらにこの場合に、係止本体部Kは、復帰弾機36により受け部材37に対して係止可能な垂直状の係止姿勢側に向けて付勢されていて、係止姿勢を維持しようとする状態になっているため、連結部Rに対して揺動自在に設けられているにもかかわらず、受け部材37に対する係止および係止維持が確実になって、より信頼性の高い避難扉の開放作動がなされることになる。
しかもこのものでは、係止本体部Kを収納する収納部40が、該係止本体部Kを退避姿勢にして係止解除するための係止解除手段に兼用されるため、専用の係止解除手段を設ける必要がなく、部品の転用ができ構造の簡略化が図れることになるが、本発明は、専用の係止解除手段を設けたものとしても実施することができる。
またこのものでは、第二ローラ35が転動面40aを転動する前の揺動体31eが収納部40に当接して退避揺動を開始することに合わせて第三ローラ34が転動面40aを転動することになるから、揺動体31eの退避揺動が円滑になると共に、係止本体部Kが収納部40に収納されるまでの揺動変姿を伴う移動も円滑になる。
しかもこの場合に、第一ガイドレール部33と第二ガイドレール部38とは、傾斜状の第三ガイドレール部39を介して連結されているため、第一ローラ32の第一ガイドレール部33から低い第二ガイドレール部38への移動が、段差状に行われることなく円滑になる。
さらにまたガイド部材がガイドレールである場合、図21に示す第二の実施の形態のように、傾斜状の第三ガイドレールがないもの、つまり第一ガイドレール部33と第二ガイドレール部38とが段差がなく平面(正面視で直線)状に連結しているものとしても実施することができ、また図22に示す第三の実施の形態のように、収納部40の戸先側端縁部に、係止本体部Kが退避姿勢に揺動退避するのを案内する傾斜状の案内部40cを設けたものとしても実施することができる。
また牽引体としては、作動チェーンに限定されず、ベルトやワイヤのような無端長尺状のものを採用することができる。
またさらに係止部材と受け部材との係止は、両者の単なる当接による係止であっても実施できるが、フック状部を設ける場合、該フック状部を、本実施の形態のように受け部材側ではなく、係止部材側に設けたもの、あるいは両者に設けたものとしても実施することができる。
3 仕切り体
6 避難通路
7 連絡通路
7a 入り口部位
9 第二扉体(本発明の「避難扉」に相当する。)
29 作動チェーン(本発明の「牽引体」に相当する。)
31 係止部材
32 第一ローラ
33 第一ガイドレール部
35 第二ローラ
36 復帰弾機
37 受け部材
37b フック状部
37c 奥深部
37e 下側半部
38 第二ガイドレール部
39 第三ガイドレール部
40 収納部
40a 転動面
40b 戸先側端縁部
40c案内部
K 係止本体部
R 連結部
S 本通路
Claims (8)
- 車両が通行する本通路と避難者が避難する避難通路とのあいだを仕切る仕切り体に連絡通路を設け、該連絡通路の入り口部位をスライド式の避難扉を設けて開閉するように構成されるトンネル用の避難装置において、
前記避難扉に、全閉姿勢の避難扉に係止して全開姿勢に移動させる全開移動手段と、避難扉が全開姿勢になったことに伴い該避難扉と全開移動手段との係止を解除する係止解除手段とが設けられ、
前記全開移動手段を、避難扉側に設けられる受け部材に対して戸先側から係止する係止部材と、避難扉の全開側への移動を前記係止した係止部材を戸尻側に牽引移動することで行う牽引体とが備えられたもので構成するにあたり、
前記係止部材は、牽引体により牽引移動される行程のうち、少なくとも係止部材が受け部材に係止する係止行程と、係止部材の受け部材に対する係止が解除される解除行程とに設けられるガイド部材により下側から支持される状態で案内されて移動するものであり、
係止部材は、牽引体に連結される連結部と、該連結部に対して揺動自在に設けられ、受け部材に係止する係止本体部とを備えて構成されていることを特徴とするトンネル用の避難装置。 - ガイド部材はガイドレールであって、該ガイドレールは、係止部材の全牽引移動の行程に設けられていることを特徴とする請求項1記載のトンネル用の避難装置。
- 係止本体部は、受け部材に係止可能な係止姿勢側に向けて付勢されていることを特徴とする請求項1または2記載のトンネル用の避難装置。
- 前記解除行程には、連結部に対して揺動退避した退避姿勢の係止本体部を収納する収納部が設けられ、該収納部の戸先側端縁部が、係止本体部に当接することで該係止本体部を退避姿勢に揺動せしめて係止本体部の受け部材に対する係止解除をするための係止解除手段を構成していることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1記載のトンネル用の避難装置。
- 連結部にはガイドレールを転動する第一ローラが設けられ、係止本体部には収納部を転動する第二ローラが設けられていることを特徴とする請求項4記載のトンネル用の避難装置。
- 受け部材の戸先側部位には、係止本体部が戸先側から係止する凹陥状のフック状部が形成され、前記ガイドレールは、係止本体部がフック状部の奥深部に係止する状態で移動案内する第一ガイドレール部と、解除行程に至る前段階で前記第一ガイドレール部よりも低くなっていて、フック状部に対する係止本体部の係止が奥深部より下側に変位した状態で移動案内する第二ガイドレール部とを備えて構成されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1記載のトンネル用の避難装置。
- 第一ガイドレール部と第二ガイドレール部とは、傾斜状の第三ガイドレール部を介して連結されていることを特徴とする請求項6記載のトンネル用の避難装置。
- 収納部には、係止本体部が揺動退避するのを案内する傾斜状の案内部が設けられていることを特徴とする請求項4乃至7の何れか1記載のトンネル用の避難装置。
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