JP2019163642A - トンネル用の避難装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両が通行する本通路Sと避難者が避難する避難通路6とのあいだを仕切る仕切り体に連絡通路7を設け、該連絡通路7の入り口部位7aをスライド式の第二扉体9を設けて開閉するように構成されるトンネル用の避難装置において、第二扉体9側に設けられる受け部材37に対して係止した係止本体部Kを作動チェーン29で牽引移動することにより第二扉体9を全開側へ移動させる構成にするにあたり、係止本体部Kの受け部材37に対する係止、係止解除を作動チェーン29の弛みに影響されない状態で円滑に行うようにする。【解決手段】係止本体部Kの少なくとも係止行程と係止解除行程とを第一ガイドレール部33で移動案内するようにして作動チェーン29の弛みの影響がないようにする。【選択図】図14

Description

本発明は、車道や鉄道等の車両が走行するトンネルに設けられる避難装置の技術分野に関するものである。
近年、トンネルを構成するための空間を円筒形状とし、該円筒形状のトンネル空間を仕切り体により上下に仕切り、仕切り体の上側部位を車両が通行する本通路、下側部位を避難者が通行する避難通路とするようにしたものがあり、このようなトンネルにおいて、仕切り体の一部に避難口を開設して本通路と避難通路とを連結するようにしたものがある。この場合に、本通路から避難通路に煙等が浸入しないよう避難口に避難扉を開閉自在に設けることになるが、このような避難扉をスライド式とし、そして該避難扉を、火災等の異常がない平常時には全閉姿勢に閉鎖保持しているが、火災等の異常が発生した場合に、本通路にいる避難者が避難用操作具(例えば避難用操作ボタン)を操作することによる全開作動手段の作動で、避難扉を全開姿勢側に強制移動させて避難口の開口をし、これにより本通路側にいる避難者が避難通路側に避難できるようにしている。
しかし避難口が開口(全開)したままでは、本通路側で発生している煙等が、該開口している避難口を通して避難通路側に浸入する惧れがあり、そこで全開姿勢になった避難扉を、所定の遅延時間(タイマー時間)経過後に全閉姿勢に自動的に強制移動させて避難口を閉鎖するよう全閉作動手段(自閉手段)をさらに設けたものが知られている(例えば特許文献1参照)。
ところでこのように構成したものにおいて、全開した避難扉を全閉作動手段による作動で全閉させる場合に、避難扉が全開作動手段に連結されたままの状態であると、全閉作動手段による避難扉の円滑な全閉作動が損なわれることが想定され、また全開した避難扉を、前記遅延時間に至る前の段階で避難者が手動で閉作動させることが考えられ、このような場合に、避難扉の全閉側への移動に全開作動手段が影響を与えない(邪魔をしない)よう避難扉を全開作動手段から切離す必要があり、この切離しの確実性を確保することが要求される。
そこで前記特許文献1のものでは、全開作動手段に設けた磁石を避難扉に磁着させた状態で、該磁石を全開側に牽引移動させる構成にして避難扉を全開させ、このようにして全開した避難扉を全閉姿勢側に復帰させる際には磁石を避難扉から離間させた状態にし、これによって避難扉の閉鎖作動時に、全開移動手段からの影響(干渉)を受けないようにして避難扉の円滑な全閉姿勢(元位置、元姿勢)側への移動ができるようにしている。
ところでこのような避難扉において、全閉姿勢に復帰移動した避難扉に対し、例えば遅れてくる避難者のためや防災訓練(火災訓練、避難訓練等)後等のため、磁石についても避難扉に磁着した初期の状態に戻する必要があるが、このとき、磁石の避難扉に対する磁着位置がずれて磁着力の弱い状態で磁着してしまうようなことが想定されるだけでなく、磁石に鉄粉等の磁性物質が経時的に磁着蓄積すること等によって磁石の避難扉側への磁着力が次第に弱くなること予想され、このようになると、火災発生等の非常時において避難扉を全開させようとしたとき、磁石が途中で避難扉から外れてしまうようなことが考えられる。
そこでこれを回避するため、避難扉側に設けた受け部材に、全開移動手段側に設けた係止部材を戸先側から係止(戸先側(移動上手側)から戸尻側(下手側)に向けて係止)させた状態、つまり受け部材よりも戸先側に位置する係止部材を、受け部材に対して戸先側から係止し、この状態で係止部材を全開側(戸尻側)に牽引移動させることで避難扉を全開側に移動させて避難口を開口する構成にし、そしてこのような係止方式にすることによって前記磁石を用いた場合に想定される磁着位置のずれ等に起因する問題点の解決を図るようにしたものが提案されている(特許文献2参照。)。
特許第5294481号公報 特開2016−89408号公報
そして前記係止方式にしたものでは、全開した避難扉を閉鎖側に移動させる際、戸先側に位置する係止部材を受け部材から外す必要があり、そのため受け部材を、避難扉が全開することにタイミングを合わせて強制的に退避揺動させて受け部材の係止部材に対する係止を解除するようにしている。
ところがこのものは、係止部材の牽引移動を、該係止部材が吊持される作動チェーンにより行っているが、作動チェーンは、間隔を存して配設されるスプロケットに支架されるものであるためどうしても弛みが存在するが、この弛みは、スプロケットからの距離によって変化するものであり、またスプロケットからの距離が同じであっても、作動チェーン自体の状態(例えば経時的な変化による延びや給油状態等)によって一定ではなく、このため、係止部材が受け部材に係止する係止行程や、係止部材の受け部材からの係止解除がなされる解除行程において、係止部材と受け部材との位置関係が一様ではなく、これが要因になって係止部材の受け部材に対する係止やその解除作動が損なわれることが想定される。そしてこれを回避するには、これらを構成する部材装置の取付け精度を高くして誤差を可及的に小さなものにして製品間のばらつきをなくすことや、頻繁なメンテナンスを行って継時的な変化に対応すること等の各種の対応が要求されるが、これらを各現場ごとに行うことは、施工業者の能力差もあって難しいだけでなく、多大な労力と時間、そして費用が必要になるという問題があり、本発明はこれらを解決せんとすることを目的としたものである。
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、車両が通行する本通路と避難者が避難する避難通路とのあいだを仕切る仕切り体に連絡通路を設け、該連絡通路の入り口部位をスライド式の避難扉を設けて開閉するように構成されるトンネル用の避難装置において、前記避難扉に、全閉姿勢の避難扉に係止して全開姿勢に移動させる全開移動手段と、避難扉が全開姿勢になったことに伴い該避難扉と全開移動手段との係止を解除する係止解除手段とが設けられ、前記全開移動手段を、避難扉側に設けられる受け部材に対して戸先側から係止する係止部材と、避難扉の全開側への移動を前記係止した係止部材を戸尻側に牽引移動することで行う牽引体とが備えられたもので構成するにあたり、前記係止部材は、牽引体により牽引移動される行程のうち、少なくとも係止部材が受け部材に係止する係止行程と、係止部材の受け部材に対する係止が解除される解除行程とに設けられるガイド部材により下側から支持される状態で案内されて移動するものであることを特徴とするトンネル用の避難装置である。
請求項2の発明は、ガイド部材はガイドレールであって、該ガイドレールは、係止部材の全牽引移動の行程に設けられていることを特徴とする請求項1記載のトンネル用の避難装置である。
請求項3の発明は、係止部材は、牽引体に連結される連結部と、該連結部に対して揺動自在に設けられ、受け部材に係止する係止本体部とを備えて構成されていることを特徴とする請求項1または2記載のトンネル用の避難装置である。
請求項4の発明は、係止本体部は、受け部材に係止可能な係止姿勢側に向けて付勢されていることを特徴とする請求項3記載のトンネル用の避難装置である。
請求項5の発明は、係止解除行程には、連結部に対して揺動退避した退避姿勢の係止本体部を収納する収納部が設けられ、該収納部の戸先側端縁部が、係止本体部に当接することで該係止本体部を退避姿勢に揺動せしめて係止本体部の受け部材に対する係止解除をするための係止解除手段を構成していることを特徴とする請求項3または4記載のトンネル用の避難装置である。
請求項6の発明は、連結部にはガイドレールを転動する第一ローラが設けられ、係止本体部には収納部を転動する第二ローラが設けられていることを特徴とする請求項5記載のトンネル用の避難装置である。
請求項7の発明は、受け部材の戸先側部位には、係止本体部が戸先側から係止する凹陥状のフック状部が形成され、前記ガイドレールは、係止本体部がフック状部の奥深部に係止する状態で移動案内する第一ガイドレール部と、解除行程に至る前段階で前記第一ガイドレール部よりも低くなっていて、フック状部に対する係止本体部の係止が奥深部より下側に変位した状態で移動案内する第二ガイドレール部とを備えて構成されていることを特徴とする請求項3乃至6の何れか1記載のトンネル用の避難装置である。
請求項8の発明は、第一ガイドレール部と第二ガイドレール部とは、傾斜状の第三ガイドレール部を介して連結されていることを特徴とする請求項7記載のトンネル用の避難装置である。
請求項9の発明は、収納部には、係止本体部が揺動退避するのを案内する傾斜状の案内部が設けられていることを特徴とする請求項5乃至8の何れか1記載のトンネル用の避難装置である。
請求項1の発明とすることにより、避難扉の開放作動を、避難扉側の受け部材に係止した係止部材の牽引移動によって行うものでありながら、該係止部材は、係止部材が受け部材に係止する係止行程と係止が解除される解除行程との行程ではガイド部材に下側から支持される状態で移動案内されることになるため、係止部材は、牽引体に緩み等があっても、これに影響されることがなく受け部材に対する係止および係止解除がなされるとになって確実で信頼性の高い安定した避難扉の開放作動ができることになる。
請求項2の発明とすることにより、係止部材は、全牽引移動の行程でガイド部材であるガイドレールによって安定した移動案内がなされることになって、より信頼性の高い避難扉の開放作動がなされることになる。
請求項3の発明とすることにより、係止部材は、牽引体に連結される連結部に対して揺動自在に設けられた係止本体部が受け部材に係止する状態で牽引移動されることになる結果、該牽引移動時は勿論、受け部材に係止するとき、係止解除がなされるときにおいて無理のない姿勢でこれら作動をすることができ、より信頼性の高い避難扉の開放作動がなされることになる。
請求項4の発明とすることにより、係止本体部が係止姿勢側に付勢される結果、係止本体部は、連結部に対して揺動自在に設けられているにもかかわらず、受け部材に対する係止が確実になって、より信頼性の高い避難扉の開放作動がなされることになる。
請求項5の発明とすることにより、退避姿勢の係止本体部を収納するために設けた収納部が、該係止本体部に当接して受け部材に対する係止解除をするための係止解除手段を構成している結果、係止解除手段を別途設ける必要がなくなって部品の兼用化が図れ、構造の簡略化に寄与することができる。
請求項6の発明とすることにより、連結部の牽引移動、係止本体部の収納部での移動がローラによるものになって円滑性が向上する。
請求項7の発明とすることにより、係止本体部は、受け部材に設けたフック状部の奥深部に係止する状態で牽引移動されることになって、避難扉の信頼性の高い閉作動を行うことができるが、係止本体部は、フック状部に対する係止解除がなされる前段階で第一ガイドレール部から低い第二ガイドレール部に移動案内されることになって奥深部からの離脱が促され、これによって確実な係止解除がなされ、信頼性が向上する。
請求項8の発明とすることにより、係止本体部の第一ガイドレール部から第二ガイドレール部への移行が、傾斜した第三ガイドレール部を経由して行われることになって円滑になる。
請求項9の発明とすることにより、係止本体部が収納部に当接して退避姿勢に変姿する際に、案内部による案内がなされることになって、退避姿勢への変姿が円滑になる。
避難扉部位のトンネルの概略斜視図である。 本通路部位の避難扉部位の避難扉が閉鎖した状態の概略斜視図である。 本通路部位の避難扉部位の避難扉が開口した状態の概略斜視図である。 避難扉部位の概略正面図である。 避難扉部位の概略平面図である。 避難扉部位における第一機械室部位の概略縦断面側面図である。 避難扉部位における第二機械室部位の概略縦断面側面図である。 第二機械室部位の要部正面図である。 第二機械室部位の要部平面図である。 (A)(B)(C)は係止部材の側面図、正面図、平面図、(D)は係止本体部が退避姿勢になった係止部材の正面図、(E)は受け部材部位の正面図である。 第二扉体が閉鎖した状態を示す第二機械室部位の要部正面図である。 係止本体部が第一ガイドレール部を移動する状態を示す第二機械室部位の要部正面図である。 係止本体部の受け部材に対する係止解除がなされた状態を示す第二機械室部位の要部正面図である。 係止本体部が収納された状態を示す第二機械室部位の要部正面図である。 (A)(B)は係止本体部が受け部材に係止する前、係止した状態を示す要部説明図である。 (A)(B)は第一ローラが第三ガイドレール部に至る前状態、第三ガイドレール部を移動する状態を示す要部説明図である。 (A)(B)は係止本体部が受け部材に対して係止解除された状態、収納された状態を示す要部説明図である。 第一ローラが第一ガイドレール部を走行する状態を示す要部側面図である。 第一ローラが第三ガイドレール部を走行する状態を示す要部側面図である。 係止本体部が収納された状態を示す要部側面図である。 (A)(B)は第二の実施の形態を示す第二ガイドレール部位の要部の正面図、側面図である。 (A)(B)は第三の実施の形態を示す第二ガイドレール部位の要部の正面図、側面図である。 (A)(B)は戸先側が下り傾斜になった状態、戸尻側が下り傾斜になった状態のバランサー装置部位の取り付け状態を示す要部説明図、(C)は自閉装置部位の要部説明図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。尚、本実施の形態においては、トンネルの幅方向(左右方向)から見たものを正面とし、車両が通行(走行)する方向を前後方向(戸先、戸尻方向)、として便宜上説明するが、これに限定されないものであることは勿論である。
図面において、1はトンネル(坑道)であって、該トンネル1は地中(海底や湖底、川底等を含む)を円筒状に刳り抜くこと等により円環状の外壁2を備えて構成されており、円筒状空間となったトンネル1内の空間は、水平方向を向く仕切り体3を介して上下二層に区画形成されている。そしてトンネル1内において、仕切り体3の上側部位のうち左右方向中央部分が車道4となって車両や鉄道等の交通手段が通行するための空間(本発明の「本通路」に相当する)Sとなっており、該車道4の左右方向側方には、外壁2に繋がる状態で車道4に対してそれぞれ段差状に高位になった側道(該側道(歩行通路)は、本実施の形態では左右両側に設けられているが、左右何れか一方のみであってもよい。)5が形成されている。
一方、トンネル1内において、仕切り体3の下側部位のうち左右方向中央部位には、火災等の非常時に人(避難者)がトンネル1から避難してトンネル1外に出るときに通行するための避難通路6が形成され、さらに、該避難通路6の左右両側には、避難通路6が左右方向中央側に位置するよう仕切る上下方向を向いた仕切り壁6aにより仕切られていて、電線等のケーブルの配設スペースにするなどとして適宜利用することができる多目的通路(多目的空間)6bが本実施の形態では形成されたものになっている。因みに、避難通路6と多目的通路6bとは、仕切り壁6aがなく一体(連通)になったものであっても勿論よく、これらトンネル1内の構成は、仕切り体3を介して本通路Sと避難通路6とが仕切られたものであれば、必要において適宜変更したものを実施することができる。
前記側道5は、前述したように通路4に対して段差状に高くなる状態で設けられていることにより、車道4を通行する車両から外壁2を保護するための防護体としての機能があり、さらに側道5は、照明器具や通気装置等、車道4側に配設される諸設備の点検、補修や、路面状況の監視を行なうための通路としても使用され、避難通路6は、資材や設備等の搬入搬出のためや、管理員(監視員)、救急隊員、消防隊員等が現場に緊急移動する際に、車道4を通ることなく移動するための通路としても利用される。
さらに側道5には、本通路Sから避難通路6に避難するため設けられるスロープ状(滑り台状)の連絡通路7が形成されているが、該連絡通路7の本通路S側部位(入り口側部位)には、前後方向(車両等の交通手段の進行方向)から見たときに逆L字形をし、回転軸12により上下方向に跳ね上げ移動することで開口する外側の第一扉体8と、水平方向に平板状となり、案内レール13に案内されて前後方向にスライド移動して開口する内側の第二扉体(本発明の「避難扉」に相当する。)9とがそれぞれ設けられ、平常時ではこれら扉体8、9は連絡通路7の上側に設けられる入り口部位7aを閉鎖するように構成されている。尚、連絡通路7はスロープ状でなく、階段状等、避難者が円滑に避難移動できるものであればその具体的構成は問わないものである。
前記側道5には、第一扉体8を開閉するための部材装置が内装される戸先側の第一機械室10と、第二扉体9を開閉するための部材装置(本発明の「全開移動手段」が含まれる。)が内装される戸尻側の第二機械室11とが前記入り口部位7aを前後に挟むようにしてそれぞれ立設状に設けられるが、このものでは第一機械室10は、第一扉体8に対して前後方向に離間する状態(スペースを有する状態)で配される一方、第二機械室11は第一扉体8に対して前後方向に連続する状態で配されている。そして第一機械室10と第一扉体8とのあいだのスペースは、本通路Sからの避難者が連絡通路7に入り込むのを援助するためのステップ部7bとして利用されるようになっている。
前記第一扉体8は、前述したように上下方向跳ね上げ式のものであって、第一機械室10と第二機械室11とのあいだに回転自在に支持される前記回転軸12に外壁2側の左右方向(トンネルの左右幅方向)外端縁部が支持され、回転軸12の軸心周りの回動により入り口部位7aを閉鎖するべく下動した閉鎖姿勢と、入り口部位7aを開口(開放)するべく上動した開口姿勢とに開閉揺動するようになっている。
また前記第二扉体9は、前後方向スライド移動式のものであって、前述したように入り口部位7aの左右方向両側に設けた案内レール13に案内されることで、入り口部位7aの開閉をするようになっており、第一、第二扉体8、9の両者が開口姿勢になることで、連絡通路7を経由して本通路Sから避難通路6への避難ができるようになっている。
前記第一機械室10には、駆動源となる開閉機14、ギアボックス14a、該開閉機14側からの駆動を減速する第一、第二の減速機構15、16、該第一、第二の減速機構15、16のあいだに設けられる駆動プーリ17が内装されるが、該駆動プーリ17は、連結ワイヤ18を介して多目的通路6b(または避難通路6)側に配設したカウンターウエイト19に連結されている。
そして常時は、開閉機14に内装したクラッチ機構付きの図示しないブレーキ装置(制動装置)が制動状態になっており、これにより第一扉体8は閉鎖姿勢に維持されているが、第一、第二機械室10、11のケーシング10a、11aにそれぞれ設けた操作ボックス20の上面(表面)に設けた操作スイッチ20aを操作することでブレーキ装置が制動解除状態になる(クラッチ機構もOFFとなる)。そしてこれによって第一扉体8は、カウンターウエイト19の自重を受けて閉鎖姿勢から跳ね上がり揺動して開口姿勢に変姿するように設定されている。
尚、本実施の形態では、操作スイッチ20aを操作してもブレーキ装置の制動解除がなされず第一扉体8が開口姿勢に変姿しないような異常があった場合に、該ブレーキ装置を機械的連繋機構を介して強制的に制動解除状態にするための非常制動解除操作具21が前記操作ボックス20の側面に設けられていて、避難の際の操作の確実性をさらに担保する構成になっている。そして本実施の形態では、斯かる操作ボックス20は、第二機械室11のケーシング11aにも同様のものが設けられているが、これに限定されず、何れか一方に設けられたものであっても勿論よい。
因みに、開口姿勢の第一扉体8の閉鎖姿勢への復帰(復旧)は、例えば、操作ボックス20内に配された図示しない復旧スイッチを操作して装置全体を電気的に復旧させた後、同じく図示しない閉鎖スイッチを操作することによって行うようにしてもよいが、簡便的には、操作スイッチ20aを長押し操作(長時間操作)をする等の避難時とは異なる意図的な操作をすることで行うようにしてもよい。そして前記復帰する場合には、クラッチ機構がON、ブレーキ装置が制動解除状態になると共に開閉機14が駆動することになり、これによってカウンターウエイト19の自重に勝つ状態で連結ワイヤ18の駆動プーリ17への巻取りがなされ、これによって第一扉体8を閉鎖姿勢に降下移動(復帰移動)せしめることができるようになっている。そしてこの第一扉体8の降下移動に連動して、後述する係止部材31の復帰移動も実行されるように設定されている。
一方、第二機械室11には、回転軸12の第二機械室11側端部が連結されて該回転軸12の回転力が入力するギアボックス22が配設されるが、該ギアボックス22が設けられる架台23には、該架台23の下側に配される状態で前後方向に長い側面視冂字形をした支持フレーム24が設けられ、該支持フレーム24に軸支の中間軸25に設けた一端側(本実施の形態では支持フレーム24に内装される状態の一端側)の入力ギア25aは、前記ギアボックス22に設けられる出力ギア22aに対して伝動チェーン26を介して連動連結されている。尚、23aは架台23側に設けられ、伝動チェーン26にテンションを付与するためのテンションプーリである。
さらに前記中間軸25の他端側(支持フレーム24の外側に位置する状態の他端側)に設けた出力ギア25bは、支持フレーム24の戸先側(第二扉体9の閉鎖移動側)の端縁部に軸支の駆動軸28に設けた入力ギア28aに伝動チェーン27を介して連動連結されている。該駆動軸28には、支持フレーム24に内装される状態でさらに左右一対の駆動ギア28bが設けられるが、該駆動ギア28bには左右一対の無端の作動チェーン(本発明の「牽引体」に相当する。)29の戸先側端部が巻回(懸回)されている。
一方、支持フレーム24の戸尻側端縁部に軸支される従動軸30には、前記作動チェーン29の戸尻側端部が巻回される左右一対の従動ギア30aが設けられている。そして前述したように、第一扉体8を開作動すべく回転軸12が回転することに連動してギアボックス22の出力ギア22a、伝動チェーン26、中間軸25、伝動チェーン27を経由して駆動軸28が回転することになり、これによって作動チェーン29は、下側半部が戸先側から戸尻側に向けて移動する無端のチェーン作動を行うようになっている。
31は本発明が実施された係止部材であって、該係止部材31は、前記作動チェーン29の下側半部の適部位が連結支持されるチェーン支持部31aと、該チェーン支持部31aに対して下側に垂設される冂字形をしたブラケット31bとを備えて構成(本実施の形態では、該チェーン支持部31aとブラケット31bとにより本発明の「連結部」を構成している。)され、前記作動チェーン29の移動に連動して前後方向に移動することになるが、ブラケット31bの上下方向中間部には第一支軸31cが左右方向貫通状に設けられ、該第一支軸31cの左右両端部に第一ローラ32が転動自在に設けられている。
そして該第一ローラ32は、支持フレーム24の側板24aから垂下するようにして設けた第一のガイドレール部33を転動する構成になっているが、該第一ガイドレール部33は、後述するように第二扉体9が前後方向に開閉移動する際において、第二扉体9の移動当初の段階から、係止本体部Kが受け部材37からの係止解除される少し前の段階までの行程を車道(路面)に沿うようにして第一ローラ32を下側から支持する状態での直線状に転動(移動)案内するように構成されている。
前記ブラケット31bの下端部には、左右方向を向く揺動軸31dが設けられているが、該揺動軸31dには、ブラケット31bの左右方向内側に位置する状態で第三のローラ34が設けられる一方、ブラケット31bの左右方向外側に位置する状態で揺動体31eの上端部が揺動自在に軸支されている。揺動体31eは、下側が左右方向外方に拡開するよう折曲したクランク形状となっており、その下端部には第二支軸31fが左右方向貫通状に設けられ、該第二支軸31fの左右両端部に第二ローラ35が転動自在に設けられている。
さらに本実施の形態では、揺動体31eの左右上端部間に支持体31gが設けられているが、該支持体31gには、揺動軸31dに遊嵌状に外嵌支持された復帰弾機(本実施の形態では「捩じり(捻り)弾機」により構成されている。)36の一方の腕部36aが係止されているが、該復帰弾機36の他方の腕部36bは前記第一支軸31cに係止しており、これによって前記第二ローラ35が設けられた揺動体31eが、下方に垂下していて後述するように受け部材37に係止可能な係止姿勢(図10(B)参照)から揺動軸31dを揺動支軸として戸先側に揺動変姿した退避姿勢(図10(D)参照)に変姿した場合に、該揺動体31eを係止姿勢に向けて復帰せしめるよう付勢する構成になっている。尚、本実施の形態では、復帰弾機36が自然状態(付勢力がなくなった状態)になったとき揺動体31eが鉛直状に垂下する設定になっている。
そしてこれらのように構成することで、前記チェーン支持部31aとブラケット31bとにより構成される連結部Rに対して前後方向揺動自在な係止本体部Kが、揺動体31eと後述するように受け部材37に係止する係止部になる第二支軸31fとを備えたものとして構成され、このような連結部Rと係止本体部Kとを備えることで本実施の形態における係止部材31が構成されている。
一方、前記水平板状をした第二扉体9の戸尻側端縁部(開放移動方向側の端縁部)には、戸尻側に向けて突出する支持ブラケット37aを介して受け部材37が起立状に設けられているが、該受け部材37の戸先側端部には、凹陥状のフック状部37bが形成されている。該フック状部37bは、戸尻側に最も奥深い奥深部37cに対して上側半部37dが急傾斜状で下側半部37eが緩傾斜状になった状態でそれぞれ戸先側端部37fに至るように設定されている(図10(E)参照)。
一方、前記第一ガイドレール部33は、第二扉体9が全開した位置よりも少し手前側(戸先側)の位置(例えば後述する収納部40の戸先側端部よりも手前側位置)までであって、ガイド面が、第一ガイドレール部33よりも低くなった第二ガイドレール部38に引き継がれる設定になっており、これによって第一ローラ32は、第一ガイドレール部33から低い第二ガイドレール部38による転動ガイドを受けることになる結果、受け部材37の奥深部37cに係止している第二支軸31fは、下側に移動して奥深部37cから抜け出ることになって係止本体部Kの受け部材37に対する係止解除(後述する第二支軸31fの受け部材37からの離間(離脱))作動が円滑になされることになるが、このときフック状部37bの下側半部37eは緩傾斜状になっているため、第二支軸31fの奥深部37cから抜け出る移動が円滑になって引っかかってしまうような不具合発生がないよう配慮されている。
因みに本実施の形態では、第一ガイドレール部33と第二ガイドレール部38とは、戸尻側が低位になるよう傾斜した第三ガイドレール部39を介して一連状に連結されており、これによって第一ローラ32の第一ガイドレール部33から第二ガイドレール部38への移動が、段差状の急下降がない状態で円滑に行われるように構成されている。
さらに第二ガイドレール部38の下側には係止本体部Kの収納部40が設けられるが、該収納部40は、上側が開口することで係止部材31のブラケット31bが遊嵌状に貫通移動できるようC型形状に形成される状態で第二ガイドレール部38に設けられており、斯かる構成の収納部40は、内側下面が後述するように第二、第三のローラ35、34が転動移動する転動面40aとして構成されている。
そして係止部材31の戸尻側への牽引移動に伴い、第一ローラ32が第一ガイドレール部33から第三ガイドレール39を経由して第二ガイドレール部38に移動して係止部材31が収納部40に達すると、第三ローラ34が転動面40aを転動することにタイミングを合わせて、揺動体31eが収納部40の戸先側端縁部に当接することになって該揺動体31eは復帰弾機36の付勢力に抗する状態で揺動軸31dを揺動支軸として下部が戸先側に退避揺動することになり、これによって第二支軸31fは、受け部材37から離間することになって係止部材(係止本体部K)31の受け部材37に対する係止が解除される。この解除行程において、作動チェーン29に撓みがあったとして、係止部材31は、本実施の形態では第二ガイドレール部38に支持される状態で案内移動するため、前記撓みに影響されることなく確実で円滑な係止解除がなされることになる。
しかも本実施の形態では、前記係止部材31の受け部材37に対する係止解除がなされることにタイミングを合わせて第三ローラ34が転動面40aを転動案内されることになるため、より確実で安定した係止解除がなされることになる。
そしてさらに係止部材31が牽引移動されていくと、揺動体31eは収納部40の当接している戸先側端縁部によりさらなる揺動変位を受けることになって第二ローラ35が転動面40aに乗り上げた水平状の退避姿勢となって係止本体部Kは収容部40に収納された状態になり、この状態になることで、第一扉体8は全開になって係止部材31の牽引移動が停止することになる。
この場合において、前記係止本体部Kからの係止解除がなされた第二扉体9は、慣性により係止本体部Kよりも戸尻側に移動した全開状態になって停止する設定になっている。尚、本実施の形態では、第二扉体9の全開位置には、図示しないストッパが設けられていて該第二扉体9の全閉位置での停止をするようになっている。
さらに本実施の形態の避難装置には、開放した第二扉体9を自動的に閉鎖するための自閉装置41が設けられる(図8、図23(C)参照)が、該自閉装置41は、汎用のものが採用され、第一、第二扉体8、9が全開した状態で、避難者が連絡通路7を経由して避難通路6に避難するまでの時間を考慮して設定されたタイマ時間の経過後、自閉作動を実行するように設定されている。
前記自閉装置41は、牽引体であるワイヤ41aを巻取りすることで第二扉体9を閉鎖側に移動させることになるが、該ワイヤ41aは、中間プーリ41bを介して第二扉体9に連結されている。そして自閉装置41が前記ワイヤ41aの巻取り作動を行うことにより、第二扉体9は全開姿勢が全閉姿勢に移動するように設定されている。尚、41cはワイヤ41aが弛まないよう巻取るための巻取り具である。
この場合に、自閉装置41から延びるワイヤ41aは、第二扉体9の戸尻側端部側に設けた係止ブラケット41eの先端部に移動自在に貫通(挿通)されているが、該ワイヤ41aの係止ブラケット41eよりも戸尻側部位には係止体41dが設けられている。そして該係止体41dが設けられることで、ワイヤ41aは、係止ブラケット41eに対して戸尻側へは自由に移動するが戸先側へは係止体41dが係止ブラケット41eに当接(係止)することになって第二扉体9と一体移動する構成になっている。そして第二扉体9が開放する場合には、係止ブラケット41eが係止体41dに係止することで自閉装置41からワイヤ41aが繰り出される一方で、該ワイヤ41aは巻取り具41cによって巻取られ、自閉させる場合には、自閉装置41がワイヤ41aの巻取りをする一方で、巻取り具41cからワイヤ41aが繰り出され、そして係止体41dが係止ブラケット41eに当接(係止)する状態になって第二扉体9が閉鎖するように設定されている。
前述したように、操作スイッチ20aを操作したことに伴い、第一、第二扉体8、9が全開することになり、そしてこの後、第一扉体8は、操作スイッチ20aの意図的な操作をしない場合には開放姿勢に維持されるが、第二扉体9は、前記タイマ時間が経過後、自動的に自閉することになる。このように第二扉体9が自閉した後に、避難者が遅れて連絡通路7の入り口部位7aに至った場合、該避難者は、第二扉体9を手動で開放操作して避難することができ、このようにして開放した第二扉体9は、同じくタイマ時間経過後、自閉装置41の作動により自閉するように設定されている。
ところでこのような自閉装置41による第二扉体9の自閉作動を行う場合に、トンネル1内の路面(避難装置が設けられる面、本実施の形態では側道部位)が傾斜している場合があり、このような傾斜があった場合、第二扉体9は、傾斜下手側に向けて自重移動しようとする。これが例えば、戸先側が低くなる傾斜である場合(図23(A)参照)には、第二扉体9は戸先側に自重移動しようとし、また逆に戸先側が高くなる傾斜である場合(図23(B)参照)には、第二扉体9は戸尻側に自重移動しようとし、そしてこれらの傾斜があった場合、第二扉体9による自重移動の負荷が自閉装置41に働くことになり、自閉装置41ではこれらの対応が必要になる。
ところで前記傾斜面での第二扉体9の自重による移動負荷は、路面係止角度によって様々であり、これを自閉装置41で調整することは事実上難しい。そこで本実施の形態では、バランサー装置42を設けることにより、自閉装置41による自閉作動が円滑に行われるように配慮している。
この場合に、バランサー装置42から延出するワイヤ42aは、第二扉体9の戸尻側端部側に設けた支持ブラケット42cに連結されるが、該ワイヤ42aを、前記戸先側が低くなる傾斜であるときには、第二扉体9の戸先側(閉鎖側)への自重移動に制動をかけるよう戸尻側から第二扉体9に連結し、戸先側が高くなる傾斜である場合には、第二扉体の戸尻側(開放側)への自重移動に制動をかけるようワイヤ42aについて、中間プーリ42bを経由する巻回状態を変更して第二扉体9に連結すると共に、制動力の調整(バランス化)をすることにより、第二扉体9の自重移動の負荷を路面の傾斜に影響されることがない状態で自閉装置41による自閉作動を行うことができる。
因みにバランサー装置42については路面が平滑な場合には設ける必要はないが、前記本実施の形態では平滑な路面の設定になったものにおいてバランサー装置42を設けたものとしており、このように構成しても問題はない。
次に、前記第一扉体8が開扉することにタイミングを合わせた第二扉体9の開放(開扉)作動について説明する。
まず、通常状態(火災等の非常事態が発生していない状態)では、第一扉体8、第二扉体9は何れも閉鎖(閉扉)状態になっていて連絡通路7の入り口部位7aは閉鎖されているが、この状態では、係止部材31は受け部材37に対して戸先側に離間した位置に位置している(図11、図15(A)参照)。
この通常状態において、火災等の非常事態が発生する等して操作スイッチ20aが操作されると、前述したようにカウンターウエイト19の自重を受けて回転軸12が回転し、第一、第二扉体8、9が開扉作動をすることになるが、該回転軸12の回転力が、ギアボックス22、伝動チェーン26、27を経由して駆動軸28に伝達されることになり、これによって該駆動軸28が回転すると、作動チェーン29の下側半部が戸尻側に移動することが実行され、係止部材31が戸尻側に移動する。
そして該係止部材31が受け部材37に対応する位置に移動すると、係止本体部Kに設けられる第二支軸31fがフック状部37bの奥深部37c(または下側半部37eあるいは下側の戸先側端縁部37f)に当接することになり、さらなる係止部材31の移動を受けて揺動体31eが復帰弾機36の付勢力に抗して第二支軸31f側が戸先側に位置する傾斜姿勢になって、前記第二支軸31fがフック状部37bの奥深部37cに至った係止状態で第二扉体9の戸尻側への牽引移動が開始される(図12、図15(B)、図18参照)。この牽引移動の行程では、係止本体部Kは、第二扉体9の牽引力を受けるため、連結部Rに対して戸先側に傾斜した姿勢となって移動する。因みに、受け部材37は、傾斜した下側半部37eを下端まで延長したものとしても実施することができる。
この係止本体部Kに設けられる第二支軸31fが係止体になってフック状部37bに係止することになる係止行程において、第一ローラ32が第一ガイドレール部33に案内されて移動することになるため、係止部材31は、該係止部材31を牽引移動する作動チェーン29に弛みがあったとしても、この弛みに影響されることなく、第一ガイドレール部33に支持された上下変位のない安定した状態で第二支軸31fによるフック状部37bへの係止がなされることになる。
このように第二支軸31fがフック状部37bに係止した状態で第二扉体9が牽引されてきて、第一ローラ32が第一ガイドレール部33の終端部位から第三ガイドレール部39に移動する(図16(A)(B)、図19参照)と、係止部材31は、第一ローラ32が第三ガイドレール部39の傾斜面に案内されて下動する状態で作動チェーン29と共に下動し、これによって第二支軸31fは、フック状部37bの奥深部37cから下側半部37e側に下動する、つまり第二支軸31fが奥深部37cに対して下側に外れる(位置ズレする)状態での牽引移動がなされることになる。
さらに牽引移動がなされて第一ローラ32が第二ガイドレール部38を移動すると、これにタイミングを合わせて第三ローラ34が収納部40の転動面40aを転動すると共に、揺動体31eが収納部40の戸先側端縁部40bに当接する(図13参照)ことになって、該揺動体31eは、ブラケット31bに対して下端側が戸先側に位置する折曲姿勢に変姿し、これによって第二支軸31fの受け部材37に対する係止が解除される。そしてさらに牽引移動されて揺動体31eが最も折曲した退避姿勢になると、第二ローラ35が収納部40の転動面40aに乗り上げて転動することになって係止本体部Kは該退避姿勢の状態で収納部40に収納され、この状態になって回転軸12の回転が停止(第一扉体8が全開になる。)することで係止部材31の牽引移動が停止することになるが、第二扉体9は、本実施の形態では、係止本体部Kの係止解除がなされたときの慣性を受けて係止部材31の停止位置よりはさらに戸尻側に移動して停止し、これによって連絡通路7の入り口部7aは全開することになる(図14、図17(A)(B)、図20参照)。
叙述の如く構成された本発明の実施の形態において、前述したように操作スイッチ20aを避難者が操作することに伴い、全閉姿勢の第一、第二避難扉8、9が開口することになって、避難者は連絡通路7を通って本通路Sから避難通路6に避難移動することができる。この場合に、前後方向にスライド移動することで開閉する第二扉体9は、作動チェーン29が牽引具となって開放側への牽引移動をすることになるが、係止部材31は、この牽引移動の行程のうち少なくとも係止部材31に設けた第二支軸31fが第二扉体9に設けた受け部材37に係止する係止行程と該係止が解除される解除行程では、第一ローラ32が第一ガイドレール部33、第二ガイドレール部38に案内支持された状態となり、この結果、係止部材31は、作動チェーン29に弛み等があったとしても、これに影響されることがなく受け部材37に対する係止および係止解除がなされるとになって確実で信頼性の高い安定した第二扉体9の開放作動が実行されることになる。
しかもこのものでは、第一ローラ32は、第二扉体9の全閉位置から全開位置に至る全牽引行程を、第一、第三、そして第二のガイドレール部33、39、38による案内を受けた状態で移動するため、係止部材31は、全行程において安定した牽引移動がなされることになって、より信頼性の高い避難扉の開放作動がなされることになる。
この場合に係止部材31は、作動チェーン29に連結される連結部Rと、該連結部Rに対して揺動自在に設けられ、前述したように受け部材37に係止する係止本体部Kとを備えたものとして構成されているため、係止部材31は、牽引移動時は勿論、受け部材に係止するとき、係止解除がなされるときにおいて係止部本体が連結部Rに対して無理のない揺動姿勢になってこれら作動をすることができ、より安定した信頼性の高い第二扉体9の開放作動がなされることになる。
さらにこの場合に、係止本体部Kは、復帰弾機36により受け部材37に対して係止可能な垂直状の係止姿勢側に向けて付勢されていて、係止姿勢を維持しようとする状態になっているため、連結部Rに対して揺動自在に設けられているにもかかわらず、受け部材37に対する係止および係止維持が確実になって、より信頼性の高い避難扉の開放作動がなされることになる。
また係止本体部Kの受け部材37からの係止が解除される行程においては、収納部40が設けられ、該収納部40の戸先側端縁部40bが係止本体部Kの揺動体31eに当接して第二支軸31fを戸先側に退避(後退)移動(揺動)させて受け部材37に対する係止を解除することになるが、係止本体部Kは、最も退避移動した退避姿勢になった状態で、該収納部40に収納されることになり、この結果、係止本体部Kが、受け部材37からの係止が解除された後、受け部材37を含めた他部材に干渉してしまうような不具合発生を回避することができる。
しかもこのものでは、係止本体部Kを収納する収納部40が、該係止本体部Kを退避姿勢にして係止解除するための係止解除手段に兼用されるため、専用の係止解除手段を設ける必要がなく、部品の転用ができ構造の簡略化が図れることになるが、本発明は、専用の係止解除手段を設けたものとしても実施することができる。
さらにこのものでは、係止部材31の牽引移動が、全牽引移動の行程に設けた第一、第三、第二ガイドレール部33、39、38からなるガイドレールを転動する第一ローラ32によりなされ、また収納部40の係止本体部Kの移動は、該収納部40の転動面40aを移動する第二ローラ35によりなされるものであるため、これらの移動の円滑性が向上する。
またこのものでは、第二ローラ35が転動面40aを転動する前の揺動体31eが収納部40に当接して退避揺動を開始することに合わせて第三ローラ34が転動面40aを転動することになるから、揺動体31eの退避揺動が円滑になると共に、係止本体部Kが収納部40に収納されるまでの揺動変姿を伴う移動も円滑になる。
そのうえこのものでは、前記係止解除は、受け部材37に設けたフック状部37bから第二支軸31fが離間(離脱)することにより行われるが、この係止解除が行われる前段階で、フック状部37bの奥深部37cに係止している第二支軸31fが、第一ローラ32が第一ガイドレール部33から第二ガイドレール部38に移動することにより下動し、これによって該第二支軸31fは、奥深部37cから下側半部37e側に移動した状態になっているため、第二支軸31fの奥深部37cからの係止解除作動が促進される状態になって確実かつ容易になり、信頼性が向上する。
しかもこの場合に、第一ガイドレール部33と第二ガイドレール部38とは、傾斜状の第三ガイドレール部39を介して連結されているため、第一ローラ32の第一ガイドレール部33から低い第二ガイドレール部38への移動が、段差状に行われることなく円滑になる。
尚、本発明は、前記実施の形態のものに限定されるものではなく、例えばガイド部材についてみると、係止部材の全牽引移動の行程に直線状に設けられる必要はなく、少なくとも係止行程と係止解除行程とに設けられたものであればよい。この場合に、少なくとも係止行程と係止解除行程とに対応する位置(部位)に点在状に設けられたものであればよく、このように点在するものである場合、ガイド部材としては、牽引体が弛んだ状態で移動することがあっても、係止部材を該当部位で該弛みに影響されることなく係止受止めすることができるものであれば足り、このため、前記実施の形態のもののように直線状でなく、例えば戸先側端部が湾曲又は傾斜していて係止部材のガイド部材への受け移動が容易にできるようにしたもの、そして該湾曲したものである場合に全長に亘って弧状(円弧状を含む)になったものとしても実施することができ、さらにガイド部材が円弧状のものである場合、これを回転する構成にして係止部材の牽引移動を促進できるようにすることもできる。
さらにまたガイド部材がガイドレールである場合、図21に示す第二の実施の形態のように、傾斜状の第三ガイドレールがないもの、つまり第一ガイドレール部33と第二ガイドレール部38とが段差がなく平面(正面視で直線)状に連結しているものとしても実施することができ、また図22に示す第三の実施の形態のように、収納部40の戸先側端縁部に、係止本体部Kが退避姿勢に揺動退避するのを案内する傾斜状の案内部40cを設けたものとしても実施することができる。
また牽引体としては、作動チェーンに限定されず、ベルトやワイヤのような無端長尺状のものを採用することができる。
またさらに係止部材と受け部材との係止は、両者の単なる当接による係止であっても実施できるが、フック状部を設ける場合、該フック状部を、本実施の形態のように受け部材側ではなく、係止部材側に設けたもの、あるいは両者に設けたものとしても実施することができる。
本発明は、道路や鉄道等の通路が設けられるトンネルの避難装置として利用することができる。
1 トンネル
3 仕切り体
6 避難通路
7 連絡通路
7a 入り口部位
9 第二扉体(本発明の「避難扉」に相当する。)
29 作動チェーン(本発明の「牽引体」に相当する。)
31 係止部材
32 第一ローラ
33 第一ガイドレール部
35 第二ローラ
36 復帰弾機
37 受け部材
37b フック状部
37c 奥深部
37e 下側半部
38 第二ガイドレール部
39 第三ガイドレール部
40 収納部
40a 転動面
40b 戸先側端縁部
40c案内部
K 係止本体部
R 連結部
S 本通路

Claims (9)

  1. 車両が通行する本通路と避難者が避難する避難通路とのあいだを仕切る仕切り体に連絡通路を設け、該連絡通路の入り口部位をスライド式の避難扉を設けて開閉するように構成されるトンネル用の避難装置において、
    前記避難扉に、全閉姿勢の避難扉に係止して全開姿勢に移動させる全開移動手段と、避難扉が全開姿勢になったことに伴い該避難扉と全開移動手段との係止を解除する係止解除手段とが設けられ、
    前記全開移動手段を、避難扉側に設けられる受け部材に対して戸先側から係止する係止部材と、避難扉の全開側への移動を前記係止した係止部材を戸尻側に牽引移動することで行う牽引体とが備えられたもので構成するにあたり、
    前記係止部材は、牽引体により牽引移動される行程のうち、少なくとも係止部材が受け部材に係止する係止行程と、係止部材の受け部材に対する係止が解除される解除行程とに設けられるガイド部材により下側から支持される状態で案内されて移動するものであることを特徴とするトンネル用の避難装置。
  2. ガイド部材はガイドレールであって、該ガイドレールは、係止部材の全牽引移動の行程に設けられていることを特徴とする請求項1記載のトンネル用の避難装置。
  3. 係止部材は、牽引体に連結される連結部と、該連結部に対して揺動自在に設けられ、受け部材に係止する係止本体部とを備えて構成されていることを特徴とする請求項1または2記載のトンネル用の避難装置。
  4. 係止本体部は、受け部材に係止可能な係止姿勢側に向けて付勢されていることを特徴とする請求項3記載のトンネル用の避難装置。
  5. 係止解除行程には、連結部に対して揺動退避した退避姿勢の係止本体部を収納する収納部が設けられ、該収納部の戸先側端縁部が、係止本体部に当接することで該係止本体部を退避姿勢に揺動せしめて係止本体部の受け部材に対する係止解除をするための係止解除手段を構成していることを特徴とする請求項3または4記載のトンネル用の避難装置。
  6. 連結部にはガイドレールを転動する第一ローラが設けられ、係止本体部には収納部を転動する第二ローラが設けられていることを特徴とする請求項5記載のトンネル用の避難装置。
  7. 受け部材の戸先側部位には、係止本体部が戸先側から係止する凹陥状のフック状部が形成され、前記ガイドレールは、係止本体部がフック状部の奥深部に係止する状態で移動案内する第一ガイドレール部と、解除行程に至る前段階で前記第一ガイドレール部よりも低くなっていて、フック状部に対する係止本体部の係止が奥深部より下側に変位した状態で移動案内する第二ガイドレール部とを備えて構成されていることを特徴とする請求項3乃至6の何れか1記載のトンネル用の避難装置。
  8. 第一ガイドレール部と第二ガイドレール部とは、傾斜状の第三ガイドレール部を介して連結されていることを特徴とする請求項7記載のトンネル用の避難装置。
  9. 収納部には、係止本体部が揺動退避するのを案内する傾斜状の案内部が設けられていることを特徴とする請求項5乃至8の何れか1記載のトンネル用の避難装置。
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