JP5096909B2 - トンネル用避難扉 - Google Patents
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Description
また、扉体は手動操作で開放するように構成されているため、緊急を要し避難者がパニック状態になっていることを想定すると、さらなる操作性の改善が望まれ、これらに本発明の解決すべき課題がある。
請求項2の発明は、内側扉体は、開放作動した後に自動的に閉鎖する自閉式に構成される一方、内側扉体と外側扉体とのあいだには、外側扉体の開放作動に連動して内側扉体が開放作動するよう連繋され、外側扉体が全開姿勢になることに伴い内側扉体との前記連繋が解除される連繋手段が設けられるものとし、内側扉体は、外側扉体が全開して連繋手段が解除されると手動による自閉式の開閉操作ができるように構成されている請求項1に記載のトンネル用避難扉である。
請求項3の発明は、外側扉体は、立ち上がり体に設けた操作具の操作に伴い切り欠き部を開放するように構成されている請求項1または2に記載のトンネル用避難扉である。
請求項4の発明は、外側扉体は、側片部の下端縁に本通路側に延出する延出片部が一体に形成されており、仕切り壁に形成される避難口は、前記延出片部対向部位にまで延出形成できるように構成されている請求項1乃至3の何れか1項に記載のトンネル用避難扉である。
請求項2の発明とすることにより、内側扉体を開放した後に自動的に閉鎖するようにしたので、自閉装置の小型化を図れるうえ、外側扉体の開放操作で内側扉体を開放することができて、操作性が一層優れ、迅速な開放操作を行なうことができ、さらには、内側扉体が全開姿勢となった後に、内側扉体を自由に手動開閉させることができ、本通路と避難通路とを有効に遮断し、しかも、円滑な避難を実現できる。
請求項3の発明とすることにより、大型の外側扉体を手動操作することなく、簡単な操作で開放することができ、操作性に優れる。
請求項4の発明とすることにより、トンネルの径を大きくすることなく避難口を大きく確保でき、コスト削減を図れる。
図面において、1はトンネル(坑道)であって、該トンネル1は地中を円形状に刳り抜いて円環状の外壁2を備えて構成されており、円形状空間となったトンネル1内空間は、水平方向を向く仕切り壁3を介して上下二層に区画形成されている。そして、トンネル1内の仕切り壁3の上側部位は、車両や鉄道等交通手段が通行するための空間となっており、仕切り壁3の中央部が車道(本発明の本通路に相当する)4として用いられ、該車道4の左右方向外方にはそれぞれ立ち上がり体5が形成されている。
一方、仕切り壁3の下側部位には、火災等の非常時に人がトンネル1の外に避難するときに通行するための避難通路6が形成されており、さらに、避難通路6の左右には、上下に仕切る仕切り壁6aにより仕切られて、電線等のケーブルの配線スペースにする等、適宜利用することができる多目的通路6bがそれぞれ区画形成されている。
そして、前記左右の立ち上がり体5には、それぞれ車道4の走行方向において適宜間隔を存して切り欠き部5cが形成されている。これら切り欠き部5cは、後述するように、上側の車道4から下側の避難通路6に避難するための入口部を構成しており、各切り欠き部5cにはそれぞれ外側扉体7が開閉自在に設けられ、平常時では切り欠き部5cを閉鎖するように構成されている。
尚前記切り欠き部5cは、外側扉体7の走行方向における長さよりも長い範囲で切り欠かれており、外側扉体7の走行方向両側に切り欠かれた切り欠き部5cは、入口部に設けられる外側扉体7、後述する内側扉体12の両者をそれぞれ開閉作動するために必要な部材装置の配設スペースとなっている。これら配設スペースは立ち上がり体5として機能するよう、垂直壁5a、水平壁5bに相当する側板5a、5bにより覆蓋されている。
尚、8bはウエイト体8の前方を覆うように設けられるカバー体である。
このように、外側扉体7は、操作具10の操作で開放する構成となっているが、前記操作具10操作によるブレーキ解除レバー9eの解除操作は電気的になされるものではないので、非常事態で停電が発生したとしても外側扉体7を開放作動させることができるように構成されている。
前記避難口3cの走行方向一端側の一端側部位3dと他端側の他端側部位3eでは車道側4における切り欠き位置が異なり、他端側部位3eの方が一層車道4側に突出して(延出して)切り欠かれている。つまり、他端側部位3eにおける車道4側の切り欠き位置は、全閉姿勢の外側扉体7の側片部7d対向部位よりも車道4側に位置しており、避難口3cが外側扉体7の地覆相当片部7fにより覆われる部位にまで延出形成されている。これによって、円環状の外壁2に沿って湾曲状に形成される連絡路11(滑り台)を移動する避難者の上方におけるスペース(避難スペース)が大きく確保されるように構成されている。
前記内側扉体12は水平状の平板形状で、避難口3cの形状に対応して戸先側となる一端側部位12aは幅狭に、戸尻側となる他端側部位12bは幅広状に形成されており、幅広状の他端側部位12bの左右両側縁部には複数の走行ローラ12cが設けられている。一方、避難口3cの他端側部位3eにおける左右の孔縁となる仕切り壁3の段差面3a部位には、内側扉体12の走行ローラ12cおよびガイド片12dを移動自在に案内支持するガイドレール13が設けられている。そして、内側扉体12は、ガイドレール13に沿ってスライド移動することにより、平常時の姿勢であって、避難口3cを覆蓋する全閉姿勢と、非常時の姿勢であって、戸尻側に移動して避難口3cを開放する全開姿勢とに変姿するように構成されている。
一方、外側扉体7が全開姿勢に変姿するのに対応して変位する連結ワイヤ14の変位ストロークと、内側扉体12が全開姿勢に変姿するのに対応して変位する連結ワイヤ14の変位ストロークとはそれぞれ異なるように設定されており、本実施の形態では、外側扉体7が全開姿勢への変姿途中で内側扉体12が全開姿勢となるように設定されている。そして、内側扉体12の係合アーム12fがストッパ片3fに当接して内側扉体12の開放が規制されると、連結ワイヤ14に連結されるジョイント部材14aは、内側扉体12の連結片12eから脱落して外側扉体7と内側扉体12との連結を解除し、該脱落後は、遊端状となったジョイント部材14aを変位させる状態で外側扉体7が全開姿勢に変姿するように構成されている。これによって、内側扉体12は、全開姿勢になった後は外側扉体7との連動が解除されるように構成されている。
尚、連結片12eとジョイント部材14aとのあいだに設けられる連結手段としては、例えばマグネット構造とすることができ、この場合では、所定の一体化力(内側扉体12の荷重)を越える負荷が作用することで連結片12eとジョイント部材14aとを離間させる構成とすることができる。また、連結手段としては、係合アーム12fがストッパ片3fに当接することにより脱落するフック構造とすることもできる。
前記自閉装置15は、公知の構成のものが用いられている。つまり、自閉装置15は、内側扉体12の係合アーム12fに干渉する作動片15aが連結された作動ワイヤ15bを備えて構成されている。前記作動ワイヤ15bは、全開姿勢の内側扉体12の戸尻側に配設されたメインユニット15cに設けられる巻き取り装置15dから引き出され、全閉姿勢の内側扉体12の係合アーム12fよりも戸先側に設けられた補助プーリ15eを巻回してメインユニット15cの戸尻側に配設された巻き取りプーリ15fに巻き取られるように構成されている。そして、作動ワイヤ15bに連結される作動片15aは、補助プーリ15eと巻き取りプーリ15fとのあいだに設けられ、内側扉体12の全閉姿勢において、係合アーム12fに対して戸尻側から当接するように設けられている。ここで、巻き取り装置15dの付勢力は、内側扉体12を閉鎖作動させるのに必要な大きさに設定される一方、巻き取りプーリ15fの付勢力は、作動ワイヤ15bを緊張させるのに必要な大きさに設定されている。これによって、平常時では、作動片15aが内側扉体12を閉鎖方向に押圧することにより内側扉体12を全閉姿勢に維持するとともに、作動ワイヤ15bの緊張状態を維持するように構成されている。
尚、内側扉体12は、全開姿勢に変姿した後、自閉装置15により閉鎖作動途中、または、自閉装置15により全閉姿勢の状態に変姿した後においても手動で開閉作動することが可能であり、これによって、後続の避難者が内側扉体12を開放して連絡路11にアクセスすることができるようになっている。尚、手動により内側扉体12を開放操作した場合でも、内側扉体12は所定タイマ時間経過後に閉鎖して、車道4側の上側空間と避難通路6側の下側空間とが長時間にわたって連通状態にならないように構成されている。
また、自閉装置15は電気を用いて作動する機構ではなく、機械的な機構となっているため、非常事態で停電が発生したとしても内側扉体12を自動的に閉鎖作動させることができるように構成されている。
しかも、この場合に、外側扉体7を開放したままにすることによって、立ち上がり体5の切り欠き部5cが露出された状態となり、後続の避難者が避難路を確認するのが容易になって、一層円滑な避難を期待できる。
2 外壁
3 仕切り壁
3c 避難口
4 車道
5 立ち上がり体
5c 切り欠き部
6 避難通路
7 外側扉体
7d 側片部
7e 上片部
7f 地覆相当片部
7g 回転支軸
8 ウエイト体
9 開閉機
9e ブレーキ解除レバー
10 操作具
11 連絡路
12 内側扉体
14 連結ワイヤ
14a ジョイント部材
15 自閉装置
Claims (4)
- トンネル内を仕切り壁を介して上下に仕切り、仕切り壁の上側に本通路と該本通路の側部に位置し本通路より高位となる立ち上がり体とを形成し、仕切り壁の下側に避難通路を形成し、前記立ち上がり体の一部に切り欠き部を形成し、該切り欠き部に対向する仕切り壁に、避難通路に続く避難口を形成するにあたり、前記立ち上がり体の切り欠き部には、立ち上がり体に続く上片部と側片部とを備え、切り欠き部を閉鎖する全閉姿勢から跳ね上げ式に開放したとき全開姿勢に保持される外側扉体が設けられ、該外側扉体が切り欠き部を開放することで露出する仕切り壁の避難口には、前記切り欠き部に対向する仕切り壁に沿ってスライド式に避難口を開閉する内側扉体が設けられているトンネル用避難扉。
- 内側扉体は、開放作動した後に自動的に閉鎖する自閉式に構成される一方、内側扉体と外側扉体とのあいだには、外側扉体の開放作動に連動して内側扉体が開放作動するよう連繋され、外側扉体が全開姿勢になることに伴い内側扉体との前記連繋が解除される連繋手段が設けられるものとし、内側扉体は、外側扉体が全開して連繋手段が解除されると手動による自閉式の開閉操作ができるように構成されている請求項1に記載のトンネル用避難扉。
- 外側扉体は、立ち上がり体に設けた操作具の操作に伴い切り欠き部を開放するように構成されている請求項1または2に記載のトンネル用避難扉。
- 外側扉体は、側片部の下端縁に本通路側に延出する延出片部が一体に形成されており、仕切り壁に形成される避難口は、前記延出片部対向部位にまで延出形成できるように構成されている請求項1乃至3の何れか1項に記載のトンネル用避難扉。
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