JP2011004489A - 分布巻きモータおよびステータの製造方法 - Google Patents

分布巻きモータおよびステータの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】絶縁紙を効率よく取り付けることが可能な分布巻きモータおよびステータの製造方法を提供する。
【解決手段】一つの巻線を他相の巻線およびステータを構成するステータコアから絶縁保護するために絶縁紙50が用いられている分布巻きモータであって、絶縁紙は、ステータコアのスロット内に配された巻線の外周を覆うスロット内絶縁部51と、ステータコアの軸方向両端面に沿うように配された巻線の渡り部と、隣り合うスロットに配された他相の巻線の渡り部との境界部に配される相間絶縁部52と、を有し、相間絶縁部がスロット内絶縁部の軸方向端部の少なくとも一部から延長して形成されている。
【選択図】図6

Description

本発明は、分布巻きモータおよびステータの製造方法に関するものである。
インナーロータ型のモータは、円筒状のステータの内側に形成された空間にロータが配置され、ロータがステータに対して回転可能に構成されたものである。また、ステータを構成するステータコアの隣接するティース間に形成されるスロットには、コイルが巻回されるが、コイルの巻回方法としては分布巻や集中巻などが知られている。一般的に、コイルを分布巻で巻回する方が高トルク密度性能を維持し易いため、高トルクが必要なモータにおいては分布巻を採用することが多い。
しかしながら、分布巻は集中巻と異なり、所定距離離れたスロット間を架け渡すようにコイルが巻回されるため、例えば3相モータの場合には、コイルの渡り部においてU相、V相、W相のコイルが互いに交差するように配される。したがって、互いのコイルの絶縁性能を確保するため、絶縁紙を各所に配している(例えば、特許文献1参照)。さらに、スロット内に配されるコイルとステータコアとの間の絶縁性能を確保する必要があるため、当該部分にも絶縁紙を配している。
特開2008−5599号公報
ところで、コイルを分布巻きにてステータコアに取り付ける場合に、従来の絶縁紙の取付方法としては、ステータコアのスロット内に予め絶縁紙を配置した状態で、インサータなどを用いてコイルを巻回し、コイルを巻回し終わった後に、スロットの開口を塞ぐように絶縁紙を取り付けるとともに、コイルの渡り部(2箇所)における他のコイルとの境界部に絶縁紙を挿入している。つまり、絶縁紙を取り付ける工程が少なくとも4工程必要であり、作業効率が低下している。
そこで、本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、絶縁紙を効率よく取り付けることが可能な分布巻きモータおよびステータの製造方法を提供するものである。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、一つの巻線(例えば、実施形態におけるコイル20U)を他相の巻線(例えば、実施形態におけるコイル20V,20W)およびステータ(例えば、実施形態におけるステータ1)を構成するステータコア(例えば、実施形態におけるステータコア10)から絶縁保護するために絶縁紙(例えば、実施形態における絶縁紙50)が用いられている分布巻きモータであって、前記絶縁紙は、前記ステータコアのスロット(例えば、実施形態におけるスロット19)内に配された前記巻線の外周を覆うスロット内絶縁部(例えば、実施形態におけるスロット内絶縁部51)と、前記ステータコアの軸方向両端面に沿うように配された前記巻線の渡り部(例えば、実施形態における渡り部35U)と、隣り合うスロットに配された前記他相の巻線の渡り部(例えば、実施形態における渡り部35V,35W)との境界部に配される相間絶縁部(例えば、実施形態における相間絶縁部52)と、を有し、該相間絶縁部が前記スロット内絶縁部の軸方向端部の少なくとも一部から延長して形成されていることを特徴としている。
請求項2に記載した発明は、前記相間絶縁部における前記スロット内絶縁部との境界にあたる付け根部(例えば、実施形態における付け根部53)が、隣り合う巻線間に配される絶縁部(例えば、実施形態における絶縁部54)より細く形成されていることを特徴としている。
請求項3に記載した発明は、前記スロット内絶縁部は前記巻線の外周を全て覆い、前記スロット内絶縁部の両端部の重なり部分(例えば、実施形態における重なり部分59)が前記ステータコアのヨーク(例えば、実施形態におけるヨーク13)が配されたリターンパス側に配置されていることを特徴としている。
請求項4に記載した発明は、前記スロット内絶縁部における周方向両端部の少なくともいずれか一方に、軸方向に沿って貼着面(例えば、実施形態における貼着面55)が形成されており、前記貼着面が形成されていない領域は、前記貼着面が形成された領域よりも軸方向に長く形成されて折り曲げ可能な余白部(例えば、実施形態における余白部57)が形成されており、前記絶縁紙で覆われた前記巻線を前記スロット内に配した状態で、前記絶縁紙が軸方向に移動するのを防止できるように構成されていることを特徴としている。
請求項5に記載した発明は、ステータコアのスロット内に配された巻線の外周を覆うスロット内絶縁部と該スロット内絶縁部の軸方向端部の少なくとも一部から延長して形成されている相間絶縁部と、を有する絶縁紙を用いたステータの製造方法であって、ティース(例えば、実施形態におけるティース15)およびヨークが形成されたステータコア片(例えば、実施形態におけるコア片11)を複数帯状に配置して前記スロットを形成するスロット形成工程と、円環状の前記巻線における前記スロットへの挿入部分を前記スロット内絶縁部で全周覆う絶縁紙装着工程と、複数の巻線の円環状の一端側(例えば、実施形態における一端側20a)を対応する前記スロットに挿入する巻線挿入第1工程と、前記巻線の軸方向両端部に位置する渡り部において、隣り合う巻線同士の境界部に前記相間絶縁部が位置するようにしながら、前記複数の巻線の他端側(例えば、実施形態における他端側20b)を別のスロットに挿入する巻線挿入第2工程と、前記帯状のステータコア片を円筒状に変形するコア片変形工程と、前記帯状のステータコア片の両端部を跨ぐ前記巻線を前記スロットに挿入して前記ステータを形成するステータ形成工程と、を有していることを特徴としている。
請求項6に記載した発明は、前記絶縁紙装着工程において、前記スロット内絶縁部の両端部の重なり部分を前記ステータのリターンパス側に配置することを特徴としている。
請求項1に記載した発明によれば、絶縁紙にスロット内絶縁部と相間絶縁部とを有するように構成したため、巻線におけるスロット内に配される箇所および他相の巻線との境界部に配される箇所に同時に絶縁紙を取り付けることができる。したがって、絶縁紙を取り付ける工程を削減することができ、効率よく絶縁紙を取り付けることができる。
請求項2に記載した発明によれば、相間絶縁部におけるスロット内絶縁部との境界にあたる付け根部を細くすることにより、スロット内絶縁部に対して相間絶縁部を容易に動かすことが可能となる。したがって、巻線の渡り部の敷設状態に合わせて相間絶縁部を容易に追従させることができ、渡り部において確実に他相の巻線と絶縁させることが可能となる。
請求項3に記載した発明によれば、スロット内絶縁部の両端部の重なり部分をリターンパス側に配置することにより、スロット内絶縁部の重なり部分から巻線が露出してスロット内からはみ出すのを防止することができる。
請求項4に記載した発明によれば、スロット内絶縁部に余白部を形成し、その余白部を折り曲げてステータコアの両端面にそれぞれ引っ掛けることにより、絶縁紙が軸方向に移動するのを防止することができる。したがって、巻線とステータコアとの間の絶縁性能を確実に確保することができる。
請求項5に記載した発明によれば、絶縁紙にスロット内絶縁部と相間絶縁部とを有するように構成したため、巻線におけるスロット内に配される箇所および他相の巻線との境界部に配される箇所に同時に絶縁紙を取り付けることができる。したがって、絶縁紙を取り付ける工程を削減することができ、効率よく絶縁紙を取り付けることができる。
請求項6に記載した発明によれば、スロット内絶縁部の両端部の重なり部分をリターンパス側に配置することにより、スロット内絶縁部の重なり部分から巻線が露出してスロット内からはみ出すのを防止することができる。
本発明の実施形態におけるステータの平面図である。 本発明の実施形態におけるステータコアの平面図である。 本発明の実施形態におけるコア片の平面図である。 本発明の実施形態におけるコア片の帯状時の部分平面図である。 本発明の実施形態におけるコイルの構成を示す斜視図である。 本発明の実施形態におけるコイルの一端側に取り付ける絶縁紙の平面図である。 本発明の実施形態におけるコイルの他端側に取り付ける絶縁紙の平面図である。 本発明の実施形態におけるスロットにコイルを挿入した状態を示す部分断面図である。 本発明の実施形態におけるコイルに絶縁紙を取り付けた状態を示す斜視図である。 本発明の実施形態におけるコイルのスロット部への挿入方法を示す説明図である。 本発明の実施形態におけるコイルの配置状態を示す斜視図である。 本発明の実施形態におけるコア片の円筒状時の概略平面図である。
次に、本発明の実施形態を図1〜図12に基づいて説明する。
図1はステータの平面図である。なお、図1においては、コイル20はステータコア10の端面上での断面図で示している。図1に示すように、ステータ1は、円筒状に構成されたステータコア10と、ステータコア10の隣接するティース15,15間に形成されたスロット19に配されたコイル20と、で構成されている。ステータ1の円筒状の中心に形成された空間には、図示しないロータが回転可能に配置されている。
図2はステータコアの平面図である。図2に示すように、ステータコア10は、複数のコア片11が円筒状に連結されて構成されている。ステータコア10は、円筒状の外周を構成するヨーク13と、ヨーク13から円筒状の中心に指向して突出されたティース15と、ティース15の先端を構成する先端部17とを備えている。また、隣接するティース15,15の間には、スロット19が形成されている。そして、スロット19にコイル20を配置することで、上記のようにステータ1が形成される。なお、ヨーク13は磁束が通過するリターンパス部として機能する。
図3はコア片11の平面図である。図3に示すように、コア片11は、ヨーク13、ティース15、および先端部17が形成された平板鋼板51を積層して構成されている。このコア片11を構成する平板鋼板51は、プレス成型により容易に製造することができる。一つのコア片11には、一つのティース15が形成されている。つまり、ティース15毎にコア片11は分割されている。
また、ヨーク13の周方向両側部(外周部と内周部との間の両側部)には、一方の側部23に凹部24が形成され、他方の側部25に凹部24と嵌合する凸部26が形成されている。凹部24と凸部26は、隣接するコア片11が帯状のときは若干離反しており、コア片11が帯状から円筒状に変形したときに嵌合するように構成されている。
次に、コア片11を連結してステータ1を形成する手順を説明する。
図4は、コア片の帯状時の部分平面図である。図4に示すように、複数の平板鋼板51を積層・接合して所望の厚みを有したコア片11を形成する。コア片11を複数用意し、同じ向きに帯状に並べる。そして、隣接するコア片11の凸部26と凹部24とが略嵌合するように帯状に配置する。
コア片11を全て連結した後、スロット19に円環状のコイル20を配置する。なお、図5に示すように、コイル20は、図示しない巻線装置で円環状に巻き回して形成する。また、コイル20を構成する導線の両端部は円環部から延出させて、電源端子やグランド端子に接続できるようにしておく。本実施形態では、24個のコイル20を製造しておく。
続いて、このように構成されたコイル20の一端側20aおよび他端側20bに絶縁紙を覆い、絶縁紙で覆われた一端側20aおよび他端側20bを所定距離離れたスロット19内にそれぞれ挿入する。具体的には、図6、図7に示す絶縁紙50,60を用いてコイル20の外周面を覆う。
図6に示すように、絶縁紙50は、スロット19内に配されるコイル20の一端側20aの外周を覆うスロット内絶縁部51と、ステータコア10の軸方向両端面に沿うように配されるコイル20の渡り部35の絶縁性能を確保するための相間絶縁部52,52と、を有している。相間絶縁部52は、三相のコイル20U,20V,20Wを分布巻きでステータコア10に巻き回す場合に、各相の渡り部35U,35V,35Wが互いに交差するため、各相間の絶縁性能を確保するために各相の渡り部35U,35V,35Wの境界に配される。
絶縁紙50のスロット内絶縁部51は平面視で略矩形状に形成され、相間絶縁部52はスロット内絶縁部51の長手方向の両側から腕状に延設されている。つまり、スロット内絶縁部51と相間絶縁部52とが一体形成されている。なお、相間絶縁部52は、コイル20の渡り部35の延設方向に沿うように湾曲形成されている。
相間絶縁部52は、スロット内絶縁部51との境界にあたる付け根部53と、隣り合うコイル20の渡り部35の間に配される絶縁部54と、を有している。ここで、付け根部53の幅D1は、絶縁部54の幅D2より小さく(細く)なっている。
スロット内絶縁部51は、略矩形状の短手方向の一端側に例えばシール剤が貼付された貼着面55が形成されている。貼着面55は長手方向の全長に亘って形成されている。なお、貼着面55の長さL1はステータコア10の軸方向長さと略同一の長さで形成されている。また、スロット内絶縁部51の短手方向の長さW1は、少なくともコイル20の外周面を覆うことができる長さで形成されている。
さらに、スロット内絶縁部51における貼着面55が形成された領域の長さL1より貼着面55が形成されていない領域の長さL2は長くなっている。つまり、スロット内絶縁部51をコイル20の外周面に覆うように巻き付けて、貼着面55で固定したときに、スロット内絶縁部51の軸方向両側に余白部57が形成される。したがって、スロット内絶縁部51をコイル20に取り付けた状態で、当該部分をスロット19内に挿入すると、ステータコア10の軸方向両端面から余白部57が突出した状態になる。絶縁紙50は折り曲げ容易であるため、余白部57をステータコア10の両端面に引っ掛かるようにそれぞれ外側に折り曲げることにより絶縁紙50が軸方向に移動するのを防止することができる。
そして、図8に示すように、スロット内絶縁部51の貼着面55が形成された一端側51aと、他端側51bとの重なり部分(貼着される箇所)59は、コイル20をスロット19内に配置した状態で、スロット19における径方向外側部分、つまりヨーク13の内周面13aに面した位置に配されるように構成されている。
また、図7に示すように、絶縁紙60は、スロット19内に配されるコイル20の他端側20bの外周を覆うように、上述したスロット内絶縁部51と略同一形状に形成されている。つまり、絶縁紙60の短手方向の一端側60aに例えばシール剤が貼付された貼着面65が形成されている。貼着面65は長手方向の全長に亘って形成されており、他端側60bと貼着されることによりコイル20の他端側20bの全周を覆うことができるように構成されている。
また、絶縁紙60の軸方向両側に余白部67が形成される。つまり、絶縁紙60をコイル20に取り付けた状態で、当該部分をスロット19内に挿入すると、ステータコア10の軸方向両端面から余白部67が突出した状態になり、余白部67をステータコア10の両端面に引っ掛かるようにそれぞれ外側に折り曲げることにより絶縁紙60が軸方向に移動するのを防止することができる。
つまり、図9に示すように、絶縁紙50,60をコイル20に取り付けることにより、コイル20の一端側20aおよび他端側20bは全周を絶縁紙で覆われ、コイル20の渡り部35に沿うように絶縁紙50の相間絶縁部52が配される。なお、相間絶縁部52の先端部52aと絶縁紙60の軸方向端部60cとは重なるように配置される。
図10は、コイルのスロットへの挿入方法を示す説明図である。図10に示すように、コイル20は、三相のU相、V相、W相を構成する。本実施形態においては、コア片11を48個用いてステータコア10を構成している。つまり、スロット19が48箇所形成される。ここで、U相を構成するコイル20Uは、リング状のコイル20を8個(リングU1〜U8)用いて構成されている。同じく、V相を構成するコイル20Vは、リングV1〜V8を用いて構成され、W相を構成するコイル20WはリングW1〜W8を用いて構成されている。なお、これらのリングは所定間隔置いた2つのスロット19に挿入できる大きさで形成されている。そして、コイル20を製造した後に、コイル20に絶縁紙50,60を巻き付けてステータコア10のスロット19に挿入する。
具体的には、U相のコイル20Uは、スロット番号1とスロット番号6のスロット19にリングU1を挿入し、スロット番号7とスロット番号12のスロット19にリングU2を挿入し、同様に繰り返し、スロット番号43とスロット番号48のスロット19にリングU8を挿入する。また、V相のコイル20Vは、スロット番号45とスロット番号2のスロット19にリングV1を挿入し、スロット番号3とスロット番号8のスロット19にリングV2を挿入し、同様に、スロット番号39とスロット番号44のスロット19にリングV8を挿入する。さらに、W相のコイル20Wは、スロット番号47とスロット番号4のスロット19にリングW1を挿入し、スロット番号5とスロット番号10のスロット19にリングW2を挿入し、同様に、スロット番号41とスロット番号46のスロット19にリングW8を挿入する。なお、コイル20をスロット19に挿入する際には、絶縁紙50,60の一端側と他端側との重なり部分が、ヨーク13の内周面13aに対向配置されるように挿入する。
次に、スロット19にコイル20を挿入する手順を説明する。なお、以下の説明ではスロット19に関しては、スロット番号のみを用いて説明する。
図11はコイルの配置方法を示す斜視図であり、図12はコア片の円筒状時の平面図である。なお、本実施形態では円筒化前の帯状のコア片に対してコイルを挿入するが、ここでは円筒化後のコア片を示す図12を参照しつつ説明する。
図11,図12に示すように、V相を構成するコイル20VのリングV1をスロット番号2に挿入する。このとき、リングV1の他方側(図10のA部)はスロット番号45には挿入できないため、そのままにしておく。次に、W相を構成するコイル20WのリングW1をスロット番号4に挿入する。このとき、リングW1の他方側(図10のB部)はスロット番号47には挿入できないため、そのままにしておく。次に、U相を構成する20UのリングU1をスロット番号6に挿入する。このとき、リングU1の他方側はスロット番号1に仮挿入する。
次に、V相のコイル20VのリングV2をスロット番号3とスロット番号8を掛け渡すように挿入する。このとき、リングV2は、まずスロット番号8に一端側20a(図5参照)を挿入した後に、スロット番号3に他端側20bを挿入してリングV2を配置する。
同様に、W相のコイル20WのリングW2をスロット番号5とスロット番号10を掛け渡すように挿入した後、U相のコイル20UのリングU2をスロット番号7とスロット番号12を掛け渡すように挿入する。この手順を繰り返して、V3→W3→U3→V4→…→V8→W8→U8をそれぞれスロット19内に挿入する。このようにコイル20をスロット19内に挿入すると、コイル20U,20V,20Wはステータコア10の軸方向両端面から突出した渡り部35U,35V,35Wが互いに交差するようにしながら配置される。ここで、本実施形態では、各相の渡り部35U,35V,35Wに沿うように絶縁紙50の相間絶縁部52が配されているため、各相間絶縁部52が各相の渡り部35U,35V,35Wの境界に位置するように調整しながらコイル20をステータコア10に取り付ける。
このようにリングV1のA部およびリングW1のB部がスロット19に挿入されていない状態で帯状のコア片11を円筒状に変形し、帯状時の両端のコア片11同士を連結させて図12に示すように円筒状にする。そして、必要に応じてスロット番号1に仮挿入されたリングU1を一旦取り外した状態で、スロット19に挿入されていないV相のコイル20VのリングV1(図10のA部)をスロット番号45に挿入する。その後、W相のコイル20WのリングW1(図10のB部)をスロット番号47に挿入する。全てのスロット19にコイル20が挿入されたら、そのステータ1を図示しないハウジング内に挿入する。そして、スロット19に挿入された各コイル20U,20V,20Wに緩みがないように導線を調整した後、各コイル20U,20V,20Wの両端部から延出している導線をU相、V相およびW相の電源端子およびグランド端子に接続する。
本実施形態によれば、絶縁紙50にスロット内絶縁部51と相間絶縁部52とを有するように構成したため、コイル20(例えば、コイル20U)におけるスロット19内に配される一端部20aおよび他相のコイル20(例えば、コイル20V,20W)との境界部に配される箇所に同時に絶縁紙50を取り付けることができる。したがって、絶縁紙50を取り付ける工程を削減することができ、効率よく絶縁紙50を取り付けることができる。
つまり、従来はコイル20におけるスロット19内に配される一端側20aおよび他端側20bにそれぞれ絶縁紙を取り付けるとともに、ステータコア10の軸方向両端部にそれぞれ配されるコイル20の渡り部35の絶縁性能を確保するための絶縁紙をそれぞれ取り付けている。結果として、絶縁紙をコイル20に取り付けるために4工程必要であったが、本実施形態によれば、コイル20の一端側20aに絶縁紙50を取り付け、コイル20の他端側20bに絶縁紙60を取り付けるだけで絶縁紙をコイル20の略全周に亘って取り付けることができる。
また、相間絶縁部52におけるスロット内絶縁部51との境界にあたる付け根部53を細くすることにより、スロット内絶縁部51に対して相間絶縁部52を容易に動かすことが可能となる。したがって、コイル20の渡り部35の敷設状態に合わせて相間絶縁部52を容易に追従させることができ、渡り部35において確実に他相のコイル20と絶縁させることが可能となる。
また、スロット内絶縁部51の両端部の重なり部分59をリターンパス側(ヨーク13の内周面13aに対向した位置)に配置することにより、スロット内絶縁部51の重なり部分59からコイル20が露出してスロット19内からはみ出すのを防止することができる。
さらに、スロット内絶縁部51に余白部57を形成し、その余白部57を折り曲げてステータコア10の両端面にそれぞれ引っ掛けることにより、絶縁紙50が軸方向に移動するのを防止することができる。したがって、コイル20とステータコア10との間の絶縁性能を確実に確保することができる。
なお、モータの回転磁界を形成するU相、V相、W相を構成するコイル20(20U,20V,20W)を、全て同一形状で形成したため、U相、V相、W相からなる三相モータを製造するにあたって、各相に対応したコイル20(20U,20V,20W)を同じ工程で製造することができる。したがって、生産効率を向上することができる。
また、3相を構成するコイル20U,20V,20Wの渡り部35U,35V,35Wが互いに交差するようにコイル20U,20V,20Wを配したため、ステータコア10の軸方向両端面から突出する渡り部35U,35V,35Wの高さを低く抑えることができる。したがって、モータの小型化を図ることができる。
尚、本発明の技術範囲は上述した実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。すなわち、実施形態で挙げた具体的な構造や構成などはほんの一例に過ぎず、適宜変更が可能である。
例えば、本実施形態では、2種類の形状の絶縁紙を用いてコイルの絶縁性能を確保するようにしたが、絶縁紙50における貼着面55をスロット内絶縁部51の表面と裏面に形成したものをそれぞれ用意し、例えば、表面に貼着面55が形成された絶縁紙50をコイル20の一端側20aに取り付け、裏面に貼着面55が形成された絶縁紙50をコイル20の他端側20bに取り付けることにより、コイル20の略全周を絶縁紙50で覆うように構成してもよい。このようにすることで、絶縁紙の製造工程の簡略化を図ることができる。
1…ステータ 10…ステータコア 11…コア片(ステータコア片) 13…ヨーク 15…ティース 19…スロット 20(20U,20V,20W)…コイル(巻線) 20a…一端側 20b…他端側 35(35U,35V,35W)…渡り部 50…絶縁紙 51…スロット内絶縁部 52…相間絶縁部 53…付け根部 54…絶縁部 55…貼着面 57…余白部 60…絶縁紙

Claims (6)

  1. 一つの巻線を他相の巻線およびステータを構成するステータコアから絶縁保護するために絶縁紙が用いられている分布巻きモータであって、
    前記絶縁紙は、
    前記ステータコアのスロット内に配された前記巻線の外周を覆うスロット内絶縁部と、
    前記ステータコアの軸方向両端面に沿うように配された前記巻線の渡り部と、隣り合うスロットに配された前記他相の巻線の渡り部との境界部に配される相間絶縁部と、を有し、
    該相間絶縁部が前記スロット内絶縁部の軸方向端部の少なくとも一部から延長して形成されていることを特徴とする分布巻きモータ。
  2. 前記相間絶縁部における前記スロット内絶縁部との境界にあたる付け根部が、隣り合う巻線間に配される絶縁部より細く形成されていることを特徴とする請求項1に記載の分布巻きモータ。
  3. 前記スロット内絶縁部は前記巻線の外周を全て覆い、前記スロット内絶縁部の両端部の重なり部分が前記ステータコアのヨークが配されたリターンパス側に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の分布巻きモータ。
  4. 前記スロット内絶縁部における周方向両端部の少なくともいずれか一方に、軸方向に沿って貼着面が形成されており、
    前記貼着面が形成されていない領域は、前記貼着面が形成された領域よりも軸方向に長く形成されて折り曲げ可能な余白部が形成されており、
    前記絶縁紙で覆われた前記巻線を前記スロット内に配した状態で、前記絶縁紙が軸方向に移動するのを防止できるように構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の分布巻きモータ。
  5. ステータコアのスロット内に配された巻線の外周を覆うスロット内絶縁部と、
    該スロット内絶縁部の軸方向端部の少なくとも一部から延長して形成されている相間絶縁部と、を有する絶縁紙を用いたステータの製造方法であって、
    ティースおよびヨークが形成されたステータコア片を複数帯状に配置して前記スロットを形成するスロット形成工程と、
    円環状の前記巻線における前記スロットへの挿入部分を前記スロット内絶縁部で全周覆う絶縁紙装着工程と、
    複数の巻線の円環状の一端側を対応する前記スロットに挿入する巻線挿入第1工程と、
    前記巻線の軸方向両端部に位置する渡り部において、隣り合う巻線同士の境界部に前記相間絶縁部が位置するようにしながら、前記複数の巻線の他端側を別のスロットに挿入する巻線挿入第2工程と、
    前記帯状のステータコア片を円筒状に変形するコア片変形工程と、
    前記帯状のステータコア片の両端部を跨ぐ前記巻線を前記スロットに挿入して前記ステータを形成するステータ形成工程と、を有していることを特徴とするステータの製造方法。
  6. 前記絶縁紙装着工程において、前記スロット内絶縁部の両端部の重なり部分を前記ステータの前記ヨークが配されたリターンパス側に配置することを特徴とする請求項5に記載のステータの製造方法。
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