JP2010535690A - グラフェン溶液 - Google Patents

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Abstract

本発明は、グラファイトを可溶化する方法およびその用途、詳細には複合材料の製造およびグラフェンの精製に関する。本発明の方法は、不活性雰囲気下で実施される下記の2つの工程からなることを特徴とする:a)アルカリ金属によりグラファイトを還元して、グラファイト層間化合物を生じさせる工程と、b)該グラファイト層間化合物を極性非プロトン性溶媒に曝露して、還元グラフェンの溶液を生じさせる工程。本発明は詳細には、かかる方法を介して得られるグラフェン溶液およびグラフェン平面ならびに該グラフェン溶液および平面の使用に関する。

Description

本発明は、複合材料の製造およびグラフェンの精製を包含する、グラファイト層間化合物を可溶化する方法およびその用途に関する。
本発明はより詳細には、前記方法を介して得られるグラフェン溶液およびグラフェン平面ならびにこのようなグラフェン溶液および平面の使用に関する。
溶液の形態でグラフェンが得られることは、工業的用途の観点から、より特定すると、所定の用途のためにこれらの溶液を加工することに関して、かなり興味深い。特に、このような溶液は、所定の基材の上にグラフェン平面を堆積させるために、グラフェン層を形成するために、または含浸によりグラフェン含有複合材料を製造するために容易に使用することができる。また、このような溶液により、グラフェンを精製する道が開ける。
下記の記載では、角括弧([])に挟まれた参照数字は、実施例の後に示されている参考文献のリストを指している。
炭素は、4種の独特な結晶構造または構造ファミリー、即ち、ダイヤモンド、グラファイト、フラーレンおよびカーボンナノチューブを有することが知られている。
カーボンナノチューブのチューブ構造は、独特な機械的、電気的または化学的特性をカーボンナノチューブに付与している。そのために、カーボンナノチューブは、複合材料(参考文献[1]参照)、水素燃料電池(参考文献[2]〜[4]参照)、スーパーキャパシター(参考文献[5]および[6]参照)、触媒(参考文献[7]および[8]参照)およびナノメートルサイズの電子部品またはシステム(参考文献[9]および[10]参照)において一般に使用されている。
しかしながら、カーボンナノチューブの費用が比較的高いため、工業規模でのその使用が著しく妨げられている。特に、現在では、カーボンナノチューブの調製は、3種の方法、即ち、高温電気アーク、レーザーアブレーションおよび触媒による分解法によって実施されている。電気アーク法は、2個のグラファイト電極を使用し、その間で電気アークを生じさせると、陽極が消費されて、温度が6000℃に達し得るプラズマを形成する(参考文献[11]および[12]参照)。レーザーアブレーション法は、グラファイトターゲットを高エネルギーパルスレーザーまたは連続レーザー放射に曝露することからなる。グラファイトを、小数の原子からなる小さなフラグメントで蒸発させるか、放出させる(参考文献[13]および[14]参照)。支持遷移金属の存在下に炭化水素または酸素化化合物を分解させることによるカーボンナノチューブの調製が、文献で報告されている。最も研究されている方法は、主に酸化鉄上であるが(参考文献[15]参照)、また、Ni/SiO上でもある(参考文献[16]参照)、メタンの触媒による分解である。結果として、カーボンナノチューブの価格は非常に高く(1グラム当たりほぼ90ドル程度かそれ以上)(参考文献[17]参照)、このことにより、カーボンナノチューブの使用は、トンネル顕微鏡法のための針などの小さなサイズでの用途に限られている。
したがって、科学界は、匹敵する特性を有するが、より簡単に手が届き、より低い費用の別のカーボンナノ材料、即ちグラフェンに対して興味を持っていた。
久しく仮想物体と考えられていたグラフェンまたはグラファイトベースの平面が最近、ノボセロフ(Novoselov)らの研究によって、現実のものとなった(参考文献[18]および[19]参照)。これらは、この特異な物体の電気的特性を記載している。
グラファイトは、電子供与体または受容体との層間化合物(グラファイト層間化合物またはGIC)をもたらすことが知られている(参考文献[20]参照)。式M(THF)C24を有する三元化合物は、早くも1965年に、THF中で多環芳香族分子アルカリ塩でグラファイトを還元することにより得られている(参考文献[21]参照)。
2004年以来およびノベソロフ(Novesolov)の出版以来、物理学界は、グラフェンまたはグラファイト単離平面の電気的特性に関して熱烈な関心を示している(参考文献[22]参照)。ノボセロフ(Novoselov)らの剪断剥離法では、少数の単離平面しか得られない。加えて、このような平面は表面上で安定化され、このことにより、例えば、これらをマトリックスに集積するための後続での取り扱いが妨げられる。
しかしながら現在、グラファイトを可溶化する方法は存在せず、したがって、グラフェン溶液そのものは、全く得られないままである。
主に、グラファイト官能化により(参考文献[23]参照)、または酸化グラファイトの官能化により(参考文献[24]および[25]参照)、グラファイトを可溶化するいくつかの試みが報告されている。
しかしながら、このような方法の欠点の1つは、生じるグラファイト平面が官能化されていて、変性されていることである。
したがって、当該技術分野で知られているこれらの問題、欠点および障害を改善するグラファイトを可溶化する方法、より特定すると、所定の用途のためにグラフェンを加工し、複合材料の製造経費を低減し、大量かつ高純度でのグラフェンの入手を改善するために容易に使用することができるグラフェン溶液を得ることを可能にする方法が真に必要とされている。
本発明は特に、不活性雰囲気下で実施される下記の2つの工程を包含することを特徴とするグラファイトを可溶化する方法を提供することにより、このような必要を満たすことを目的としている:
a)アルカリ金属によりグラファイトを還元して、グラファイト層間化合物を生じさせる工程、および
b)該グラファイト層間化合物を極性非プロトン性溶媒に曝露して、還元グラフェンの溶液を生じさせる工程。
本発明では、アルカリ金属は、本発明の実行を可能にする任意のアルカリ金属であってよい。例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウムおよびセシウムからなる群で選択することができる。より特定すると、アルカリ金属は、リチウム、ナトリウムまたはカリウムであってよい。好ましくは、アルカリ金属は、カリウムである。
本明細書で使用される場合、「アルカリ金属による還元」とは、アルカリ金属が関与している還元を指す。したがって、還元を、例えば、蒸気相のアルカリ金属の存在下に、そのまま実施することができる。アルカリ金属の存在下での還元法は、当該技術分野でよく知られている。当業者であれば、例えば、蒸気相のアルカリ金属の存在下に、還元方法を実行するために適した実験条件を特定する方法を知っているであろう。例えば、当業者は参考文献[20]に記載されている方法を引用することができる。
別の実施形態では、還元を、アルカリ金属から得られるアルカリ金属塩の存在下に実施
する。例えば、還元を、式A(式中、Aは、アルカリ金属イオンのカチオンを表し、Bは、多環式芳香族化合物のアニオンを表す)を有するポリアリールアルカリ塩の存在下に実施することができる。このようなポリアリールアルカリ塩およびその調製方法は、例えば、(参考文献[21]、[20]、[41]に記載されている。
1実施形態では、多環式芳香族化合物は、ナフタレン、ベンゾフェノン、フルオレノン、ベンゾキノンおよびアントラキノンからなる群から選択される。ある種の実施形態では、多環式芳香族化合物は、ナフタレンである。ある種の実施形態では、ポリアリールアルカリ塩は、ポリアリールカリウム塩(即ち、式Aの塩(式中、A+はKを表す))である。有利には、式Aのポリアリールアルカリ塩は、ナフタレンカリウム塩(Naph)である。
別の実施形態では、還元を、電気化学により実施し、この場合、グラファイトを、陰極として使用し、アルカリ金属をアルカリ塩の形態で使用する。グラファイトの電気化学的還元は、溶液中に存在するアルカリ金属イオンの挿入を伴って生じる。
「グラファイト層間化合物」または「GIC」は、本明細書で使用される場合、少なくとも2個の個々に負または正に荷電しているグラフェン平面を含み、正または負の対イオンが侵入している化合物を指す。グラファイトアルカリ塩は、グラフェン平面が負に荷電していて、対イオンがアルカリ金属イオンであるGICの特定の例である。GICは、式MCを有する二元化合物の形態であってよい(式中、Mは、アルカリ金属の正の対イオン(M)を表し、xは、6〜200の整数を表す)。より特定すれば、アルカリ金属は、カリウムであってよい。例えば、GICは、式KCを有する二元化合物であってよい。
別の実施形態では、GICは、式M(Solv)を有する三元化合物の形態であってよく、式中、Mは、アルカリ金属イオン(M)であり、Solvは非プロトン性溶媒分子であり、xは、6〜200の整数を表し、yは、0〜4の整数を表す。溶媒分子は、芳香族溶媒分子(例えば、ベンゼンもしくはトルエン)または求核性溶媒分子(例えば、THFなどの少なくとも1個の酸素原子をその構造が含有する溶媒)であってよい。例えば、GICは、式K(THF)C24またはK(THF)24を有する三元化合物であってよい。
「還元グラフェン」は、本明細書で使用される場合、1個または複数の個々に負に荷電しているグラフェン平面を指す。負電荷は、グラフェン平面を形成している炭素原子に非局在化している。
ある種の例示的な実施形態では、還元工程a)を、溶媒の存在下に実施する。例えば、溶媒は、求核性溶媒であってよい。例えば、求核性溶媒は、少なくとも1個の酸素原子をその構造が含有する非プロトン性溶媒、例えば、THFであってよい。
ある種の実施形態では、グラファイト層間化合物は、式MCの二元化合物の形態である(式中、Mは、アルカリ金属の正の対イオン(M)を表し、xは、6〜200の整数を表す)。より特定すれば、アルカリ金属は、カリウムであってよい。例えば、グラファイト層間化合物は、式KCの二元化合物であってよい。
ある種の実施形態では、グラファイト層間化合物は、構造M(Solv)を有する三元化合物の形態である(式中、Mは、アルカリ金属イオンであり、Solvは、少なくとも1個の酸素原子をその構造が含有する求核性溶媒であり、xは、6〜200の整数を表し、yは、0〜4の整数を表す)。例えば、アルカリ金属は、カリウムであってよく
、溶媒は、THFであってよく、グラファイト層間化合物は、構造K(THF)を有する三元化合物であってよい(式中、xは6〜200の整数を表し、yは0〜4の整数を表す)。ある種の実施形態では、グラファイト層間化合物は、構造K(THF)C24またはK(THF)24を有する三元化合物である。
ある種の実施形態では、還元工程は、蒸気相のアルカリ金属による還元、それに続く、非プロトン性溶媒への曝露と、電気化学的還元と、非プロトン性溶媒中でのポリアリールアルカリ塩による還元からなる群から選択される。例えば、溶媒は、ベンゼンまたはトルエンなどの芳香族溶媒であってよい。溶媒は、THFなどの少なくとも1個の酸素原子をその構造が含有する非プロトン性溶媒であってよい。
ある種の実施形態では、還元工程a)は、不活性雰囲気下に、式Aを有するポリアリールアルカリ塩をグラファイトに加えることを含み、ここで:
は、アルカリ金属イオンのカチオンを表し、
は、多環式芳香族化合物のアニオンを表す。
1実施形態では、多環式芳香族化合物は、ナフタレン、ベンゾフェノン、フルオレノン、ベンゾキノンおよびアントラキノンからなる群から選択される。
ある種の実施形態では、混合工程b)で使用される極性非プロトン性溶媒は、誘電率25〜200を有する。
混合工程b)で使用される極性非プロトン性溶媒は、下記の構造(I)を有してよい
式中、
nおよびmは独立に、1または2であり;
Xは、OまたはSを表し:
は、H、直鎖もしくは分枝鎖C〜CアルキルもしくはC〜Cアルケニル基、またはC〜CシクロアルキルもしくはC〜Cシクロアルケニル基を表し;
は、H、ハロゲン原子、直鎖もしくは分枝鎖C〜CアルキルもしくはC〜Cアルケニル基、C〜CシクロアルキルもしくはC〜Cシクロアルケニル基または−OR基(Rは、直鎖もしくは分枝鎖C〜CアルキルもしくはC〜Cアルケニル基、C〜CシクロアルキルもしくはC〜Cシクロアルケニル基を表す)を表す。
有利には、式(I)の極性非プロトン性溶媒では、Rは、直鎖もしくは分枝鎖C〜CアルキルもしくはC〜Cアルケニル基、またはC〜Cシクロアルキル基もしくはC〜Cシクロアルケニル基を表してよい。
混合工程b)で使用される極性非プロトン性溶媒は、下記の構造(I)を有してよい:
式中、X、m、RおよびRは、上記で定義される通りである。
有利には、式(I)を有する極性非プロトン性溶媒では、Rは、直鎖もしくは分枝鎖C〜CアルキルもしくはC〜Cアルケニル基、またはC〜CシクロアルキルもしくはC〜Cシクロアルケニル基を表してよい。
有利には、式(I)を有する極性非プロトン性溶媒では:
Xは、OまたはSを表してよく;かつ/または
は、直鎖もしくは分枝鎖C〜CアルキルもしくはC〜Cアルケニル基、またはC〜CシクロアルキルもしくはC〜Cシクロアルケニル基を表してよく;かつ/または
mは、1であってよく;かつ/または
は、H、ハロゲン原子または直鎖もしくは分枝鎖C〜Cアルキル基を表してよい。
例えば、式(I)を有する極性非プロトン性溶媒では、Rは、メチル、エチル、n−プロピル、ビニルまたはシクロヘキシルを表してよい。
例えば、極性非プロトン性溶媒は、下記の式を有してよい:
式中、Xは、OまたはSを表し、Rは、直鎖もしくは分枝鎖C〜CアルキルもしくはC〜Cアルケニル基、またはC〜CシクロアルキルもしくはC〜Cシクロアルケニル基を表す。
例えば、Rは、直鎖もしくは分枝鎖C〜CアルキルもしくはC〜Cアルケニル基、またはC〜CシクロアルキルもしくはC〜Cシクロアルケニル基を表してよい。例えば、Rは、メチル、エチル、n−プロピル、ビニルまたはシクロヘキシルを表す。
例えば、式(I)を有する極性非プロトン性溶媒では、Xは、Oを表し、工程b)で使用される極性非プロトン性溶媒は、N−メチル−2−ピロリジノン(NMP)、N−エチル−2−ピロリジノン、N−シクロヘキシル−2−ピロリジノンまたはN−ビニル−2
−ピロリジノンである。
1実施形態では、式(I)を有する極性非プロトン性溶媒では、Xは、Sを表し、工程b)で使用される極性非プロトン性溶媒は、N−メチル−2−ピロリジンチオン(NMP)、N−エチル−2−ピロリジンチオン、N−シクロヘキシル−2−ピロリジンチオンまたはN−ビニル−2−ピロリジンチオンである。
混合工程b)で使用される極性非プロトン性溶媒は、下記の構造(I)を有し得る:
式中、mは、1または2を表し;
Xは、OまたはSを表し:
は、H、直鎖もしくは分枝鎖C〜CアルキルもしくはC〜Cアルケニル基、またはC〜CシクロアルキルもしくはC〜Cシクロアルケニル基を表し;
は、H、ハロゲン原子、直鎖もしくは分枝鎖C〜CアルキルもしくはC〜Cアルケニル基、C〜CシクロアルキルもしくはC〜Cシクロアルケニル基または−OR基(Rは、直鎖もしくは分枝鎖C〜CアルキルもしくはC〜Cアルケニル基、C〜CシクロアルキルもしくはC〜Cシクロアルケニル基を表す)を表す。
有利には、式(I)を有する極性非プロトン性溶媒では、Rは、直鎖もしくは分枝鎖C〜CアルキルもしくはC〜Cアルケニル基、またはC〜CシクロアルキルもしくはC〜Cシクロアルケニル基を表してよい。
有利には、式(I)を有する極性非プロトン性溶媒では:
Xは、OまたはSを表してよく;かつ/または Rは、直鎖もしくは分枝鎖C〜CアルキルもしくはC〜Cアルケニル基またはC〜Cシクロアルキル基もしくはC〜Cシクロアルケニル基を表してよく;かつ/または
mは、1を表してよく;かつ/または
は、H、ハロゲン原子または直鎖もしくは分枝鎖のC〜Cアルキル基を表してよい。
例えば、式(I)を有する極性非プロトン性溶媒では、Rは、メチル、エチル、n−プロピル、ビニルまたはシクロヘキシルを表してよい。
例えば、極性非プロトン性溶媒は、下記の式のいずれか一つを有する:
式中、
Xは、OまたはSを表し;Rは、直鎖もしくは分枝鎖C〜CアルキルもしくはC〜Cアルケニル基、またはC〜CシクロアルキルもしくはC〜Cシクロアルケニル基を表し;
は、H、ハロゲン原子、直鎖もしくは分枝鎖C〜CアルキルもしくはC〜Cアルケニル基またはC〜CシクロアルキルもしくはC〜Cシクロアルケニル基または−OR基を表し、Rは、直鎖または分枝鎖C〜CアルキルまたはC〜Cアルケニル基を表す]。例えば、Rは、直鎖もしくは分枝鎖C〜CアルキルもしくはC〜Cアルケニル基、またはC〜CシクロアルキルもしくはC〜Cシクロアルケニル基を表し;
は、H、ハロゲン原子または直鎖もしくは分枝鎖C〜Cアルキル基を表す。
例えば、Rは、メチル、エチル、n−プロピル、ビニルまたはシクロヘキシルを表し、Rは、H、メチル、エチル、n−プロピル、ビニルまたはシクロヘキシルを表す。例えば、RおよびRは同一である。例えば、RおよびRは異なる。例えば、RおよびRは、メチル基を表す。
例えば、式(I)を有する極性非プロトン性溶媒では、XはOを表し、工程b)で使用される極性非プロトン性溶媒は、N−メチル−2−ピペリジノン、1,3−ジメチル−2−ピペリジノン、1,5−ジメチル−2−ピペリジノン、N−エチル−2−ピペリジノン、N−プロピル−2−ピペリジノン、N−シクロヘキシル−2−ピペリジノンまたはN−ビニル−2−ピペリジノンである。
1実施形態では、式(I)を有する極性非プロトン性溶媒では、XはSを表し、工程b)で使用される極性非プロトン性溶媒は、N−メチル−2−ピペリジンチオン、1,3−ジメチル−2−ピペリジンチオン、1,5−ジメチル−2−ピペリジン−チオン、N−エチル−2−ピペリジンチオン、N−プロピル−2−ピペリジン−チオン、N−シクロヘキシル−2−ピペリジンチオンまたはN−ビニル−2−ピペリジンチオンである。
例えば、極性非プロトン性溶媒は、N−メチルピロリドンまたはスルホランであってよい。特定の実施形態では、極性非プロトン性溶媒は、N−メチルピロリドン(NMP)である。
本文献中、N−メチルピロリドン、N−メチル−2−ピロリドンおよびNMPとの用語は、互換的であり、下記の式を有する同じ溶媒を意味する:
ある種の実施形態では、混合工程b)を−22〜202℃の温度で実施する。例えば、混合工程b)を20〜25℃の温度で実施する。
一般的に述べると、本発明の方法は、より特定すると混合工程b)は、撹拌しながら、または撹拌せずに実行することができる。撹拌系を使用する場合、機械的もしくは磁気撹拌系または音波処理であってよい。ある種の実施形態では、方法を機械的に撹拌しながら実施する。他の実施形態では、方法を磁気的に撹拌しながら実施する。
本発明の方法を音波処理を含む撹拌系を用いて実行することができるが、音波処理は必要ではないことを特記すべきである。実際に、本方法の顕著な利点は、これが、音波処理の使用を回避することをまさに可能にする、中性グラファイトから出発しての穏やかな溶解方法に基づくことにある。したがって、本発明の方法は、大きなサイズのグラフェン平面を得ることを可能にする。
本発明の方法の特定の実施形態では、濾過工程(a1)を、工程(a)の後、工程(b)の前に行うことができる。例えば、方法の工程(a)が、アルカリ金属から得られるアルカリ金属塩の存在下での還元を伴う場合、濾過により、液相(例えば、KNaphtのTHF溶液)を、グラファイト層間化合物を含む固相から分離することができ、還元されなかった何らかのグラファイトから恐らく、分離することができる。生じたアルカリ金属が侵入しているグラファイトを適切な溶媒で1回または複数回すすぐことができる。例えば、濾過工程(a1)の後に、グラファイト層間化合物を、工程(a)のために使用された溶媒と同じ溶媒、例えば、THFですすぐことができる。次いで、こうしてすすがれたグラファイト層間化合物を工程(b)の前に乾燥させることができる。
ある種の実施形態では、方法はさらに、還元グラフェン溶液の非溶解フラクションを分離することを可能にする遠心分離工程(b1)を工程(b)の後に含む。当業者であれば、透明な、即ち検出可能な凝集体を包含しない還元グラフェン溶液を得るために適した遠心分離条件を決定する方法を知っているであろう。例えば、遠心分離を、100〜200000gで0.1〜24時間実施することができる。ある種の実施形態では、遠心分離工程を2800gで1時間実施する。
1実施形態では、遠心分離の間に、溶液中の凝集体の存在を肉眼で検査する。したがって、溶液の試料を様々な間隔で遠心分離の間に取り出し、遠心分離がいつ透明な溶液(即ち、肉眼で見える凝集体を伴わない)をもたらすことになるかを決定することができる。肉眼検査により、最小サイズ1/10ミリメートル(100マイクロメートル)程度の起こり得る凝集体を検出することが可能である。
1実施形態では、遠心分離の間に、溶液中の凝集体の存在を、光学顕微鏡を使用して検査する。例えば、溶液の試料を様々な間隔で遠心分離工程の間に取り出し、遠心分離が透明な溶液(即ち、光学顕微鏡で見える凝集体を伴わない)をもたらしているかどうかを決定することができる。光学顕微鏡検査により、最小サイズ1マイクロメートル程度の起こり得る凝集体を検出することが可能である。ある種の実施形態では、溶液試料を、倍率2
0〜100倍の光学顕微鏡で分析することができる。
ある種の実施形態では、方法はさらに、所定の基材上に還元グラフェン平面を堆積させる工程を含む。好ましくは、この堆積工程を不活性雰囲気下で実施する。堆積を行い、溶媒を除去したら、基材を大気に曝すことができる:すると、グラフェン平面は表面と相互作用して、中性状態へと再酸化された後にも表面上で安定なままである(図3参照)。
グラフェン堆積工程は、グラフェン溶液量を基材に単純に堆積させ、続いて、工程(b)で使用された極性非プロトン性溶媒を蒸発させて、グラフェン平面を単離することにより実施することができる。例えば、本発明による還元グラフェン溶液を所定の基材に堆積させ、不活性雰囲気下に溶媒を蒸発させることができる。こうして、極性非プロトン性溶媒を蒸発させた後に、基材上に堆積されたグラフェン平面を得ることができる。
グラフェン堆積はまた、例えば、グラフェン溶液層を所定の基材に堆積させることができるブラシまたは任意の他の道具を使用しての塗布により実施することもできる。
グラフェン堆積はまた、浸漬コーティングにより実施することもできる。例えば、基材をグラフェン溶液に、グラフェン平面を基材表面に吸着させることができる多少の時間浸漬させることができる。次いで、基材を溶液から、好ましくは均一な被覆が得られるように一定の速度で取り出し、次いで、溶媒を蒸発させる。
グラフェン堆積はまた、スピンコーティングにより実行することができる。例えば、グラフェン溶液の液滴を回転している基材上に、場合によっては高温で堆積させることができる。好ましくは、回転を、全工程の間一定に維持して、均一なコーティングが得られるようにし、次いで、溶媒を蒸発させる。スピンコーティングを高温で実施する場合、温度は10〜200℃であってよい。
グラフェン堆積はまた、溶液の液滴の堆積および乾燥(液滴キャスティング)により実行することもできる。例えば、グラフェン溶液の液滴を基材に堆積させることができる。次いで、溶媒液滴を、場合によって、蒸発させる溶媒に応じた高い温度で蒸発させることができる。
このような方法は、基材の性質、基材とグラフェン平面との相互作用、溶媒による基材のぬれ性および当業者が認める他の関連するパラメーターなどのパラメーターに応じて実験条件を適合させる方法を知っている当業者には周知である。
使用することができる基材には、非限定的であるが、セラミック、金属、ガラス、シリカ、輝水鉛鉱(MoS2)、雲母、グラファイトおよび/またはプラスチックが包含される。1実施形態では、基質は、カーボンナノチューブまたはグラフェン平面を堆積させるために使用されるか、それに合わせた任意の知られている基材であってよい。例えば、基材は、HOPG(高配向熱分解グラファイト)、Si/SiO、雲母またはMoSであってよい。
ある種の実施形態では、基材を、グラフェンを堆積させる前に官能化または変性することができる。特に、本発明の方法は、グラファイトをアルカリ金属で還元(工程b)することにより得られたグラファイト層間化合物の溶解を伴う。グラファイト層間化合物は、アルカリ金属カチオンが侵入している負に荷電したグラフェン平面からなる。したがって、本発明の方法により極性非プロトン性溶媒中に溶解したグラフェンは、負に荷電しているシートの形態で存在する。静電的相互作用が、基材表面の状態によっては、堆積工程でグラフェンシートと基材との間を妨害し得る。より特定すれば、基材が表面上に負の電荷を含む場合、好ましくない相互作用が生じることがある。
例えば、還元グラフェンシートの剥離面に存在するアルカリ金属カチオンとのイオン交換に関与し得るカチオンを含有するイオン溶液に基材を曝して、基材表面が、工程b)から生じた還元グラフェン溶液と接触した場合に、基材表面の陽性分極が生じるようにすることにより、基材表面の変性を実施することができる。例えば、基材表面を、イオン溶液への浸漬コーティングにより変性することができる。次いで、基材を乾燥させて、還元グラフェン溶液を堆積させる前に、イオン溶液の溶媒を蒸発させる。
当業者であれば、この目的のために適切なイオン溶液を選択する方法を知っているであろうし、例えば、参考文献[46]から、この概念を実施するための例示的な還元に関して引用することができる。
例えば、工程a)のアルカリ金属がカリウムである場合、NiCl水溶液を使用することができる。NiCl溶液中で基材を浸漬コーティングした後に、基材を乾燥させることができる(例えば、真空下に、場合によって、水の蒸発を加速するために温度を上昇させることにより)。こうすると、還元グラフェン溶液を堆積させた後に、基材表面に先に堆積されたNi2+イオンが、工程b)から生じた還元グラフェンシートの剥離面に存在するカリウムイオン(K)とのイオン交換に関与し得る。
基材はまた、化合物の単分子層を堆積させて、疎水性表面を得ることにより変性することもできる。例えば、当業者によく知られているプロトコルに従って、基材(例えば、雲母)をポリリシン層でコーティングすることができる。
基材の他のタイプの表面変性も考えることができる。一般的に述べると、当業者に知られている任意の表面変性方法を使用することができる。変性タイプの選択は、基材の性質、グラフェンを可溶化するために使用される極性非プロトン性溶媒およびグラフェン堆積物の質を改善するための基材表面での所望の物理化学的相互作用に左右される。
工程a)およびb)の方法は常に、不活性雰囲気下に実施する。本明細書で使用される場合、「不活性雰囲気」は、還元グラフェン平面から中性グラフェン平面への再酸化を促進することのないガスまたはガス混合物を指す。例えば、方法を酸素ガス不含のガス雰囲気下に実施する。特には、方法を、アルゴンまたは窒素雰囲気下に実施することができる。
したがって、本発明はまた、本発明による方法により得ることができるグラフェンを提供する。グラフェンは、単離グラフェン平面および/またはグラフェンストリップの形態であってよい。例えば、グラフェン平面を基材に堆積させることができるか、または他の物質と混合することができる。
本発明はまた、複合材料を調製するための、本発明の方法により得ることができるグラフェンまたはグラフェン溶液の使用に関する。
1実施形態では、複合材料を、グラフェン溶液とポリマー溶液またはポリマー混合物を混合する工程を包含する方法により得る。
1実施形態では、複合材料を、グラフェン溶液中でモノマーまたはモノマー混合物をその場で重合させる工程を含む方法により得る。このようなポリマーおよびそれを調製する方法は、例えば、参考文献[26]〜[29]に記載されている。
1実施形態では、複合材料を、1種または複数のモノマーを1つまたは複数のグラフェン平面に重合グラフトする工程を含む方法により得る。重合グラフト法は、当該技術分野
ではよく知られている。当業者であれば、モノマーを1つまたは複数のグラフェン平面に重合グラフトするために適した実験条件を特定する方法を知っているであろう。
ある種の実施形態では、1種または複数のポリマーと会合させる前に、グラフェンに1つまたは複数の官能基をグラフトする。本文脈では、「会合」とは、単なる混合によるか、グラフトされたグラフェン溶液中でのモノマーまたはモノマー混合物のその場での重合によるか、または1つまたは複数のグラフトされたグラフェン平面への1種または複数のモノマーの重合グラフトによる、グラフトされたグラフェンと1種または複数のポリマーとの組合せを指す。グラフェンへの前記官能基の結合を、当業者に知られている有機化学の任意の適切な方法により、例えば、参照文献[23]および/または[31]に記載されている方法により実施することができる。例えば、ポリエチレングリコール基または酸基をグラフトすることにより、これを行うことができる。このようなグラフトは、(i)単離グラフェン平面の官能化を可能にし、(ii)グラフェン平面間の相互作用を高め(ファンデルワールスタイプの結合、疎水性結合または水素結合)、および/または(iii)グラフェン平面と、それらが会合している1種または複数のポリマーとの相互作用を高めることができ、これらは、このようなグラフェン平面を含む複合材料を強化する利点を有し得る。
本発明では、ポリマーは、本発明を実施するための還元を可能にする任意のポリマーであってよい。例えば、ポリスチレン;ポリオレフィン、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(アルファ−オレフィン)、ポリイソブテンおよびポリプロピレン;ポリエーテル;ポリエステル;ポリアミド;ポリアクリルアミド;ポリアクリレート;ポリシラン;ポリシロキサンからなる群から選択することができる。
本発明では、ポリマーは、直鎖ブロックコポリマーまたはランダムコポリマーであってよい。当業者であれば、必要/所望の特性を有する複合材料を得るために適した実験条件および使用される1種または複数のポリマーを特定する方法は知っているであろう。例えば、当業者は、カーボンナノチューブおよびポリマーまたはポリマー混合物からの複合材料の調製を記載している参考文献[42]および/または参考文献[43]に記載されている方法を引用することができる。当業者であれば、これらの文献に記載されている方法を、本出願の方法により得ることができるグラフェンから複合材料を調製するために適合させる方法を知っているであろう。1種または複数のポリマーを選択して、グラフェン/ポリマーの表面相互作用を最適化し、ポリマーマトリックスへのグラフェンのより良好な分散を可能にすることができる。このような材料は例えば、塗料または溶媒配合物で、コーティングで、または添加物もしくは帯電防止材として使用することができる。
「ブロックコポリマー」は、本明細書で使用される場合、1種を超える種類のモノマーを含む配列したポリマーを指す。ブロックコポリマーでは、同一種のモノマーが一緒に群になっている。このようなポリマーおよびそれを調製する方法は、例えば、参考文献[26]または参考文献[27]に記載されている。
「ランダムコポリマー」は、本明細書で使用される場合、その反応性および濃度に応じて、様々なモノマーが混合しているポリマーを指す。このようなポリマーおよびそれを調製する方法は、例えば、参考文献[28]または参考文献[29]に記載されている。
本発明では、ブロックコポリマーが関与している場合、これは、例えば、制御ラジカル重合もしくはリビングアニオン重合もしくはリビングカチオン重合により合成された2ブロックコポリマーまたは制御ラジカル重合もしくは非制御ラジカル重合により合成されたランダムコポリマーであってよい。
制御ラジカル重合(CRP)は、調節可能なモル質量および低い多分子性指数を有する十分に規定されたポリマーおよびコポリマーを調製するための最適な方法である。本発明で使用することができる技術は例えば、参考文献[28]に記載されている。
「リビング重合」とは、本明細書で使用される場合、停止反応も連鎖移動反応もなく、鎖に加えられる遊離モノマー分子が存在しつづける限り、ポリマー鎖が成長しつづける重合を指す。本発明では、リビング重合は、カチオン性またはアニオン性であってよい。このような方法は、例えば、参考文献[30]または参考文献[27]に記載されている。
モノマーは、重合工程の間に全て導入することができる。これらはまた、別々に、または混合物で、連続的に、または不連続的に導入することができる。また、補足的なモノマーを重合工程の終了時に導入して、所望のポリマー組成を得ることができる。
従来の重合方法の間に場合によって導入される添加物を、本発明の方法で使用することができる。例えば、当業者に知られている開始剤、連鎖移動剤、触媒、抗酸化剤および滑剤を使用することができる。
ある種の実施形態では、方法は、グラフェンを官能基の1個または複数のグラフトで官能化する工程をさらに含むことができる。グラフェンへの前記官能基の結合は、当業者に知られている有機化学の任意の適切な方法により実施することができる。グラフェンに官能基を結合させるか、または形成するために使用することができる方法は、例えば、参考文献[23]または参考文献[31]などの文献に記載されている。例えば、ポリエチレングリコール基または酸基のグラフトであってよい。このようなグラフトは、(i)単離グラフェン平面の官能化を可能にし、かつ/または(ii)グラフェン平面間の相互作用を高め(ファンデルワールスタイプの結合、疎水性結合または水素結合)、このようなグラフェン平面を含む複合材料を強化する利点を有し得る。
1実施形態では、本発明の方法により得ることができるグラフェンおよび/またはグラフェン溶液を、キャパシターまたはトランジスターなどの電子または超小型電子部品を調製するために使用することができる。
ある種の実施形態では、本発明の方法により得ることができるグラフェンおよび/またはグラフェン溶液は、カーボンナノチューブを調製するために使用することができる。特に、本発明の方法により、還元グラフェン溶液、即ち、負に荷電しているグラフェン平面の溶液を得ることができる。グラフェン平面の表面上のこのような負の電荷は、静電反発力により、平面がスクロールするのを防いでいる。したがって、これらの溶液を酸化させると(例えば、空気への曝露により)、グラフェン平面はその電荷を失って、中性状態に戻る。すると、不安定な平面形態は、自発的に壊れて、スクロール形態(ナノスクロール)になる。したがって、例えば、空気に曝すことにより、本出願に記載のグラフェン溶液を酸化させることにより、カーボンナノチューブを得ることができる。カーボンナノチューブは、多層であってよい。出発原料であるグラファイトは豊富であるので、この方法により得られるナノチューブは、従来の方法(レーザーアブレーション、電気アークなど)により得られるものよりもはるかに安価であるという利点を有する。
複合材料を調製するためにグラフェンまたはグラフェン溶液を使用するある種の実施形態では、複合材料は、グラフェン粒子に加えて、複合材料で慣用的に使用される他の物質を含むことができる。例えば、複合材料は、本発明の方法により得ることができるグラフェンに加えて、カーボンナノチューブを含有してよい。このようなカーボンナノチューブは、慣用の製造方法により、例えば、レーザーアブレーションおよび/または電気アークにより得ることができる。これらは、参考文献[32]、[33]に記載されているよう
な極性非プロトン性溶媒中の溶液の形態であってよい。または、これらは、グラフェン溶液を再酸化させてナノスクロールを形成することによる本発明の方法から得ることができる。
本発明の方法により得ることができるグラフェンを包含する前記複合材料の組成物中で使用される充填材は、ナノメートルおよび/またはマイクロメートルサイズを有してよい。
「ナノメートルサイズの材料」は、本明細書中で使用される場合、そのサイズが、少なくとも1つの空間寸法において数ナノメートルである材料を指す。例えば、少なくとも1つの空間寸法での材料のサイズは、1〜20nm、好ましくは1〜2nmである。
「マイクロメートルサイズの材料」は、本明細書中で使用される場合、そのサイズが1〜100マイクロメートルである材料を指す。
複合材料は、マイクロメートルサイズの充填材のみか、ナノメートルサイズの充填材のみか、またはマイクロおよびナノメートルサイズの充填材の混合物を含むことができる(例えば、同じ材料中にナノ−およびマイクロメートル充填材を含む複合材料が記載されている。参考文献[34]参照)。
本文献に記載されている方法により、グラフェン分野における研究開発を妨げる現在の主な問題、即ち、試料の不足および適用の難しさが解決される。
2004年以降、グラフェンは、その電子特性に刺激された関心により、数多くの研究をもたらしている[参考文献[18]、[19]]。しかしながら、これらの研究の多くは、試料を調製する難しさにより理論にとどまっている。他方で、グラファイト酸化物の還元による複合材料の初めての調査が報告されている(参考文献[31])。
本発明の発明者らは、グラファイト溶解方法を開発するまさに第一線の発明者らである。工業的観点から、グラフェン溶液を得る可能性は明らかに、ナノテクノロジーおよび複合材料工業において重要な要素である。それというのも、これは、この分野における技術的進歩を推進するための重大な要素であるためである。
ある種の実施形態では、本発明者らは、NMP中に溶解することにより、グラファイト層間化合物の自発剥離を初めて得ることに成功した。そのこと自体で、この発見は、グラフェンの分野において2つの有望な道を開いている。即ち、グラフェン平面溶液の入手可能性は、ポリマーと混合することにより、またはグラフェン溶液中でその場で重合させることにより複合材料を調製するための幅広い展望を開いている。本発見により大規模に容易に実施することができる基材上でのグラフェン平面堆積は今や、日常的な技術になり得、グラフェンの電子工学を、自己集合、フィールドコーティングなどにより制御される堆積物と共に十分に探索することができる。
下記の実施例1に説明されている通り、式K(THF)を有する三元GICは、不活性雰囲気下にTHF中のナフタレンカリウム塩溶液(KNaph)中でグラファイトを還元することにより得られた。生じたGICを濾過により単離し、すすぎ、乾燥させ、N−メチルピロリドン(NMP)に溶かした。遠心分離により不溶性凝集体を除去した後に、溶液が得られた。実施例1では、この赤く着色された溶液は、該当する溶媒中に溶けた還元グラフェン平面からなる。この溶液を空気に曝露すると、これは、直ちに透明な黄色になり、次いで、数日以内に無色になる。
通常、これらの溶液は着色されていて、特定の溶媒に溶けた還元グラフェン平面を含有する。これらの溶液を空気に曝露すると、これらは、例えば、数日以内に無色になる。
この発見は、グラファイトが、溶液に溶かすには安定しすぎている材料と見なされていたことにより、当業者の先入観に反している。本出願の方法の重要な1態様は部分的には、グラファイト層間化合物を極性溶媒に溶かしてみようとしたことにある。このことは、グラフェンの実験的研究において過去30年にわたって考えられたことがなかったか、実行可能とは考えられなかった。
堆積されたグラファイト平面(還元グラファイト平面)は、NMP中の前記グラフェン溶液を基材上で、なお不活性雰囲気下に乾燥させることにより得ることができる。これらのグラファイト平面は、電子工学または電気光学の分野で使用することができる。
乾燥させたら、堆積されたグラファイト平面を空気に曝露させることができる。図3は、乾燥させ、酸化させた後のNMP中の溶液の低解像度トンネル顕微鏡検査イメージ(STM)を示している。基材上に堆積している小さなプレートレットを観察することができる。これらのプレートレットは、グラフェン平面が炭素原子の列に沿って切断されている場合に予期される30°の倍数の特徴的な角度を有する。加えて、高さ測定により、多くの物体が0.35nmの高さを有し、少数が、その2倍または3倍の高さを有することが示されている。これは、予測された高さ、即ち、0.34nmであるグラファイトにおける平面間の距離にまさに一致している(参考文献[35]、参考文献[36])。
図4は、本発明の方法により、グラファイト電極をやすりですりつぶすことから生じたグラファイト粒子から得られた還元グラフェンのNMP溶液を液滴キャスティングすることにより得られたHOPG基材上のグラフェン堆積物のトンネル顕微鏡検査画像(STM)を表している。図4の右上挿入部に示されている通り、HOPGの表面とグラフェン平面との間の高さの差は、0.36nmであり、これは、予期された高さ、即ち、0.34nmであるグラファイトにおける平面間の距離に一致する。
本発明の方法は、上記で説明した通り、単離グラフェン平面を得ることを可能にするだけではなく、図5および6に示されているグラフェンストリップを得ることとも可能にすることを特記すべきである。このようなストリップは、長さ20から100マイクロメートルおよび幅≦1マイクロメートルであってよい。例えば、幅≦500nm、≦100nm、≦50nmまたは≦10nmものストリップを得ることができる。カーボンナノチューブおよびグラフェン平面と同様に、このようなストリップ、より特定すると、幅≦10nmであるストリップは、電子工学または電気光学の分野で使用することができる。(参考文献[45]参照)。
図5は、実施例5に従ってSi/SiOウェハ上に還元グラフェンのNMP溶液を浸漬コーティングすることにより得られたグラファイト堆積物の原子間力顕微鏡写真(AFM)を示している。還元グラフェン溶液は、本発明の方法に従って膨張グラファイトから得た。この図では、約1.2nmの平均厚さを有する3つの平行グラフェンストリップを見ることができる(0.8〜1.3nmの高さ測定)。
図6は、ニッケル変性表面雲母基材上に還元グラフェンのNMP溶液を浸漬コーティングすることにより得られたグラフェン堆積物の原子間力顕微鏡写真(AFM)を示している(実施例5参照)。還元グラフェン溶液は、本発明の方法に従って膨張グラファイトから得た。この図では、図5に示されているものと同様のグラフェンストリップの末端を観察することができる。対象全体は、約40マイクロメートルであるその長さ全体に沿って続き得る。雲母上に堆積されたこのグラフェンストリップの測定高さは、約0.4nmであり、これは、グラフェン平面のほぼ理論厚さであることを特記すべきである。
溶液などの対称環境中の単離グラフェン平面は、本質的に不安定である。
「対称環境」とは、グラフェン平面の両面が、それらが同じものを「見ている」ように同等であることと理解されたい。逆に、基材に堆積されたグラフェン平面は、2つの同等でない面を有する。即ち、一方の面は基材に接しており、他方の面は、その上の流体(ガスまたは溶液)と、または全体が真空下にある場合には真空と接触している。
したがって、ファンデルワールス力の作用下では、グラフェン平面は自発的に曲がって、「ナノスクロール」またはスクロールされたカーボンナノチューブをもたらす(参考文献[37]。カリウムで還元された後、グラファイト平面は負に荷電し、このことが、静電反発力により湾曲を妨げている。溶液を再酸化させれば、グラフェン平面はその電荷を失い、中性状態に戻る。すると、平面形態は自発的に壊れて、スクロールされた形態(ナノスクロール)になる。したがって、これらを基材に堆積させたら、グラフェン平面を再酸化させて、中性状態に戻すことができる:これらは、表面との相互作用により安定化する(機械的剥離の場合の通り(参考文献[18]、[19])。
STM画像は、この観点から決定的である(図3および4):厚さが正確に、単一グラフェン平面で予期された厚さである多くの物体を見ることができる(グラファイトの面間隔を参照して0.34nm)。少数のより厚い物体が2倍の厚さ(0.7nm)または3倍の厚さ(1.05nm)を示し、これはそれぞれ、2つまたは3つのグラファイト平面に対応する(図3)。
まとめると、グラフェン平面上の負電荷は、静電反発力により、平面がスクロールすることを妨げる。したがって、本発明の方法により得ることができるグラフェン溶液は、安定である。したがって、これらの溶液を用いることで、科学および工業界は、表面上の僅かな単離平面だけでなく、適切な溶媒(例えば、NMP)中に溶解している無限の量のグラフェン平面を自由に使用することができるであろう。
それとは逆に、溶液を空気に曝露すると、グラフェン平面は再酸化して、中性状態に戻り、平面のスクローリング(ナノスクロール)により、多層ナノチューブをもたらす。
したがって、本発明の方法は非常に有利に、単離グラフェン平面および/または単離グラフェンストリップの初の(本願発明者の知る限り)真の溶液をもたらす。
これらの溶液は、2004年以来世界的に進行しているグラフェンについての熾烈な研究努力に関して非凡な可能性を有する(参考文献[22])。ノボセロフ(Novoselov)らの方法は、当初のグラファイト剪断方法により表面上に僅かなグラフェン平面を得ることからなり、ここで、平面は、表面上で安定していて、このことにより、例えば、マトリックスにそれを導入するために後々取り扱うことが難しくなっている。
しかしながら、本明細書を読めば当業者には分かる通り、本発明の主な利点の1つは、方法の簡単な実行および無限量の還元グラフェン平面を供給するその能力である。このようなグラフェン平面はさらに、荷電された形態でそれらを得ることができるという特殊性を有する。そのため、これらのグラフェンシートは相互に反発して、凝集し得ない。したがって、これらは、本発明の方法により溶液中で安定である。
また、グラフェンは、カーボンナノチューブと同様に、非凡な特性を有することを特記すべきである(熱および電気伝導率、さらに機械的特性に関して)。電気的な観点から、電気はグラフェン中を容易に循環する。したがって、空間における利得に加えて、これは、トランジスター反応性に関しての利得もまた意味し得る。特に、カーボンナノチューブ配線と組み合わせたグラフェントランジスターは、情報処理工業に多大な利益をもたらすであろう。
グラフェン前駆体としての安価なグラファイトの入手性により、現在カーボンナノチューブを使用しているものよりもはるかに安価な高機能性複合材料に到達することができる。
さらに、第2の態様では、本発明の方法により得られるグラフェン平面の再酸化により、ナノスクロールタイプの多層カーボンナノチューブが得られる(スクロールでの巻き)。現在、重大な合成の努力が、多層ナノスクロールナノチューブに向けられている(アルケマ社(Arkema)、バイエル社(Bayer)、トマス社(Thomas)、スワン社(Swan)、ナノシル社(Nanocyl)など)。本出願に記載のグラフェン溶液は、高品質の代替溶液(不純物を含まない)を低コストで提供し、したがって、多層カーボンナノチューブが関与する多くの用途の開発を可能にするであろう。
多層ナノスクロールナノチューブの合成に関して、工業的な観点から、特に、グラファイトは出発の際には非常に純粋であるので、安価で不純物を伴わないナノチューブを調製する可能性を得ることには、明らかに高い関心がある。考え得る用途範囲は、多層カーボンナノチューブを用いることが可能な用途の全てであろう。
したがって、本文献を読めば当業者であれば理解する通り、本発明の方法により得られるグラフェンの溶液および/またはグラフェンモノシートの用途の多くは、その費用が今日でも非常に高いカーボンナノチューブでも考えられる用途に関係しよう。
例えば、カーボンナノチューブと同様に、本発明の方法により得られるグラフェンの溶液および/またはグラフェンモノシートは、複合材料、水素電池、スーパーキャパシター、センサー、触媒、NEMS(ナノ電気化学系)および電子部品/ナノメートルサイズの系で使用することができる。
センサーおよび信号処理に関しては一般に、シェディン(Schedin)らによるNature magazineにおいて2007年7月29日に公開された論文 (参考
文献[44])が証明している通りに、グラフェンは、その特殊な電子特性により、重大な財産であり得る。したがって、センサーにおける本方法により得ることができるグラフェンの使用は、本方法の用途範囲を、センサーがかなり頻繁に使用される輸送、原子力工業または健康管理などの多様な分野まで広げる。
カーボンナノチューブなどのナノ構造材料は、強化材料において重要な用途を有する。複合材料の目的の1つは、鋼に代わり得る、優れた耐性がありながら軽量の材料を開発することである(参考文献[38])。任意の複合材料の弱点は、ポリマーマトリックス自体である。複合材料の基本的な目的は、超軽量材料のその特性を維持しつつ、ポリマーマトリックスを強化することである。ポリマーマトリックスにナノ材料を含浸させることにより、マトリックスからの荷重をナノ材料に移すことができる(参考文献[39])。既存の技術は、巨視的な炭素繊維を使用し、この場合、グラファイト微結晶は繊維の方向に配向されていて、繊維は、ポリマーマトリックス中に埋め込まれている(参考文献[40])。この技術の限界の1つは、複合材料の強度が増すにつれて、柔軟性がないために、その延性が低下することである。グラフェン平面の高い柔軟性により、ナノ複合材料における本発明の方法により得ることが得ることができるグラフェン平面の使用は、その柔軟性を低下させることなく、または、少なくとも、より低い程度でそれに影響を及ぼすことにより、複合材料の耐性を高めることができる。
グラファイトをベースとする複合材料は、研究対象である。研究は、酸化され、次いで再還元されたグラファイトをポリマーに分散させることにより得られる複合材料を扱っている(参考文献[31])。著者らは、高い電気伝導度および熱伝導度性能を有する複合
材料を得た。しかしながら、スタンコヴィッチ(Stankovich)らにより得られた/使用されたグラフェン平面は、酸化工程により損傷を受けた。逆に、電子をグラフェン平面に加えることを単に伴う本発明の方法は、それらがグラファイトであったままに、グラフェン平面の構造的完全性を保存している。
加えて、グラファイトは莫大な量、純度で安価に入手可能であるので、本出願に記載の方法は、これらのグラフェン溶液をポリマーと混合することにより、安価な複合材料を考えることを可能にする。前記で述べた通り、このような複合材料は、グラフェン平面の非凡な機械的特性により、機械的強化材として高い可能性を有する(カーボンナノチューブのヤング率は、グラフェンのヤング率と異ならない)。
強化要素(=グラフェン)を温度、圧力、応力、化学環境などのプローブとして使用することもできる自己診断複合材料もまた、想定される。このような複合材料は、航空学または宇宙工業などの感知分野においても非常に有用であり得る。
説明を目的として示されている添付の図により説明される通り、下記の実施例を読めば、当業者には、他の利点は容易に明らかだろう。
本発明の1実施形態を説明する図。説明されている例では、THFの存在下に、グラファイトをカリウム化合物(例えば、カリウムナフタレン塩)で還元して、グラファイト層間化合物を生じさせる。これを、例えば濾過により単離し、NMPなどの極性非プロトン性溶媒に溶かして、還元グラフェン溶液を形成する。 本出願の還元グラフェン溶液の特に2つの可能な用途、即ち、(i)基材上のグラフェン平面の堆積物および(ii)複合材料を調製するためのポリマーまたはポリマー混合物への前記グラフェン平面の導入を示す図。 NMP中のK(THF)の溶液を乾燥させることにより得られた堆積物のトンネル顕微鏡検査画像(低解像度)を示す図。基材はHOPGグラファイト(高配向熱分解グラファイト)であり;NMPの溶液はアセトンで2倍に希釈されている。基材に対して大きなプレートレットの高さは、0.35ナノメートルである。 グラファイト電極からのグラファイト粒子から得られた本発明の方法による還元グラフェンのNMP溶液を液滴キャスティングすることによるHOPG基材上のグラフェン堆積物のトンネル顕微鏡検査画像(STM)。 Si/SiOウェハ上に還元グラフェンのNMP溶液を浸漬コーティングすることにより得られたグラフェン堆積物の原子間力顕微鏡画像(AFM)。 ニッケル変性表面雲母上に還元グラフェンのNMP溶液を浸漬コーティングすることにより得られたグラフェン堆積物の原子間力顕微鏡写真(AFM)。
別段に述べられていない限り、実験は全て、不活性雰囲気、例えば、アルゴンまたは窒素下で実施する。特定すると、操作を、グローブボックス内、乾燥アルゴン雰囲気(O含分<10ppm、HO含分<10ppm)下で行う。
膨張グラファイトからのグラフェンカリウム塩の溶液の調製
ナフタレンカリウム塩(Naph)の調製
光沢のある小片のカリウム39mg(使用直前にメスで剥離)およびナフタレン133mg(約1mmol)を即ち、約1:1のモル比で、蒸留THF約100cmに機械的な撹拌下に入れた。緑色に、次いで暗緑色に、最後に還流の数分後には黒色になるまで、溶液を還流加熱した。反応の完了を保証するために、溶液を24時間還流下に維持した。
Naphの溶液を室温に冷却し、濾過して、溶液から起こり得る痕跡量の固体カリウムを除去した。
三元化合物K(THF)の調製
上記で得られたNaph溶液55.833g(K0.529mmol含有)を膨張グラファイト50.8mg(4.233mmol)と反応させた(8/1のモル比で)。反応を室温で機械的撹拌下に一晩維持し、次いで、混合物を真空濾過して、炭酸塩材料を集め、次いでこれを、精製THFですすぎ、完全に乾燥させた。THFをカラム上、グローブボックス内で精製した(蒸留された溶媒と同等)。
還元グラフェンのNMP溶液の調製
上記で得られた三元化合物5.7mgを脱酸素化NMP2gに溶かした。溶媒への三元化合物の溶解を室温で機械的撹拌下に実施した。数時間後に、溶液は既に着色していた(即ち、赤色)。しかしながら、不溶性フラクションを分離するために溶液を遠心分離する前に(遠心分離条件:2800g、60分)、溶解反応を24時間続けた。沈降後、還元グラファイトの均一な溶液が得られ、これは、目に見える凝集体は何ら包含していなかった。
この実施例では、還元グラフェンのNMP溶液は、赤色であったが、これは、空気と接触すると、黄色になった。
HOPG(高配向熱分解グラファイト)からのグラフェンカリウム塩溶液の調製
実施例1と同様の条件およびプロトコルを使用したが、但し、出発グラファイトはHOPG(高配向熱分解グラファイト)であった。
機械的摩耗により得られたマイクロメートルグラファイトからのグラフェンカリウム塩溶液の調製
実施例1と同様の条件およびプロトコルを使用したが、但し、出発グラファイトは、機械的摩耗により(例えば、グラファイト電極をやすりで削ることにより)得られた1マイクロメートルに近い粒径を有するグラファイトであった。
天然グラファイトからのグラフェンカリウム塩溶液の調製
実施例1と同様の条件およびプロトコルを使用したが、但し、出発グラファイトは天然グラファイト(ソシエテ ナショナル デ グラファイト(societe Nacional de Grafite)、ブラジル所在)であった。
HOPG、雲母およびSi/SiOウェハ上のグラフェン堆積物
a)グラファイト層間三元化合物の調製
様々な実験を、様々な供給源からのグラファイト粉末から実施した。各実験で、次のプロトコルを使用した:
参考文献[32]により公開された実験プロトコルに従って、グラファイト粉末をTHF中のナフタレンカリウム溶液と、8/1のC/Kモル比を使用して混合した。反応混合物を不活性雰囲気下に、機械的に撹拌しながら維持した。24時間後に、混合物をPVDF膜(0.45マイクロメートル)上で真空濾過して、炭酸塩材料を集め、次いでこれを、精製THFですすぎ、完全に乾燥させた。
使用されたグラファイトの種類は次の通りであった:
− HOPG
− 天然グラファイト
− 膨張グラファイト
− グラファイト電極をやすりで削り取ることにより得られたグラファイト粒子。
b)還元グラフェンのNMP溶液の調製および分析
上記a)に含有される三元化合物をNMP(約0.5mg/ml)に不活性雰囲気下、室温で撹拌しながら溶かした。24時間後に、溶液を1分当たり4000回転で60分間遠心分離して、グラファイト塩溶液から不溶性材料を分離した。着色した上相は、NMP中の還元グラフェン溶液を表している。この溶液は、空気に曝露されると無色になった。
様々な溶液(即ち、様々なグラファイト源からの)の元素分析。カリウム含分を、Perkin Elmer 3100 原子吸光(AAS)およびフレーム放射分光計で、直線較正法を使用して決定した。このタイプの分析に随伴する誤差マージンは、5%で評価される。溶液の元素分析により、36ppmのカリウム含分が示された(標準偏差±10%)。式K(THF)24(x=1〜3)では、溶解グラフェン炭素の全濃度は、0.26mgC/mlに達することができ、これは、xの値に応じて、溶解材料0.36から0.49mg/mlに対応する。
グラフェン溶液を空気に曝露すると、これらは、約2日後に無色になった。
光学顕微鏡法で溶液を分析すると、凝集体は示されなかったのに対して、酸化溶液は、寸法約20マイクロメートルの凝集体を示した。
c)基材上での溶液の堆積物の調製および分析
様々な種類の基材上で、基材を溶液中でアルゴン雰囲気下に約15から30分間浸漬コーティングし、次いで、NMP、アセトン、水およびイソプロパノールですすぐ(まだアルゴン雰囲気下に)ことにより、上記b)で得られた溶液の堆積を実施した。次いで、基材をグローブボックスから取り出し、真空下、200℃で48時間完全に乾燥させた。
使用された基材は次の通りである:
− SiO
− HOPG(「高配向熱分解グラファイト」)
−ニッケル変性表面を有する白雲母タイプの雲母
−Si/Sioウェハ(「Surfs」、ナノラン(Nanolane)、フランス所在)
SiOまたはHOPGウェハ上で製造された堆積物のXPS分析により、痕跡量の窒素は検出されず、このことは、すすぎ工程により全てのNMPが除去されたことを示していた。カリウムは検出されなかった。C60およびナノチューブとの類似により、カリウムイオンは、周囲空気に曝露されると、酸化物または水酸化物を形成し、これらもまた、すすぎ工程の間に除去されると推測される。
グラフェン堆積物を、原子間力顕微鏡法(AFM)、雰囲気走査トンネル顕微鏡法(STM)、多重干渉法(MBI)、光学顕微鏡法、X線光電子分光法(XPS)、高解像度透過型電子顕微鏡法(HRTEM)およびラマン分光法により特性決定した。上述の各技術により、分析された基材上でのグラフェン平面堆積物の存在が明らかになった。
予備的な導電率試験を、上記の通り調製された溶液中で浸漬コーティングされた組み合わせ浸漬コーティングされた電極で実施した。室温曲線I−Vは、2個の異なるデバイスで、抵抗235および370オームと一次的であった。このことは、堆積物の導電性を示
している。
干渉分光法:
グラフェン試料を、白雲母タイプで4mm未満の均一な厚さを有する新たに割られた雲母片上に浸漬コーティングしたが、この白雲母タイプの雲母片を、45nm厚の銀層(シグマ−アルドリッチ(Sigma−Aldrich)99.9999%)で熱蒸着により予め被覆しておいた。負に荷電しているグラフェン平面の吸着を容易にするために、雲母表面を100nMのNiCl水溶液中に予め30分間液浸させ、次いで乾燥させて、Ni2+イオンと還元グラフェンシートの剥離された面に存在するカリウムイオンとのイオン交換を促進して、雲母表面を正に分極させる(参考文献[46])。次いで、雲母−グラフェン堆積物を第2の銀半反射層で、熱蒸着により被覆した。
AFM
堆積を上記の通りに行ったが、但し、銀層でのコーティング工程を省き、マルチモードAFM顕微鏡によりタッピング法で観察した(ビーコ(Veeco))。
トンネル顕微鏡法:
堆積物を、新たに割られたHOPG上に液滴キャスティングにより製造した。HOPGウェハの表面を、堆積物を製造する直前に観察し、その品質および清浄度に関して検査した。低解像度および高解像度画像をそれぞれ、ナノスコープ(Nanoscope)IIIおよびII装置で得た。
光学顕微鏡法:
特殊なSi/SiOウェハ(「Surfs」、ナノラン(Nanolane)、フランス所在)を浸漬することにより、堆積物を調製した。
MoSウェハ上のグラフェン堆積物
還元グラフェンのNMP溶液を、実施例5のa)およびb)に記載されている実験プロトコルに従って得た。次いで、グラフェン堆積物を、還元グラフェン溶液をMoSウェハに浸漬コーティングまたは液滴キャスティングすることにより製造した。
本出願および上記の説明のための実施例を読めば、当業者には、本方法が全般的な範囲を有し、全てのグラファイトに適用可能であることが理解されるであろう。
参考文献のリスト

Claims (31)

  1. 不活性雰囲気下で実施される以下の2つの工程:
    a)アルカリ金属によりグラファイトを還元して、グラファイト層間化合物を生じさせる工程と、
    b)該グラファイト層間化合物を、25〜200の誘電率を有する極性非プロトン性溶媒に曝露して、還元グラフェン溶液を生じさせる工程と
    からなることを特徴とする、グラファイトを可溶化する方法。
  2. 前記極性非プロトン性溶媒が下記の式を有する、請求項1に記載の方法。
    (式中、
    nおよびmは独立に、1または2であり;
    Xは、OまたはSを表し:
    は、直鎖もしくは分枝鎖C〜CアルキルもしくはC〜Cアルケニル基、またはC〜CシクロアルキルもしくはC〜Cシクロアルケニル基を表し;
    は、H、ハロゲン原子、直鎖もしくは分枝鎖C〜CアルキルもしくはC〜Cアルケニル基、C〜CシクロアルキルもしくはC〜Cシクロアルケニル基、または−OR基(Rは、直鎖もしくは分枝鎖C〜CアルキルもしくはC〜Cアルケニル基、C〜CシクロアルキルもしくはC〜Cシクロアルケニル基を表す)を表す。)
  3. 前記グラファイト層間化合物が、式KCを有する二元化合物の形態である、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記グラファイト層間化合物が、構造M(Solv)を有する三元化合物の形態である(式中、Mは、アルカリ金属イオンであり、Solvは非プロトン性溶媒分子であり、xは、6〜200の整数を表し、yは、0〜4の整数を表す)、請求項1または2に記載の方法。
  5. 前記非プロトン性溶媒が、芳香族または求核性溶媒である、請求項4に記載の方法。
  6. 前記芳香族溶媒がベンゼンまたはトルエンである、請求項5に記載の方法。
  7. 前記求核性溶媒がTHFである、請求項5に記載の方法。
  8. 前記還元工程a)を求核性溶媒の存在下に実施する、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記求核性溶媒が、少なくとも1個の酸素原子をその構造が含有する非プロトン性溶媒である、請求項8に記載の方法。
  10. 前記非プロトン性溶媒がTHFである、請求項9に記載の方法。
  11. 前記アルカリ金属がカリウムであり、前記溶媒がTHFであり、前記グラファイト層間化合物が、構造K(THF)yCxを有する三元化合物である(式中、xは6〜200の整数を表し、yは0〜4の整数を表す)、請求項1または4に記載の方法。
  12. 前記還元工程a)が、
    アルカリ金属による蒸気相還元とそれに続く少なくとも1個の酸素原子をその構造が含有する非プロトン性溶媒への曝露と、
    電気化学的還元と、
    非プロトン性溶媒中でのポリアリールアルカリ塩による還元と
    からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  13. 前記還元工程a)が、不活性雰囲気下に、式Aのポリアリールアルカリ塩をグラファイトに加えることを含み、
    は、アルカリイオンのカチオンを表し、
    は、多環式芳香族化合物のアニオンを表す、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記多環式芳香族化合物が、ナフタレン、ベンゾフェノン、フルオレノン、ベンゾキノンおよびアントラキノンからなる群から選択される、請求項13に記載の方法。
  15. 前記極性非プロトン性溶媒がN−メチルピロリドンである、請求項14に記載の方法。
  16. 前記混合工程b)を−22〜202℃の温度で実施する、請求項1乃至15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 前記混合工程b)を20℃〜25℃の温度で実施する、請求項16に記載の方法。
  18. 前記混合工程b)を、機械的もしくは磁気撹拌下に、または音波処理により、または撹拌せずに実施する、請求項1乃至17のいずれか1項に記載の方法。
  19. 遠心分離の工程をさらに包含する、請求項1乃至18のいずれか1項に記載の方法。
  20. 請求項1乃至19のいずれか1項に記載の方法により得ることができる還元グラフェン溶液。
  21. 前記極性非プロトン性溶媒を蒸発させる工程をさらに含む、請求項1乃至19のいずれか1項に記載の方法。
  22. 請求項21に記載の方法により得ることができるグラフェン。
  23. 複合材料を調製するための請求項22に記載のグラフェンの使用方法。
  24. 前記複合材料が、グラフェン溶液とポリマー溶液またはポリマー混合物溶液を混合する工程を含む方法により得られる、請求項23に記載の使用方法。
  25. 前記複合材料が、モノマーまたはモノマー混合物をグラフェン溶液中でその場で重合させる工程を含む方法により得られる、請求項23に記載の使用方法。
  26. 前記複合材料が、モノマーを1つまたは複数のグラフェン平面に重合グラフトさせる工程を含む方法により得られる、請求項23に記載の使用方法。
  27. グラフェンを、官能基の1個または複数のグラフトにより官能化させる、請求項23乃至26のいずれか1項に記載の使用方法。
  28. 電子部品または超小型電子部品を調製するための請求項22に記載のグラフェンの使用方法。
  29. 前記電子部品または超小型電子部品が、キャパシターまたはトランジスターである、請求項28に記載の使用方法。
  30. 基材上にグラフェンを堆積させるための請求項20に記載の還元グラフェン溶液の使用方法。
  31. 前記堆積を、前記還元グラフェン溶液の単純な堆積により、塗布により、浸漬コーティングにより、またはスピンコーティングにより実施する、請求項30に記載の使用方法。
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