JPWO2014054441A1 - 膨張化黒鉛の製造方法及び薄片化黒鉛の製造方法 - Google Patents
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Abstract
グラフェンや薄片化黒鉛などを安全にかつ効率よく量産することを可能する、膨張化黒鉛の製造方法を提供する。疎水性溶媒中で、黒鉛に対して電荷アクセプターとして働く化合物の錯体を原料黒鉛に接触させる第1工程と、前記第1工程の後に、錯体と接触された原料黒鉛を極性溶媒に接触させる第2工程とを備える、膨張化黒鉛の製造方法。
Description
本発明は、黒鉛から溶媒法により膨張化黒鉛を製造する方法及び該膨張化黒鉛の製造方法を利用した薄片化黒鉛の製造方法に関する。
グラフェンは、強靭性、電気伝導性、熱伝導性及び耐熱性に優れている。そこで、元の原料黒鉛よりもグラフェン積層数が少ない薄片化黒鉛を製造する方法が種々提案されている。
グラフェンや薄片化黒鉛を量産する方法として、GIC(Graphite intercalation compounds)を黒鉛から作製し、GICのグラフェン間を剥離する方法が知られている。このようなGICを得る方法としては、1)two−bulb法、2)液相接触反応法(混合法)、3)固相加圧法、4)溶媒法、5)電気化学的方法などが提案されている。
例えば、4)溶媒法では、アルカリ金属−芳香族炭化水素(ナフタレンやビフェニル)などの化合物をTHF(テトラヒドロフラン)やDME(ジメトキシエタン)等中の溶媒に混合して錯体を形成させる。次に、グラファイトを投入することにより、金属−THF−グラファイトの三元系GICを形成する。
しかしながら、この方法で得られていたGICは、いわゆるドナー型GICであった。ドナー型GICでは、グラファイトに対して電荷移動ドナーとして働くインターカーラントが挿入されている。使用し得るインターカーラントとしては、アルカリ金属などの金属化合物が用いられている。従って、得られたGICが空気中の水分や酸素との反応性に富んでいる。そのため、空気中の水分や酸素との反応を回避する特殊な装置を用いなければならなかった。
このような製造方法の一例が下記の特許文献1に開示されている。特許文献1では、アルカリ金属を用いたGICを特定の溶媒中で機械的に分散させることにより、グラフェンや薄片化黒鉛を作製する方法が開示されている。
他方、特許文献2には、脂肪族ハロゲン化物や芳香族ハロゲン化物および芳香族ニトロ化物からなる溶媒中で、金属ハロゲン化物とグラファイトとを反応させることにより、ハロゲンガスを使用することなく200℃以下の低温でアクセプター型GICを作製する方法が開示されている。
また、下記の非特許文献1には、芳香族化合物に対してアクセプターとして働く塩化鉄や塩化アルミニウムなどの金属ハロゲン化物を、ニトロメタンや塩化チオニルなどの溶媒に溶解し、黒鉛と浸漬する方法が開示されている。この方法によれば、アクセプター型GICを溶媒法で作製することができる。
D. Ginderow, R. Setton, C. R. Acad. Sci. Palis 257, 687(1963)
上記のように、従来のいわゆるドナー型GICからグラフェンや薄片化黒鉛を製造する方法では、空気中の水分や酸素との反応を回避する特殊な装置を用いなければならなかった。また危険な溶媒を用いたり、プロセス制御における危険性が高かったりするという問題があった。そのため、GICからグラフェンや薄片化黒鉛を安全にかつ効率よく量産することができなかった。
他方、特許文献2や非特許文献1には、アクセプター型GICを溶媒法で得る方法については報告されているものの、アクセプター型GICからグラフェンや薄片化黒鉛を製造する方法については示されていない。
本発明の目的は、グラフェンや薄片化黒鉛などを安全にかつ効率よく量産することを可能する、膨張化黒鉛の製造方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、上記膨張化黒鉛の製造方法を利用した薄片化黒鉛の製造方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、上記膨張化黒鉛の製造方法を利用した薄片化黒鉛の製造方法を提供することにある。
本願発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、疎水性溶媒中で黒鉛に対して電荷アクセプターとして働く化合物の錯体を原料黒鉛に接触させた後に、極性溶媒に接触させれば、膨潤性の高い膨張化黒鉛を形成し得ることを見出し、本発明をなすに至った。
本発明に係る膨張化黒鉛の製造方法は、疎水性溶媒中で、黒鉛に対して電荷アクセプターとして働く化合物の錯体を原料黒鉛に接触させる第1工程と、前記第1工程の後において、錯体と接触された原料黒鉛を極性溶媒に接触させる第2工程とを備える。
第1工程では、前記第1工程において、疎水性溶媒中で黒鉛に対して電荷アクセプターとして働く前記化合物の錯体を形成させると共に、該錯体を原料黒鉛に接触させてもよい。別の方法として、予め黒鉛に対して電荷アクセプターとして働く化合物の錯体を疎水性溶媒中に投入し、溶解し、同時にあるいはその後に、原料黒鉛を投入して原料黒鉛に接触させてもよい。
膨張化黒鉛とは、グラフェン層間にインターカーラントが挿入されているGIC、もしくはそのGICを経由して高度に層間が開かれた状態の黒鉛化合物をいうものとする。上記インターカーラントがグラフェン層間に挿入されているため、グラフェン層間の距離が広げられている。そして、機械的処理などを施すことにより、膨張化黒鉛のグラフェン層間を容易に剥離することができる。従って、グラフェンや薄片化黒鉛を容易に形成することができる。
本発明に係る薄片化黒鉛の製造方法は、本発明の膨張化黒鉛の製造方法で得られた膨張化黒鉛に、剥離処理を施すことを特徴とする。本発明により得られた膨張化黒鉛では、前述したように、インターカーラントがグラフェン層間に挿入されており、上記剥離処理を施すことにより薄片化黒鉛を容易に得ることができる。
以下、本発明の詳細を説明する。
以下、本発明の詳細を説明する。
(黒鉛に対して電荷アクセプターとして働く化合物の錯体)
本発明において用いられる黒鉛に対して電荷アクセプターとして働く化合物としては特に限定されるものではない。例えば、以下の(1)MXnで表される金属ハロゲン化物(ただし、Mは周期律表2〜7族の金属、Xはハロゲン、nは2〜5の整数)、(2)MAXで表わされる複合塩、(3)MLもしくはMLXで表わされる錯化合物、(4)有機化合物、及び(5)3価のリン化合物などが挙げられる。
本発明において用いられる黒鉛に対して電荷アクセプターとして働く化合物としては特に限定されるものではない。例えば、以下の(1)MXnで表される金属ハロゲン化物(ただし、Mは周期律表2〜7族の金属、Xはハロゲン、nは2〜5の整数)、(2)MAXで表わされる複合塩、(3)MLもしくはMLXで表わされる錯化合物、(4)有機化合物、及び(5)3価のリン化合物などが挙げられる。
(1)MXnで表される金属ハロゲン化物:
上記Mは、周期律表の2〜7族の金属である。このような金属としては、ベリリウム、ホウ素、マグネシウム、アルミニウム、ケイ素、カルシウム、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、亜鉛、ガリウム、ストロンチウム、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、テクネチウム、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、カゴミウム、インジウム、錫、アンチモン、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、オスニウム、イリジウム、白金、金、水銀、タリウム、鉛、ビスマスなどが挙げられる。
上記Mは、周期律表の2〜7族の金属である。このような金属としては、ベリリウム、ホウ素、マグネシウム、アルミニウム、ケイ素、カルシウム、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、亜鉛、ガリウム、ストロンチウム、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、テクネチウム、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、カゴミウム、インジウム、錫、アンチモン、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、オスニウム、イリジウム、白金、金、水銀、タリウム、鉛、ビスマスなどが挙げられる。
上記Xは、ハロゲンであり、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素である。
上記nは、金属のもつ原子価に応じて2〜5の整数である。
上記MXnの中でも好ましいのは、Xが塩素である、塩化銅、塩化鉄、塩化亜鉛及び塩化アルミニウムを挙げることができる。金属塩化物は安価であり、毒性が比較的低いものであるため好ましい。
上記nは、金属のもつ原子価に応じて2〜5の整数である。
上記MXnの中でも好ましいのは、Xが塩素である、塩化銅、塩化鉄、塩化亜鉛及び塩化アルミニウムを挙げることができる。金属塩化物は安価であり、毒性が比較的低いものであるため好ましい。
また、MXnで表される金属ハロゲン化物としては、MX1X2のように複数のハロゲンを含む金属ハロゲン化物であってもよい。この場合、X1及びX2は、それぞれハロゲン元素であるが、X1とX2とは異なるハロゲン元素である。
(2)また、Aを酸とした場合、MAXで表される、酸とハロゲンと金属との複合塩を用いてもよい。Mは上述した通り、周期律表2族〜7族の金属元素である。Aは酸である。酸としては、硫酸、硝酸、リン酸またはホウ酸などの無機酸であってもよく、有機酸であってもよい。
さらに、(3)MLもしくはMLXで表される錯化合物であってもよい。
ここで、Mは2族〜7族の金属元素である。Lは、アセチルアセトン、エチレンジアミン、フタロシアニン、アンモニア、一酸化炭素またはシアンなどの配位子として働く化合物である。Xは上述した通りである。
ここで、Mは2族〜7族の金属元素である。Lは、アセチルアセトン、エチレンジアミン、フタロシアニン、アンモニア、一酸化炭素またはシアンなどの配位子として働く化合物である。Xは上述した通りである。
MLまたはMLXで表される錯化合物の中でも、MLXが好ましく、より好ましくは、MLaXbで表される錯化合物が望ましい。ここで、a及びbは、1〜4の整数である。
(4)有機化合物からなるアクセプター
上記電荷アクセプターとして働く有機化合物としては、例えば、p−ベンゾキノン、2,3,5,6−テトラメチル−p−ベンゾキノン、2−メチル−1,4−ナフトキノン、テトラフルオロ−1,4−ベンゾキノン、7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン、2−シアノピリジンなどの芳香族化合物とCT錯体を形成する能力のある有機化合物を用い得る。
上記電荷アクセプターとして働く有機化合物としては、例えば、p−ベンゾキノン、2,3,5,6−テトラメチル−p−ベンゾキノン、2−メチル−1,4−ナフトキノン、テトラフルオロ−1,4−ベンゾキノン、7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン、2−シアノピリジンなどの芳香族化合物とCT錯体を形成する能力のある有機化合物を用い得る。
(5)3価のリン化合物
3価のリン化合物としては、トリフェニルフォスファイト、トリアルキルフォスファイトなどを挙げることができる。
3価のリン化合物としては、トリフェニルフォスファイト、トリアルキルフォスファイトなどを挙げることができる。
本発明では、好ましくは、上記黒鉛に対して電荷アクセプターとして働く化合物として、上記MXnの構造を有する化合物またはMLaXbの構造を有する化合物が好適に用いられる。その場合には、疎水性の溶媒である第1の溶媒にこれらの化合物を浸漬し、極性溶媒である第2の溶媒に浸漬するという2段階浸漬法を用い、膨張化黒鉛を容易に製造することができる。また、十分にグラフェン層間が開いた膨張化黒鉛を得ることができる。よって、後述する様々な剥離処理により、薄片化黒鉛グラフェンを容易に量産することができる。なお、黒鉛表面に上記MXnまたはMLaXbを残存させることもできる。その場合には、MXnまたはMLaXbを選択することにより、溶媒分散性も高めることができる。
(疎水性溶媒)
上記第1工程で用いられる疎水性溶媒としては、好ましくは、上記電荷アクセプターとして働く芳香族化合物とCT錯体を形成し得る溶媒、あるいは上記化合物とCT錯体を形成する化合物を含有する疎水性溶媒が挙げられる。
上記第1工程で用いられる疎水性溶媒としては、好ましくは、上記電荷アクセプターとして働く芳香族化合物とCT錯体を形成し得る溶媒、あるいは上記化合物とCT錯体を形成する化合物を含有する疎水性溶媒が挙げられる。
上記電荷アクセプターとして働く化合物とCT錯体を形成するか否かは、光吸収スペクトルにより確認することができる。すなわち、混合時にCTバンドと称されているCT錯体特有の吸収が長波長領域に現れるか否かにより、CT錯体を形成しているか否かを定性的に判断することができる。上記電荷アクセプターとして働く化合物と、CT錯体を溶媒自体が形成するような溶媒としては、ベンゼン、トルエン、フェノキシトルエン、ジフェニルエーテル、メトキシトルエン、キシレン、テトラリンなどの芳香族化合物、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどの芳香族ハロゲン化物、ニトロベンゼン、ニトロトルエンなどの芳香族ニトロ化物、クロロホルム、ジクロロメタン、ブロモエタンなどの脂肪族ハロゲン化物、アクリロニトリル、ニトロエタンなどの脂肪族ニトロゲン化物からなる溶媒やこれらの混合物が挙げられる。
また、上記疎水性溶媒としては、それ自体が電荷アクセプターとして働く化合物とCT錯体を形成する溶媒と、CT錯体形成能のない他の溶媒との混合溶媒を用いてもよい。CT錯体形成能のない他の溶媒としては、ノルマルアルカンやシクロアルカンを挙げることができる。また、上記他の溶媒としては、メチルクロリド、メチルジクロリド、エチレンジクロリド、メチレンジアイドダイド、エチレンジブロマイドなどの有機ハロゲン系溶媒を用いてもよい。
さらに、上記電荷アクセプターとして働く化合物とCT錯体を形成し得る溶媒としては、アルキルベンゼンなどの置換官能基を有する芳香族化合物からなる疎水性溶媒であってもよい。
加えて、メチルエチルケトン、ジエチルエーテルなどのアルコール性の水酸基を有しない溶媒を用いてもよい。このような溶媒は、CT錯体形成能力は低いが、本発明において用いることができる。
上記疎水性溶媒の溶解パラメータは12(cal/cm3)1/2以下(以下単位省略)であることが好ましい。より好ましくは11.5以下、特に好ましくは10.5以下であることが望ましい。溶解パラメータは、Small,Fedors,Hansenらの方法により算出することが出来るが、本発明における溶解パラメータとは、FedorsによるSP値をいうものとする。溶解パラメータが12以下の溶媒としては、様々な文献に記載されている通り、ベンゼン、トルエン、フェノキシトルエン、ジフェニルエーテル、メトキシトルエン、エチルベンゼン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン、ニトロトルエン、クロロホルム、ジクロロメタン、アクリロニトリル、ニトロエタン、ニトロメタン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ベンズアルデヒド、ジ−n−ブチルフォスフェイト、フタル酸ジブチルなどを挙げることができる。
なお、上記疎水性溶媒としては、ベンゼン環にビニル基が結合したスチレンやジビニルベンゼンなどを用いてもよい。
さらに、アルカンやシクロアルカンの一部が二重結合となっている、リモネン、ピネン、フェランドレン、カレン、ブタジエン、ノルボルネン、フルオレンなどの不飽和炭化水素も使用可能である。
本発明の第1工程で用いられる疎水性溶媒の他の実施態様としては、上記電荷アクセプターとして働く化合物とCT錯体を形成する化合物Bを溶媒中に溶解してなる溶液が挙げられる。上記溶媒としては、不活性な溶媒を用いてもよく、上記溶媒自体が電荷アクセプターとして働く化合物とCT錯体を形成する溶媒を用いてもよい。
アクセプターとして働く化合物とCT錯体を形成する化合物Bを、CT錯体形成能を有する化合物Bとする。
上記CT錯体形成能を有する化合物Bとしては、それ自体がCT錯体形成能を有する疎水性溶媒を構成している化合物であってもよい。また、固体状態である、ナフタレン、ビフェニル、アントラセン、フェナントレンまたはピレンなどの芳香族化合物であってもよい。
上記不活性溶媒としては、シクロアルカン、ノルマルアルカン、ハロゲン化炭素系の溶媒などを挙げることができる。
なお、上記第1工程で用いられる疎水性溶媒としては、上記電荷アクセプターとして働く化合物を溶解しなければならない。従って、上記電荷アクセプターとして働く化合物と相互作用をある程度有する疎水性溶媒が望ましいが、疎水性溶媒は、強いイオン的な相互作用を有しないことが好ましい。水素結合やイオン結合のような強い相互作用を果たす疎水性溶媒を用いた場合、形成される錯体の配位子がグラフェン層間のSP2結合を有する芳香族との配位子置換反応をすることができない。従って、GICの形成すなわち膨張化黒鉛の形成が進まないおそれがある。よって、上記疎水性溶媒は、電荷アクセプターとしては働く化合物と強いイオン的相互作用を果たさないことが望ましい。例えば、ニトロメタンなどは電荷アクセプターとして働く化合物と強い相互作用を果たすが、ニトロメタンは取扱いに注意を払う危険な溶媒である。本発明では、このような電荷アクセプターとして働く化合物との相互作用が非常に強い溶媒を用いないことが好ましく、それによって製造工程の安全性を高めることができる。
本発明で用いる好ましい溶媒としては、トルエン、フェノキシトルエン、ジフェニルエーテル、メトキシトルエン、MEKを挙げることができる。
(原料黒鉛)
本発明では、第1工程において生成された上記錯体が原料黒鉛に接触される。用い得る原料黒鉛としては、天然黒鉛、人工黒鉛、熱膨張黒鉛、HOPGなどを挙げることができる。なお、HOPG(高配向性熱分解グラファイト)とは、炭化水素ガスを気相成長させることでつくられた高配向性の黒鉛結晶のことである。熱膨張黒鉛は、熱処理により黒鉛のグラフェン層間が広げられている黒鉛をいうものとする。このような熱膨張黒鉛は、エア・ウォーター株式会社や株式会社鈴裕化学などから入手可能である。
本発明では、第1工程において生成された上記錯体が原料黒鉛に接触される。用い得る原料黒鉛としては、天然黒鉛、人工黒鉛、熱膨張黒鉛、HOPGなどを挙げることができる。なお、HOPG(高配向性熱分解グラファイト)とは、炭化水素ガスを気相成長させることでつくられた高配向性の黒鉛結晶のことである。熱膨張黒鉛は、熱処理により黒鉛のグラフェン層間が広げられている黒鉛をいうものとする。このような熱膨張黒鉛は、エア・ウォーター株式会社や株式会社鈴裕化学などから入手可能である。
また、カーボンファイバーのように、グラフェン構造を有する繊維状の材料も原料黒鉛として用いることができる。すなわち、原料黒鉛の形態は特に限定されるものではない。
(第1工程の実施態様)
第1工程では、上記疎水性溶媒中で、上記電荷アクセプターとして働く化合物の錯体を原料黒鉛に接触させる。この操作としては、電荷アクセプターとして働く化合物を疎水性溶媒中で錯体を形成するとともに、該錯体を原料黒鉛に接触させる方法が挙げられる。この場合、錯体形成後に原料黒鉛を錯体に接触させてもよい。すなわち、疎水性溶媒中で上記電荷アクセプターとして働く化合物の錯体を形成した後に、原料黒鉛を疎水性溶媒中に投入し、錯体を原料黒鉛に接触させてもよい。
第1の工程の別の方法として、上記疎水性溶媒中に上記電荷アクセプターとして働く化合物の錯体を投入し、溶解させ、さらに原料黒鉛を同時にまたは後に投入する方法を用いてもよい。
第1工程では、上記疎水性溶媒中で、上記電荷アクセプターとして働く化合物の錯体を原料黒鉛に接触させる。この操作としては、電荷アクセプターとして働く化合物を疎水性溶媒中で錯体を形成するとともに、該錯体を原料黒鉛に接触させる方法が挙げられる。この場合、錯体形成後に原料黒鉛を錯体に接触させてもよい。すなわち、疎水性溶媒中で上記電荷アクセプターとして働く化合物の錯体を形成した後に、原料黒鉛を疎水性溶媒中に投入し、錯体を原料黒鉛に接触させてもよい。
第1の工程の別の方法として、上記疎水性溶媒中に上記電荷アクセプターとして働く化合物の錯体を投入し、溶解させ、さらに原料黒鉛を同時にまたは後に投入する方法を用いてもよい。
錯体と原料黒鉛を接触させる際は、好ましくは加熱を行う。加熱により原料黒鉛のグラフェン層間への上記電荷アクセプターとして働く化合物の挿入が促進される。すなわち、インターカレーションの速度を高めることができる。
また、温度については、疎水性溶媒の沸点未満であればよい。もっとも、温度が高い方が好ましく、常温よりも高い温度であることが望ましく、それによってインターカレーションの速度を高めることができる。
上記第1工程において、電荷アクセプターとして働く化合物の錯体から該電荷アクセプターとして働く化合物がグラフェンの層間に挿入されることになる。このようにして、膨張化黒鉛が疎水性溶媒中において形成されることになる。もっとも、第1工程で得られた膨張化黒鉛では、グラフェンの層間はさほど広げられていない。この点については後述する。第1工程で得られた膨張化黒鉛は上記疎水性溶媒から濾過や遠心分離によって分離することができる。シート形状や3次元の形状を有する場合には、上記膨張化黒鉛を溶媒からそのまま取り出してもよい。また、黒鉛に挿入されなかった、残りの、電荷アクセプターとして働く化合物及びその他の配位子化合物は洗浄により除去することが望ましい。
上記のようにして得られた膨張化黒鉛のXRDスペクトルを測定すると、グラフェン層間の距離は十分に広げられていないことがわかる。しかしながら、後程述べる第2の工程により、グラフェン層間が十分に広げられ、本発明の膨張化黒鉛の製造方法に従って、薄片化黒鉛やグラフェンを容易に剥離し得る膨張化黒鉛を得ることができる。
(第2工程)
本発明では、第2工程は、第1工程の後に行われ、第1工程後の黒鉛材料を極性溶媒に接触させる。すなわち、上記錯体と接触された原料黒鉛、すなわち電荷アクセプターとして働く化合物がインターカレーションされた黒鉛材料を極性溶媒に接触させる。
本発明では、第2工程は、第1工程の後に行われ、第1工程後の黒鉛材料を極性溶媒に接触させる。すなわち、上記錯体と接触された原料黒鉛、すなわち電荷アクセプターとして働く化合物がインターカレーションされた黒鉛材料を極性溶媒に接触させる。
上記第2工程において、グラフェン間がさらに開くことになる。従って、剥離処理を施すことにより、薄片化黒鉛を容易に得ることができる。ここで、極性溶媒としては特に限定されず、様々な溶媒を用いることができる。
もっとも、好ましくは、溶解パラメータが12を超え、かつできるだけ溶解パラメータが高い溶媒を用いることが望ましい。それによって、グラフェン層間をより効果的に広げることができる。
上記溶解パラメータが12を超える極性溶媒としては、γ−ブチロラクトン、プロピレン−1,2−カーボネート、メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、エタノール、フルフリルアルコール、ベンジルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸、プロピレングリコールなどが挙げられる。
好ましくは、溶解パラメータは12.5以上であることが望ましく、より好ましくは14以上である。
溶解パラメータが、12.5以上の溶媒としては、プロピレンカーボネート、ニトロメタン、ピロリドン、エタノールなどがある。
溶解パラメータが、12.5以上の溶媒としては、プロピレンカーボネート、ニトロメタン、ピロリドン、エタノールなどがある。
さらに、溶解パラメータが14以上の極性溶媒としては、水、エチレングリコール、グリセリン、メタノール、無水コハク酸、エチレンカーボネート、ピリジン、フォルムアミド、ジメチルスルホンなどが挙げられる。
また、上記第2工程で用いられる極性溶媒は、上記のような極性溶媒に、他の溶媒が混合されている混合溶媒であってもよい。
また、上記第2工程で用いられる極性溶媒は、上記のような極性溶媒に、他の溶媒が混合されている混合溶媒であってもよい。
また、極性溶媒として水を用いる場合、適正なpHは、グラフェン間に挿入される材料によっても異なる。基本的には、アニオン性の化合物を挿入する場合にはアルカリ性、カチオン性の化合物を挿入する場合には酸性とすることが望ましく、それによって剥離をより一層効果的に進めることができる。
本発明では、上記のように、原料黒鉛を疎水性溶媒中に浸漬する第1工程と、次の極性溶媒に浸漬する第2工程を実施する。すなわち、2段浸漬処理を行う。それによって、グラフェン層間を効果的に広げ、膨張化黒鉛を得ることができる。このようにして得られた膨張化黒鉛もまた、本発明の一態様である。
なお、第2工程における極性溶媒と接触させる温度については特に限定されず、常温から、極性溶媒の沸点以下の温度であればよい。もっとも、浸漬温度は高い方が好ましい。それによって、グラフェン間の距離をより速やかに広げることができる。
上記極性溶媒として、水を含む溶媒であることが好ましい。それによって、剥離を効果的に行うことができる。
ここで述べた第1工程および第2工程の一連の捜査を繰り返すと、さらに剥離度を上げることができる。
ここで述べた第1工程および第2工程の一連の捜査を繰り返すと、さらに剥離度を上げることができる。
(薄片化黒鉛の製造方法)
本発明の薄片化黒鉛の製造方法は、上記膨張化黒鉛の製造方法で得られた膨張化黒鉛に剥離処理を施す。剥離処理としては、超音波処理、機械的せん断処理及び加熱処理のうち少なくとも1種を用いることができる。もっとも、剥離処理としては、特に限定されるものではない。
本発明の薄片化黒鉛の製造方法は、上記膨張化黒鉛の製造方法で得られた膨張化黒鉛に剥離処理を施す。剥離処理としては、超音波処理、機械的せん断処理及び加熱処理のうち少なくとも1種を用いることができる。もっとも、剥離処理としては、特に限定されるものではない。
超音波処理の場合には、極性溶媒中で膨潤した膨張化黒鉛にそのまま超音波を照射すればよい。従って、容易に、グラフェンや薄片化黒鉛が分散された溶液を得ることができる。
また、超音波処理に際し、分散剤としてカップリング剤や分散剤として作用するポリマーを添加してもよい。それによって、分散安定性が高い溶液を提供することが可能となる。
(薄片化黒鉛及び黒鉛フォーム)
本発明の薄片化黒鉛の製造方法によれば、上記のように、グラフェン層間が十分に広げられた膨張化黒鉛を剥離処理することにより得られる。従って、乾燥後のBET比表面積が30m2/g以上の薄片化黒鉛を提供することができる。このようにして得られた薄片化黒鉛もまた、本発明の一態様である。このような薄片化黒鉛では、BET比表面積が大きいため、複合材料を形成する場合、薄片化黒鉛の量が少なくても、機械的強度等を十分に高めることが可能となる。
なお、2000m2/gよりも比表面積が大きい薄片化黒鉛は、実際に作製することが難しい。
本発明の薄片化黒鉛の製造方法によれば、上記のように、グラフェン層間が十分に広げられた膨張化黒鉛を剥離処理することにより得られる。従って、乾燥後のBET比表面積が30m2/g以上の薄片化黒鉛を提供することができる。このようにして得られた薄片化黒鉛もまた、本発明の一態様である。このような薄片化黒鉛では、BET比表面積が大きいため、複合材料を形成する場合、薄片化黒鉛の量が少なくても、機械的強度等を十分に高めることが可能となる。
なお、2000m2/gよりも比表面積が大きい薄片化黒鉛は、実際に作製することが難しい。
また、上記薄片化黒鉛では、XRDスペクトルにおける黒鉛層間由来の26.4°のピークが小さいもしくは、実質的に存在しないことが好ましい。その場合、グラフェン間が十分に広げられていることになり、大きな比表面積を有することになる。
本発明の黒鉛フォームは、次のようにして得られる。
本発明の黒鉛フォームは、次のようにして得られる。
すなわち、グラファイトシートを本発明の第2工程を行うことにより、未処理の黒鉛に比べて、150%以上、好ましくは、300%以上、より好ましくは、500%以上、さらに好ましくは、1000%以上に湿潤膨潤したスポンジ状のフォームを得ることができ、該スポンジ状フォームを乾燥する事によって軽量かつ強度のある黒鉛フォームを得ることができる。
また、本発明で得られる薄片化黒鉛を圧縮することによっても得ることができる。
また、本発明で得られる薄片化黒鉛を圧縮することによっても得ることができる。
上記黒鉛フォームでは、乾燥後の密度が0.1g/cc以下とすることもできる。すなわち、十分密度が低い黒鉛フォームを得ることができる。このような黒鉛フォームでは、密度が非常に低いため、断熱性に優れた炭素材料や、柔軟性に優れた炭素材料を提供することができる。
本発明に係る膨張化黒鉛の製造方法によれば、黒鉛に対して電荷アクセプターとして働く化合物の錯体を疎水性溶媒中で形成させるとともに、該錯体を原料黒鉛に接触させる第1工程と、第1工程の後に錯体と接触された原料黒鉛を極性溶媒に接触させる第2工程を実施することにより、すなわち2段浸漬法により十分にグラフェン層間が開いた膨張化黒鉛を得ることができる。この場合、上記2段浸漬法では、上記疎水性溶媒、電荷アクセプターとして働く化合物、極性溶媒を用いるものであり、アルカリ金属などの危険な化合物を用いることなく、安全に膨張化黒鉛を量産することが可能となる。
また、十分にグラフェン層間が開いた膨張化黒鉛を得ることができるため、剥離処理などにより、グラフェンや薄片化黒鉛を容易に提供することが可能となる。膨張化黒鉛や薄片化黒鉛の量産性を高め、コストを低減することができる。
得られた薄片化黒鉛はほとんど酸化していない。電気伝導性や熱伝導性に優れた薄片化黒鉛を得ることができる。また、該薄片化黒鉛を樹脂と複合化することにより、弾性率が高く、強靭な複合材料を提供することも容易となる。
また、本発明では、黒鉛表面に上記電荷アクセプターとして働く化合物を残存させることも可能である。その場合には、該電荷アクセプターとして働く化合物を選択することにより、溶媒分散性も高めることも可能となる。
本発明で得られた薄片化黒鉛は、水などの極性溶媒への分散性に優れている。また変性も容易である。従って、樹脂に添加されるフィラーとして好適に用いることが可能となる。それによって、樹脂の機械的強度や弾性率の改善を容易に図ることができる。
高温加熱や真空処理などを必ずしも必要としない。従って、スケールアップが容易であるため、薄片化黒鉛の量産性を効果的に高めることが可能となる。
〔評価方法〕
補充する実施例及び比較例について、以下の評価方法1)〜5)のいずれかを用い、評価した。
補充する実施例及び比較例について、以下の評価方法1)〜5)のいずれかを用い、評価した。
評価方法1):XRD測定
X線回折測定をリガク社製X線回折装置Rint1000 を用いて行った。
ターゲットにはCu を用い、管電圧50kV,管電流150mA とし、2θ−θ法により回折を得た。検出器にはシンチレーションカウンターを用い、3度/分の速度でスキャンした。
なお、被験物質が黒鉛を含有する分散溶液の場合は、スライドガラス上にマウントし、室温にて乾燥した後、XRDの測定を行った。
X線回折測定をリガク社製X線回折装置Rint1000 を用いて行った。
ターゲットにはCu を用い、管電圧50kV,管電流150mA とし、2θ−θ法により回折を得た。検出器にはシンチレーションカウンターを用い、3度/分の速度でスキャンした。
なお、被験物質が黒鉛を含有する分散溶液の場合は、スライドガラス上にマウントし、室温にて乾燥した後、XRDの測定を行った。
なお、実施例4〜9については、リガク社製X線回折装置Smart Labを用いて測定を行った。ターゲットにはCu を用い、管電圧40kV,管電流80mA とし、2θ−θ法により回折を得た。検出器にはシンチレーションカウンターを用い、4度/分の速度でスキャンした。
評価方法2):26.4°X線ピーク比率
本発明の製造方法によれば、X線回折測定において、原料である黒鉛が有する層結晶由来の26.4度に位置するピークが、剥離すなわち薄片化の進行とともに小さくなっていく。この原理を利用して黒鉛の剥離度の目安とした。
本発明の製造方法によれば、X線回折測定において、原料である黒鉛が有する層結晶由来の26.4度に位置するピークが、剥離すなわち薄片化の進行とともに小さくなっていく。この原理を利用して黒鉛の剥離度の目安とした。
基準となる厚み1mm前後のグラファイトシートあるいは黒鉛を評価方法1)に従って26.4°のピーク強度を測定し、それをピークAとする。そのグラファイトシートあるいは黒鉛を本発明の2段浸漬処理をすることによって膨潤させ、その膨潤シートあるいは黒鉛を乾燥し、そのサンプルを評価方法1)に従って、やはり26.4°のピーク強度を測定する。それをピークBとする。
B/A×100を該サンプルのX線ピーク比率とした。
B/A×100を該サンプルのX線ピーク比率とした。
評価方法3):BETの測定法
本発明の2段浸漬処理後、剥離処理することにより得られた薄片化黒鉛の比表面積測定試料を、島津製作所製、比表面積測定装置ASAP−2000で窒素ガスを用い、表面積を測定した。なお、実施例4〜9については、500℃2時間加熱処理を行ってからBET測定した。
本発明の2段浸漬処理後、剥離処理することにより得られた薄片化黒鉛の比表面積測定試料を、島津製作所製、比表面積測定装置ASAP−2000で窒素ガスを用い、表面積を測定した。なお、実施例4〜9については、500℃2時間加熱処理を行ってからBET測定した。
評価方法4)湿潤膨潤率測定
処理前のグラファイトシートの厚みをノギスで測定し、厚みAとする。そのグラファイトシートを本発明の2段浸漬処理することによって得られた膨潤シートを、キムタオルを用いて余分な水分を除去後、その厚みをノギスで測定し、厚みBとする。
B/A×100を該サンプルの湿潤膨潤率とした。
処理前のグラファイトシートの厚みをノギスで測定し、厚みAとする。そのグラファイトシートを本発明の2段浸漬処理することによって得られた膨潤シートを、キムタオルを用いて余分な水分を除去後、その厚みをノギスで測定し、厚みBとする。
B/A×100を該サンプルの湿潤膨潤率とした。
評価方法5)密度測定
湿潤状態の黒鉛シートを乾燥し、得られた黒鉛フォームの重さA(g)を測定後、縦、横、高さの長さ(mm)をノギスで測定して体積B(mm3)を算出する。
A/B×1000を該サンプルの密度(g/cm3)とする。
以下、本発明の具体的な実施例及び比較例を挙げることにより、本発明をより詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
湿潤状態の黒鉛シートを乾燥し、得られた黒鉛フォームの重さA(g)を測定後、縦、横、高さの長さ(mm)をノギスで測定して体積B(mm3)を算出する。
A/B×1000を該サンプルの密度(g/cm3)とする。
以下、本発明の具体的な実施例及び比較例を挙げることにより、本発明をより詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
電荷アクセプター型化合物として塩化アルミニウム(和光純薬社製)2g、溶媒としてトルエン(和光純薬社製)10g、及び1.5cm×1.5cmに切り取った膨張黒鉛シート(東洋炭素社製、商品名「PF−100 UHP」)片をサンプル管に入れ、超音波洗浄器(ヴェルヴォクリーア社製、型番「VS−100III」)を用いて、周波数28kHzで30分間×8回、超音波処理を行った。その後、室温で1週間熟成させた(第1工程)後、シート片を取り出し、トルエン洗浄した。洗浄したシート片を風乾後、シート片を半分に切り、1/2の大きさの2枚のシート片を得た。各シート片を水に1週間浸漬(第2工程)し、2つの膨張化黒鉛を得た。得られた膨潤化黒鉛の厚みを測定し、湿潤膨潤率を求めた。膨潤化黒鉛の1つをTHF10gの入ったサンプル管に入れ、周波数28kHzで30分間×6回、超音波処理を行い、薄片化黒鉛を得た。残り1つの膨張化黒鉛は、剥離処理を行わずに、そのまま減圧乾燥し、黒鉛フォームを得た。
電荷アクセプター型化合物として塩化アルミニウム(和光純薬社製)2g、溶媒としてトルエン(和光純薬社製)10g、及び1.5cm×1.5cmに切り取った膨張黒鉛シート(東洋炭素社製、商品名「PF−100 UHP」)片をサンプル管に入れ、超音波洗浄器(ヴェルヴォクリーア社製、型番「VS−100III」)を用いて、周波数28kHzで30分間×8回、超音波処理を行った。その後、室温で1週間熟成させた(第1工程)後、シート片を取り出し、トルエン洗浄した。洗浄したシート片を風乾後、シート片を半分に切り、1/2の大きさの2枚のシート片を得た。各シート片を水に1週間浸漬(第2工程)し、2つの膨張化黒鉛を得た。得られた膨潤化黒鉛の厚みを測定し、湿潤膨潤率を求めた。膨潤化黒鉛の1つをTHF10gの入ったサンプル管に入れ、周波数28kHzで30分間×6回、超音波処理を行い、薄片化黒鉛を得た。残り1つの膨張化黒鉛は、剥離処理を行わずに、そのまま減圧乾燥し、黒鉛フォームを得た。
[実施例2]
溶剤をトルエンからメチルエチルケトンに変更したこと以外は、実施例1と同様に操作を行った。
溶剤をトルエンからメチルエチルケトンに変更したこと以外は、実施例1と同様に操作を行った。
[実施例3]
電荷アクセプター型化合物として塩化アルミニウム(和光純薬社製)2g、溶媒としてトルエン(和光純薬社製)10g、及び1.5cm×1.5cmに切り取った膨張黒鉛シート(東洋炭素社製、商品名「PF−100 UHP」)片をサンプル管に入れ、超音波洗浄器(ヴェルヴォクリーア社製、型番「VS−100III」)を用いて、周波数28kHzで30分間×8回、超音波処理を行った。その後、室温で2週間熟成させた(第1工程)後、シート片を取り出し、トルエン洗浄した。洗浄したシート片を風乾後、シート片を半分に切り、1/2の大きさの2枚のシート片を得た。各シート片を25%アンモニア水に3日間浸漬(第2工程)し、2つの膨張化黒鉛を得た。以下、実施例1と同様に操作した。
電荷アクセプター型化合物として塩化アルミニウム(和光純薬社製)2g、溶媒としてトルエン(和光純薬社製)10g、及び1.5cm×1.5cmに切り取った膨張黒鉛シート(東洋炭素社製、商品名「PF−100 UHP」)片をサンプル管に入れ、超音波洗浄器(ヴェルヴォクリーア社製、型番「VS−100III」)を用いて、周波数28kHzで30分間×8回、超音波処理を行った。その後、室温で2週間熟成させた(第1工程)後、シート片を取り出し、トルエン洗浄した。洗浄したシート片を風乾後、シート片を半分に切り、1/2の大きさの2枚のシート片を得た。各シート片を25%アンモニア水に3日間浸漬(第2工程)し、2つの膨張化黒鉛を得た。以下、実施例1と同様に操作した。
[実施例4]
電荷アクセプター型化合物として塩化アルミニウム(和光純薬社製)2g、溶媒としてジフェニルエーテル(和光純薬社製)10g、及び1.5cm×1.5cmに切り取った膨張黒鉛シート(東洋炭素社製、商品名「PF−100 UHP」)片をサンプル管に入れ、超音波洗浄器(ヴェルヴォクリーア社製、型番「VS−100III」)を用いて、周波数28kHzで30分間×10回、超音波処理を行った。その後、室温で8日間熟成させた(第1工程)後、シート片を取り出し、トルエン洗浄した。洗浄したシート片を風乾後、シート片を半分に切り、1/2の大きさの2枚のシート片を得た。各シート片を25%アンモニア水に12日間浸漬(第2工程)し、2つの膨張化黒鉛を得た。以下、実施例1と同様に操作した。
電荷アクセプター型化合物として塩化アルミニウム(和光純薬社製)2g、溶媒としてジフェニルエーテル(和光純薬社製)10g、及び1.5cm×1.5cmに切り取った膨張黒鉛シート(東洋炭素社製、商品名「PF−100 UHP」)片をサンプル管に入れ、超音波洗浄器(ヴェルヴォクリーア社製、型番「VS−100III」)を用いて、周波数28kHzで30分間×10回、超音波処理を行った。その後、室温で8日間熟成させた(第1工程)後、シート片を取り出し、トルエン洗浄した。洗浄したシート片を風乾後、シート片を半分に切り、1/2の大きさの2枚のシート片を得た。各シート片を25%アンモニア水に12日間浸漬(第2工程)し、2つの膨張化黒鉛を得た。以下、実施例1と同様に操作した。
[実施例5]
溶剤をジフェニルエーテルからフェノキシトルエンに変更したこと以外は、実施例4と同様に操作を行った。
溶剤をジフェニルエーテルからフェノキシトルエンに変更したこと以外は、実施例4と同様に操作を行った。
[実施例6]
溶剤をジフェニルエーテルからメトキシベンゼンに変更したこと以外は、実施例4と同様に操作を行った。
溶剤をジフェニルエーテルからメトキシベンゼンに変更したこと以外は、実施例4と同様に操作を行った。
[実施例7]
電荷アクセプター型化合物を塩化アルミニウムから塩化鉄に変更したこと以外は、実施例6と同様に操作を行った。
電荷アクセプター型化合物を塩化アルミニウムから塩化鉄に変更したこと以外は、実施例6と同様に操作を行った。
[実施例8]
溶剤をメトキシベンゼンからMEKに変更したこと以外は、実施例7と同様に操作を行った。
溶剤をメトキシベンゼンからMEKに変更したこと以外は、実施例7と同様に操作を行った。
[実施例9]
溶剤をメトキシベンゼンからニトロメタンに変更したこと、及び塩化鉄2gを4gに変更したこと以外は、実施例7と同様に操作を行った。
溶剤をメトキシベンゼンからニトロメタンに変更したこと、及び塩化鉄2gを4gに変更したこと以外は、実施例7と同様に操作を行った。
[比較例]
溶媒としてトルエンの代わりにTHFを用いたこと以外は、実施例1と同様に操作した。
溶媒としてトルエンの代わりにTHFを用いたこと以外は、実施例1と同様に操作した。
(評価結果)
下記の表1に、実施例1〜9及び比較例の評価結果を示す。また、図1は、実施例1で原材料として用いた膨張黒鉛シート(東洋炭素社製、PF−100 UHP)、実施例1で得た膨張化黒鉛、実施例2で得た膨張化黒鉛及び比較例で得た膨張化黒鉛のXRDスペクトルを示す図である。図2は、実施例4で原材料として用いた膨張黒鉛シート(東洋炭素社製、PF−100 UHP)、及び、実施例4〜9で得た膨張化黒鉛のXRDスペクトルを示す図である。
下記の表1に、実施例1〜9及び比較例の評価結果を示す。また、図1は、実施例1で原材料として用いた膨張黒鉛シート(東洋炭素社製、PF−100 UHP)、実施例1で得た膨張化黒鉛、実施例2で得た膨張化黒鉛及び比較例で得た膨張化黒鉛のXRDスペクトルを示す図である。図2は、実施例4で原材料として用いた膨張黒鉛シート(東洋炭素社製、PF−100 UHP)、及び、実施例4〜9で得た膨張化黒鉛のXRDスペクトルを示す図である。
図1及び図2から明らかなように、黒鉛由来の26°のピークが、実施例1ではほとんど見られず、実施例2においても著しく小さくなっていることがわかる。従って、実施例1及び実施例2、4〜9によれば、比較例に比べ、グラフェン間の距離が広げられていることがわかる。
Claims (16)
- 疎水性溶媒中で、黒鉛に対して電荷アクセプターとして働く化合物の錯体を原料黒鉛に接触させる第1工程と、
前記第1工程の後に、錯体と接触された原料黒鉛を極性溶媒に接触させる第2工程とを備える、膨張化黒鉛の製造方法。 - 前記疎水性溶媒の溶解パラメータが12以下である、請求項1に記載の膨張化黒鉛の製造方法。
- 前記疎水性溶媒が、芳香族環を有する化合物からなる溶媒である、請求項2に記載の膨張化黒鉛の製造方法。
- 前記疎水性溶媒中に分子内に芳香族官能基を有する化合物を不可欠成分として含む、請求項1〜3に記載の膨張化黒鉛の製造方法。
- 前記第2工程で用いられる極性溶媒の、溶解パラメータが12を超える化合物からなる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の膨張化黒鉛の製造方法。
- 前記極性溶媒が、溶解パラメータが12.5以上の化合物からなる、請求項5に記載の膨張化黒鉛の製造方法。
- 前記極性溶媒が、溶解パラメータが14以上の化合物からなる、請求項6に記載の膨張化黒鉛の製造方法。
- 前記極性溶媒が、水を不可欠成分として含む溶媒である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の膨張化黒鉛の製造方法。
- 前記第1工程において、疎水性溶媒中で黒鉛に対して電荷アクセプターとして働く前記化合物の錯体を形成させると共に、該錯体を原料黒鉛に接触させる、請求項1〜8のいずれか1項に記載の膨張化黒鉛の製造方法。
- 前記第1工程において、黒鉛に対して電荷アクセプターとして働く前記化合物の錯体を前記疎水性溶媒に溶解し、該疎水性溶媒中で原料黒鉛に接触させる、請求項1〜8のいずれか1項に記載の膨張化黒鉛の製造方法。
- 前記黒鉛に対して電荷アクセプターとして働く化合物として、(1)MXnで表される金属ハロゲン化物、(2)MAXで表される複合塩、(3)MLもしくはMLXで表される錯化合物、(4)芳香族化合物とCT錯体を形成する能力のある有機化合物、及び(5)3価のリン化合物からなる群から選択された少なくとも1種の化合物を用いる(但し、(1)〜(3)において、Mは周期律表2〜7族の金属、Xはハロゲン、Aは酸であり、nは2〜5の整数、Lは配位子として働く化合物)、請求項1〜10のいずれか1項に記載の膨張化黒鉛の製造方法。
- 前記黒鉛に対して電荷アクセプターとして働く化合物が前記MXnの構造を有する化合物または前記MLXの構造を有する化合物であり、MLXの構造を有する化合物が、MLaXbの構造を有する(但し、a及びbは1〜4の整数)の化合物である、請求項11に記載の膨張化黒鉛の製造方法。
- 請求項1〜12のいずれか1項に記載の膨張化黒鉛の製造方法で得られた膨張化黒鉛に、剥離処理を施す、薄片化黒鉛の製造方法。
- 前記剥離処理が、超音波処理、機械的せん断処理及び加熱処理のうち少なくとも1種である、請求項13に記載の薄片化黒鉛の製造方法。
- 請求項1〜12のいずれか1項に記載の膨張化黒鉛の製造方法で得られた膨張化黒鉛。
- 請求項13または14に記載の薄片化黒鉛の製造方法により得られた薄片化黒鉛。
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